JP3719882B2 - 耐圧性ポリエステル製ボトル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐圧性ポリエステルボトルに関するもので、より詳細には、ボトル底部が足部と谷部とが交互に配置された自立構造を有すると共に、特異な形状と配向特性とを有し、耐環境応力亀裂(ESC)性、耐衝撃性、耐圧強度及び外観特性などに優れているポリエステルボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
延伸ブロー成形プラスチック容器、特にポリエステル容器は今日では一般化しており、その優れた透明性と適度なガスバリヤー性とにより、液体洗剤、シャンプー、化粧品、醤油、ソース等の液体商品の外に、ビール、コーラ、サイダー等の炭酸飲料や、果汁、ミネラルウオータ等の他の飲料容器やデザート類カップ、ミソ用容器、カップ製品等に広く使用されている。
【0003】
ポリエステルボトルの底部構造としては、丸底の底部に別体のベースカップを嵌着したツーピース構造のものと、底部に足部と谷部とを交互に配置したワンピース構造のものとが知られているが、資源の再利用の点や生産性の点で後者のワンピース型のものが主流を占めるに至っている。
【0004】
しかしながら、後者のワンピース構造の底部を有するボトルでは、耐圧性と自立性とを両立させるのが必ずしも容易でないという問題を有するのに加えて、このタイプのボトル底部には、環境応力亀裂(ESC)を発生しやすいという問題があり、環境応力亀裂(ESC)防止のための手段も種々検討されている。
【0005】
特開平5−246416号公報には、二軸延伸吹き込み成形された合成樹脂製の自立壜において、底部の中心より所定距離離れた点を底部形状の変化点とし、この変化点より半径方向外向きに斜め下方に延在する傾斜部を経て接地部に至る、前記底部にほぼ等中心角度ごとに設けられた3個以上の脚部を有し、前記中心より前記変化点を越えた長さの所定半径をもつ内側のほぼ円形の領域が、未延伸または低延伸の厚肉部で形成され、少なくとも前記接地部を含む外側領域が延伸された薄肉部で構成され、前記厚肉部と薄肉部とを結ぶ肉厚移行部が前記傾斜部の途中に形成されていることを特徴とする合成樹脂製自立壜が記載されており、この自立壜においては、耐内圧性を確保しながら、ストレスクラッキングの発生を防止しうることも記載されている。
【0006】
特開平11−43127号公報には、二軸延伸ブロー成形により製造されるプラスチックボトルにおいて、その底部が半球状曲面の底面から下方に膨出された多数の脚部を周方向に略等間隔で配置されてなり、(A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)ポリエチレンナフタレートを、(A)と(B)の合計に対するエチレンナフタレート成分比率5〜15モル%で含み、エステル交換率が5〜30%であり、且つ固有粘度が0.70(dl/g)以上であるポリエステル樹脂組成物から成ることを特徴とする自立型ボトルが記載されており、この自立型ボトルでは結晶化処理を施すことなしに、加熱殺菌処理による変形を少なくできることも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
環境応力亀裂(ESC)は、単にストレスクラッキングとも呼ばれており、一般に高分子材料を、応力を受けている状態、或いは加工時の歪みが残留している状態で、ある種の薬品類に接触するなど、ある種の雰囲気下に置かれたとき、亀裂を発生する現象を意味している。
【0008】
ポリエステルボトル、特に自立型底部構造のポリエステルボトルにおいては、炭酸飲料などの自生圧を有する内容物を充填し、保存した場合、底部にストレスクラッキングを発生することがよく認められる。
【0009】
PETボトルにおけるストレスクラッキング発生の因子としては、極めて多くの因子が知られており、一つの因子ではストレスクラッキングが発生しなくても、同時にいくつかの因子が共存すると欠陥につながることが知られている。
これらの因子としては、例えばポリエステルの固有粘度、リプロの割合やペレットの寸法、射出成形やブロー成形の条件、延伸の程度、材料の分布、表面の結晶化度、底部での厚みの急激な変化、表面の仕上げ、介在物、ボトル製造後の経過時間、高い気温、多湿、充填製品のパレットの換気状態、容器のシェルライフ以上の充填製品の保存、溶剤、不適正なライン用潤滑剤、充填ラインの過剰な泡、高ガスボリューム等が知られている。
【0010】
本発明者らは、底部に足部と谷部とを交互に備えている耐圧性ポリエステルボトルにおいて、自生圧力を有する内容物を充填、保存した場合に生じる底割れの原因を鋭意検討した。この結果、発生する底割れは何れも底部の周方向に沿ったものであり、また底割れ発生位置近傍においては、円周方向に一軸配向が生じており、しかもこの一軸配向部分に径方向の応力が集中して割れの発生を生じるとの結論に到達した。
【0011】
かくして、本発明の目的は、底部に足部と谷部とを交互に備えた自立型構造を有し且つ自生圧力を有する内容物を充填するための耐圧性ポリエステルボトルにおいて、高温及び多湿条件下での長期保存でも、底割れ乃至潜在的底割れの発生が防止されたポリエステルボトルを提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、耐圧性ポリエステルボトルにおいて、底部に足部と谷部とを交互に有し、谷部が高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の密度が1.34g/cm未満であり、且つ前記谷部が周方向への一軸配向を実質上有しないことを特徴とする耐圧性ポリエステルボトルが提供される。
本発明の耐圧性ポリエステルボトルにおいては、
1.谷部の高さ方向に90%以上の部分が単一の曲率半径の曲面であること、
2.底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の結晶化度が、X線回折法で2θ=0°乃至100°の範囲で測定して3%以下であること、
3.谷部の表面積(S)が底部の表面積(S)に対し16乃至25%であること、
が好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明のポリエステルボトルの一例を示す図1において、このボトルは、熱可塑性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形成された口頚部1、口頚部に接続される肩部2、胴部3及び底部4から成っている。底部4は自立構造を有しており、
交互に配置された足部5と谷部6とからなっている。
【0014】
本発明のポリエステルボトルでは、
I.谷部6が高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で構成されていること、
II.底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部は、その密度が1.34g/cm未満であること、及び
III.前記谷部が周方向への一軸配向を実質上有しないこと、
が顕著な特徴であり、これにより、高温及び多湿条件下での長期保存でも、底割れの発生を有効に防止することができる。
【0015】
本発明のポリエステルボトルでは、谷部を高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で構成した(前記要件I)。これにより、底部の特定部分に対する応力集中が防止され、保存中での底割れを有効に防止することができる。
後述する例を参照されたい。
即ち、谷部を3個の曲率半径部分から構成したポリエステルボトルでは、アルカリ浸漬試験(促進底割れ試験)において、浸漬開始18分後から底割れが発生し、しかも底割れ発生率は23%に達する(後述する比較例1参照)のに対して、谷部を実質上単一の曲率半径部分から構成したボトルでは、同様のアルカリ浸漬試験において、浸漬開始後から底割れ発生時間が23分に延長され、しかも底割れ発生率は5.6%に抑制される(後述する実施例1参照)ことが明らかである。
【0016】
本発明において、谷部が高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で構成されているとは、谷部全体が単一の曲率半径の曲面で構成されている場合は勿論のこと、谷部の大部分が単一の曲率半径の曲面で構成され、ごく限られた小さい部分がこれと異なる曲率半径の曲面で構成されていてもよいことを意味している。
一般に、谷部の高さ方向に90%以上の部分が単一の曲率半径の曲面であることが好ましく、この構成では谷部の特定部位での応力集中や、これによる底割れ乃至潜在的底割れの発生を有効に防止することができる。
【0017】
本発明では、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部を、その密度が1.34g/cm未満であり(要件II)、しかも周方向への一軸配向を実質上有しない(要件III)もので構成した。これにより、底割れの原因となる脆性部分の発生を防止することができる。
例えば、後述する例に示すとおり、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の密度が1.34g/cm以上であるもの(後述する比較例2)や、周方向への一軸配向が実質上生じているもの(後述する比較例2)では、前記と同様の促進底割れ試験において、浸漬開始2分後から底割れが発生し、しかも底割れ発生率は48.0%に達するのに対して、谷部の密度を1.34g/cm未満とし、しかも周方向への一軸配向を実質上有しない用に構成したボトルでは、同様のアルカリ浸漬試験において、浸漬開始後から底割れ発生時間が20分に延長され、しかも底割れ発生率も8%以下に抑制できるのである。
【0018】
本発明において、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の密度や一軸配向の有無を問題としているのは、足部と谷部とが交互に配置された自立型構造の耐圧性ポリエステルボトルにおいて、内容物充填後に底割れが発生する部位は、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部であり、この部位における密度が前記範囲内にありしかも一軸配向が実質上存在しない場合には、底割れが有効に回避されるからである。
【0019】
ポリエステルの密度は、n−ヘプタン−四塩化炭素系密度勾配管(池田理化株式会社)を作成し、20℃の条件下でサンプルの密度を求めることができる。この密度は、ポリエステルの配向結晶化及び熱結晶化に伴い増大する。ポリエチレンテレフタレートの場合、非晶密度(ρam)が1.335g/cm、結晶密度(ρc )が1.455g/cmであることが知られており、試料の密度(ρ)と結晶化度(Xc )との関係は、下記式(1)
Figure 0003719882
で与えられる。
【0020】
一方、谷部における周方向への一軸配向は、周方向への配向中間相(oriemted mesophase )として、X線回折学的に検出することができる。
【0021】
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表される熱可塑性ポリエステルには、非晶相及び結晶相に加えて配向中間相(oriented mesophase) が存在することが知られている(繊維学会誌 第40巻第6号(1984)p49〜56)。
すなわち、PETの結晶相では、分子中のベンゼン環の配置にも規則性が認められるのであるが、この配向中間層では、ベンゼン環の配置には規則性はないが、非晶相とは異なり、繊維軸方向での配向において、一定の周期性のある構造が認められるというものである。この周期性のある構造は、配向繊維の場合、X線回折において、非晶質のX線散漫散乱のピークに重畳して一軸配向に特有のピークが現れ、しかもこの非晶質のピークと一軸配向によるピークとは分離して検出されるものである。
【0022】
本発明のポリエステルボトルでも、透過型X線回折装置を用い、谷部の試料に垂直にX線を入射させると共に、円周方向に対して直角方向にBragg角(2θ)を0〜100゜の範囲で変化させて、回折強度を測定し、下記式(2)から配向結晶化度(Doc)を求めることができる。
Doc=[(I−I)/I]×100 ‥(2)
式中、Iは谷部試料の2θ=0〜100゜の回折ピーク面積であり、Iは谷部試料を溶融、急冷により完全に非晶質化したものの2θ=0〜100゜の回折ピーク面積である。
【0023】
本発明において、上記式(2)から求められる配向結晶化度(Doc)が3%以下であれば、底割れの原因となる一軸配向は実質上ないということができる。
【0024】
本発明の自立型耐圧性ポリエステルボトルにおいて、谷部の密度が1.34g/cm未満であり、しかも周方向への一軸配向が実質上ない場合に、底割れが防止されるという事実は、従来の知見からは真に予想外のものということができる。
何となれば、既に指摘したとおり、耐圧性ポリエステルボトルにおける底割れは、典型的な環境応力亀裂(ESC)であり、この環境応力亀裂の防止には、分子配向の付与が有効であると信じられていたのであるが、本発明の自立型ポリエステルボトルでは、谷部の結晶化を低いレベルに抑制すると共に、周方向への一軸配向をも抑制することにより、底割れの発生を抑制し、耐圧性を向上させると共に、内容物の保存性をも向上させることに成功したものである。
【0025】
[ポリエステル]
本発明において、延伸ブロー成形及び熱結晶化可能なポリエステル材料であれば、任意のものを使用し得るが、特にエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが有利に使用されるが、勿論、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの他のポリエステル、或いはポリカーボネートやアリレート樹脂等とのブレンド物を用いることもできる。
【0026】
本発明に用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレンテレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至270℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0027】
ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得る。
【0028】
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0029】
また、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルにガラス転移点の比較的高い例えばポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート或いはポリアリレート等を5%〜25%程度をブレンドした複合材を用いることができ、それにより比較的高温時の材料強度を高めることができる。
さらに、ポリエチレンテレフタレートと上記のガラス転移点の比較的高い材料とを積層化して用いることもできる。
【0030】
用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレード或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望ましい。
【0031】
[ボトル及びその製造]
本発明の耐圧性ポリエステルボトルは、底部に谷部と足部とを交互に備えており、しかも谷部は前述した特徴を有している。
谷部は高さ方向に実質上単一の曲率半径(R)の曲面となっているが、この曲率半径(R)は、ボトル胴部半径(Rd)によっても相違するが、一般にRdの0.9〜1.2倍、特に0.95〜1.05倍の範囲にあることが好ましい。
【0032】
この谷部の曲率半径(R)が上記範囲よりも大きいと、ボトルの耐圧強度が不満足となり、また谷部と底中心部や胴部とを、曲率半径の異なる部分をかなりの高さにわたって設けない限り、円滑に接続することが困難となる傾向がある。
一方、谷部の曲率半径(R)が上記範囲よりも小さいと、ボトルの自立性が低下したり、また、足部の成形性が低下する傾向があり、更に谷部と底中心部や胴部とを、曲率半径の異なる谷部をかなりの高さにわたって設けない限り、円滑に接続することが困難となる傾向がある。
【0033】
また、本発明のポリエステルボトルにおいては、谷部の表面積(S)が底部の表面積(S)に対し16乃至25%、特に18乃至23%であることが、自立性と耐圧性とのバランスの点で好ましい。
即ち、谷部の表面積比率が上記範囲を下回ると、耐圧強度が低下したり、充填保存時の底割れなどが発生しやすくなる傾向があり、一方谷部の表面積比率が上記範囲を上回ると、自立性が低下したり、足部の成形性が低下する傾向がある。
【0034】
一方、足部は最下方に接地部を有しているが、この接地部の水平方向の曲率半径(Rg)は、ボトル胴部半径(Rd)によっても相違するが、一般にRdの 0.69〜0.74倍、特に0.71〜0.735倍の範囲にあることが好ましい。
接地部の半径(Rg)が上記範囲を下回ると、自立安定性が損なわれる傾向が大きくなり、一方この半径(Rg)が上記範囲を上回ると、足部が過延伸状態となって白化やクラックが発生して、耐圧強度が低下する傾向がある。
【0035】
足部の内、接地部よりも内側の下方部分は、上に凸な曲面となっていることが耐圧性や自立性の点で好ましく、この曲面の曲率半径(Rl)は、ボトル胴部半径(Rd)の1.3〜1.8倍、特に1.4〜1.65倍の範囲にあることが好ましい。
【0036】
足部及び谷部よりも内側には、ほぼフラットで足部及び谷部に滑らかに接続される底中心部を設けることができ、この底中心部の半径(Rc)は、ボトル胴部半径(Rd)の0.14〜0.16倍、特に0.145〜0.155倍の範囲にあることが好ましい。
【0037】
また、接地部から底中心部への高さは、一般に4乃至5mm、特に4.3乃至4.7mmの高さを有することが、内容物充填状態での自立安定性の点で好ましい。
また、底部に設ける足部の本数は、自立安定性の点から、一般に4乃至6本、特に5乃至6本が適当である。
【0038】
本発明の耐圧性ボトルの胴部は、高度に二軸配向されていることが望ましい。一般に、胴部の密度は、1.355乃至1.39g/cm、特に1.36乃至1.39g/cmの範囲にあることが耐圧強度の点で好ましい。
【0039】
本発明の耐圧性ボトルの口頸部は、キャップを締結するためのネジ、ボトルを支持するためのサポートリング、キャップのタンパーエビデントバンドを係止するためのあご部乃至ラチェット等のそれ自体公知の機構を備えている。
【0040】
本発明の耐圧性ボトルは、前述した口頸部を除いて、一般に0.2乃至3.5mm、特に0.25乃至3.4mmの厚みを有している。底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部では、周方向への一軸配向が抑制されているため、比較的肉厚であり、その厚みは一般に1.1乃至3.2mmである。
【0041】
本発明の耐圧性ボトルは、実質上非晶質状態のポリエステルの有底プリフォームを製造し、この有底プリフォームを延伸温度に加熱した後、特定の型内で延伸ブロー成形することにより製造される。
用いる型(キャビテイ型)は谷部と足部に対応する内面を有していることは当然であるが、谷部形成用の型内面が高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で構成されている必要がある。
また、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部では、周方向への一軸配向が抑制される条件下で延伸ブロー成形を行う必要がある。
【0042】
ポリエステルのプリフォームへの成形には、射出成形を用いることができる。即ち、ポリエステルを冷却された射出型中に溶融射出して、過冷却された非晶質のポリエステルプリフォームに成形する。
【0043】
射出機としては、射出プランジャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射出型中に射出する。これにより、ポリエステルは射出型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用のプリフォームとなる。
【0044】
射出型としては、容器形状に対応するキャビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或いはマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。
射出温度は270乃至310℃、圧力は28乃至110kg/cm程度が好ましい。
【0045】
プリフォームの延伸温度は、一般に85乃至135℃、特に90乃至130℃の温度が適当であり、その加熱は、赤外線加熱、熱風加熱炉、誘電加熱等のそれ自体公知の手段により行うことができる。
【0046】
尚、プリフォームからの延伸ブロー成形には、成形されるプリフォーム成形品に与えられた熱、即ち余熱を利用して、プリフォーム成形に続いて延伸ブロー成形を行う方法も使用できるが、一般には、一旦過冷却状態のプリフォーム成形品を製造し、このプリフォームを前述した延伸温度に加熱して延伸ブロー成形を行う方法が好ましい。
【0047】
延伸温度に予備加熱されたプリフォームを、それ自体公知の延伸ブロー成形機中に供給し、前述した金型内にセットして、延伸棒の押し込みにより軸方向に引張延伸すると共に、流体の吹き込みにより周方向へブロー延伸成形する。
【0048】
最終ボトルにおける延伸倍率は、面積倍率で5乃至18倍が適当であり、この内でも、軸方向延伸倍率を2乃至4倍とし、周方向延伸倍率を2.5乃至4倍とするのがよい。
【0049】
【実施例】
本発明を次の例により具体的に説明するが、本発明はこれら例により何等限定されるものではない。
【0050】
測定は以下の要領で行った。
1)配向結晶化度
透過型X線回折装置により、2θ=0〜100°の範囲における配向結晶ピークの割合を求め配向結晶化度とした。
2)アルカリ浸漬試験
各例のボトル10本づつを温度40℃、湿度90%で12時間加湿した後、炭酸水を充填し30℃の温水でボトル内の充填液を20〜22℃に調温し、20〜22℃の0.2%NaOH水溶液に60分間浸漬して、底割れ発生率及び底割れの起こる最短時間を調べた。
【0051】
3)アルカリ落下試験
各例のボトル20本づつを温度40℃、湿度90%で1時間加湿した後、炭酸水を充填し30℃の温水でボトル内の充填液を20〜22℃に調温し、20〜22℃の0.1%NaOH水溶液に5分間浸漬する。ついで0.8m、1.2mの高さから3回づつ落下させた。
【0052】
[実施例1]
PETの二軸延伸ブローにより5本の足とそれらを隔てる谷部を有する容器を作成した。谷部は実質的に単一の曲率半径(R=46.34)からなり、かつ胴部半径の35%相当半径の底谷部が0%の配向結晶化度及び1.336g/cmの密度を有し、S/S=0.192である容器である。
実施例1の容器の諸寸法を図2に示す。図2において、数字の単位はmmであり、φは直径、Rは曲率半径を示している。
【0053】
[実施例2]
実施例1において配向結晶化度が2.65%、密度が1.338g/cm、S/S=0.172であること以外は実施例1と同様の容器である。
【0054】
[実施例3]
実施例1において配向結晶化度が2.50%であること、密度が1.338g/cmであること、S/S=0.226であること以外は実施例1と同様の容器である。
【0055】
[実施例4]
谷部は実質的に単一の曲率半径(R=45.7)からなり、かつ胴部半径の40%相当半径の底谷部が0%の配向結晶化度を有し、1.336g/cmの密度を有し、S/S=0.196である容器である。
【0056】
[実施例5]
実施例1において配向結晶化度が2.71%であること、密度が1.339g/cmであること、S/S=0.244であること以外は実施例1と同様の容器である。
【0057】
[比較例1]
実施例1においてほぼ当配分の3つの曲率半径(R=82.5、40、25)を有し、S/S=0.276であること以外は実施例と同様の容器である。
【0058】
[比較例2]
ほぼ当配分の3つの曲率半径(R=70.3、40、55)をもち、底谷部が4.15%の配向結晶化度、1.350g/cmの密度を有し、S/S=0.147である容器である。
【0059】
表1にこれら炭酸飲料PETボトルのアルカリ浸漬試験結果を、表2にはアルカリ落下試験結果を示した。
【0060】
【表1】
アルカリ浸漬試験結果
Figure 0003719882
単一半径、低結晶化度を満足するボトルでは、底割れ発生率が10%程度に抑えられ、かつ最短時間も20分以上であり、明らかに優れた耐ストレスクラッキング特性をもっている。また、3つの曲率半径を持ち、かつ配向結晶化度が最も高い比較例2では、耐ストレスクラッキング特性がもっとも低い。
【0061】
【表2】
アルカリ落下試験結果
Figure 0003719882
実施例2
単一の曲率半径、低結晶化度の実施例2のみが、破損を起こしていない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、底部に足部と谷部とを交互に有する耐圧性ポリエステルボトルにおいて、谷部を高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で形成し、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の密度を1.34g/cm 未満とし、且つ前記谷部を周方向への一軸配向を実質上有しない用にしたことにより、安定した自立型構造が維持されると共に、自生圧力を有する内容物を充填し、高温及び多湿条件下で長期保存したときにも、底割れ乃至潜在的底割れの発生が有効に防止されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐圧性ポリエステルボトルの側面図である。
【図2】実施例1のボトルの諸寸法を示す説明図である。

Claims (4)

  1. 耐圧性ポリエステルボトルにおいて、底部に足部と谷部とを交互に有し、谷部が高さ方向に実質上単一の曲率半径の曲面で、底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の密度が1.34g/cm未満であり、且つ前記谷部が周方向への一軸配向を実質上有しないことを特徴とする耐圧性ポリエステルボトル。
  2. 谷部の高さ方向に90%以上の部分が単一の曲率半径の曲面であることを特徴とする請求項1に記載の耐圧性ポリエステルボトル。
  3. 底部中心より胴部半径の40%相当半径以内における谷部の結晶化度が、X線回折法で2θ=0°乃至100°の範囲で測定して3%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐圧性ポリエステルボトル。
  4. 谷部の表面積(S)が底部の表面積(S)に対し16乃至25%であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐圧性ポリエステルボトル。
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