JPH06349777A - ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法

Info

Publication number
JPH06349777A
JPH06349777A JP13334493A JP13334493A JPH06349777A JP H06349777 A JPH06349777 A JP H06349777A JP 13334493 A JP13334493 A JP 13334493A JP 13334493 A JP13334493 A JP 13334493A JP H06349777 A JPH06349777 A JP H06349777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
molecular beam
hot
hot molecular
vacuum chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13334493A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Kadomura
新吾 門村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP13334493A priority Critical patent/JPH06349777A/ja
Publication of JPH06349777A publication Critical patent/JPH06349777A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホット分子ビーム・エッチングにおけるエッ
チング速度と基板面内均一性を向上させる。 【構成】 真空チャンバ5の側壁面にダウンフロー型ラ
ジカル供給部、天井面にホット分子ビーム供給部を接続
したホット分子ビーム・エッチング装置を用いる。加熱
炉7から自由噴出されるホット分子ビームをコリメータ
10を介してウェハWに垂直に入射させ、その励起され
た振動エネルギーおよび並進エネルギーを利用して異方
性エッチングを進行させる。このとき、ラジカルの高い
化学反応性を併用することで、エッチング速度が向上す
る。さらに、プラズマPからラジカルと共にS(イオ
ウ)等の堆積性物質を生成させることにより、側壁保護
効果を得る。 【効果】 GaAs/AlGaAs積層系等の超高選
択,低損傷,低汚染,異方性,高速エッチングが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等に適
用されるドライエッチングを行うための装置および方法
に関し、特にホット分子ビーム・エッチングにおけるエ
ッチング速度と基板面内均一性を向上させ、またこれを
化合物半導体のドライエッチングに適用してGaAs/
AlGaAs積層系の高選択エッチング等を実現する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ドライエッチングの分野におい
て、ホット分子ビームを用いたドライエッチングが注目
されている。ホット分子ビームとは、励起により振動、
回転、並進のエネルギー準位が高められた分子のビーム
である。ホット分子ビーム・エッチングが有望視される
のは、従来のドライエッチングの主流であるプラズマ・
エッチングに比べ、次のようなメリットが得られるから
である。
【0003】第一に、ホット分子ビームのエネルギーは
通常1eV以下であり、単結晶Siの原子間結合エネル
ギー(3.3eV)やGaAsの原子間結合エネルギー
(4.7eV)よりも低いため、基板に結晶欠陥等の損
傷を発生させない。これに対してプラズマ・エッチング
では、数十eVに加速されたイオンが基板に垂直に入射
し、損傷や汚染の発生は避けられない。
【0004】第二に、ホット分子ビームはイオンと異な
り電気的に中性であるため、GaAsショットキー・ダ
イオードの劣化、トラップ中心の形成、絶縁膜の破壊等
の問題が起こらない。第三に、ホット分子ビームを基板
に垂直に入射させれば、基板の底面とパターン側壁面に
おける反応確率の違いを利用して異方性エッチングを行
うことができる。これは、ホット分子が基板の底面に衝
突すると、そのエネルギー(主として振動エネルギーと
並進エネルギー)を基板に与えて自身は基底状態に落ち
る確率が高く、しかもホット分子の大部分はこの底面で
エッチング反応を起こすからである。つまり、パターン
側壁面に斜め入射する分子の数が元来少なく、また仮に
斜め入射しても分子が側壁面をエッチングする確率が極
めて低い。かかる異方性の達成機構は、プラズマ・エッ
チングのような高エネルギー・イオンの入射を必要とせ
ず、プロセスの低損傷化、低汚染化に有利である。
【0005】たとえば、特開昭61−113775号公
報には、炉で加熱したSF6 のホット分子ビームを用い
てSiの異方性エッチングを行ったプロセスが開示され
ている。また、J.Vac.Sci.Techno
l.,B9,2798〜2801(1991)には、C
2 のホット分子ビームを用いて半絶縁性およびn+
のGaAs層の異方性エッチングを行ったプロセスが報
告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホット
分子ビーム・エッチングにおいては、エッチング速度と
基板面内均一性の向上が今後の課題となっている。ホッ
ト分子ビーム・エッチングは、低エネルギーの中性粒子
による化学的プロセスにもとづいているため、被エッチ
ング層の種類によってはエッチング速度が非常に遅い。
たとえば、前述のSF6 のホット分子ビームによるSi
のエッチングの場合、エッチング速度は数十nm/分の
オーダーであり、プラズマ・エッチングに比べ2〜3桁
も低い。
【0007】また、異方性の達成がビームの垂直入射に
依存しているため、均一に異方性エッチングできる基板
の面積が小さい。このことは、枚葉処理を前提とした大
面積ウェハのエッチングを実現する上での隘路となる。
【0008】さらに別の課題として、実用的な半導体デ
バイスを製造するには、異種材料間における選択性の確
保も考慮しなければならない。たとえば、上述のCl2
のホット分子ビームを用いてAlGaAs層の上でGa
As層の高選択エッチングを行おうとしても、Clが両
層の共通のエッチング種であるために、エッチング時間
管理に頼らざるを得ない。しかし、特に超格子構造を有
する化合物半導体デバイス等については、時間管理のみ
で選択性を確保することは実際には極めて困難である。
【0009】そこで本発明は、ホット分子ビームの低損
傷性を活かしながら、エッチングの高速化、高異方性
化、高均一化を図り、かつ化合物半導体の高選択エッチ
ングを行うことが可能なドライエッチング方法、および
そのためのドライエッチング装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成するために、大きく分けて次の3つの基本的な方
針を立てた。すなわち、(a)ホット分子ビームとラジ
カルを併用することにより、低損傷性を維持しながらエ
ッチング速度を向上させること、(b)エッチング反応
系に堆積性物質を供給することにより、パターン側壁面
の保護を行い、異方性の基板面内均一性を確保するこ
と、および(c)ホット分子ビームとラジカルの化学種
を適切に選択することにより、異種材料層間の選択エッ
チングを実現すること、である。本発明のドライエッチ
ング装置およびこれを用いたドライエッチング方法は、
これらの方針にもとづいて提案されるものである。
【0011】まず、本発明のドライエッチング装置は、
真空チャンバと、前記真空チャンバに接続されこの内部
にラジカルを供給するダウンフロー型ラジカル供給手段
と、同じく前記真空チャンバに接続されこの内部に載置
された基板に対して略垂直にホット分子ビームを入射さ
せるホット分子ビーム供給手段とを備えたものである。
【0012】また本発明のドライエッチング方法は、上
記のドライエッチング装置を用い、前記ダウンフロー型
ラジカル供給手段から供給されるラジカルと前記ホット
分子ビーム供給手段から供給されるホット分子ビームと
を用いて前記基板上の被エッチング層をエッチングする
ものである。
【0013】このとき、前記ダウンフロー型ラジカル供
給手段から堆積性物質を生成させ、この堆積性物質を前
記被エッチング層のパターン側壁面上に堆積させること
により、異方性エッチングが可能となる。
【0014】かかる前記堆積性物質としては、イオウま
たは窒化イオウ系化合物の少なくとも一方を用いること
が好適である。
【0015】ここで、実際に発生させるラジカルおよび
ホット分子ビームとしては、それぞれハロゲン・ラジカ
ルとハロゲン化合物の加熱によるホット分子ビームを挙
げることができる。
【0016】さらに、前記ラジカルをフッ素ラジカルと
し、前記ホット分子ビームをフッ素化合物以外のハロゲ
ン化合物の加熱により生成させれば、アルミニウムを含
む化合物半導体層(以下、Al含有化合物半導体層と称
する。)上に積層されたアルミニウムを含まない化合物
半導体層(以下、非Al含有化合物半導体層と称す
る。)を選択的にエッチングすることができる。
【0017】
【作用】本発明のドライエッチング装置は、真空チャン
バ内にホット分子ビームとラジカルの双方を供給するた
めに、ホット分子ビーム供給手段とダウンフロー型ラジ
カル供給手段とを備えている。ここで、ラジカル供給手
段については、ラジカルの運動方向を制御する手段がな
いために、真空チャンバの上方から基板へ向けて、高真
空排気流に乗ったラジカルをダウンフロー式に供給する
仕組みとされている。一方、ホット分子ビーム供給手段
は、基板に対して略垂直にホット分子ビームを入射させ
る位置に配設されている。これは、異方性エッチングを
実現するために、ホット分子ビームを基板に垂直入射さ
せる必要があるからである。
【0018】かかるドライエッチング装置を用いてドラ
イエッチングを行うと、ホット分子ビームのみを用いる
従来のホット分子ビーム・エッチングに比べ、エッチン
グを高速化することができる。前述したように、ホット
分子ビームは基板に衝突するとその振動エネルギーと並
進エネルギーを基板に与え、大部分は基底状態に落ちる
ので、化学反応性の低い状態となってしまう。しかし、
ここにラジカルが供給されていれば、このラジカルの高
い化学反応性を利用してエッチングが促進されるからで
ある。
【0019】さらに、このエッチング反応系にダウンフ
ロー型ラジカル供給手段から堆積性物質を供給すると、
この堆積性物質はホット分子ビームの垂直入射がほとん
ど起こらないパターン側壁面上に堆積し、いわゆる側壁
保護を行う。したがって、ホット分子ビーム中に斜め入
射成分が若干存在していたとしても、あるいは基板上で
相対的に斜め入射成分が多くなるような領域が存在して
いたとしても、良好な異方性加工を基板上の広範囲な部
分に対して行うことができる。つまり、異方性と面内均
一性が向上する。
【0020】ここで、上記堆積性物質としてパーティク
ル汚染の原因となり易い物質を選択したのでは、ホット
分子ビーム・エッチングによる低汚染エッチングを行う
意味が無い。しかし、本発明で用いるイオウおよび窒化
イオウ系化合物は、いずれも昇華性または熱分解性の物
質である。これらは、基板が昇華温度もしくは分解温度
以下に維持されていればその表面へ堆積するが、エッチ
ング終了後に基板を加熱すれば、容易に除去することが
できる。もちろん、レジスト・アッシングを行う際に、
レジスト・マスクと同時に燃焼除去することもできる。
いずれにしても、これらは従来のドライエッチング方法
において側壁保護物質として広く利用されている炭素系
ポリマー等と比べ、基板上に汚染を残す虞れがはるかに
少なく、堆積性物質として好適である。
【0021】ここで、ラジカルとしてハロゲン・ラジカ
ル、またホット分子ビームとしてハロゲン化合物のホッ
ト分子ビームを用いて化合物半導体層をエッチングする
と、被エッチング層の構成原子を蒸気圧の高いハロゲン
化物の形で速やかに除去することができる。
【0022】さらに、ラジカルとしてハロゲン・ラジカ
ル、またホット分子ビームとしてフッ素化合物以外のハ
ロゲン化合物のホット分子ビームを用いた場合には、蒸
気圧の低いフッ化アルミニウムAlFx の生成を利用し
て、非Al含有/Al含有化合物半導体の積層系の選択
エッチングを行うことができる。つまり、このときのホ
ット分子ビームは、塩素化合物や臭素化合物等のホット
分子ビームであるから、非Al含有化合物半導体層の構
成元素は蒸気圧の高い塩化物や臭化物の形で除去され
る。しかし、下地のAl含有化合物半導体層の表面が露
出した時点で、この露出面に蒸気圧の低いフッ化アルミ
ニウムAlFx が形成され、エッチング速度が大きく低
下するので、下地選択性が確保されるのである。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0024】実施例1 本実施例では、ダウンフロー型ラジカル供給手段を備え
たホット分子ビーム・エッチング装置の構成例につい
て、図1を参照しながら説明する。この装置は、真空チ
ャンバ5の側壁面にダウンフロー型ラジカル供給部、天
井側にホット分子ビーム供給部を接続したものである。
【0025】上記ダウンフロー型ラジカル供給部は、石
英製のマイクロ波放電管1、発振周波数2.45GHz
のマグネトロン発振器4、このマグネトロン発振器4に
接続されマイクロ波を伝搬させる導波管3、この導波管
に接続され上記マイクロ波放電管を挾持する1対の電極
2から構成されている。マイクロ波放電管1には矢印A
方向からガスが導入され、このガスがマイクロ波により
励起され、プラズマPが生成する。このプラズマPの中
から比較的寿命の長いラジカルが高真空排気流に乗って
真空チャンバ5の内部へ引き出される。プラズマP中に
存在する他の化学種、すなわち電子やイオン等の荷電粒
子は、図示されないメッシュ電極等の電荷除去手段によ
りトラップされ、真空チャンバ5内へは導出されない。
【0026】上記ホット分子ビーム供給手段は、石英製
の加熱炉7、これの外壁面に巻回され、タングステン等
の高融点金属からなるコイル状のヒータ8、加熱炉7の
全体を囲撓する均熱管9から構成される。上記加熱炉7
は、その開口端が真空チャンバ5内に載置されるウェハ
Wに対面し、またその長手方向がウェハWに対して垂直
となるように配設されている。この加熱炉7の上端から
図中矢印B方向に導入されたガスは、この中で数百℃に
加熱され、開口端からホット分子ビームとして自由噴出
される。
【0027】上記真空チャンバ5は、ウェハWを収容
し、上記ダウンフロー型ラジカル供給部から引き出され
たラジカルと、ホット分子ビーム供給部から引き出され
たホット分子ビームとを利用して、エッチングを行う部
分である。真空チャンバ5の内部は、底面側に開口され
た排気孔6を通じて矢印C方向に高真空排気されてい
る。ウェハWは、ヒータ13を内蔵するウェハ・ステー
ジ12上に載置されている。このヒータ13は、ウェハ
Wを加熱してエッチング反応生成物の脱離を促進した
り、あるいは後述する堆積性物質を昇華もしくは分解さ
せるために備えられたものである。
【0028】本実施例のホット分子ビーム・エッチング
装置には、さらにウェハWに入射するホット分子ビーム
の入射方向を垂直に揃え、かつエッチングの面内均一性
を向上させるための工夫が施されている。そのひとつ
は、ウェハWと加熱炉7の開口端との中間に配設される
コリメータ10である。これは、所定のアスペクト比の
開口部を多数有するメッシュ状の部材である。もうひと
つは、上記ウェハ・ステージ12の全体を支持するXY
ステージ11上である。これは、上記コリメータ10の
下でウェハWを2次元的に移動させることにより、ウェ
ハW上のあらゆる領域においてホット分子ビームの垂直
入射を実現させるための部材である。
【0029】この他、加熱炉7で発生する熱の影響をウ
ェハWへ及ぼさないようにするため、加熱炉7の開口端
とコリメータ10との間に熱シールド板等が配設されて
いても良い。かかるホット分子ビーム・エッチング装置
は、従来報告されている装置に比べ、ラジカルの化学反
応性を利用できる分だけ高速エッチングを可能とするも
のである。
【0030】以下の実施例では、この装置を用いた具体
的なプロセス例について説明する。
【0031】実施例2 本実施例は、実施例1で上述したホット分子ビーム・エ
ッチング装置を用いて、実際にGaAs/AlGaAs
積層系のドライエッチングを行ったプロセス例である。
このプロセスは、HEMTのゲート・リセス加工を目的
としたものであり、ホットCl2 ビーム、S2 2 ガス
放電によるF* および遊離のイオウ(S)を利用してn
+ −AlGaAs層上のn+ −GaAs層をエッチング
した。
【0032】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用したウェハは、図2に示されるように、半絶縁
性GaAs基板21上にエピタキシャル成長により形成
され、バッファ層として機能する厚さ約500nmのe
pi−GaAs層22、厚さ約2nmのAlGaAs層
23、Si等のn型不純物がドープされた厚さ約30n
mのn+ −AlGaAs層24、同様にn型不純物を含
む厚さ約100nmのn+ −GaAs層25、所定の形
状にパターニングされたレジスト・マスク(PR)26
が順次積層されてなるものである。上記レジスト・マス
ク26のパターニングは、電子ビーム描画法による露光
と現像処理により行われており、開口部27の開口径は
約300nmである。
【0033】このウェハを上記ホット分子ビーム・エッ
チング装置のウェハ・ステージ12上にセットし、マイ
クロ波放電管1にはS2 2 ガス、加熱炉7にはCl2
ガスをそれぞれ供給し、一例として下記の条件で上記n
+ −GaAs層5をエッチングした。 〔ダウンフロー型ラジカル供給部〕 S2 2 流量 50 SCCM ガス圧 266 Pa マイクロ波パワー 1 kW(2.45 G
Hz) 〔ホット分子ビーム供給部〕 Cl2 流量 10 SCCM ガス圧 133 Pa 加熱炉温度 800 ℃ 〔真空チャンバ内〕 ガス圧 60 Pa ウェハ・ステージ温度 80 ℃
【0034】このエッチング過程では、S2 2 から解
離生成したF* とホットCl2 ビームの作用により、n
+ −GaAs層25中のAsは主としてAsF3 ,As
5,AsCl3 等の形で、またGaは主としてGaC
3 等の形で除去され、図3に示されるようなリセス2
8が形成された。このエッチングは、エッチング種とし
て荷電粒子を用いないホット分子ビームのメリットであ
る低損傷性を活かしながらも、F* の寄与により約1.
7μm/秒の実用的な速度で進行した。
【0035】また、S2 2 から解離生成するSは、ウ
ェハ温度がSの昇華温度(約90℃)より低く維持され
ていることからリセス28の側壁面に堆積し、側壁保護
膜29を形成した。このSによる側壁保護効果は、ホッ
トCl2 ビームの垂直入射と共に、このプロセスの異方
性達成に寄与している。さらに、ホットCl2 ビームの
入射角に対する許容範囲を広げ、ウェハ面内での異方性
のバラツキを抑制する役割も果たしている。
【0036】なお、図中の側壁保護膜29は、図示の都
合上厚く描かれているが、実際には極めて薄い膜であ
り、レジスト・マスク26と形成されるリセス28との
間に寸法変換差を生じさせるようなものではない。
【0037】エッチングが進行して下地のn+ −AlG
aAs層24が露出すると、F* の寄与によりその露出
面に表面に蒸気圧の低いAlFx が形成され、エッチン
グ速度が大幅に低下し、高選択比が達成された。上記n
+ −AlGaAs層24の不純物濃度や厚さは、HEM
Tの所望の閾値電圧にもとづいて決定されているため、
ここで達成される高選択比は、信頼性の高いHEMTを
再現性良く製造する上で極めて重要な役割を果たした。
【0038】次に、上記側壁保護膜29は、エッチング
終了後にウェハ・ステージ温度を90℃以上に高めるこ
とにより、図4に示されるように容易に除去することが
できた。
【0039】この後のゲート電極の形成は、従来公知の
方法にしたがって行った。すなわち、上記ウェハに対し
てAlの電子ビーム蒸着を行うことにより、一例として
厚さ約200nmのAl層を形成した。この蒸着では、
微細な開口径を有するリセス28の内部においてステッ
プ・カバレッジ(段差被覆性)が劣化することを利用
し、図5に示されるようにレジスト・マスク26の表面
に上部Al層30a、リセス28底部には下部Al層3
0bをそれぞれ形成した。
【0040】次に、レジスト・マスク26をリフト・オ
フすると、図6に示されるように上部Al層30aも同
時に除去され、リセス28底部に下部Al層30bから
なるゲート電極を形成することができた。
【0041】実施例3 本実施例は、側壁保護膜としてポリチアジル(SN)x
を堆積させながら、同様のゲート・リセス加工を行った
例である。本実施例でエッチング・サンプルとして用い
たウェハは、実施例2で用いたものと同じである。
【0042】ここでは、ダウンフロー型ラジカル供給部
から堆積性物質として(SN)x を生成させるために、
2 2 ガス放電(ステップI)とN2 ガス放電(ステ
ップII) とを時間変調方式で行った。エッチング条件の
一例を以下に示す。 〔ダウンフロー型ラジカル供給部〕 ステップI:S2 2 流量 50 SCCM ガス圧 266 Pa マイクロ波パワー 1 kW(2.45 GH
z) ステップII:N2 流量 50 SCCM ガス圧 266 Pa マイクロ波パワー 1 kW(2.45 GH
z) 〔ホット分子ビーム供給部〕 Cl2 流量 10 SCCM ガス圧 133 Pa 加熱炉温度 800 ℃ 〔真空チャンバ内〕 ガス圧 60 Pa ウェハ・ステージ温度 130 ℃
【0043】上記ステップIとステップIIの放電時間配
分は2:1ないし3:1程度に設定することができる。
本実施例では、10秒間のステップIと5秒間のステッ
プIIとを交互に繰り返した。これにより、(SN)x
らなる側壁保護膜29されながら、異方性エッチングが
進行した。この(SN)x の蒸気圧は実施例2で用いた
Sよりも低いため、その分ウェハ温度を高めることがで
きた。このため、エッチング速度は実施例2よりも向上
し、約2μm/秒の高速エッチングが実現された。
【0044】なお、上記(SN)x からなる側壁保護膜
29は、エッチング終了後にウェハWを約150℃に加
熱することにより、容易に除去することができた。
【0045】以上、本発明を3例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、ダウンフロー型ラジカル供給
手段によりSを生成させる際に、上述の実施例ではF*
の同時供給を考慮してS2 2 を用いたが、この他にも
SF2,SF4 ,S2 10等のフッ化イオウを用いるこ
とができる。さらに、副生するハロゲン・ラジカルがF
* でなくとも良い場合には、S3 Cl2 ,S2 Cl2
SCl2 等の塩化イオウ、S3 Br2 ,S2 Br2 ,S
Br2 等の臭化イオウ、あるいはH2 S等を用いること
ができる。ただし、H2 Sを用いる場合には、ハロゲン
・ラジカルを生成できる他のハロゲン系化合物と併用す
る必要がある。
【0046】上述の実施例では非Al含有/Al含有化
合物半導体の積層系のエッチングを採り上げたが、下地
選択性を特に考慮せず、単一の化合物半導体層の高速エ
ッチングのみに着目するならば、ホット分子ビームとラ
ジカルの成分元素を共通とすることもできる。たとえば
GaAs層のエッチングを、ホットCl2 ビームとCl
* ラジカルを併用して行っても、高速エッチングが可能
である。
【0047】なお、ホット分子ビームを生成させるため
のハロゲン化合物は、上述のCl2の他、HCl,BC
3 ,Br2 ,HBr,BBr3 等であっても良い。
【0048】非Al含有/Al含有化合物半導体の積層
系としては、上述のGaAs/AlGaAs積層系の
他、GaP/AlGaP、InP/AlInP、GaN
/AlGaN、InAs/AlInAs等の2元素系/
3元素系の積層系、さらにあるいは3元素系/4元素系
等の積層系等を対象とすることができる。かかるエッチ
ングは、上述のようなHEMTのゲート・リセス加工に
限られず、他のヘテロMIS構造FET、量子細線、半
導体レーザー素子の加工等において行われる場合にも有
効である。
【0049】さらに、本明細書中では化合物半導体層の
エッチングを例示したが、本発明は従来高速化が困難で
あったシリコン系材料層等のエッチングにも適用でき
る。たとえば、ホット分子ビーム供給手段からホットS
6 ビームを供給すると同時に、ダウンフロー型ラジカ
ル供給手段からF* を供給するようにすればエッチング
速度を向上させることができ、しかもこの場合にSある
いは(SN)x による側壁保護を併用すれば、異方性も
良好に維持することができる。
【0050】この他、ホット分子ビーム・エッチング装
置の構成の細部、サンプル・ウェハの構成、エッチング
条件等が適宜変更可能であることは、言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、ホット分子ビーム・エッチングのメリ
ットである低損傷性を維持しながら、従来の問題点であ
ったエッチング速度とエッチングの基板面内均一性を大
幅に改善することができる。したがって、本発明は微細
なデザイン・ルールにもとづいて製造される半導体装置
の性能や信頼性を向上させる上で大きな貢献をなすもの
である。
【0052】また、特に化合物半導体装置については、
かかる低損傷微細加工が可能となることにより、これを
高集積化してMMIC等を構成する道が開かれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して構成されたホット分子ビーム
・エッチング装置の概略断面図である。
【図2】本発明を適用してHEMTのゲート・リセス加
工を行う際のエッチング・サンプルとして用いたウェハ
の構成例を示す模式的断面図である。
【図3】図2のウェハのn+ −GaAs層が側壁保護膜
の形成を伴いながらエッチングされ、リセスが形成され
た状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3の側壁保護膜が除去された状態を示す模式
的断面図である。
【図5】図4のウェハにおいて、レジスト・マスクの表
面とリセスの底面に、上部Al層と下部Al層がそれぞ
れ被着された状態を示す模式的断面図である。
【図6】図5のレジスト・マスクとその表面の上部Al
層が除去され、リセスの底面に下部Al層からなるゲー
ト電極が形成された状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・マイクロ波放電管 4 ・・・マグネトロン発振器 5 ・・・真空チャンバ 7 ・・・加熱炉 8 ・・・ヒータ 10 ・・・コリメータ 11 ・・・XYステージ 12 ・・・ウェハ・ステージ W ・・・ウェハ P ・・・プラズマ 24 ・・・n+ −AlGaAs層 25 ・・・n+ −GaAs層 26 ・・・レジスト・マスク 28 ・・・リセス 29 ・・・側壁保護膜 30b・・・下部Al層(ゲート電極)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバと、 前記真空チャンバに接続され、該真空チャンバ内にラジ
    カルを供給するダウンフロー型ラジカル供給手段と、 前記真空チャンバに接続され、該真空チャンバ内に載置
    された基板に対して略垂直にホット分子ビームを入射さ
    せるホット分子ビーム供給手段とを備えてなるドライエ
    ッチング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のドライエッチング装置
    を用い、前記ダウンフロー型ラジカル供給手段から供給
    されるラジカルと前記ホット分子ビーム供給手段から供
    給されるホット分子ビームとを用いて前記基板上の被エ
    ッチング層をエッチングすることを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記ダウンフロー型ラジカル供給手段か
    ら堆積性物質を生成させ、この堆積性物質を前記被エッ
    チング層の少なくともパターン側壁面上に堆積させなが
    ら異方性エッチングを行うことを特徴とする請求項2記
    載のドライエッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記堆積性物質がイオウまたは窒化イオ
    ウ系化合物の少なくとも一方であることを特徴とする請
    求項3記載のドライエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記ラジカルはハロゲン・ラジカルであ
    り、前記ホット分子ビームはハロゲン化合物の加熱によ
    り生成されることを特徴とする請求項2ないし請求項4
    のいずれか1項に記載のドライエッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記ラジカルはフッ素ラジカルであり、
    前記ホット分子ビームはフッ素化合物以外のハロゲン化
    合物の加熱により生成され、前記被エッチング層はアル
    ミニウムを含む化合物半導体層上に積層されたアルミニ
    ウムを含まない化合物半導体層であることを特徴とする
    請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のドライ
    エッチング方法。
JP13334493A 1993-06-03 1993-06-03 ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法 Withdrawn JPH06349777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13334493A JPH06349777A (ja) 1993-06-03 1993-06-03 ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13334493A JPH06349777A (ja) 1993-06-03 1993-06-03 ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06349777A true JPH06349777A (ja) 1994-12-22

Family

ID=15102531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13334493A Withdrawn JPH06349777A (ja) 1993-06-03 1993-06-03 ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06349777A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5110407A (en) Surface fabricating device
JP3000717B2 (ja) ドライエッチング方法
JP3248222B2 (ja) ドライエッチング方法
US5145554A (en) Method of anisotropic dry etching of thin film semiconductors
KR100385638B1 (ko) 폴리카보네이트 에칭 마스크를 이용하는 플라즈마 에칭 방법
JPH0622222B2 (ja) 光処理装置
US20150140232A1 (en) Ultrahigh Vacuum Process For The Deposition Of Nanotubes And Nanowires
JPS6289882A (ja) 気相エツチング方法
JPH06349777A (ja) ドライエッチング装置およびこれを用いたドライエッチング方法
JP2912214B2 (ja) 半導体基板の表面処理方法,表面処理装置,並びに半導体装置の製造方法
JPH04137532A (ja) 表面処理方法及びその装置
US5194119A (en) Method of anisotropic dry etching of thin film semiconductors
JPH06132521A (ja) Mis型半導体装置の製造方法
JPH07193053A (ja) 超格子構造半導体のエッチング方法
JP7323476B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3250269B2 (ja) ドライエッチング方法
JP3038984B2 (ja) ドライエッチング方法
JP2979752B2 (ja) 半導体量子井戸箱の製造方法
JPH09283505A (ja) 化合物半導体のエッチング方法、半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2822945B2 (ja) ドライエッチング装置及びドライエッチング方法
JPH0324776B2 (ja)
JPH06314671A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0927479A (ja) ドライエッチング方法
JPH02183530A (ja) 半導体素子の作製方法
JPH05144784A (ja) ドライエツチング方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000905