JPH05166764A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH05166764A
JPH05166764A JP35130691A JP35130691A JPH05166764A JP H05166764 A JPH05166764 A JP H05166764A JP 35130691 A JP35130691 A JP 35130691A JP 35130691 A JP35130691 A JP 35130691A JP H05166764 A JPH05166764 A JP H05166764A
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JP
Japan
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etching
chemical species
layer
compound semiconductor
gaas
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JP35130691A
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Shingo Kadomura
新吾 門村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロロフルオロカーボン(CFC)ガスを用
いずに、GaAs/AlGaAs積層系の高異方性,高
選択性,低汚染エッチングを行う。 【構成】 HEMTのゲート・リセス加工において、n
+ −AlGaAs層4上のn+ −GaAs層5をS2
2 /S2 Cl2 /N2 混合ガスを用いてエッチングす
る。Ga,Asは、フッ化物,塩化物等の形で除去され
る。また、気相中に放出されるSがN2 と反応してポリ
チアジル(SN)x を主体とする窒化イオウ系化合物が
生成し、これが側壁保護膜7を形成する。したがって、
異方性形状を有するリセス5aが得られる。下地のn+
−AlGaAs層4が露出面上では、S2 2 から生成
するF* の寄与によりAlFx が形成され、エッチング
が停止する。窒化イオウ系化合物は、ウェハ加熱により
容易に昇華,分解できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等に適
用されるドライエッチング方法に関し、特にHEMT
(高電子移動度トランジスタ)のゲート・リセス形成工
程におけるGaAs/AlGaAs選択エッチング等
を、クロロフルオロカーボン(CFC)ガスを使用せず
に行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAsMES−FET(metal
semiconductor field effec
t transistor)を単一基板上に集積化した
MMIC(monolithic microwave
IC)は、高速高周波応答性、低雑音、低消費電力等
の特長を有し、近年、移動体通信や衛生通信用のデバイ
スとして利用されつつある。
【0003】1980年には、上記GaAsMES−F
ETのさらなる高速化を目指した研究から、HEMT
(high electron mobilitytr
ansistor)が開発されている。これは、GaA
s化合物半導体のヘテロ接合界面における2次元電子ガ
スが、不純物による散乱を受けることなく高速で移動で
きることを利用したデバイスである。このHEMTにつ
いても高集積化を実現するための研究が続けられてお
り、その加工を行うドライエッチング技術に対する要求
も、より高精度、より高選択比へと向かっている。
【0004】中でも、GaAs/AlGaAs積層系を
選択的にエッチングしてゲート・リセスを形成する工程
は、HEMT,ヘテロMIS構造FETなどのヘテロ接
合FETの閾値電圧を決める重要な技術である。それ
は、下層側のAlGaAs層における不純物濃度や厚さ
等が、上層側のGaAs層のみを除去すれば然るべき閾
値電圧をもつFETが構成できるように予め設定されて
いるからである。このAlGaAs層上におけるGaA
s層の選択エッチング方法としては、CCl2 2 等の
CFCガスと希ガスの混合ガスを用いる方法が代表的な
ものである。これは、Gaが主として塩化物、Asがフ
ッ化物および塩化物を形成することによりGaAs層が
除去される一方で、下地のAlGaAs層が露出した時
点では蒸気圧の低いAlF3 が表面に形成されてエッチ
ング速度が低下し、高選択比が得られるからである。
【0005】たとえば、Japanese Journ
al of Applied Physics,Vo
l.20.,No.11(1981)p.L847〜8
50には、CCl2 2 /He混合ガスを用いて選択比
200を達成した例が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
選択ドライエッチングには、以下のような問題がある。
まず、上述のCCl2 2 等のCFCガスは、いわゆる
フロン・ガスと通称されている化合物の一種であり、周
知のように地球のオゾン層破壊の原因とされているた
め、近い将来にも製造・使用が禁止される運びである。
したがって、ドライエッチングの分野においても代替ガ
ス、およびその使用技術を開発することが急務となって
いる。
【0007】また、上述のCFCガスは、エッチング反
応系内にフルオロカーボン系ポリマーを大量に生成させ
易い。このポリマーは、パターン側壁部に堆積して側壁
保護効果を発揮するので異方性加工に寄与しているが、
その反面、エッチング速度の不安定化やパーティクル・
レベルの悪化等を招き易い。さらに、エッチング時のイ
オンによる照射損傷を回復させるために、300℃程度
のアニールも必要となる。
【0008】そこで本発明は、Alを含有する化合物半
導体層(以下、Al含有化合物半導体層と称する。)上
におけるAlを含まない化合物半導体層(以下、非Al
含有化合物半導体層と称する。)の選択エッチングを、
CFCガスを使用せずに、高選択比、高異方性、低汚染
性、低損傷性をもって行う方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
である。すなわち、本願の第1の発明にかかるドライエ
ッチング方法は、Al含有化合物半導体層の上に積層さ
れた非Al含有化合物半導体層を選択的に除去する方法
であって、放電解離条件下でプラズマ中に少なくともF
系化学種と、S系化学種と、N系化学種とを生成し得る
エッチング・ガスを用い、被エッチング基板上に窒化イ
オウ系化合物を堆積させながら前記非Al含有化合物半
導体層をエッチングすることを特徴とする。
【0010】本願の第2の発明にかかるドライエッチン
グ方法は、同じくAl含有化合物半導体層の上に積層さ
れた非Al含有化合物半導体層を選択的に除去する方法
であって、放電解離条件下でプラズマ中に少なくともC
l系化学種もしくはBr系化学種と、S系化学種と、N
系化学種とを生成し得る第1のエッチング・ガスを用
い、被エッチング基板上に窒化イオウ系化合物を堆積さ
せながら前記非Al含有化合物半導体層を実質的にその
層厚分だけエッチングする工程と、放電解離条件下でプ
ラズマ中に少なくともF系化学種と、S系化学種と、N
系化学種とを生成し得る第2のエッチング・ガスを用
い、被エッチング基板上に窒化イオウ系化合物を堆積さ
せながらオーバーエッチングを行う工程とを有すること
を特徴とする。
【0011】
【作用】本発明者は、下地にダメージを与えずに低汚
染,高異方性加工を行うためには、従来のフルオロカー
ボン系ポリマーに代わり、特定の条件下でのみ堆積し、
不要時には容易かつ完全に除去できる何らかの側壁保護
物質が必要であると考え、窒化イオウ系化合物に着目し
た。
【0012】上記窒化イオウ系化合物としては、後述す
るごとく種々の化合物が知られているが、本発明におい
て特に側壁保護効果を期待される代表的な化合物はポリ
チアジル(SN)x である。(SN)x は古くから無機
導電性ポリマーとして知られている物質であり、その性
質,構造等については、J.Am.Chem.So
c.,Vol.29,p.6358〜6363(197
5)に詳述されている。常圧下では208℃、減圧下で
は140〜150℃付近まで安定に存在するポリマー状
物質である。さらに、(SN)x は減圧下で140〜1
50℃付近まで加熱すれば容易に分解または昇華し、完
全に除去することができるので、パーティクル汚染を惹
起する懸念がない。
【0013】(SN)x は、原理的には放電解離条件下
でプラズマ中にS系化学種とN系化学種が存在していれ
ば生成する。最も単純に考えれば、窒素系化合物の放電
解離によりプラズマ中に生成したNと、イオウ系化合物
の放電解離によりプラズマ中に生成したSとが結合し
て、まずチアジル(N≡S)が形成される。このチアジ
ルは、酸素類似体である一酸化窒素(NO)の構造から
類推して不対電子を持っており、容易に重合して(S
N)2 を生ずる。(SN)2 は30℃付近で分解する化
合物であるが、20℃付近では容易に重合して(SN)
4 、さらには(SN)x を生成する。(SN)4 は融点
178℃,分解温度206℃の環状物質である。
【0014】なお、プラズマ中にF* が存在する系では
上記(SN)x のS原子上にハロゲン原子が結合したフ
ッ化チアジルが、また、H* が存在する系ではチアジル
水素が生成し得る。さらに、条件によってはS4
2 (融点23℃),S112 (融点150〜155
℃),S152 (融点137℃),S162 (融点12
2℃)等のように分子内のS原子数とN原子数が不均衡
な環状窒化イオウ化合物、あるいはこれら環状窒化イオ
ウ化合物のN原子上にH原子が結合したS7 NH(融点
113.5℃),1,3−S6 (NH)2 (融点130
℃),1,4−S6 (NH)2 (融点133℃),1,
5−S6 (NH)2 (融点155℃),1,3,5−S
5 (NH)3 (融点124℃),1,3,6−S5 (N
H)3 (融点131℃),S4 (NH)4 (融点145
℃)等のイミド型の化合物等も生成可能である。
【0015】いずれにしてもこれらの窒化イオウ系化合
物は、エッチング条件にもよるが、ウェハ温度がおおよ
そ130℃未満の領域ではウェハ表面へ吸着される。こ
のうち、イオンの垂直入射面に吸着された窒化イオウ系
化合物は、直ちにスパッタ除去されるか、もしくはエッ
チング速度を低下させることに寄与する。一方、イオン
の垂直入射が原理的に生じないパターンの側壁部に堆積
した窒化イオウ系化合物は、側壁保護効果を発揮する。
しかも、エッチング終了後にウェハをおおよそ130℃
以上に加熱すれば、窒化イオウ系化合物は容易に昇華ま
たは分解し、除去される。つまり、窒化イオウ系化合物
は、パーティクル汚染の原因とはならないのである。
【0016】したがって本発明では、まず、エッチング
・ガスが窒化イオウ系化合物を生成し得る組成を有して
いることが必要である。つまり、放電解離条件下でプラ
ズマ中にS系化学種とN系化学種とが生成できるもので
なければならない。また、本発明における下地選択性の
達成が、原理的にAlFx の生成にもとづいている限
り、エッチング・ガスがF系化学種を生成し得ることも
必要である。
【0017】以上の3つの化学種を構成要件とするもの
が、本願の第1の発明である。もちろん、エッチング反
応生成物の蒸気圧を考慮して、上記エッチング・ガスが
F系化学種以外のハロゲン系化学種を生成し得るような
ものであっても構わない。また、F系化学種、S系化学
種、N系化学種の三者が、それぞれ別の化合物から供給
されるか、あるいは少なくとも二者が単一の化合物から
供給されるか、さらにあるいは単一の化学種が複数の化
合物から供給されるかは、任意である。
【0018】このようなガス組成によれば、窒化イオウ
系化合物により側壁保護を行いながら非Al含有化合物
半導体層の構成元素を少なくともフッ化物の形で除去す
ることができ、下地のAl含有化合物半導体層の表面が
露出した時点では、その露出面にAlFx が形成されて
エッチングが停止する。しかも、エッチング終了後にウ
ェハを加熱すれば、窒化イオウ系化合物は容易に除去さ
れる。
【0019】一方、F系化学種はオーバーエッチング時
のみに使用し、非Al含有化合物半導体層を実質的にそ
の層厚分だけエッチングするまでの工程(ジャストエッ
チング工程)では、Cl系化学種もしくはBr系化学種
をエッチング種として使用するのが、本願の第2の発明
である。第2の発明の場合、ジャストエッチング工程で
は窒化イオウ系化合物により側壁保護を行いながら、非
Al含有化合物半導体層の構成元素を塩化物もしくは臭
化物の形で除去することができる。ここで、第1のエッ
チング・ガスにおいて、Cl系化学種もしくはBr系化
学種、S系化学種、N系化学種の三者が、それぞれ別の
化合物から供給されるか、あるいは少なくとも二者が単
一の化合物から供給されるか、さらにあるいは単一の化
学種が複数の化合物から供給されるかは、任意である。
【0020】また、オーバーエッチング工程では、窒化
イオウ系化合物による側壁保護を行いながら、非Al含
有化合物半導体層の残余部を少なくともフッ化物の形で
除去することができる。下地のAl含有化合物半導体層
の表面が露出した時点では、その露出面にAlFx が形
成されてエッチングが停止する。このオーバーエッチン
グ工程では、エッチング反応生成物の蒸気圧を考慮し
て、第2のエッチング・ガスの組成にF系化学種以外の
ハロゲン系化学種を生成し得るような化合物が添加され
ていても、もちろん構わない。F系化学種、S系化学
種、N系化学種の三者が、それぞれ別の化合物から供給
されるか、あるいは少なくとも二者が単一の化合物から
供給されるか、さらにあるいは単一の化学種が複数の化
合物から供給されるかは、任意である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0022】実施例1 本実施例は、本願の第1の発明をHEMTのゲート・リ
セス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn+ −G
aAs層をS2 2 /S2 Cl2 /N2 混合ガスを用い
てエッチングした例である。このプロセスを、図1ない
し図5を参照しながら説明する。
【0023】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用したウェハは、図1に示されるように、半絶縁
性GaAs基板1上にエピタキシャル成長により形成さ
れ、バッファ層として機能する厚さ約500nmのep
i−GaAs層2、厚さ約2nmのAlGaAs層3、
Si等のn型不純物がドープされた厚さ約30nmのn
+ −AlGaAs層4、同様にn型不純物を含む厚さ約
100nmのn+ −GaAs層5、所定の形状にパター
ニングされたレジスト・マスク(PR)6が順次積層さ
れてなるものである。上記レジスト・マスク6のパター
ニングは、電子ビーム描画法による選択露光と現像処理
により行われており、開口部6aの開口径は約300n
mである。
【0024】上述のウェハをRFバイアス印加型の有磁
場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、一
例として下記の条件により上記n+ −GaAs層5をエ
ッチングした。 S2 2 流量 10SCCM S2 Cl2 流量 20SCCM N2 流量 20SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 −10℃(エタノール冷媒使
用) ここで、上記S2 2 およびS2 Cl2 は共に、本発明
者が先に特願平3−308327号明細書において、G
aAs/AlGaAs積層系の選択エッチングに使用し
たフッ化イオウおよび塩化イオウの一例である。S2
2 から生成するF* は、n+ −GaAs層5中のAsを
AsF3 ,AsF5 等の形で引き抜く。また、S2 Cl
2 およびCl2 から生成するCl* は、n+ −GaAs
層5中のAsおよびGaを、それぞれAsCl3 ,Ga
Cl3 等の形で引き抜く。これらのラジカル反応は、S
+ ,SFx + ,Clx + ,SClx + ,Nx + 等の入射
イオン・エネルギーにアシストされる。一方、S2 2
およびS2 Cl2 は、放電解離条件下でプラズマ中に遊
離のSを生成することができる。このSの少なくとも一
部は、N2 と反応して(SN)x に代表される窒化イオ
ウ系化合物に変化する。この窒化イオウ系化合物(場合
によっては未反応のSも含む。)は、イオンの垂直入射
が原理的に生じないパターンの側壁部に堆積し、図2に
示されるような側壁保護膜7を形成した。
【0025】この結果、上記エッチングは異方的に進行
し、垂直壁を有するリセス5aが形成された。また、下
地のn+ −AlGaAs層4が露出した時点では、その
表面にAlFx (主としてx=3),GaFx Cly
が形成され、エッチング速度が大幅に低下し、約30の
選択比が達成された。
【0026】エッチング終了後にウェハをバッファ室に
搬送し、ウェハ・ステージを介して約150℃に加熱し
たところ、上記側壁保護膜7は図3に示されるように速
やかに昇華除去された。この結果、ウェハ上に何らパー
ティクル汚染が生ずることはなかった。さらに、一例と
して電子ビーム蒸着により厚さ約200nmのAl層を
形成した。この蒸着は、微細な開口径を有するリセス5
aの内部においてステップ・カバレッジ(段差被覆性)
が劣化することを逆に利用したものであり、図4に示さ
れるように、レジスト・マスク6の表面には上部Al層
8a、リセス5a底部には後にゲート電極となる下部A
l層8bがそれぞれ形成された。
【0027】この後、常法にしたがってレジスト・マス
ク6をリフト・オフすると、図5に示されるように上部
Al層8aも同時に除去され、リセス5a底部の下部A
l層8bのみを残すことができた。
【0028】なお、本実施例ではフッ化イオウとしてS
2 2 を使用したが、SF2 ,SF4 ,S2 10を使用
しても良い。また、塩化イオウとしてはS2 Cl2 を使
用したが、S3 Cl2 ,SCl2 ,SCl4 を使用して
も良い。
【0029】実施例2 本実施例は、本願の第1の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn
+ −GaAs層をS2 2 /S2 Br2 /N2 混合ガス
を用いてエッチングした例である。前出の図1に示され
るものと同じウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッ
チング装置にセットし、一例として下記の条件によりn
+ −GaAs層5をエッチングした。
【0030】 S2 2 流量 10SCCM S2 Br2 流量 20SCCM N2 流量 10SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 −10℃(エタノール冷媒使
用) 上記S2 Br2 も、やはり本発明者が先に特願平3−3
08327号明細書において、GaAs/AlGaAs
積層系の選択エッチングに使用した臭化イオウの一例で
ある。本実施例は、前述の実施例1におけるS2 Cl2
をS2 Br2 に置き換えたものであり、エッチング反応
生成物として塩化物の代わりに臭化物が生成すること以
外は、ほぼ実施例1と同様の機構によりエッチングが進
行した。
【0031】本実施例においても、良好な異方性形状を
有するリセス5aが形成され、下地のn+ −AlGaA
s層4に対して約30の選択比が得られた。なお、本実
施例では臭化イオウとしてS2 Br2 を使用したが、S
2 Br3 ,SBr2 を使用しても良い。
【0032】実施例3 本実施例は、本願の第2の発明を適用し、S2 Cl2
2 混合ガスを用いてn+ −GaAs層をジャストエッ
チングした後、S2 2 /Cl2 /H2 S/N2 混合ガ
スを用いてオーバーエッチングを行った例である。ま
ず、図1に示されるものと同じウェハを有磁場マイクロ
波プラズマ・エッチング装置にセットし、一例として下
記の条件によりn+ −GaAs層5をジャストエッチン
グした。
【0033】 S2 Cl2 流量 20SCCM N2 流量 20SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 −10℃(エタノール冷媒使
用) このジャストエッチング工程では、S2 Cl2 から解離
生成するCl* が主エッチング種となってエッチングが
進行した。一方、同じくS2 Cl2 から解離生成するS
がN2 と反応して窒化イオウ系化合物からなる側壁保護
膜7が形成されることにより、異方性エッチングが進行
した。
【0034】次に、ウェハの他所において残存するn+
−GaAs層5を除去するため、条件を一例として下記
のように切り替え、オーバーエッチングを行った。 S2 2 流量 20SCCM Cl2 流量 5SCCM H2 S流量 10SCCM N2 流量 20SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 −10℃ このオーバーエッチング工程では、S2 2 から生成す
るF* とCl2 から生成するCl* によりn+ −GaA
s層5の残余部がエッチングされるが、F* の生成量が
Cl* の生成量に比べて大過剰となっているため、下地
のn+ −AlGaAs層4が露出すると、その露出面に
は直ちにAlFx が形成された。H2 Sは、H* や遊離
のSを生成する。H* は、オーバーエッチング時に過剰
となるハロゲン・ラジカルを捕捉してハロゲン化水素の
形で除去する役割を果たし、Sは窒化イオウ系化合物の
生成に寄与する。つまりH2 Sは、エッチング反応系の
見掛け上のS/X比〔S原子数とハロゲン(X)原子数
の比〕を上昇させ、ラジカル性を弱め、Sの生成ひいて
は窒化イオウ系化合物の堆積を促進するのである。しか
も、本実施例ではRFバイアス・パワーがジャストエッ
チング時に比べて半減されており、このことによっても
窒化イオウ系化合物の堆積は促進されている。
【0035】これら、S2 2 の添加効果、S/X比の
上昇効果、RFバイアス・パワーの低減効果等により、
本実施例ではn+ −AlGaAs層4に対する選択比が
約60に向上した。
【0036】なお、エッチング反応系のS/X比を上昇
させるための化合物としては、上述のH2 Sの他、
2 ,シラン系化合物等を使用することもできる。ま
た、オーバーエッチング時に入射イオン・エネルギーを
低下させる方法としては、上述のようにRFバイアスの
パワーを低下させる方法の他、RF周波数を増大させる
方法や、パワーの低下と周波数の増大を同時に行う方法
も有効である。
【0037】実施例4 本実施例は、本願の第2の発明を適用し、Cl2 /H2
S/N2 混合ガスを用いてn+ −GaAs層をジャスト
エッチングした後、SF6 /Cl2 /H2 S/N2 混合
ガスを用いてオーバーエッチングを行った例である。ま
ず、図1に示されるものと同じウェハを有磁場マイクロ
波プラズマ・エッチング装置にセットし、一例として下
記の条件でn+ −GaAs層5をジャストエッチングし
た。
【0038】 Cl2 流量 20SCCM H2 S流量 10SCCM N2 流量 10SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 −10℃ このジャストエッチング工程では、Cl2 から解離生成
するCl* によりエッチングが進行する一方、H2 Sか
ら生成するSとN2 との反応により形成される窒化イオ
ウ系化合物が堆積して側壁保護膜7が形成された。
【0039】ただし、上記のガス系はF* を生成しない
ので、このままエッチングを続けたのでは下地選択性を
得ることができない。そこで、次に条件を一例として下
記のように切り替え、オーバーエッチングを行った。 SF6 流量 10SCCM Cl2 流量 5SCCM H2 S流量 10SCCM N2 流量 10SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 −10℃ このオーバーエッチング工程では、SF6 から生成する
* とCl2 から生成するCl* によりn+ −GaAs
層5の残余部がエッチングされるが、F* の生成量がC
* の生成量に比べて大過剰となっているため、下地の
+ −AlGaAs層4が露出すると、その露出面には
直ちにAlFx が形成された。SF6 は、放電解離条件
下でも遊離のSを生成しないことが実験的に確認されて
おり、本実施例ではF* 供給源として用いられている。
本実施例では、SF6 の添加効果、H2 SによるS/X
比の上昇効果、RFバイアス・パワーの低減効果等によ
り、n+ −AlGaAs層4に対して選択比約70が得
られた。
【0040】なお、本実施例ではCl* の供給源として
Cl2 を使用したが、これに替えてSiCl4 ,ClF
3 ,BCl3 ,PCl3 ,PCl5 等を使用しても良
い。
【0041】以上、本発明を4つの実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの各実施例に何ら限定され
るものではない。まず、上述の各実施例では化合物半導
体層の積層系としてGaAs/AlGaAs積層系を例
示したが、本発明は下層側にAlが含まれていれば従来
公知の他の化合物半導体の積層系にも適用可能である。
たとえば、GaP/AlGaP、InP/AlInP、
GaN/AlGaN、InAs/AlInAs等の2元
素系/3元素系の積層系、さらにあるいは3元素系/4
元素系等の積層系等のエッチングにも適用できる。
【0042】エッチング・ガスには、冷却効果,希釈効
果,スパッタリング効果等を得る目的で、He,Ar,
Xe等の希ガスを適宜添加しても良い。さらに、本発明
は非Al含有/Al含有化合物半導体の積層系の選択エ
ッチングが必要とされるプロセスであれば、上述のよう
なHEMTの製造に限らず、たとえば半導体レーザー素
子の加工等にも適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、窒化イオウ系化合物による側壁保護効
果を利用して、GaAs/AlGaAs積層系に代表さ
れる非Al含有/Al含有化合物半導体の積層系の選択
異方性エッチングを行うことが可能となる。したがっ
て、本発明はまず脱CFC対策としての意義が極めて大
きい。しかも、上記窒化イオウ系化合物は容易に昇華も
しくは分解除去することができ、パーティクル汚染を惹
起する虞れがない。さらに、F系化学種を生成する化合
物をオーバーエッチング時にエッチング・ガスに添加す
ることにより、対下地選択性を高めることができる。
【0044】したがって、本発明はたとえば化合物半導
体を利用した半導体装置を微細なデザイン・ルールにも
とづいて製造する上で極めて有効であり、さらにこれを
高集積化してMMIC等を構成することにも多大な貢献
をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をHEMTのゲート・リセス加工に適用
したプロセス例において、n+ −GaAs層の上にレジ
スト・マスクが形成された状態を示す概略断面図であ
る。
【図2】図1のn+ −GaAs層が側壁保護膜の形成を
伴いながらエッチングされ、リセスが形成された状態を
示す概略断面図である。
【図3】図2の側壁保護膜が除去された状態を示す概略
断面図である。
【図4】レジスト・マスクの表面とリセスの底面にAl
層が被着された状態を示す概略断面図である。
【図5】レジスト・マスクとその表面の上部Al層が除
去され、リセスの底面にのみ下部Al層(ゲート電極)
が残された状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・半絶縁性GaAs基板 2 ・・・epi−GaAs層 3 ・・・AlGaAs層 4 ・・・n+ −AlGaAs層 5 ・・・n+ −GaAs層 5a・・・リセス 6 ・・・レジスト・マスク 6a・・・開口部 7 ・・・側壁保護膜 8a・・・上部Al層 8b・・・下部Al層(ゲート電極)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを含む化合物半導体層の上に積層さ
    れたAlを含まない化合物半導体層を選択的に除去する
    ドライエッチング方法において、 放電解離条件下でプラズマ中に少なくともF系化学種
    と、S系化学種と、N系化学種とを生成し得るエッチン
    グ・ガスを用い、被エッチング基板上に窒化イオウ系化
    合物を堆積させながら前記Alを含まない化合物半導体
    層をエッチングすることを特徴とするドライエッチング
    方法。
  2. 【請求項2】 Alを含む化合物半導体層の上に積層さ
    れたAlを含まない化合物半導体層を選択的に除去する
    ドライエッチング方法において、 放電解離条件下でプラズマ中に少なくともCl系化学種
    もしくはBr系化学種と、S系化学種と、N系化学種と
    を生成し得る第1のエッチング・ガスを用い、被エッチ
    ング基板上に窒化イオウ系化合物を堆積させながら前記
    Alを含まない化合物半導体層を実質的にその層厚分だ
    けエッチングする工程と、 放電解離条件下でプラズマ中に少なくともF系化学種
    と、S系化学種と、N系化学種とを生成し得る第2のエ
    ッチング・ガスを用い、被エッチング基板上に窒化イオ
    ウ系化合物を堆積させながらオーバーエッチングを行う
    工程とを有することを特徴とするドライエッチング方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005191343A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Ricoh Co Ltd 面発光レーザの製造方法および面発光レーザおよび光伝送システム

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