JP2018083630A - ポリエステル製延伸ブロー成形容器及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル製延伸ブロー成形容器及びその製造方法 Download PDF

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温 小宮
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大樹 安川
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Abstract

【課題】胴部平均厚みが280μm以下の薄肉であり、しかも、内容物の高温充填に際して生じる変形が有効に抑制されたポリエステル製延伸ブロー容器及びその製造方法を提供する。【解決手段】胴部平均厚みが280μm以下のポリエステル製延伸ブロー成形容器であって、前記胴部中心部分の軸方向について測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.25未満であり、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が119℃以上であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、延伸ブロー成形容器に及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、高温充填に適した耐熱性を有する軽量薄肉化ポリエステル製延伸ブロー成形容器及びその製造方法に関する。
ポリエステル製プリフォームを二軸延伸ブロー成形して成るポリエステル製延伸ブロー成形容器は、透明性及び軽量性に優れていることから、各種飲料等の容器として広く使用されている。
近年、省資源、コスト削減、環境維持等の観点から、ポリエステル製延伸ブロー成形容器においても更なる薄肉化が求められている。しかしながら耐熱性容器においては、更なる薄肉化により耐熱性の維持が困難になるという問題が生じる。すなわち、内容物を80℃以上の温度で高温充填したとき等に容器が大きく変形してしまい、その薄肉化が制限されているのが現状である。
すなわち、ポリエステル製延伸ブロー成形容器において耐熱性を向上させる手段としては、一般的にブロー成形後の容器を加熱処理(熱固定)する手段が広く採用されているが、容器胴部の平均厚みが280μm以下に薄肉化されている薄肉のポリエステル製延伸ブロー成形容器では、熱固定のための加熱により容器が変形してしまうおそれがあり、熱固定により十分に結晶化を行うことができないことから、内容物を高温充填した時に容器の変形を防止することができず、結果として、容器胴部を十分に薄肉化することができなかった。
ポリエステル製延伸ブロー成形容器の耐熱性を向上させた先行技術として、下記特許文献1には、動的粘弾性測定において、容器の胴部の垂直方向に関してtanδピーク温度が113℃以下かつtanδ絶対値が0.18以下であることを特徴とするポリエステル容器が提案されている。
上記ポリエステル容器は、一定の動的粘弾性特性を満足するようにブロー延伸及び熱固定を行うことにより優れた耐熱変形性、例えば、高温殺菌処理(レトルト処理)にも耐え得る耐熱変形性を示しており、容器の動的粘弾性特性を一定の範囲に満足させることにより、レトルト処理にも耐え得るような優れた耐熱変形性を発現させている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術は、厚肉のポリエステル製ブロー容器に適用されるものであり、薄肉化され、軽量化されたポリエステル製ブロー容器は、上述したように成形時の熱固定により変形してしまうおそれがあるため、特許文献1に開示されている技術を適用することができなかった。
特開2006−306452号公報
従って、本発明の目的は、胴部平均厚みが280μm以下の薄肉であり、しかも、内容物の高温充填に際して生じる変形が有効に抑制されたポリエステル製延伸ブロー容器及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、胴部平均厚みが280μm以下のポリエステル製延伸ブロー成形容器であって、前記胴部中心部分の軸方向について測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.25未満であり、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が119℃以上であることを特徴とするポリエステル製延伸ブロー容器が提供される。
本発明のポリエステル製延伸ブロー容器においては、
1.前記tanδピーク値が0.18〜0.25未満の範囲にあり、前記tanδのピーク温度が119〜125℃以下の範囲にあること、
2.前記胴部中心部分について測定した密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にあること、
3.高温充填用であること、
が好適である。
本発明によればまた、延伸温度に加熱されたポリエステル製プリフォームをストレッチロッドによる延伸とエアブローによる延伸により延伸した後、熱固定して成るポリエステル製延伸ブロー容器の製造方法において、前記延伸温度が100〜130℃の範囲にあり、前記エアブローが80〜200℃の範囲の温度に調整されたブローエアを用いるものであり、前記熱固定における金型温度が130〜160℃の範囲にあることを特徴とするポリエステル製延伸ブロー成形容器の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、前記エアブローが、ストレッチロッドによる延伸と同時に行うプレブローと、ストレッチロッドによる延伸終了と同時に行うメインブローから成り、プレブロー及びメインブローの両方において80〜200℃の範囲の温度に調整されたブローエアが使用されていることが、好適である。
本発明のポリエステル製延伸ブロー容器においては、胴部平均厚みが280μm以下と薄肉化されているにもかかわらず、耐熱性に優れており、内容物を80℃以上、特に83〜87℃温度で充填した場合にも、容器の変形が有効に防止されている。すなわち、上述した動的粘弾性特性を有する本発明のポリエステル製延伸ブロー容器は、胴部中心部分の軸方向について測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.25未満であり、このことは、非晶部分は分子鎖の応力が緩和された状態であることを示している。またピーク値におけるtanδのピーク温度が119℃以上であり、このことは上述した非晶部分の割合が少なく、結晶化(延伸による配向)の程度が高いことを示している。これらのことから、本発明のポリエステル製延伸ブロー成形容器は、薄肉化された状態でも優れた耐熱性を有していることがわかる。
また本発明においては、ブロー成形の初期の段階から高温のブローエアを流入することにより、容器を内面側から加熱して容器の内面側の歪を緩和し、容器の自己発熱を促進すると共に、配向結晶化を促進して耐熱性を向上することが可能になる。その結果、上述した特性を有するポリエステル製延伸ブロー容器を成形することが可能になるのである。
本発明の上述した作用効果は後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち加熱しないブローエアを用いた以外は、実施例と同様の延伸条件で成形して成るポリエステル製延伸ブロー成形容器は、tanδピーク温度が118℃以下,tanδピーク値が0.25以上であり、耐熱性に劣っている(比較例1〜3)。これに対して80〜200℃の範囲にあるブローエアをプレブローの時から用いて成形して成るポリエステル製延伸ブロー成形容器は、tanδピーク温度及びtanδピーク値が上述した範囲にあり、優れた耐熱性を有していた(実施例1〜6)。
本発明のポリエステル製延伸ブロー容器の概略側面図を示す図である。 本発明における二軸延伸ブロー成形工程における時間に対するブローエア温度とブロー圧の関係を示す図である。 実施例で測定した各種ボトルについての動的粘弾性測定の結果を示す図である。
(ポリエステル製延伸ブロー容器)
本発明のポリエステル製延伸ブロー成形容器は、図1にその一例を示すように、全体として10で示されており、首部1と首部1に連なる胴部3とを有しており、胴部3の下端は底部5によって閉じられている。
このような形態のポリエステル製ブロー容器10は、試験管形状のプリフォームを射出成形等によって成形し、このプリフォームをブロー成形し、さらに適宜の温度範囲で熱固定(ヒートセット)することにより製造されるが、詳細な製造方法については後述する。
また、首部1は未延伸部分(ブロー成形に際して金型で固定されている部分)であり、その外面には容器に装着するキャップの形態に応じて適宜螺条1aが形成されており、螺条1aの下方には、このプリフォームや成形される容器の支持搬送等のためにサポートリング1bが設けられている。
一方、胴部3(及び底部5)は、ブロー延伸される部分であり、上記プリフォームの首部1を固定した状態でのブロー流体の吹込みにより、延伸成形される部分である。
また、高温充填の際に容器に減圧吸収性を付与するために、図1に示されているように底部5を上げ底形状として、底面に凹部を形成しておくことが好適である。
上記のような形態を有する本発明のポリエステル製延伸ブロー容器10は、薄肉化されたものであり、延伸成形部分である胴部3の平均厚みが280μm以下、特に250〜200μmの範囲にあり、このような薄肉化によって軽量化も実現されている。
このように薄肉化されているポリエステル製延伸ブロー容器10において、本発明では、前述したとおり、胴部軸方向中心部分Xでの動的粘弾性測定(DMS或いはDMAとも呼ばれる)において、tanδピーク値が0.25未満、特に0.18〜0.25未満の範囲にあり、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が119℃以上、特に119〜125℃の範囲であることが重要な特徴である。
動的粘弾性測定は、応力又は歪みを測定することにより、試料の力学的性質を測定するものであり、tanδは損失正接と呼ばれるパラメータであり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比で表される。損失弾性率は非晶部に起因する損失であり、貯蔵弾性率は結晶部に起因する弾性率であり、いずれも温度に依存する。このtanδがピークを示す温度は、見かけのガラス転移点を示すものである。
従って、tanδのピーク値が小さいほど結晶部が多く存在しており、このピーク値を示すピーク温度が高いほどガラス転移点が高いことを示し、内容物の高温充填時等において容器の変形を生じることがなく、耐熱性が高いことを示している。
尚、上記のようなtanδのピーク値やピーク温度は、後述する実施例でその測定方法を説明するが、図1に示す胴部軸方向中心部分Xを含むように適当な大きさに容器胴部を切り取って試料片Yを作成し、粘弾性スペクトロメータを用いて容器の軸方向から荷重を加えることにより測定する。
また本発明のポリエステル製延伸ブロー容器は、胴部中心部分Xでの結晶化度は、密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にあることが好ましい。
上述した本発明の延伸ブロー容器は、射出成形或いは圧縮成形によりプリフォームを成形可能なポリエステルにより成形されるが、このようなポリエステルとしては、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとから形成されるポリエチレンテレフタレート(PET)が好適に使用される。
このようなポリエチレンテレフタレートは、通常、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃、特に55〜80℃、融点(Tm)が200〜275℃、特に220〜270℃の範囲にある。
また、エステル反復単位中、エチレンテレフタレート単位が70モル%以上、特に80モル%以上を占めるものであることを条件として、テレフタル酸以外の二塩基酸やエチレングリコール以外のジオール単位から誘導されるエステル単位を含む共重合ポリエステルも好適に使用することができる。このようなテレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
このようなポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、通常、その固有粘度(I.V.)は、0.6〜1.4dL/g、特に0.63〜1.3dL/gの範囲にある射出グレードのものが使用される。
さらに、上記のポリエステルには、上述した動的粘弾性特性が維持される限りにおいて、それ自体公知の配合剤(酸化防止剤、滑剤等)が配合されていてもよいし、また、容器壁を係るポリエステルを内外層とし、中間層として酸素バリア層や酸素吸収層が接着剤層を介して設けられた多層構造とすることもできる。
尚、上記の多層構造での酸素バリア層は、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドなどの酸素バリア性樹脂により形成されるものであり、その酸素バリア性が損なわれない限りにおいて、酸素バリア性樹脂に他の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、酸素吸収層は、特開2002−240813号等に記載されているように、酸化性重合体及び遷移金属系触媒を含む層であり、遷移金属系触媒の作用により酸化性重合体が酸素による酸化を受け、これにより、酸素を吸収して酸素の透過を遮断する。このような酸化性重合体及び遷移金属系触媒は、上記の特開2002−240813号等に詳細に説明されているので、その詳細は省略するが、酸化性重合体の代表的な例は、第3級炭素原子を有するオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレンやポリブテン−1等、或いはこれらの共重合体)、熱可塑性ポリエステル若しくは脂肪族ポリアミド;キシリレン基含有ポリアミド樹脂;エチレン系不飽和基含有重合体(例えばブタジエン等のポリエンから誘導される重合体);などである。また、遷移金属系触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属の無機塩、有機酸塩或いは錯塩が代表的である。
さらに、各層の接着のために使用される接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
上述した各層の厚みは、ブロー成形後の容器壁の胴部の平均厚みが前述した範囲(280μm以下)となる限りにおいて、適宜の厚みに設定されればよい。
さらに、ブロー容器を成形する際に発生するスクラップをポリエステルのバージンの樹脂とブレンドとしたリグライド層を設けることも可能である。
(ポリエステル製延伸ブロー容器の製造方法)
[プリフォーム]
本発明のポリエステル製延伸ブロー容器の成形に用いるプリフォームは、上述したポリエステルを従来公知の方法、例えば射出成形又は圧縮成形等により単層或いは多層構造に成形することができ、成形されたプリフォームの首部は、加熱して熱結晶化しておくことが耐熱性の点から望ましい。
[プリフォームの加熱工程]
成形されたプリフォームは、延伸ブロー成形に賦される前に延伸温度に加熱されるが、本発明においては、プリフォームの外面温度が100〜130℃の範囲にあるように加熱することが望ましい。プリフォームの外面温度が130℃よりも高い場合には、プリフォームが熱結晶化により白化するおそれがあり、一方上記範囲よりも延伸温度が低い場合には、次いで行う二軸延伸ブロー成形工程において充分に延伸できないおそれがある。
プリフォームの加熱方法は、従来公知の方法によって行うことができ、一般的には、常温のプリフォームを赤外線ヒータ及び内面加熱ヒータを組み合わせて本加熱を行い、プリフォームの搬送に伴う冷却を考慮してブロー成形時に上記温度範囲となるように加熱する。
[二軸延伸ブロー成形工程]
二軸延伸ブロー成形工程においては、上述した加熱条件により均一且つ高温に加熱されたプリフォームが首部を固定されて、ブロー金型内に入れられた状態から、プリフォームをストレッチロッドによってその軸方向(縦方向)に延伸すると共に、ブローエアを流入することによって周方向(径方向)に延伸し、プリフォームは金型表面に接触して最終成形品の形状に賦形される。
本発明においては、80〜200℃、特に145〜200℃の温度に調整されたブローエアを使用する限り、ストレッチロッドによる延伸を終了した後もブローエアの流量を変化させずにそのままの流量で最終成形品までブロー成形を行うこともできるが、好適には、ストレッチロッドによる延伸を終了するまでは、流量の少ないプレブローを行い、ストレッチロッドによる延伸が終了した時点で、上記プレブローよりも流量の多いメインブローを行うことが望ましい。
図2は、本発明における二軸延伸ブロー成形工程の一例における経時に対するブローエアの温度及び圧力の関係を示す図である。この図2に示すブロー工程は大まかに言って、ブローエアの流入量が少なく、ブロー圧力が0.5〜2MPaの範囲にあるプレブロー工程(0.02〜0.6秒)、ブロー圧力が2〜4MPaの範囲にあるメインブロー工程(0.6〜3秒)、メインブロー終了後冷却エアを流入して容器を冷却するクーリング工程からなっている。
本発明においては、プレブローの段階においても80〜200℃の温度に調整されたブローエアが流入されており、これにより延伸温度に加熱されたプリフォームの温度を低下させることがなく、ストレッチロッドによる軸方向の延伸を均一に且つ効率よく行うことができる。またメインブローにおいても高温のブローエアを用いていることから、成形されつつある容器内面の歪を緩和することができ、後述する熱固定による外面からの加熱と相俟って、更に耐熱性を向上させることが可能になる。更に高温のブローエアを維持したまま比較的高い圧力で流入することから、延伸成形のサイクルを耐熱性のために長くする必要がなく、容器の自己発熱によっても耐熱性が向上されている。
尚、本発明の製造方法において、延伸倍率は、縦延伸倍率が1.8〜3.2倍、面積倍率が4〜12倍の範囲にあることが好ましい。これにより胴部の平均肉厚が280μm以下に薄肉化され、軽量化された最終成形品を得ることが可能となる。
[熱固定工程]
ブロー成形後の容器は、熱固定に賦された後、冷却されて最終成形品として完成する。
熱固定は、ブロー成形に使用する金型を用いてブロー成形と同時に行われるワンモールド法(一段ブロー)や、ブロー成形された容器をブロー金型から取り出し、熱固定専用の金型で再加熱するツーモールド法(二段ブロー)が知られているが、本発明のブロー容器を製造するには、短時間で成形するワンモールド法が好適である。
ワンモールド法による熱固定において、加熱温度は前述した延伸温度(プリフォーム温度)や延伸倍率に応じて所定の動的粘弾性特性(tanδ)を満足するように設定されるが、通常、この熱固定温度は130〜160℃の範囲であり、熱固定時間は数秒でよい。
このように成形された本発明のポリエステル製延伸ブロー容器は、前述したとおり、胴部中心部分Xでの密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にあり、優れた耐熱性を有している。
また本発明のポリエステル製延伸ブロー容器は、非常に薄肉であり、例えば、満注容積が2L容積のボトルで49g以下の重量であり、通常の市販2Lペットボトルの重量が65g以上であることを考えると、本発明では、薄肉化によりかなりの軽量化が実現されている。
本発明を次の実施例により説明する。
なお、以下の実施例で採用している各種測定法は以下の通りである。
(1)動的粘弾性測定におけるtanδ
図1を参照して、ボトル胴部の中心Xより、長辺方向がボトル高さ方向となるように5mm×40mmの試験片Yを切り出し、粘弾性スペクトロメータ(EXSTAR6000DMS:セイコーインスツルメンツ(株))を用いて測定を行った。測定条件を以下に示す。得られたtanδ曲線(温度を横軸、tanδ値を縦軸としてプロットしたもの)から、tanδのピーク値及びtanδのピーク温度を導出した。
測定モード:引っ張り正弦波モード
試験片標点間距離:20mm
振動数:1Hz
最小張力:100mN
昇温プロファイル:25℃から210℃まで2℃/分にて昇温
(2)平均肉厚測定
ボトルの周方向6点について縦方向20mmごとに肉厚を測定し、その平均を求めた。
(3)耐熱性測定
空のボトルに、水を87℃に加熱して充填を行い、77℃5分シャワーをかけた後、自然冷却を行った。その後、ボトルの変形を目視で観察した。
変形量小:◎ 変形量中:○ 変形量大:△ 変形量が製品化不可レベル:×
表1に示したボトルサイズ、成形条件で成形した各ボトル(実施例、比較例)の動的粘弾性、胴部平均肉厚、耐熱性を測定した。結果を表1,図3に示す。
結果から分かるように、tanδピーク値0.25未満、tanδピーク温度119℃より小さいと耐熱性が良好であり、その値から離れると耐熱性が低下することが確認できた。特に、ボトルの平均肉厚が250μm以下であると、ブローエアの温度が145℃以上あることがより重要で有る。また、比較例4からも分かるように、平均肉厚が280μmより厚いボトルでは、薄肉化されたボトルのような耐熱性低下は起きないことが確認できる。
本発明のポリエステル製延伸ブロー容器は、内容物を高温充填する際の変形が有効に抑制されていることから、80℃以上、特に83〜87℃の温度で高温充填される非炭酸飲料、例えば各種果汁や水、或いは各種の薬液の容器として好適に適用される。
また280μm以下に薄肉化され、軽量化されていることから、省資源及び廃棄物の減量化も可能であり、大量生産される汎用品に好適に適用できる。
1:首部、3:胴部、5:底部、10:ブロー容器。

Claims (6)

  1. 胴部平均厚みが280μm以下のポリエステル製延伸ブロー成形容器であって、前記胴部中心部分の軸方向について測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.25未満であり、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が119℃以上であることを特徴とするポリエステル製延伸ブロー容器。
  2. 前記tanδピーク値が0.19〜0.25未満の範囲にあり、前記tanδのピーク温度が119〜125℃の範囲にある請求項1記載のポリエステル製延伸ブロー容器。
  3. 前記胴部中心部分について測定した密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にある請求項1又は2記載のポリエステル製延伸ブロー容器。
  4. 高温充填用に使用される請求項1〜3の何れかに記載のポリエステル製延伸ブロー容器。
  5. 延伸温度に加熱されたポリエステル製プリフォームをストレッチロッドによる延伸とエアブローによる延伸により延伸した後、熱固定して成るポリエステル製延伸ブロー容器の製造方法において、
    前記延伸温度が100〜130℃の範囲にあり、前記エアブローが80〜200℃の範囲の温度に調整されたブローエアを用いるものであり、前記熱固定における金型温度が130〜160℃の範囲にあることを特徴とするポリエステル製延伸ブロー成形容器の製造方法。
  6. 前記エアブローが、ストレッチロッドによる延伸と同時に行うプレブローと、ストレッチロッドによる延伸終了と同時に行うメインブローから成り、プレブロー及びメインブローの両方において80〜200℃の範囲の温度に調整されたブローエアが使用されている請求項5記載のポリエステル製延伸ブロー成形容器の製造方法。
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