JPH11106616A - ポリエステル組成物、ボトルおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物、ボトルおよびその製造方法

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JPH11106616A
JPH11106616A JP26673197A JP26673197A JPH11106616A JP H11106616 A JPH11106616 A JP H11106616A JP 26673197 A JP26673197 A JP 26673197A JP 26673197 A JP26673197 A JP 26673197A JP H11106616 A JPH11106616 A JP H11106616A
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Japan
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bottle
mol
weight
polyethylene
polyester composition
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JP26673197A
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English (en)
Inventor
Koji Takahashi
橋 浩 二 高
Isao Hata
功 夫 秦
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度、炭酸ガスバリヤ性、紫外線遮断
性、耐熱性、耐圧性に優れ、かつアセトアルデヒド量も
少ないボトルを成形しうるようなポリエステル組成物、
この組成物からなるボトルおよびその製造方法の提供。 【解決手段】(A)ポリエチレンテレフタレート97〜
50重量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.
5〜20重量%と、(C)ポリエチレンナレフタレート
1.5〜40重量%とからなる組成物およびこれを成形
してなるボトル。該ボトルは、2.5ガスボリュームの
炭酸ガスを圧入した飲料を充填して密栓した後、60℃
の温浴に1時間浸漬したとき、浸漬前のボトルに対する
高さ変化率が5%以下であり、胴径変化率が5%以下で
あり、かつボトル転倒角度が10°以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、機械的強度、炭酸ガスバ
リヤ性、紫外線遮断性、耐熱性、耐圧性に優れ、かつア
セトアルデヒド量も少ないボトルを成形しうるようなポ
リエステル組成物、このようなポリエステル組成物から
なるボトルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、ジュース、天然水、各種飲
用茶などの飲料用ボトルの素材として種々のプラスチッ
ク素材が用いられているが、プラスチック素材のうちで
も透明性、ガスバリヤ性、耐熱性および機械的強度に優
れたポリエチレンテレフタレート(PET)が多用され
ている。
【0003】上記のようなPETボトルは、各種飲料が
充填された後消費者にわたるまでには、通常かなりの時
間が経過するので、たとえば外部からの酸素透過あるい
は紫外線透過により内容物が変質することがあったり、
また炭酸ガスが抜けて充填時のガス圧が保持されてない
ことがあるという問題点があった。
【0004】このような問題点を解決するために、ポリ
エチレンイソフタレートを含有するポリエチレンテレフ
タレートからボトルを成形して、ボトルのガスバリヤ性
および紫外線遮断性を向上させる方法が検討されてい
る。しかしながらポリエチレンイソフタレートを含有す
るポリエチレンテレフタレートから成形されたボトル
は、耐熱性、耐圧性が充分とはいえず、たとえば23℃
で2.5ガスボリュームの炭酸ガスを含む飲料を充填
し、密栓した状態で60〜70℃の温水でシャワーリン
グすると、ボトル底部が変形して自立性を保持できない
ことがあった。このためガスバリヤ性、紫外線遮断性、
耐熱性、耐圧性に優れたボトル成形材料ならびにこのボ
トル成形材料から成形されたボトルの出現が望まれてい
る。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、機械的強度、炭酸ガスバリヤ
性、紫外線遮断性、耐熱性および耐圧性に優れ、かつア
セトアルデヒド量も少ないボトルを形成しうるようなポ
リエステル組成物、このようなポリエステル組成物から
成形されたボトルならびにその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル組成物は、
(A)ポリエチレンテレフタレート97〜50重量%
と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.5〜20重
量%と、(C)ポリエチレンナフタレート1.5〜40
重量%とからなることを特徴としている。
【0007】本発明に係るボトルは、上記のようなポリ
エステル組成物から成形されていることを特徴としてい
る。上記ポリエチレンテレフタレート(A)は、ジカル
ボン酸単位を100モル%とするとき、テレフタル酸単
位を80モル%以上の量で含有しており、かつ極限粘度
[η](25℃のo-クロロフェノール中)が0.6〜1.
5dl/gであることが好ましい。上記ポリエチレンイソ
フタレート(B)は、ジカルボン酸単位を100モル%
とするとき、イソフタル酸単位を50モル%以上の量で
含有していることが好ましい。前記ポリエチレンナフタ
レート(C)は、ジカルボン酸単位を100モル%とす
るとき、ナフタレンジカルボン酸単位を80モル%以上
の量で含有していることが好ましい。
【0008】本発明に係るボトルは、該ボトルに水を充
填して密栓した後、2mの高さから5回以上落下したと
き、ボトル底部に割れを生じず、かつ層状剥離を生じな
いような機械的強度を有している。また本発明に係るボ
トルは、該ボトルに2.5ガスボリュームの炭酸ガスが
圧入された飲料を充填して密栓した後、60℃の温浴に
1時間浸漬したとき、浸漬前のボトルに対する高さ変化
率が5%以下であり、胴径変化率が5%以下であり、か
つボトル転倒角度が10°以上であることを特徴として
いる。
【0009】本発明に係るボトルの製造方法では、上記
のようなポリエステル組成物のプリフォームを形成した
後、該プリフォームを延伸ブロー成形してボトルを製造
することができる。この際、プリフォームを面積延伸倍
率6〜15倍で延伸ブローすることが好ましい。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリエステル
組成物、これからなるボトルおよびその製造方法につい
て具体的に説明する。本発明に係るポリエステル組成物
は、(A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)ポリ
エチレンイソフタレートと、(C)ポリエチレンナフタ
レートとからなる。まずこれら各ポリエステル成分につ
いて説明する。
【0011】(A)ポリエチレンテレフタレート 本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、テ
レフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカ
ルボン酸単位と、エチレングリコールから導かれるジオ
ール単位とからなる。このポリエチレンテレフタレート
(A)のジカルボン酸単位は、該単位を100モル%と
するとき、テレフタル酸単位を80モル%以上、好まし
くは90〜100モル%の量で含有している。
【0012】20モル%未満の量で含有されていてもよ
い他のジカルボン酸類としては、具体的に、フタル酸
(オルソフタル酸)、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジ
カルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環族ジカルボン酸、およびこれらのエス
テル誘導体が挙げられる。他のジカルボン酸としては、
これらのうちでもイソフタル酸が好ましい。
【0013】またポリエチレンテレフタレート(A)の
ジオール単位は、該単位を100モル%とするとき、エ
チレングリコール単位を90モル%以上、好ましくは9
5〜100モル%の量で含有していることが望ましい。
【0014】10モル%未満の量で含有されていてもよ
い他のジオール類としては、具体的に、ジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族グリコール、1,3-ビス(2-ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼンなどの芳香族基を含むグリコール、ビスフェノール
類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエト
キシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類、およ
びこれらのエステル誘導体などが挙げられる。他のジオ
ールとしては、これらのうちでも、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどが好ましい。
【0015】さらに本発明で用いられるポリエチレンテ
レフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸
類、または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオー
ルから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばト
リメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン
酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールメタン、1,1,
1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパ
ン、ペンタエルスリトールなどの多官能ジオール類から
導かれる単位を含有していてもよい。
【0016】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レートは、実質上線状であり、このことはポリエチレン
テレフタレートが、o-クロロフェノールに溶解すること
によって確認される。本発明で用いられるポリエチレン
テレフタレートの25℃o-クロロフェノール中で測定さ
れる極限粘度[η]は、0.6〜1.5dl/g、好ましく
は0.7〜1.2dl/gであることが望ましい。
【0017】またポリエチレンテレフタレートの示差走
査型熱量計(DSC、昇温速度10℃/分)で測定され
る融点は、通常210〜265℃、好ましくは220〜
260℃であり、ガラス転移温度は、通常50〜120
℃、好ましくは60〜100℃であることが望ましい。
【0018】(B)ポリエチレンイソフタレート 本発明で用いられるポリエチレンイソフタレートは、イ
ソフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカ
ルボン酸単位と、エチレングリコールから導かれるジオ
ール単位とからなる。このポリエチレンイソフタレート
(B)のジカルボン酸単位は、該単位を100モル%と
するとき、イソフタル酸単位を50モル%以上、好まし
くは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上
の量で含有している。
【0019】50モル%未満の量で含有されていてもよ
い他のジカルボン酸類としては、具体的に、フタル酸
(オルソフタル酸)、テレフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの
脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸、およびこれらのエステル誘導体
が挙げられる。他のジカルボン酸としては、これらのう
ちでもテレフタル酸が好ましい。
【0020】またポリエチレンイソフタレート(B)の
ジオール単位は、該単位を100モル%とするとき、エ
チレングリコール単位を70モル%以上、好ましくは8
0〜100モル%の量で含有していることが望ましい。
30モル%未満の量で含有されていてもよい他のジオー
ル類としては、具体的に、ポリエチレンテレフタレート
(A)で示したような他のジオール類が挙げられる。他
のジオールとしては、これらのうちでも、ジエチレング
リコール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
などが好ましい。
【0021】さらに本発明で用いられるポリエチレンイ
ソフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、ポリエチレンテレフタレート(A)で示したような
3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、
または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオールか
ら導かれる単位を含有していてもよく、具体的に、多官
能カルボン酸類から導かれる単位および/または多官能
ジオール類から導かれる単位を、独立してジカルボン酸
単位100モル%に対して0.05〜0.4モル%、好ま
しくは0.1〜0.35モル%、さらに好ましくは0.2
〜0.35モル%の量で含んでいてもよい。
【0022】(C)ポリエチレンナフタレート 本発明で用いられるポリエチレンナフタレートは、2,6-
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体から
導かれるジカルボン酸単位と、エチレングリコールから
導かれるジオール単位とからなる。このポリエチレンナ
フタレート(C)のジカルボン酸単位は、該単位を10
0モル%とするとき、2,6-ナフタレンジカルボン酸単位
を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%の量
で含有している。
【0023】20モル%未満の量で含有されていてもよ
い他のジカルボン酸類としては、具体的にはポリエチレ
ンテレフタレート(A)およびポリエチレンイソフタレ
ート(B)で示したような2,6-ナフタレンジカルボン酸
以外のジカルボン酸類が挙げられる。他のジカルボン酸
としては、これらのうちでも、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナ
フタレンジカルボン酸などの2,6-ナフタレンジカルボン
酸以外のナフタレンジカルボン酸などが好ましい。
【0024】またポリエチレンナフタレート(C)のジ
オール単位は、該単位を100モル%とするとき、エチ
レングリコール単位を90モル%以上、好ましくは95
〜100モル%の量で含有していることが望ましい。1
0モル%未満の量で含有されていてもよい他のジオール
類としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート
(A)で示したような他のジオール類が挙げられる。他
のジオールとしては、これらのうちでも、ジエチレング
リコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂環族グリコールなどが好ましい。
【0025】さらに本発明で用いられるポリエチレンナ
フタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、ポリエチレンテレフタレート(A)で示したような
多官能化合物から導かれる単位を含んでいてもよい。本
発明で用いられるポリエチレンナフタレートは実質上直
線上であり、このことは該ポリエチレンナフタレートが
o-クロロフェノールに溶解することによって確認され
る。上記のような各成分は、公知の製造方法により製造
することができる。
【0026】ポリエステル組成物 本発明に係るポリエステ組成物は、上記のような(A)
ポリエチレンテレフタレート97〜50重量%、好まし
くは94〜60重量%、さらに好ましくは90〜70重
量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.5〜2
0重量%、好ましくは3〜17重量%、さらに好ましく
は5〜15重量%と、(C)ポリエチレンナフタレート
1.5〜40重量%、好ましくは3〜30重量%、さら
に好ましくは5〜20重量%とからなる。
【0027】このような各成分からなる本発明に係るポ
リエステル組成物は、機械的強度、炭酸ガスバリヤ性、
紫外線遮断性、耐熱性および耐圧性に優れ、かつアセト
アルデヒド量も少ないボトルを形成することができる。
上記のようなポリエステル組成物では、(C)/(B)
の比は1.2以上であることが好ましく、特に1.5以上
であることが好ましい。(C)/(B)比がこのような
値であると、特に耐熱性に優れたボトルを得ることがで
きる。
【0028】また(C)と(B)との合計量が、組成物
中5重量%以上、特に10重量%以上であることが好ま
しい。このような量で(C)と(B)とを含む組成物
は、ガスバリヤ性に優れたボトルを形成することができ
る。このようなポリエステル組成物は、特に内容量1リ
ットル未満の小型ボトル成形材料として有用である。な
お小型ボトルは、大型ボトルに比べて比表面積が大きい
ので、大型ボトルよりもガスバリヤ性が要求される。
【0029】上記のような各成分からポリエステル組成
物を得るには、従来公知のポリエステルブレンド方法を
利用することができる。たとえばヘンシェルミキサー、
V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレン
ダーなどを用いて混合することができる。またポリエチ
レンテレフタレート(A)、ポリエチレンイソフタレー
ト(B)およびポリエチレンナフタレート(C)とを混
合した後、一軸押出機、二軸押出機などで溶融混練し、
次いで造粒あるいは粉砕することができる。また混合機
能を備えた射出成形機あるいは押出成形機に直接各成分
を装入し、プリフォーム成形時にポリエステル組成物を
調製することもできる。
【0030】各成分の溶融混練は、通常、260℃〜3
00℃、好ましくは270℃〜290℃の温度で行われ
る。上記のような各成分は、相溶性に優れているので、
これら成分からは均質なポリエステル組成物が得られ
る。また本発明に係るポリエステル組成物は、発明の目
的を損なわない範囲であれば、上記の各成分に加えて他
の成分たとえば他のポリマー、紫外線防止剤、酸化防止
剤などの添加剤、タルクなどの充填剤を含有していても
よい。
【0031】ボトルおよび製造方法 本発明に係るボトルの一具体例を図1および図2に示
す。図1に示されたボトル1は、通常、口頸部2、上肩
部3、胴部4、底部5とからなる自立型ボトルであり、
底部5に脚部6が形成されている。図2には該ボトルの
底面図を示す。本発明に係るボトルは、ボトル成形時の
アセトアルデヒド量が少なく、しかも強度、炭酸ガスバ
リヤ性、紫外線遮断性、耐熱性、耐圧性に優れている。
このようなボトルは、紫外線あるいは酸素透過により内
容物が変質したり、また炭酸ガスを充填した後長時間経
過しても充填時の炭酸ガスを保持することができる。
【0032】たとえば本発明に係るボトルは、強度特に
落下強度に優れており、具体的にボトルに水を充填して
密栓した後、2mの高さから5回以上落下しても、ボト
ル底部に割れを生じず、かつ層状剥離を生じない。
【0033】また本発明に係るボトルは、耐熱性、耐圧
性に優れており、具体的にボトルに23℃で2.5ガス
ボリュームの炭酸ガスを圧入した飲料を充填して密栓し
た後、60℃の温浴に1時間浸漬したとき、浸漬前のボ
トルに対する高さ変化率が5%以下、好ましくは3%以
下であり、胴径変化率が5%以下、好ましくは3%以下
であり、かつボトル転倒角度が10°以上好ましくは1
1°以上である。ボトル転倒角度は、実施例で後述する
方法により求められ、ボトルの寸法変化率は高さ方向お
よび胴径方向ともに以下の式で求められる。
【0034】
【数1】
【0035】本発明に係るボトルは、上記のようなポリ
エステル組成物からプリフォームを形成した後、該プリ
フォームを延伸ブロー成形することにより得ることがで
きる。該プリフォームは、従来公知の方法、たとえば射
出成形、押出成形などによって製造することができる。
プリフォーム形成用のポリエステル組成物の加熱温度
は、通常90〜110℃であることが好ましい。
【0036】次いで得られたプリフォームを金型中で延
伸ブロー成形することにより、ボトルを製造している。
ブロー流体としては、空気、窒素、水蒸気、水などを用
いることができるが、このうち空気が好ましい。ブロー
流体の温度は、10〜400℃、好ましくは20〜30
0℃であることが望ましい。金型温度は、通常常温〜2
00℃である。本発明では、特に常温金型を用いて、ブ
ロー流体を吹き込み2〜10秒間接触させることにより
延伸ブロー成形することが好ましい。
【0037】このような延伸ブロー成形により、面積延
伸倍率(縦方向×横方向)6〜15倍、好ましくは8〜
14倍で二軸延伸することが望ましい。また上記のよう
な延伸ブロー成形により得られるボトル胴部中央の結晶
化度は、25〜60%、好ましくは25〜50%である
ことが望ましい。本発明では、このようにして得られた
ボトルに公知の方法によりヒートセット処理を施しても
よい。本発明に係るボトルは透明であることが好まし
い。具体的に、ボトルの胴部ヘイズは5%以下であるこ
とが好ましく、さらに3%以下であることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル組成物は、ボ
トル成形時のアセトアルデヒド量が少なく、機械的強
度、炭酸ガスバリヤ性、紫外線遮断性、耐熱性および耐
圧性に優れたボトルを形成することができる。このよう
なポリエステル組成物からなる本発明に係るボトルは、
回収再利用することもが容易である。また本発明では、
上記のようなエステル組成物からはボトルを生産効率よ
く製造することができる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、ボトルの評価は下
記のように行なった。
【0040】[ボトルの落下強度]図1(側面図)およ
び図2(底面図)に示すような形状に成形したボトルに
水を充填し、アルミニウムまたはプラスチックのキャッ
プで密栓した後、2mの高さから5回以上落下した後、
ボトル底部の落下部分を観察した。 良好 … 内容物の漏れを生じなかった。 不良 … 内容物の漏れを生じた。
【0041】[ボトルの炭酸ガスバリヤ性]ボトル成形
品の重量を測定した後、成形ボトルを炭酸ガスで置換し
た。ボトル内圧が5atmになる量のドライアイスをボ
トル中に入れ、すばやく密栓した。密栓したボトル重量
と、測定前のボトルおよび栓の重量からボトル内の炭酸
ガス重量を求める。23±1℃の条件下に保存し、ボト
ル内炭酸ガス量が17.5%となる時間(日数)を求め
た。
【0042】[ボトルの紫外線透過率]380nmの光
線が、厚み700μmのボトル切片を透過する割合
(%)を示す。
【0043】[ボトルの耐熱性、耐圧性の評価]ボトル
耐熱性、耐圧性の評価は、ボトルに2.5ガスボリュー
ム(GV)の炭酸ガス入り飲料を充填し60℃の温浴に
1時間浸漬した後に取出し、ボトルの変形性および自立
性を温浴浸漬前のものと比較して決定した(高さ変化
率、胴径変化率)。ボトルの変形性が小さくボトルが自
立性を保持している場合に、ボトルは耐熱性、耐圧性に
優れていると評価した。
【0044】なおボトルの変形性および自立性は、転倒
角度で評価した。ボトルの転倒角度は、図3および図4
に示す専用の測定治具を用いて以下のようにして求め
た。図3に示すように、測定用ボトル1を転倒角度測定
治具10の上部板11上に載置する。次いで下部固定板
12に取付けられたハンドル14を回転させることによ
り図4に示すように上部板11を徐々に傾斜させ、上部
板11上の測定用ボトル1が転倒する際の下部固定板1
2と上部板11とがなす角度Xを、上部板11の端部に
取付けた角度測定器(分度器)13により測定すること
でボトルの転倒角度を求める。
【0045】[アセトアルデヒド量]ポリエステル組成
物をボトル成形した後、ボトル内部をすばやく窒素置換
して密栓する。密栓したボトルを23±1℃の条件下に
24±1時間保存した後、ボトル内のガスをサンプリン
グしてアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフで測
定した。 [ボトルのヘイズ]ボトル胴部のヘイズを、ASTM
D1003の方法により測定した。
【0046】
【実施例1】下記のポリエステル組成物を調製した。 (A)ポリエチレンテレフタレート(ジカルボン酸単位
中のテレフタル酸単位100モル%、ジオール単位=エ
チレングリコール単位100モル%、極限粘度[η]=
0.83dl/g;三井石油化学工業(株)製J135)
85重量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート〔ジ
カルボン酸単位(イソフタル酸単位90モル%、テレフ
タル酸単位10モル%)、ジオール単位(エチレングリ
コール単位85モル%、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン15モル%)、他の成分単位(1,1,1-トリ
メチロールプロパン=ジカルボン酸単位100モル%に
対して0.32モル%)〕5重量%と、(C)ポリエチ
レンナフタレート〔ジカルボン酸単位(ナフタレンジカ
ルボン酸単位92モル%、テレフタル酸単位8モル
%)、ジオール単位=エチレングリコール単位100モ
ル%〕10重量%とを、先端部にダルメージタイプのミ
キシング部を有するスクリューを備えた射出成形機(名
機製作所(株)製M−70B)に装入して、スクリュー
圧縮比=1.5、成形温度=290℃、成形サイクル=
33秒でポリエステル組成物からなるプリフォームを成
形した。
【0047】次いで射出成形機に付設した赤外線ヒータ
で、上記で得られたプリフォームの胴部中央部の表面温
度が100〜110℃となるように加熱し、成形機(CO
RPOPLAST社製 LB−01)で延伸ブロー成形して図1
に示すようなボトル容量500ml、ボトル重量28g
の二軸延伸ボトルを得た。延伸は常温のブロー金型にボ
トルを5秒間接触させることにより、延伸サイクル=6
0秒で、面積延伸倍率(縦方向×横方向)=11倍で行
なった。得られたボトルの落下強度、炭酸ガスバリヤ
性、紫外線透過率、耐熱性、耐圧性の評価、アセトアル
デヒド量、ヘイズを測定した。試験結果を表1に示す。
【0048】
【実施例2〜3】実施例1において、各成分の量比を変
えた以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物か
らなるボトルを製造した。試験結果を表1に示す。
【0049】
【比較例1】実施例1において、ポリエチレンテレフタ
レートのみを用いた以外は実施例1と同様にしてポリエ
ステル組成物からなるボトルを製造した。試験結果を表
1に示す。
【0050】
【比較例2】実施例1において、ポリエチレンテレフタ
レート100重量部と、ポリエチレンイソフタレート1
5重量部とを用い、ポリエチレンナフタレートを用いな
かった以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物
からなるボトルを製造した。試験結果を表1に示す。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステル組成物製ボトルの概略説明図(側
面図)である。
【図2】ポリエステル組成物製ボトルの概略説明図(底
面図)である。
【図3】ボトルの転倒角度を測定する装置の概略説明図
である。
【図4】ボトルの転倒角度を測定する装置の概略説明図
(傾斜図)である。
【符号の説明】
1…ボトル、2…口頸部、3…上肩部、4…胴部、5…
底部、6…脚部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエチレンテレフタレート97〜
    50重量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.
    5〜20重量%と、(C)ポリエチレンナフタレート
    1.5〜40重量%と、からなることを特徴とするポリ
    エステル組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリエチレンテレフタレート97〜
    50重量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.
    5〜20重量%と、(C)ポリエチレンナフタレート
    1.5〜40重量%とからなるポリエステル組成物から
    成形されていることを特徴とするボトル。
  3. 【請求項3】前記ポリエチレンテレフタレート(A)
    は、 ジカルボン酸単位を100モル%とするとき、テレフタ
    ル酸単位を80モル%以上の量で含有し、かつ極限粘度
    [η](25℃のo-クロロフェノール中)が0.6〜1.
    5dl/gであることを特徴とする請求項2に記載のボト
    ル。
  4. 【請求項4】前記ポリエチレンイソフタレート(B)
    は、 ジカルボン酸単位を100モル%とするとき、イソフタ
    ル酸単位を50モル%以上の量で含有することを特徴と
    する請求項2に記載のボトル。
  5. 【請求項5】前記ポリエチレンナフタレート(C)は、 ジカルボン酸単位を100モル%とするとき、2,6-ナフ
    タレンジカルボン酸単位を80モル%以上の量で含有す
    ることを特徴とする請求項2に記載のボトル。
  6. 【請求項6】前記ボトルに水を充填して密栓した後、2
    mの高さから5回以上落下したとき、ボトル底部に割れ
    を生じず、かつ層状剥離を生じないことを特徴とする請
    求項2〜5のいずれかに記載のボトル。
  7. 【請求項7】前記ボトルに2.5ガスボリュームの炭酸
    ガスが圧入された飲料を充填して密栓した後、60℃の
    温浴に1時間浸漬したとき、浸漬前のボトルに対する高
    さ変化率が5%以下であり、胴径変化率が5%以下であ
    り、かつボトル転倒角度が10°以上であることを特徴
    とする請求項2〜5のいずれかに記載のボトル。
  8. 【請求項8】(A)ポリエチレンテレフタレート97〜
    50重量%と、(B)ポリエチレンイソフタレート1.
    5〜20重量%と、(C)ポリエチレンナフタレート
    1.5〜40重量%とからなるポリエステル組成物のプ
    リフォームを形成した後、該プリフォームを延伸ブロー
    成形することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記
    載のボトルの製造方法。
  9. 【請求項9】プリフォームを面積延伸倍率6〜15倍で
    延伸ブローすることを特徴とする請求項8に記載のボト
    ルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000004076A3 (en) * 1998-07-14 2000-08-17 Eastman Chem Co Polyester comprising a residue of isophthalic acid, terephthalic acid, ethylene glycol and an aromatic diol derivative and a method for identifying the polyester by fluorescence
JP2007230652A (ja) * 2006-01-31 2007-09-13 Mitsui Chemicals Inc ポリエチレンテレフタレート製中空容器

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WO2000004076A3 (en) * 1998-07-14 2000-08-17 Eastman Chem Co Polyester comprising a residue of isophthalic acid, terephthalic acid, ethylene glycol and an aromatic diol derivative and a method for identifying the polyester by fluorescence
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