JP6862698B2 - ポリエステル製ブロー容器 - Google Patents

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Description

本発明は、薄肉化されたポリエステル製ブロー容器に関するものであり、より詳細には、内容物が高温充填される薄肉ポリエステル製ブロー容器に関するものである。
ポリエステル製ブロー容器は、透明性や軽量性に優れ、特に各種飲料用の容器として広く使用されている。
ところで、近年における省資源、コスト削減、環境維持等の見地からポリエステル製ブロー容器に関しては、より薄肉化が求められている。しかしながら、このような薄肉化は、容器の耐熱性の維持が難しく、例えば、内容物を80℃以上の温度で高温充填したときに容器が大きく変形してしまうという問題があり、その薄肉化が制限されているのが現状である。
即ち、ポリエステル製ブロー容器の耐熱変形性を向上させる手段としては、ブロー成形後の容器を加熱処理(熱固定)する手段が広く採用されているが、延伸成形されている容器胴部の平均厚みが280μm以下の薄肉となっている薄肉容器では、熱固定のための加熱により容器が変形してしまうおそれがあり、熱固定による結晶化を十分に行うことができず、この結果、内容物を高温充填したときに生じる容器の変形を防止することが困難となっており、これが、容器壁の薄肉化が制限されている理由である。
例えば、特許文献1には、耐熱変形性に優れたポリエステル製容器が開示されている。このポリエステル製容器は、動的粘弾性測定において、容器の胴部の垂直方向に関してtanδピーク温度が113℃以下かつtanδ絶対値が0.18以下であることを特徴としている。
係る特許文献1のポリエステル容器は、一定の動的粘弾性特性を満足するようにブロー延伸及び熱固定を行うことにより優れた耐熱変形性が得られ、例えば、高温殺菌処理(レトルト処理)にも耐え得る耐熱変形性を示す。
上記特許文献1は、容器の動的粘弾性特性を一定の範囲に満足させることにより、レトルト処理にも耐え得るような優れた耐熱変形性を発現させることに成功しており、極めて意義深い技術である。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、厚肉のポリエステル製ブロー容器に適用されるものであり、薄肉化され、軽量化されたポリエステル製ブロー容器は、上述したように成形時の熱固定により変形してしまう恐れがあるため、特許文献1に開示されている技術を適用することができなかった。
特開2006−306452号公報
従って、本発明の目的は、胴部平均厚みが280μm以下の薄肉であり、しかも、内容物の高温充填に際して生じる変形が有効に抑制されたポリエステル製ブロー容器を提供することにある。
本発明者らは、薄肉のポリエステル製ブロー容器の耐熱変形性について多くの実験を行い検討した結果、内容物を高温充填(通常80〜87℃の温度)することにより生じる変形を防止するには、耐熱性を付与して高温充填時に熱変形をしないように各種条件設定をするのではなく、むしろ高温充填時に積極的に適度な熱変形を生じるようにすることにより、高温充填により生じる容器の変形を有効に防止し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、胴部平均厚みが270〜200μmの範囲にあり且つ80℃以上の温度で内容物を充填する高温充填用ポリエステル製ブロー容器であって、前記胴部の軸方向中心部分Xについて測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.23〜0.29、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が111〜118℃の範囲にあると共に、該胴部の軸方向中心部分Xについて測定した密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にあることを特徴とするポリエステル製ブロー容器が提供される。
本発明のポリエステル製ブロー容器は、胴部平均厚みが270〜200μmと極めて薄肉であるにも関わらず、高温充填特性に優れ、内容物を80℃以上、特に83〜87℃の温度で高温充填し、その後に降温するという熱履歴を受けた場合において、その熱変形が有効に防止されている。即ち、本発明の上述した動的粘弾性特性を有している本発明のポリエステル製ブロー容器は、内容物が高温充填されたときに積極的にある程度の熱変形(熱膨張)を生じるように設定されており、このため、その後の冷却による減圧によって容器が収縮(減圧吸収)したとき、高温時の熱膨張と冷却時の減圧吸収が適度なバランスを有しているため、最終的な容器の変形を有効に回避することができる。
例えば、後述する実施例に示されているように、本発明のポリエステル製ブロー容器(空容器)を85℃オーブン中で5分間保持させ、これを室温(23℃)に冷却してとき、オーブン中で加熱する前の容器の容積を基準としての該容器の変化率は0.4〜0.8%であり、従来容器の0.3%以下と比べて大きく、高温充填時の熱膨張は起きやすい。その後、容器が冷却され、減圧による収縮量(減圧吸収量)は、従来容器と同様であるため、熱膨張が少ない従来容器の充填前からの収縮量よりも、本発明の容器の充填前容器からの収縮量は少なく、熱膨張と減圧吸収のバランスが上手くいき、充填完了後の容器の変形が有効に防止されている。
従って、本発明のポリエステル製ブロー容器は、殺菌を兼ねて80℃以上、特に83〜87℃の温度で高温充填される内容物、例えば、各種果汁飲料や水等の非炭酸飲料、或いは非炭酸系の薬液の容器として極めて有用である。
本発明のポリエステル製ブロー容器の概略側断面図を示す図。 実施例で測定した各種ボトルについての、動的粘弾性測定の結果を示す図。
<ブロー容器>
図1を参照として本発明のポリエステル製ブロー容器は、全体として10で示されており、首部1と首部1に連なる胴部3とを有しており、胴部3の下端は底部5によって閉じられている。
このような形態のポリエステル製ブロー容器10は、試験管形状のプリフォームを射出成形等によって成形し、このプリフォームをブロー成形し、さらに適宜の温度範囲で熱固定(ヒートセット)することにより製造される。
従って、首部1は未延伸部分(ブロー成形に際して金型で固定されている部分)であり、その外面には容器に装着するキャップの形態に応じて適宜螺条1aが形成されており、螺条1aの下方には、このプリフォームや成形される容器の支持搬送等のためにサポートリング1bが設けられている。
一方、胴部3(及び底部5)は、ブロー延伸される部分であり、上記プリフォームの首部1を固定した状態でのブロー流体の吹込みにより、延伸成形される部分である。
上記のような形態を有する本発明のポリエステル製ブロー容器10は、薄肉化されたものであり、延伸成形部分である胴部3の平均厚みが270〜200μmの範囲にあり、このような薄肉化によって軽量化も実現されている。
このように薄肉化されているポリエステル製ブロー容器10において、本発明では、上記胴部軸方向中心部分Xでの動的粘弾性測定(DMS或いはDMAとも呼ばれる)において、tanδピーク値が0.23〜0.29、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が111〜118℃の範囲にあることが重要である。
応力又は歪みを測定することにより、試料の力学的性質を測定するものであり、tanδは損失正接と呼ばれるパラメータであり、損失弾性率/貯蔵弾性率の比で表される。損失弾性率は非晶部に起因する損失であり、貯蔵弾性率は結晶部に起因する弾性率であり、いずれも温度に依存する。このtanδがピークを示す温度は、見かけのガラス転移点を示すものである。
従って、tanδのピーク値が小さいほど結晶部が多く存在しており、このピーク値を示すピーク温度が高いほどガラス転移点が高いことを示している。従来は、tanδのピーク値を小さく、且つそのピーク温度が高くなるように延伸成形条件や熱固定条件を設定して耐熱性を高めていたのであるが、本発明ではむしろtanδのピーク値をある程度大きく、且つそのピーク温度を低下させることにより、耐熱変形性を付与しているものであり、これが本発明と従来公知の技術との大きな相違である。
即ち、上記のようにtanδのピーク値やピーク温度を設定することは、内容物の高温充填時での熱変形(熱膨張)性を高めるものであるが、同時に高温充填以後の降温(室温への冷却)による充填前容器からの必要収縮量を減らすことができ、この熱変形(熱膨張)と収縮とのバランスにより、内容物の高温充填に際して生じる変形が有効に抑制されるものである。
つまり、本発明のブロー容器では、内容物を高温充填したときにある程度熱変形し、膨張するようになっている。そして、従来公知の厚肉の耐熱性ポリエステル製ブロー容器(従来の耐熱性容器)は、厚肉であるため、本発明のブロー容器よりも充填時に熱膨張しない。しかし、充填後の冷却による減圧吸収量は同じであるため、充填前容器からの収縮量は、従来の耐熱性容器よりも本発明のブロー容器が小さい。よって、従来の耐熱性容器は減圧吸収の変形に耐えて、高温充填後の容器変形を抑制し、本発明のブロー容器は、従来の耐熱容器とは異なり、熱膨張と減圧吸収のバランスを上手くとることで、高温充填後のボトルの変形を有効に抑制する容器となっている。
また、本発明のような薄肉容器において、tanδのピーク値やピーク温度が前述した範囲外となっている場合には内容物の高温充填時の熱膨張及びその後の降温による収縮とのバランスが崩れてしまい、結果として高温充填に際して生じる変形を有効に防止することはできない。
なお、上記のようなtanδのピーク値やピーク温度は前記胴部軸方向中心部分Xを含むように適当な大きさに容器胴部を切り取って試料片を作成し、粘弾性スペクトロメータを用いて容器の軸方向から荷重を加えることにより測定される。
また、本発明では、内容物の高温充填時にある程度の熱変形を生じるため、このような熱変形を生じたときの形態安定性を確保するために、図1に示されているように底部5を上げ底形状として、底面に凹部を形成しておくことが好適である。これにより、この容器が熱変形(膨張)したときに底部5の中心部が下がり、熱膨張による応力を緩和することができ、且つ容器を正立状態に保持しておくことができる。
上述した本発明のブロー容器は射出成形可能なポリエステルにより成形されるが、このようなポリエステルとしては、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとから形成されるポリエチレンテレフタレート(PET)が好適に使用される。
このようなポリエチレンテレフタレートは、通常、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃、特に55〜80℃、融点(Tm)が200〜275℃、特に220〜270℃の範囲にある。
また、エステル反復単位中、エチレンテレフタレート単位が70モル%以上、特に80モル%以上を占めるものであることを条件として、テレフタル酸以外の二塩基酸やエチレングリコール以外のジオール単位から誘導されるエステル単位を含む共重合ポリエステルも好適に使用することができる。このようなテレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
このような上記ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、通常、その固有粘度(I.V.)は、0.6〜1.4dL/g、特に0.63〜1.3dL/gの範囲にある射出グレードのものが使用される。
さらに、上記のポリエステルには、上述した動的粘弾性特性が維持される限りにおいて、それ自体公知の配合剤(酸化防止剤、滑剤等)が配合されていてもよいし、また、容器壁を係るポリエステルを内外層とし、中間層として酸素バリア層や酸素吸収層が接着剤層を介して設けられた多層構造とすることもできる。
尚、上記の多層構造での酸素バリア層は、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドなどの酸素バリア性樹脂により形成されるものであり、その酸素バリア性が損なわれない限りにおいて、酸素バリア性樹脂に他の熱可塑性樹脂がブレンドされていてもよい。
また、酸素吸収層は、特開2002−240813号等に記載されているように、酸化性重合体及び遷移金属系触媒を含む層であり、遷移金属系触媒の作用により酸化性重合体が酸素による酸化を受け、これにより、酸素を吸収して酸素の透過を遮断する。このような酸化性重合体及び遷移金属系触媒は、上記の特開2002−240813号等に詳細に説明されているので、その詳細は省略するが、酸化性重合体の代表的な例は、第3級炭素原子を有するオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレンやポリブテン−1等、或いはこれらの共重合体)、熱可塑性ポリエステル若しくは脂肪族ポリアミド;キシリレン基含有ポリアミド樹脂;エチレン系不飽和基含有重合体(例えばブタジエン等のポリエンから誘導される重合体);などである。また、遷移金属系触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属の無機塩、有機酸塩或いは錯塩が代表的である。
さらに、各層の接着のために使用される接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
上述した各層の厚みは、ブロー成形後の容器壁の胴部の平均厚みが前述した範囲(280μm以下)となる限りにおいて、適宜の厚みに設定されればよい。
さらに、ブロー容器を成形する際に発生するスクラップをポリエステルのバージンの樹脂とブレンドとしたリグライド層を設けることも可能である。
<ブロー容器の製造>
上述した本発明のブロー容器10は、射出成形により成形されたプリフォームを使用し、ブロー成形及び熱固定の工程を経て、前述した胴部の平均厚みが280μm以下となるように延伸薄肉化することにより製造されるが、前述した動的粘弾性特性を満たすように各種条件を設定する必要がある。例えば、延伸倍率が高いとtanδのピーク値は小さく且つピーク温度が高くなる傾向にあり、熱固定温度が高いとtanδのピーク値は小さく且つピーク温度が高くなる傾向があるので、これを利用して動的粘弾性特性(tanδのピーク値及びピーク温度)が所定の範囲となるように予めラボ実験を行い、成形されたプリフォームの延伸成形部(容器の胴部に対応)の厚みに応じて各種条件を設定すればよい。
因みに、ブロー成形は、通常、用いるポリエステルのガラス転移点以上、融点未満の温度範囲、例えば、100〜140℃の範囲、特に120〜135℃にプリフォームの温度を設定し、ストレッチロッドを用いての軸方向延伸及びブロー流体(一般にエアー)の吹込みにより、周方向延伸により行われ、軸方向延伸倍率が1.8〜3.4倍、周方向延伸倍率が2.8〜3.8倍程度で行われ、次いで熱固定が行われる。
即ち、プリフォーム温度や延伸倍率は、引き続き行われる熱固定条件を考慮して粘弾性特性が前述した範囲内となるように上記範囲内から選択される。
なお、ブロー成形の手段としては、一旦中間形状の成形体をブロー成形し、次いでこの中間形状の成形体を加熱した後、二次ブロー成形して最終成形体とする二段ブローが知られているが、本発明のブロー容器を成形するには、このような二段ブローは適当でなく、通常の一段ブローが適用される。二段ブローにより容器を成形すると、ブロー延伸による配向結晶化が促進される結果、tanδのピーク値及びピーク温度を前述した範囲内に調節することが困難となってしまうからである。
また、熱固定の手段としては、ブロー成形に使用する金型を用いてブロー成形と同時に行われるワンモールド法(一段ブロー)や、ブロー成形された容器をブロー金型から取り出し、熱固定専用の金型で再加熱するツーモールド法(二段ブロー)が知られているが、本発明のブロー容器を製造するには、ワンモールド法が好適である。ツーモールド法では、ブロー成形体が一旦冷却された後に加熱するため、加熱時間が長くなってしまい、本発明の容器を成形する加熱温度の設定が困難となるからである。
ワンモールド法による熱固定において、加熱温度は前述した延伸温度(プリフォーム温度)や延伸倍率に応じて所定の動的粘弾性特性(tanδ)を満足するように設定されるが、通常、この熱固定温度は130℃以上、150℃未満であり、熱固定時間は数秒でよい。例えば、通常の厚肉の耐熱ブロー容器を製造する際に使用される熱固定温度は150℃以上であり、本発明で採用している熱固定温度と比較して高い範囲にある。
このように成形された本発明のポリエステル製ブロー容器は、胴部中心部分Xでの結晶化度は、密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にある。
そして、本発明のポリエステル製ブロー容器は、非常に薄肉であり、例えば、満注容積が500mL容積のボトルで22g以下の重量であり、通常の市販500mLペットボトルの重量が28g以上であることを考えると、本発明では、薄肉化によりかなりの軽量化が実現されている。
また、このように薄肉軽量化された本発明のブロー容器は、内容物を高温充填及びその後の冷却による変形が有効に抑制されており、従って、80℃以上、特に83〜87℃の温度で高温充填される非炭酸飲料、例えば各種果汁や水、或いは各種の薬液の容器として好適に適用される。
本発明を次の実験例により説明する。
なお、以下の実験例で採用している各種測定法は以下の通りである。
(1)動的粘弾性測定におけるtanδ
図1を参照して、ボトル胴部の中心Xより、長辺方向がボトル高さ方向となるように5mm×40mmの試験片Yを切り出し、粘弾性スペクトロメータ(EXSTAR6000DMS:セイコーインスツルメンツ(株))を用いて測定を行った。測定条件を以下に示す。得られたtanδ曲線(温度を横軸、tanδ値を縦軸としてプロットしたもの)から、tanδの極大値(tanδ値)及びtanδの極大温度(ピーク温度)を導出した。
測定モード:引っ張り正弦波モード
試験片標点間距離:20mm
振動数:1Hz
最小張力:100mN
昇温プロファイル:25℃から210℃まで2℃/分にて昇温
(2)変化率の測定
ボトルを85℃オーブン中で5分間保持させ、これを室温(23℃)に冷却して、オーブン中で加熱する前と冷却後の容器の容積を測定し、加熱前容積を基準としての該容器の変化率を求めた。
(3)平均肉厚測定
ボトルの周方向6点について縦方向20mmごとに肉厚を測定し、その平均を求めた。
(実験例)
表1に示した条件で成形した下記ボトルについて、動的粘弾性を測定した。結果を図2に示す。合わせて、本発明ボトルの結晶化度も図2内に示す。
Figure 0006862698
尚、図2において、■、〇、●及び△は、上記表1中の次のボトルを示す。
■:本発明ボトル(高温充填用ボトル)
〇:厚肉耐熱ボトル(従来の高温充填用ボトル)
●:2段ブローボトル(2回ブロー成形した高温充填用ボトル)
△:耐熱圧ボトル(充填後加温殺菌する炭酸飲料用ボトル、高温充填対応不可)
また、500mlの本発明ボトルと厚肉耐熱ボトルについて変化率の測定を行った。結果を表2に示す。なお、本発明ボトル用PFを厚肉耐熱ボトルと同条件で成形しようとすると、熱変形してボトルとならないため、薄肉で動的粘弾性が本発明の範囲以外の耐熱ボトルは成形できなかった。
Figure 0006862698
本実験例より、本発明のボトルは、動的粘弾性測定よりtanδピーク値が0.23〜0.29、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が111〜118℃の範囲であり、従来の厚肉耐熱ボトルよりも、熱収縮が起きやすいボトルであることが確認できた。この結果より、従来の厚肉耐熱ボトルよりも本発明ボトルは変化率が大きいため、80℃以上の高温充填後のボトルの熱膨張は本発明ボトルの方が大きくなり、ボトルの冷却後の減圧による変化量は同じ容量のボトルであれば同一であることから、充填前ボトルからの減圧による変形量は本発明ボトルが少ないことがわかる。よって、本発明のボトルは、軽量化により薄肉化されたボトルでありながら、高温充填、その後の降温といった熱履歴を受けてもボトルの変形を有効に防止することができる。
1:首部
3:胴部
5:底部
10:ブロー容器

Claims (1)

  1. 胴部平均厚みが270〜200μmの範囲にあり且つ80℃以上の温度で内容物を充填する高温充填用ポリエチレンテレフタレート製ブロー容器であって、前記胴部の軸方向中心部分Xについて測定した動的粘弾性測定において、tanδピーク値が0.23〜0.29、該ピーク値におけるtanδのピーク温度が111〜118℃の範囲にあると共に、該胴部の軸方向中心部分Xについて測定した密度法による結晶化度が29〜38%の範囲にあることを特徴とするポリエチレンテレフタレート製ブロー容器。
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