JPH0634813Y2 - 空気浄化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は空気浄化装置に関するものである。

〔考案の背景〕 一般に大気中には、塵埃、煙草の煙、臭気性ガス、その
他の汚染物質が含有されており、快適な環境を実現する
ために、あるいは環境衛生の観点から適宜空気を浄化す
ることが要請されており、特に不快臭を確実に除去する
ことが強く望まれている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来から空気浄化装置が開発されているが、従来の空気
浄化装置は、消臭作用が不十分であり、特定の臭気に対
して有効であっても他の種類の臭気に対しては殆ど消臭
作用がなく、そのため、空気の不快臭を十分に除去する
ことができない、という問題点がある。

〔考案の目的〕

本考案は、以上のような問題点を解決し、種々の臭気を
消臭することができて確実に不快臭を除去することがで
き、しかも処理効率の高い空気浄化装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の空気浄化装置は、空気流入口および空気流出口
を有するケーシングと、前記空気流入口から外部の空気
を取り入れてこれを前記空気流出口に向かって流過させ
る通気ファンと、前記ケーシング内に配置された、紫外
線放射ランプ配置空間を介して空気の流れる方向に沿っ
て並ぶよう設けた、各々当該空気の流れる方向に伸びる
多数の通気孔を有し、当該通気孔の内面に紫外線の照射
により励起される空気浄化反応触媒物質を担持する第１
のハニカム体および第２のハニカム体と、前記紫外線放
射ランプ配置空間内に設けた、前記第１のハニカム体お
よび第２のハニカム体の通気孔の内面に紫外線を照射す
る紫外線放射ランプと、この紫外線放射ランプを介して
互いに対向し、前記第１のハニカム体および第２のハニ
カム体と共に前記紫外線放射ランプを包囲するように配
置された、前記紫外線放射ランプよりの紫外線を第１の
ハニカム体および第２のハニカム体の通気孔の内面に向
かって反射する、各々の中央が内方に突出する山型の一
対の反射板と、前記ケーシング内において、それぞれ前
記第１のハニカム体および第２のハニカム体に対し空気
の流れる方向に外方に並ぶよう配置された、各々通気性
を有する第１の脱臭部材および第２の脱臭部材とを有し
てなることを特徴とする。

〔考案の作用効果〕

このような構成によれば、外部から導入された空気は、
通気ファンによりケーシング内をその一端から他端に向
かって、第１の脱臭部材、第１のハニカム体、第２のハ
ニカム体および第２の脱臭部材を通過するが、第１のハ
ニカム体および第２のハニカム体の通気孔が空気の流れ
る方向に伸びるものであるため、空気の流れが円滑であ
って高い処理効率が得られる。

また、当該通気孔の内面には、紫外線の照射により励起
される空気浄化反応触媒物質が担持されており、しかも
紫外線放射ランプからの紫外線に加えて一対の山型の反
射板により反射された紫外線が異なる位置と方向から照
射されるため、各ハニカム体の通気孔の内面における紫
外線照射面積が非常に大きいものとなり、紫外線の利用
効率が高くて空気が確実に浄化され、従って優れた除臭
効果が得られる。

更に、空気が第１の脱臭部材および第２の脱臭部材を通
過するときに、第１のハニカム体および第２のハニカム
体によっては除去されない他の臭気が消臭され、その結
果、不快臭が十分に除去されて優れた消臭効果が得られ
る。

また、反射板が山型であるため、紫外線放射ランプ配置
空間を流過する空気が確実に紫外線放射ランプの近傍を
通過するようになって整流効果と殺菌効果が得られる。

〔考案の具体的構成〕

以下、図面を参照しながら本考案の具体的構成を説明す
る。

第１図は本考案に係る空気浄化装置の一例の概略を示す
説明用縦断側面図、第２図は同じく説明用横断平面図で
ある。この実施例に係る空気浄化装置は、例えば室内の
卓、その他の水平面上に載置されて使用されるタイプの
ものであり、全体に偏平の箱型のケーシング１を有す
る。このケーシング１の一端側の上面には、空気流入口
２が例えばルーバーにより形成されると共に、他端側の
上面には同様にルーバーにより空気流出口３が形成さ
れ、この空気流出口３の下方に位置するようクロスフロ
ーファンよりなる通気ファン５が配置されている。４は
ケーシング１内に空気流通路を形成する空気流通路形成
部材である。前記通気ファン５は、その吸引力によっ
て、空気流入口２から外部の空気をケーシング１内に導
入し、空気流通路を流通させた後、、空気流出口３より
排出させる。そして、前記空気流通路には、空気の流れ
る方向に沿って並ぶよう、第１の脱臭部材６、第１のハ
ニカム体７、紫外線放射ランプＬ、第２のハニカム体８
および第２の脱臭部材体９がこの順に配設されており、
第１のハニカム体７と第２のハニカム体８との間には紫
外線放射ランプ配置空間が形成されてこの紫外線放射ラ
ンプ配置空間内に紫外線放射ランプＬが配置されてい
る。

前記第１のハニカム体７および第２のハニカム体８の各
々は、第３図に示すように、波形板Ａと平板Ｂとを交互
に積重した状態で一体的に固定され、波形板Ａと平板Ｂ
との間に多数の筒状の通気孔Ｃが形成された構成を有す
る例えばセラミックよりなり、当該通気孔Ｃが空気の流
れる方向に沿って伸びるよう配置される。そして、この
第１のハニカム体７および第２のハニカム体８における
各通気孔Ｃの内面には、後述する空気浄化反応触媒物質
が固定されている。

紫外線放射ランプＬは棒状の形態を有し、ケーシング１
に固定されたソケット10,10に装着されることにより、
第１のハニカム体７における通気孔Ｃの出口側開口を介
して通気孔Ｃの各々の内面に紫外線を照射し、かつ第２
のハニカム体８における通気孔Ｃの入口側開口を介して
通気孔Ｃの各々の内面に紫外線を照射する状態に配置さ
れている。この紫外線放射ランプＬの上方および下方に
は、各々の中央が内方に突出する山型の一対の反射板1
1,11が互いに対向するよう設けられており、これによ
り、紫外線放射ランプＬは、第１のハニカム体７および
第２のハニカム体８と、山型の反射板11,11とにより包
囲された状態とされている。

以上において、紫外線放射ランプＬとしては、紫外線を
含む光を放射するランプであれば特に限定されないが、
具体的には低圧水銀ランプを好ましく用いることがで
き、特に波長400nm以下の紫外線を高い効率で放射する
ものが好ましい。

空気浄化反応触媒物質としては、紫外線の照射を受けて
励起され、空気中の不快臭の原因となっている特定の臭
気物質と接触したときに反応して当該臭気物質を化学的
に変質させて消臭作用を発揮するものが用いられる。斯
かる空気浄化反応触媒物質の具体例としては、酸化チタ
ンや酸化亜鉛、これらの混合物などを好適に用いること
ができ、更に酸化チタンとしては、アナターゼ型のもの
が活性が高い点で好ましい。また酸化チタンにアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物
が混合されたものや、４チタン酸カリウムや６チタン酸
カリウムのような複合金属酸化物の形態のものも好適に
用いられる。これらの空気浄化反応触媒物質によれば、
特にイオウ化合物による臭気が高い効率で除去される。
なお、ハニカム体に空気浄化反応触媒物質を固定または
担持させる手段は、特に限定されるものではない。

また第１の脱臭部材６および第２の脱臭部材９は、例え
ば通気性繊維材の層状体よりなり、その繊維には金属フ
タロシアニン誘導体などの脱臭物質あるいは消臭物質が
固定あるいは担持されている。この脱臭物質は、紫外線
などによる励起を必要としないでそれ自体が脱臭作用を
有し、前記空気浄化反応触媒物質によっては消臭されに
くい、例えばアンモニアなどの臭気物質が接触するとこ
れを酸化するなど化学的に変化させて無臭物質の変化さ
せて消臭作用を果たすものであり、その詳細は、例えば
文献「新しい消臭剤の商品展開」（大阪ケミカル・リサ
ーチ社発行）の第32頁以下に記載されている。

上記のような構成によれば、通気ファン５が駆動される
ことにより、当該空気浄化装置が配置された場所におけ
る外部の空気が空気流入口２からケーシング１内の空気
流通路を介して他端側に送られるが、このときに先ず第
１の脱臭部材６を通過し、次に第１のハニカム体７の通
気孔Ｃを通過し、次に紫外線放射ランプ７よりの紫外線
を受け、更に第２のハニカム体８の通気孔Ｃを通過し、
更に第２の脱臭部材９を通過し、その後に空気流出口３
から外部に排出される。そして、第１のハニカム体７お
よび第２のハニカム体８の通気孔Ｃを通過するときに
は、当該通気孔Ｃの内面に空気浄化反応触媒物質が担持
されていると共に当該内面には紫外線放射ランプＬより
の紫外線が照射されるため、流過する空気が、励起され
た空気浄化反応触媒物質に確実に接触し、その作用によ
って臭気を与えるイオウ化合物などが化学的に変質され
て消臭され、また第１の脱臭部材６および第２の脱臭部
材９を通過するときには、空気中の例えばアンモニア臭
が有効に消臭される。

また、反射板11,11は、各々その中央が内方に突出する
山型の形状を有することにより、紫外線放射ランプＬよ
りの紫外線を、当該紫外線放射ランプＬとは異なる位置
および方向から、すなわち紫外線放射ランプＬの上方位
置と下方位置から、第１のハニカム体７および第２のハ
ニカム体８の通気孔の内面に向かって反射するので、そ
れらの通気孔Ｃの内面における紫外線照射面の面積を一
層広いものとすることができ、消臭効率を向上させる上
で有効である。

以上の消臭効果に加え、第１のハニカム体７と第２のハ
ニカム体８との間の空間を流過する空気には、直接的に
紫外線放射ランプＬよりの紫外線が照射されるため、当
該空気の殺菌処理も同時に達成される。しかも、反射板
11,11は、各々の中央が紫外線放射ランプＬに接近する
よう内方に突出する山型であるため、紫外線放射ランプ
配置空間を流過する空気が確実に紫外線放射ランプＬの
近傍を通過するようになって整流効果と紫外線の照射に
よる殺菌効果が同時に得られる。

以上のように、外部の空気が取り入れられ、この空気に
対して、空気浄化反応触媒物質を有するハニカム体と脱
臭部材との両方により、種々の臭気物質が消臭されると
共に殺菌がなされて浄化処理がなされ、従って当該空気
は十分に消臭されて清浄となった上で空気流出口３より
外部に排出される。そしてこのような空気の浄化作用が
継続して行われることにより、室内の環境をきわめて快
適な状態に維持することができる。

以上において、第１のハニカム体７および第２のハニカ
ム体８は、いずれもその通気孔が空気の流れる方向に伸
びる状態であるため、流通抵抗が小さくて空気の流れが
円滑であり、従って高い処理効率を得ることができる。

また、特に第２のハニカム体８および第２の脱臭部材９
が紫外線放射ランプ配置空間の下流側に配置されている
ことにより、紫外線の照射を受けて変質した臭気物質に
対して消臭作用が得られる利点がある。

なお、本考案においては、他の消臭作用を有する物質、
例えば通気性の袋内に「シラス」と称される火山灰を充
填した脱臭剤を、例えば空気流通路形成部材４に沿って
空気流通路の側部などに設けることができ、この場合に
は、当該脱臭剤がそれ自体の作用として消臭作用を果た
し、従って通気ファンを駆動しなくとも、そのままであ
る程度の消臭効果を得ることができる。

以上のように、本考案によれば、第１の脱臭部材、第１
のハニカム体、第２のハニカム体および第２の脱臭部材
が空気の流れる方向にこの順に配置されると共に、第１
のハニカム体および第２のハニカム体の間に紫外線放射
ランプ配置空間が形成されてこれに紫外線放射ランプが
配置され、第１のハニカム体および第２のハニカム体の
通気孔が空気の流れる方向に伸びると共にその内面に空
気浄化反応触媒物質が担持され、更に紫外線放射ランプ
を包囲するよう山型の一対の反射板が設けられている構
成により、第１のハニカム体および第２のハニカム体の
通気孔の内面における紫外線照射面の面積が広くて空気
浄化反応触媒物質による消臭効果が大きく、しかも空気
の流れが円滑で高い処理効率を得ることができ、また第
１の脱臭部材および第２の脱臭部材により、空気浄化反
応触媒物質による消臭効果に加えて他の臭気に対する消
臭効果が得られ、更に、反射板が山型であることによ
り、紫外線放射ランプ配置空間を流過する空気が確実に
紫外線放射ランプの近傍を通過するようになって整流効
果と殺菌効果が得られ、これらの結果、大気の不快臭を
確実にまた十分に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本考案に係る空気浄化装
置の一実施例を示す説明用縦断側面図および説明用横断
平面図、第３図はハニカム体についての説明図である。 １…ケーシング、２…空気流入口 ３…空気流出口 ４…空気流通路形成部材 ５…通気ファン、６…第１の脱臭部材 Ｌ…紫外線放射ランプ、７…第１のハニカム体 ８…第２のハニカム体、９…第２の脱臭部材 Ａ…波形板、Ｂ…平板 Ｃ…通気孔、10…ソケット 11…反射板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】空気流入口および空気流出口を有するケー
   シングと、 前記空気流入口から外部の空気をケーシング内に取り入
   れてこれを前記空気流出口に向かって流過させる通気フ
   ァンと、 前記ケーシング内に配置された、紫外線放射ランプ配置
   空間を介して空気の流れる方向に沿って並ぶよう設け
   た、各々当該空気の流れる方向に伸びる多数の通気孔を
   有し、当該通気孔の内面に紫外線の照射により励起され
   る空気浄化反応触媒物質を担持する第１のハニカム体お
   よび第２のハニカム体と、 前記紫外線放射ランプ配置空間内に設けた、前記第１の
   ハニカム体および第２のハニカム体の通気孔の内面に紫
   外線を照射する紫外線放射ランプと、 この紫外線放射ランプを介して互いに対向し、前記第１
   のハニカム体および第２のハニカム体と共に前記紫外線
   放射ランプを包囲するように配置された、前記紫外線放
   射ランプよりの紫外線を第１のハニカム体および第２の
   ハニカム体の通気孔の内面に向かって反射する、各々の
   中央が内方に突出する山型の一対の反射板と、 前記ケーシング内において、それぞれ前記第１のハニカ
   ム体および第２のハニカム体に対し空気の流れる方向に
   外方に並ぶよう配置された、各々通気性を有する第１の
   脱臭部材および第２の脱臭部材と を有してなることを特徴とする空気浄化装置。