JPH05166765A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH05166765A
JPH05166765A JP35290991A JP35290991A JPH05166765A JP H05166765 A JPH05166765 A JP H05166765A JP 35290991 A JP35290991 A JP 35290991A JP 35290991 A JP35290991 A JP 35290991A JP H05166765 A JPH05166765 A JP H05166765A
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JP
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etching
layer
compound semiconductor
semiconductor layer
gas
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JP35290991A
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Shingo Kadomura
新吾 門村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロロフルオロカーボン(CFC)ガスを用
いずに、GaAs/AlGaAs積層系の高異方性,高
選択性,低汚染エッチングを行う。 【構成】 HEMTのゲート・リセス加工において、n
+ −AlGaAs層4上のn+ −GaAs層5を、S2
10とS2 Cl2 との混合気化生成物を用いてエッチン
グする。この混合気化生成物中には、ハロゲン交換反応
によりS2 10-xClx 等が生成している。これによ
り、単独組成のガスからは生成し得ない多様なエッチン
グ種を供給することができ、また恐らく炭素系ポリマー
の構造,組成変化に起因して対レジスト選択比が向上す
る。Sが堆積して側壁保護膜7が形成されるのでエッチ
ングは異方的に進行し、下地選択性はAlFx の生成に
より確保される。上記混合気化生成物にN2 を添加すれ
ば、(SN)x による側壁保護も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等に適
用されるドライエッチング方法に関し、特にHEMT
(高電子移動度トランジスタ)のゲート・リセス形成工
程におけるGaAs/AlGaAs選択エッチング等
を、クロロフルオロカーボン(CFC)ガスを使用せず
に行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAsMES−FET(metal
semiconductor field effec
t transistor)を単一基板上に集積化した
MMIC(monolithic microwave
IC)は、高速高周波応答性、低雑音、低消費電力等
の特長を有し、近年、移動体通信や衛生通信用のデバイ
スとして利用されつつある。
【0003】1980年には、上記GaAsMES−F
ETのさらなる高速化を目指した研究から、HEMT
(high electron mobilitytr
ansistor)が開発されている。これは、GaA
s化合物半導体のヘテロ接合界面における2次元電子ガ
スが、不純物による散乱を受けることなく高速で移動で
きることを利用したデバイスである。このHEMTにつ
いても高集積化を実現するための研究が続けられてお
り、その加工を行うドライエッチング技術に対する要求
も、より高精度、より高選択比へと向かっている。
【0004】中でも、GaAs/AlGaAs積層系を
選択的にエッチングしてゲート・リセスを形成する工程
は、HEMT,ヘテロMIS構造FETなどのヘテロ接
合FETの閾値電圧を決める重要な技術である。それ
は、下層側のAlGaAs層における不純物濃度や厚さ
等が、上層側のGaAs層のみを除去すれば然るべき閾
値電圧をもつFETが構成できるように予め設定されて
いるからである。このAlGaAs層上におけるGaA
s層の選択エッチング方法としては、CCl2 2 等の
CFCガスと希ガスの混合ガスを用いる方法が代表的な
ものである。これは、Gaが主として塩化物、Asがフ
ッ化物および塩化物を形成することによりGaAs層が
除去される一方で、下地のAlGaAs層が露出した時
点では蒸気圧の低いAlF3 が表面に形成されてエッチ
ング速度が低下し、高選択比が得られるからである。
【0005】たとえば、Japanese Journ
al of Applied Physics,Vo
l.20.,No.11(1981)p.L847〜8
50には、CCl2 2 /He混合ガスを用いて選択比
200を達成した例が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
選択ドライエッチングには、以下のような問題がある。
まず、上述のCCl2 2 等のCFCガスは、いわゆる
フロン・ガスと通称されている化合物の一種であり、周
知のように地球のオゾン層破壊の原因とされているた
め、近い将来にも製造・使用が禁止される運びである。
したがって、ドライエッチングの分野においても代替ガ
ス、およびその使用技術を開発することが急務となって
いる。
【0007】また、上述のCFCガスは、エッチング反
応系内にフルオロカーボン系ポリマーを大量に生成させ
易い。このポリマーは、パターン側壁部に堆積して側壁
保護効果を発揮するので異方性加工に寄与しているが、
その反面、エッチング速度の不安定化やパーティクル・
レベルの悪化等を招き易い。さらに、エッチング時のイ
オンによる照射損傷を回復させるために、300℃程度
のアニールも必要となる。
【0008】そこで本発明は、Alを含有する化合物半
導体層(以下、Al含有化合物半導体層と称する。)上
におけるAlを含まない化合物半導体層(以下、非Al
含有化合物半導体層と称する。)の選択エッチングを、
CFCガスを使用せずに、高選択比、高異方性、低汚染
性、低損傷性をもって行う方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の目的を達成するために提案されるもの
である。すなわち、本願の第1の発明にかかるドライエ
ッチング方法は、Al含有化合物半導体層の上に積層さ
れた非Al含有化合物半導体層を選択的に除去する方法
であって、S2 10とS2 Cl2 との混合気化生成物、
もしくはS2 10とS2 Br2 との混合気化生成物の少
なくとも一方を含むエッチング・ガスを用い、前記非A
l含有化合物半導体層をエッチングすることを特徴とす
る。
【0010】本願の第2の発明にかかるドライエッチン
グ方法は、第1の発明にしたがって前記非Al含有化合
物半導体層を実質的にその層厚分だけ除去する第1の工
程と、この第1の工程におけるよりもフッ素系化学種の
生成量を相対的に大とした条件でオーバーエッチングを
行う第2の工程とを有することを特徴とする。
【0011】本願の第3の発明にかかるドライエッチン
グ方法は、S2 10とS2 Cl2 との混合気化生成物、
もしくはS2 10とS2 Br2 との混合気化生成物の少
なくとも一方と、窒素系化合物とを含むエッチング・ガ
スを用い、前記非Al含有化合物半導体層をエッチング
することを特徴とする。
【0012】さらに、本願の第4の発明にかかるドライ
エッチング方法は、第3の発明にしたがって前記非Al
含有化合物半導体層を実質的にその層厚分だけ除去する
第1の工程と、この第1の工程におけるよりもフッ素系
化学種の生成量を相対的に大とした条件でオーバーエッ
チングを行う第2の工程とを有することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明者は、下地にダメージを与えずに低汚
染,高異方性加工を行うためには、従来のフルオロカー
ボン系ポリマーに代わり、特定の条件下でのみ堆積し、
不要時には容易かつ完全に除去できる何らかの側壁保護
物質が必要であると考え、イオウ(S)、および窒化イ
オウ系化合物に着目した。
【0014】プラズマ中に生成したSは、エッチング条
件にもよるが、ウェハ温度がおおよそ90℃未満の領域
ではウェハ表面へ吸着される。このうち、イオンの垂直
入射面に吸着されたSは、直ちにスパッタ除去される
か、もしくはエッチング速度を低下させることに寄与す
る。一方、イオンの垂直入射が原理的に生じないパター
ンの側壁部に堆積したSは、側壁保護効果を発揮する。
しかも、エッチング終了後にウェハをおおよそ90〜1
50℃程度に加熱すれば、Sは容易に昇華する。つま
り、Sはパーティクル汚染の原因とはならないのであ
る。
【0015】したがって、Sを堆積させるためには、エ
ッチング・ガスの構成成分として、放電解離条件下でプ
ラズマ中に遊離のSを生成し得る化合物がまず必要であ
る。一方、本発明における下地選択性の達成が、原理的
にAlFx の生成にもとづいている限り、エッチング・
ガスの構成成分としてフッ素(F)を構成元素として有
する化合物も必要である。
【0016】この最も基本的な必要条件をハロゲン化イ
オウを用いることにより満たした技術を、本願出願人は
先に特願平3−308327号明細書において提案して
いる。ここでは、S2 2 /Cl2 系、S2 2 /S2
Cl2 系、S2 Cl2 /ClF3 系、S2 2 /Cl2
/H2 S系等の各種の混合ガス系を用いることにより、
GaAs/AlGaAs積層系の良好なエッチングを達
成した。
【0017】今回の発明は、かかるS堆積プロセスの選
択肢をさらに広げるものであり、液状のハロゲン化イオ
ウの有効な利用方法を提供するものである。ここで使用
するハロゲン化イオウは、S2 10(五フッ化イオ
ウ)、S2 Cl2 (二塩化二イオウ)、およびS2 Br
2 (二臭化二イオウ)である。S2 10は融点−52
℃,沸点30℃の揮発性液体、S2 Cl2 は融点−77
℃,沸点138℃の油状物質、S2 Br2 は融点−46
℃,沸点54℃(2.39×103 Pa)の油状物質で
ある。S2 10は減圧条件下や加熱条件下で容易に気化
し、またS2 Cl2 とS2 Br2 も不活性ガスを用いて
バブリングを行う等の方法により気化させることができ
るので、いずれも単独でエッチング・ガスとして使用で
きる。
【0018】しかし、本発明者はS2 10とS2
2 、もしくはS2 10とS2 Br2 とを予め混合して
から気化させることにより、プラズマの状態を変化さ
せ、より多様な化学種をエッチング反応系へ供給できる
ことを見出した。これは、混合された化合物間で一部、
ハロゲン交換反応が起こることに起因している。たとえ
ば、S2 10とS2 Cl2 の混合系では、S2 10のF
原子の一部がCl原子に置換されたS2 10-xCl
x (x≦10)や、S2 Cl2 のCl原子の一部がF原
子に置換されたS2 Cl2-y y (y≦2)等の塩化フ
ッ化イオウが生成する。同様にS2 10とS2 Br2
混合系では、S2 10-xBrx (x≦10)や、S2
2-y y (y≦2)等の臭化フッ化イオウが生成す
る。これらの塩化フッ化イオウおよび臭化フッ化イオウ
はいずれも不安定であり、合成により純粋物質を単離す
ることは困難であるが、混合物中では一定の割合で存在
している。かかる混合物を気化させた生成物、すなわち
混合気化生成物中からは、SFCl+ ,FCl+ ,SF
Br+ ,FBr+ 等のように、S2 10単独、S2 Cl
2 単独、またはS2 Br2 単独の組成のエッチング・ガ
スからは生成し得ない化学種が生成する可能性があり、
また放電解離効率も変化する。
【0019】なお、本願では液体状態のハロゲン化イオ
ウを便宜上、上記の3物質に限定しているが、ハロゲン
化イオウには純粋状態での存在や物性の確定されていな
い他の組成比を有する化合物も多い。原理的には、たと
えこれらの不確定な化合物を用いても、同様の混合気化
生成物を得ることができる。
【0020】2成分系ガスのハロゲン交換反応によりエ
ッチング特性が変化する例としては、アルミニウム系材
料層のエッチングにおいて、BCl3 とBBr3 を予混
合してから供給することにより、対レジスト選択比が向
上する事実が知られている。今回の発明は、この事実に
着想を得たものである。この選択比向上の詳細な機構は
必ずしも明らかではないが、レジスト・マスクの表面に
形成されるCClx Bry 系のポリマーの構造や性質が
より複雑多様化することにより、イオン・スパッタ作用
やラジカルの攻撃に対する高い耐性が付与されているも
のと考えられる。
【0021】本願の第1の発明および第2の発明では、
上述の考え方にもとづき、Sの堆積により側壁保護を行
いながらエッチングを行う方法を提供する。第1の発明
では、上述のS2 10とS2 Cl2 との混合気化生成
物、もしくはS2 10とS2 Br2 との混合気化生成物
の少なくとも一方を含むエッチング・ガスを使用する。
これにより、非Al含有化合物半導体層はフッ化物,塩
化物,臭化物の形で除去され、下地のAl含有化合物半
導体層が露出すると、その表面にはAlFx が生成され
てエッチング速度が大幅に低下する。
【0022】第2の発明では、上述のエッチングにより
非Al含有化合物半導体層を実質的にその層厚分だけ除
去(ジャストエッチング)した後、フッ素系化学種の生
成量を高めてオーバーエッチングを行う。これにより、
Al含有化合物半導体層の表面におけるAlFx の生成
が促進され、下地選択性が向上する。
【0023】一方、今回の発明においてSと並ぶもうひ
とつの側壁保護物質は、窒化イオウ系化合物である。窒
化イオウ系化合物としては、後述するごとく種々の化合
物が知られているが、本発明者が特に側壁保護効果を期
待する代表的な化合物はポリチアジル(SN)x であ
る。(SN)x は古くから無機導電性ポリマーとして知
られている物質であり、その性質,構造等については、
J.Am.Chem.Soc.,Vol.29,p.6
358〜6363(1975)に詳述されている。常圧
下では208℃、減圧下では140〜150℃付近まで
安定に存在するポリマー状物質である。さらに、(S
N)x は減圧下で140〜150℃付近まで加熱すれば
容易に分解または昇華し、完全に除去することができる
ので、パーティクル汚染を惹起する懸念がない。
【0024】(SN)x は、原理的には放電解離条件下
でプラズマ中にS系化学種とN系化学種が存在していれ
ば生成する。最も単純に考えれば、窒素系化合物の放電
解離によりプラズマ中に生成したNと、イオウ系化合物
の放電解離によりプラズマ中に生成したSとが結合し
て、まずチアジル(N≡S)が形成される。このチアジ
ルは、酸素類似体である一酸化窒素(NO)の構造から
類推して不対電子を持っており、容易に重合して(S
N)2 を生ずる。(SN)2 は30℃付近で分解する化
合物であるが、20℃付近では容易に重合して(SN)
4 、さらには(SN)x を生成する。(SN)4 は融点
178℃,分解温度206℃の環状物質である。
【0025】なお、プラズマ中にF* が存在する系では
上記(SN)x のS原子上にハロゲン原子が結合したフ
ッ化チアジルが、また、H* が存在する系ではチアジル
水素が生成し得る。さらに、条件によってはS4
2 (融点23℃),S112 (融点150〜155
℃),S152 (融点137℃),S162 (融点12
2℃)等のように分子内のS原子数とN原子数が不均衡
な環状窒化イオウ化合物、あるいはこれら環状窒化イオ
ウ化合物のN原子上にH原子が結合したS7 NH(融点
113.5℃),1,3−S6 (NH)2 (融点130
℃),1,4−S6 (NH)2 (融点133℃),1,
5−S6 (NH)2 (融点155℃),1,3,5−S
5 (NH)3 (融点124℃),1,3,6−S5 (N
H)3 (融点131℃),S4 (NH)4 (融点145
℃)等のイミド型の化合物等も生成可能である。
【0026】いずれにしてもこれらの窒化イオウ系化合
物は、エッチング条件にもよるが、ウェハ温度がおおよ
そ130℃未満の領域ではウェハ表面へ吸着される。こ
のうち、イオンの垂直入射面に吸着された窒化イオウ系
化合物は、直ちにスパッタ除去されるか、もしくはエッ
チング速度を低下させることに寄与する。一方、イオン
の垂直入射が原理的に生じないパターンの側壁部に堆積
した窒化イオウ系化合物は、側壁保護効果を発揮する。
しかも、エッチング終了後にウェハをおおよそ130℃
以上に加熱すれば、窒化イオウ系化合物は容易に昇華ま
たは分解し、除去される。つまり、窒化イオウ系化合物
は、パーティクル汚染の原因とはならないのである。
【0027】本願の第3の発明および第4の発明では、
窒化イオウ系化合物の堆積により側壁保護を行いながら
エッチングを行う方法を提供する。これらの各発明は、
前述の第1の発明および第2の発明で使用するエッチン
グ・ガスにそれぞれ窒素系化合物を添加したものであ
り、エッチング機構も窒素系化学種の寄与が加わる他
は、ほぼ前述のとおりである。ただし、窒化イオウ系化
合物による側壁保護はSによる側壁保護よりも強固なの
で、Sの堆積を利用する場合に比べてウェハ温度を若干
高めた条件下や低バイアス条件下でも異方性加工が行え
るというメリットがある。
【0028】第3の発明では、上述のS2 10とS2
2 との混合気化生成物、もしくはS2 10とS2 Br
2 との混合気化生成物の少なくとも一方と、窒素系化合
物とを含むエッチング・ガスを使用する。第4の発明で
は、上述のエッチングにより非Al含有化合物半導体層
をジャストエッチングした後、フッ素系化学種の生成量
を高めてオーバーエッチングを行う。これにより、Al
含有化合物半導体層の表面におけるAlFx の生成が促
進され、下地選択性が向上する。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0030】実施例1 本実施例は、本願の第1の発明をHEMTのゲート・リ
セス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn+ −G
aAs層を、S2 10とS2 Cl2 との混合気化生成物
を用いてエッチングした例である。このプロセスを、図
1ないし図5を参照しながら説明する。
【0031】本実施例においてエッチング・サンプルと
して使用したウェハは、図1に示されるように、半絶縁
性GaAs基板1上にエピタキシャル成長により形成さ
れ、バッファ層として機能する厚さ約500nmのep
i−GaAs層2、厚さ約2nmのAlGaAs層3、
Si等のn型不純物がドープされた厚さ約30nmのn
+ −AlGaAs層4、同様にn型不純物を含む厚さ約
100nmのn+ −GaAs層5、所定の形状にパター
ニングされたレジスト・マスク(PR)6が順次積層さ
れてなるものである。上記レジスト・マスク6のパター
ニングは、電子ビーム描画法による選択露光と現像処理
により行われており、開口部6aの開口径は約300n
mである。
【0032】上述のウェハをRFバイアス印加型の有磁
場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセットし、一
例として下記の条件により上記n+ −GaAs層5をエ
ッチングした。 (S2 10+S2 Cl2 )流量 40SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 −30℃(エタノール冷媒使用) ここで、(S2 10+S2 Cl2 )流量とは、液体状の
2 10とS2 Cl2 とを容積1リットルのガス・ボン
ベ中で50gずつ混合した後、これを気化させて得られ
る混合気化生成物の流量を表している。この混合気化生
成物中には、所定の割合でハロゲン交換反応生成物であ
るS2 9 Cl,S2 8 Cl2 等が含まれている。
【0033】この工程では、F* ,Cl* 等のラジカル
が、n+ −GaAs層5中のGaをGaCl3 等の形
で、またAsをAsF3 ,AsCl3 等の形で引き抜い
た。これらのラジカル反応は、Sx + ,SFx + ,SC
x + ,Clx + ,SFCl+ FCl+ 等の入射イオン
・エネルギーにアシストされる。一方、プラズマ中に
は、混合気化生成物に由来して遊離のSが生成してい
る。このSは、イオンの垂直入射が原理的に生じないパ
ターンの側壁部に堆積し、図2に示されるような側壁保
護膜7を形成した。
【0034】この結果、上記エッチングは異方的に進行
し、垂直壁を有するリセス5aが形成された。また、下
地のn+ −AlGaAs層4が露出した時点では、その
表面にAlFx (主としてx=3),GaFx Cly
が形成され、エッチング速度が大幅に低下した。このと
きのn+ −AlGaAs層4に対する選択比は、約50
であった。また、レジスト・マスク6に対する選択比も
極めて良好であった。
【0035】エッチング終了後にウェハをバッファ室に
搬送し、ウェハ・ステージを介して約150℃に加熱し
たところ、上記側壁保護膜7は図3に示されるように速
やかに昇華除去された。この結果、ウェハ上に何らパー
ティクル汚染が生ずることはなかった。さらに、一例と
して電子ビーム蒸着により厚さ約200nmのAl層を
形成した。この蒸着は、微細な開口径を有するリセス5
aの内部においてステップ・カバレッジ(段差被覆性)
が劣化することを逆に利用したものであり、図4に示さ
れるように、レジスト・マスク6の表面には上部Al層
8a、リセス5a底部には後にゲート電極となる下部A
l層8bがそれぞれ形成された。
【0036】この後、常法にしたがってレジスト・マス
ク6をリフト・オフすると、図5に示されるように上部
Al層8aも同時に除去され、リセス5a底部の下部A
l層8bのみを残すことができた。
【0037】実施例2 本実施例は、本願の第1の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn
+ −GaAs層をS2 10とS2 Br2 との混合気化生
成物を用いてエッチングした例である。まず、図1に示
されるものと同じウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置にセットし、一例として下記の条件でn
+ −GaAs層5をエッチングした。
【0038】 (S2 10+S2 Br2 )流量 40SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 20℃ ここで、(S2 10+S2 Br2 )流量とは、液体状の
2 10とS2 Br2 とを容積1リットルのガス・ボン
ベ中で50gずつ混合した後、これを気化させて得られ
る混合気化生成物の流量を表している。この混合気化生
成物中には、所定の割合でハロゲン交換反応生成物であ
るS2 9 Br,S2 8 Br2 等が含まれている。
【0039】この工程では、F* ,Br* 等のラジカル
が、n+ −GaAs層5中のGaをGaBr3 等の形
で、またAsをAsF3 ,AsBr3 等の形で引き抜い
た。これらのラジカル反応は、Sx + ,SFx + ,SB
x + ,Brx + ,SFBr+ ,FBr+ 等の入射イオ
ン・エネルギーにアシストされる。一方、プラズマ中に
は、混合気化生成物に由来して遊離のSが生成してい
る。このSにより側壁保護膜7が形成され、異方性形状
を有するリセス5aが形成された。本実施例でも、下地
のn+ −AlGaAs層4に対して約50の選択比が得
られた。
【0040】実施例3 本実施例は、本願の第2の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn
+ −GaAs層をS2 10とS2 Cl2 との混合気化生
成物を用いてジャストエッチングした後、この混合気化
生成物にSF6 を添加してオーバーエッチングを行った
例である。
【0041】まず、図1に示されるものと同じウェハを
有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセット
し、一例として実施例1と同じ条件でn+ −GaAs層
5をエッチングした。次に、ウェハ上に局部的に残存す
るn+ −GaAs層5を除去するため、条件を一例とし
て下記のように切り替え、オーバーエッチングを行っ
た。
【0042】 (S2 10+S2 Cl2 )流量 30SCCM SF6 流量 10SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 −30℃(エタノール冷媒使用) このオーバーエッチング工程では、SF6 から生成する
大量のF* によりエッチング反応系のS/X比〔S原子
数とハロゲン(X)原子数の比〕が低下し、n+ −Al
GaAs層4の露出面に効率的にAlF3 が生成した。
しかも、ジャストエッチング工程に比べてRFバイアス
・パワーが半減されており、Sのスパッタ除去が抑制さ
れた。これらの効果により、本実施例における下地選択
比は100以上に向上した。
【0043】実施例4 本実施例は、本願の第3の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、(S2 10+S2 Cl2 )/
2 混合ガスを用いてn+ −GaAs層をエッチングし
た例である。まず、図1に示されるものと同じウェハを
有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセット
し、一例として下記の条件によりn+ −GaAs層5を
エッチングした。
【0044】 (S2 10+S2 Cl2 )流量 20SCCM N2 流量 20SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 20W(2MHz) ウェハ温度 25℃ この工程におけるエッチング機構および下地選択性の達
成機構は、ほぼ実施例1で前述したとおりである。ここ
では、Sの少なくとも一部がN2 と反応して(SN)x
等の窒化イオウ系化合物を生成し、これが側壁保護膜7
を形成する点が実施例1とは異なっている。この窒化イ
オウ系化合物による側壁保護効果はSのそれよりもさら
に強力であるため、ウェハ温度が実施例1よりもかなり
高く室温領域にあっても、良好な異方性形状を有するリ
セス5aを形成することができた。本実施例において、
+ −AlGaAs層4に対する選択比は約100であ
った。
【0045】窒化イオウ系化合物からなる側壁保護膜7
は、エッチング終了後にウェハを約150℃に加熱する
ことにより昇華もしくは分解して除去され、何らパーテ
ィクル汚染を惹起させることがなかった。
【0046】実施例5 本実施例は、本願の第3の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、n+ −AlGaAs層上のn
+ −GaAs層を(S2 10+S2 Br2 )/N2 混合
ガスを用いてエッチングした例である。まず、図1に示
されるものと同じウェハを有磁場マイクロ波プラズマ・
エッチング装置にセットし、一例として下記の条件によ
りn+ −GaAs層5をエッチングした。
【0047】 (S2 10+S2 Br2 )流量 20SCCM N2 流量 20SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 25℃ この工程におけるエッチング機構および下地選択性の達
成機構は、ほぼ実施例2で前述したとおりである。ここ
では、Sの少なくとも一部がN2 と反応して(SN)x
等の窒化イオウ系化合物を生成し、これが側壁保護膜7
を形成する点が実施例2とは異なっている。この窒化イ
オウ系化合物による側壁保護効果はSのそれよりもさら
に強力であるため、実施例2と比べてRFバイアス・パ
ワーが半減されているにもかかわらず、良好な異方性形
状を有するリセス5aを形成することができた。本実施
例において、n+ −AlGaAs層4に対する選択比は
約100であった。
【0048】実施例6 本実施例は、本願の第4の発明を同じくHEMTのゲー
ト・リセス加工に適用し、(S2 10+S2 Cl2 )/
2 混合ガスを用いてn+ −GaAs層をジャストエッ
チングした後、このガスにNF3 を添加してオーバーエ
ッチングを行った例である。
【0049】まず、図1に示されるものと同じウェハを
有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセット
し、実施例5と同じ条件によりn+ −GaAs層5をジ
ャストエッチングした。続いて、一例として条件を下記
のように変更し、オーバーエッチングを行った。
【0050】 (S2 10+S2 Cl2 ) 流量 10SCCM N2 流量 20SCCM NF3 流量 10SCCM ガス圧 1.3Pa(10mTorr) マイクロ波パワー 850W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 10W(2MHz) ウェハ温度 25℃(エタノール冷媒使用) このオーバーエッチング工程では、ガス系にNF3 が添
加されることによりエッチング反応系内のF* 生成量が
増大し、n+ −AlGaAs層4の露出面上において効
率良くAlF3 が生成した。また、NF3 中の窒素原子
は、窒化イオウ系化合物の生成にも寄与する。これらの
効果により、本実施例でも下地選択比は100以上とな
った。
【0051】以上、本発明を6つの実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの各実施例に何ら限定され
るものではない。まず、上述の各実施例では化合物半導
体層の積層系としてGaAs/AlGaAs積層系を例
示したが、本発明は下層側にAlが含まれていれば従来
公知の他の化合物半導体の積層系にも適用可能である。
たとえば、GaP/AlGaP、InP/AlInP、
GaN/AlGaN、InAs/AlInAs等の2元
素系/3元素系の積層系、さらにあるいは3元素系/4
元素系等の積層系等のエッチングにも適用できる。
【0052】エッチング・ガスには、H2 ,H2 S,シ
ラン系化合物等を適宜添加し、エッチング反応系のS/
X比を制御しても良い。また、冷却効果,希釈効果,ス
パッタリング効果等を得る目的で、He,Ar,Xe等
の希ガスを適宜添加しても良い。オーバーエッチング時
に入射イオン・エネルギーを低減させる方法として、上
述の各実施例ではジャストエッチング時に比べてRFバ
イアス・パワーを低減させたが、パワーを一定としたま
まRFバイアス周波数を増大させたり、あるいはパワー
の低減と周波数の増大を組み合わせる方法も、下地選択
性を高める上で有効である。
【0053】さらに、本発明は非Al含有/Al含有化
合物半導体の積層系の選択エッチングが必要とされるプ
ロセスであれば、上述のようなHEMTの製造に限ら
ず、たとえば半導体レーザー素子の加工等にも適用可能
である。
【0054】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、Sまたは窒化イオウ系化合物による側
壁保護効果を利用して、GaAs/AlGaAs積層系
に代表される非Al含有/Al含有化合物半導体の積層
系の選択異方性エッチングを行うことが可能となる。し
たがって、本発明はまず脱CFC対策としての意義が極
めて大きい。堆積したSおよび窒化イオウ系化合物は、
容易に昇華もしくは分解除去することができ、パーティ
クル汚染を惹起する虞れがない。本発明において主エッ
チング種の供給源となるS2 10とS2 Cl2 との混合
気化生成物、もしくはS2 10とS2 Br2 との混合気
化生成物は、単独組成のガスでは供給し得なかった化学
種をプラズマ中に生成することができ、エッチング反応
の多様化や対レジスト選択性の向上に寄与する。さら
に、オーバーエッチング時にF系化学種の生成量を高め
た条件を採用することにより、対下地選択性を一層向上
させることができる。
【0055】したがって、本発明はたとえば化合物半導
体を利用した半導体装置を微細なデザイン・ルールにも
とづいて製造する上で極めて有効であり、さらにこれを
高集積化してMMIC等を構成することにも多大な貢献
をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をHEMTのゲート・リセス加工に適用
したプロセス例において、n+ −GaAs層の上にレジ
スト・マスクが形成された状態を示す概略断面図であ
る。
【図2】図1のn+ −GaAs層が側壁保護膜の形成を
伴いながらエッチングされ、リセスが形成された状態を
示す概略断面図である。
【図3】図2の側壁保護膜が除去された状態を示す概略
断面図である。
【図4】レジスト・マスクの表面とリセスの底面にAl
層が被着された状態を示す概略断面図である。
【図5】レジスト・マスクとその表面の上部Al層が除
去され、リセスの底面にのみ下部Al層(ゲート電極)
が残された状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・半絶縁性GaAs基板 2 ・・・epi−GaAs層 3 ・・・AlGaAs層 4 ・・・n+ −AlGaAs層 5 ・・・n+ −GaAs層 5a・・・リセス 6 ・・・レジスト・マスク 6a・・・開口部 7 ・・・側壁保護膜 8a・・・上部Al層 8b・・・下部Al層(ゲート電極)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを含む化合物半導体層の上に積層さ
    れたAlを含まない化合物半導体層を選択的に除去する
    ドライエッチング方法において、 S2 10とS2 Cl2 との混合気化生成物、もしくはS
    2 10とS2 Br2 との混合気化生成物の少なくとも一
    方を含むエッチング・ガスを用い、前記Alを含まない
    化合物半導体層をエッチングすることを特徴とするドラ
    イエッチング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエッチングにより前記A
    lを含まない化合物半導体層を実質的にその層厚分だけ
    除去する第1の工程と、 前記第1の工程におけるよりもフッ素系化学種の生成量
    を相対的に大とした条件でオーバーエッチングを行う第
    2の工程とを有することを特徴とするドライエッチング
    方法。
  3. 【請求項3】 Alを含む化合物半導体層の上に積層さ
    れたAlを含まない化合物半導体層を選択的に除去する
    ドライエッチング方法において、 S2 10とS2 Cl2 との混合気化生成物、もしくはS
    2 10とS2 Br2 との混合気化生成物の少なくとも一
    方と、窒素系化合物とを含むエッチング・ガスを用い、
    前記Alを含まない化合物半導体層をエッチングするこ
    とを特徴とするドライエッチング方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエッチングにより前記A
    lを含まない化合物半導体層を実質的にその層厚分だけ
    除去する第1の工程と、 前記第1の工程におけるよりもフッ素系化学種の生成量
    を相対的に大とした条件でオーバーエッチングを行う第
    2の工程とを有することを特徴とするドライエッチング
    方法。
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