JPH0636371A - 光磁気ディスクの製造方法および光磁気ディスク - Google Patents

光磁気ディスクの製造方法および光磁気ディスク

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JPH0636371A
JPH0636371A JP21218192A JP21218192A JPH0636371A JP H0636371 A JPH0636371 A JP H0636371A JP 21218192 A JP21218192 A JP 21218192A JP 21218192 A JP21218192 A JP 21218192A JP H0636371 A JPH0636371 A JP H0636371A
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JP
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magneto
optical disk
recording
gas
recording layer
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JP21218192A
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English (en)
Inventor
Kenji Uchiyama
謙治 内山
Masanori Kosuda
正則 小須田
Takeshi Iguchi
毅 井口
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低パワーで記録可能な光磁気ディスクを提供
する。 【構成】 R(Rは、Tb、Dy、Nd、Sm、Prお
よびCeから選択される少なくとも1種の元素であ
る)、FeおよびCoを含有する垂直磁化膜の記録層を
スパッタ法により形成する際の雰囲気中に、Arガス
と、酸素ガスおよび/または窒素ガスとを含有させ、前
記雰囲気中において、酸素ガス分圧と窒素ガス分圧の合
計を5.0×10-5〜5.0×10-4Paとして、最適記
録パワーを低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスクの製造
方法および光磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】大容量情報担持媒体として光ディスクが
注目されている。このなかには、磁界変調方式の光磁気
ディスクがあり、データファイル等への応用が期待され
ている。磁界変調方式では、光ヘッドからレーザー光を
ディスクの記録層にDC的に照射してその温度を上昇さ
せておき、これと同時に、変調された磁界を光ヘッドの
反対側に配置した磁気ヘッドから記録層に印加し、記録
を行なう。従って、この方式ではオーバーライト記録が
可能である。
【0003】最近、コンパクトディスク(CD)と同等
(1.2〜1.4m/s )の低い線速度で記録・再生が可
能な磁界変調方式の光磁気ディスクが注目されている。
この光磁気ディスクは、CDに準じた規格の再生専用光
ディスクと、駆動装置を共用することが可能である。こ
の光磁気ディスクの駆動装置は携帯型としての用途も考
えられているが、この場合、消費電力を抑えることが要
求される。磁界変調型の光磁気ディスクでは記録レーザ
ーが一定の強度で照射されているため、一般に消費電力
が多くなるので、低パワーで記録可能なディスクとする
ことが望まれる。そして、低パワーで記録可能であれ
ば、レーザー発振用半導体の負担も少なくなり、長寿命
とすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低パワーで
記録可能な光磁気ディスクを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0006】(1)R(Rは、Tb、Dy、Nd、S
m、PrおよびCeから選択される少なくとも1種の元
素である)、FeおよびCoを含有する垂直磁化膜の記
録層を有する光磁気ディスクを製造する方法であって、
前記記録層をスパッタ法により形成する際の雰囲気中
に、Arガスと、酸素ガスおよび/または窒素ガスとを
含有させ、前記雰囲気中において、酸素ガス分圧と窒素
ガス分圧の合計を5.0×10-5〜5.0×10-4Paと
して、最適記録パワーを低下させることを特徴とする光
磁気ディスクの製造方法。
【0007】(2)前記雰囲気が、Arガスと、窒素ガ
スまたは窒素ガスおよび酸素ガスとを含有する上記
(1)の光磁気ディスクの製造方法。
【0008】(3)前記雰囲気中におけるArガスの分
圧が0.05〜2.0Paである上記(1)または(2)
の光磁気ディスクの製造方法。
【0009】(4)上記(1)ないし(3)のいずれか
の光磁気ディスクの製造方法により製造され、記録層中
に酸素および/または窒素を含有することを特徴とする
光磁気ディスク。
【0010】(5)最適記録パワーが2〜5mWである上
記(4)の光磁気ディスク。
【0011】(6)記録パワーマージンが20%以上で
ある上記(4)または(5)の光磁気ディスク。
【0012】(7)磁界変調方式の光磁気記録に用いら
れる上記(4)ないし(6)のいずれかの光磁気ディス
ク。
【0013】(8)1.2〜1.4m/s の範囲の線速度
で記録が行なわれる上記(4)ないし(7)のいずれか
の光磁気ディスク。
【0014】
【作用および効果】本発明の光磁気ディスクは、希土類
元素および遷移元素を含有する垂直磁化膜の記録層を有
する。本発明ではこの記録層を、上記分圧の窒素ガスや
酸素ガスが存在する雰囲気中でスパッタ法により形成す
る。
【0015】このようにして微量の窒素や酸素が混入さ
れた記録層では、最適記録パワーP0 を低くすることが
できる。なお、最適記録パワーP0 は、ジッター量に基
づいて定められる。図2に示されるように、ジッター量
は記録パワーが小さすぎても大きすぎても増加するの
で、記録パワーをある範囲とすることにより、ジッター
量を一定値以下とすることができる。最適記録パワーP
0 は、図2においてジッターのスライスレベルJ0 に対
応する記録パワーPmax およびPmin の中間点であり、
0 =(Pmax +Pmin )/2で表わされる。なお、こ
のとき、(Pmax−Pmin )/P0 を、一般に記録パワ
ーマージンという。そして本発明の光磁気ディスクで
は、例えば、光学ヘッドに対する線速度を1.2〜1.
4m/s とし、記録層面における磁界強度を200 Oe と
し、EFM変調の3T信号のジッター量のスライスレベ
ルを50nsとしたときに、最適記録パワーP0 を5.0
mW以下、特に4.5mW以下、さらには、4.0mW以下と
することができる。
【0016】本発明の光磁気ディスクは、最適記録パワ
ーP0 を小さくできるので、駆動装置の消費電力を少な
くすることができ、また、レーザー発振用半導体の寿命
を長くすることができる。
【0017】ところで、特開平4−67334号公報に
は、光磁気記録層に0.45〜7原子%の酸素原子を含
有させた光磁気記録素子が開示されているが、同公報に
は光磁気記録層形成時の酸素分圧は開示されておらず、
また、光磁気記録層に窒素を含有させる旨の開示はな
い。さらに、同公報記載の光磁気記録層はGdDyFe
Co系の組成であり、本発明における組成とは異なる。
【0018】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0019】図1に、本発明の光磁気ディスクの一実施
例を示す。同図において、光磁気ディスク1は、基板2
表面上に、保護層4、記録層5、保護層6、反射層7お
よび保護コート8を有する。
【0020】本発明の光磁気ディスクに対し記録および
再生を行なう際には、光学ヘッドは基板2の裏面側(図
中下側)に位置し、基板を通してレーザー光が照射され
るので、基板には、ガラスや、ポリカーボネート、アク
リル樹脂、非晶質ポリオレフィン、スチレン系樹脂等の
透明樹脂が用いられる。
【0021】保護層4および保護層6は、C/Nの向上
および記録層の腐食防止作用を有し、層厚は10〜15
0nm程度とされる。これら保護層は少なくとも一方、好
ましくは両方設けられることが望ましい。これらの保護
層は、各種酸化物、炭化物、窒化物、硫化物あるいはこ
れらの混合物(LaSiON等)からなる誘電体物質か
ら構成されることが好ましく、スパッタ、蒸着、イオン
プレーティング等の各種気相成膜法により形成されるこ
とが好ましい。
【0022】記録層5には、変調された熱ビームあるい
は変調された磁界により情報が磁気的に記録され、記録
情報は磁気−光変換して再生される。本発明の光磁気デ
ィスクは、通常、磁界変調方式に適用される。
【0023】記録層5は、希土類元素および遷移元素を
含有し、光磁気記録が可能な垂直磁化膜である。本発明
では、R(Rは、Tb、Dy、Nd、Sm、Prおよび
Ceから選択される少なくとも1種の元素である)、F
eおよびCoを主成分として含有する記録層に、酸素お
よび/または窒素を含有させる。前記主成分組成を選択
することにより、最適記録パワーを効果的に低下させる
ことができる。
【0024】各元素の具体的含有量は、要求されるキュ
リー温度、保磁力、再生特性等に応じて適宜決定すれば
よいが、原子比組成をRA FeB CoC としたとき、通
常、 10≦A≦35、 55≦B≦70、 3≦C≦15 A+B+C=100 であることが好ましい。また、これらの元素に加え、さ
らにCrやTi等の各種元素が必要に応じて添加されて
いてもよい。記録層中におけるこれらの添加元素の含有
量は、12原子%以下とすることが好ましい。具体的組
成としては、例えば、TbFeCoや、TbFeCoC
r、DyTbFeCo、NdDyFeCo等が挙げられ
る。
【0025】記録層5の層厚は、通常、10〜100nm
程度とする。
【0026】本発明では、記録層5を、Arガスと、酸
素ガスおよび/または窒素ガスとを含有する雰囲気中で
スパッタ法により形成する。スパッタ雰囲気中における
酸素ガス分圧と窒素ガス分圧の合計は、5.0×10-5
〜5.0×10-4、好ましくは1.0×10-4〜4.5
×10-4Paとする。分圧の合計が前記範囲未満であると
本発明の効果が不十分であり、前記範囲を超えていると
記録パワーマージンが狭くなってしまい、また、P0
小さくなりすぎて、再生用レーザー光により記録状態が
変化する恐れが生じる。なお、本発明では、P0 を2mW
以上、特に2.5mW以上とすることができ、また、5.
0mW以下、特に4.5mW以下、さらには、4.0mW以下
とすることができる。そして、記録パワーマージンは、
20%以上とすることができる。
【0027】窒素分圧と酸素分圧との比率は特に限定さ
れず、窒素ガスだけでも酸素ガスだけでもよいが、信頼
性の点から窒素ガスを必須とすることが好ましい。酸素
分圧/窒素分圧≦0.30、特に窒素ガス100%とす
ることにより、記録層の信頼性は著しく向上する。
【0028】スパッタ雰囲気中におけるArガスの分圧
は、好ましくは0.05〜2.0Pa、より好ましくは
0.05〜1.0Pa、さらに好ましくは0.05〜0.
3Paとする。Arガス分圧が上記範囲未満であると、記
録層形成中にスパッタターゲットと真空槽との間の放電
が不安定となり、正常な記録層を形成することが困難と
なる。また、Arガスの分圧が上記範囲を超えている
と、ジッターやC/Nなどの特性が低くなる傾向にあ
り、信頼性にも悪影響を与えることがある。
【0029】窒素ガスや酸素ガスは、Arガスとは別に
真空槽内に導入してもよく、Arガスと混合された状態
で導入してもよい。
【0030】また、窒素や酸素を含有させたターゲット
を用いて、スパッタ時にターゲット中の窒素や酸素がガ
ス化して前記雰囲気が形成されるようにしてもよい。
【0031】なお、記録層形成前に、スパッタ用の真空
槽内を5.0×10-6Pa以下まで減圧しておくことが好
ましい。
【0032】記録層中に窒素や酸素が含有されているこ
とは、オージェ電子分光法(AES)や蛍光X線分析
(XRF)等により確認することができる。なお、記録
層中の窒素や酸素の含有量は、記録層が垂直磁化膜の状
態を保つ程度に微量である。
【0033】反射層7は必要に応じて設けられる。反射
層7を構成する材質は、Au、Ag、Pt、Al、T
i、Cr、Ni、Co等の比較的高反射率の金属、ある
いはこれらの合金、あるいはこれらの化合物であってよ
い。反射層7は、記録層5と同様にして設層すればよ
い。反射層7の層厚は30〜200nm程度とすることが
好ましい。
【0034】保護コート8は、反射層7までのスパッタ
積層膜の保護のために設けられる樹脂膜である。
【0035】保護コート8を構成する樹脂は、放射線硬
化樹脂であることが好ましい。具体的には、放射線硬化
型化合物やその重合用組成物を放射線硬化させた物質か
ら構成されることが好ましい。このようなものとして
は、イオン化エネルギーに感応し、ラジカル重合性を示
す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタクリル酸、
あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル系二
重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重結
合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和二重結合
等の放射線照射による架橋あるいは重合する基を分子中
に含有または導入したモノマー、オリゴマーおよびポリ
マー等を挙げることができる。これらは多官能、特に3
官能以上であることが好ましく、1種のみ用いても2種
以上併用してもよい。
【0036】放射線硬化性モノマーとしては、分子量2
000未満の化合物が、オリゴマーとしては分子量20
00〜10000のものが好適である。これらはスチレ
ン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
メタクリレート、1,6-ヘキサングリコールジアクリレー
ト、1,6-ヘキサングリコールジメタクリレート等も挙げ
られるが、特に好ましいものとしては、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート(メタクリレート) 、ペンタ
エリスリトールアクリレート(メタクリレート) 、トリ
メチロールプロパントリアクリレート(メタクリレー
ト) 、トリメチロールプロパンジアクリレート(メタク
リレート)、ウレタンエラストマーのアクリル変性体、
あるいはこれらのものにCOOH等の官能基が導入され
たもの、フェノールエチレンオキシド付加物のアクリレ
ート(メタクリレート) 、特願昭62−072888号
に示されるペンタエリスリトール縮合環にアクリル基
(メタクリル基)またはε−カプロラクトン−アクリル
基のついた化合物、および特願昭62−072888号
に示される特殊アクリレート類等のアクリル基含有モノ
マーおよび/またはオリゴマーが挙げられる。この他、
放射線硬化性オリゴマーとしては、オリゴエステルアク
リレートやウレタンエラストマーのアクリル変性体、あ
るいはこれらのものにCOOH等の官能基が導入された
もの等が挙げられる。
【0037】また、上記の化合物に加えて、あるいはこ
れにかえて熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによ
って得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。この
ような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジカル重
合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタク
リル酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアク
リル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系
二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結
合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する基を熱
可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂であ
る。放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例と
しては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノキシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができ
る。その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂
としては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエス
テル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(P
VPオレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸
基を含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステ
ルを重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等
も有効である。
【0038】重合用塗布組成物は放射線照射、特に紫外
線照射により硬化されるので、重合用組成物中には光重
合開始剤ないし増感剤が含有されることが好ましい。用
いる光重合開始剤ないし増感剤に特に制限はなく、例え
ば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン
系、チオキサントン系等の通常のものから適宜選択すれ
ばよい。なお、光重合開始剤ないし増感剤として、複数
の化合物を併用してもよい。重合用組成物中における光
重合開始剤の含有量は、通常0.5〜5重量%程度とす
ればよい。このような重合用組成物は、常法に従い合成
してもよく、市販の化合物を用いて調製してもよい。
【0039】保護コート8を形成するための放射線硬化
型化合物を含有する組成物としては、エポキシ樹脂およ
び光カチオン重合触媒を含有する組成物も好適に使用さ
れる。
【0040】エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹
脂が好ましく、特に、分子内に2個以上のエポキシ基を
有するものが好ましい。脂環式エポキシ樹脂としては、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサ
ン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の1種以上が好
ましい。脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量に特に制限
はないが、良好な硬化性が得られることから、60〜3
00、特に100〜200であることが好ましい。
【0041】光カチオン重合触媒は、公知のいずれのも
のを用いてもよく、特に制限はない。例えば、1種以上
の金属フルオロホウ酸塩および三フッ化ホウ素の錯体、
ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)メタン金属
塩、アリールジアゾニウム化合物、6A族元素の芳香族
オニウム塩、5A族元素の芳香族オニウム塩、3A族〜
5A族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム
塩、MF6 アニオン(ただしMは、P、AsまたはS
b)を有する6A族元素、トリアリールスルホニウム錯
塩、芳香族イオドニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩
等を用いることができ、特に、ポリアリールスルホニウ
ム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム塩
またはイオドニウム塩、3A族元素、5A族元素および
6A族元素の芳香族オニウム塩の1種以上を用いること
が好ましい。
【0042】また、有機金属化合物と光分解性を有する
有機けい素化合物とを含有する光カチオン重合触媒も用
いることができる。このような光カチオン重合触媒は非
強酸系であるため、光磁気記録ディスクの腐食性の高い
記録層に対する悪影響を避けることができる。有機金属
化合物としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Zn、Al 、Zr等の金属原子に、アルコ
キシ基、フェノキシ基、β−ジケトナト基等が結合した
錯体化合物が好ましい。これらのうち特に有機アルミニ
ウム化合物が好ましく、具体的には、トリスメトキシア
ルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリス
トリフルオロアセチルアルミニウム、トリスエチルアセ
トアセトナトアルミニウムが好ましい。
【0043】光分解性を有する有機けい素化合物は、紫
外線等の光照射によりシラノールを生じるものであり、
ペルオキシシラノ基、o−ニトロベンジル基、α−ケト
シリル基等を有するけい素化合物が好ましい。
【0044】組成物中の光カチオン重合触媒の含有量
は、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.05〜0.
7重量部、特に0.1〜0.5重量部であることが好ま
しい。
【0045】このようななかでも、放射線硬化型化合物
としてアクリル基を有するものを用い、光重合増感剤な
いし開始剤を含有する塗膜を放射線、特に紫外線硬化し
たものであることが好ましい。
【0046】保護コート8の厚さは、1〜30μm 、好
ましくは2〜20μm とするのがよい。膜厚が薄すぎる
と一様な膜を形成することが困難となり、耐久性が不十
分となってくる。また、厚すぎると、硬化の際の収縮に
よりクラックが生じたり、ディスクに反りが発生し易く
なってくる。
【0047】保護コート8を形成するには、まず、前記
のような樹脂、好ましくは放射線硬化樹脂用組成物の塗
膜を形成する。塗膜の形成方法に特に制限はなく、通
常、スピンコート、スクリーン印刷、グラビア塗布、ス
プレーコート、ディッピング等、種々の公知の方法から
適宜選択すればよい。この際の塗布条件は、重合用組成
物の粘度、目的とする塗膜厚さ等を考慮して適宜決定す
ればよい。
【0048】次いで、紫外線を照射して塗膜を硬化す
る。なお、場合によっては、加熱後に紫外線を照射して
もよく、紫外線のかわりに電子線等を照射してもよい。
塗膜に照射する紫外線強度は、通常、50mW/cm2程度以
上、照射量は、通常、500〜2000mJ/cm2程度とす
ればよい。また、紫外線源としては、水銀灯などの通常
のものを用いればよい。紫外線の照射により、上記各化
合物はラジカル重合する。
【0049】なお、基板2の裏面側には、図示されるよ
うに透明なハードコート3を形成してもよい。ハードコ
ートの材質および厚さは、保護コート8と同様とすれば
よい。ハードコートには、例えば界面活性剤の添加など
により帯電防止性を付与することが好ましい。ハードコ
ートは、ディスク主面だけに限らず、ディスクの外周側
面や内周側面に設けてもよい。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0051】光磁気ディスクサンプルを作製した。
【0052】まず、外径64mm、内径11mm、記録部厚
さ1.2mmのポリカーボネート樹脂基板上に、SiNx
保護層を高周波マグネトロンスパッタにより層厚90nm
に設層した。次に、この保護層上に、Tb19Fe68Co
7 Cr6 (原子比)の組成を有する記録層をスパッタ法
により層厚20nmに設層した。スパッタ雰囲気中のAr
分圧と、窒素分圧、酸素分圧およびこれらの比率とを、
下記表1に示す。なお、これらのガスは、スパッタ用の
真空槽内を5.0×10-6Pa以下まで減圧した後に導入
した。
【0053】さらに、この記録層上に、LaSiONの
保護層を高周波マグネトロンスパッタにより20nm厚に
設層し、この保護層上に、80nmのAl合金反射層およ
び保護コートを順に設層した。
【0054】保護コートは、下記の重合用組成物の塗膜
をスピンコートによって形成し、この塗膜に紫外線を照
射して硬化したものであり、硬化後の平均厚さは約5μ
m であった。紫外線照射量は1000mJ/cm2とした。
【0055】重合用組成物 オリゴエステルアクリレート (分子量5,000) 50重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 アセトフェノン系光重合開始剤 3重量部
【0056】このようにして得られた光磁気ディスクサ
ンプルについて、EFM変調の3T信号のジッター特性
の記録パワー依存性を評価した。パワー感度の変化によ
る隣接トラックへの影響も考慮して、3トラック連続記
録後にその中央のトラックのジッターを測定する方法を
用いた。測定データを図2のようにグラフ化してJ0
50nsのときの記録パワーPmax およびPmin を求め、
その中間点である最適記録パワーP0 と記録パワーマー
ジンとを求めた。なお、線速度は1.4m/s 、記録層表
面における磁界強度は200 Oe とした。結果を表1に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気ディスクの1例を示す部分断面
図である。
【図2】光磁気ディスクの最適記録パワーP0 を説明す
るグラフである。
【符号の説明】 1 光磁気ディスク 2 基板 3 ハードコート 4 保護層 5 記録層 6 保護層 7 反射層 8 保護コート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(Rは、Tb、Dy、Nd、Sm、P
    rおよびCeから選択される少なくとも1種の元素であ
    る)、FeおよびCoを含有する垂直磁化膜の記録層を
    有する光磁気ディスクを製造する方法であって、 前記記録層をスパッタ法により形成する際の雰囲気中
    に、Arガスと、酸素ガスおよび/または窒素ガスとを
    含有させ、前記雰囲気中において、酸素ガス分圧と窒素
    ガス分圧の合計を5.0×10-5〜5.0×10-4Paと
    して、最適記録パワーを低下させることを特徴とする光
    磁気ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記雰囲気が、Arガスと、窒素ガスま
    たは窒素ガスおよび酸素ガスとを含有する請求項1の光
    磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記雰囲気中におけるArガスの分圧が
    0.05〜2.0Paである請求項1または2の光磁気デ
    ィスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの光磁気デ
    ィスクの製造方法により製造され、記録層中に酸素およ
    び/または窒素を含有することを特徴とする光磁気ディ
    スク。
  5. 【請求項5】 最適記録パワーが2〜5mWである請求項
    4の光磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 記録パワーマージンが20%以上である
    請求項4または5の光磁気ディスク。
  7. 【請求項7】 磁界変調方式の光磁気記録に用いられる
    請求項4ないし6のいずれかの光磁気ディスク。
  8. 【請求項8】 1.2〜1.4m/s の範囲の線速度で記
    録が行なわれる請求項4ないし7のいずれかの光磁気デ
    ィスク。
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FR2746206A1 (fr) * 1996-03-15 1997-09-19 Commissariat Energie Atomique Support d'enregistrement magneto-optique et procede de realisation

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