JP2822945B2 - ドライエッチング装置及びドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング装置及びドライエッチング方法

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JP2822945B2 JP19370795A JP19370795A JP2822945B2 JP 2822945 B2 JP2822945 B2 JP 2822945B2 JP 19370795 A JP19370795 A JP 19370795A JP 19370795 A JP19370795 A JP 19370795A JP 2822945 B2 JP2822945 B2 JP 2822945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドライエッチング装
置及びドライエッチング方法に関し、特に反応性イオン
エッチング装置及び反応性イオンエッチング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置には、単結晶のシリコ
ン基板内に形成したトレンチに酸化シリコン(以下Si
2 と記す)やホウリンケイ酸ガラス(以下BPSGと
記す)あるいは多結晶シリコン(以下ポリSiと記す)
等の絶縁物を埋設した素子分離領域やトレンチキャパシ
タなどを形成したものがある。シリコン基板内にトレン
チを形成する手段としては、フォトレジスト膜やSiO
2 膜をマスク材料としたドライエッチングが使用されて
いる。図2(a)〜(c)は従来の半導体装置のトレン
チ形成と絶縁物埋設の方法を説明するための断面図であ
る。
【0003】まず図2(a)に示すように、シリコン基
板1上にトレンチを形成するためのエッチングマスクと
して、フォトレジストあるいはSiO2 などのマスク材
料を形成したのち、通常のリソグラフィー技術を使用し
てパターニングしマスク2を形成する。この後、マスク
2を用いてシリコン基板1を通常のドライエッチング方
法で異方性エッチングし、側壁が垂直形状を持つトレン
チ3を形成する。通常のトレンチは開孔部の幅が0.5
〜2.0μm,深さ3〜10μm程度の縦長の溝であ
る。次に図2(b),(c)に示すように、マスク2を
除去し、次でトレンチ3内にSiO2 又はポリSiとい
った絶縁物5を埋設することによりトレンチ素子分離領
域あるいはトレンチキャパシタセル等の形成工程は終了
する。絶縁物5の形成方法は一般に化学気相成長法が使
用される。
【0004】しかしながら、このような従来の半導体装
置の製造方法では、トレンチ3の開孔部に鋭角の角部4
が発生する。トレンチ3内を化学気相成長法を使用して
絶縁物5で埋設する場合、トレンチ3の開孔部が0.5
〜2.0μmと極めて狭く、又深さが3〜10μmと非
常に深いため、反応気体分子の回り込みが悪くなり、ト
レンチ3の底部まで反応気体分子が届きにくくなる結
果、絶縁物5の成長度は鋭角の角部4の部分で最も大き
く、トレンチ3の底部に向って深さ方向に従い徐々に小
さくなる傾向を示す。そのためトレンチ3の底部で充分
に絶縁物5が形成される前に鋭角の角部4の回りに成長
した絶縁物5どうしが接合してしまい、トレンチ3内に
反応気体分子が侵入できなくなって、絶縁物5内にボイ
ド(空胴)6が発生する。トレンチ3内に発生したボイ
ド6は汚染物質のトラップとなり易く、また絶縁物5内
に発生するクラックの原因となって半導体装置の歩留り
や信頼性を低下させる恐れがある。
【0005】上述の不具合はドライエッチング法で形成
したトレンチの側壁が垂直であることに起因している。
ドライエッチング法ではトレンチ側壁を所望の形状に制
御することが技術的課題になっている。
【0006】最近の研究では、トレンチの形成方法を工
夫することでトレンチ側壁になめらかな順テーパーをつ
ける手法が検討されている。例えば特開昭64−289
23号公報に開示されているように、エッチングマスク
の開孔部にトレンチエッチングマスクを残したまま、ド
ライエッチングを実施する方法がある。この方法につい
て図3を用いて説明する。
【0007】図3(a)では、シリコン基板1上にトレ
ンチを形成するためのSiO2 で形成される厚さ1μm
のマスク材料をパターニングしマスク2を形成する。次
に減圧気相成長法により厚さ0.2μmのポリSi膜7
を全面に形成する。このポリSi膜7の厚さは、形成し
ようとしている深さのトレンチのエッチング終了時に、
マスク2の開孔部に形成したポリSi膜7がエッチング
されてなくなるような厚さにしておく。次いで図3
(b)に示すように、ポリSi膜7上の自然酸化膜を除
去後、臭素を用いた反応性イオンエッチング(以下RI
Eと記す)によりドライエッチングを実施すると、シリ
コン基板1及びマスク2上のポリSi膜7がエッチング
により除去され、マスク2の開孔部の側壁にポリSi膜
7が残される。最後にこのポリSi膜7をトレンチエッ
チングマスクとして、RIEによりシリコン基板1をエ
ッチングし、トレンチを形成する。このトレンチエッチ
ングはまず図3(b)に示すポリSi膜7の孔径でエッ
チングが始まり、反応気体に対するシリコン基板1との
選択比の小さなポリSi膜7はシリコン基板1のエッチ
ングの進行に伴なってエッチングされ、上記の孔径は逐
次大きくなり、図3(c)に示すようにエッチングされ
る。
【0008】このようなエッチングによりシリコン基板
1に形成されるトレンチ3の形状は最終的には外広がり
の順テーパー形状となる。
【0009】又別の研究ではシリコン基板のエッチング
中にトレンチ側壁保護膜を形成し、さらにドライエッチ
ングの放電電力を変化させることで、側壁にテーパーを
つける方法も検討されている。例えば、特開平2−26
0424号公報に開示されているものもその一つであ
る。以下その方法について、図4を参照して説明する。
【0010】図4(a)では、シリコン基板1上にSi
2 からなるマスク2を形成する。次に電子サイクロト
ロン共鳴放電エッチング(以下ECRエッチングと記
す)装置により、シリコン基板1を異方性エッチングす
る。その際、エッチング反応気体として6フッ化硫黄
(SF6 )と4塩化シリコン(SiCl4 )の気体を使
用し、さらに側壁保護膜形成気体として2フッ化メタン
(CH2 2 )と酸素(O2 )を使用し、ECRドライ
エッチング装置の高周波出力を80Wとする。この条件
により高いエネルギーを持つ陽イオンがシリコン基板1
に対して垂直に入射し、マスク2で覆われていないシリ
コン基板1はエッチングされながら、マスク2の側壁及
びエッチングされたシリコン基板1の側壁に保護膜8が
形成される。この側壁に形成された保護膜8は横方向の
エッチングを防ぎ、垂直な形状を持つトレンチ3が形成
される。
【0011】続いてエッチングの放電を維持したまま、
ECRドライエッチング装置の高周波電力を80Wから
40Wにまで低下させてさらにエッチングを進めると、
入射する低いエネルギーを持つ陽イオンではトレンチ底
部のコーナー部の保護膜8を充分にエッチングすること
ができない。一方、底部の保護膜は完全にエッチングさ
れるため、トレンチ3底部のコーナー部がトレンチ底部
よりもシリコンのエッチングレートが遅くなり、図4
(b)に示すようにテーパーを持つトレンチ3が形成さ
れる。最後に図4(c)に示すように、マスク2と保護
膜8を除去してテーパー状のトレンチ3の形成が終了す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の中
で図2で説明したマスクの開孔部側面にトレンチエッチ
ングマスクとしてポリSi膜7を残して基板をエッチン
グする法には以下の問題点が存在する。
【0013】第1にトレンチ側壁のテーパー角はマスク
の開孔部側面に残すポリSi膜の厚さに大きく依存す
る。ポリSi膜の厚さの精密な制御はエッチングのばら
つき等によって困難となっているため、テーパー角の正
確なコントロールが行えない。第2にマスクの開孔部側
面に残すポリSi膜の厚さはマスク材料の厚さ以上には
できない。テーパーを有するトレンチの形成は、エッチ
ング中、同時にエッチングされるポリSi膜がまだ存在
している段階でしか行えない。従ってテーパーを有する
トレンチの深さの限界はポリSi膜の厚さによって決定
されてしまう。第3にポリSi膜成長やエッチングとい
った余分な工程が付加され、製造工程が冗長になる。
【0014】又、図4で説明したトレンチ側壁に保護膜
を形成し、さらにドライエッチングの放電電力を途中で
変化させる方法では、高周波電力を異なる2段階以上の
多段階にしてエッチングを実施しなければならないた
め、なめらかなテーパー角が得られず、そのため所望の
テーパー角を得るような制御が困難である。
【0015】この様に従来技術の共通の問題点は、トレ
ンチ側壁に形成されるテーパー角の任意の制御が困難に
なっているという点である。特に高集積の半導体装置に
おいてはアスペクト比が5〜10程度と大きいトレンチ
が用いられるが、この場合トレンチの側壁テーパー角を
85〜90°の間で任意に制御できる形成方法が要求さ
れている。
【0016】本発明の目的は半導体基板に形成するトレ
ンチに任意のテーパー角を形成できるドライエッチング
装置及びドライエッチング方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明のドライエッ
チング装置は、エッチング室と、このエッチング室内の
下部に設けられ半導体ウェハーを保持し陰極となる下部
電極と、この下部電極に対向し前記エッチング室の上部
に設けられ内部が空胴の陽極となる上部電極と、この上
部電極の下面を構成する格子状グリッドと、前記上部電
極に設けられ不活性ガスボンベに接続するガス導入口
と、前記上部電極の内部に設けられ水平方向に支持され
たリング状陰極と、このリング状陰極と前記上部電極間
に接続された直流電源とを含むことを特徴とするもので
ある。
【0018】第2の発明のドライエッチング方法は、第
1の発明のドライエッチング装置を用い、下部電極上に
保持したシリコン基板をエッチングする際に、上部電極
とリング状陰極間に印加する直流電圧を時間と共に減衰
させてエッチングすることを特徴とするものである。
【0019】平行平板型の反応性ドライエッチング装置
を用い、臭化水素(HBr)と塩素(Cl2 )の混合気
体をプラズマ化し、発生した陽イオンをセルフバイアス
によって垂直方向に加速し、シリコン基板を異方性エッ
チングしてトレンチを形成する際、プラズマ中に存在す
るCl* ,Br* といったラジカルはファンデルワール
ス(Van der Waales)力によってトレン
チ側壁に物理吸着している。本発明では、上部電極(陽
極)内にリング状陰極を設けており、ネオン(Ne)を
導入しながら、リング状陰極と陽極の間に正の直流電圧
を印加すると、陽極内では発生した電子がリング状陰極
近傍に形成されるサドルフィールド(Saddle F
ield)で加速され、8の字の周期運動を行いプラズ
マを発生させる。一方、上部電極内部の下部では2次電
子等で構成される低エネルギー電子雲が高密度に存在
し、セルフバイアスで加速されたNeイオンを中性化す
る。その結果、上部電極からは10°程度の発散角を持
った高速中性原子(Ne)ビームが射出される。
【0020】RIEでの異方性エッチングの際導入され
た中性原子ビームは、トレンチの側壁に物理吸着してい
るラジカルを攻撃し、その運動エネルギーをラジカルに
付与することにより側壁のアシストエッチングを生じさ
せる。側壁のアシストエッチングはサイドエッチング成
分となり、そのサイドエッチング速度はリング状陰極に
印加する直流電圧に比例する。従って、直流電圧をエッ
チング時間の関数として制御すれば、トレンチホールの
側壁テーパー角を任意に制御可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の断面
図であり、本発明を反応性イオンエッチング(RIE)
装置に適用した場合を示す。
【0022】図1を参照するとドライエッチング装置
は、エッチング室10と、このエッチング室10内の下
部に設けられシリコンのウェハー19を保持し陰極とな
る下部電極13と、この下部電極13に対向しエッチン
グ室10の上部に設けられ内部が空胴の陽極となる上部
電極12と、この上部電極12の下面を構成する格子状
グリッド22と、上部電極12の上部に設けられNeボ
ンベ20に接続するガス導入口26と、上部電極12の
内部に設けられ水平方向に支持されたリング状陰極11
と、このリング状陰極11と上部電極12間に接続され
た直流電源21と、エッチング室10に接続されたHB
rボンベ14とCl2 ボンベ15とから主に構成され
る。尚図1において16はマスフローコントローラ,1
7はブロッキングコンデンサ,18は高周波電源,25
は排気用ポンプである。
【0023】次にこのように構成されたドライエッチン
グ装置の動作と共に、第2の実施の形態としてのシリコ
ン基板のエッチング方法について説明する。
【0024】エッチング室10内は真空排気用ポンプ2
5より真空排気され10-2Paの圧力に保たれている。
又エッチング室10内にはエッチングガスとしてHBr
ボンベ14よりHBr気体30SCCMとCl2 ボンベ
15よりCl2 気体10SCCMを同時にマスフローコ
ントローラ16を介して導入する。上部電極12は接地
し、表面に被エッチング用のシリコンウェハー19を設
置した下部電極9にブロッキングコンデンサ17を経由
して接続した高周波電源18より13.56MHz,1
00Wの高周波電力を印加すると、エッチング室10内
に導入したHBrとCl2 の混合気体はグロー放電によ
りプラズマ化される。発生したプラズマ中の電子の移動
度はイオンのそれに比べて非常に大きいので、電子は接
地された陽極である上部電極12に向って流れ、その結
果として上部電極12と下部電極9の間に電流が流れて
ブロッキングコンデサ17に電荷が蓄積される。両電極
間に高周波電力が印加されたままブロッキングコンデン
サ18に電荷が蓄積されると、陰極の電位降下が生じて
下部電極9の表面近傍にイオンシース層が形成される。
イオンシース層内では活性な陽イオン粒子(この場合は
Br+ ,Cl+ の両イオンである)が垂直下向きの電界
によって加速され、大きな運動エネルギーを得る。垂直
下向き方向に加速されたBr+ イオン,Cl+ イオンは
ウェハー19のシリコン露出面を攻撃し、以下の化学反
応を生じながら、シリコンを反応性エッチングする。
【0025】Si+4Br+ →SiBr4 ↑ Si+4Cl+ →SiCl4 ↑ 各陽イオン粒子は電界によって垂直下向きに加速されて
いるので、シリコンのエッチングは異方的となり、エッ
チングの結果ウェハー19内に形成されるトレンチの側
壁は垂直となる。
【0026】ところで、この垂直異方性エッチングの最
中では、プラズマ中に存在するBr* ,Cl* といった
電荷を帯びていないラジカルは、イオンシース層内の電
界の加速を受けないため、シリコンのエッチングには寄
与せず、その一部はエッチング中のトレンチホール側壁
にファンデルワールス力によって物理吸着している。ト
レンチ底部は絶えずBr+ ,Cl+ イオンによって異方
性エッチングされているため、ラジカルの物理吸着は生
じない。一方上部電極12上部よりNe気体ボンベ20
よりNe気体を5SCCMの流量となるようにマスフロ
ーコントローラ16で制御して導入し、さらにリング状
陰極11に直流電源21より正の直流電圧+5kVを印
加する。上部電極12の下部には格子状グリッド22が
あり、エッチング室12と接続されているため、円筒状
の上部電極12内も10-2Paの圧力に保たれる。この
状態では、上部電極12内に導入されたNe気体は、グ
ロー放電によりプラズマ化される。プラズマ中に存在す
る電子は、リング状陰極11近傍に形成されるサドルフ
ィールドにより加速され、8の字の周期運動23を行
う。同時にプラズマ中に発生した陽イオンNe+ もサド
ルフィールドにより加速され、グリッド22方向の運動
エネルギーを持つ。
【0027】ところがグリッド22の直前には2次電子
などで構成された低エネルギー電子雲24が待ち構えて
おり、加速された陽イオンNe+ はこの低エネルギー電
子雲24を通過する際全て電子捕獲により中性化され
る。従ってグリッド22からは中性化された高速原子ビ
ームNe0 が得られる。Ne0 電子ビームのフラックス
密度は約50μA/cm2 相当であり、約10°の発散
角を持つ。上述のRIE装置のエッチングによるトレン
チ形成中に、この高速中性原子ビームをグリッド22よ
りエッチング室10に導入すると、中性原子はイオンシ
ース層内の電界の影響を受けず、又発散角を持つため、
トレンチ側壁に物理吸着しているBr* ,Cl* といっ
たラジカルに衝突する。高速中性原子ビームの衝突によ
り運動エネルギーを得た吸着ラジカルはここで初めてシ
リコンとの反応を起こし、側壁のアシストエッチングを
生じる。側壁のアシストエッチングはトレンチのサイド
エッチング成分となる。
【0028】高速中性原子ビームの衝突により高いエネ
ルギーを得た吸着ラジカルは、次の反応式でシリコンと
の反応を生じ、トレンチの側壁をサイドエッチングす
る。
【0029】Si+4Cl* →SiCl4 ↑ Si+4Br* →SiBr4 ↑ なお、イオンシース層内の垂直下向きの電界によって加
速され、垂直異方性エッチングを生じている陽イオンB
+ ,Cl+ は高速中性原子ビームの100倍程度の加
速度を持つため、中性原子の衝突の影響は受けない。こ
の陽イオンBr+ ,Cl+ はシリコン基板を反応性イオ
ンエッチングして、垂直異方性のエッチング形状を残す
だけで、高速中性原子ビームによるサイドエッチングと
は全く独立した成分と考えて差し支えない。
【0030】高速中性原子ビームによるサイドエッチン
グのエッチング速度は、トレンチ側壁に物理吸着してい
るラジカルへ衝突する高速中性原子の衝突効率によって
決定される。衝突効率はグリッド22より得られる高速
中性原子ビームのフラックス密度に依存し、フラックス
密度はリング状カソード11に印加する直流電圧に影響
を受けると考えられるので、結局側壁のサイドエッチン
グ速度はリング状陰極11への印加電圧で決定される。
実際には、本発明のドライエッチング装置で直流電源2
1の印加電圧とトレンチのサイドエッチング速度の関係
は図5に示した通りとなる。図5では、印加電圧が10
kV以下の領域ではサイドエッチング速度が電圧に比例
して直線的に増加する直線領域である。印加電圧が10
kVを越えると、高速中性原子が衝突してサイドエッチ
ング反応を生じる吸着ラジカルの数が飽和して、サイド
エッチング速度も直線的な増加を示さなくなる。なお、
直線領域の傾きγは下部電極9とグリッド22の間隔に
依存する。本発明の場合、両者の間隔は200mmにし
ている。直線領域での側壁サイドエッチング速度f(n
m・min-1)とリング状陰極11への印加電圧V(k
V)の間には次の(1)式 f=γV(V≦10kV)・・・(1) という関係がある。γは定数で、本発明の場合はγ=3
nm・min-1・kV-1となった。
【0031】本発明のドライエッチング装置を使用し
て、シリコン基板上にトレンチを形成した場合の、トレ
ンチ側壁の形状について考察する。図6はトレンチホー
ル側壁の形状を導出するための断面図である。シリコン
基板1上にトレンチを形成するためのマスク2がパター
ニングされている。シリコン基板1上にトレンチ3を開
孔した場合のトレンチ側壁の形状をマスク2の下部より
垂直下向きに測定した距離xの関数F(x)とする。ト
レンチ3の最終深さをTとすれば、F(x)は0≦x≦
Tの範囲で定義されるxの関数である。0≦x≦Tの範
囲内のある垂直深さxでのサイドエッチング量F(x)
は、深さxを垂直にエッチングするのに要しな時間をt
x とすると、次の(2)式となる。
【0032】
【0033】fはサイドエッチング速度、ttotal はエ
ッチング開始してから終了するまでの全エッチング時間
である。今、fは(1)式に示すように時間によらず一
定、すなわちリング状陰極11への印加電圧Vを一定に
してエッチングを実施するとすると、F(x)は(3)
式となる。
【0034】 F(x)=f(ttotal −tx )・・・(3) Br+ ,Cl+ イオンによる垂直異方性エッチングのエ
ッチング速度をβとすると、ttotal とtxは(4),
(5)式となり、 ttotal =T/β・・・(4) tx =x/β ・・・(5) (1),(4),(5)式を(3)式に代入してF
(x)を求めると(6)式となる。
【0035】 F(x)=(γV/β)(T−x)・・・(6) (6)式より、トレンチ側壁は直線的なテーパー形状と
なっていることがわかる。側壁のテーパー角をθとする
と、θは(7)式で与えられる。
【0036】θ=tan-1(β/γV)・・・(7) 垂直異方性エッチングのエッチング速度βは本発明の場
合500nm・min-1であり、γ=3nm・min-1
・kV-1であるので、トレンチ側壁のテーパー角θは印
加電圧Vのみに依存する量であることがわかる。
【0037】すなわち本発明では、トレンチの側壁テー
パー角をリング状陰極11への印加電圧Vによって自在
に制御可能となっている。図7は本発明における印加電
圧Vと側壁テーパー角θの関係を表わしている。図7か
ら明らかなように、本発明では印加電圧Vによって側壁
テーパー角を86.5°〜90°の間で任意に制御可能
となっている。この結果、外広がりなテーパー形状の側
壁を持ち、開口部の角部が鋭角である従来の方法では得
られなかった形状のトレンチを形成することが可能とな
る。
【0038】次にトレンチの形状について更に説明す
る。図1のリング状陰極11に印加し、直流電源21で
制御する印加電圧Vをエッチング時間の関数として制御
する。今、印加電圧Vを(8)式のようにエッチング時
間tの指数関数として制御することを考える。
【0039】 V(t)=Vo exp(−αt)(α>0,Vo ≦10kV)・・・(8) V(t)はエッチング時間tとともに緩やかに減衰する
量であり、t=0での初期電圧Vo を10kV以下と定
義すれば、V(t)は常に図5の直線領域内の値をと
る。そのためサイドエッチング速度fと印加電圧V
(t)の間には(1)式の関係が成立し、サイドエッチ
ング速度fも次の(9)式で関係づけられるエッチング
時間tの関数となる。
【0040】 f(t)=γVo exp(−αt)・・・(9) (2)式に(4),(5),(9)式を代入して積分を
解けば、トレンチ側壁の形状F(x)は次の(10)式
のような深さxの関数となる。
【0041】
【0042】(10)式よりトレンチ側壁は指数関数の
曲率を持つ外広がりでなだらかな形状となっていること
がわかる。本実施の形態の場合、側壁の曲率は初期電圧
o(≦10kV)と減衰率α(>0)を選択すること
で任意に制御できる。すなわち、側壁の形状,曲率は垂
直深さ方向の距離xの関数として任意にデザイン可能で
ある。
【0043】尚、上記実施の形態ではエッチングガスと
してHBr+Cl2 を用いたが、HFやHF+Cl2
はHCl+Cl2 を用いてもよい。又不活性ガスとして
Neを用いたがArであっても同様の効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、平行平板
型の反応性イオンエッチング装置において、接地した空
胴の上部電極内にリング状陰極を設け、リング状陰極と
上部電極の間に正の直流電圧を印加し、トレンチ側壁に
物理吸着したラジカルに高速中性原子ビームを衝突させ
サイドエッチング成分を誘起させることにより、エッチ
ィングしたトレンチの側壁を所望の角度を有するテーパ
ー形状にできるという効果がある。またリング状陰極の
印加電圧をエッチング時間の関数として制御することに
より、外広がりでなだらかな曲率を持つトレンチの側壁
を形成することも可能である。さらにトレンチ側壁のテ
ーパー角や曲率等による形状は垂直深さ方向の関数とし
て任意にデザインできるという利点もある。
【0045】本発明で得られる特異的な効果のため、ト
レンチ開口部の角部は鈍角となり、また側壁が外広がり
でなだらかなテーパー形状となっているために、後工程
の絶縁膜形成で反応気体分子がトレンチの奥深くまで回
り込んで成長可能となり、絶縁膜の段差被覆性が良好と
なる。そのためボイドの発生がなくなり、絶縁物内のク
ラック等の不具合発生もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図。
【図2】従来の半導体装置のトレンチ形成と絶縁物埋設
方法を説明する為の断面図。
【図3】従来の半導体装置のトレンチ形成方法を説明す
る為の断面図。
【図4】従来の他の半導体装置のトレンチ形成方法を説
明する為の断面図。
【図5】リング状陰極への印加電圧とサイドエッチング
速度の関係を示す図。
【図6】トレンチ側壁形状を示す断面図。
【図7】リング状陰極への印加電圧と側壁テーパー角の
関係を示す図。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 マスク 3 トレンチ 4 鋭角の角部 5 絶縁物 6 ボイド(空胴) 7 ポリSi膜 8 保護膜 10 エッチング室 11 リング状陰極 12 上部電極 13 下部電極 14 HBrボンベ 15 Cl2 ボンベ 16 マスフローコントローラ 17 ブロッキングコンデンサ 18 高周波電源 19 被エッチングウェハー 20 Neボンベ 21 直流電源 22 格子状グリッド 23 8の字周期運動 24 低エネルギー電子雲 25 ポンプ 26 ガス導入口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング室と、このエッチング室内の
    下部に設けられ半導体ウェハーを保持し陰極となる下部
    電極と、この下部電極に対向し前記エッチング室の上部
    に設けられ内部が空胴の陽極となる上部電極と、この上
    部電極の下面を構成する格子状グリッドと、前記上部電
    極に設けられ不活性ガスボンベに接続するガス導入口
    と、前記上部電極の内部に設けられ水平方向に支持され
    たリング状陰極と、このリング状陰極と前記上部電極間
    に接続された直流電源とを含むことを特徴とするドライ
    エッチング装置。
  2. 【請求項2】 上部電極は上部がシールされた円筒状で
    ある請求項1記載のドライエッチング装置。
  3. 【請求項3】 不活性ガスはNe又はArである請求項
    1記載のドライエッチング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のドライエッチング装置を
    用い、下部電極上に保持したシリコン基板をエッチング
    する際に、上部電極とリング状陰極間に印加する直流電
    圧を時間と共に減衰させてエッチングすることを特徴と
    するドライエッチング方法。
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