JP2987301B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2987301B2
JP2987301B2 JP6321359A JP32135994A JP2987301B2 JP 2987301 B2 JP2987301 B2 JP 2987301B2 JP 6321359 A JP6321359 A JP 6321359A JP 32135994 A JP32135994 A JP 32135994A JP 2987301 B2 JP2987301 B2 JP 2987301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大容量情報担持媒体として光ディスクが
注目されている。このなかには、磁界変調方式の光磁気
ディスクがあり、データファイル等への応用が期待され
ている。磁界変調方式では、光ヘッドからレーザー光を
ディスクの記録膜にDC的に照射してその温度を上昇さ
せておき、これと同時に、変調された磁界を光ヘッドの
反対側に配置した磁気ヘッドから記録膜に印加し、記録
を行なう。従って、この方式ではオーバーライト記録が
可能である。
【0003】最近、コンパクトディスク(CD)と同等
(1.2〜1.4m/s )の低い線速度で記録・再生が可
能な磁界変調方式の光磁気ディスク(ミニディスク)が
実用化されている。この光磁気ディスクは、CDに準じ
た規格の再生専用光ディスクと駆動装置を共用すること
が可能である。この光磁気ディスクの駆動装置は携帯型
としての用途も考えられているが、この場合、消費電力
を抑えることが要求される。しかし、磁界変調型の光磁
気ディスクでは記録レーザーの他に記録用磁気ヘッドが
必要であり、一般に消費電力が多くなってしまう。した
がって、低磁界強度で記録可能な磁界感度の高いディス
クが望まれている。低磁界強度で記録可能であれば消費
電力が少なくなるので、バッテリを小さくすることもで
きる。さらに、磁気ヘッドのコイル巻数を少なくできる
など、磁気ヘッドの設計上も有益である。
【0004】従来の光磁気ディスク、例えばISO準拠
の3.5インチ光磁気ディスクでは、一般に十分なC/
Nを得るためには200 Oe 以上の記録磁界が必要であ
る。これに対し、上記したミニディスクでは、消費電力
を抑えるために記録磁界強度を100 Oe 以下、好まし
くは80 Oe 以下に抑えることが望ましく、このような
弱磁界強度で46dB以上のC/Nを得る必要がある。
【0005】また、コンピュータ用のデータディスクと
して用いるためには、データ転送速度を上げるために記
録時の線速度を高くする必要がある。CD−ROMの線
速度が2倍速、3倍速、4倍速と向上しているように、
ミニディスクにおいても2倍速以上の線速度が要求され
ている。線速度を高くすると、記録時の磁界強度が同じ
でもC/Nは低くなるので、高線速度で記録する場合に
は磁界強度を高くしてC/N低下を防ぐ必要がある。し
かし、従来の磁界感度の高い光磁気ディスクでは、線速
度を高くすることに対応して磁界強度を高くしても、十
分なC/Nは得られない。すなわち、磁界感度を高くす
るとC/Nのピーク値が大きく低下してしまうのであ
る。このように、低磁界および高磁界のいずれにおいて
も高C/Nが得られる光磁気ディスクは、従来実現され
ていなかった。
【0006】特開平4−313835号公報では、「基
板上に少なくとも希土類−遷移金属合金薄膜と誘電体膜
とを順次成膜する光磁気記録媒体の製造方法において、
前記希土類−遷移金属合金薄膜を成膜した後、少なくと
も酸素ガスもしくは酸素を一構成元素とする化合物のガ
スを含む放電状態の雰囲気中に基板を保持する」方法を
提案しており、これにより低記録磁界下で高C/Nが得
られるとしている。しかし、周知のように希土類は極め
て酸化されやすい材料であり、本発明者らの実験によれ
ば、酸素を構成元素とする化合物のガス(CO2 等)を
適量に制御することが極めて難しく、目的とする特性を
安定して得るのは困難であった。また、希土類−遷移金
属合金の磁性層中にこのようにして酸素を含ませた場
合、高温高湿下での加速試験により磁界感度が徐々に低
下してしまうという問題があった。
【0007】この他、「Recording field sensitivity
of magneto-optical disks usingvery thin exchange-c
oupled films」{Ichitani et al.,J.Magn.Soc.Jpn.,Vo
l.17,Supplement No.S1(1993),pp.196-200}では、記録
膜としてGdFeCoとTbFeCoとの積層膜を用い
ることにより、磁界変調方式に好適な高磁界感度が得ら
れるとしているが、この方法では工数が増加し、低コス
ト化が難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁界感度が
高く、信頼性が高く、しかも、線速度が高い場合でも高
いC/Nが得られる光磁気記録媒体を安価に提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。 (1)透明基板上に第一の誘電体膜、希土類元素−遷移
元素合金の記録膜、第二の誘電体膜および反射膜をこの
順で有する光磁気記録媒体であって、第二の誘電体膜に
金属元素Mと窒素Nとが含まれ、記録膜にFeが含ま
れ、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近に酸素Oが含
まれ、第二の誘電体膜から記録膜にかけての元素分布
を、オージェ電子分光法により、電子銃の加速電圧5 k
V 、電子銃の照射電流500 nA 、イオン銃の加速電圧
2 kV の条件下で測定して、横軸を分析時のエッチング
時間、縦軸を原子百分率としたチャートに測定結果をプ
ロットし、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近におけ
るO含有率の最大値をOM2とし、記録膜中のO含有率の
最小値をOB とし、O含有率がOM2となったときのエッ
チング時間をOP とし、第二の誘電体膜と記録膜との境
界付近においてO含有率が{(OM2−OB )/5}+O
B となったときのエッチング時間をOE (ただし、OE
>OP )とし、記録膜のFe含有率の最大値をFeM
し、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近においてFe
含有率がFeM の1/5となったときのエッチング時間
をFeS とし、第一の誘電体膜と記録膜との境界付近に
おいてFe含有率がFeM の1/5となったときのエッ
チング時間をFeE としたとき、 0.10≦(OE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.40 であり、前記チャートにおいて、第二の誘電体膜のN含
有率の最大値をNM とし、第二の誘電体膜と記録膜との
境界付近においてN含有率がNM の1/5となったとき
のエッチング時間をNE としたとき、 0.10≦(NE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.35 であり、前記チャートにおいて、第二の誘電体膜中の金
属元素M含有率の最大値をMMとし、第二の誘電体膜と
記録膜との境界付近において金属元素M含有率がMM
1/5となったときのエッチング時間をME としたと
き、 0≦(ME −FeS )/(FeE −FeS )≦0.20 であり、OM2が5〜25原子%であり、記録膜の厚さが
65nm以下である光磁気記録媒体。 (2)記録膜と第二の誘電体膜との間に中間膜を有し、
中間膜が少なくとも1種の金属元素からなる金属を成膜
したものであり、中間膜が含む金属元素と第二の誘電体
膜が含む金属元素とが異なり、中間膜の厚さが1〜28
Aである上記(1)の光磁気記録媒体。 (3)前記チャートの第一の誘電体膜と記録膜との境界
付近における酸素含有率の最大値をOM1としたとき、O
M1<OM2である上記(1)または(2)の光磁気記録媒
体。 (4)0≦(OM1−OB )≦10原子%である上記
(3)の光磁気記録媒体。 (5)記録膜中のO含有率の最小値OB が7原子%以下
である上記(1)〜(4)のいずれかの光磁気記録媒
体。 (6)第二の誘電体膜に含まれる金属元素MがSiおよ
び/またはAlである上記(1)〜(5)のいずれかの
光磁気記録媒体。 (7)第二の誘電体膜のN含有率の最大値NM が30原
子%以上である上記(1)〜(6)のいずれかの光磁気
記録媒体。 (8)記録ヘッドに対し2.4〜5.6m/s の相対線速
度で使用される上記(1)〜(7)のいずれかの光磁気
記録媒体。
【0010】
【作用および効果】本発明では、第二の誘電体膜と記録
膜との境界付近に酸素含有率のピークを設け、元素分布
を示す前記チャートにおいて(OE −FeS )/(Fe
E −FeS)、(NE −FeS )/(FeE −Fe
S )、(ME −FeS )/(FeE −FeS )およびO
M2が上記範囲となるように制御し、かつ記録膜の厚さを
上記範囲とする。これにより、低磁界下で記録した場合
でも高C/Nが得られ、その安定性が高く、しかも、線
速度が高い場合でも高C/Nが得られる光磁気記録媒体
が実現する。(OE −FeS )/(FeE −FeS
は、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近における酸素
の拡散の指標となるものであり、(NE −FeS )/
(FeE −FeS )は窒素の拡散の指標となるものであ
り、(ME −FeS )/(FeE −FeS )は金属元素
の拡散の指標となるものであるので、以下、これらをそ
れぞれ酸素の拡散指数、窒素の拡散指数および金属元素
の拡散指数という。
【0011】第二の誘電体膜と記録膜との境界付近の酸
素含有率のピークは、第二の誘電体膜形成時に窒素原子
の記録膜中への拡散を抑制して記録膜のダメージを避
け、低磁界下で記録したときに高C/Nを得るために設
けられる。酸素の拡散指数を上記範囲とするのは、窒素
の拡散を抑えて低磁界下でのC/Nを向上し、しかも記
録膜の過度の酸化を防いで十分な磁気特性を確保するた
めである。しかし、酸素の拡散指数が最適範囲内であっ
ても、酸素含有率のピーク付近から記録膜にかけてアノ
ード・カソード反応により腐食は徐々に進行し、これに
より磁界感度は徐々に低下してしまうため、長期間ある
いは厳しい条件下での信頼性が不十分となる。このと
き、窒素の拡散指数が上記範囲であれば、記録膜の酸化
反応を抑えることができ、長期間安定して磁界感度向上
効果が得られる。そして、窒素の拡散指数が上記範囲で
あれば、窒素による記録膜のダメージは問題とならず、
高い磁界感度が得られる。
【0012】上述したように酸素の拡散指数および窒素
の拡散指数が所定範囲内となるように制御することによ
って、磁界感度を向上させることができる。しかし、第
二の誘電体膜の金属元素の拡散が大きくなると、記録膜
の飽和磁化が低下するため、記録磁界強度を高くしても
C/Nが十分には向上しなくなる。このため、線速度を
高くした場合、それに伴なって記録磁界強度を高くして
も、十分なC/Nが得られなくなってしまう。したがっ
て、MDをデータディスクに適用してデータ転送速度を
高くしたときに、エラーの増加につながる。また、デー
タの高速コピーの場合にも同様な問題が生じる。これに
対し本発明では、第二の誘電体膜の金属元素の拡散指数
を上記範囲内となるように制御するので、線速度が高い
場合でも十分に高いC/Nが得られる。
【0013】特開平5−6582号公報には、低磁界記
録が可能な光磁気記録媒体を提供することを目的とし
て、「基板上に少なくとも希土類−遷移金属合金膜を有
してなる記録層と誘電体層がこの順に積層形成されてな
り、オージェ電子分光法による深さ方向の膜構造解析に
おいて、前記記録層のうち前記誘電体層に由来する元素
を含む領域が、記録層と誘電体層の界面から70 A以下
であることを特徴とする光磁気記録媒体」が提案されて
いる。同公報には、実施例および比較例において作成さ
れたオージェプロファイルが記載されている。これらの
オージェプロファイルから、本発明において規定する酸
素、窒素および金属元素それぞれの拡散指数を算出する
と、実施例(図1)では酸素および窒素の拡散指数が本
発明範囲内となるが、誘電体層の金属元素の拡散指数は
0.207であり、本発明範囲を上回る。このため、高
磁界強度で記録した場合に高C/Nを得ることはできな
い。この実施例では記録外部磁界±70 Oe で48.6
dB のC/Nが得られているが、これより高い磁界強度
でのC/Nは測定していない。また、同公報の比較例1
(図2)および比較例2(図3)では、酸素の拡散指数
がそれぞれ0.059および0.052であり、本発明
におけるOM2に相当する値がそれぞれ4.1原子%およ
び3.9原子%であって、いずれも本発明範囲を下回
る。これらの比較例では、記録外部磁界±70 Oe での
C/Nが42.8 dB 以下となっている。
【0014】本願の基礎出願の出願後に公開された特開
平6−124491号公報記載の発明は、上記特開平5
−6582号公報記載の発明と目的が同じであり、ま
た、同公報にもオージェプロファイルが記載されてい
る。しかし、同公報の実施例(図1)では、本発明のO
M2に相当する値が3.1原子%、金属元素の拡散指数が
0.19であり、OM2に相当する値が本発明範囲を下回
っている。また、同公報の比較例1(図2)では、OM2
に相当する値が1.7原子%、金属元素の拡散指数が
0.214であり、いずれも本発明範囲を外れている。
また、同公報の比較例2(図3)では、酸素の拡散指数
が0.452、金属元素の拡散指数が0.196であ
り、酸素の拡散指数が本発明範囲を外れている。同公報
の実施例におけるC/Nは、80 Oe 程度の低い磁界強
度で約48 dB 、200〜300 Oe 程度の比較的高い
磁界強度で約50 dB (図4)となっており、後述する
本願実施例の表2におけるC/Nと同等である。しか
し、本願実施例の媒体のC/Nを同公報実施例と同条件
で測定した場合、本願では同公報に比べ約1 dB 高い約
51 dB のピーク値が得られ、逆に、同公報実施例の媒
体のC/Nを本願実施例と同条件で測定した場合、同公
報では本願に比べ約1 dB 低い約49 dB のピーク値し
か得られない。同公報におけるC/N測定条件は、媒体
線速1.4m/秒、記録周波数720kHz であり、記録マ
ーク長は0.97μm となる。一方、本願実施例では線
速度1.28m/s 、記録周波数720kHz (EFM変調
の3T信号)なので、記録マーク長は0.89μm とな
る。このように記録マーク長が異なることから、同公報
実施例におけるC/Nは本願実施例におけるC/Nより
も常に約1dB 高い値として測定されるのである。した
がって、同公報の実施例で低磁界および高磁界のいずれ
においても高C/Nが得られているとはいえない。
【0015】特開昭63−32750号公報には、「希
土類金属−遷移金属非晶質合金を主成分とする情報記録
層が、これに隣接する層との境界部分において10at
%(原子%)以下の酸素を含有している情報記録媒体」
が開示されている。同公報の第4図(A)〜(D)に
は、試料の膜厚方向の組成分布をオージェ分光分析によ
り測定した結果が記載されている。これらの試料は、ポ
リカーボネート基板上に、窒化シリコン、TbFeC
o、窒化シリコンをスパッタリングにより順次積層した
ものである。同図に示されるO原子、N原子およびFe
原子の各ピーク強度曲線から、本発明と同様にして(O
E −FeS )/(FeE −FeS )および(NE −Fe
S )/(FeE −FeS )の各比率を求めると、一部の
試料では前記各比率が本発明範囲内にあることがわか
る。
【0016】しかし、同公報記載の発明の目的は、「耐
酸化性又は耐食性に優れ、ビット誤り率の少ない良好な
記録特性を示す情報記録媒体を提供すること」であり、
同公報は磁界感度の向上については全く触れていない。
実際、同公報記載の情報記録媒体では、以下に示す理由
により磁界感度向上効果は実現しない。同公報におい
て、第4図作成に用いた試料のTbFeCo層は厚さ8
00 Aであり、本発明範囲(650 A以下)より厚い。
記録膜の厚さが650 Aを超えると、記録膜中での光吸
収率が臨界的に増大して反射膜に到達する光量が減少す
るため、ファラデー効果の寄与が少なくなってC/Nが
著しく低下してしまう。このため、磁界感度が著しく低
くなってしまう。なお、同公報には、媒体の線速度の記
載はない。
【0017】しかも、同公報には、本発明において規定
しているようなオージェ分光分析の測定条件は一切開示
されていない。例えば、媒体の基板からは酸素が放出さ
れるので、測定開始時の真空度に依存して酸素含有率が
変動してしまう。また、イオン銃の加速電圧が大きくな
ると、ノックオンにより被測定元素の打ち込みが大きく
なり、見掛け上、被測定元素の拡散が大きくなってしま
う。したがって、同公報記載のオージェ分光分析グラフ
が本発明を示唆するものであるとはいえない。
【0018】また、同公報第4図(A)〜(D)のすべ
てにおいて、TbFeCo層とその両側の各窒化シリコ
ン膜との間にはほぼ同強度の酸素濃度ピークが存在する
が、本発明の光磁気記録媒体では、第一の誘電体膜と記
録膜との間には酸素濃度ピークが実質的に存在しない
か、存在したとしても、第二の誘電体膜と記録膜との間
の酸素濃度ピークより著しく小さく、この点においても
異なる。記録膜厚さが本発明のように65nm以下と薄い
場合に、基板側の第一の誘電体膜と記録膜との間にも第
二の誘電体膜側と同程度の酸素濃度ピークが存在する
と、記録膜中の酸素含有率が高くなりすぎ、磁気特性が
著しく低下してしまう。逆に、磁気特性に著しい影響を
与えないように両側のピーク値を低くすると、第二の誘
電体膜側に酸素濃度ピークを設けることによる効果が不
十分となる。同公報第4図において窒素の拡散指数が本
発明範囲内である(B)、(C)、(D)では、酸素含
有率のピークが10原子%以下であり、本発明の好まし
い態様に比べ、少なめである。
【0019】なお、前述した特開平4−313835号
公報には、磁性膜が成膜された基板を酸素ガス等を含む
放電状態の雰囲気中に保持することにより、磁性膜上部
に酸素を含む組成の層が形成され、この層が誘電体膜に
由来する元素(NやN+ 等)の磁性膜への混入を防止す
ると推測される旨の記述がある。窒素の拡散を制御する
という点では同公報記載の発明は本発明と類似するが、
前述したように、酸素ガス等を含む放電状態の雰囲気中
に磁性膜を保持する方法では目的とする特性を安定して
得るのは困難である。同公報の実施例では、磁性膜の厚
さを200〜300 Aとしているが、このように薄い磁
性膜を同公報記載の方法で部分的に酸化させた場合、各
種加速信頼性試験下において安定した性能を得ることは
極めて困難である。しかも、同公報には、窒素原子の拡
散に関する具体的な数値等は一切開示されておらず、磁
性膜中の酸素含有率分布も開示されていない。
【0020】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0021】図1に、本発明の光磁気記録媒体の一例と
して、光磁気ディスクの構成例を示す。同図において、
光磁気ディスク1は、透明基板2表面上に、第一の誘電
体膜4、記録膜5、第二の誘電体膜6、反射膜7および
保護コート8を有する。
【0022】本発明の光磁気ディスクに対し記録および
再生を行なう際には、光学ヘッドは透明基板2の裏面側
(図中下側)に位置し、透明基板を通してレーザー光が
照射される。透明基板には、ガラスやポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、非晶質ポリオレフィン、スチレン系
樹脂等の透明樹脂が用いられる。
【0023】第一の誘電体膜4および第二の誘電体膜6
は、C/Nの向上および記録膜の腐食防止作用を有す
る。第一の誘電体膜の厚さは40〜200nm程度、第二
の誘電体膜の厚さは10〜100nm程度とされる。第一
の誘電体膜は、各種酸化物、炭化物、窒化物、硫化物あ
るいはこれらの混合物(LaSiONなど)等からなる
誘電体物質から構成される。第二の誘電体膜は、金属元
素Mと窒素Nとを含有する。金属元素MとしてはSiお
よび/またはAlが好ましい。すなわち、第二の誘電体
膜の組成は、Si−N、Al−NまたはSi−Al−N
であることが好ましい。
【0024】記録膜5には、変調された熱ビームあるい
は変調された磁界により情報が磁気的に記録され、記録
情報は磁気−光変換して再生される。本発明の光磁気デ
ィスクは、通常、磁界変調方式に適用される。記録膜5
は、希土類元素および遷移元素を含有する合金である。
希土類元素としては、Tb、Dy、Nd、Sm、Prお
よびCeから選択される少なくとも1種の元素が好まし
く、遷移元素としては、Feを必須とし、さらにCoが
含まれることが好ましい。各元素の具体的含有量は、要
求されるキュリー温度、保磁力、再生特性等に応じて適
宜決定すればよいが、希土類元素をRとし原子比組成を
A FeB CoC としたとき、通常、 10≦A≦35、 55≦B≦75、 3≦C≦15、 A+B+C=100 であることが好ましい。また、これらの元素に加え、さ
らにCrやTi等の各種元素が必要に応じて添加されて
いてもよいが、記録膜中におけるこれらの添加元素の含
有量は12原子%以下とすることが好ましい。添加元素
としては特にCrおよび/またはTiが好ましく、これ
らが合計で1〜10原子%含まれていることが好まし
い。具体的組成としては、例えば、Tb−Fe−Co
や、Tb−Fe−Co−Cr、Tb−Fe−Co−T
i、Tb−Fe−Co−Cr−Ti、Dy−Tb−Fe
−Co、Nd−Dy−Fe−Co等が挙げられる。記録
膜5の厚さは、65nm以下、好ましくは10〜45nmと
する。記録膜の厚さが65nmを超えると上述した理由で
磁界感度が低下してしまい、本発明の効果が実現しな
い。記録膜の厚さを45nm以下とすれば、磁界感度向上
効果は極めて高くなる。なお、記録膜の厚さが10nm未
満であると、酸化や窒素の拡散による磁気特性への影響
が大きくなってC/Nが低下してしまい、また、反射率
が急激に増大して記録感度が低下してしまう。
【0025】本発明の光磁気ディスクは、第二の誘電体
膜から記録膜にかけての元素分布に特徴を有する。元素
分布は、オージェ電子分光法(AES)を用いて、第二
の誘電体膜側から各膜をエッチングしながら測定する。
このときの条件は、電子銃の加速電圧5 kV 、電子銃の
照射電流500 nA 、イオン銃の加速電圧2 kV とす
る。また、エッチングに用いるアルゴンイオンの入射角
は、好ましくは50度以上とする。この入射角は、アル
ゴンイオンの入射方向と膜面の法線とのなす角度であ
り、この入射角が大きいと膜の厚さ方向の分解能が向上
する。なお、この入射角は、通常、70度以下とする。
【0026】膜の厚さ方向の元素分布の測定は、イオン
エッチングと元素量測定とを交互に繰り返す間欠エッチ
ングにより行なう。一回のエッチング時間は30〜45
秒間程度とすればよい。エッチングレートはイオン銃の
加速電圧や膜組成によって異なるが、上記条件でエッチ
ングした場合、膜厚測定用のSiO2 膜(厚さ337
A)のエッチングレートは約24 A/min、Si−N膜で
は約13 A/min、Tb−Fe−Co膜では約12 A/min
であり、いずれもこれらの値を中心としてほぼ±5 A/m
inの範囲に収まり、通常は±2 A/minの範囲に収まる。
【0027】なお、基板からの脱ガスなどの影響を排除
するため、測定容器内に光磁気ディスクを入れ、容器内
を排気して1.0×10-9 Torr 以下の真空度まで到達
させた後に測定を行なう。測定中にはアルゴンイオンが
容器内に射出されるため、真空度は1×10-8〜1×1
-7Torr程度まで低下する。
【0028】このような条件のオージェ電子分光法にお
いて測定された各元素のカウント数を原子百分率に換算
し、横軸を分析時のエッチング時間、縦軸を原子百分率
としたチャートに測定結果をプロットする。図2および
図3に、このチャートの模式図をそれぞれ示す。図示さ
れるように、本発明の光磁気記録媒体では、第二の誘電
体膜には金属元素Mと窒素Nとが含まれ、記録膜にはF
eが含まれ、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近にO
が含まれ、ここにO含有率のピークが存在する。このピ
ーク値、すなわち、O含有率の最大値をOM2とし、記録
膜中のO含有率の最小値をOB とし、O含有率がOM2
なったときのエッチング時間をOP とし、第二の誘電体
膜と記録膜との境界付近においてO含有率が{(OM2
B )/5}+OB となったときのエッチング時間をO
E (ただし、OE >OP )とし、記録膜のFe含有率の
最大値をFeM とし、第二の誘電体膜と記録膜との境界
付近においてFe含有率がFeM の1/5となったとき
のエッチング時間をFeSとし、第一の誘電体膜と記録
膜との境界付近においてFe含有率がFeM の1/5と
なったときのエッチング時間をFeE としたとき、 0.10≦(OE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.40、 好ましくは 0.10≦(OE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.35 である。また、前記チャートにおいて、第二の誘電体膜
のN含有率の最大値をNM 、第二の誘電体膜と記録膜と
の境界付近においてN含有率がNM の1/5となったと
きのエッチング時間をNE としたとき、 0.10≦(NE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.35、 好ましくは 0.10≦(NE −FeS )/(FeE −FeS )≦
0.25 である。
【0029】また、本発明では、第二の誘電体膜に含有
される金属元素Mについても、Nと同様に拡散の度合い
を制御する。この場合、前述した条件のオージェ電子分
光法による測定に基づいて作成された前記チャートにお
いて、図3に示すように、第二の誘電体膜中の金属元素
M含有率の最大値をMM とし、第二の誘電体膜と記録膜
との境界付近において金属元素M含有率がMM の1/5
となったときのエッチング時間をME としたとき、 0≦(ME −FeS )/(FeE −FeS )≦0.2
0、 好ましくは 0≦(ME −FeS )/(FeE −FeS )≦0.15 である。なお、第二の誘電体膜が例えばSi−Al−N
のように2種以上の金属を含有する場合、各金属につい
て(ME −FeS )/(FeE −FeS )が上記範囲に
収まることが好ましい。
【0030】(OE −FeS )/(FeE −FeS
は、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近における酸素
の拡散指数であり、(NE −FeS )/(FeE −Fe
S )は、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近における
窒素の拡散指数であり、(ME−FeS )/(FeE
FeS )は、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近にお
ける金属元素の拡散指数である。本発明では酸素の拡散
指数および窒素の拡散指数を上記範囲とすることによ
り、80 Oe 以下の低磁界強度で46dB以上の十分なC
/Nを得ることができ、しかも長期間にわたって高C/
Nが安定して維持される。そして、金属元素の拡散指数
を上記範囲にすることにより、記録磁界強度が低いとき
の高C/Nを維持したまま、記録磁界強度を高くして記
録したときにも高C/Nが得られるようになるので、線
速度を高くした場合にも高C/Nを得ることができるよ
うになる。酸素の拡散指数が小さすぎると窒素の拡散指
数が大きくなってしまい、磁界感度が低くなってしま
う。酸素の拡散指数が大きすぎると、記録膜の酸化のた
めにかえって磁界感度が低くなってしまい、信頼性も低
下する。窒素の拡散指数が小さすぎると、酸素含有率曲
線のピーク付近から記録膜にかけてアノード・カソード
反応により腐食が徐々に進行して、磁界感度が徐々に低
下してしまう。一方、窒素の拡散指数が大きすぎると、
低磁界下で記録したときのC/Nが著しく低くなってし
まうので、磁気ヘッドの負担が増大して消費電力が増え
てしまう。これは、記録膜に拡散したNが記録膜のFe
と結合して、記録膜の磁気特性を変化させるためである
と考えられる。金属元素の拡散指数が大きすぎると、記
録磁界強度が高いときのC/Nが低くなるため、例えば
線速度を2.4m/s 以上と高くした場合に、高C/Nが
得られなくなる。なお、記録時の線速度の上限は記録用
磁気ヘッドの特性などによっても異なるが、一般的な光
磁気記録装置を用いた場合、通常、5.6m/s 程度であ
る。
【0031】本発明では、(酸素の拡散指数)/(窒素
の拡散指数)、すなわち、(OE −FeS )/(NE
FeS )は、0.5〜2.0であることが好ましい。ま
た、(金属元素の拡散指数)/(窒素の拡散指数)、す
なわち、(ME −FeS )/(NE −FeS )は、0〜
1.0であることが好ましい。拡散指数の比がこのよう
な範囲であれば、さらに良好な特性が得られる。
【0032】OM2は、5〜25原子%、好ましくは5〜
20原子%、より好ましくは10〜20原子%、さらに
好ましくは11〜20原子%とする。OM2が大きすぎる
場合、記録膜中の希土類元素が選択的に酸化されて記録
膜の保磁力が低くなっているので、高磁界下や高温度下
での記録に際して、隣接トラックに影響が及びやすい。
なお、本発明では低磁界下での記録において高C/Nを
得ることを目的としているが、記録媒体としては高磁界
下での記録においても高特性を保証する必要があり、こ
れは記録時の線速度を高くする場合には特に重要であ
る。一方、OM2が小さすぎる場合、窒素の拡散指数が大
きくなりやすく、磁界感度が低くなってしまう傾向にあ
る。
【0033】なお、記録膜中のO含有率の最低値OB
は、好ましくは7原子%以下、より好ましくは5原子%
以下であり、通常、2原子%以上である。
【0034】本発明では、前記チャートの第一の誘電体
膜と記録膜との境界付近では、酸素含有率曲線にピーク
が実質的に存在しないことが好ましい。本発明では記録
膜を薄くするため、この領域にも酸素含有率曲線にピー
クが存在すると、記録膜中の酸素含有率が多くなりす
ぎ、記録膜の磁気特性が大きく低下してしまう。具体的
には、前記チャートの第一の誘電体膜と記録膜との境界
付近における酸素含有率の最大値をOM1としたとき、好
ましくは0≦(OM1−OB )≦10原子%、より好まし
くは0≦(OM1−OB )≦5原子%である。また、好ま
しくはOM1<OM2、より好ましくは0≦(OM1−OB
/(OM2−OB )≦0.5である。
【0035】記録膜から第一の誘電体膜にかけての酸素
の混入を抑えるためには、真空槽の到達圧力をできるだ
け低くすることが好ましいが、真空槽の到達圧力は1×
10-4Pa以下とすれば十分である。
【0036】第二の誘電体膜のN含有率の最大値NM
は、好ましくは30原子%以上、より好ましくは35原
子%以上である。NM が小さすぎると、第二の誘電体膜
の光吸収量が大きくなり、C/N向上効果が不十分とな
る。NM の通常の範囲は組成によっても異なるが、40
〜60原子%程度である。
【0037】(OE −FeS )/(FeE −FeS )を
制御する方法は特に限定されないが、例えば、以下に示
す方法が好ましい。この方法では、記録膜形成後、第二
の誘電体膜形成前に、酸素を記録膜表面付近に吸着ない
し拡散させる。酸素を吸着ないし拡散させるためには、
記録膜を形成した基板を真空槽中に放置しておくだけで
よく、Ar等の希ガスやN2 ガスを真空槽内に導入して
記録膜表面を曝しておくだけでもよい。ただし、いずれ
の場合でも、真空槽中に酸素は導入せず、放電も行なわ
ない。酸素導入や放電を行なわないにもかかわらず上述
した酸素含有率のピークが形成される理由は明確ではな
いが、真空槽中の極微量の酸素や水分の存在が関係して
いると考えられる。基板を真空槽中に放置する時間、希
ガスやN2 ガスに記録膜表面を曝す時間、希ガスやN2
ガス中の不純物量、基板の加熱温度などの各種条件を適
宜選択ないし制御することにより、(OE −FeS )/
(FeE −FeS )を上記範囲とすることができる。
【0038】(NE −FeS )/(FeE −FeS )を
制御する方法も特に限定されないが、例えば、以下に示
す方法が好ましい。この方法では、記録膜形成用ターゲ
ットまたは第二の誘電体膜形成用ターゲットを用い、窒
素を含有する雰囲気中でデポジットレート(膜形成速
度)の低いスパッタを行なう。具体的には、記録膜形成
用ターゲットを用いた場合には、記録膜よりも低いデポ
ジットレートとし、第二の誘電体膜形成用ターゲットを
用いた場合には、第二の誘電体膜よりも低いデポジット
レートとする。デポジットレートを低くするのは、窒素
による記録膜のダメージを避けるためである。スパッタ
時の雰囲気は、窒素を反応性ガスとして用いる通常の反
応性スパッタと同様とすればよい。このスパッタは、記
録膜表面付近における窒素の拡散指数を制御するための
ものであり、このスパッタの際に記録膜表面に連続膜を
形成する必要はない。なお、好ましいデポジットレート
の範囲は、放電時の雰囲気等、各種条件によって異なる
ので、上記範囲の(NE −FeS )/(FeE −Fe
S )が得られるように実験的に決定すればよい。
【0039】第二の誘電体膜は、反応性スパッタにより
形成することが好ましい。この場合、ターゲットには金
属元素Mからなるものを用い、反応性ガスにはN2 ガス
を用いる。そして、この場合、上記のように酸素の拡散
指数や窒素の拡散指数を制御すれば、(ME −FeS
/(FeE −FeS )を前記した好ましい範囲に収める
ことが可能であるが、さらに、スパッタ時のガス圧やパ
ワーを適宜制御したり、バイアススパッタ法を用いるこ
とにより、(ME −FeS )/(FeE −FeS )を制
御することができる。
【0040】なお、記録膜形成の際のスパッタ条件は特
に限定されず、公知の通常の条件で行なえばよい。
【0041】反射膜7は、C/N向上のために設けられ
る。反射膜7を構成する材質は、Au、Ag、Pt、A
l、Ti、Cr、Ni、Co等の金属、あるいはこれら
を含む合金、あるいはこれらを含む化合物であることが
好ましい。反射膜7は、スパッタ法により形成すること
が好ましい。反射膜7の厚さは、30〜200nm程度と
することが好ましい。
【0042】保護コート8は、反射膜7までのスパッタ
積層膜の保護のために設けられる樹脂膜である。保護コ
ート8を構成する樹脂は特に限定されないが、放射線硬
化型化合物の硬化物であることが好ましい。放射線硬化
型化合物としてはアクリル基を有するものが好ましく、
これと光重合増感剤ないし開始剤とを含有する塗膜を、
紫外線や電子線により硬化して保護コートを形成するこ
とが好ましい。保護コート8の厚さは、通常、1〜30
μm 、好ましくは2〜20μm とする。膜厚が薄すぎる
と一様な膜を形成することが困難となり、耐久性が不十
分となってくる。また、厚すぎると、硬化の際の収縮に
よりクラックが生じたり、ディスクに反りが発生しやす
くなってくる。
【0043】なお、透明基板2の裏面側には、図示され
るように透明なハードコート3を形成してもよい。ハー
ドコートの材質および厚さは、保護コート8と同様とす
ればよい。ハードコートには、例えば界面活性剤の添加
などにより帯電防止性を付与することが好ましい。ハー
ドコートは、ディスク主面だけに限らず、ディスクの外
周側面や内周側面に設けてもよい。
【0044】図6に、本発明の光磁気記録媒体の他の構
成例を示す。この構成例は、記録膜5と第二の誘電体膜
6との間に中間膜9が設けられている他は、図1の構成
例と同様である。
【0045】中間膜9は、少なくとも1種の金属元素か
らなる金属を成膜したものである。中間膜が含む金属元
素と第二の誘電体膜が含む金属元素とは異なる。中間膜
および/または第二の誘電体膜が2種以上の金属元素を
含むときには、中間膜が含む金属元素と第二の誘電体膜
が含む金属元素とが全く一致しない構成としてもよく、
一部だけ異なる構成としてもよい。一部だけが異なる場
合、中間膜および第二の誘電体膜の少なくとも一方にお
いて、他方に含まれない金属元素の比率が10原子%以
上であることが好ましい。この場合の金属元素の比率と
は、膜中の全金属元素に対する比率である。なお、この
ような場合、不純物等の微量元素は除いて考える。すな
わち、膜の原料金属に5原子%以上含まれる金属元素だ
けについて、異同を判断する。
【0046】なお、中間膜が含む金属元素は、記録膜が
含む金属元素とも異なる。中間膜が含む金属元素と記録
膜が含む金属元素との関係は、上述した中間膜と第二の
誘電体膜との関係と同様に、全てが異なっていてもよく
一部だけが異なっていてもよい。この場合、異なってい
る金属元素の比率は、中間膜と第二の誘電体膜との関係
と同様である。
【0047】中間膜を成膜するための金属(単体または
合金)の組成は特に限定されないが、「IUPAC無機
化学命名法改訂版(1989)」による周期表における
4族、5族、6族、8族、9族、10族、11族、13
族および14族のいずれかから選択された元素の少なく
とも1種を含むことが好ましい。具体的には、Ti、Z
r、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Al、Siの少な
くとも1種を含むことが好ましい。
【0048】中間膜の厚さの下限は、1 A、好ましくは
2 Aであり、厚さの上限は、28 A、好ましくは18 A
である。中間膜を適当な厚さとすることにより、低磁界
下でさらに高いC/Nを得ることができる。なお、強磁
性金属を成膜して中間膜とした場合、非強磁性金属を成
膜したときと同等の特性を得るためには中間膜の厚さを
より薄くする必要がある。強磁性金属の場合の中間膜の
厚さは、好ましくは18 A以下、より好ましくは10 A
以下である。
【0049】なお、中間膜の厚さはスパッタレートとス
パッタ時間とから算出する。膜厚算出に用いるスパッタ
レートは、実際の成膜の際の条件と同じ条件で長時間ス
パッタを行なって厚い膜を形成してその厚さを実測によ
り求め、この厚さとスパッタ時間とから算出する。
【0050】中間膜は金属を成膜したもの、例えば、後
述するように金属ターゲットをスパッタして成膜したも
のであるが、例えば、オージェ電子分光法などにより中
間膜付近の元素分析を行なった場合、誘電体膜に含まれ
る元素や記録膜に含まれる元素、あるいは、各膜を形成
するときの雰囲気中に含まれるアルゴンや酸素、窒素な
どの不純物が、通常、検出される。中間膜は極めて薄い
ため、拡散により誘電体膜から中間膜に侵入した元素の
中間膜中での比率が、他の混入元素に比べ比較的高くな
る。中間膜の厚さはスパッタレートとスパッタ時間とか
ら算出されるものなので、例えば厚さが1〜2 A程度と
薄いと実質的には膜状化していない場合もあると考えら
れる。しかし、計算上、1〜2 Aの厚さの膜が形成され
るような成膜操作を行なえば、実際には膜状化していな
い場合でもC/N向上効果は十分に実現する。
【0051】中間膜の形成は希ガス雰囲気中で行ない、
真空槽中に酸素を導入しない。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0053】<実施例1>透明基板上に、第一の誘電体
膜、記録膜、第二の誘電体膜、反射膜および保護コート
を以下に示す条件で順次形成して、表1に示す光磁気デ
ィスクサンプルを作製した。
【0054】<透明基板>透明基板には、外径64mm、
内径11mm、厚さ1.2mmのディスク状ポリカーボネー
ト樹脂板を用いた。
【0055】<第一の誘電体膜>真空槽内を5.0×1
-5Pa以下まで減圧した後、ArガスとN2 ガスとを真
空槽内に流しながら、Siをターゲットとしてマグネト
ロンスパッタを行ない、Si−Nを主成分とする第一の
誘電体膜を形成した。スパッタの際の条件は、投入パワ
ー1kW(RF)、スパッタガス圧力0.1Pa、Arガス
流量31SCCM、N2 ガス流量19SCCMとした。第一の誘
電体膜の厚さは60nmとした。なお、本実施例における
各膜の厚さは、スパッタレートとスパッタ時間とから算
出した。スパッタレートは、実際の成膜の際の条件と同
じ条件で長時間スパッタを行なって厚い膜を形成し、実
測により求めた膜厚とスパッタ時間とから算出した。
【0056】<記録膜>第一の誘電体膜形成後、再び真
空槽内を5.0×10-5Pa以下まで減圧し、Arガスを
真空槽内に流しながら、Tb−Fe−Co系合金をター
ゲットとしてマグネトロンスパッタを行ない、Tb−F
e−Coを主成分とする記録膜を形成した。スパッタの
際の条件は、投入パワー1kW(DC)、スパッタガス圧
力0.2Pa、Arガス流量98SCCMとした。記録膜の厚
さを表1に示す。
【0057】<酸素拡散指数の制御>記録膜形成後、真
空槽中にArガスを流しながら基板を10分間放置し
た。このときのAr流量を変化させることにより、酸素
拡散指数を制御した。
【0058】<窒素拡散指数の制御>次いで、再び真空
槽内を5.0×10-5Pa以下まで減圧し、Siをターゲ
ットとして低パワーでスパッタを行なった。スパッタの
際の条件は、投入パワー0.2〜0.5kW(RF)、ス
パッタガス圧力0.08〜0.1Pa、Arガス流量31
SCCM N2 ガス流量19SCCMとした。このスパッタの際に放電
時間を変化させることにより、窒素拡散指数を制御し、
さらに、投入パワーとスパッタガス圧力との組み合わせ
を制御することにより、金属元素(Si)の拡散指数を
制御した。
【0059】<第二の誘電体膜>次いで、再び真空槽内
を5.0×10-5Pa以下まで減圧し、ArガスとN2
スとを真空槽内に流しながらSiをターゲットとしてマ
グネトロンスパッタを行ない、Si−Nを主成分とする
第二の誘電体膜を形成した。スパッタの際の条件は、投
入パワー1kW(RF)、スパッタガス圧力0.08〜
0.1Pa、Arガス流量31SCCM、N2 ガス流量19SC
CMとした。第二の誘電体膜の厚さは30nmとした。
【0060】<反射膜>第二の誘電体膜形成後、再び真
空槽内を5.0×10-5Pa以下まで減圧し、Arガスを
真空槽内に流しながら、Alをターゲットとしてマグネ
トロンスパッタを行ない、Alを主成分とする反射膜を
形成した。スパッタの際の条件は、投入パワー750W
(DC)、スパッタガス圧力0.15Pa、Arガス流量
50SCCMとした。反射膜の厚さは60nmとした。
【0061】<保護コート>下記の重合用組成物の塗膜
をスピンコートによって形成し、この塗膜に紫外線を照
射して硬化した。硬化後の平均厚さは約5μm であっ
た。
【0062】重合用組成物 オリゴエステルアクリレート (分子量5,000) 50重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部 アセトフェノン系光重合開始剤 3重量部
【0063】このようにして得られた各光磁気ディスク
サンプルに、線速度1.28m/s で表1に示す外部磁界
強度(Hex)にてEFM変調の3T信号を記録した。記
録パワーは各サンプルの記録膜の厚さに応じた最適記録
パワーとした。例えば、記録膜の厚さが20nmのサンプ
ルでは4.5mWとし、記録膜の厚さが80nmのサンプル
では6.5mWとした。次いで、ソニーテクトロニクス製
MD評価システムMJ−6100を使用してC/Nを測
定した。この結果を、初期のC/Nとして表1に示す。
【0064】次に、各サンプルの保護コートを除去した
後、各サンプルをオージェ電子分光装置の真空容器内に
入れて24時間排気を行なって容器内の圧力を7.0×
10-10 Torrまで減じ、さらに排気を続けながらオージ
ェ電子分光法により第二の誘電体膜側から厚さ方向に元
素分布の測定を行なった。オージェ電子分光法の条件
は、電子銃の加速電圧:5 kV 、電子銃の照射電流:5
00 nA 、イオン銃の加速電圧:2 kV 、アルゴンイオ
ンの入射角:58.9度とし、間欠エッチング(一回の
エッチング時間45秒間)により厚さ方向にアルゴンイ
オンでエッチングしながら元素量を測定した。エッチン
グレートは、第二の誘電体膜で13.2 A/min、記録膜
で12.2 A/minであった。元素量の測定は、各元素に
ついて15〜45秒間行なった。
【0065】オージェ電子分光法の測定結果から前述し
たチャートを作成し、(OE −FeS )/(FeE −F
S )、(NE −FeS )/(FeE −FeS )および
(ME −FeS )/(FeE −FeS )を算出した。ま
た、拡散指数の比も求めた。結果を表1に示す。また、
表1に、OM2、OB およびNM を示す。
【0066】参考のために、本発明サンプル(表1のN
o. 4−1)のチャートを図4に、比較サンプル(表1
のNo. 8)のチャートを図5に示す。
【0067】
【表1】
【0068】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。前述したようにミニディスクでは100
Oe 以下、好ましくは80 Oe 以下の低磁界下での記録
で46dB以上のC/Nが望まれるが、酸素の拡散指数お
よび窒素の拡散指数が所定範囲内にある本発明サンプル
では、いずれも十分なC/Nが得られている。
【0069】これに対し、酸素の拡散指数および窒素の
拡散指数が本発明範囲を外れるサンプルNo. 2と、酸素
の拡散指数が本発明範囲を外れるサンプルNo. 7とは、
外部磁界強度80 Oe で初期のC/Nが44 dB と低
い。また、前述した特開昭63−32750号公報第4
図の各試料と同様に、記録膜の厚さを80nmとしたサン
プルNo. 11では、外部磁界強度80 Oe におけるC/
Nが42 dB と極めて低くなっている。
【0070】<高温高湿加速試験後のC/N>表1の各
サンプルとそれぞれ同条件で作製した光磁気ディスクに
ついて、80℃、80%RHで1000時間保存後のC
/Nを、上記と同様にして測定した。この結果、本発明
サンプルでは、加速試験後にも46.0 dB 以上のC/
Nが得られ、特に、酸素の拡散指数および窒素の拡散指
数が共に好ましい範囲内であるサンプルNo. 4−1、
5、9、10ではC/N劣化は認められなかった。これ
に対し、酸素の拡散指数および窒素の拡散指数の少なく
とも一方が本発明範囲を外れる比較サンプルでは劣化が
認められた。特に、酸素の拡散指数が本発明範囲内であ
っても窒素の拡散指数が本発明範囲を下回るサンプルN
o. 8では、外部磁界強度80 Oe におけるC/Nが、
初期は47 dB と十分であるが、高温高湿加速試験後に
は45.5 dB と低くなってしまった。
【0071】なお、表1の各サンプルでは、第一の誘電
体膜と記録膜との間において、(OM1−OB )は4原子
%以下であった。
【0072】<実施例2>表1のサンプルNo. 4−1お
よび4−2を用い、記録磁界および記録時の線速度を表
2および表3に示すように変えて、C/Nを測定した。
結果を表2および表3に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】表2および表3から、第二の誘電体膜の金
属元素の拡散指数を制御することにより、高磁界強度で
の記録においても高C/Nが得られ、高線速度記録時の
C/Nを向上できることが明らかである。
【0076】<実施例3>図6に示すように中間膜を有
する光磁気ディスクサンプルを作製した。中間膜は、記
録膜形成後に形成した。中間膜形成に際しては、Arガ
スを真空槽内に流しながら、ターゲットにAlを用いて
マグネトロンスパッタを行なった。スパッタの際の条件
は、投入パワー:400W 、スパッタガス圧力:0.1
Pa、Arガス流量:40SCCMとした。中間膜の厚さは2
8 Aとした。なお、中間膜以外は、実施例1で作製した
サンプルNo. 4−1と同様にして形成した。このサンプ
ルでは、磁界感度の向上と共に、再生耐久性の向上が認
められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気ディスクの構成例を示す部分断
面図である。
【図2】第二の誘電体膜から記録膜にかけての元素(F
e、OおよびN)分布をオージェ電子分光法により測定
した結果を模式的に表わすチャートである。
【図3】第二の誘電体膜から記録膜にかけての元素(F
eおよびM)分布をオージェ電子分光法により測定した
結果を模式的に表わすチャートである。
【図4】本発明サンプル(表1のNo. 4−1)のオージ
ェ電子分光法の結果を示すチャートである。
【図5】比較サンプル(表1のNo. 8)のオージェ電子
分光法の結果を示すチャートである。
【図6】本発明の光磁気ディスクの構成例を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 透明基板 3 ハードコート 4 第一の誘電体膜 5 記録膜 6 第二の誘電体膜 7 反射膜 8 保護コート 9 中間膜
フロントページの続き (72)発明者 井上 弘康 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−6582(JP,A) 特開 平6−124491(JP,A) 特開 昭63−32750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 521 G11B 11/10 506

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に第一の誘電体膜、希土類元
    素−遷移元素合金の記録膜、第二の誘電体膜および反射
    膜をこの順で有する光磁気記録媒体であって、 第二の誘電体膜に金属元素Mと窒素Nとが含まれ、記録
    膜にFeが含まれ、第二の誘電体膜と記録膜との境界付
    近に酸素Oが含まれ、 第二の誘電体膜から記録膜にかけての元素分布を、オー
    ジェ電子分光法により、電子銃の加速電圧5 kV 、電子
    銃の照射電流500 nA 、イオン銃の加速電圧2 kV の
    条件下で測定して、横軸を分析時のエッチング時間、縦
    軸を原子百分率としたチャートに測定結果をプロット
    し、 第二の誘電体膜と記録膜との境界付近におけるO含有率
    の最大値をOM2とし、記録膜中のO含有率の最小値をO
    B とし、O含有率がOM2となったときのエッチング時間
    をOP とし、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近にお
    いてO含有率が{(OM2−OB )/5}+OB となった
    ときのエッチング時間をOE (ただし、OE >OP )と
    し、 記録膜のFe含有率の最大値をFeM とし、第二の誘電
    体膜と記録膜との境界付近においてFe含有率がFeM
    の1/5となったときのエッチング時間をFeS とし、
    第一の誘電体膜と記録膜との境界付近においてFe含有
    率がFeM の1/5となったときのエッチング時間をF
    E としたとき、 0.10≦(OE −FeS )/(FeE −FeS )≦
    0.40 であり、 前記チャートにおいて、第二の誘電体膜のN含有率の最
    大値をNM とし、第二の誘電体膜と記録膜との境界付近
    においてN含有率がNM の1/5となったときのエッチ
    ング時間をNE としたとき、 0.10≦(NE −FeS )/(FeE −FeS )≦
    0.35 であり、 前記チャートにおいて、第二の誘電体膜中の金属元素M
    含有率の最大値をMMとし、第二の誘電体膜と記録膜と
    の境界付近において金属元素M含有率がMM の1/5と
    なったときのエッチング時間をME としたとき、 0≦(ME −FeS )/(FeE −FeS )≦0.20 であり、 OM2が5〜25原子%であり、 記録膜の厚さが65nm以下である光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録膜と第二の誘電体膜との間に中間膜
    を有し、中間膜が少なくとも1種の金属元素からなる金
    属を成膜したものであり、中間膜が含む金属元素と第二
    の誘電体膜が含む金属元素とが異なり、中間膜の厚さが
    1〜28 Aである請求項1の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記チャートの第一の誘電体膜と記録膜
    との境界付近における酸素含有率の最大値をOM1とした
    とき、OM1<OM2である請求項1または2の光磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 0≦(OM1−OB )≦10原子%である
    請求項3の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録膜中のO含有率の最小値OB が7原
    子%以下である請求項1〜4のいずれかの光磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 第二の誘電体膜に含まれる金属元素Mが
    Siおよび/またはAlである請求項1〜5のいずれか
    の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 第二の誘電体膜のN含有率の最大値NM
    が30原子%以上である請求項1〜6のいずれかの光磁
    気記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録ヘッドに対し2.4〜5.6m/s の
    相対線速度で使用される請求項1〜7のいずれかの光磁
    気記録媒体。
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