JPH06346717A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JPH06346717A
JPH06346717A JP5285340A JP28534093A JPH06346717A JP H06346717 A JPH06346717 A JP H06346717A JP 5285340 A JP5285340 A JP 5285340A JP 28534093 A JP28534093 A JP 28534093A JP H06346717 A JPH06346717 A JP H06346717A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関の潤滑装置において、低温時には軸受
部の油膜を薄くして摩擦損失を有効に低減させ、高温時
には軸受部に供給すべき潤滑オイルの量を充分に確保し
て有効な潤滑を図る。 【構成】潤滑オイルLOをオイルポンプ15より吐出させ、
各オイル通路4,5,7A〜7Eを通じてクランクシャフト3 の
各軸受部8A〜8Eに供給可能とする。各軸受部8A〜8Eに供
給された潤滑オイルLOを、オイル通路19A 〜19E 、オイ
ル再循環通路18A,18B を通じてオイルパン44に戻し、再
び各オイル通路4,5,7A〜7Eから各軸受部8A〜8Eへ再循環
可能とする。オイル再循環通路18A,18B の途中に温度感
応式のオイル切替弁42を設け、同弁42とオイル通路4 と
の間に連通路43を設ける。そして、低温時にはオイル切
替弁42を開閉作動させてオイル再循環通路18A,18B を開
き、高温時にはオイル切替弁42を開閉作動させてオイル
通路4 とオイル再循環通路18A,18B とを連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関のクランクシ
ャフト系に潤滑オイルを供給するようにした潤滑装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関ではその運動部分に
潤滑オイルを圧送供給して強制的に潤滑を行うようにし
た圧送式の潤滑装置が広く採用されている。この潤滑装
置では、オイルパン内の潤滑オイルがオイルポンプで汲
み上げられる。そして、その潤滑オイルがオイルフィル
タ等を通過した後、クランクシャフトやシリンダブロッ
クに設けられたオイル通路等を通じて、クランクシャフ
ト系や動弁系にそれぞれ供給されるようになっている。
【0003】この種の潤滑装置として、例えば、実開昭
63−2813号公報に開示された技術が挙げられる。
この従来技術では、オイルポンプから圧送される潤滑オ
イルの経路が、クランクシャフト系に潤滑オイルを供給
するためのメインオイルギャラリと、動弁系に潤滑オイ
ルを供給するための動弁系オイルギャラリとに分岐され
ている。又、動弁系オイルギャラリの途中には、低温時
に同ギャラリの有効流路断面積を大きくし、常温時或い
は高温時にはその有効流路断面積を小さくする有効流路
断面積変更手段が設けられている。そして、オイル粘度
の高い低温時には、有効流路断面積変更手段により動弁
系に供給される潤滑オイルの減少が抑えられ、動弁系の
潤滑が確保されるようになっている。又、このとき、ク
ランクシャフト系に対する粘度の高い潤滑オイルの供給
量は減少することから、クランクシャフト系の軸受部に
おける油膜は薄くなる。この作用により、クランクシャ
フト系では、粘度の高い潤滑オイルにより軸受部におけ
る摩擦損失の増大が抑えられる。一方、オイル粘度の低
い常温時又は高温時には、有効流路断面積変更手段によ
り動弁系に供給される潤滑オイルの量が充分に確保さ
れ、それと共にクランクシャフト系に対する潤滑オイル
の供給不足が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術において、低温時にクランクシャフト系の軸受部
における摩擦損失の増大が抑えられるためには、その軸
受部における油膜が薄くなる一方で、潤滑オイルの温度
が素早く上昇して潤滑オイルの粘度が低下することが望
ましい。ここで、潤滑オイルはヒーター等の特別な加熱
手段を設けて加熱する以外には、内燃機関で発生する熱
を受けて温度を上昇させることが可能である。通常、内
燃機関で発生する熱は、動弁系に比べてクランクシャフ
ト系へ多く伝わることが知られている。従って、低温時
にクランクシャフト系に対する潤滑オイルの供給量を単
純に減少させることで軸受部における油膜を薄くするよ
うにしただけの従来技術では、その軸受部における摩擦
損失は抑えられるものの、潤滑オイル全体の暖機時間が
長くなる傾向にあった。そのため、潤滑オイルの暖機が
完了するまでの間で、軸受部を含む内燃機関の各部位に
おける摩擦損失が長時間にわたり大きい状態となるおそ
れがあった。
【0005】又、一般的な構造の内燃機関では、前記従
来技術と同様に、クランクシャフト系に対する潤滑オイ
ルの供給不足に対処する必要がある。しかも、そのクラ
ンクシャフト系では、その軸受部に供給された潤滑オイ
ルがオイル通路を通じてクランクピンやコンロッド、或
いはピストンやシリンダ等に供給される構造となってい
る。従って、それら各部位にも充分な量の潤滑オイルが
供給されることが望ましい。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その第1の目的は、低温時には潤滑オイ
ルの供給量を減少させることなくクランクシャフトの軸
受部における油膜を薄くして軸受部の摩擦損失を有効に
低減させることを可能にした内燃機関の潤滑装置を提供
することにある。
【0007】第2の目的は、高温時にクランクシャフト
の軸受部に供給すべき潤滑オイルの量を充分に確保して
有効な潤滑を図ることを可能にした内燃機関の潤滑装置
を提供することにある。
【0008】第3の目的は、クランクシャフトの軸受部
から他の部位へ潤滑オイルを供給する構造においては、
低温時に他の部位に供給すべき潤滑オイルの量を充分に
確保して有効な潤滑を図ることを可能にした内燃機関の
潤滑装置を提供することにある。
【0009】第4の目的は、同じくクランクシャフトの
軸受部から他の部位へ潤滑オイルを供給する構造におい
て、低温時、高温時にかかわらず他の部位に供給すべき
潤滑オイルの量を充分に確保して有効な潤滑を図ること
を可能にした内燃機関の潤滑装置を提供することにあ
る。
【0010】第5の目的は、同じくクランクシャフトの
軸受部から他の部位へ潤滑オイルを供給する構造におい
て、高温時には他の部位へ潤滑オイルを供給しない軸受
部で潤滑オイルの量を充分に確保して有効な潤滑を図る
ことを可能にした内燃機関の潤滑装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、第1の発明においては、オイルパン内に貯留
された潤滑オイルを汲み上げて吐出するためのオイルポ
ンプと、そのオイルポンプより吐出される潤滑オイルを
内燃機関のクランクシャフトの軸受部に圧送供給するた
めの第1のオイル供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装
置において、軸受部に供給された潤滑オイルをオイルパ
ンへ戻すためのオイル戻し通路と、内燃機関の低温時に
開弁されてオイル戻し通路による潤滑オイルの戻りを許
容するための第1のオイル制御弁とを備えたことを趣旨
としている。
【0012】上記第1の目的を達成するために、第2の
発明においては、オイルパン内に貯留された潤滑オイル
を汲み上げて吐出するためのオイルポンプと、そのオイ
ルポンプより吐出される潤滑オイルを内燃機関のクラン
クシャフトの軸受部に圧送供給するための第1のオイル
供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装置において、軸受
部に供給された潤滑オイルをオイルポンプの吸入側に戻
して再循環させるためのオイル再循環通路と、内燃機関
の低温時に開弁されてオイル再循環通路による潤滑オイ
ルの再循環を許容するための第2のオイル制御弁とを備
えたことを趣旨としている。
【0013】上記第1及び第2の目的を併せて達成する
ために、第3の発明においては、第2の発明の構成にお
いて、第1のオイル供給通路とオイル再循環通路との間
に設けられた連通路と、その連通路に対して設けられ、
内燃機関の高温時に開弁されて連通路を開放するための
第3のオイル制御弁とを備えたことを趣旨としている。
【0014】上記第1、第2及び第3の目的を併せて達
成するために、第4の発明においては、第3の発明の構
成において、軸受部を複数としてその一部の軸受部に対
応して設けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オ
イルを更に他の部位へ供給するための第2のオイル供給
通路と、その第2のオイル供給通路と対応する一部の軸
受部に対応して設けられ、その一部の軸受部からオイル
再循環通路へ再循環する方向の潤滑オイルの流れを阻止
するための逆止弁とを備えたことを趣旨としている。
【0015】上記第1及び第4の目的を併せて達成する
ために、第5の発明においては、第2の発明の構成にお
いて、軸受部を複数としてその一部の軸受部に対応して
設けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オイルを
更に他の部位へ供給するための第2のオイル供給通路
と、その第2のオイル供給通路と対応する一部の軸受部
に対応して設けられ、その一部の軸受部に供給される潤
滑オイルの量を他の軸受部に供給される潤滑オイルの量
よりも増大させるためのオイル配分設定手段とを備えた
ことを趣旨としている。
【0016】上記第1、第2及び第5の目的を併せて達
成するために、第6の発明においては、第3の発明の構
成において、軸受部を複数としてその一部の軸受部に対
応して設けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オ
イルを更に他の部位へ供給するための第2のオイル供給
通路を備え、その第2のオイル供給通路と対応しない他
の軸受部に対してのみ、オイル再循環通路を設けたこと
を趣旨としている。
【0017】上記第1の目的を達成するために、第7の
発明においては、第1の発明の構成において、二分割可
能に形成され、軸受部又はクランクシャフトの他の部位
を挟持するかたちで同クランクシャフトと相対回転可能
に設けられた軸受ハウジングと、その軸受ハウジングに
クランクシャフトが挟持された状態で軸受ハウジングを
締め付けるためのボルトと、軸受ハウジングにボルトを
中心に形成され、軸受ハウジングに形成されたオイル戻
し通路と軸受部とを連通するための連通溝と、ボルトに
挿通されて連通溝に配置され、低温時には収縮して連通
溝を開放し、高温時には熱膨張して連通溝を閉鎖するた
めの第1のオイル制御弁を構成する熱膨張片とを設けた
ことを趣旨としている。
【0018】上記第1の目的を達成するために、第8の
発明においては、オイルパン内に貯留された潤滑オイル
を汲み上げて吐出するためのオイルポンプと、そのオイ
ルポンプより吐出される潤滑オイルを内燃機関のクラン
クシャフトの軸受部に圧送供給するための第1のオイル
供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装置において、軸受
部に供給された潤滑オイルをオイルパンへ戻すためのオ
イル戻し通路を設けたことを趣旨としている。
【0019】上記第1の目的を達成するために、第9の
発明においては、第8の発明の構成において、二分割可
能に形成され、軸受部又はクランクシャフトの他の部位
を挟持するかたちで同クランクシャフトと相対回転可能
に設けられた軸受ハウジングと、その軸受ハウジングに
クランクシャフトが挟持された状態で軸受ハウジングを
締め付けるためのボルトと、軸受ハウジングにボルトを
中心に形成され、軸受ハウジングに形成されたオイル戻
し通路と軸受部とを連通するための連通溝とを設けたこ
とを趣旨としている。
【0020】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、オイルポンプ
が駆動されることにより、オイルパン内に貯留された潤
滑オイルが汲み上げられてオイルポンプから吐出され
る。そして、その潤滑オイルが第1のオイル供給通路を
通じてクランクシャフトの軸受部に圧送供給され、軸受
部の潤滑に供される。ここで、軸受部に供給された潤滑
オイルは軸受部の摺動により加熱される。そして、低温
時には、第1のオイル制御弁が開弁されることにより、
軸受部に供給されて加熱された潤滑オイルが、オイル戻
し通路を通じてオイルパンへと直接戻される。又、その
潤滑オイルが、再びオイルポンプより吐出されて第1の
オイル供給通路を通じて軸受部へと圧送供給され、軸受
部の潤滑に供される。又、潤滑オイルが軸受部からオイ
ル戻し通路へ流れることにより、その軸受部における油
圧が低下し、軸受部を流通する潤滑オイルの量が増大す
る。
【0021】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。
【0022】上記第2の発明の構成によれば、オイルポ
ンプが駆動されることにより、オイルパン内に貯留され
た潤滑オイルが汲み上げられてオイルポンプから吐出さ
れる。そして、その潤滑オイルが第1のオイル供給通路
を通じてクランクシャフトの軸受部に圧送供給され、軸
受部の潤滑に供される。ここで、軸受部に供給された潤
滑オイルは軸受部の摺動により加熱される。そして、低
温時には、第2のオイル制御弁が開弁されることによ
り、軸受部に供給されて加熱された潤滑オイルが、オイ
ル再循環通路を通じてオイルポンプの吸入側へと直接戻
され、再び第1のオイル供給通路を通じて軸受部へと再
循環される。又、潤滑オイルが軸受部からオイル再循環
通路を通じて吸い出されることにより、その軸受部にお
ける油圧が低下し、軸受部を流通する潤滑オイルの量が
増大する。
【0023】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。
【0024】上記第3の発明の構成によれば、第2の発
明の作用に加えて、高温時には第3のオイル制御弁が開
弁されて連通路が開放される。このため、オイルポンプ
から吐出された潤滑オイルは、その一部が第1のオイル
供給通路を通じて軸受部に供給され、残りの一部が連通
路を通じてオイル再循環通路へ逆流して軸受部へと供給
される。従って、高温時には、軸受部に第1のオイル供
給通路とオイル再循環通路との両方から潤滑オイルが供
給されることになる。
【0025】上記第4の発明の構成によれば、第3の発
明の作用に加えて、一部の軸受部に供給された潤滑オイ
ルの一部は第2のオイル供給通路を通じて他の部位へと
供給されて潤滑に供される。又、その一部の軸受部に対
応して逆止弁が設けられていることから、低温時にはオ
イル再循環通路へ再循環する方向の潤滑オイルの流れが
阻止される。従って、低温時には第1のオイル供給通路
を通じて一部の軸受部に供給された潤滑オイルが、オイ
ル再循環通路を通じて再循環されることなく、第2のオ
イル供給通路を通じて他の部位へと供給される。
【0026】上記第5の発明の構成によれば、第2の発
明の作用に加えて、第1のオイル供給通路を通じて一部
の軸受部に供給された潤滑オイルの一部が、第2のオイ
ル供給通路を通じて他の部位へと供給されて潤滑に供さ
れる。そして、第2のオイル供給通路と対応する一部の
軸受部には、オイル配分設定手段により他の軸受部より
も多くの潤滑オイルが供給されることになり、第2のオ
イル供給通路を通じて他の部位へ供給される潤滑オイル
の量が増大する。
【0027】上記第6の発明の構成によれば、第3の発
明の作用と同様な作用が得られる。ここで、第1のオイ
ル供給通路を通じて一部の軸受部に供給された潤滑オイ
ルの一部は、第2のオイル供給通路を通じて他の部位へ
と供給されて潤滑に供される。又、第2のオイル供給通
路と対応しない他の軸受部のみにオイル再循環通路が設
けられていることから、低温時には、その軸受部に供給
された潤滑オイルがオイル再循環通路を通じて再循環さ
れる。又、高温時にはオイルポンプから吐出された潤滑
オイルの一部が連通路及びオイル再循環通路を通じて前
記他の軸受部に供給される。従って、高温時には、他の
部位へ潤滑オイルを供給しない他の軸受部に供給される
潤滑オイルの量が増大する。
【0028】上記第7の発明の構成によれば、オイルパ
ンから汲み上げられてオイルポンプより吐出される潤滑
オイルは、第1のオイル供給通路を通じてクランクシャ
フトの軸受部に圧送供給され、軸受部の潤滑に供され
る。ここで、軸受部に供給された潤滑オイルは軸受部の
摺動により加熱される。そして、低温時には、第1のオ
イル制御弁を構成する熱膨張片が収縮してボルトの周り
の連通溝が開放されることにより、軸受部に供給されて
加熱された潤滑オイルが、その連通溝及びオイル戻し通
路を通じてオイルパンへと直接戻される。又、その潤滑
オイルは、再びオイルポンプにより吐出されて第1のオ
イル供給通路を通じて軸受部へと圧送供給され、軸受部
の潤滑に供される。又、潤滑オイルが軸受部からオイル
戻し通路へ流れることにより、その軸受部における油圧
が低下し、軸受部を流通する潤滑オイルの量が増大す
る。
【0029】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。一方、高温時には、熱膨張片が熱
膨張してボルトの周りの連通溝が閉鎖されることによ
り、軸受部からオイル戻し通路への潤滑オイルの流れが
遮断される。このように、第1のオイル制御弁は、通常
使用される軸受ハウジング及びボルトを利用して簡易に
構成される。
【0030】上記第8の発明の構成によれば、オイルパ
ンから汲み上げられてオイルポンプより吐出される潤滑
オイルは、第1のオイル供給通路を通じてクランクシャ
フトの軸受部に圧送供給され、軸受部の潤滑に供され
る。ここで、軸受部に供給された潤滑オイルは軸受部の
摺動により加熱された後、オイル戻し通路を通じてオイ
ルパンへと直接戻される。又、その潤滑オイルは、再び
オイルポンプにり吐出されて第1のオイル供給通路を通
じて軸受部へと圧送供給され、軸受部の潤滑に供され
る。又、潤滑オイルが軸受部からオイル戻し通路へ流れ
ることにより、軸受部における油圧が低下し、軸受部を
流通する潤滑オイルの量が増大する。
【0031】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。
【0032】上記第9の発明の構成によれば、オイルパ
ンから汲み上げられてオイルポンプより吐出される潤滑
オイルは、第1のオイル供給通路を通じてクランクシャ
フトの軸受部に圧送供給され、軸受部の潤滑に供され
る。ここで、軸受部に供給された潤滑オイルは軸受部の
摺動により加熱された後、ボルトの周りの連通溝及びオ
イル戻し通路を通じてオイルパンへと直接戻される。
又、その潤滑オイルは、再びオイルポンプにり吐出され
て第1のオイル供給通路を通じて軸受部へと圧送供給さ
れ、軸受部の潤滑に供される。更に、潤滑オイルが軸受
部から連通溝及びオイル戻し通路へ流れることにより、
軸受部における油圧が低下し、軸受部を流通する潤滑オ
イルの量が増大する。
【0033】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。このように、連通溝及びオイル戻
し通路は、通常使用される軸受ハウジング及びボルトを
利用して簡易に構成される。
【0034】
【実施例】
(第1実施例)以下、上記第2の発明における内燃機関
の潤滑装置を具体化した第1実施例を図1〜図3に基づ
いて詳細に説明する。
【0035】図1はこの実施例における内燃機関の潤滑
装置を示す概略構成図である。内燃機関ENの下部に配
設されたオイルパン1の内部には、潤滑オイルLOが貯
留されている。この潤滑オイルLOを、内燃機関ENの
クランクシャフト系と動弁系とに供給して各部の潤滑を
行うために、図示しないシリンダブロックの内部には、
潤滑オイルLOを通過させるための第1のオイル供給通
路2が形成されている。ここで、クランクシャフト系は
クランクシャフト3と、同シャフト3に組み付けられた
図示しないコンロッド及びピストン等より構成されてい
る。又、動弁系は図示しないシリンダヘッドに組み付け
られたカムシャフト、バルブリフタ及びカムシャフトギ
ヤ等より構成されている。
【0036】第1のオイル供給通路2は、オイルパン1
に続くメインオイル通路4と、同通路4の途中から二つ
に分岐されたクランクシャフト系オイル通路5と動弁系
オイル通路6とから構成されている。クランクシャフト
系オイル通路5はクランクシャフト系に対応して配設さ
れたものであり、動弁系オイル通路6は動弁系に対応し
て配設されたものである。この実施例では、メインオイ
ル通路4からクランクシャフト系オイル通路5と動弁系
オイル通路6とに分配される潤滑オイルLOの量が適正
になるように、それらのオイル通路5,6の径が設定さ
れている。
【0037】クランクシャフト系オイル通路5の下流側
は複数(この実施例では「5つ」)のオイル通路7A,
7B,7C,7D,7Eに分岐されており、それら各オ
イル通路7A〜7Eの先端側が、クランクシャフト3の
複数(この実施例では「5つ」)の軸受部8A,8B,
8C,8D,8Eに連通されている。各軸受部8A〜8
Eでは、軸受メタル9を介して各クランクジャーナル1
0A,10B,10C,10D,10Eが回転可能に支
持されている。図2は図1の各軸受部8A〜8Eを代表
して一つの軸受部8Bを拡大して示す図である。この図
からも分かるように、各軸受メタル9にはオイル溝9a
が形成されており、そのオイル溝9aに対してオイル通
路7Bの先端が連通されている。この実施例では、オイ
ル溝9aが軸受メタル9の内側半周に渡って形成されて
いる。又、クランクシャフト3の内部には、各クランク
ジャーナル10A〜10Eと各クランクピン11A,1
1B.11C,11Dとの間を連通するための第2のオ
イル供給通路12が形成されている。
【0038】メインオイル通路4には、その上流側から
順に、オイルストレーナ13、ストレーナパイプ14、
オイルポンプ15及びオイルフィルタ16等が配設され
ている。オイルストレーナ13は、オイルパン1の内部
の潤滑オイルLOに混入した比較的大きなごみ等を捕捉
する。又、オイルポンプ15はクランクシャフト3の回
転により駆動されるものであり、オイルパン1の内部の
潤滑オイルLOを汲み上げてメインオイル通路4へ吐出
する。オイルフィルタ16はオイルポンプ15から吐出
された潤滑オイルLO中の微細なごみ等を捕捉する。更
に、オイルポンプ15とオイルフィルタ16との間のメ
インオイル通路4には、リリーフ弁17が設けられてい
る。このリリーフ弁17はオイルポンプ15から吐出さ
れる潤滑オイルLOの圧力を調整する。即ち、リリーフ
弁17は潤滑オイルLOの圧力が設定値を越えると潤滑
オイルLOをオイルポンプ15の吸入側へ戻す。これに
より、潤滑オイルLOの圧力が調整されてメインオイル
通路4の圧力が一定に保たれる。
【0039】従って、内燃機関ENの運転時にクランク
シャフト3の回転によりオイルポンプ15が駆動される
ことにより、オイルパン1の内部の潤滑オイルLOの一
部は、オイルストレーナ13、ストレーナパイプ14及
びオイルポンプ15を通過した後、メインオイル通路
4、クランクシャフト系オイル通路5及び動弁系オイル
通路6へと圧送される。そして、クランクシャフト系オ
イル通路5へ送られた潤滑オイルLOは、各オイル通路
7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eへと供給されて
潤滑に供される。又、各軸受部8A〜8Eに供給された
潤滑オイルLOの一部は、第2のオイル供給通路12を
通じて各クランクピン11A〜11Dに供給されて潤滑
に供される。そして、各クランクピン11A〜11Dに
供給された潤滑オイルLOの一部は、更にコンロッド、
ピストン及びシリンダ等の他の部位へと供給されて潤滑
に供される。一方、動弁系オイル通路6へ送られた潤滑
オイルLOは動弁系の各部位へと供給されて潤滑に供さ
れる。
【0040】ここで、クランクシャフト系に供給されて
潤滑に供された後の潤滑オイルLOの一部は、その自重
によって落下してオイルパン1へと戻される。又、動弁
系に供給されて潤滑に供された後の潤滑オイルLOの一
部は、図示しないリターンホール等を通じて、自重によ
りオイルパン1へと戻される。
【0041】ここまでは、通常の潤滑装置の構成と基本
的に同じであるが、この実施例では次のような点で通常
の潤滑装置の構成と異なっている。即ち、この実施例で
は、クランクシャフト系に対応してシリンダブロックに
はオイル再循環通路18が形成されている。このオイル
再循環通路18はクランクシャフト系オイル通路5及び
各オイル通路7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eに
供給された潤滑オイルLOを、オイルポンプ15の吸入
側へ直接戻して再循環させるためのものである。このオ
イル再循環通路18の上流側には複数(この実施例では
「5つ」)のオイル通路19A,19B,19C,19
D,19Eが分岐して形成されている。これら各オイル
通路19A〜19Eの先端は軸受メタル9のオイル溝9
aに連通されている。又、オイル再循環通路18の途中
には、絞り20、オイルタンク21及び逆止弁22がそ
れぞれ配設されている。そして、オイル再循環通路18
の下流側は、第2のオイル制御弁23を介してストレー
ナパイプ14に連通されている。
【0042】ここで、絞り20は、各軸受部8A〜8E
から各オイル通路19A〜19Eを通じてオイル再循環
通路18へ流れようとする潤滑オイルLOをある程度抑
制する。又、オイルタンク21はオイル再循環通路18
を通過する潤滑オイルLOの一部を一旦貯留するもので
あり、オイルポンプ15の吸入側に戻される潤滑オイル
LOにエアが混入するのを防止する。このオイルタンク
21には、ある程度の潤滑オイルLOが予め貯留されて
いる。更に、逆止弁22は内燃機関ENの停止時にオイ
ルタンク21に潤滑オイルLOを保持するものであり、
保持された潤滑オイルLOにより低温再始動時にエアが
オイルポンプ15に吸い込まれるのを防止する。
【0043】第2のオイル制御弁23は温度感応式の弁
であり、内燃機関ENの低温時にのみ開弁されてオイル
再循環通路18による潤滑オイルLOの再循環を許容す
る。即ち、図3(a),(b)に拡大して示すように、
オイル制御弁23は、ストレーナパイプ14の途中に配
設されている。このオイル制御弁23はケーシング24
を備え、そのケーシング24に形成された孔24aには
作動軸25がその軸方向へ往復動可能に組み付けられて
いる。ケーシング24の外部へ突出された作動軸25の
先端部には弁体26が組み付けられている。この弁体2
6にはスプリング27が介在されており、弁体26が作
動軸25の先端側方向へ付勢されている。この弁体26
はオイル再循環通路18に連通する再循環ポート18a
に対応して配置されている。一方、ケーシング24の内
部において、作動軸25の基端部には長軸状をなすピン
28が摺動可能に挿入されている。このピン28の基端
部はケーシング24の基板29に固着されている。作動
軸25の内部には、温度の上昇により膨張して体積を増
大させるサーモワックス25aがピン28に接触した状
態で封入されている。又、作動軸25の基端には座金3
0が固着されている。更に、作動軸25上には、座金3
0とケーシング24との間にはスプリング31が介在さ
れている。そして、作動軸25の周りの雰囲気温度が上
昇することにより、サーモワックス25aが膨張してピ
ン28がサーモワックス25aから押し出されるように
なっている。
【0044】従って、図3(a)に示すように、内燃機
関ENの低温時には、サーモワックス25aが収縮し、
作動軸25の大部分がスプリング31の付勢力によって
ケーシング24の内部に位置することになり、弁体26
が再循環ポート18aを開く位置に配置される。つま
り、第2のオイル制御弁23が開弁される。一方、図3
(b)に示すように、内燃機関ENの暖機後の高温時に
は、サーモワックス25aが膨張し、作動軸25がケー
シング24から外方へ突出して弁体26が再循環ポート
18aを閉じる位置に配置される。つまり、第2のオイ
ル制御弁23が閉弁される。この実施例では、サーモワ
ックス25aが「80℃」で膨張して第2のオイル制御
弁23が閉弁されるように設定されている。
【0045】次に、上記のように構成した内燃機関の潤
滑装置の作用を説明する。今、内燃機関ENの低温時に
は、第2のオイル制御弁23が開弁される。そして、内
燃機関ENの運転に伴ってオイルポンプ15が駆動され
ると、オイルパン1から潤滑オイルLOが汲み上げられ
てオイルポンプ15からメインオイル通路4へと吐出さ
れる。そして、その吐出された潤滑オイルLOがクラン
クシャフト系オイル通路5及び動弁系オイル通路6へと
それぞれ圧送される。ここで、クランクシャフト系オイ
ル通路5に圧送された潤滑オイルLOは、各オイル通路
7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eに供給されて潤
滑に供される。これと共に、潤滑オイルLOは各クラン
クジャーナル10A〜10Eから第2のオイル供給通路
12を通じて各クランクピン11A〜11Dへ送られ、
更にコンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部位へ
も供給されて潤滑に供される。一方、動弁系オイル通路
6に圧送された潤滑オイルLOは動弁系の各部位へと供
給されて潤滑に供される。
【0046】この低温時には、第2のオイル制御弁23
が開弁していることから、オイルポンプ15の吸引力が
ストレーナパイプ14からオイル再循環通路18にも作
用する。そして、その吸引力により逆止弁22が開か
れ、各軸受部8A〜8Eのオイル溝9aから各オイル通
路19A〜19Eを通じて潤滑オイルLOがオイル再循
環通路18へと吸い出される。又、吸い出された潤滑オ
イルLOはオイル再循環通路18、オイルタンク21、
逆止弁22及びオイル制御弁23を通じてストレーナパ
イプ14へと直接戻され、再びオイルポンプ15からメ
インオイル通路4へと吐出されて各軸受部8A〜8Eへ
と再循環される。
【0047】このとき、各軸受部8A〜8Eでは、潤滑
オイルLOがオイル溝9aからオイル再循環通路18へ
吸い出されることから油圧が低下する。これにより、ク
ランクシャフト系オイル通路5から各軸受部8A〜8E
を介してオイル再循環通路18へ再循環される潤滑オイ
ルLOの量が増大する一方で、各軸受部8A〜8Eでは
軸受メタル9とクランクジャーナル10A〜10Eとの
間で生じる油膜の厚さが薄く保たれて、摩擦損失が低減
される。又、各軸受部8A〜8Eのオイル溝9aでの油
圧の低下に伴い、オイルポンプ15の圧力損失が低減さ
れてオイルポンプ15を駆動させるための動力損失が低
減される。
【0048】更に、各軸受部8A〜8Eで加熱された潤
滑オイルLOの多くは、オイル再循環通路18へ吸い出
され、オイルパン1に落ちることなくストレーナパイプ
14へと直接戻される。このため、低温時には、ある程
度加熱された潤滑オイルLOがオイルポンプ15の吸入
側へと早期に戻され、再びオイルポンプ15から吐出さ
れる。これにより、オイルポンプ15からメインオイル
通路4へ吐出される潤滑オイルLOの加熱が促進され
る。ここで、低温時にクランクシャフト系へ供給される
潤滑オイルLOの量が特に減少することはない。又、動
弁系よりも受熱量の大きいクランクシャフト系で、潤滑
オイルLOの一部が上記のように効果的に加熱される。
その結果、内燃機関ENの各軸受部8A〜8Eを含む各
部位へ供給されるべき潤滑オイルLOの暖機時間を短く
することができる。そして、潤滑オイルLOの暖機時間
を短くできることから、各軸受部8A〜8Eを含む各部
位での摩擦損失を早期に低減させることができる。又、
その摩擦損失の低減結果により、内燃機関ENの燃費向
上を図ることもできる。併せて、潤滑オイルLOの暖機
時間を短くできることから、内燃機関ENそれ自体の暖
機性をも向上させることになり、燃料の燃焼性が改善さ
れる。その結果、内燃機関ENの低温始動性を向上させ
ることができ、低温始動時における排気エミッションの
改善を図ることもできる。
【0049】一方、内燃機関ENが暖機されて「80
℃」を越えた高温状態になると、第2のオイル制御弁2
3が閉弁される。従って、オイルポンプ15の吸引力が
オイル再循環通路18に作用しなくなり、逆止弁22が
閉じられる。このため、各軸受部8A〜8Eの潤滑オイ
ルLOは、各オイル通路19A〜19Eからオイル再循
環通路18等を通じてストレーナパイプ14へ直接戻ら
なくなる。そして、各軸受部8A〜8Eで潤滑に供され
た潤滑オイルLOは、その自重により落下してオイルパ
ン1へ戻されるだけとなる。
【0050】(第2実施例)次に、同じく第2の発明に
おける内燃機関の潤滑装置を具体化した第2実施例を図
4〜図6に従って説明する。
【0051】図4はこの実施例における内燃機関の潤滑
装置を示す概略構成図であり、基本的には前記第1実施
例のそれと同じである。従って、この実施例では、前記
第1実施例の構成と基本的に同じものについては、同一
の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明
する。
【0052】この実施例では、オイルタンク32の点で
前記第1実施例の構成と異なっている。図5はそのオイ
ルタンク32の断面図である。オイルタンク32の上部
には、上方へ向かって開口するエア抜き用の連通口33
が設けられている。この連通口33には、同口33を開
閉するための開閉弁34が配設されている。開閉弁34
はオイルタンク32の内部に位置する半球状の弁体34
aと、その弁体34aから上方へ延びるロッド34bと
を備え、ロッド34bの先端には水平方向へ延びる掛止
片34cが一体に形成されている。図5,6に示すよう
に、掛止片34cは連通口33の外径より長く形成され
ており、その両端が連通口33の上端に掛止め可能とな
っている。又、弁体34aの外径は連通口33の内径よ
りもやや大きく形成されており、その弁体34aにより
連通口33が閉鎖可能となっている。この開閉弁34
は、オイルタンク32の内部における潤滑オイルLOの
液面の変動に伴って作動する。即ち、図5に実線で示す
ように、潤滑オイルLOの液面が下がったときには、開
閉弁34の弁体34aが自重により下がって、開閉弁3
4が掛止片34cにより連通口33に掛止めされた状態
となる。つまり、連通口33が開放された状態となる。
一方、図5に2点鎖線で示すように、潤滑オイルLOの
液面が上がったときには、開閉弁34の弁体34aが液
面と共に浮上し、その弁体34aにより連通口33が閉
鎖された状態となる。
【0053】図4に示すように、オイルタンク32に
は、各軸受部8A〜8Eから延びるオイル再循環通路1
8の他に、メインオイル通路4から延びるオイル通路3
5が接続されている。更に、そのオイル通路35の途中
には、絞り36が設けられている。又、オイルタンク3
2と逆止弁22との間において、オイル再循環通路18
には別の絞り37が設けられている。これら三つの絞り
20,36,37は、オイルタンク32内の圧力、軸受
メタル9におけるオイル溝9a内の圧力、或いはオイル
供給通路2内の圧力等の各部の圧力バランスを設定する
ためのものである。そして、これら絞り20,36,3
7の径を任意に選択することにより、各部の圧力バラン
スを任意に設定することが可能となっている。
【0054】従って、この実施例においても、潤滑オイ
ルLOの暖機時間を短くする等の点で前記第1実施例と
同様の作用及び効果を得ることができる。加えて、この
実施例では、オイルタンク32には、各軸受部8A〜8
Eからオイル再循環通路18を通じて戻されてくる潤滑
オイルLOが溜まると共に、メインオイル通路4からオ
イル通路35を通じて送られてくる潤滑オイルLOが溜
まることになる。そして、オイルタンク32の内部で
は、潤滑オイルLOからエアが分離され、その分離され
たエアが内部に溜まると潤滑オイルLOの液面が低くな
る。又、潤滑オイルLOの液面が低くなるのに伴い、開
閉弁34が自重で下がって連通口33が開放される。こ
れにより、オイルタンク32内に溜まったエアが連通口
33から抜ける。そして、オイルタンク32内の潤滑オ
イル量が増大するのに伴い、その液面が再び上昇して開
閉弁34が持ち上げられると、弁体34aにより連通口
33が閉鎖される。この連通口33が閉鎖されるまでの
間でオイルタンク32のエア抜きが行われる。そして、
このような開閉弁34の動作の繰り返しにより、オイル
タンク32内に溜まったエアがオイルタンク32の外部
へと自動的に排出される。その結果、オイル再循環通路
18を通じて再循環される潤滑オイルLOからエアが分
離され、オイルポンプ15にエアが吸い込まれることを
未然に防止することができる。
【0055】(第3実施例)次に、上記第3の発明にお
ける内燃機関の潤滑装置を具体化した第3実施例を図7
〜図10に基づいて詳細に説明する。
【0056】図7,8はこの実施例における内燃機関の
潤滑装置を示す概略構成図であり、基本的には前記第1
実施例のそれと同じである。従って、この実施例では、
前記第1実施例の構成と基本的に同じものについては、
同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に
説明する。
【0057】この実施例のストレーナパイプ14では、
第1実施例で設けられた第2のオイル制御弁23が取り
除かれている。又、この実施例のオイル再循環通路18
では、第1実施例で設けられた絞り20、オイルタンク
21及び逆止弁22がそれぞれ取り除かれている。
【0058】その代わりにこの実施例では、各オイル通
路7A〜7Eより上流側のクランクシャフト系オイル通
路5の途中に絞り41が設けられている。この絞り41
によりメインオイル通路4からクランクシャフト系オイ
ル通路5へ流れる潤滑オイルLOの油圧が、メインオイ
ル通路4から動弁系オイル通路6へのそれよりも相対的
に小さくなるように設定されている。又、メインオイル
通路4及びオイル再循環通路18の途中には、後述する
特殊構造のオイル切替弁42が設けられており、オイル
再循環通路18は二つのオイル再循環通路18A,18
Bに分けられている。メインオイル通路4とオイル切替
弁42との間には、メインオイル通路4とオイル再循環
通路18A或いはオイル再循環通路18Bとの間を連通
するための連通路43が設けられている。更に、オイル
再循環通路18Bの下流側の開口端18bは、後述する
特殊構造のオイルパン44の中でオイルストレーナ13
に隣接して配設されている。
【0059】この実施例において、オイル切替弁42は
第2のオイル制御弁と第3のオイル制御弁とを一体に構
成する温度感応式の弁となっている。そして、このオイ
ル切替弁42が、内燃機関ENの低温時に開閉作動する
ことにより、オイル再循環通路18Aとオイル再循環通
路18Bとが連通されるようになっている。その反対
に、オイル切替弁42が内燃機関ENの高温時に開閉作
動することにより、連通路43が開放されてメインオイ
ル通路4とオイル再循環通路18Aとが連通されるよう
になっている。
【0060】即ち、図9(a),(b)に拡大して示す
ように、オイル切替弁42はメインオイル通路4及びオ
イル再循環通路18A,18Bの途中に配設された円筒
中空状をなすハウジング45を備えている。ハウジング
45の基端側(図面左側)には、メインオイル通路4に
連通する二つのメインポート4a,4bが形成されてい
る。同じく、ハウジング45の基端側内周には、内方へ
張り出したフランジ45aが形成されている。そして、
このフランジ45aには作動軸46がその軸方向へ往復
動可能に組み付けられている。作動軸46の先端側(図
面右側)にはスプール47が一体に形成されている。こ
のスプール47には円筒状の二つの弁体48,49が所
定の間隔だけ隔てて配列されている。これらの弁体4
8,49により、ハウジング45の内部がメインオイル
通路4に対応する部屋とオイル再循環通路18A,18
Bに対応する部屋とに区画されている。又、ハウジング
45の外周(図面上側)には、オイル再循環通路18B
に連通する再循環ポート18cと、連通路43に連通す
る連通路ポート43aとがそれぞれ形成されている。こ
れらの各ポート18c,43aは、各弁体48,49の
移動により開閉可能となっている。又、ハウジング45
の外周(図面下側)には、同じくオイル再循環通路18
Aに連通する再循環ポート18dが形成されている。こ
の再循環ポート18dは各弁体48,49の間で常に開
放される状態となっている。一方、ハウジング45の基
端側において、作動軸46には長軸状をなすピン50が
摺動可能に挿入されている。このピン50の基端部はハ
ウジング45の一端内壁に固着されている。又、作動軸
46の内部には、温度の上昇により膨張して体積を増大
させるサーモワックス51がピン50に接触した状態で
封入されている。又、作動軸46の基端外側には座金5
2が固着されており、作動軸46上でフランジ45aと
座金52との間にはスプリング53が介在されている。
そして、作動軸46の周りの雰囲気温度が上昇すること
により、サーモワックス51が膨張してピン50がサー
モワックス51から押し出されるようになっている。
【0061】従って、図9(a)に示すように、内燃機
関ENの低温時には、サーモワックス51が収縮し、作
動軸46の大部分がスプリング53の付勢力によりハウ
ジング24の基端寄りに位置する。この状態では、弁体
48が再循環ポート18cを開く位置に配置され、弁体
49が連通路ポート43aを閉じる位置に配置される。
つまり、オイル再循環通路18Aとオイル再循環通路1
8Bとが連通され、連通路43が閉鎖される。一方、図
9(b)に示すように、内燃機関ENの暖機後の高温時
には、サーモワックス51が膨張し、作動軸46がハウ
ジング45の先端側(図面右側)方向へ移動する。この
状態では、弁体48が再循環ポート18cを閉じる位置
に配置され、弁体49が連通路ポート43を開く位置に
配置される。つまり、連通路43aが開放され、オイル
再循環通路18Aと連通される。この実施例では、サー
モワックス51が「80℃」の高温で膨張して作動軸4
6を移動させるように設定されている。
【0062】又、この実施例のオイルパン44は二槽構
造となっている。即ち、図7,8,10に示すように、
オイルパン44の内側は仕切板56により小オイル槽5
7と大オイル槽58とに区画されている。仕切板56に
は大小複数の連通孔56aが形成されている。又、大オ
イル槽58の上側はバッフルプレート59により覆われ
ている。バッフルプレート59の一部にはエア抜き用の
一つの連通孔59aが形成されている。そして、小オイ
ル槽57及び大オイル槽58の中には潤滑オイルLOが
貯留されており、その潤滑オイLOが仕切板56の各連
通孔56aを通じて、小オイル槽57と大オイル槽58
との間で循環可能となっている。又、小オイル槽57の
中には、前述したオイルストレーナ13とオイル再循環
通路18Bの開口端18bとが配置されている。
【0063】従って、オイルポンプ15が作動されるこ
とにより、オイルパン44に貯留されている潤滑オイル
LOが、小オイル槽57からオイルストレーナ13を通
じて汲み上げられる。又、オイル再循環通路18Bを流
れ落ちる潤滑オイルLOは小オイル槽57へと直接戻さ
れる。更に、オイル再循環通路18B以外の経路より自
重によって落下してくる潤滑オイルL0は、バッフルプ
レート59に遮断されて大オイル槽58に入ることなく
小オイル槽57へと戻される。
【0064】次に、上記のように構成した内燃機関の潤
滑装置の作用を説明する。今、内燃機関ENの低温時に
は、図7及び図9(a)に示すように、オイル切替弁4
2が開閉作動してオイル再循環通路18Aとオイル再循
環通路18Bとが連通され、連通路43が閉鎖される。
そして、内燃機関ENの運転に伴ってオイルポンプ15
が駆動されると、オイルパン44から潤滑オイルLOが
汲み上げられ、その汲み上げられた潤滑オイルLOがオ
イルポンプ15よりメインオイル通路4へと吐出され
る。そして、その潤滑オイルLOがクランクシャフト系
オイル通路5及び動弁系オイル通路6へそれぞれ圧送さ
れる。ここで、クランクシャフト系オイル通路5へ圧送
された潤滑オイルLOは、各オイル通路7A〜7Eを通
じて各軸受部8A〜8Eに供給されて潤滑に供される。
これと同時に、潤滑オイルLOの一部は各クランクジャ
ーナル10A〜10Eから第2のオイル供給通路12を
通じて隣接する各クランクピン11A〜11Dへ送ら
れ、更にコンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部
位へも供給されて潤滑に供される。一方、動弁系オイル
通路6に送られた潤滑オイルLOは、動弁系の各部位へ
と供給されて潤滑に供される。
【0065】この低温時には、オイル切替弁42により
オイル再循環通路18Aとオイル再循環通路18Bとが
連通され、連通路43が閉鎖されていることから、オイ
ル再循環通路18A内の油圧が低下する。従って、その
吸引力により、各軸受部8A〜8Eのオイル溝9aから
潤滑オイルLOが各オイル通路19A〜19Eを通じて
オイル再循環通路18Aへ吸い出される。又、吸い出さ
れた潤滑オイルLOはオイル再循環通路18A,18B
を通じてオイルパン44へと直接戻される。そして、オ
イルパン44へ戻された潤滑オイルLOは、オイルスト
レーナ13及びストレーナパイプ14を通じてオイルポ
ンプ15へ再び汲み上げられ、メインオイル通路4へ吐
出されてクランクシャフト系オイル通路5から各オイル
通路7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eへと再循環
される。
【0066】このとき、各軸受部8A〜8Eでは、潤滑
オイルLOがオイル溝9aからオイル再循環通路18A
へ吸い出されることから油圧が低下する。これにより、
クランクシャフト系オイル通路5から各軸受部8A〜8
Eを介してオイル再循環通路18A,18Bへ再循環さ
れる潤滑オイルLOの量が増大する一方で、各軸受部8
A〜8Eの軸受メタル9とクランクジャーナル10A〜
10Eとの間で生じる油膜の厚さが薄く保たれる。又、
各軸受部8A〜8Eのオイル溝9aでの油圧の低下に伴
い、オイルポンプ15の圧力損失が低減されてオイルポ
ンプ15を駆動させるための動力損失が低減される。
【0067】更に、各軸受部8A〜8Eで加熱された潤
滑オイルLOの多くは、オイル再循環通路18Aへ吸い
出されてオイルパン44へと直接戻される。このため、
低温時には、ある程度加熱された潤滑オイルLOがオイ
ルポンプ15の吸入側へと早期に戻され、再びオイルポ
ンプ15から吐出される。これにより、オイルポンプ1
5からメインオイル通路4へ吐出される潤滑オイルLO
の加熱が促進される。ここで、低温時にクランクシャフ
ト系へ供給される潤滑オイルLOの量が特に減少するこ
とはない。又、動弁系よりも受熱量の大きいクランクシ
ャフト系で、潤滑オイルLOの一部が上記のように効果
的に加熱される。その結果、内燃機関ENの各軸受部8
A〜8Eを含む各部位へ供給されるべき潤滑オイルLO
の暖機時間を短くすることができる。
【0068】しかも、この実施例では、クランクシャフ
ト系オイル通路5の絞り41により、同通路5に供給さ
れる潤滑オイルLOの油圧が動弁系へ供給されるそれよ
りも相対的に少なく抑えられる。そのため、各軸受部8
A〜8Eの軸受メタル9とクランクジャーナル10A〜
10Eとの間で生じる油膜を極めて薄く保つことができ
る。その結果、各軸受部8A〜8Eを含む各部位での摩
擦損失を更に低減させることができる。
【0069】加えて、この実施例では、二槽構造のオイ
ルパン44を採用していることから、潤滑オイルLOの
暖機時間をより効果的に短くすることができる。即ち、
オイル再循環通路18A,18Bを流れる潤滑オイルL
Oは、小容量の小オイル槽57に戻されて同槽57から
再び汲み上げられる。又、小オイル槽57と大オイル槽
58との間では、仕切板56の各連通孔56aを通じて
少量の潤滑オイルLOが循環するだけである。従って、
小オイル槽57の中の、潤滑オイルLOに加えられる熱
の大オイル槽58への拡散が抑えられる。その結果、小
オイル槽57に戻される潤滑オイルLOの温度の立ち上
がりをより効果的に早めることができ、その意味からも
潤滑オイルLOの暖機時間を効果的に短くすることがで
きる。
【0070】そして、上記のように潤滑オイルLOの暖
機時間をより効果的に短くできることから、各軸受部8
A〜8Eを含む各部位での摩擦損失を早期に低減させる
ことができる。又、その摩擦損失の低減結果により、内
燃機関ENの燃費を更に向上させることができる。併せ
て、潤滑オイルLOの暖機時間を短くできることから、
内燃機関ENそれ自体の暖機性をも向上させることにな
り、燃料の燃焼性が改善される。その結果、内燃機関E
Nの低温始動性を向上させることができ、低温始動時に
おける排気エミッションの改善を図ることができる。
【0071】一方、内燃機関ENが暖機されて「80
℃」を越えて高温になると、図8及び図9(b)に示す
ように、オイル切替弁42が開閉作動して連通路43が
開放され、オイル再循環通路18Bが閉鎖される。これ
により、メインオイル通路4へ吐出される潤滑オイルL
Oの一部が連通路43を通じてオイル再循環通路18A
へと供給される。即ち、オイルポンプ15からメインオ
イル通路4へ吐出される潤滑オイルLOは、クランクシ
ャフト系オイル通路5と動弁系オイル通路6へ供給され
るが、その中の一部が連通路43を通じてオイル再循環
通路18Aへ逆流することになる。そして、その逆流し
た潤滑オイルLOが、オイル再循環通路18Aから各オ
イル通路19A〜19Eを通じて各軸受部8A〜8Eへ
と供給される。又、クランクシャフト系オイル通路5へ
供給された潤滑オイルLOは、各オイル通路7A〜7E
を通じて各軸受部8A〜8Eへと供給される。
【0072】従って、内燃機関ENの高温時には、各軸
受部8A〜8Eに対して、クランクシャフト系オイル通
路5とオイル再循環通路18Aの両方から潤滑オイルL
Oが供給されることになる。その結果、各軸受部8A〜
8Eに多量の潤滑オイルLOが供給されることになり、
供給すべき潤滑オイルLOの量を充分に確保することが
でき、各軸受部8A〜8Eでは高温時に適した有効な潤
滑を図ることができる。つまり、各軸受部8A〜8Eで
の焼付き等を未然に防止することができる。又、各軸受
部8A〜8Eの各クランクジャーナル10A〜10Eか
ら第2のオイル供給通路12を通じて、隣接する各クラ
ンクピン11A〜11D、コンロッド、ピストン及びシ
リンダ等の他の部位へも多量の潤滑オイルLOが供給さ
れることになる。よって、それら他の部位へ供給すべき
潤滑オイルLOの量を充分に確保することができ、他の
部位においても有効な潤滑を図ることができる。その意
味から、内燃機関ENの暖機完了後には、クランクシャ
フト系における潤滑不足を未然に防止することができ
る。
【0073】(第4実施例)次に、上記第4の発明にお
ける内燃機関の潤滑装置を具体化した第4実施例を図1
1に従って説明する。
【0074】図11はこの実施例における内燃機関の潤
滑装置を示す概略構成図であり、基本的には前記第3実
施例のそれと同じである。従って、この実施例では、前
記第3実施例の構成と基本的に同じものについては、同
一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説
明する。
【0075】この実施例では、クランクシャフト3の両
端と中央に位置する各軸受部8A,8C,8Eについ
て、対応する各クランクジャーナル10A,10C,1
0Eにおける第2のオイル供給通路12が取り除かれて
いる。そして、それ以外の各軸受部8B,8Dについ
て、対応する各クランクジャーナル10B,10Dにお
いてのみ、隣接する各クランクピン11A〜11Dへ延
びる第2のオイル供給通路12がそれぞれ設けられてい
る。又、第2のオイル供給通路12と対応する一部の各
軸受部8B,8Dについて、対応するオイル通路19
B,19Dの途中には逆止弁61,62がそれぞれ設け
られている。これら逆止弁61,62は潤滑オイルLO
が各軸受部8B,8Dからオイル再循環通路18Aへ再
循環する方向の流れのみを阻止し、その逆方向の流れを
許容する。更に、この実施例では、各軸受部8B,8D
において、オイル溝9aが軸受メタル9の内側全周に渡
って形成されている。
【0076】従って、この実施例においても、低温時に
潤滑オイルLOの暖機時間を短くしたり、高温時に各軸
受部8A〜8Eに多量の潤滑オイルLOを供給して有効
な潤滑を図ったりする等の点で前記第3実施例と同様の
作用及び効果を得ることができる。
【0077】加えて、この実施例では、内燃機関ENの
低温時及び高温時において、一部の各軸受部8B,8D
に供給された潤滑オイルLOの一部が、第2のオイル供
給通路12を通じて隣接する各クランクピン11A〜1
1D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部位
へと供給されて潤滑に供される。
【0078】又、上記の各軸受部8B,8Dに対応し
て、各オイル通路19B,19Dには逆止弁61,62
が設けられていることから、特に低温時には各オイル通
路19B,19Dを通じてオイル再循環通路18A,1
8Bへ再循環する方向の潤滑オイルLOの流れが阻止さ
れる。従って、低温時には、クランクシャフト系オイル
通路5を通じて各軸受部8B,8Dに供給された潤滑オ
イルLOが、各オイル通路19B,19Dを通じてオイ
ル再循環通路18Aへ再循環されることがない。つま
り、各オイル通路7B,7Dを通じて各軸受部8B,8
Dに供給された潤滑オイルLOの一部が、オイル再循環
通路18Aへ吸い出されることがなく、潤滑オイルLO
の一部は第2のオイル供給通路12を通じて各クランク
ピン11A〜11D、コンロッド、ピストン及びシリン
ダ等の他の部位へと供給されて潤滑に供される。しか
も、各軸受部8B,8Dの軸受メタル9では、オイル溝
9aが内側全周に渡って形成されていることから、各軸
受部8B,8Dから第2のオイル供給通路12に導入さ
れる潤滑オイルLOの量が増大する。その結果、低温時
には、それら各クランクピン11A〜11D、コンロッ
ド、ピストン及びシリンダ等の他の部位に供給すべき潤
滑オイルLOの量を、第3実施例の場合よりも一層充分
に確保することができ、より一層有効な潤滑を図ること
ができる。その意味から、内燃機関ENの低温始動時に
は、各クランクピン11A〜11D、コンロッド、ピス
トン及びシリンダ等の他の部位における潤滑不足を未然
に防止することができる。
【0079】一方、内燃機関ENの高温時には、クラン
クシャフト系オイル通路5へ圧送された潤滑オイルLO
が、各オイル通路7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8
Eへと供給される。又、オイル再循環通路18Aを逆流
してくる潤滑オイルLOは、各オイル通路19A,19
C,19Eを通じて各軸受部8A,8C,8Eに供給さ
れる。更に、各オイル通路19B,19Dの逆止弁6
1,62では逆方向の流れが許容されることから、オイ
ル再循環通路18Aを逆流してくる潤滑オイルLOは、
各オイル通路19B,19Dを通じて各軸受部8B,8
Dにも供給される。
【0080】従って、高温時には、各軸受部8A〜8E
に対して、クランクシャフト系オイル通路5とオイル再
循環通路18Aの両方から潤滑オイルLOが供給される
ことになる。その結果、各軸受部8A〜8Eに多量の潤
滑オイルLOが供給されることになり、供給すべき潤滑
オイルLOの量を充分に確保することができ、各軸受部
8A〜8Eでは高温時に適した有効な潤滑を図ることが
できる。又、一部の軸受部8B,8Dからは、第2のオ
イル供給通路12を通じて各クランクピン11A〜11
D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部位へ
も潤滑オイルLOが供給されて、適度な潤滑を図ること
ができる。
【0081】(第5実施例)次に、上記第5及び第6の
発明における内燃機関の潤滑装置を具体化した第5実施
例を図12に従って説明する。図12はこの実施例にお
ける内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図であり、基本
的には前記第3実施例のそれと同じである。この実施例
でも前記第3実施例の構成と異なった点を中心に説明す
る。
【0082】この実施例では、前記第3実施例において
各軸受部8B,8Dとクランクシャフト系オイル通路5
との間を連通する各オイル通路7B,7Dが取り除かれ
ている。同様に、各軸受部8B,8Dとオイル再循環通
路18Aとの間を連通するオイル通路19B,19Dが
取り除かれている。その代わりにこの実施例では、クラ
ンクシャフト系オイル通路5が絞り41の上流側で分岐
されて第2のクランクシュフト系オイル通路63が設け
られている。そして、第2のクランクシャフト系オイル
通路63と各軸受部8B,8Dとの間には、同通路63
と各軸受部8B,8Dとを連通する別のオイル通路6
4,65が設けられている。これらのオイル通路64,
65は、他のオイル通路7A,7C,7E,19A,1
9C,19Eよりも内径が大きく設定されている。そし
て、この実施例では、絞り41、第2のクランクシャフ
ト系オイル通路63及び各オイル通路64,65によ
り、各軸受部8B,8Dに供給される潤滑オイルLOの
量を他の各軸受部8A,8C,8Eに供給される潤滑オ
イルLOの量よりも増大させるためのオイル配分設定手
段が構成されている。又、この実施例では、第2のオイ
ル供給通路12と対応しない各軸受部8A,8C,8E
に対してのみ、それらとオイル再循環通路18Aとの間
を連通するオイル通路19A,19C,19Eが設けら
れている。
【0083】従って、この実施例においても、低温時に
潤滑オイルLOの暖機時間を短くしたり、高温時に各軸
受部8A〜8Eに多量の潤滑オイルLOを供給して有効
な潤滑を図ったりする等の点で前記第4実施例とほぼ同
様の作用及び効果を得ることができる。
【0084】加えて、この実施例では、内燃機関ENの
低温時及び高温時において、一部の各軸受部8B,8D
に供給された潤滑オイルLOの一部が、第2のオイル供
給通路12を通じて隣接する各クランクピン11A〜1
1D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部位
へ供給されて潤滑に供される。しかも、第2のオイル供
給通路12と対応する各軸受部8B,8Dには、第2の
クランクシャフト系オイル通路63及び各オイル通路6
4,65により、その他の各軸受部8A,8C,8Eよ
りも多くの潤滑オイルLOが供給される。そのため、各
クランクピン11A〜11D、コンロッド、ピストン及
びシリンダ等の他の部位では、第2のオイル供給通路1
2を通じて供給される潤滑オイルLOの量が増大する。
【0085】その結果、低温時、高温時にかかわらず、
各クランクピン11A〜11D、コンロッド、ピストン
及びシリンダ等の他の部位に供給すべき潤滑オイルLO
の量を、第3実施例のそれよりも一層充分に確保するこ
とができ、よりも一層有効な潤滑を図ることができる。
その意味から、内燃機関ENの低温始動時及び暖機完了
後には、各クランクピン11A〜11D、コンロッド、
ピストン及びシリンダ等の他の部位における潤滑不足を
未然に防止することができる。
【0086】しかも、この実施例では、第2のオイル供
給通路12と対応しない各軸受部8A,8C,8Eのみ
が、各オイル通路19A,19C,19Eを通じてオイ
ル再循環通路18Aに連通されている。そのため、内燃
機関ENの低温時には、それら各軸受部8A,8C,8
Eに供給された潤滑オイルLOがオイル再循環通路18
Aを通じて再循環される。又、内燃機関ENの高温時に
は、オイルポンプ15からメインオイル通路4へ吐出さ
れた潤滑オイルLOの一部が、連通路43、オイル再循
環通路18A及び各オイル通路19A,19C,19E
を通じて各軸受部8A,8C,8Eに供給される。従っ
て、内燃機関ENの高温時には、各クランクピン11A
〜11D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の
部位へ潤滑オイルLOを供給することのない各軸受部8
A,8C,8Eに供給される潤滑オイルLOの量も増大
する。
【0087】その結果、内燃機関ENの高温時には、他
の部位へ潤滑オイルLOを供給することのない各軸受部
8A,8C,8Eにおいても、潤滑オイルLOの量を充
分に確保することができ、有効な潤滑を図ることができ
る。その意味から、内燃機関ENの高温時には、それら
の軸受部8A,8C,8Eにおける潤滑不足を未然に防
止することができる。
【0088】(第6実施例)次に、上記第5及び第6の
発明における内燃機関の潤滑装置を具体化した第6実施
例を図13に従って説明する。図13はこの実施例にお
ける内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図であり、基本
的には前記第3実施例のそれと同じである。この実施例
でも前記第3実施例の構成と異なった点を中心に説明す
る。
【0089】この実施例では、前記第3実施例において
各軸受部8B,8Dとオイル再循環通路18Aとの間を
連通するオイル通路19B,19Dが取り除かれてい
る。又、この実施例では、第3実施例においてクランク
シャフト系オイル通路5に設けられている絞り41が除
かれている。その代わりにこの実施例では、クランクシ
ャフト系オイル通路5と各軸受部8A〜8Eとの間に設
けられている各オイル通路7A〜7Eの内径が相対的に
大きく設定されている。又、各第2のオイル供給通路1
2と対応しない各軸受部8A,8C,8Eについて、対
応する各オイル通路7A,7C,7Eの途中には、それ
ぞれ絞り66,67,68が設けられている。つまり、
各軸受部8B,8Dに対応する各オイル通路7B,7D
には、絞り等の流量制限手段が何ら設けられていない。
そして、この実施例では、各オイル通路7A〜7E及び
各絞り66〜68により、各軸受部8B,8Dに供給さ
れる潤滑オイルLOの量を他の各軸受部8A,8C,8
Eに供給される潤滑オイルLOの量よりも増大させるた
めのオイル配分設定手段が構成されている。又、この実
施例では、第2のオイル供給通路12と対応しない各軸
受部8A,8C,8Eに対してのみ、それらとオイル再
循環通路18Aとの間を連通するオイル通路19A,1
9C,19Eが設けられている。
【0090】従って、この実施例においても、低温時に
潤滑オイルLOの暖機時間を短くしたり、高温時に各軸
受部8A〜8Eに多量の潤滑オイルLOを供給して有効
な潤滑を図ったりする等の点で前記第3実施例とほぼ同
様の作用及び効果を得ることができる。
【0091】加えて、この実施例においても、内燃機関
ENの低温時及び高温時において、一部の各軸受部8
B,8Dに供給された潤滑オイルLOの一部が、第2の
オイル供給通路12を通じて隣接する各クランクピン1
1A〜11D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の
他の部位へ供給されて潤滑に供される。しかも、各軸受
部8B,8Dと対応する各オイル通路7B,7Dには絞
り等が設けられておらず、それらのオイル通路7B,7
Dの内径が大きく設定されている。そのため、各軸受部
8B,8Dにはその他の各軸受部8A,8C,8Eより
も多くの潤滑オイルLOが供給される。そのため、各ク
ランクピン11A〜11D、コンロッド、ピストン及び
シリンダ等の他の部位では、第2のオイル供給通路12
を通じて供給される潤滑オイルLOの量が増大する。
【0092】その結果、低温時、高温時にかかわらず、
各クランクピン11A〜11D、コンロッド、ピストン
及びシリンダ等の他の部位に供給すべき潤滑オイルLO
の量を、第3実施例のそれよりも一層充分に確保するこ
とができ、よりも一層有効な潤滑を図ることができる。
その意味から、内燃機関ENの低温始動時及び暖機完了
後には、各クランクピン11A〜11D、コンロッド、
ピストン及びシリンダ等の他の部位における潤滑不足を
未然に防止することができる。
【0093】しかも、この実施例でも低温時には、第2
のオイル供給通路12と対応しない各軸受部8A,8
C,8Eに供給された潤滑オイルLOのみが、オイル再
循環通路18Aを通じて再循環される。又、高温時に
は、メインオイル通路4へ吐出された潤滑オイルLOの
一部が、連通路43、オイル再循環通路18A及び各オ
イル通路19A,19C,19Eを通じて各軸受部8
A,8C,8Eに供給される。従って、高温時には、他
の部位へ潤滑オイルLOを供給することのない各軸受部
8A,8C,8Eで潤滑オイルLOの供給量が増大す
る。
【0094】その結果、高温時には、それら各軸受部8
A,8C,8Eにおいて、潤滑オイルLOの量を充分に
確保することができ、有効な潤滑を図ることができる。
その意味から、高温時には、各軸受部8A,8C,8E
における潤滑不足を未然に防止することができる。
【0095】(第7実施例)次に、上記第1の発明にお
ける内燃機関の潤滑装置を具体化した第7実施例を図1
4〜図17に従って説明する。
【0096】図14はこの実施例における内燃機関の潤
滑装置を示す概略構成図であり、図15〜図17はその
各部の構成を示す図である。尚、この実施例において、
前記第1実施例と基本的に同じ構成については同一の符
号を付して説明を省略し、特に異なった点を中心に説明
する。
【0097】この実施例では、前記第1実施例における
オイル再循環通路18に代わって、各軸受部8A〜8E
に供給された潤滑オイルLOをオイルパン1へ戻すため
のオイル戻し通路81が設けられている。このオイル戻
し通路81の出口は、オイルストレーナ13の近傍に配
置されている。そして、このオイル戻し通路81の途中
には、第1のオイル制御弁82のみが設けられている。
このオイル制御弁82は温度感応式の二方弁であり、そ
の構成は前記第1実施例の第2のオイル制御弁23のそ
れに準ずる。そして、このオイル制御弁82は内燃機関
ENの低温時にのみ開弁されて、潤滑オイルLOがオイ
ル戻し通路81を通じてオイルパン1へ戻るのを許容す
る。一方、このオイル制御弁82は内燃機関ENの高温
時に閉弁されて、オイル戻し通路81における潤滑オイ
ルLOの流れを遮断する。
【0098】図15はクランクシャフト3の一つの軸受
部8Bを示す断面図である。この軸受部8Bは軸受ハウ
ジング83により挟持されている。即ち、軸受ハウジン
グ83はクランクケース側のハウジング本体84とシャ
フトホルダ85により二分割可能に形成され、それら両
部材84,85によりクランクジャーナル10Bが挟持
されている。又、両部材84,85はクランクジャーナ
ル10Bが挟持された状態で一対のボルト86により締
め付けられている。又、軸受部8Bには軸受メタル9が
設けられており、その軸受メタル9の内周半分には、オ
イル溝9aが形成されている。そして、そのオイル溝9
aには、ハウジング本体84に形成されたクランクシャ
フト系オイル通路5及びオイル戻し通路81から延びる
各オイル通路7B,19Bが連通されている。又、クラ
ンクシャフト3には、第2のオイル供給通路12が形成
されている。上記のような構成は、他の軸受部8A,8
C〜8Eについても同じである。
【0099】一方、図14,16に示すように、この実
施例の動弁系は、吸気側のカムシャフト87と排気側の
カムシャフト88とを含んで構成されている。各カムシ
ャフト87,88はその外周に複数のカム87a,88
aが並列に配設されている。又、各カムシャフト87,
88は複数のジャーナル87b,88bにて対応する複
数の軸受部89,90により回転可能に支持されてい
る。各軸受部89,90はシリンダヘッド91とベアリ
ングキャップ92により構成されており、それら両部材
91,92が各カムシャフト87,88のジャーナル8
7b,88bを挟持した状態で一対のボルト93により
締め付けられている。各軸受部89,90においてベア
リングキャップ92の内周には、オイル溝92aがそれ
ぞれ形成されている。各カムシャフト87,88の内部
には、軸線方向に沿って延びるシャフト油路94,95
がそれぞれ形成されている。各シャフト油路94,95
の両端は閉塞されている。又、各ジャーナル87b,8
8bには、各軸受部89,90のオイル溝92aと各シ
ャフト油路94,95との間を連通するためのオイル孔
94a,95aがそれぞれ形成されている。更に、各カ
ムシャフト87,88の一端部には、各シャフト油路9
4,95と動弁系オイル通路6との間を連通するための
オイルポート94b,95bがそれぞれ形成されてい
る。そして、動弁系オイル通路6へ圧送された潤滑オイ
ルLOは各オイルポート94b,95bを通じ各シャフ
ト油路94,95に導入され、更に各オイル孔94a,
95aを通じて各軸受部89,90に供給される。
【0100】各軸受部89,90の各ベアリングキャッ
プ92には、オイル溝92aに連通するためのリリーフ
油路96が形成されている。又、各軸受部89,90に
隣接して各カム87a,88aに近接する位置には、潤
滑オイルLOを噴射するための一対のオイルジェットパ
イプ97が各リリーフ油路96の先端側に設けられてい
る。これら各オイルジェットパイプ97は、その先端が
各カム87a,88aに向けられている。即ち、図17
に示すように、この実施例では、各カムシャフト87,
88に対応して吸気バルブ98及び排気バルブ99がそ
れぞれ設けられており、それら各バルブ98,99の上
端に設けられたシム100が各カム87a,88aに圧
接されている。そして、各オイルジェットパイプ97の
先端は、各カムシャフト87,88に応じて、各カム8
7a,88aの回転方向と一致するように、各カム87
a,88aと各シム100との接触部分へ向けられてい
る。
【0101】次に、上記のように構成した内燃機関の潤
滑装置の作用を説明する。今、内燃機関ENの低温時に
は、第1のオイル制御弁82が開弁する。そして、内燃
機関ENの運転に伴い、オイルパン1から汲み上げられ
てオイルポンプ15よりメインオイル通路4へ吐出され
る潤滑オイルLOは、クランクシャフト系オイル通路5
及び動弁系オイル通路6へとそれぞれ圧送される。
【0102】ここで、クランクシャフト系オイル通路5
に圧送された潤滑オイルLOは、各オイル通路7A〜7
Eを通じて各軸受部8A〜8Eに供給されて潤滑に供さ
れる。これと共に、潤滑オイルLOは各クランクジャー
ナル10A〜10Eから各クランクピン11A〜11
D、コンロッド、ピストン及びシリンダ等の他の部位へ
も供給されて潤滑に供される。
【0103】この低温時には、第1のオイル制御弁82
が開弁していることから、各軸受部8A〜8Eに供給さ
れた潤滑オイルLOが、オイル溝9aから各オイル通路
19A〜19Eを通じてオイル戻し通路81へ流れてリ
リーフされる。又、オイル戻し通路81へリリーフされ
た潤滑オイルLOは、同通路81及び第1のオイル制御
弁82を通じてオイルパン1へと直接戻される。そし
て、オイルパン1へと直接戻された潤滑オイルLOは、
再びオイルポンプ15により汲み上げられてメインオイ
ル通路4へと吐出され、更にクランクシャフト系オイル
通路5及び動弁系オイル通路6へとそれぞれ圧送され
る。
【0104】このとき、各軸受部8A〜8Eでは、潤滑
オイルLOがオイル溝9aからオイル戻し通路81へリ
リーフされることから油圧が低下する。このため、クラ
ンクシャフト系オイル通路5から各軸受部8A〜8Eへ
と供給されてオイル戻し通路81へリリーフされる潤滑
オイルLOの量が増大することになり、各軸受部8A〜
8Eにおける軸受メタル9が効果的に冷却される。一
方、各軸受部8A〜8Eでは、軸受メタル9とクランク
ジャーナル10A〜10Eとの間で生じる油膜の厚さが
薄く保たれて摩擦損失が低減される。又、各軸受部8A
〜8Eのオイル溝9aでの油圧の低下に伴い、オイルポ
ンプ15の圧力損失が低減されてオイルポンプ15を駆
動させるための動力損失が低減される。
【0105】更に、各軸受部8A〜8Eで加熱されてオ
イル戻し通路81へリリーフされた潤滑オイルLOは、
オイルパン1におけるオイルストレーナ13の近傍に戻
される。このため、各軸受部8A〜8Eで加熱された潤
滑オイルLOは、優先的にオイルポンプ15により汲み
上げられてメインオイル通路4へと吐出され、再びクラ
ンクシャフト系オイル通路5を通じて各軸受部8A〜8
Eへと供給される。従って、低温時には、ある程度加熱
された潤滑オイルLOがクランクシャフト系オイル通路
5、各軸受部8A〜8E及びオイル戻し通路81等を循
環することから、潤滑オイルLOの加熱が促進される。
【0106】ここで、低温時にクランクシャフト系へ供
給される潤滑オイルLOの量が特に減少することはな
い。又、動弁系よりも受熱量の大きいクランクシャフト
系で、潤滑オイルLOの一部が上記のように効果的に加
熱される。その結果、内燃機関ENの各軸受部8A〜8
Eを含む各部位へ供給されるべき潤滑オイルLOの暖機
時間を短くすることができる。そして、潤滑オイルLO
の暖機時間を短くできることから、各軸受部8A〜8E
を含む各部位での摩擦損失を早期に低減させることがで
きる。又、その摩擦損失の低減の結果により、内燃機関
ENの燃費向上を図ることもできる。併せて、潤滑オイ
ルLOの暖機時間を短くできることから、内燃機関EN
それ自体の暖機性をも向上させることになり、燃料の燃
焼性が改善される。その結果、内燃機関ENの低温始動
性を向上させることができ、低温始動時における排気エ
ミッションの改善を図ることもできる。
【0107】一方、低温時に動弁系オイル通路6に圧送
された潤滑オイルLOは動弁系の各部位へと供給されて
潤滑に供される。即ち、動弁系オイル通路6に圧送され
た潤滑オイルLOは、各カムシャフト87,88のオイ
ルポート94b,95bを通じて各シャフト油路94,
95に導入され、更に各油孔94a,95aを通じて各
軸受部89,90に供給されて潤滑に供される。又、各
軸受部89,90に供給された潤滑オイルLOの一部
は、オイル溝92aからリリーフ油路96及びオイルジ
ェットパイプ97を通じて各カム87a,88aと各シ
ム100との接触部分に噴射供給される。即ち、各軸受
部89,90に供給された潤滑オイルLOの一部は、各
リリーフ油路96等を通じて外部へリリーフされる。
【0108】そして、低温時には、クランクシャフト系
オイル通路5の油圧の低下に伴い、動弁系オイル通路6
における油圧も低下するが、各軸受部89,90から潤
滑オイルLOがリリーフされることから、各軸受部8
9,90へ供給される潤滑オイルLOの量が充分に確保
される。その結果、前述したクランクシャフト3の各軸
受部8A〜8Eの場合と同様に、各カムシャフト87,
88の各軸受部89,90においても冷却と摩擦損失の
低減を同時に実現することができる。しかも、この実施
例では、各カム87a,88aと各シム100との接触
部分に潤滑オイルLOが噴射供給されることから、混合
潤滑状態となっているその接触部分の摩擦損失をも同時
に低減することができる。従って、この実施例の潤滑装
置では、上記のようなクランクシャフト系及び動弁系に
対する潤滑オイルLOの供給に関する総合的な結果とし
て、オイルポンプ15の圧力損失が大幅に低減され、ク
ランクシャフト系及び動弁系の各潤滑部分の摩擦損失が
有効に低減され、潤滑オイルLOの暖機性が向上され
る。そして、これらの作用により、内燃機関ENの低温
時における燃費を大幅に向上させることができる。
【0109】一方、内燃機関ENが暖機されて高温状態
になると、第1のオイル制御弁82が閉弁される。この
ため、各軸受部8A〜8Eに供給された潤滑オイルLO
は、各オイル通路19A〜19Eからオイル戻し通路8
1へリリーフされなくなり、潤滑オイルLOがそのオイ
ル戻し通路81等を通じてオイルパン1へ戻らなくな
る。
【0110】又、第1のオイル制御弁81の閉弁に伴
い、各軸受部8A〜8E及びクランクシャフト系オイル
通路5における油圧が増大し、それに対応して動弁系オ
イル通路6及び各軸受部89,90における油圧も増大
する。その結果、各軸受部8A〜8E及び各軸受部8
9,90における油膜が厚くなり、高温時下での各軸受
部8A〜8E,89,99における油膜切れを未然に防
止することができる。併せて、各カム87a,88aと
各シム100との接触部分への潤滑オイルLOの供給量
が増大することから、その接触部分が混合潤滑状態へ移
行することによる摩擦損失の増大や、それら各部材87
a,88a,100の間の焼付き等を確実に防止するこ
ともできる。
【0111】(第8実施例)次に、上記第1の発明にお
ける内燃機関の潤滑装置を具体化した第8実施例を図1
8に従って説明する。
【0112】図18はこの実施例における内燃機関の潤
滑装置を示す概略構成図である。尚、この実施例におい
て、前記第7実施例と同じ構成については同一の符号を
付して説明を省略し、特に異なった点を中心に説明す
る。
【0113】この実施例では、動弁系の各軸受部89,
90における各リリーフ油路96を、オイル戻し通路1
01,102を通じてクランクシャフト系のオイル戻し
通路81に連通させた点で前記第7実施例と異なる。
【0114】従って、この実施例の潤滑装置では、内燃
機関ENの低温運転時には、第1のオイル制御弁82が
閉弁されることにより、第7実施例と同様の作用及び効
果を得ることができる。加えて、この潤滑装置では、動
弁系の各軸受部89,90に供給されて加熱された潤滑
オイルLOが、各リリーフ油路96及びオイル戻し通路
101,102を通じてクランクシャフト系のオイル戻
し通路81へリリーフされる。そして、その動弁系から
リリーフされた潤滑オイルLOが、クランクシャフト系
の各軸受部8A〜8Eからリリーフされた潤滑オイルL
Oと合流してオイルパン1へと直接戻されることにな
る。又、その戻された潤滑オイルLOが、再びオイルポ
ンプ15により汲み上げられてクランクシャフト系及び
動弁系の各部へと供給される。そのため、潤滑オイルL
Oの加熱がより一層促進されて、潤滑オイルLOの暖機
性と内燃機関ENの燃費をより一層向上させることがで
きる。
【0115】一方、この実施例の潤滑装置では、内燃機
関ENの高温運転時には、第1のオイル制御弁82が閉
弁されることにより、クランクシャフト系の各軸受部8
A〜8Eと同様に、動弁系の各軸受部89,90からも
潤滑オイルLOがリリーフされなくなる。従って、各軸
受部8A〜8E及びクランクシャフト系オイル通路5に
おける油圧と、各軸受部89,90及び動弁系オイル通
路6における油圧とが共に増大して、各軸受部8A〜8
E,89,90における油膜がより一層厚くなる。その
結果、高温時下での各軸受部8A〜8E,89,99に
おける油膜切れと、各カム87a,88a及び各シム1
00の接触部分における焼付き等とに対してより大きな
効果を得ることができ、延いては、潤滑装置としての信
頼性を更に高めることができる。
【0116】(第9実施例)次に、上記第7の発明にお
ける内燃機関の潤滑装置を具体化した第9実施例を図1
9,図20に従って説明する。
【0117】図19はこの実施例における軸受ハウジン
グ113を示す断面図であり、図20(a),(b)は
図19のA−A線断面図である。尚、この実施例におい
て、前記第7実施例と同じ構成については同一の符号を
付して説明を省略し、特に異なった点を中心に説明す
る。
【0118】この実施例では、オイル戻し通路111と
第1のオイル制御弁112の構成の点で前記第7実施例
のそれと異なる。即ち、この実施例では、図14におけ
る各オイル通路19A〜19E、オイル戻し通路81及
び第1のオイル制御弁82が省略され、その代わりに、
クランクシャフト3の各軸受部8A〜8Eのそれぞれに
対応してオイル戻し通路111及び第1のオイル制御弁
112が設けられている。図19はクランクシャフト3
の一つの軸受部8Bを構成する軸受ハウジング113を
示す断面図である。この軸受ハウジング113はクラン
クケース側のハウジング本体114とスチール製のシャ
フトホルダ115により二分割可能に形成され、それら
両部材114,115によりクランクジャーナル10B
が挟持されている。又、両部材114,115はクラン
クジャーナル10Bが挟持された状態で一対のボルト1
16により締め付けられている。又、軸受部8Bにはオ
イル溝9aを有する軸受メタル9が設けられている。そ
して、そのオイル溝9aには、ハウジング本体114に
形成されたクランクシャフト系オイル通路5から延びる
オイル通路7Bが連通されている。又、クランクシャフ
ト3にはクランクジャーナル10Bに連通する第2のオ
イル供給通路12が形成され、そのクランクジャーナル
10Bの全周にはオイル溝10aが形成されている。
【0119】図19,図20に示すように、シャフトホ
ルダ115には両ボルト116を挿通するためのボルト
孔115aが形成されている。又、ハウジング本体11
4と面合せされるシャフトホルダ115の端面には、一
方のボルト孔115aを中心に環状をなす連通溝117
が形成されている。そして、その連通溝117に対応し
て、その連通溝117及び軸受メタル9を貫通するオイ
ル戻し通路111が形成されている。このオイル戻し通
路111の一端はシャフトホルダ115の外部へと開口
されており、他端は軸受メタル9のオイル溝9aに開口
されている。又、そのオイル戻し通路111の外部側の
開口の内径は、軸受メタル9側の開口のそれよりも小さ
く設定されている。そして、その環状の連通溝117に
は、熱膨張片としてのリング118がボルト116に挿
通された状態で配置されている。この実施例において、
リング118は、スチール製のシャフトホルダ115に
比べて熱膨張率の高い材質により形成されている。そし
て、このリング118は、図20(a)に示すように、
低温時には収縮して連通溝117との間に隙間Gを形成
し、同溝117を開放する。一方、このリング118
は、図20(b)に示すように、高温時には熱膨張して
連通溝117との間の隙間Gを無くし、同溝117を閉
鎖する。上記のような構成は、他の軸受部8A,8C〜
8Eについても同じである。
【0120】従って、この実施例の潤滑装置では、内燃
機関ENの低温運転時には、図20(a)に示すよう
に、リング118が収縮して連通溝117が開放され、
第1のオイル制御弁112が開弁される。このため、各
オイル通路7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eに供
給された潤滑オイルLOの一部は、軸受メタル9のオイ
ル溝9a及び各クランクジャーナル10A〜10Eのオ
イル溝10a、シャフトホルダ115の連通溝117及
びオイル戻し通路111を通ってシャフトホルダ115
から外部へリリーフされる。そして、そのリリーフされ
た潤滑オイルLOは、そのままオイルパン1へと直接戻
される。一方、内燃機関ENの高温運転時には、図20
(b)に示すように、リング118が熱膨張して連通溝
117が閉鎖され、第1のオイル制御弁112が閉弁さ
れる。このため、各オイル通路7A〜7Eを通じて各軸
受部8A〜8Eに供給された潤滑オイルLOの一部は、
シャフトホルダ115のオイル戻し通路111から外部
へリリーフされなくなる。従って、この実施例において
も、前記第7実施例と同等の作用及び効果を得ることが
できる。
【0121】又、この実施例では、第1のオイル制御弁
112が、通常使用される軸受ハウジング113及びボ
ルト116を利用してリング118を組み付けるだけで
簡易に構成される。その結果、第1のオイル制御弁11
2を簡易に製造することができ、複雑な第1のオイル制
御弁を設ける必要がなく、潤滑装置全体を比較的コンパ
クト且つ簡易に製造することができる。
【0122】(第10実施例)次に、上記第8の発明に
おける内燃機関の潤滑装置を具体化した第10実施例を
図21〜図24に従って説明する。
【0123】図21はこの実施例における内燃機関の潤
滑装置を示す概略構成図であり、図22〜図24はその
各部の構成を示す図である。尚、この実施例において、
前記第7実施例と基本的に同じ構成については同一の符
号を付して説明を省略し、特に異なった点を中心に説明
する。
【0124】この実施例では、前記第7実施例における
各オイル通路19A〜19E、オイル戻し通路81及び
第1のオイル制御弁82が省略され、その代わりに、各
軸受ハウジング83には軸受部8A〜8Eに供給された
潤滑オイルLOの一部をオイルパン1へ戻すためのオイ
ル戻し通路121が形成されている。即ち、図21,2
2に示すように、各軸受部8A〜8Eのハウジング本体
84には、オイル溝9aと外部との間を連通するための
オイル戻し通路121がそれぞれ形成されている。
【0125】又、この実施例において、軸受メタル9は
次のような断面構造をなしている。即ち、図23に示す
ように、軸受メタル9はその外周側から裏金122、ラ
イニング123及びオーバレイ124の順で積層された
三層構造をなしている。ライニング123の内周面に
は、周方向へ平行に延びる断面丸みを帯びた複数の条山
123aが形成されている。これら条山123aは互い
に隣接して形成され、その高さは「1mm」以下に設定
されている。そして、そのライニング123の内周面に
オーバレイ124がメッキにより設けられることによ
り、オーバレイ124の内周面にもライニング123と
同等の条山124aが形成されている。この条山124
aの高さも「1mm」以下に設定されている。
【0126】更に、この実施例において、動弁系では前
記第7実施例におけるリリーフ油路96及びオイルジェ
ットパイプ97が省略されている。そして、その代わり
に、各カムシャフト87,88の一端には、図21,2
4に示すように、各シャフト油路94,95の末端をそ
れぞれ外部へ連通させるための連通孔94c,95cが
それぞれ形成されている。
【0127】従って、この実施例の潤滑装置によれば、
低温時、高温時にかかわらず内燃機関ENの運転時に、
クランクシャフト系オイル通路5から各オイル通路7A
〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eに供給された潤滑オ
イルLOの一部は、オイル戻し通路121を通じて軸受
ハウジング83より外部へリリーフされる。又、そのリ
リーフされた潤滑オイルLOは、そのままオイルパン1
へと直接戻される。同様に、動弁系オイル通路6から各
カムシャフト87,88のシャフト油路94,95に供
給された潤滑オイルLOの一部は、連通孔94c,95
cを通じて各カムシャフト87,88の一端から外部へ
はリリーフされた後、オイルパン1へと戻される。その
結果、この実施例においても、前記第7実施例と同等の
作用及び効果を得ることができる。
【0128】又、特にこの実施例では、内燃機関ENの
高温時にも各オイル戻し通路121及び各連通孔94
c,95cから潤滑オイルLOがリリーフされることか
ら、各軸受部8A〜8E,87b,88bにおける油圧
を常に低下させることができる。従って、各軸受部8A
〜8E,87b,88bにおける油膜が常に薄くなると
共に、通過する潤滑オイルLOの量が常に多くなる。そ
の結果、各軸受部8A〜8E,87b,88bにおける
摩擦損失を常に低減させることができ、各軸受部8A〜
8E,87b,88bを潤滑オイルLOにより効率良く
冷却することができ、延いては、各軸受部8A〜8E,
87b,88bの焼付きを未然に防止することができ
る。
【0129】併せて、この実施例の潤滑装置では、クラ
ンクシャフト系における各軸受部8A〜8Eの軸受メタ
ル9が、図23に示すような断面構造をなしている。従
って、各クランクジャーナル10A〜10Eはオーバレ
イ124の各条山124aによって軸受メタル9と接触
することになり、各クランクジャーナル10A〜10E
と軸受メタル9との接触面積が少なくなる。又、各条山
124aの間には潤滑オイルLOが保持される。その結
果、各クランクジャーナル10A〜10Eと軸受メタル
9との金属接触による発熱を抑えることができ、その
分、各クランクジャーナル10A〜10Eにおける耐荷
重を増大させることができる。更に、各クランクジャー
ナル10A〜10Eが潤滑オイルLOにより濡れ性が良
くなることから、各軸受部8A〜8Eにおける摩擦損失
をより一層低減することができる。
【0130】(第11実施例)次に、上記第8及び第9
の発明における内燃機関の潤滑装置を具体化した第11
実施例を図25,図26に従って説明する。
【0131】図25はこの実施例における軸受ハウジン
グ113を示す断面図であり、図26は図25のB−B
線断面図である。尚、この実施例において、前記第9実
施例と同じ構成については同一の符号を付して説明を省
略し、特に異なった点を中心に説明する。
【0132】この実施例では、前記第9実施例において
各軸受部8A〜8Eのシャフトホルダ115に形成され
た連通溝117及びリング118が省略されており、そ
れに代わりに、シャフトホルダ115には、一方のボル
ト孔115aに対応してそのボルト孔115aと軸受メ
タル9を貫通するオイル戻し通路125が形成されてい
る。又、そのオイル戻し通路125の途中にて、ボルト
孔115aとボルト116との間の隙間が、ボルト11
6を中心に形成された連通溝125aとなっている。オ
イル戻し通路125の一端はシャフトホルダ115の外
部へ開口されており、他端は軸受メタル9のオイル溝9
aに開口されている。そして、そのオイル戻し通路12
5の外部側の開口の内径は、軸受メタル9側の開口のそ
れよりも小さく設定されている。
【0133】従って、この実施例の潤滑装置によれば、
低温時、高温時にかかわらず内燃機関ENの運転時に、
各オイル通路7A〜7Eを通じて各軸受部8A〜8Eに
供給された潤滑オイルLOの一部は、軸受メタル9のオ
イル溝9a、連通溝125a及びオイル戻し通路125
を通じてシャフトホルダ115から外部へとリリーフさ
れる。そして、そのリリーフされた潤滑オイルLOは、
そのままオイルパン1へと直接戻される。よって、この
実施例においても、前記第10実施例と同等の作用及び
効果を得ることができる。しかも、この実施例では、シ
ャフトホルダ115及び軸受メタル9に連通溝125a
及びオイル戻し孔125を形成するだけでよいことか
ら、潤滑装置全体を簡易に製造することができる。
【0134】尚、この発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記第1実施例では、オイル再循環通路18の途
中にオイルタンク21及び逆止弁22を設け、そのオイ
ル再循環通路18の下流側をストレーナパイプ14の途
中のオイル制御弁23に接続するようにした。これに対
し、オイル再循環通路からオイルタンク及び逆止弁を省
略し、その代わりにオイル再循環通路の途中にオイル制
御弁を設けると共にそのオイル再循環通路の下流側をオ
イルパンの中に連通させるようにしてもよい。この場
合、オイル再循環通路により戻される潤滑オイルによ
り、オイルパン内部の潤滑オイルの加熱が促進される。
【0135】(2)前記第2実施例では、オイル再循環
通路18をオイルタンク32へ潤滑オイルLOを戻すだ
けの通路としたが、各絞り20,36,37における設
定圧をある程度高くすることにより、内燃機関の高回転
時にオイルタンク32に溜まった潤滑オイルLOを逆に
各軸受部8A〜8Eへ供給する構成とすることもでき
る。この場合、内燃機関の高回転時には、各軸受部8A
〜8Eに多くの潤滑オイルLOを供給できることから、
各軸受部8A〜8Eの信頼性を向上させることができ
る。
【0136】或いは、第2実施例において、オイルパン
1内の潤滑オイルLOが必要以上に減った場合に、オイ
ルタンク32の内部に溜まった潤滑オイルLOを利用
し、その潤滑オイルLOをオイルパン1に補給する構成
とすることもできる。この構成を自動的に行わせるため
に、オイルタンク32とオイルパン1との間にオイル通
路を設け、そのオイル通路の途中に電磁弁を設け、オイ
ルパン1にはオイルレベルゲージを設ける。そして、オ
イルレベルゲージの測定値が一定値以下となったとき
に、電磁弁を電気的に開かせて、オイルタンク32の潤
滑オイルLOをオイルパン1へ導入させることも考えら
れる。
【0137】(3)前記第2実施例では、オイルタンク
32と各絞り20,36,37及び逆止弁22とを別々
に設けたが、各絞り及び逆止弁をオイルタンクに一体に
設けてもよい。
【0138】(4)前記第3実施例では、クランクシャ
フト系オイル通路5の上流側に絞り41を設け、各軸受
部8A〜8Eの全てには隣接するクランクピン11A〜
11Dへ潤滑オイルLOを供給する第2のオイル供給通
路12を設けた。そして、絞り41により各軸受部8A
〜8Eに供給される潤滑オイルLOの量をある程度だけ
制限すると共に、各軸受部8A〜8Eからオイル再循環
通路18Aへ吸い出される潤滑オイルLOの量を制限す
るようにした。
【0139】これに対し、図27に示すように、クラン
クシャフト系オイル通路5から絞り41を取り除く。
又、軸受部8Aとクランクピン11Aとの間、軸受部8
Bとクランクピン11Bとの間、軸受部8Dとクランク
ピン11Cとの間、及び軸受部8Eとクランクピン11
Dとの間に第2のオイル供給通路12を設ける。そし
て、軸受部8Cには第2のオイル供給通路12を設け
ず、その軸受部8C以外の各軸受部8A,8B,8D,
8Eに対応する各オイル通路19A,19B,19D,
19Eに絞り71,72,73,74を設ける。この場
合、各軸受部8A〜8Eのうち、第2のオイル供給通路
12を通じて各クランクピン11A〜11Dに潤滑オイ
ルLOが供給される各軸受部8A,8B,8D,8Eで
は、各オイル通路19A,19B,19D,19Eへ吸
い出される潤滑オイルLOの量が相対的に少なくなる。
そして、低温時には、各クランクピン11A〜11Dを
含む他の部位へ供給されるべき潤滑オイルLOの量を充
分に確保することができる。
【0140】又、上記の変形例と同様、図28に示すよ
うに、クランクシャフト系オイル通路5から絞り41を
取り除く。又、軸受部8Bと隣接するクランクピン11
A,11Bとの間、軸受部8Dと隣接するクランクピン
11C,11Dとの間に第2のオイル供給通路12を設
ける。そして、他の軸受部8A,8C,8Eには第2の
オイル供給通路12を設けず、それ以外の各軸受部8
B,8Dに対応する各オイル通路19B,19Dに絞り
75,76を設ける。この場合にも、各軸受部8A〜8
Eのうち、第2のオイル供給通路12を通じて各クラン
クピン11A〜11Dに潤滑オイルLOを供給するよう
にした各軸受部8B,8Dでは、各オイル通路19B,
19Dへ吸い出される潤滑オイルLOの量が相対的に少
なくなる。そして、低温時には、各クランクピン11A
〜11Dを含む他の部位へ供給されるべき潤滑オイルL
Oの量を充分に確保することができる。
【0141】(5)前記第3実施例では、クランクシャ
フト系オイル通路5の上流側に絞り41を設け、各軸受
部8A〜8Eの全てには隣接するクランクピン11A〜
11Dへ潤滑オイルLOを供給する第2のオイル供給通
路12を設けた。そして、絞り41により各軸受部8A
〜8Eに供給される潤滑オイルLOの量をある程度だけ
制限すると共に、各軸受部8A〜8Eからオイル再循環
通路18Aへ吸い出される潤滑オイルLOの量を制限す
るようにした。
【0142】これに対し、図29に示すように、クラン
クシャフト系オイル通路5から絞り41を取り除く。
又、軸受部8Aとクランクピン11Aとの間、軸受部8
Bとクランクピン11Bとの間、軸受部8Dとクランク
ピン11Cとの間、及び軸受部8Eとクランクピン11
Dとの間に第2のオイル供給通路12を設ける。更に、
それらの各軸受部8A,8B,8D,8Eとオイル再循
環通路18Aとの間のオイル通路19A,19B,19
D,19Eを取り除き、軸受部8Cとオイル再循環通路
18Aとの間にのみオイル通路19Cを設ける。この場
合、各軸受部8A〜8Eのうち、第2のオイル供給通路
12を通じて各クランクピン11A〜11Dに潤滑オイ
ルLOを供給するようにした各軸受部8A,8B,8
D,8Eからはオイル再循環通路18Aへ潤滑オイルL
Oが吸い出されなくなる。そして、クランクピン11A
〜11Dに潤滑オイルLOを供給しない軸受部8Cにお
いてのみ、オイル通路19Cを通じてオイル再循環通路
18Aへ潤滑オイルLOが吸い出される。これにより、
低温時、高温時にかかわらず、各クランクピン11A〜
11Dを含む他の部位へ供給されるべき潤滑オイルLO
の量を充分に確保することができる。
【0143】又、上記の変形例と同様、図30に示すよ
うに、クランクシャフト系オイル通路5から絞り41を
取り除く。又、軸受部8Bと隣接するクランクピン11
A,11Bとの間、軸受部8Dと隣接するクランクピン
11C,11Dとの間に第2のオイル供給通路12を設
ける。更に、それらの各軸受部8B,8Dとオイル再循
環通路18Aとの間のオイル通路19B,19Dを取り
除き、他の各軸受部8A,8C,8Eとオイル再循環通
路18Aとの間にオイル通路19A,19C,19Eを
設ける。この場合、各軸受部8A〜8Eのうち、第2の
オイル供給通路12を通じて各クランクピン11A〜1
1Dに潤滑オイルLOを供給するようにした各軸受部8
B,8Dからはオイル再循環通路18Aへ潤滑オイルL
Oが吸い出されなくなる。そして、クランクピン11A
〜11Dに潤滑オイルLOを供給しない軸受部8A,8
C,8Eにおいてのみ、オイル通路19A,19C,1
9Eを通じてオイル再循環通路18Aへ潤滑オイルLO
が吸い出される。これにより、低温時、高温時にかかわ
らず、各クランクピン11A〜11Dを含む他の部位へ
供給されるべき潤滑オイルLOの量を充分に確保するこ
とができる。
【0144】(6)前記第3実施例では、クランクシャ
フト系オイル通路5の上流側に絞り41を設け、各軸受
部8A〜8Eに供給される潤滑オイルLOの量を動弁系
に供給されるそれよりも制限されるようにした。これに
対し、クランクシャフト系オイル通路5における絞り4
1を取り除き、その代わりに各軸受部8A〜8Eに通じ
る各オイル通路7A〜7Eの内径を小さく設定するよう
にしてもよい。
【0145】(7)前記第3実施例〜第6実施例では、
オイル再循環通路18Bの開口端18bをオイルパン4
4の中でオイルストレーナ13に隣接して配置した。こ
れに対し、図31に示すように、オイル再循環通路18
Bの開口端18bをストレーナパイプ14の途中に連通
させ、その連通部分よりも上流側及び下流側のストレー
ナパイプ14の途中に逆止弁77,78を設ける。そし
て、オイル再循環通路18Bを通じて各軸受部から再循
環される潤滑オイルLOを、オイルパンへ戻すことなく
オイルポンプ15の吸入側へ直接取り込むようにする。
この場合、オイル再循環通路18Bを流れる潤滑オイル
LOがオイルパンへ戻ることがないので、その分だけ潤
滑オイルLOの暖機性を早期に高めることができる。
又、両逆止弁77,78の間の空間が気液分離タンクの
役目を果たすことになり、オイルポンプ15にエアが吸
い込まれることを防止することができる。
【0146】(8)前記第3実施例〜第6実施例では、
第2のオイル制御弁と第3のオイル制御弁とを一体に構
成する温度感応式のオイル切替弁42を設けたが、第2
のオイル制御弁と第3のオイル制御弁とを別々に設けて
もよい。
【0147】(9)前記第1実施例〜第8実施例では、
第2のオイル制御弁23、オイル切替弁42及び第1の
オイル制御弁82のそれぞれを、サーモワックス25
a,51により温度に感応させて開閉作動させるように
した。これに対し、電磁弁よりなるオイル制御弁、オイ
ル切替弁を設け、それらオイル制御弁、オイル切替弁を
内燃機関の温度条件に応じてコントローラにより電気的
に開閉作動させる構成とすることもできる。この場合、
内燃機関の温度条件だけでなく、内燃機関の回転数をも
入力値としてコントローラに取り込み、その機関回転数
に応じてオイル制御弁、オイル切替弁を電気的に開閉作
動させるようにしてもよい。例えば、機関回転数が所定
値以上となるときにオイル制御弁、オイル切替弁を閉じ
ることにより、各軸受部8A〜8E,87b,88bに
おける油圧を高めるようにしてもよい。
【0148】(10)前記第1実施例〜第8実施例で
は、一つのオイルポンプ15から吐出される潤滑オイル
LOを、クランクシャフト系オイル通路5と動弁系オイ
ル通路6とに振り分けて送る構成とした。これに対し、
一つのオイルポンプから吐出される潤滑オイルをクラン
クシャフト系オイル通路へのみ送る構成としてもよい。
つまり、クランクシャフト系オイル通路と動弁系オイル
通路のそれぞれへ別々のオイルポンプから潤滑オイルを
送る構成としてもよい。
【0149】(11)前記第7及び第8の実施例では、
オイル戻し通路81に第1のオイル制御弁82を設けた
が、この第1のオイル制御弁82を省略することもでき
る。 (12)前記第7実施例では、オイルジェットパイプ9
7へ潤滑オイルLOを供給するためのリリーフ油路96
を各シャフト油路94,95に連通するようにベアリン
グキャップ92に形成した。これに対し、オイルジェッ
トパイプ97へ潤滑オイルLOを供給するための油路
を、動弁系オイル通路6から直接分岐させて設けること
もできる。
【0150】(13)前記第9実施例では、各軸受部8
A〜8Eを構成する軸受ハウジング113に、ボルト1
16を中心として連通溝117及びリング118を設け
て第1のオイル制御弁112を構成すると共に、その連
通溝117及び軸受メタル9を貫通するオイル戻し通路
111を形成した。
【0151】これに対し、図32に示すように、クラン
クシャフト3の各クランクピン11A〜11Dに取り付
けられるコンロッド131に、上記と同様の第1のオイ
ル制御弁132及びオイル戻し通路133を設けてもよ
い。即ち、コンロンド131の軸受ハウジングを構成す
る軸受キャップ134を締め付けるための一方のボルト
135に対応して、環状の連通溝136を形成すると共
に、その連通溝136を貫通するオイル戻し通路133
を形成する。又、その連通溝136にボルト135を中
心に熱膨張率の大きいリング137を配置して第1のオ
イル制御弁132を構成する。この場合、冷間時には、
第1のオイル制御弁132が開弁され、第2のオイル通
路12より各クランクピン11A〜11Dに供給された
潤滑オイルLOの一部が、連通溝136及びオイル戻し
通路133を通じて軸受キャップ134の外部へリリー
フされる。又、この場合、図32に示すように、コンロ
ッド131に形成されているオイルジェット138と反
対側、即ち反スラスト側にオイル戻し通路133を設け
る。この構成により、低温時には、オイル戻し通路13
3からリリーフされる潤滑オイルLOが、オイルジェッ
ト138によるオイル噴射方向とは反対方向へ飛散し
て、図示しないシリンダボア等へ供給されることにな
る。このため、シリンダボアとピストンとの間の有効な
スカッフィング対策を図ることができる。
【0152】(14)前記第11実施例では、各軸受部
8A〜8Eを構成する軸受ハウジング113に、ボルト
孔115aを貫通するオイル戻し通路125を形成した
が、同様の趣旨で、コンロッドの軸受キャップに対し
て、同様にボルト孔を貫通するオイル戻し通路を形成し
てもよい。
【0153】(15)前記第10実施例では、図23に
示すように、軸受メタル9を裏金122、ライニング1
23及びオーバレイ124により三層構造とし、そのラ
イニング123の内周面に周方向へ平行に隣接して延び
る複数の条山123aを形成することにより、オーバレ
イ124の内周面に同等の条山124aを形成した。こ
れに対し、その変形例として、図33に示すように、ラ
イニング123の内周面に周方向へ平行に延びる複数の
条山123aを所定間隔をもって形成することにより、
オーバレイ124の内周面に同等の条山124aを形成
するようにしてもよい。或いは、同じく変形例として、
図34に示すように、ライニング123の内周面に周方
向へ平行に延びる複数の条溝123bを一定間隔をもっ
て形成することにより、オーバレイ124の内周面に同
等の条溝124bを形成するようにしてもよい。
【0154】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明によれ
ば、オイルパンから汲み上げられてオイルポンプより吐
出される潤滑オイルを、第1のオイル供給通路を通じて
クランクシャフトの軸受部へ供給するようにしている。
又、その軸受部に供給された潤滑オイルをオイルパンへ
戻すためのオイル戻し通路を設けている。そして、内燃
機関の低温時には、第1のオイル制御弁を開弁させてオ
イル戻し通路からオイルパンへの潤滑オイルの戻りを許
容するようにしている。
【0155】従って、内燃機関の低温時には、潤滑オイ
ルがオイル戻し通路へ流れる分だけ軸受部における油膜
が薄くなり、その軸受部における摩擦損失が低減される
と共に加熱による潤滑オイルの暖機が早められる。又、
潤滑オイルの暖機が早められることにより、軸受部にお
ける摩擦損失が更に低減される。その結果、内燃機関の
低温時には、クランクシャフトの軸受部への潤滑オイル
の供給量を減少させることなくその軸受部の油膜を薄く
して、潤滑オイル全体の暖機時間を短くすることができ
る。又、軸受部の摩擦損失を定常的に低くすることがで
き、もって低温時における摩擦損失を有効に低減させる
ことができるという優れた効果を発揮する。
【0156】第2の発明によれば、オイルパンから汲み
上げられてオイルポンプより吐出される潤滑オイルを、
第1のオイル供給通路を通じてクランクシャフトの軸受
部へ供給するようにしている。又、その軸受部に供給さ
れた潤滑オイルをオイルポンプの吸入側に戻して再循環
させるためのオイル再循環通路を設けている。そして、
内燃機関の低温時には、第2のオイル制御弁を開弁させ
てオイル再循環通路による潤滑オイルの再循環を許容す
るようにしている。
【0157】従って、内燃機関の低温時には、潤滑オイ
ルがオイル再循環通路へ再循環される分だけクランクシ
ャフトの軸受部における油膜が薄くなり、その軸受部に
おける摩擦損失が低減されると共に加熱による潤滑オイ
ルの暖機が早められる。又、潤滑オイルの暖機が早めら
れることにより、軸受部における摩擦損失が更に低減さ
れる。その結果、第1の発明と同様の優れた効果を発揮
する。
【0158】第3の発明によれば、第2の発明の構成に
加えて、第1のオイル供給通路とオイル再循環通路との
間に連通路を設け、その連通路に対して、内燃機関の高
温時に開弁されて連通路を開放するための第3のオイル
制御弁を設けている。
【0159】このため、第3の発明では第2の発明の作
用及び効果に加えて、内燃機関の高温時には、第3のオ
イル制御弁が開弁され、オイルポンプから吐出された潤
滑オイルの一部が第1のオイル供給通路を通じて軸受部
に供給される。又、残りの一部の潤滑オイルが連通路を
通じてオイル再循環通路へ逆流して軸受部へと供給され
る。従って、高温時には軸受部に第1のオイル供給通路
とオイル再循環通路との両方から潤滑オイルが供給され
ることになる。その結果、内燃機関の高温時には、クラ
ンクシャフトの軸受部に供給すべき潤滑オイルの量を充
分に確保することができ、有効な潤滑を図ることができ
るという優れた効果を発揮する。
【0160】第4の発明によれば、第3の発明の構成に
加えて、軸受部を複数としてその一部の軸受部に供給さ
れた潤滑オイルを更に他の部位へ供給するための第2の
オイル供給通路を設けている。又、第2のオイル供給通
路と対応する一部の軸受部に対応して、その一部の軸受
部からオイル再循環通路へ再循環する方向の潤滑オイル
の流れを阻止するための逆止弁を設けている。
【0161】このため、第4の発明では、第3の発明の
作用及び効果に加えて、一部の軸受部に供給された潤滑
オイルの一部が第2のオイル供給通路を通じて他の部位
へと供給されて潤滑に供される。又、特に低温時には、
その一部の軸受部でオイル再循環通路へ流れるべき潤滑
オイルの流れが逆止弁により阻止される。従って、その
一部の軸受部に供給された潤滑オイルは、オイル再循環
通路により再循環されることなく第2のオイル供給通路
を通じて他の部位へと供給される。その結果、クランク
シャフトの軸受部から他の部位へ潤滑オイルを供給する
構造においては、内燃機関の低温時に他の部位に供給す
べき潤滑オイルの量を充分に確保することができ、有効
な潤滑を図ることができるという優れた効果を発揮す
る。
【0162】第5の発明によれば、第2の発明の構成に
加えて、軸受部を複数としてその一部の軸受部に供給さ
れた潤滑オイルを更に他の部位へ供給するための第2の
オイル供給通路を設けている。又、第2のオイル供給通
路と対応する一部の軸受部に供給される潤滑オイルの量
を、他の軸受部に供給される潤滑オイルの量よりも増大
させるためのオイル配分設定手段を設けている。
【0163】このため、第5の発明では、第2の発明の
作用及び効果に加えて、第1のオイル供給通路を通じて
一部の軸受部に供給された潤滑オイルの一部が第2のオ
イル供給通路を通じて他の部位へと供給され、潤滑に供
される。そして、その一部の軸受部には、オイル配分設
定手段により他の軸受部よりも多くの潤滑オイルが供給
され、第2のオイル供給通路を通じて他の部位へ供給さ
れる潤滑オイルの量が増大する。その結果、クランクシ
ャフトの軸受部から他の部位へ潤滑オイルを供給する構
造において、低温時、高温時にかかわらず他の部位に供
給すべき潤滑オイルの量を充分に確保することができ、
有効な潤滑を図ることができるという優れた効果を発揮
する。
【0164】第6の発明によれば、第3の発明の構成に
加えて、軸受部を複数としてその一部の軸受部に供給さ
れた潤滑オイルを更に他の部位へ供給するための第2の
オイル供給通路を設けている。又、その第2のオイル供
給通路と対応しない他の軸受部に対してのみ、オイル再
循環通路を設けている。
【0165】このため、第6の発明では、第3の発明の
作用及び効果に加えて、第1のオイル供給通路を通じて
一部の軸受部に供給された潤滑オイルの一部が第2のオ
イル供給通路を通じて他の部位へと供給されて潤滑に供
される。そして、低温時には、他の軸受部に供給された
潤滑オイルがオイル再循環通路を通じて再循環される。
又、高温時には、オイルポンプから吐出された潤滑オイ
ルの一部が連通路及びオイル再循環通路を通じて他の軸
受部に供給される。従って、内燃機関の高温時には、他
の部位へ潤滑オイルを供給しない他の軸受部における潤
滑オイルの量が増大する。その結果、クランクシャフト
の軸受部から他の部位へ潤滑オイルを供給する構造にお
いて、高温時には他の部位へ潤滑オイルを供給しない軸
受部で潤滑オイルの量を充分に確保することができ、有
効な潤滑を図ることができるという優れた効果を発揮す
る。
【0166】第7の発明によれば、第1の発明の構成に
おいて、二分割可能な軸受ハウジングによりクランクシ
ャフトを挟持した状態でその軸受ハウジングをボルトで
締め付ける構成とする。又、軸受ハウジングにボルトを
中心に、オイル戻し通路と軸受部とを連通する連通溝を
設け、その連通溝にボルトに挿通されて低温時には収縮
して連通溝を開放する熱膨張片を設ける。
【0167】従って、低温時には、軸受部における潤滑
オイルが連通溝を通じてオイル戻し通路へ流れ、その分
だけ軸受部における油膜が薄くなり、軸受部における摩
擦損失が低減されると共に加熱による潤滑オイルの暖機
が早められる。又、潤滑オイルの暖機が早められること
により、軸受部における摩擦損失が更に低減される。そ
の結果、第1の発明と同様の優れた効果を発揮する。
又、第1のオイル制御弁は軸受ハウジングに簡易に構成
されることから、別途に複雑な第1のオイル制御弁を設
ける必要がなく、製造を簡略化することができるという
優れた効果を発揮する。
【0168】第8の発明によれば、オイルパンから汲み
上げられてオイルポンプより吐出される潤滑オイルを、
第1のオイル供給通路を通じてクランクシャフトの軸受
部へ供給するようにしている。又、その軸受部に供給さ
れた潤滑オイルを、オイル戻し通路を通じてオイルパン
へ戻すようにしている。
【0169】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。その結果、第1の発明と同様の優
れた効果を発揮する。
【0170】第9の発明によれば、第8の発明の構成に
おいて、二分割可能な軸受ハウジングによりクランクシ
ャフトを挟持した状態でその軸受ハウジングをボルトで
締め付ける構成とする。又、軸受ハウジングにボルトを
中心に、オイル戻し通路と軸受部とを連通する連通溝を
設ける。
【0171】従って、軸受部における油膜が薄くなり、
その軸受部における摩擦損失が低減されると共に、加熱
による潤滑オイルの暖機が早められる。又、潤滑オイル
の暖機が早められることにより、軸受部における摩擦損
失が更に低減される。その結果、第1の発明と同様の優
れた効果を発揮する。又、連通溝及びオイル戻し通路が
軸受ハウジングに簡易に構成されることから、製造を簡
略化することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2の発明を具体化した第1実施例における内
燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例においてカムシャフトの軸受部の一
部を拡大して示す図である。
【図3】第1実施例においてオイル制御弁の構成とその
作用を示す図である。
【図4】第2の発明を具体化した第2実施例における内
燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図5】第2実施例においてオイルタンクを示す断面図
である。
【図6】第2実施例においてオイルタンクの連通口等を
示す平面図である。
【図7】第3の発明を具体化した第3実施例における内
燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図8】同じく第3実施例における内燃機関の潤滑装置
を示す概略構成図である。
【図9】第3実施例においてオイル切替弁の構成とその
作用を示す図である。
【図10】第3実施例においてオイルパンを示す斜視図
である。
【図11】第4の発明を具体化した第4実施例における
内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図12】第5及び第6の発明を具体化した第5実施例
における内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図13】第5及び第6の発明を具体化した第6実施例
における内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図14】第1の発明を具体化した第7実施例における
内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図15】第7実施例において、クランクシャフトの軸
受部とその軸受ハウジング等を示す断面図である。
【図16】第7実施例において、動弁系の軸受部等を示
す断面図である。
【図17】第7実施例において、動弁系におけるオイル
ジェットパイプの配置状態を示す概略図である。
【図18】第1の発明を具体化した第8実施例における
内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図19】第7の発明を具体化した第9実施例における
クランクシャフトの軸受部とその軸受ハウジング等を示
す断面図である。
【図20】第9実施例において、図19のA−A線断面
図である。
【図21】第8の発明を具体化した第10実施例におけ
る内燃機関の潤滑装置を示す概略構成図である。
【図22】第10実施例において、クランクシャフトの
軸受部とその軸受ハウジング等を示す断面図である。
【図23】第10実施例において、軸受メタルの構造を
示す断面図である。
【図24】第10実施例において、各カムシャフトの端
部を示す部分破断図である。
【図25】第8の発明を具体化した第11実施例におけ
るクランクシャフトの軸受部とその軸受ハウジング等を
示す断面図である。
【図26】第11実施例において、図25のB−B線断
面図である。
【図27】第3の発明を具体化した別の実施例における
内燃機関の潤滑装置の一部を示す概略構成図である。
【図28】同じく第3の発明を具体化した別の実施例に
おける内燃機関の潤滑装置の一部を示す概略構成図であ
る。
【図29】第3の発明を具体化した別の実施例における
内燃機関の潤滑装置の一部を示す概略構成図である。
【図30】第3の発明を具体化した別の実施例における
内燃機関の潤滑装置の一部を示す概略構成図である。
【図31】第3〜第6の発明を具体化した別の実施例に
おけるオイル再循環通路とストレーナパイプとの取り付
け構造を示す断面図である。
【図32】第7の発明を具体化した別の実施例における
コンロンドの部分破断正面図である。
【図33】別の実施例における軸受メタルの構造を示す
断面図である。
【図34】同じく別の実施例における軸受メタルの構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…オイルパン、2…第1のオイル供給通路、3…クラ
ンクシャフト、5…クランクシャフト系オイル通路、7
A〜7E…オイル通路、8A〜8E…軸受部、12…第
2のオイル供給通路、15…オイルポンプ、18,18
A,18B…オイル再循環通路、23…第2のオイル制
御弁、42…第2及び第3のオイル制御弁を構成するオ
イル切替弁、43…連通路、44…オイルパン、61,
62…逆止弁、63…第2のクランクシャフト系オイル
通路、64,65…オイル通路(63〜65はオイル分
配設定手段を構成している)、66,67,68…絞り
(7A〜7E,66〜68はオイル分配設定手段を構成
している)、81…オイル戻し通路、82…第1のオイ
ル制御弁、111…オイル戻し通路、112…第1のオ
イル制御弁、113…軸受ハウジング、116…ボル
ト、117…連通溝、118…熱膨張片としてのリン
グ、121…オイル戻し通路、125…オイル戻し通
路、132…第1のオイル制御弁、133…オイル戻し
通路、134…軸受ハウジングを構成する軸受キャッ
プ、135…ボルト、136…連通溝、137…リン
グ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松代 隆一 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 猪頭 敏彦 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 笹尾 茂夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルパン内に貯留された潤滑オイルを
    汲み上げて吐出するためのオイルポンプと、 前記オイルポンプより吐出される潤滑オイルを内燃機関
    のクランクシャフトの軸受部に圧送供給するための第1
    のオイル供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装置におい
    て、 前記軸受部に供給された潤滑オイルを前記オイルパンへ
    戻すためのオイル戻し通路と、 前記内燃機関の低温時に開弁されて前記オイル戻し通路
    による潤滑オイルの戻りを許容するための第1のオイル
    制御弁とを備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】 オイルパン内に貯留された潤滑オイルを
    汲み上げて吐出するためのオイルポンプと、 前記オイルポンプより吐出される潤滑オイルを内燃機関
    のクランクシャフトの軸受部に圧送供給するための第1
    のオイル供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装置におい
    て、 前記軸受部に供給された潤滑オイルを前記オイルポンプ
    の吸入側に戻して再循環させるためのオイル再循環通路
    と、 前記内燃機関の低温時に開弁されて前記オイル再循環通
    路による潤滑オイルの再循環を許容するための第2のオ
    イル制御弁とを備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 前記第1のオイル供給通路と前記オイル再循環通路との
    間に設けられた連通路と、 前記連通路に対して設けられ、前記内燃機関の高温時に
    開弁されて前記連通路を開放するための第3のオイル制
    御弁とを備えたことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 前記軸受部を複数としてその一部の軸受部に対応して設
    けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オイルを更
    に他の部位へ供給するための第2のオイル供給通路と、 前記第2のオイル供給通路と対応する前記一部の軸受部
    に対応して設けられ、その一部の軸受部から前記オイル
    再循環通路へ再循環する方向の潤滑オイルの流れを阻止
    するための逆止弁とを備えたことを特徴とする内燃機関
    の潤滑装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 前記軸受部を複数としてその一部の軸受部に対応して設
    けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オイルを更
    に他の部位へ供給するための第2のオイル供給通路と、 前記第2のオイル供給通路と対応する前記一部の軸受部
    に対応して設けられ、その一部の軸受部に供給される潤
    滑オイルの量を他の軸受部に供給される潤滑オイルの量
    よりも増大させるためのオイル配分設定手段とを備えた
    ことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 前記軸受部を複数としてその一部の軸受部に対応して設
    けられ、その一部の軸受部に供給された潤滑オイルを更
    に他の部位へ供給するための第2のオイル供給通路を備
    え、その第2のオイル供給通路と対応しない他の軸受部
    に対してのみ、前記オイル再循環通路を設けたことを特
    徴とする内燃機関の潤滑装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 二分割可能に形成され、前記軸受部又は前記クランクシ
    ャフトの他の部位を挟持するかたちで同クランクシャフ
    トと相対回転可能に設けられた軸受ハウジングと、 前記軸受ハウジングに前記クランクシャフトが挟持され
    た状態で前記軸受ハウジングを締め付けるためのボルト
    と、 前記軸受ハウジングに前記ボルトを中心に形成され、前
    記軸受ハウジングに形成された前記オイル戻し通路と前
    記軸受部とを連通するための連通溝と、 前記ボルトに挿通されて前記連通溝に配置され、低温時
    には収縮して前記連通溝を開放し、高温時には熱膨張し
    て前記連通溝を閉鎖するための前記第1のオイル制御弁
    を構成する熱膨張片とを設けたことを特徴とする内燃機
    関の潤滑装置。
  8. 【請求項8】 オイルパン内に貯留された潤滑オイルを
    汲み上げて吐出するためのオイルポンプと、 前記オイルポンプより吐出される潤滑オイルを内燃機関
    のクランクシャフトの軸受部に圧送供給するための第1
    のオイル供給通路とを備えた内燃機関の潤滑装置におい
    て、 前記軸受部に供給された潤滑オイルを前記オイルパンへ
    戻すためのオイル戻し通路を設けたことを特徴とする内
    燃機関の潤滑装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の内燃機関の潤滑装置に
    おいて、 二分割可能に形成され、前記軸受部又は前記クランクシ
    ャフトの他の部位を挟持するかたちで同クランクシャフ
    トと相対回転可能に設けられた軸受ハウジングと、 前記軸受ハウジングに前記クランクシャフトが挟持され
    た状態で前記軸受ハウジングを締め付けるためのボルト
    と、 前記軸受ハウジングに前記ボルトを中心に形成され、前
    記軸受ハウジングに形成された前記オイル戻し通路と前
    記軸受部とを連通するための連通溝とを設けたことを特
    徴とする内燃機関の潤滑装置。
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