JPH08221827A - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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- JPH08221827A JPH08221827A JP2372595A JP2372595A JPH08221827A JP H08221827 A JPH08221827 A JP H08221827A JP 2372595 A JP2372595 A JP 2372595A JP 2372595 A JP2372595 A JP 2372595A JP H08221827 A JPH08221827 A JP H08221827A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高いS/Nを有する光磁気記録媒体を提供す
る。 【構成】 最適な表面粗さを有する第1誘電体膜上に組
成を限定した希土類遷移金属非晶質合金を積層する。あ
るいは平滑化された誘電体膜上に2nm以下のCo等の
粒子を設け、その上に記録膜を作製する。あるいは記録
膜上に磁性微粒子を2nm以下に形成する。 【効果】 キャリアレベルが増大し記録時ノイズの増大
を抑制できるため、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒
体を得ることができる。
る。 【構成】 最適な表面粗さを有する第1誘電体膜上に組
成を限定した希土類遷移金属非晶質合金を積層する。あ
るいは平滑化された誘電体膜上に2nm以下のCo等の
粒子を設け、その上に記録膜を作製する。あるいは記録
膜上に磁性微粒子を2nm以下に形成する。 【効果】 キャリアレベルが増大し記録時ノイズの増大
を抑制できるため、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒
体を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を用いて記録
・再生あるいは消去を行う光記録に係り、特に、高いS
/Nを有する高性能な光磁気記録媒体に関する。
・再生あるいは消去を行う光記録に係り、特に、高いS
/Nを有する高性能な光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体の分野においては、高密
度化が最も重要な技術的課題の一つになっている。光磁
気記録媒体の高密度化手段としては、用いる光の波長を
短くする方法が提案されている。現在製品化されている
光磁気ディスクの記録膜として用いられているTbFe
Co合金を代表とする希土類遷移金属合金は、短波長に
なると信号出力に対応するカー回転角が低下してしま
う。そのため、磁区を微小化することと短波長光により
再生することで高密度化を達成しようとすると、信号出
力(S/N)が低下してしまうという問題があった。我
々は、記録膜の下地膜となる誘電体層の表面を平坦化す
る(特開平02−152041)ことにより、磁区を記
録しないときのノイズレベル(以後ディスクノイズレベ
ルという)が低減され、さらにカー回転角及び反射率が
向上し、結果として信号出力に対応する性能指数が増加
することを見出した。
度化が最も重要な技術的課題の一つになっている。光磁
気記録媒体の高密度化手段としては、用いる光の波長を
短くする方法が提案されている。現在製品化されている
光磁気ディスクの記録膜として用いられているTbFe
Co合金を代表とする希土類遷移金属合金は、短波長に
なると信号出力に対応するカー回転角が低下してしま
う。そのため、磁区を微小化することと短波長光により
再生することで高密度化を達成しようとすると、信号出
力(S/N)が低下してしまうという問題があった。我
々は、記録膜の下地膜となる誘電体層の表面を平坦化す
る(特開平02−152041)ことにより、磁区を記
録しないときのノイズレベル(以後ディスクノイズレベ
ルという)が低減され、さらにカー回転角及び反射率が
向上し、結果として信号出力に対応する性能指数が増加
することを見出した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、誘電体
膜の表面を平坦化した光磁気ディスクでは、記録をした
ときのノイズレベル(以後記録時ノイズという)が上昇
し、結果としてS/Nが高くならない場合があることが
明らかになった。
膜の表面を平坦化した光磁気ディスクでは、記録をした
ときのノイズレベル(以後記録時ノイズという)が上昇
し、結果としてS/Nが高くならない場合があることが
明らかになった。
【0004】本発明の目的は、記録時ノイズの上昇を抑
え、高S/Nで高密度化を実現できる光磁気記録媒体を
提供することにある。
え、高S/Nで高密度化を実現できる光磁気記録媒体を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するため提案されたものであり、レーザ光及び/ま
たは外部印加磁界を用いて情報の記録・再生・消去を行
なう光磁気記録媒体において、該記録媒体は少なくとも
基板、単層あるいは2層以上から成り総厚が光を透過し
うる膜厚の記録膜、および記録膜と基板間にある第1誘
電体膜とからなり、該誘電体膜の記録膜側の表面粗さが
0.26nm以上0.48nm以下であり、さらに優位
には表面粗さが0.28nm以上0.4nm以下である
ことを特徴とするものである。ここで用いる表面粗さ
(Ra)とは、JISB0601で定義された値であ
り、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値であ
る。この範囲は、表1および図2から得られるものであ
り、第1誘電体膜の記録膜側の表面のRaを0.48n
m以下とすることにより、誘電体膜と記録膜界面での光
の散乱及び/または磁性膜の磁気特性の分散を抑制する
ことが可能となり、ディスクノイズレベルを低減するこ
とができる。さらに、第1誘電体膜の記録膜側の表面の
Raを0.26nm以上にすることにより、記録時ノイ
ズの上昇をある程度抑えることができ、その結果、高い
S/Nを得ることができる。この第1誘電体膜の表面形
状は、平滑な基板表面上に形成することによって達成さ
れる。また、基板表面がある程度荒れている場合は、第
1誘電体膜の表面をスパッタエッチングをしてこの表面
粗さを実現しても良いし、イオンミリングをしても良
く、その手段はここに記載された手法に限定されるもの
ではない。第1誘電体膜表面のRaを0.28nm以上
0.4nm以下に限定することにより、さらに高いS/
Nを得ることができる。
解決するため提案されたものであり、レーザ光及び/ま
たは外部印加磁界を用いて情報の記録・再生・消去を行
なう光磁気記録媒体において、該記録媒体は少なくとも
基板、単層あるいは2層以上から成り総厚が光を透過し
うる膜厚の記録膜、および記録膜と基板間にある第1誘
電体膜とからなり、該誘電体膜の記録膜側の表面粗さが
0.26nm以上0.48nm以下であり、さらに優位
には表面粗さが0.28nm以上0.4nm以下である
ことを特徴とするものである。ここで用いる表面粗さ
(Ra)とは、JISB0601で定義された値であ
り、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した値であ
る。この範囲は、表1および図2から得られるものであ
り、第1誘電体膜の記録膜側の表面のRaを0.48n
m以下とすることにより、誘電体膜と記録膜界面での光
の散乱及び/または磁性膜の磁気特性の分散を抑制する
ことが可能となり、ディスクノイズレベルを低減するこ
とができる。さらに、第1誘電体膜の記録膜側の表面の
Raを0.26nm以上にすることにより、記録時ノイ
ズの上昇をある程度抑えることができ、その結果、高い
S/Nを得ることができる。この第1誘電体膜の表面形
状は、平滑な基板表面上に形成することによって達成さ
れる。また、基板表面がある程度荒れている場合は、第
1誘電体膜の表面をスパッタエッチングをしてこの表面
粗さを実現しても良いし、イオンミリングをしても良
く、その手段はここに記載された手法に限定されるもの
ではない。第1誘電体膜表面のRaを0.28nm以上
0.4nm以下に限定することにより、さらに高いS/
Nを得ることができる。
【0006】記録膜は、TbFeCoを代表とする希土
類遷移金属系合金の単層膜から成り、補償温度が50℃
以下であり、室温での合金の副格子磁化が遷移金属ドミ
ナント、いわゆるTMリッチである場合は室温での保磁
力が8kOe以上であることを特徴とするものである。
補償温度が50℃より高い組成の記録膜を前述した表面
粗さの下地膜上に積層すると、ディスクノイズは低減で
きるが、情報(磁区)を記録したときのノイズが増大
し、結果としてS/Nが低くなってしまう。室温でTM
リッチであり、室温での保磁力が8kOeより小さい磁
気特性を有する記録膜の場合も、同様の理由により高い
S/Nは得られない。また、記録膜の膜厚は20nm以
上40nm以下が良い。20nmより薄いと、記録膜が
薄いことにより十分なカー回転角を得ることができず、
さらに、製造プロセスにおいて、磁性膜の組成制御が難
しくなるため好ましくない。また、記録膜が40nmよ
り厚いと、光の多重干渉によるカー回転角の増大の効果
が得られにくくなってくるため、信号出力が低下すると
いう問題が生じる。
類遷移金属系合金の単層膜から成り、補償温度が50℃
以下であり、室温での合金の副格子磁化が遷移金属ドミ
ナント、いわゆるTMリッチである場合は室温での保磁
力が8kOe以上であることを特徴とするものである。
補償温度が50℃より高い組成の記録膜を前述した表面
粗さの下地膜上に積層すると、ディスクノイズは低減で
きるが、情報(磁区)を記録したときのノイズが増大
し、結果としてS/Nが低くなってしまう。室温でTM
リッチであり、室温での保磁力が8kOeより小さい磁
気特性を有する記録膜の場合も、同様の理由により高い
S/Nは得られない。また、記録膜の膜厚は20nm以
上40nm以下が良い。20nmより薄いと、記録膜が
薄いことにより十分なカー回転角を得ることができず、
さらに、製造プロセスにおいて、磁性膜の組成制御が難
しくなるため好ましくない。また、記録膜が40nmよ
り厚いと、光の多重干渉によるカー回転角の増大の効果
が得られにくくなってくるため、信号出力が低下すると
いう問題が生じる。
【0007】さらに、本発明者らは、平坦な下地膜上に
記録膜を積層したときの記録時ノイズの増大をさけるた
めに、上記表面形状を有する第1誘電体膜と記録膜との
間に、Co,Fe,Cr,Tb,Gd,Au,Ptのう
ち1種類以上の元素を有する粒子を設けるという手段を
見出した。この粒子を積層することにより、磁壁のピン
ニングが起こり保磁力が増大する。その結果、形状の良
好な磁区を記録することができ記録時ノイズの増大を抑
制できる。この粒子は記録膜の上部に積層しても同じ効
果が得られる。この粒子の厚さは2nm以下が良い。2
nm以下では保磁力が顕著に増大するが、2nmより厚
くなると、保磁力の増大はあまり見られない。さらに、
磁性膜の場合はその粒子が持つ磁気特性が無視できなく
なり、記録特性に悪影響を及ぼす。また、非磁性の粒子
の場合は、2nmより厚くなると、光の吸収が無視でき
なくなり信号出力が低下してしまう。したがって、粒子
の厚さは2nm以下が良い。また、粒子間の距離は、図
2に示すように10nm以下が好ましい。10nm以下
の間隔で粒子を設けることにより、磁区形成の際の磁壁
移動がスムースになり、形状の良い磁区が得られる。こ
の粒子の屈折率nと記録膜の屈折率との差は用いる光の
波長において±0.5以内であることが望ましい。例え
ば、波長780nmの装置を用いるときには、CoやF
eが好ましい。屈折率の差が±0.5より大きくなって
しまうと、そこで光が散乱されてノイズの原因になる場
合があるからである。
記録膜を積層したときの記録時ノイズの増大をさけるた
めに、上記表面形状を有する第1誘電体膜と記録膜との
間に、Co,Fe,Cr,Tb,Gd,Au,Ptのう
ち1種類以上の元素を有する粒子を設けるという手段を
見出した。この粒子を積層することにより、磁壁のピン
ニングが起こり保磁力が増大する。その結果、形状の良
好な磁区を記録することができ記録時ノイズの増大を抑
制できる。この粒子は記録膜の上部に積層しても同じ効
果が得られる。この粒子の厚さは2nm以下が良い。2
nm以下では保磁力が顕著に増大するが、2nmより厚
くなると、保磁力の増大はあまり見られない。さらに、
磁性膜の場合はその粒子が持つ磁気特性が無視できなく
なり、記録特性に悪影響を及ぼす。また、非磁性の粒子
の場合は、2nmより厚くなると、光の吸収が無視でき
なくなり信号出力が低下してしまう。したがって、粒子
の厚さは2nm以下が良い。また、粒子間の距離は、図
2に示すように10nm以下が好ましい。10nm以下
の間隔で粒子を設けることにより、磁区形成の際の磁壁
移動がスムースになり、形状の良い磁区が得られる。こ
の粒子の屈折率nと記録膜の屈折率との差は用いる光の
波長において±0.5以内であることが望ましい。例え
ば、波長780nmの装置を用いるときには、CoやF
eが好ましい。屈折率の差が±0.5より大きくなって
しまうと、そこで光が散乱されてノイズの原因になる場
合があるからである。
【0008】また、記録膜を積層後、Co,Fe等磁性
を有する元素を含んだ粒子を外部磁界を印加しながら形
成することによっても、記録時ノイズを低減することが
できる。この場合、粒径の揃った粒子が形成できるよう
に形成条件を制御することが好ましい。具体的には、例
えば差動排気系を用いて粒子をノズルなど細い管を通
し、均一な粒子のみが記録膜に到達できるようにする。
このとき、粒子の直径は20nm以下が良い。20nm
より大きくなると、記録時ノイズが大きくなってしまう
ためである。外部磁界を印加しながら粒子を形成するこ
とで、製膜時に存在する記録膜の上向きあるいは下向き
の自然磁区のどちらか一方に粒子が引き付けられ、微細
な粒子が付着するところとしないところに分かれる。そ
れによって、磁気特性の分散を生じ、記録時の磁化反転
の核となり、形状の良好な磁区を記録することができ
る。
を有する元素を含んだ粒子を外部磁界を印加しながら形
成することによっても、記録時ノイズを低減することが
できる。この場合、粒径の揃った粒子が形成できるよう
に形成条件を制御することが好ましい。具体的には、例
えば差動排気系を用いて粒子をノズルなど細い管を通
し、均一な粒子のみが記録膜に到達できるようにする。
このとき、粒子の直径は20nm以下が良い。20nm
より大きくなると、記録時ノイズが大きくなってしまう
ためである。外部磁界を印加しながら粒子を形成するこ
とで、製膜時に存在する記録膜の上向きあるいは下向き
の自然磁区のどちらか一方に粒子が引き付けられ、微細
な粒子が付着するところとしないところに分かれる。そ
れによって、磁気特性の分散を生じ、記録時の磁化反転
の核となり、形状の良好な磁区を記録することができ
る。
【0009】以上の光磁気記録媒体は、記録膜の上部に
さらに第2の誘電体膜および反射膜を設けることによ
り、光の干渉効果により見かけ上のカー回転角を大きく
することができ、キャリアレベルを向上させることがで
きる。
さらに第2の誘電体膜および反射膜を設けることによ
り、光の干渉効果により見かけ上のカー回転角を大きく
することができ、キャリアレベルを向上させることがで
きる。
【0010】
【作用】本発明によれば、平坦な基板あるいは下地膜を
用いることにより、光の散乱が減少し、信号出力が増大
する。さらに平坦な表面に最適な組成の記録膜を積層し
たり、または記録膜に接して(あるいは上部に)粒子を
形成した結果、記録時ノイズの増大を抑制できた。さら
に、記録膜積層後、磁界を印加しながら粒子を形成する
ことによって、磁区形成時に磁化反転の核が数多く生じ
るために形状の良い磁区を形成することができ、結果と
してS/Nが増大した。
用いることにより、光の散乱が減少し、信号出力が増大
する。さらに平坦な表面に最適な組成の記録膜を積層し
たり、または記録膜に接して(あるいは上部に)粒子を
形成した結果、記録時ノイズの増大を抑制できた。さら
に、記録膜積層後、磁界を印加しながら粒子を形成する
ことによって、磁区形成時に磁化反転の核が数多く生じ
るために形状の良い磁区を形成することができ、結果と
してS/Nが増大した。
【0011】
【実施例】以下に、本発明における実施例を示す。ここ
で、第1誘電体膜の表面粗さ(Ra)は、光磁気記録媒
体を作製後、次のようにして測定した。
で、第1誘電体膜の表面粗さ(Ra)は、光磁気記録媒
体を作製後、次のようにして測定した。
【0012】1.保護膜を除去する。
【0013】2.反射膜を液滴法を用いてアルカリ水溶
液(例:NaOH水溶液)で除去する。
液(例:NaOH水溶液)で除去する。
【0014】3.さらにフッ酸を用いて第2誘電体膜を
除去する。
除去する。
【0015】4.酸(例:硝酸)により記録膜を除去す
る。
る。
【0016】このようにして露出した第1誘電体膜表面
のRaをAFMを用いて測定した。 〔実施例1〕本実施例において作製した光磁気記録媒体
の断面構造を示す模式図を図1に示す。
のRaをAFMを用いて測定した。 〔実施例1〕本実施例において作製した光磁気記録媒体
の断面構造を示す模式図を図1に示す。
【0017】上記光磁気記録媒体は、マグネトロンスパ
ッタリング装置を用いて、以下のようにして作製した。
マグネトロンスパッタ装置内に、表面に光ヘッド案内溝
およびアドレスなどを表すピットやセクタマークあるい
は記録情報などの凹凸パターンを有する透明なディスク
状基板1をターゲットから10cmの距離にセットし回
転させた。
ッタリング装置を用いて、以下のようにして作製した。
マグネトロンスパッタ装置内に、表面に光ヘッド案内溝
およびアドレスなどを表すピットやセクタマークあるい
は記録情報などの凹凸パターンを有する透明なディスク
状基板1をターゲットから10cmの距離にセットし回
転させた。
【0018】まず、第1、第2誘電体膜2,4として窒
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜の膜厚は85n
mであり、第2誘電体膜の膜厚は20nmである。
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜の膜厚は85n
mであり、第2誘電体膜の膜厚は20nmである。
【0019】つぎに記録膜を形成した。記録膜3は、ス
パッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeC
o合金ターゲットをスパッタし、Tb23Fe65Co
12(at%)を25nm積層した。反射膜5はAl膜を
40nmの膜厚に形成した。その時のスパッタ条件はタ
ーゲットにAlを、放電ガスにArをそれぞれ用い、放
電ガス圧力は10mTorrにて形成した。さらに、保護膜
6として紫外線硬化樹脂を形成した。この光磁気記録媒
体をディスクAとする。さらにディスクB,C,D,
E,Fは、第1誘電体膜の表面にスパッタエッチングを
行ない、その後記録膜を製膜した。スパッタエッチング
時間はディスクB,C,D,E,Fの順に0分,10
秒,30秒,1分,2分である。第1誘電体膜のスパッ
タエッチング後の膜厚はディスクAと同じく85nmで
ある。さらに、ディスクAからディスクFで用いた上述
した基板より平坦性の良好なディスク状基板を用意し、
同様に光磁気記録媒体を作製した。この時、第1誘電体
膜の表面をスパッタエッチングしていない光磁気記録媒
体をディスクG,スパッタエッチングした光磁気記録媒
体をディスクHとした。
パッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeC
o合金ターゲットをスパッタし、Tb23Fe65Co
12(at%)を25nm積層した。反射膜5はAl膜を
40nmの膜厚に形成した。その時のスパッタ条件はタ
ーゲットにAlを、放電ガスにArをそれぞれ用い、放
電ガス圧力は10mTorrにて形成した。さらに、保護膜
6として紫外線硬化樹脂を形成した。この光磁気記録媒
体をディスクAとする。さらにディスクB,C,D,
E,Fは、第1誘電体膜の表面にスパッタエッチングを
行ない、その後記録膜を製膜した。スパッタエッチング
時間はディスクB,C,D,E,Fの順に0分,10
秒,30秒,1分,2分である。第1誘電体膜のスパッ
タエッチング後の膜厚はディスクAと同じく85nmで
ある。さらに、ディスクAからディスクFで用いた上述
した基板より平坦性の良好なディスク状基板を用意し、
同様に光磁気記録媒体を作製した。この時、第1誘電体
膜の表面をスパッタエッチングしていない光磁気記録媒
体をディスクG,スパッタエッチングした光磁気記録媒
体をディスクHとした。
【0020】本発明により作製したそれぞれのディスク
に、波長780nmのレーザ光を用い、回転数;900
rpm,記録レーザパワー;5〜6mW,記録周波数;
2.5MHz,記録位置;r=45mmなる条件で記録
し、再生レーザ出力;1mWで再生した。各ディスクの
第1誘電体膜の表面粗さ(Ra)を測定した結果および
波長780nmでの性能指数(反射率とカー回転角を掛
け合わせた値、再生信号出力に比例する)の関係を表1
に示す。
に、波長780nmのレーザ光を用い、回転数;900
rpm,記録レーザパワー;5〜6mW,記録周波数;
2.5MHz,記録位置;r=45mmなる条件で記録
し、再生レーザ出力;1mWで再生した。各ディスクの
第1誘電体膜の表面粗さ(Ra)を測定した結果および
波長780nmでの性能指数(反射率とカー回転角を掛
け合わせた値、再生信号出力に比例する)の関係を表1
に示す。
【0021】
【表1】
【0022】図3には各ディスクにおけるRaとディス
クノイズおよびS/Nの関係を示した。ディスクノイズ
はRaが小さくなるに従って低減するが、S/Nは,デ
ィスクEが最も高く極大値を示した。Raが0.33よ
り小さいディスクではRaが減少すると共にS/Nも低
くなる。以上から、0.26nmから0.48nmのR
aの第1誘電体膜表面を有する基板を用いることにより
24dB以上の高いS/Nを得ることができる。さら
に、24dB以上の高いS/Nを得るには、0.28n
mから0.4nmのRaを持つ基板を用いると、さらに
高いS/Nを有する光磁気記録媒体を作製することがで
きる。
クノイズおよびS/Nの関係を示した。ディスクノイズ
はRaが小さくなるに従って低減するが、S/Nは,デ
ィスクEが最も高く極大値を示した。Raが0.33よ
り小さいディスクではRaが減少すると共にS/Nも低
くなる。以上から、0.26nmから0.48nmのR
aの第1誘電体膜表面を有する基板を用いることにより
24dB以上の高いS/Nを得ることができる。さら
に、24dB以上の高いS/Nを得るには、0.28n
mから0.4nmのRaを持つ基板を用いると、さらに
高いS/Nを有する光磁気記録媒体を作製することがで
きる。
【0023】本実施例では、記録膜にTbFeCo合金
を用いたが、GdFeCo膜等の再生層をTbFeCo
膜等の非晶質合金と交換結合させた2層膜を記録膜とし
た場合でも本発明の効果は変わらない。
を用いたが、GdFeCo膜等の再生層をTbFeCo
膜等の非晶質合金と交換結合させた2層膜を記録膜とし
た場合でも本発明の効果は変わらない。
【0024】〔実施例2〕実施例1と同様にマグネトロ
ンスパッタ装置内に、表面に光ヘッド案内溝およびアド
レスなどを表すピットやセクタマークあるいは記録情報
などの凹凸パターンを有する透明なディスク状基板1を
ターゲットから10cmの距離にセットし回転させた。
ンスパッタ装置内に、表面に光ヘッド案内溝およびアド
レスなどを表すピットやセクタマークあるいは記録情報
などの凹凸パターンを有する透明なディスク状基板1を
ターゲットから10cmの距離にセットし回転させた。
【0025】まず、第1、第2誘電体膜2,4として窒
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜は表面にスパッ
タエッチングを施した。スパッタエッチングは1分間行
なった。第1誘電体膜の表面のRaは、AFMの測定結
果から0.35nmであった。第1誘電体膜のスパッタ
エッチング後の膜厚は85nmであり、第2誘電体膜の
膜厚は20nmである。
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜は表面にスパッ
タエッチングを施した。スパッタエッチングは1分間行
なった。第1誘電体膜の表面のRaは、AFMの測定結
果から0.35nmであった。第1誘電体膜のスパッタ
エッチング後の膜厚は85nmであり、第2誘電体膜の
膜厚は20nmである。
【0026】つぎに記録膜を形成した。記録膜3は、ス
パッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeC
oターゲットをスパッタし、Tb16Fe72Co12(at
%)を25nm積層した。反射膜5はAl膜を40nm
の膜厚に形成した。その時のスパッタ条件はターゲット
にAlを、放電ガスにArをそれぞれ用い、放電ガス圧
力は10mTorrにて形成した。さらに、保護膜6として
紫外線硬化樹脂を形成した。この光磁気記録媒体をディ
スクIとする。同様にディスクJ,K,L,Mを記録膜
の組成のみを変えて作製した。記録膜組成はディスクB
から順にTb18Fe70Co12,Tb24Fe64Co12,T
b26Fe62Co12,Tb29Fe59Co12(いずれもat
%)である。また、比較のために、第1誘電体膜2の表
面をスパッタエッチングしていない光記録膜を組成を変
えて作製した。これらのディスクをそれぞれディスク
I’,J’,K’,L’,M’とする。スパッタエッチ
ングしていない第1誘電体膜の表面のRaはAFM測定
結果から0.54nmであった。
パッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeC
oターゲットをスパッタし、Tb16Fe72Co12(at
%)を25nm積層した。反射膜5はAl膜を40nm
の膜厚に形成した。その時のスパッタ条件はターゲット
にAlを、放電ガスにArをそれぞれ用い、放電ガス圧
力は10mTorrにて形成した。さらに、保護膜6として
紫外線硬化樹脂を形成した。この光磁気記録媒体をディ
スクIとする。同様にディスクJ,K,L,Mを記録膜
の組成のみを変えて作製した。記録膜組成はディスクB
から順にTb18Fe70Co12,Tb24Fe64Co12,T
b26Fe62Co12,Tb29Fe59Co12(いずれもat
%)である。また、比較のために、第1誘電体膜2の表
面をスパッタエッチングしていない光記録膜を組成を変
えて作製した。これらのディスクをそれぞれディスク
I’,J’,K’,L’,M’とする。スパッタエッチ
ングしていない第1誘電体膜の表面のRaはAFM測定
結果から0.54nmであった。
【0027】本発明により作製したそれぞれのディスク
に、波長830nmのレーザ光を用い、回転数;900
rpm,記録レーザパワー;5〜6mW,記録周波数;
2.5MHz,記録位置;r=45mmなる条件で記録
し、再生レーザ出力;1mWで再生した。表2に、各デ
ィスクにおけるS/Nと、それぞれの光磁気記録媒体の
室温での保磁力および補償温度をカー効果測定装置およ
び試料振動型磁力計(VSM)を用いて測定した結果を
示す。
に、波長830nmのレーザ光を用い、回転数;900
rpm,記録レーザパワー;5〜6mW,記録周波数;
2.5MHz,記録位置;r=45mmなる条件で記録
し、再生レーザ出力;1mWで再生した。表2に、各デ
ィスクにおけるS/Nと、それぞれの光磁気記録媒体の
室温での保磁力および補償温度をカー効果測定装置およ
び試料振動型磁力計(VSM)を用いて測定した結果を
示す。
【0028】
【表2】
【0029】カー効果測定装置では最大17kOe,V
SMでは最大13kOeの外部磁界を印加した。ディス
クI,J,K,L,Mのディスクノイズは実施例1のデ
ィスクCと同様低いノイズレベルにあった。また、ディ
スクI’J’,K’,L’,M’のディスクノイズは実
施例1のディスクA,Bと同様のノイズレベルであっ
た。第1誘電体膜を平滑化していないディスクI’
J’,K’,L’,M’では、記録膜の組成の違いによ
るS/Nの差はあまり現われず、S/Nは22.9dB
から23.2dBであった。これに対し、第1誘電体膜
を平滑化したディスクでは、記録膜組成によりS/Nが
大きく異なった。室温での保磁力が8.0kOeである
ディスクJでは、S/N23.3dBであった。また、
室温での保磁力が6.3kOeであるディスクIでは、
S/N22.5dBであり、記録時ノイズが高くなって
しまったために、平滑化していないディスクよりもS/
Nとして低くなってしまった。S/NはディスクKが最
も高く24.8dBであり、それよりTb組成が多くな
ったディスクLでは比較ディスクと同等のS/Nにな
り、さらにTb組成を増やしたディスクMではS/Nは
15dBと低くなってしまった。ここで、ディスクLの
補償温度は50℃である。これより、本発明における記
録膜の組成は、補償温度が50℃以下で、室温でTMリ
ッチの記録膜である場合、記録膜の保磁力は8kOe以
上が良い。以上より、第1誘電体膜の記録膜側の表面粗
さが本発明の範囲内にある場合、補償温度は50℃以下
で、室温でTMリッチの記録膜のときには、室温で8k
Oe以上の保磁力を持つ磁性膜を記録膜に用いることに
より、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒体を得ること
ができた。
SMでは最大13kOeの外部磁界を印加した。ディス
クI,J,K,L,Mのディスクノイズは実施例1のデ
ィスクCと同様低いノイズレベルにあった。また、ディ
スクI’J’,K’,L’,M’のディスクノイズは実
施例1のディスクA,Bと同様のノイズレベルであっ
た。第1誘電体膜を平滑化していないディスクI’
J’,K’,L’,M’では、記録膜の組成の違いによ
るS/Nの差はあまり現われず、S/Nは22.9dB
から23.2dBであった。これに対し、第1誘電体膜
を平滑化したディスクでは、記録膜組成によりS/Nが
大きく異なった。室温での保磁力が8.0kOeである
ディスクJでは、S/N23.3dBであった。また、
室温での保磁力が6.3kOeであるディスクIでは、
S/N22.5dBであり、記録時ノイズが高くなって
しまったために、平滑化していないディスクよりもS/
Nとして低くなってしまった。S/NはディスクKが最
も高く24.8dBであり、それよりTb組成が多くな
ったディスクLでは比較ディスクと同等のS/Nにな
り、さらにTb組成を増やしたディスクMではS/Nは
15dBと低くなってしまった。ここで、ディスクLの
補償温度は50℃である。これより、本発明における記
録膜の組成は、補償温度が50℃以下で、室温でTMリ
ッチの記録膜である場合、記録膜の保磁力は8kOe以
上が良い。以上より、第1誘電体膜の記録膜側の表面粗
さが本発明の範囲内にある場合、補償温度は50℃以下
で、室温でTMリッチの記録膜のときには、室温で8k
Oe以上の保磁力を持つ磁性膜を記録膜に用いることに
より、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒体を得ること
ができた。
【0030】本実施例では、第1誘電体膜の表面状態を
スパッタエッチングを用いて平滑化したが、基板自身が
平滑であり、その上に形成された第1誘電体膜が基板の
表面形状を受け継いで平滑な表面を持っている場合も、
本発明の範囲内にある。また、ここではTbFeCo非
晶質合金を記録膜としたが、TbDyFeCo,GdT
bFeCoなどの希土類遷移金属系合金を記録膜とした
場合、本発明の効果は変わらない。
スパッタエッチングを用いて平滑化したが、基板自身が
平滑であり、その上に形成された第1誘電体膜が基板の
表面形状を受け継いで平滑な表面を持っている場合も、
本発明の範囲内にある。また、ここではTbFeCo非
晶質合金を記録膜としたが、TbDyFeCo,GdT
bFeCoなどの希土類遷移金属系合金を記録膜とした
場合、本発明の効果は変わらない。
【0031】〔実施例3〕本実施例では、実施例2で述
べたディスクKの記録膜の厚さを変えて、そのS/Nを
調べた。このとき、各ディスクにおいて最もS/Nが高
くなるように誘電体膜の膜厚を変化させた。記録膜の膜
厚を10nm,20nm,30nm,40nm,50n
mとしたときのS/Nは、順に22dB,23.5d
B,24.5dB,23.2dB,21dBであった。
これより、記録膜の膜厚を20nmから40nmにする
ことにより、23dB以上の高いS/Nを得ることがで
きた。
べたディスクKの記録膜の厚さを変えて、そのS/Nを
調べた。このとき、各ディスクにおいて最もS/Nが高
くなるように誘電体膜の膜厚を変化させた。記録膜の膜
厚を10nm,20nm,30nm,40nm,50n
mとしたときのS/Nは、順に22dB,23.5d
B,24.5dB,23.2dB,21dBであった。
これより、記録膜の膜厚を20nmから40nmにする
ことにより、23dB以上の高いS/Nを得ることがで
きた。
【0032】〔実施例4〕本実施例において作製した光
磁気記録媒体の断面構造を示す模式図を図4に示す。
磁気記録媒体の断面構造を示す模式図を図4に示す。
【0033】上記光磁気記録媒体は、マグネトロンスパ
ッタリング装置を用いて、上述した実施例と同様に作製
した。
ッタリング装置を用いて、上述した実施例と同様に作製
した。
【0034】まず、第1、第2誘電体膜2,4として窒
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜表面のRaをA
FMにより測定したところ0.26nmであった。この
第1誘電体膜上に粒子7を形成した。Coの粒子を1n
mの厚さに形成し、その上に記録膜を製膜した。記録膜
3は、スパッタガスにアルゴン3mTorrを用いてT
bFeCoターゲットをスパッタし、Tb24Fe64Co
12(at%)を25nm積層した。反射膜5はAl合金
膜を50nmの膜厚に形成し、さらに保護膜6として紫
外線硬化樹脂を形成した。ここで作製したディスクをデ
ィスクPとする。Coの屈折率nは波長800nmで
2.49であり、TbFeCoの同波長でのn(2.9
7)と比べて±0.5の範囲内にある。
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜表面のRaをA
FMにより測定したところ0.26nmであった。この
第1誘電体膜上に粒子7を形成した。Coの粒子を1n
mの厚さに形成し、その上に記録膜を製膜した。記録膜
3は、スパッタガスにアルゴン3mTorrを用いてT
bFeCoターゲットをスパッタし、Tb24Fe64Co
12(at%)を25nm積層した。反射膜5はAl合金
膜を50nmの膜厚に形成し、さらに保護膜6として紫
外線硬化樹脂を形成した。ここで作製したディスクをデ
ィスクPとする。Coの屈折率nは波長800nmで
2.49であり、TbFeCoの同波長でのn(2.9
7)と比べて±0.5の範囲内にある。
【0035】ディスクPと同様に、Co粒子を2nmお
よび3nm形成したディスクをそれぞれディスクQ,デ
ィスクRとする。さらに、比較ディスクとしてCo粒子
を形成していないディスクSも用意した。これらのディ
スクにおける記録膜の保磁力の温度依存性をカー効果測
定装置により測定した。その結果を図5に示す。ディス
クP,ディスクQの記録膜は全体に保磁力が増大してお
り、特に、記録磁区が形成される160℃以上の高温領
域では、Co粒子を設けていないディスクSの記録膜と
比べて1.5倍以上の保磁力があることがわかった。
よび3nm形成したディスクをそれぞれディスクQ,デ
ィスクRとする。さらに、比較ディスクとしてCo粒子
を形成していないディスクSも用意した。これらのディ
スクにおける記録膜の保磁力の温度依存性をカー効果測
定装置により測定した。その結果を図5に示す。ディス
クP,ディスクQの記録膜は全体に保磁力が増大してお
り、特に、記録磁区が形成される160℃以上の高温領
域では、Co粒子を設けていないディスクSの記録膜と
比べて1.5倍以上の保磁力があることがわかった。
【0036】本発明により作製したそれぞれのディスク
に、波長830nmのレーザ光を用い、記録レーザパワ
ー:4.5〜5mW,記録位置:r=48mmにて直径
0.72μmの磁区を記録し、再生レーザ出力:1mW
で再生した。その結果、Co粒子を形成していないディ
スクSのS/N21dBに対して、Co粒子を1nm形
成したディスクPのS/Nは22dBであった。また、
ディスクQのS/Nは21.5dB,Co粒子3nmの
ディスクではS/N20.8dBとなった。これより、
第1誘電体膜上に2nm以下の粒子を設けることにより
S/Nが向上することがわかった。
に、波長830nmのレーザ光を用い、記録レーザパワ
ー:4.5〜5mW,記録位置:r=48mmにて直径
0.72μmの磁区を記録し、再生レーザ出力:1mW
で再生した。その結果、Co粒子を形成していないディ
スクSのS/N21dBに対して、Co粒子を1nm形
成したディスクPのS/Nは22dBであった。また、
ディスクQのS/Nは21.5dB,Co粒子3nmの
ディスクではS/N20.8dBとなった。これより、
第1誘電体膜上に2nm以下の粒子を設けることにより
S/Nが向上することがわかった。
【0037】本実施例では、粒子にCoを用いたが、F
eを用いても本発明の効果は変わらない。Feの屈折率
は波長800nmで2.9であるので、粒子として用い
るのに好都合である。Co,Feを含む合金を用いても
その効果に何ら変わりはない。Auを粒子として用いた
ところ、2nmの厚さまではS/N向上の効果が見られ
たが、2nmより厚くなると、S/N向上の効果は見ら
れなかった。また、Cr,Tb,Gd,Au,Cu,P
tのうち1種類以上の元素を有する粒子を2nm以下の
厚さに設けても本発明の効果は変わらない。本実施例で
は粒子を第1誘電体膜と記録膜の間に設けたが、記録膜
の上部に粒子を形成しても本発明の範囲内にある。ま
た、記録膜を2層以上設けても本発明の効果は変わらな
い。
eを用いても本発明の効果は変わらない。Feの屈折率
は波長800nmで2.9であるので、粒子として用い
るのに好都合である。Co,Feを含む合金を用いても
その効果に何ら変わりはない。Auを粒子として用いた
ところ、2nmの厚さまではS/N向上の効果が見られ
たが、2nmより厚くなると、S/N向上の効果は見ら
れなかった。また、Cr,Tb,Gd,Au,Cu,P
tのうち1種類以上の元素を有する粒子を2nm以下の
厚さに設けても本発明の効果は変わらない。本実施例で
は粒子を第1誘電体膜と記録膜の間に設けたが、記録膜
の上部に粒子を形成しても本発明の範囲内にある。ま
た、記録膜を2層以上設けても本発明の効果は変わらな
い。
【0038】〔実施例5〕本実施例において作製した光
磁気記録媒体の断面構造を示す模式図を図6に示す。
磁気記録媒体の断面構造を示す模式図を図6に示す。
【0039】上記光磁気記録媒体は、マグネトロンスパ
ッタリング装置を用いて、次のように作製した。
ッタリング装置を用いて、次のように作製した。
【0040】まず、第1、第2誘電体膜2,4として窒
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜表面のRaをA
FMにより測定したところ0.29nmであった。この
第1誘電体膜上に記録膜を製膜した。記録膜3は、スパ
ッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeCo
Crを30nm積層した。この記録膜上に粒子7を形成
した。Coの粒子は外部から200Oeの磁界を印加し
ながら1nmの厚さに形成した。反射膜5はAl合金膜
を50nmの膜厚に形成し、さらに保護膜6として紫外
線硬化樹脂を形成した。比較のためにCo粒子を形成し
ていないディスクを用意した。
化シリコン膜を形成した。第1誘電体膜表面のRaをA
FMにより測定したところ0.29nmであった。この
第1誘電体膜上に記録膜を製膜した。記録膜3は、スパ
ッタガスにアルゴン3mTorrを用いてTbFeCo
Crを30nm積層した。この記録膜上に粒子7を形成
した。Coの粒子は外部から200Oeの磁界を印加し
ながら1nmの厚さに形成した。反射膜5はAl合金膜
を50nmの膜厚に形成し、さらに保護膜6として紫外
線硬化樹脂を形成した。比較のためにCo粒子を形成し
ていないディスクを用意した。
【0041】本発明により作製したそれぞれのディスク
に、波長680nmのレーザ光を用い、記録レーザパワ
ー:4〜4.5mW,記録位置:r=43mmにて直径
0.53μmの磁区を記録し、再生レーザ出力:1mW
で再生した。その結果、Co粒子を形成していないディ
スクのS/Nは21.6dBに対して、Co粒子を記録
膜上に1nm形成したディスクのS/Nは22.8dB
であった。これより、Co粒子を記録膜上に形成するこ
とによりS/Nが向上することがわかった。このときの
Co粒子の直径は40nmであった。Co粒子を2nm
より厚くしたところ、磁気的に記録膜に悪影響を及ぼ
し、記録時ノイズは上昇してしまった。このことから磁
性を有する粒子は2nm以下が良い。
に、波長680nmのレーザ光を用い、記録レーザパワ
ー:4〜4.5mW,記録位置:r=43mmにて直径
0.53μmの磁区を記録し、再生レーザ出力:1mW
で再生した。その結果、Co粒子を形成していないディ
スクのS/Nは21.6dBに対して、Co粒子を記録
膜上に1nm形成したディスクのS/Nは22.8dB
であった。これより、Co粒子を記録膜上に形成するこ
とによりS/Nが向上することがわかった。このときの
Co粒子の直径は40nmであった。Co粒子を2nm
より厚くしたところ、磁気的に記録膜に悪影響を及ぼ
し、記録時ノイズは上昇してしまった。このことから磁
性を有する粒子は2nm以下が良い。
【0042】本実施例では、粒子にCoを用いたが、F
eを用いても本発明の効果は変わらない。Co,Feを
含む合金を用いてもその効果に何ら変わりはない。ま
た、Cr,Tb,Gd,Au,Cu,Ptのうち1種類
以上の元素を有する粒子を2nm以下の厚さに設けても
本発明の効果は変わらない。
eを用いても本発明の効果は変わらない。Co,Feを
含む合金を用いてもその効果に何ら変わりはない。ま
た、Cr,Tb,Gd,Au,Cu,Ptのうち1種類
以上の元素を有する粒子を2nm以下の厚さに設けても
本発明の効果は変わらない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平坦な基板あるいは下地膜を用い、さらに、記録時ノイ
ズの上昇が少ない最適な組成の記録膜を積層し、または
記録膜に接して(あるいは上部に)粒子を形成した。そ
の結果、キャリアレベルが増大し記録時ノイズの増大を
抑制できるため、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒体
を実現できる。
平坦な基板あるいは下地膜を用い、さらに、記録時ノイ
ズの上昇が少ない最適な組成の記録膜を積層し、または
記録膜に接して(あるいは上部に)粒子を形成した。そ
の結果、キャリアレベルが増大し記録時ノイズの増大を
抑制できるため、S/Nの高い高性能な光磁気記録媒体
を実現できる。
【0044】
【図1】図1は本発明における光磁気記録媒体の断面構
造を示す模式図。
造を示す模式図。
【図2】図2は本発明における光磁気記録媒体の断面構
造の一部分を示す模式図。
造の一部分を示す模式図。
【図3】図3は本発明に係る光磁気記録媒体における第
1誘電体膜表面のRaとディスクノイズおよびS/Nと
の関係の一例を示す図。
1誘電体膜表面のRaとディスクノイズおよびS/Nと
の関係の一例を示す図。
【図4】図4は本発明に係る光磁気記録媒体の断面構造
を示す模式図。
を示す模式図。
【図5】図5は本発明に係る光磁気記録媒体における記
録膜の保磁力の温度依存性を示す図。
録膜の保磁力の温度依存性を示す図。
【図6】図6は本発明に係る光磁気記録媒体の断面構造
を示す模式図。
を示す模式図。
1…ディスク状基板、2…第1誘電体膜、3…記録膜、
4…第2誘電体膜、5…反射膜、6…保護膜、7…粒
子。
4…第2誘電体膜、5…反射膜、6…保護膜、7…粒
子。
フロントページの続き (72)発明者 安藤 圭吉 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宮本 治一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 ▲高▼橋 正彦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】レーザ光及び/または外部印加磁界を用い
て情報の記録・再生・消去を行なう光磁気記録媒体にお
いて、該記録媒体は少なくとも基板、単層あるいは2層
以上から成り総厚が光を透過しうる膜厚の記録膜、およ
び記録膜と基板間にある第1誘電体膜とからなり、該誘
電体膜の記録膜側の表面粗さが0.26nm以上0.4
8nm以下であることを特徴とした光磁気記録媒体。 - 【請求項2】上記記録膜は希土類遷移金属系合金の単層
膜から成り、補償温度が50℃以下であり、室温での合
金の副格子磁化が遷移金属ドミナントである場合は室温
での保磁力が8kOe以上であることを特徴とする請求
項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】上記記録膜の総厚が20nm以上40nm
以下であることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録
媒体。 - 【請求項4】上記記録膜の上部にさらに第2の誘電体膜
および反射膜を有することを特徴とする請求項1記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項5】レーザ光及び/または外部印加磁界を用い
て情報の記録・再生・消去を行なう光磁気記録媒体にお
いて、該記録媒体は少なくとも基板、単層あるいは2層
以上から成り総厚が光を透過しうる膜厚の記録膜、およ
び記録膜と基板間にある誘電体膜とからなり、該誘電体
膜の記録膜側の表面の表面粗さが0.48nm以下であ
り、第1誘電体膜と記録膜との間、及び/または記録膜
の上部に、Co,Fe,Cr,Tb,Gd,Au,C
u,Ptのうち1種類以上の元素を有する粒子を2nm
以下の厚さに設けたことを特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項6】上記粒子の屈折率nと記録膜の屈折率との
差が、用いる光の波長において±0.5以内であること
を特徴とする請求項5記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項7】上記元素のうちCo,Feのいずれかの単
体あるいはこれらの元素を有する合金の粒子を、外部か
ら磁界を印加しながら形成することを特徴とする請求項
5記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項8】上記粒子の直径が20nm以下であること
を特徴とする請求項5記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項9】上記記録膜の上部にさらに第2の誘電体膜
および反射膜を有することを特徴とする請求項5記載の
光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2372595A JPH08221827A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2372595A JPH08221827A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 光磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08221827A true JPH08221827A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12118301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2372595A Pending JPH08221827A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | 光磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08221827A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1096486A2 (en) * | 1999-10-29 | 2001-05-02 | Sony Corporation | Magneto-optical recording medium |
WO2003090222A1 (fr) * | 2002-04-22 | 2003-10-30 | Fujitsu Limited | Moyen d'enregistrement optique, moyen d'enregistrement magneto-optique, dispositif d'enregistrement/de reproduction d'informations, procede d'enregistrement/de reproduction et dispositif d'enregistrement magnetique |
EP1705651A1 (en) * | 2003-12-19 | 2006-09-27 | Fujitsu Ltd. | Magneto-optical recording medium and method of manufacturing the same, substrate for magneto-optical recording medium, and mother die stamper and method of manufacturing the same |
US7548505B2 (en) | 2001-07-18 | 2009-06-16 | Sony Corporation | Optical recording medium having a relationship between groove width and track pitch |
US7756527B2 (en) | 1997-02-06 | 2010-07-13 | Fujitsu Limited | Position information management system |
-
1995
- 1995-02-13 JP JP2372595A patent/JPH08221827A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7756527B2 (en) | 1997-02-06 | 2010-07-13 | Fujitsu Limited | Position information management system |
EP1096486A2 (en) * | 1999-10-29 | 2001-05-02 | Sony Corporation | Magneto-optical recording medium |
EP1096486A3 (en) * | 1999-10-29 | 2002-06-12 | Sony Corporation | Magneto-optical recording medium |
US6638597B1 (en) | 1999-10-29 | 2003-10-28 | Sony Corporation | Magneto-optical recording medium |
US7548505B2 (en) | 2001-07-18 | 2009-06-16 | Sony Corporation | Optical recording medium having a relationship between groove width and track pitch |
US8110343B2 (en) | 2001-07-18 | 2012-02-07 | Sony Corporation | Manufacturing method for optical recording and reproducing medium stamper |
WO2003090222A1 (fr) * | 2002-04-22 | 2003-10-30 | Fujitsu Limited | Moyen d'enregistrement optique, moyen d'enregistrement magneto-optique, dispositif d'enregistrement/de reproduction d'informations, procede d'enregistrement/de reproduction et dispositif d'enregistrement magnetique |
EP1705651A1 (en) * | 2003-12-19 | 2006-09-27 | Fujitsu Ltd. | Magneto-optical recording medium and method of manufacturing the same, substrate for magneto-optical recording medium, and mother die stamper and method of manufacturing the same |
EP1705651A4 (en) * | 2003-12-19 | 2008-11-05 | Fujitsu Ltd | MAGNETO-OPTICAL RECORDING MEDIUM AND ASSOCIATED MANUFACTURING METHOD, MAGNETO-OPTICAL RECORDING MEDIUM SUBSTRATE, AND MOTHER PRESSING ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020416 |