JP3250269B2 - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JP3250269B2 JP24084092A JP24084092A JP3250269B2 JP 3250269 B2 JP3250269 B2 JP 3250269B2 JP 24084092 A JP24084092 A JP 24084092A JP 24084092 A JP24084092 A JP 24084092A JP 3250269 B2 JP3250269 B2 JP 3250269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等に適
用されるドライエッチング方法に関し、特にHEMT
(高電子移動度トランジスタ)のゲート・リセス形成工
程におけるGaAs/AlGaAs選択エッチング等
を、パーティクル汚染を発生させずに行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaAsMES−FET(metal
semiconductor field effec
t transistor)を単一基板上に集積化した
MMIC(monolithic microwave
IC)は、高速高周波応答性、低雑音、低消費電力等
の特長を有し、近年、移動体通信や衛生通信用のデバイ
スとして利用されつつある。
【0003】1980年には、上記GaAsMES−F
ETのさらなる高速化を目指した研究から、HEMT
(high electron mobility t
ransistor)が開発されている。これは、Ga
As化合物半導体のヘテロ接合界面における2次元電子
ガスが、不純物による散乱を受けることなく高速で移動
できることを利用したデバイスである。このHEMTに
ついても高集積化を実現するための研究が続けられてお
り、その加工を行うドライエッチング技術に対する要求
も、より高精度、より高選択比へと向かっている。
【0004】中でも、GaAs/AlGaAs積層系を
選択的にエッチングしてゲート・リセスを形成する工程
は、HEMT,ヘテロMIS構造FETなどのヘテロ接
合FETの閾値電圧を決める重要な技術である。それ
は、下層側のAlGaAs層における不純物濃度や厚さ
等が、上層側のGaAs層のみを除去すれば然るべき閾
値電圧をもつFETが構成できるように予め設定されて
いるからである。このAlGaAs層上におけるGaA
s層の選択エッチング方法としては、CCl2 2 等の
CFCガスと希ガスの混合ガスを用いる方法が代表的な
ものである。これは、Gaが主として塩化物、Asがフ
ッ化物および塩化物を形成することによりGaAs層が
除去される一方で、下地のAlGaAs層が露出した時
点では蒸気圧の低いAlFx (フッ化アルミニウム)が
表面に形成されてエッチング速度が低下し、高選択比が
得られるからである。
【0005】たとえば、Japanese Journ
al of Applied Physics,Vo
l.20.,No.11(1981),p.L847〜
850には、CCl2 2 /He混合ガスを用いて選択
比200を達成した例が報告されている。
【0006】しかしながら、上述のCCl2 2 等のC
FCガスは、いわゆるフロン・ガスと通称されている化
合物の一種であり、周知のように地球のオゾン層破壊の
原因とされているため、近い将来にも製造・使用が禁止
される運びである。したがって、ドライエッチングの分
野においても代替ガス、およびその使用技術を開発する
ことが急務となっている。また、上述のCFCガスは、
エッチング反応系内にフルオロカーボン系ポリマーを大
量に生成させ易い。このポリマーは、パターン側壁部に
堆積して側壁保護効果を発揮するので異方性加工に寄与
しているが、その反面、エッチング速度の不安定化やパ
ーティクル・レベルの悪化等を招き易い。
【0007】そこで、脱CFC対策の一環として、本願
出願人は先に特願平3−308327号明細書におい
て、側壁保護物質としてイオウ(S)を利用するドライ
エッチング方法を提案している。これは、ウェハ温度が
おおよそ90℃未満の領域では堆積し、これ以上に加熱
された場合には容易に昇華するというSの性質を利用す
るものであり、下地にダメージを与えずに低汚染,高異
方性加工を行うことが可能となる。この際のエッチング
・ガスに要求される性質としては、放電解離条件下で遊
離のSを放出すること、下地のAlGaAs層に対する
選択性を確保するためのF* を生成できること、および
エッチング反応生成物の蒸気圧を考慮して適宜他のハロ
ゲン・ラジカルを生成できること、等である。本願出願
人は具体的なエッチング・ガス組成として、S2 2
Cl2 系、S2 2 /S2 Cl2 系、S2 Cl2 /Cl
3 系、S2 2 /Cl2 /H2 S系等の各種の混合ガ
ス系を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミニウ
ムを含有する化合物半導体層(以下、Al含有化合物半
導体層と称する。)上におけるアルミニウムを含有しな
い化合物半導体層(以下、非Al含有化合物半導体層と
称する。)のドライエッチングでは、下地選択性の達成
が、原理的にAlFx の生成にもとづいている。この点
は、CFCガスを用いる方法も、本願出願人が先に提案
したS堆積プロセスも変わりはない。
【0009】たとえば、AlFx の典型的な化合物であ
るAlF3 は融点が1040℃であり、その蒸気圧の低
さ故にエッチングを停止する機能を果たしているわけで
あるが、このことはAlFx 自身がパーティクル源とな
る危険性にも直結している。したがって、後工程におけ
る各種プロセスの信頼性を向上させるためには、このA
lF3 を効率良く除去することが望まれる。
【0010】そこで本発明は、Al含有化合物半導体層
上における非Al含有化合物半導体層の選択エッチング
を、クリーンな条件下で行うことが可能なドライエッチ
ング方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
であり、基板上のAl含有化合物半導体層の上に積層さ
れた非Al含有化合物半導体層を、フッ素系化合物を含
むエッチング・ガスを用いて選択的にエッチングする第
1の工程と、前記Al含有化合物半導体層の露出面上に
形成されたAlFx を、前記基板を加熱することにより
除去する第2の工程とを有することを特徴とする。
【0012】本発明はまた、前記Al含有化合物半導体
装置の露出面上に同様に形成されたAlFx を、フッ素
以外のハロゲン元素を構成元素として有するハロゲン系
化合物を含むエッチング・ガスを用いて除去することを
有することを特徴とする。
【0013】本発明はまた、AlFx の除去を行う際に
前記基板を加熱することを特徴とする。
【0014】本発明はさらに、AlFx の除去を行う際
に入射イオン・エネルギーを相対的に低減させることを
特徴とする。
【0015】
【作用】本発明では、非Al含有/Al含有化合物半導
体の積層系の選択エッチングにおいて下地選択性の確保
の根拠となっているAlFx を、エッチング終了後に基
板(ウェハ)を加熱するか、あるいは他のハロゲン化ア
ルミニウムに変化させて除去する。
【0016】AlF3 は、13.3Pa(0.1Tor
r)程度の真空条件下では1300℃付近で揮発するこ
とが知られている。しかし、Al含有化合物半導体層の
露出面上に生成するフッ化アルミニウムは、上述のAl
3 の形ではほとんど存在せず、AlFx (x=1〜
2)のフラグメントが混在した状態であると考えられ、
実際の揮発点は低下すると考えられる。したがって、エ
ッチング終了後にウェハを加熱すれば、AlFx が揮発
除去され、パーティクル汚染を防止することができる。
【0017】一方、CRC Handbook of
Chemistry and Physics,71s
t Edition,p.6−50(CRC Pres
s,Inc.)に記載されたデータにもとづき各種ハロ
ゲン化アルミニウムの融点を比較してみると、AlCl
3 は192.4℃、AlBr3 は97.5℃であり、い
ずれもAlF3 の1040℃よりはかなり低い。このこ
とから、AlClx やAlBrx は、AlFx よりも除
去が容易であり、パーティクル汚染を惹起させる懸念が
ほとんどないことがわかる。
【0018】本発明では、このAlFx をAlClx
AlBrx 等の形で除去するために、ClやBr等を構
成元素として有するハロゲン系化合物を含むエッチング
・ガスを使用する。また、このとき基板加熱を同時に行
えば、AlClx やAlBr x の生成および脱離が促進
され、除去が一層速やかに行えるようになる。
【0019】さらに、このAlFx の除去工程における
入射イオン・エネルギーを、非Al含有化合物半導体層
のエッチング時よりも下げれば、下地のAl含有化合物
半導体層に新たなダメージを与える虞れが少なくなる。
この場合の入射イオン・エネルギーは全くのゼロでも良
いが、適当な値に最適化されていれば、先のエッチング
工程において生じたダメージ層を除去する、いわゆるラ
イトエッチの効果も期待できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0021】実施例1 本実施例は、本発明をHEMTのゲート・リセス加工に
適用し、n+ −AlGaAs層上のn+ −GaAs層を
2 2 /S2 Cl2 混合ガスを用いてエッチングした
後、ウェハを加熱した例である。このプロセスを、図1
を参照しながら説明する。
【0022】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用したウェハは、図1(a)に示されるように、
半絶縁性GaAs基板1上にエピタキシャル成長により
形成され、バッファ層として機能する厚さ約500nm
のepi−GaAs層2、厚さ約2nmのAlGaAs
層3、Si等のn型不純物がドープされた厚さ約30n
mのn+ −AlGaAs層4、同様にn型不純物を含む
厚さ約100nmのn + −GaAs層5、所定の形状に
パターニングされたレジスト・マスク(PR)6が順次
積層されてなるものである。上記レジスト・マスク6の
パターニングは、電子ビーム描画法による露光と現像処
理により行われており、開口部6aの開口径は約300
nmである。
【0023】上記n+ −GaAs層5をエッチングする
ため、このウェハをRFバイアス印加型の有磁場マイク
ロ波プラズマ・エッチング装置にセットした。エッチン
グ条件の一例を以下に示す。 S2 2 流量 20 SCCM S2 Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 1.3 Pa(10mTor
r) マイクロ波パワー 850 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20 W(2MHz) ウェハ温度 −10 ℃(アルコール系冷媒
使用)
【0024】ここで、上記S2 2 /S2 Cl2 混合ガ
ス系は、本願出願人が先に特願平3−308327号明
細書において提案したものである。S2 2 から生成す
るF * は、n+ −GaAs層5中のAsをAsF3 ,A
sF5 等の形で引き抜く。また、S2 Cl2 から生成す
るCl* は、n+ −GaAs層5中のAsおよびGa
を、AsCl3 ,GaCl3 等の形で引き抜く。これら
のラジカル反応は、S+,SFx + ,Cl+ ,SClx
+ 等のイオンの入射エネルギーにアシストされる。一
方、S2 2 およびS2 Cl2 は、同じハロゲン化イオ
ウでも従来からエッチング・ガスとして良く知られてい
るSF6 とは異なり、放電解離条件下でプラズマ中に遊
離のSを生成することができる。このSは、イオンの垂
直入射が原理的に生じないパターンの側壁部に堆積し、
図1(b)に示されるような側壁保護膜7を形成した。
【0025】この結果、上記エッチングは異方的に進行
し、垂直壁を有するリセス5aが形成された。このと
き、下地のn+ −AlGaAs層4が露出した部分で
は、その表面にAlFx 層8が形成され、エッチング速
度を大幅に低下させる役割を果たした。
【0026】上記側壁保護膜7およびAlFx 層8は、
エッチング終了後にウェハを約400℃に加熱したとこ
ろ、図1(c)に示されるように速やかに昇華除去さ
れ、ウェハ上に何らパーティクル汚染を惹起させること
はなかった。
【0027】これ以降のゲート電極の形成は、常法にし
たがって行った。このプロセスを、図2を参照しながら
説明する。すなわち、まず図2(a)に示されるよう
に、一例として電子ビーム蒸着により厚さ約200nm
のAl層を形成した。この蒸着は、微細な開口径を有す
るリセス5aの内部においてステップ・カバレッジ(段
差被覆性)が劣化することをうまく利用したものであ
る。このプロセスにより、レジスト・マスク6の表面に
は上部Al層9a、リセス5a底部には後にゲート電極
となる下部Al層9bがそれぞれ形成された。
【0028】この後、レジスト・マスク6をリフト・オ
フすると、図2(b)に示されるように上部Al層9a
も同時に除去され、リセス5a底部の下部Al層9bの
みを残してゲート電極を形成することができた。
【0029】実施例2 本実施例は、同様のゲート・リセス加工において、Al
x 層をCl2 ガスを用いて除去した例である。このプ
ロセスを、前出の図1に加えて図3も併せて参照しなが
ら説明する。上記n+ −GaAs層5のエッチングは、
実施例1で上述した条件により行い、図1(b)に示さ
れる状態のウェハを得た。
【0030】次に、エッチング条件を一例として次のよ
うに切り替え、AlFx 層8を除去した。 Cl2 流量 30 SCCM ガス圧 6.7 Pa(50mTor
r) マイクロ波パワー 500 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 0 W ウェハ温度 −10 ℃ この工程では、Cl* の作用によりAlFx 8層が分解
し、図3に示されるように、AlClx の形で除去され
た。このとき、RFバイアス・パワーが印加されていな
いので、AlFx 層8が除去されて下地のn+ −AlG
aAs層4が露出した後も、このn+ −AlGaAs層
4に不要なダメージが発生することはなかった。
【0031】また、この段階ではパターン側壁部がSの
側壁保護膜7により保護されているため、リセス5aの
異方性形状が劣化することはなかった。
【0032】続いて、ウェハを約90℃に加熱し、Sか
らなる側壁保護膜7を昇華除去した。これにより、ウェ
ハは図1(c)に示される状態と同じになった。これ以
降のゲート電極の形成方法は、実施例1で述べたとおり
である。
【0033】実施例3 本実施例では、Cl2 を用いるAlFx の除去時にウェ
ハ加熱を行った例である。このプロセスを、前出の図1
に加えて図4も併せて参照しながら説明する。n+ −G
aAs層5のエッチングは、実施例1と同じ条件により
行い、前述の図1(b)に示される状態のウェハを得
た。
【0034】次に、ウェハを真空ロード・ロック機構を
介して接続された別チャンバに移送し、一例として下記
の条件でAlFx 層8を除去した。 Cl2 流量 30 SCCM ガス圧 6.7 Pa(50mTor
r) マイクロ波パワー 500 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 5 W(2MHz) ウェハ温度 100 ℃
【0035】ここで、ウェハをエッチング時とは別のチ
ャンバに移送したのは、ウェハ温度の設定値がエッチン
グ時とAlFx 層8の除去時とで大きく異なるため、ウ
ェハ温度安定化のための所要時間によりスループットを
低下させないためである。この工程におけるウェハ加熱
は、ウェハ・ステージの内蔵ヒータにより行った。この
処理により、図4に示されるようにAlFx 層8がAl
Clx の形で除去されると同時に、側壁保護膜7も加熱
除去された。
【0036】本実施例では、ウェハ温度を上昇させ、ま
たエッチング時よりはかなり低いものの若干のRFバイ
アス・パワーを印加して入射イオン・エネルギーの寄与
も見込める条件を設定している。このため、実施例2と
比べて一層速やかにAlFx層8を除去することができ
た。また、かかる弱いRFバイアス・パワーの印加によ
り、先のエッチングで生じたわずかなダメージ層をライ
トエッチすることができた。
【0037】実施例4 本実施例は、同様のゲート・リセス加工において、Al
x 層をHBrガスを用いて除去した例である。n+
GaAs層5がエッチングされ、n+ −AlGaAs層
4の露出面上にAlFx 層8が形成されるまでの工程
は、前述したとおりである。
【0038】本実施例では、このAlFx 層8を、一例
として下記の条件により除去した。 HBr流量 30SCCM ガス圧 6.7Pa(50mTorr) マイクロ波パワー 500W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 0W ウェハ温度 −10℃
【0039】本実施例でハロゲン系エッチャントとして
Br* を利用したのは、Alのハロゲン化物の蒸気圧を
比較した既知のデータにもとづいている。たとえば、C
RCHandbook of Chemistry a
nd Physics,58th Edition(C
RC Press,Inc.)には、125℃以下の温
度域ではAlCl3 の蒸気圧よりもAlBr3 の蒸気圧
の方が高いことが示されている。上記の条件は、ガスの
種類以外は前述の実施例2と同じであるが、Br* の作
用により蒸気圧の高いAlBrx が生成するため、Al
x 層8の除去は一層速やかに進行した。
【0040】実施例5 本実施例は、HBrを用いるAlFx の除去時にウェハ
加熱を行った例である。本実施例では、図1(b)に示
される状態のウェハをエッチング・チャンバとは別のチ
ャンバに移送し、下記の条件でAlFx 層8を除去し
た。
【0041】HBr流量 30 SCCM ガス圧 6.7 Pa(50mTor
r) マイクロ波パワー 500 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 5 W(2MHz) ウェハ温度 100 ℃
【0042】本実施例では、Alと蒸気圧の高い化合物
を生成するBr* をエッチャントとして利用し、前述の
実施例4に比べてウェハ温度とRFバイアス・パワーを
上昇させている。つまり、反応生成物自身の脱離速度の
上昇と若干のイオン・スパッタ作用の寄与により、Al
x 層8の除去速度は実施例4よりもさらに向上した。
また、ごく少量のダメージ層もライトエッチにより完全
に除去された。
【0043】以上、本発明を5例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明は上述の実施例に何ら限定されるも
のではない。まず、上述の実施例では化合物半導体層の
積層系としてGaAs/AlGaAs積層系を例示した
が、本発明は下層側にAlが含まれていれば従来公知の
他の化合物半導体の積層系にも適用可能である。たとえ
ば、GaP/AlGaP、InP/AlInP、GaN
/AlGaN、InAs/AlInAs等の2元素系/
3元素系の積層系、さらにあるいは3元素系/4元素系
等の積層系等のエッチングにも適用できる。
【0044】また、本発明は非Al含有/Al含有化合
物半導体の積層系の選択エッチングが必要とされるプロ
セスであれば、上述のようなHEMTの製造に限られ
ず、たとえば量子ホールや半導体レーザー素子の加工等
にも適用可能である。
【0045】エッチング・ガスの組成は、上述のS2
2 /S2 Cl2 に限られるものではない。特に、S堆積
プロセスを想定する場合には、本願出願人が先に特願平
3−308327号明細書において提案しているよう
に、プラズマ中にS,F* ,および他のハロゲン・ラジ
カルを供給できるガス系を適宜選択すれば良い。さら
に、本願出願人が特願平3−351306号明細書にお
いて提案しているように、ガス系にN2 等の窒素系化合
物を添加して(SN)x を主体とする窒化イオウ系化合
物を生成させることにより、側壁保護効果の強化および
これに伴う低バイアス化を達成するようにしても良い。
もちろん、冷却効果,希釈効果,スパッタリング効果等
を得る目的で、He,Ar,Xe等の希ガスを適宜添加
しても構わない。
【0046】これらS堆積プロセスおよび窒化イオウ堆
積プロセスでは、エッチング終了後にウェハを加熱して
Sもしくは(SN)x 等からなる側壁保護膜を除去する
ことが必要である。今回の発明において、AlFx を揮
発除去するためのウェハ加熱は実用的にはこれらの側壁
保護物質の昇華温度より高い温度で行われるため、この
とき側壁保護膜も同時に除去できる。したがって、かか
る側壁保護膜の利用は、何ら工程数の増加を招くもので
はない。
【0047】また、AlFx を除去する際に使用される
ハロゲン系化合物としては、上述のCl2 やHBrの
他、HCl,BCl3 ,BBr3 ,Br2 等を使用する
ことができる。Br2 のような液状物質を使用する場合
には、He等の不活性ガスによるバブリングにより気化
させてエッチング反応系へ供給すれば良い。
【0048】さらに本発明は、S堆積プロセスや窒化イ
オウ堆積プロセスによらない従来型のエッチングにも適
用可能である。たとえば、CFCガスを用いない非Al
含有/Al含有化合物半導体の積層系のエッチングとし
ては、Appl.Phys.Lett.,Vol.51
(1987),p.1083においてSiCl4 /SF
6 混合ガスが、またJ.Vac.Sci.Techno
l.B.,Vol.7,No.6(1989),p.1
493においてSiCl4 /SiF4 混合ガスを用いる
方法が、それぞれ提案されている。これらの方法におい
ても、下地選択性の達成はAlFx の生成にもとづいて
いるので、本発明のようなエッチング後のウェハ加熱、
もしくはCl系化合物やBr系化合物によるエッチング
除去を同様に行うことができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、GaAs/AlGaAs積層系に代表
される非Al含有/Al含有化合物半導体の積層系の選
択異方性エッチングにおいて、蒸気圧の低いAlFx
よるパーティクル汚染を防止することが可能となる。特
に、本発明をS堆積プロセスあるいは窒化イオウ堆積プ
ロセスと組み合わせた場合には、有効な脱CFC対策を
提供することができ、高異方性,高選択性,低損傷性,
低汚染性を兼ね備えたプロセスが実現する。
【0050】本発明は、たとえば化合物半導体を利用し
た半導体装置を微細なデザイン・ルールにもとづいて製
造する上で極めて有効であり、さらにこれを高集積化し
てMMIC等を構成することにも多大な貢献をなすもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をHEMTのゲート・リセス加工に適用
したプロセス例をその工程順にしたがって説明する概略
断面図であり、(a)はn+ −GaAs層の上にレジス
ト・マスクが形成された状態、(b)はn+ −GaAs
層が側壁保護膜の形成を伴いながらエッチングされ、リ
セスが形成されると共に、AlFx 層が形成されてエッ
チングが停止した状態、(c)はウェハ加熱によりAl
x 層と側壁保護膜が除去された状態をそれぞれ表す。
【図2】リセス内部へのゲート電極の形成工程をその工
程順にしたがって説明する概略断面図であり、(a)は
レジスト・マスクの表面とリセスの底面に、上部Al層
と下部Al層がそれぞれ被着された状態、(b)はレジ
スト・マスクとその表面の上部Al層が除去され、リセ
スの底面にのみ下部Al層(ゲート電極)が残された状
態を示す概略断面図である。
【図3】本発明をHEMTのゲート・リセス加工に適用
した他のプロセス例において、側壁保護膜を残し、Cl
* の寄与によりAlFx 層のみが除去された状態を示す
概略断面図である。
【図4】本発明はHEMTのゲート・リセス加工に適用
したさらに他のプロセス例において、ウェハ加熱とCl
* の作用とを併用することにより側壁保護膜とAlFx
層が同時に除去された状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・半絶縁性GaAs基板 2 ・・・epi−GaAs層 3 ・・・AlGaAs層 4 ・・・n+ −AlGaAs層 5 ・・・n+ −GaAs層 5a・・・リセス 6 ・・・レジスト・マスク 6a・・・開口部 7 ・・・側壁保護膜(S) 8 ・・・AlFx 層 9a・・・上部Al層 9b・・・下部Al層(ゲート電極)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上のアルミニウムを含む化合物半導
    体層の上に積層されたアルミニウムを含まない化合物半
    導体層を、フッ素系化合物を含むエッチング・ガスを用
    いて選択的にエッチングする第1の工程と、 前記アルミニウムを含む化合物半導体層の露出面上に形
    成されたフッ化アルミニウムを、前記基板を加熱するこ
    とにより除去する第2の工程とを有することを特徴とす
    るドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 基板上のアルミニウムを含む化合物半導
    体層の上に積層されたアルミニウムを含まない化合物半
    導体層を、フッ素系化合物を含むエッチング・ガスを用
    いて選択的にエッチングする第1の工程と、 前記アルミニウムを含む化合物半導体層の露出面上に形
    成されたフッ化アルミニウムを、フッ素以外のハロゲン
    元素を構成元素として有するハロゲン系化合物を含むエ
    ッチング・ガスを用いて除去する第2の工程とを有する
    ことを特徴とするドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程では前記基板を加熱する
    ことを特徴とする請求項2に記載のドライエッチング方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程では前記第1の工程にお
    けるよりも入射イオン・エネルギーを低減させることを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記
    載のドライエッチング方法。
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