JP2631024B2 - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光磁記録媒体に関するものであり特にバイ
アス磁場特性に優れ、かつ記録再生使用耐久性に優れた
光磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
[従来技術及びその問題点] 近年、光磁気記録媒体はレーザー光による書き込み読
み出しが可能な光磁気ディスクとして、大容量のデータ
ファイルなどに広く利用されている。
この光磁気記録媒体は、ガラス、プラスチックなどの
透明基板上に、スパッタ法によって、少なくともTbFeC
o,GdTbFeCo等の希土類金属及び遷移金属を主体とする記
録層を有する光磁気記録層が形成されている。そして、
通常はこの記録層と透明基板の間に干渉層としてSi3N4,
SiO2あるいはSiAlN等の第1誘電体層が設けられ、更に
保護層もかねて特性を改善するために記録層の上にも第
2誘電体層が設けられることが多い。また更にその上に
は、C/Nを高めるためにAl,Al−Ti,Al−Ta等の金属反射
層の薄膜を積層して3層構成もしくは4層構成の光磁気
記録層を有する光磁気記録媒体が広く使用されている。
その他、記録層としては希土類金属と遷移金属を主体
とする合金の単一層もしくは遷移金属を主体とする薄膜
と希土類金属を主体とする薄膜をそれぞれ数Å乃至10Å
の厚さで交互に少なくとも2層以上積層したいわゆる交
互積層膜の光磁気記録層を有する光磁気記録媒体があ
る。
透明基板の片面に光磁気記録層を有する2枚の媒体を
光磁気記録層がある面を内側に向けて貼合わせた両面記
録型の貼合わせタイプの光磁気記録媒体もある。
そして、前記光磁気記録層を構成している各層は、通
常、各層の構成金属をターゲットとして使用し、低圧の
不活性ガス雰囲気下でスパッタリング法により成膜され
る数100Åから数千Åの厚さの薄膜である。
光磁気記録媒体への情報の記録に際しては、まず媒体
に消去用のバイアス磁場を印加しつつレーザービームを
一様に照射して、記録層のキュリー温度まで加熱してす
でに書き込まれた記録情報を消去し、外部からバイアス
磁場を印加して記録層を一定の方向に磁化し、ついで、
書き込み用のバイアス磁場を印加しつつレーザービーム
による記録情報の書き込みが行われる。
C/Nと前記バイアス磁場(Hb)との関係は、一般にバ
イアス磁場に比例してC/Nは大きくなるが、C/Nの変化が
飽和する飽和バイアス磁場(Hbs)が媒体固有の特性と
して存在する。そして、この飽和バイアス磁場を小さく
することは、すなわち前記の消去、書き込み時に必要な
バイアス磁場を小さくできると言うことであり、また同
時に同じバイアス磁場を印加したとしても飽和バイアス
磁場が小さい媒体を使用した方がC/Nを向上させる上で
有利となる。
消去及び書き込み時に必要な前記バイアス磁場(Hb)
を小さくすることは、バイアス磁場印加用磁石を小さく
できることになるので、ドライブの小型化にとっても有
利となる。
また、最近、光磁気記録媒体の使用形態が多様化して
おり、オーバーライト記録の要求が強いが、その際も必
要なバイアス磁場(Hb)を小さくすることは、装置の小
型化、アクセスタイムを短縮に必須の要件となることが
予測される。
しかし、バイアス磁場に対して以上のような要求があ
るにもかかわらず、実際には、消去、記録に必要なバイ
アス磁場が安定している光磁気記録媒体を得ることが難
しく、100乃至700Oeの範囲でばらつきがあった。バイア
ス磁場は、実用上100乃至500Oe、望ましくは200乃至300
Oe程度を安定して得られることが望まれるのであるが、
実際には、従来の製造方法ではそのばらつきが大きく、
バイアス特性の優れた光磁気記録媒体を安定して得るの
が難しかった。
例えば、バイアス特性を制御する方法として、希土類
金属、遷移金属を記録層とする場合、その組成比を変え
たりまた他の金属を添加する方法が、MAG−87−177、J.
Appl.Phys.61(7)(1987),J.Appl.Phys.26(2)(1
987),J.Appl.Phys.61(8)(1987)等に開示されてい
るが、やはりばらつきが大きく100乃至700Oeの間でかな
りばらついてしまった。
光磁気記録媒体に要求される実用上の特性として、前
記のバイアス特性の他に重要なものとして、消去−記録
−再生の繰り返し耐久性(EWR耐久性)がある。すなわ
ち、光磁気記録媒体を何万回と繰り返し使用してもその
特性が劣化しないことが望まれている。そして実際に
は、媒体の光磁気記録層の同一部部分に消去−記録−再
生を繰り返し行ったときのC/Nの低下の度合で評価さ
れ、一般的には、10万回の繰り返してC/Nの低下が4dB以
内にあることが望まれている。このEWR特性を改良する
ために例えば前記の交互積層膜の光磁気記録層の場合、
その積層周期を小さくすることも、ある程度は効果があ
った。
しかしその方法でも充分ではなく、しばしば10万回も
走行を続けるとC/Nの劣化が4dB以上になることがあっ
た。
また、このEWR特性にあっても、前記のバイアス磁場
の場合と同様、実際には同一組成で作られているにもか
かわらず、特性のばらつきがかなりあった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みなされたもの
であり、バイアス特性及びEWR特性のばらつきの少ない
光磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的として
いる。
[問題点を解決するための手段] 発明者は、透明基板上にスパッタ法で光磁気記録層を
形成する際の成膜条件に着目して鋭意検討を重ねた結
果、記録層の下もしくは上に第1誘電体保護層もしくは
第2誘電体保護層をスパッタリング法により成膜する
際、スパッタ室内の残留ガスの存在量が前記本発明の目
的を達成する上で重要であることを突き止め、本発明に
至った。
すなわち、本発明の目的は、透明基板上にスパッタリ
ング法で少なくとも記録層の薄膜及び誘電体保護層の薄
膜を形成する光磁気記録媒体の製造方法において、該誘
電体保護層の成膜に際し低圧不活性ガス雰囲気中の水素
ガスの残留量を不活性ガスに対して1000ppm以下に保持
しつつ誘電体ターゲットに電力を印加して誘電体を該透
明基板上にスパッタして透明基板上に誘電体薄膜を形成
する光磁気記録媒体の製造方法により達成される。
本発明による光磁気記録媒体の光磁気記録層を構成す
る各層の成膜は、スパッタリング法で行うことができ
る。通常、成膜は1×10-3乃至20×10-3Torrの低圧のA
r,He,Ne等の不活性ガス雰囲気中でなされるが、真空層
内には、不活性ガス以外の種々のガスが残留している。
例えば、窒素、水、水素、酸素とかそのほかCH、OH等の
原子団の形でも残留している。誘電体保護層を成膜する
際の不活性ガス雰囲気中に残留する前記の種々のガス
内、特に水素の残留量を不活性ガスに対して特定量以下
とすることが本発明による光磁気記録媒体のバイアス特
性及びEWR特性を良好な状態で安定に得るために重要で
ある。また、この本発明による効果は、誘電体保護層が
記録層の干渉層として働いているため、記録層と誘電体
保護層の界面の状態によっても大きく影響される。
また、最上層に金属反射層がある4層構成の光磁気記
録媒体を有する光磁気記録媒体の場合特にその効果は大
きい。
以上のごとく、本発明の光磁気記録媒体の製造方法に
おいては、記録層の下層もしくは上層に隣合って形成さ
れる誘電体保護層を成膜する際の水素ガスの残留量を、
不活性ガスの1000ppm以下望ましくは、100ppm以下、特
に望ましくは、10ppm以下にすることによって、本発明
の目的をなお一層有効に達成することが出来る。
光磁気記録媒体にあっては、スパッタ室内に残留して
いる水素が成膜された誘電体保護層の表面に吸着した
り、内部に混入したりして光磁気記録媒体を使用してい
るうちに、誘電体保護層にあるこれらのガスが熱で遊離
して隣合っている記録層を侵しEWR特性を低下させるの
ではないかと考えられる。
しかし、スパッタ室内に残留する各種のガスの内、な
ぜ水素ガスがバイアス特性及びEWR特性に大きく影響す
るのか不明な点が多いがおそらく記録層を構成する金属
に対する化学的な活性が高いためもしくは誘電体保護層
の膜構造に与える影響が大きいためではないかとも推定
される。
スパッタリングの際のスパッタ室内に残留する水素ガ
スの発生源としては種々考えられる。例えば、不活性ガ
ス中の不純物として元々存在していた水素、水の分子が
スパッタリング中にスパッタ室内の金属製のシールド板
などの金属を触媒として分解した生成物としての水素、
有機化合物が分解してできた水素などがある。
本発明の光磁気記録媒体の製造方法において、記録層
を成膜する際のスパッタ室内の水素ガスの残留量を制御
する種々の方法がある。例えば、真空層及び基板を充分
に排気処理することがまず有効であり、基板を排気処理
する場合基板が熱変形を起こさない程度の温度で熱処理
して脱ガスする。真空層中で基板の加熱処理を行っても
よい。スパッタ室の場合も排気を充分に行えば良いのだ
が、基板の場合と同様外部からもしくは内部から加熱処
理を行うことが効果的である。このようにして主にスパ
ッタ室及び基板を充分に脱ガスした上、記録層を成膜す
る際は、拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボポンプ等
の排気装置の能力とオリフィス制御装置とを作動させて
水素ガスの濃度を調節する。残留ガス濃度を調節する方
法は他にも考えられ、以上の方法はその1例であること
は言うまでもない。
本発明では、記録層の成膜中は水素ガスの残留量を前
記の範囲にすることによって、消去や記録時に必要なバ
イアス磁場を700Oe以下にすることができ、そのばらつ
きもかなり小さくすることが出来る。
すなわち、水素ガスの残留量を限定しない従来の方法
では、前記バイアス磁場の大きさも比較的大きくそして
そのばらつきも100乃至700Oeあったものが本発明の方法
では、その残留量を小さく抑えることによって、バイア
ス磁場の大きさは300Oe以下、そしてそのばらつきを200
乃至300Oe程度にすることができた。
また、EWR特性もかなり改良される。
本発明による光磁気記憶媒体の光磁気記録層の成膜は
スパッタリング法で行うことができる。成膜の際は、ス
パッタ室内に低圧の不活性ガスを導入する。前記不活性
ガスとしては、Ar,He,Kr,Neなどが使用できるが、中で
もArが価格及び成膜速度の面から最も望ましい。
本発明の一例による光磁気記録媒体の作成は、まず透
明基板上に第1誘導体の薄膜が成膜される。ついでその
上に記録層の薄膜が成膜され、その上に更に第2誘電体
保護層が形成される場合と、金属反射層が形成される場
合がある。前者の第2誘電体保護層を設ける場合でも更
にその上に金属反射層を設けることによって、特性を一
層改良することができる。
以上のように、本発明の一例による光磁気記録媒体の
光磁気記録層は、3層構成である場合と4層構成である
場合とに適用され、いずれの場合においても第1誘電体
層及び第2誘電体層の少なくともどちらか一方の成膜の
際はスパッタ室の低圧不活性ガス雰囲気中の水素ガスの
残留量を前記のようにコントロールすることによって、
バイアス磁場特性並びにEWR特性を改良することができ
る。
本発明の一例による光磁気記録媒体の光磁気記録層に
おける前記第1誘電体保護層は誘電体からなる層であっ
て前記透明基板上に800乃至1300Åの厚さで成膜され
る。
前記第1誘電体保護層の材料としては、例えば、SiO
x,SiNx、TaOx、AlNx,SiAlNx及びZnS等の酸化物、窒化物
及び硫化物などの誘電体が使用される。中でも、光学的
特性、保護機能の面から、Siの窒化物、Alの窒化物もし
くはそれらの混合物、SiAlNx等が好ましい。
第1誘電体保護層の膜厚としては、500乃至1500Å望
ましくは700乃至1200Åである。
第1誘電体保護層の膜厚が余り大きくなってもまた余
り小さくなっても反射率が高くなり、C/Nが低下する。
前記第2誘電体層の材料は基本的には前記第1誘電体
層の材料と同一である。そして、その膜厚としては、光
磁気記録層が3層構成の場合500〜1500Å望ましくは600
〜1200Å、4層構成の場合200〜500Å望ましくは250〜4
00Åである。
第2誘電体保護層の膜厚が余り大きくなると3層構成
の場合感度が低下し、また、4層構成の場合C/Nが低下
する。
また余り小さくなると3層構成の場合その保護効果が
低下し、4層構成の場合C/Nが低下して望ましくない。
前記記録層の組成としては、希土類金属及び遷移金属
の合金が挙げられる。前記遷移金属としては、例えばF
e、Co、Ni等を、前記希土類金属としては、Tb,Gd,Dy,S
m、Nd等を使用することが出来る。そして、前記記録層
の組成の具体例としては、GdCo,GdFe,TbFe,DyFe,GdFeT
b,TBFeCo、DyFeCo,TbFeNi,GdFeCo,NdDyFeCo等が挙げら
れる。中でも、TbFeCoが製造上の許容度が大きいため最
も好ましく、更にその組成中にCr,Ti,Ta,Nb、Pt等が0.5
乃至10at%望ましくは3乃至8at%含有された組成であ
ることが、実用上充分な耐腐食性を有する上で好まし
い。さらにPt−Co系の合金も記録層の組成として好まし
い。
前記記録層の膜厚は、光磁気記録層が4層構成の場合
は、通常、200乃至300Åの膜厚が望ましく、光磁気記録
層が3層構成の場合は、通常、500乃至1500Åであるこ
とが望ましい。
前記金属反射層の材料としては、各種の金属単体及び
合金を使用することが出来る。例えば、Al,Al−Cu、Al
−Ti,Al−Ta,Ni,Ni−Cu,Au,Cu,Cu−Zn,Al−Cr,Pt等の金
属をスパッタリング法により、第2誘電体保護層上に成
膜した薄膜が使用できる。中でも単体のAlもしくはAlの
合金が本発明の目的を達成する上で好適である。
本発明の一例による光磁気記録媒体の前記金属反射層
の膜厚は300乃至1000Å、更に400乃至800Åであること
が望ましい。
前記金属反射層の膜厚が300Å未満であると光が透過
し易くなり、C/Nが低下してしまう。1000Å以上である
と熱容量が大きくなる結果感度が低下するので好ましく
ない。
尚、金属反射層を成膜する際のスパッタ室の残留水素
ガス及び窒素ガスを少なくすることによりさらに本発明
の効果を高めることもできる。
本発明による光磁気記録媒体の前記透明基板は、高速
回転においても記録消去が効果的になされるように、そ
の機械特性、特に面振れ加速度や面振れが少なくするこ
とが望ましい。
前記透明基板の材質としては、ポリカーボネート、ポ
リメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、ガラス等が使
用される。中でも、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、エポキシ樹脂等の樹脂基板がコスト的に好
ましく、特に、ポリカーボネートは、吸水率が比較的小
さく、ガラス転移温度が高いなどの利点を有しているの
で特に好ましい。
本発明による光磁気記録媒体は、前記のように基板上
に各層を成膜して光磁気記録層が形成され、さらにその
上面及び側面を紫外線硬化樹脂等の有機樹脂保護層で被
覆することにより、また基板の記録層を設けた側とは反
対の面にも紫外線硬化樹脂等の層を設けることによって
光磁気記録媒体の保存安定性を更に高めることもでき
る。
また、ホットメルト接着剤やエポキシ系接着剤等より
成る接着剤層を介して、基板の光磁気記録層の内面を外
側に向けて、貼合わせることにより機械特性の優れた両
面記録型の光磁気記録媒体とすることもできる。
[発明の効果] 透明基板上に光磁気記録層をスパッタ法で形成する際
に、第1誘電体保護層及び第2誘電体保護層の少なくと
もどちらか一方の薄膜を成膜するときのスパッタ室内の
雰囲気ガス中における残留水素ガスの含有量を特定量よ
り少なくすることにより、得られる光磁気記録媒体のバ
イアス特性及びEWR特性を改良することが出来る。
本発明の新規な特徴を以下の実施例及び比較例−によ
って具体的に説明する。
(実施例−1) 1.6μmピッチの案内溝がある径130mm、厚さ1.2mmの
ポリカーボネート基板をスパッタ装置の回転基板ホルダ
ー上にセットして、スパッタ室内にアルゴンガスを導入
して、ガス圧を1乃至5mTorrとした。ついで、スパッタ
室に取り付けた残留ガス測定装置でスパッタ室内の水素
ガス圧を脱ガスの時間及びクライオンポンプの排気力を
変えることによって制御しながら第1表に示すAからE
まで5種の条件下とした。
そして、マグネトロンスパッタ法によりまず第1誘電
体保護層として、1100Åの厚さのSiNxの薄膜を成膜し
た。
第1誘電体保護層を成膜した後、その上に記録層、第
2誘電体保護層及び金属反射層をこの順で以下のような
条件で、スパッタ室の低圧不活性ガス雰囲気のガス圧を
1乃至5mmTorrの範囲に制御した。
FeCoCr合金のターゲット及びTbのターゲットに電力を
印加して、二元同時スパッタにより、前記第1誘電体保
護層上にTb18Fe68Co8Cr6成る組成の記録層を250Åの厚
さで成膜した。
しかる後、前記記録層の上に第2誘電体保護層とし
て、SiNxの薄膜を450Åの厚さで成膜した。
ついで、前記第2誘電体保護層の上に金属反射層とし
て、Al−Ta系合金の薄膜を500Åの膜厚で成膜して、前
記基板上に第1誘電体保護層、記録層、第2誘電体保護
層及び金属反射層より成る4層構成の光磁気記録層を有
する光磁気記録媒体の試料を各条件下で100枚ずつ作成
した。
前記第1誘電体保護層の成膜時の水素ガスの残留量の
制御幅は、アルゴンガス分圧にたいする分圧濃度をppm
で表して第1表のように変化させた。
そして、ガスの残留量の測定は、4重極質量分析計に
差動排気装置を取り付けて行った。その方法は、まず分
析管内を差動排気してイオンを生成し前記4重極電極を
通して質量を分離して2次電子倍増管で増幅して検出し
た。この時の排気の減圧比は1×10-3Torrとなるように
した。一方スパッタリング成膜で使用するアルゴンガス
をバラトロン真空計でモニターしつつその値がディスプ
レー上で1×10-3Torr減圧された値となるようにエミッ
ションの電圧を決めた。測定値の算出に当たっては、各
検出元素固有の補正係数で補正したこと、分析チャンバ
ー内の排気を充分に行って各残留ガス成分の分圧が5×
10-11Torr以下になるまで充分に排気を行ったこと、分
析装置の構造を工夫して1×10-9Torr程度の微量ガスま
で検出できるようにした。
以上のようにして得た光磁気記録媒体の試料のバイア
ス磁場特性及びEWR特性を以下の方法で評価した。
バイアス磁場特性の評価:NA=0.55のピックアップ及び
波長830nmの半導体レーザーを装備したドライブで回転
数を2400回転にしてサーボをかけながらピックアップを
追従させて記録再生を行った。記録に当たっては、8mW
のレーザーパワー及びバイアス磁場0乃至700Oeで消去
して、5.5mWのレーザーパワー、バイアス磁場0乃至700
Oe及び記録周波数4.93MHzの条件で0.75μmのピットを
記録した。尚、消去と書き込み時のバイアス磁場の値は
同一にした。次に1.5mWのレーザーパワーで読み取りス
ペクトル・アナライザーでC/Nを測定し、この測定をバ
イアス磁場を変えながら行って、C/Nが飽和し初めて飽
和C/N値から−1dBとなるバイアス磁場の値をもってバイ
アス磁場値とした。
EWR特性の評価:前記ドライブを使用して8mWのレーザー
パワー及び300O eの印加磁場で消去し、5.5mWのレー
ザーパワー及び300Oeの印加磁場の条件で記録して、1.5
mWのレーザーパワーでスペクトル・アナライザーでC/N
を読み取った。この消去−記録−再生のサイクルを同一
トラック位置で10万回繰り返し、10万回目のC/Nと初期
のC/Nとの差を求めてその劣化の度合を評価した。
(比較例−1) 実施例−1において、脱ガス時間及びクライオポンプ
の排気能力を変えることによって、記録層成膜時の残留
ガス濃度を第2表のようにFからI迄の4種の条件に変
化させた以外は、実施例と同一の条件で各条件下で100
枚づつの光磁気記録媒体の試料を作成した。
バイアス磁場特性及びEWR特性の評価結果が第2表で
ある。
(実施例−2) 実施例−1において、第2誘電体保護層を成膜すると
きにだけ、スパッタ室の残留水素ガス圧を制御して、低
圧不活性ガスに対する残留水素ガス濃度を第3表のよう
にかえて、第2誘電体保護層以外の薄膜を形成する際
は、スパッタ室の残留水素ガス濃度は制御しなかった以
外は、すべて実施例と同一の条件で、JからNの5種類
の光磁気記録媒体の試料を各100枚ずつ作成した。
そして実施例と同一の測定条件で、バイアス特性及び
EWR特性を評価した。
(比較例−2) 実施例−2において、脱ガス時間及びクライオポンプ
の排気能力を変えることによって、記録層成膜時の残留
ガス濃度を第4表のようにPからS迄の4種の条件に変
化させた以外は、実施例と同一の条件で各条件下で100
枚づつの光磁気記録媒体の試料を作成した。
バイアス磁場特性及びEWR特性の評価結果が第2表で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上にスパッタリング法で少なくと
    も記録層の薄膜及び誘電体保護層の薄膜を形成する光磁
    気記録媒体の製造方法において、該誘電体保護層の成膜
    に際し低圧不活性ガス雰囲気中の水素ガスの残留量を不
    活性ガスに対して1000ppm以下に保持しつつ誘電体ター
    ゲットに電力を印加して誘電体を該透明基板上にスパッ
    タして透明基板上に誘電体薄膜を形成する光磁気記録媒
    体の製造方法。
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