JP4516614B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両用の多気筒型エンジン(内燃機関)に装備される潤滑装置に関する。特に、本発明に係る潤滑装置は、ドライサンプ式と呼ばれる構成とされている。
従来のドライサンプ式の潤滑装置は、一般的に、エンジンの下部からオイルやブローバイガスをスカベンジングポンプによって取り出して、前記クランク室から離隔設置したオイルタンクに一旦貯留し、このオイルタンク内のオイルをフィードポンプによってエンジンにおいて潤滑や温度調節(冷却、加温)の必要な被潤滑部位に供給することにより、摺動、転動部分のフリクションの低減やエンジン各部の温度調節(冷却、加温)を行うようになっている(例えば特許文献1〜3参照。)。
このドライサンプ式の潤滑装置によれば、従来においてエンジンの下部に設けていたオイルの貯留空間を大幅に小さく、あるいは無くすことができるので、エンジンの小型化、低重心化が可能になる他、オイルタンク内でオイルを安定的に貯留できるので、クランク室内でのオイルの片寄りや泡立ちが生じることを防止できて、エンジンの被潤滑部位へオイルを安定的に供給することが可能になる。
ところで、特許文献1,2に係る従来例では、エンジン下部のオイルパン内のオイルを単一のオイルポンプで取り出すようになっている。この従来例では、詳細に記載されていないが、一般的な技術思想に基づいて推定すると、おそらく、多数のクランク室を互いに連通し、この単一空間のシリンダ配列方向両端の一箇所または二箇所にオイル回収通路を結合し、この二つのオイル回収通路の下流側を合流して単一のスカベンジポンプの吸入口に結合するようになっていると考えられる。
このような場合、エンジンの下部にオイル貯留容器であるオイルパンが設置される関係より、エンジンの重心を下げるには不利である。しかも、クランク室をシリンダ毎に仕切っていないので、高回転域でのポンピングロスが大きくなるとともに、オイルの回収効率が悪くなることが懸念される。
また、特許文献3に係る従来例では、2気筒型エンジンにおいて、個別に仕切られた各クランク室の底面のオイルを、前記各底面にそれぞれ開口設置したオイル排出口からクランク室の下部に設置された単一のオイル回収室に落とし、このオイル回収室内のオイルを単一のスカベンジポンプで取り出すようにしている。
このような場合、オイル回収室がエンジンのクランク室の下部に設置される関係より、エンジンの重心を下げるには不利である。しかも、2気筒エンジンである関係より、二つのピストンの上下タイミングをずらす関係より各クランク室で発生する圧力変動の位相がずれる。そのために、二つのクランク室の圧力差が大きくなるので、負圧となる側のクランク室へオイル回収室内のオイルが逆流する現象が発生するおそれがあって、スカベンジポンプによるオイル回収が円滑に行えなくなることが懸念される。
特開2000−227016号公報 特開2004−156451号公報 特開2007−2806号公報
上記従来例では、単一のスカベンジポンプを用いているので、コスト、重量ならびに設置スペースという面において有利であるものの、上述したようにオイル回収効率が低下するおそれがあり、ここに改良の余地がある。
ところで、例えば多気筒型エンジンの各クランク室内のポンピングロスを低減するために、各クランク室を個別に仕切るようにし、さらに、オイル回収能力やオイル循環能力を高めるようにするために、各クランク室とスカベンジポンプとを1対1で結合することが考えられる。
しかしながら、その場合には、クランク室と同数のスカベンジポンプが必要であるために、コストが嵩むとともに、重量や設置スペースが増大することになる。しかも、多くのスカベンジポンプを用いる関係より、それを駆動するエンジンのフリクションが増大することも懸念される。ここに改良の余地がある。
なお、特許第3052002号公報に示されているように、単気筒型エンジンにドライサンプ式の潤滑装置を装備した構成において、エンジンのクランクケースとクランクケースカバーとの合わせ面に、スカベンジポンプからオイルタンクに通じる油路を形成するという記載がある。しかしながら、この特許文献は、単気筒型エンジンであるから、本発明とは発明の前提構成が相違しているので、本発明の従来例に値しないものである。但し、この特許文献の明細書中には、多気筒型エンジンにも適用できるという記載があるが、どのように適用するかが全く記載されていないので、本発明のように、クランク室からスカベンジポンプに通じるオイル回収通路をエンジン底部の板状部材に一体に形成するという技術思想の記載や示唆は全くないと言える。
本発明は、多気筒型エンジンに装備されるドライサンプ式の潤滑装置において、可及的に少ないポンプを用いることによって、コスト、重量ならびに設置スペースを可及的に低減できるようにしたうえで、オイル回収能力を必要十分に確保可能とすることを目的としている。
本発明は、多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、前記合流対象となる所定数のクランク室は、圧力差が最小となるものが選択され、前記圧力変動抑制手段は、前記合流対象となるオイル回収通路毎の下流側が接続されかつ当該オイル回収通路に対応するクランク室の圧力変動を抑制するのに必要な所定容積を有するチャンバとされ、このチャンバから単一の共通通路を経て前記ポンプの吸入口に接続される、ことを特徴としている。
このような本発明は、要するに、ドライサンプ式の潤滑装置を前提とした構成になっており、クランク室内でのオイル攪拌抵抗の軽減ならびにエンジンの低重心化を図ることが可能になっている。
そして、本発明の構成では、クランクケース内をクランク軸受部毎に仕切って複数のクランク室に区画したうえで、そのクランク室の数よりも少ないポンプを用いるようにしているので、例えば多数のクランク室毎にオイル取り出し用のポンプを結合するような従来例に比べて、ポンプの使用数が少なくて済み、コスト、重量ならびに設置スペースを低減することが可能になる。
しかも、本発明では、クランク室個々を区画しているので、クランク室の数よりも少ないポンプを用いる場合に懸念される不具合、つまりクランク室毎で発生する圧力変動が相互に干渉して回収すべきオイルが逆流するという不具合の発生を防止することが可能になる。また、圧力変動抑制手段を備えているので、合流対象となるクランク室で発生する圧力変動に伴いクランク室から取り出されるオイルやブローバイガスの脈動を効果的に減衰することが可能になる。
これにより、ポンプによるオイル回収が円滑に行われるので、クランク室にオイルを滞留させることなく、オイルをオイルタンクにスムースに回収することが可能になり、ひいては、エンジンの被潤滑部位にオイルを安定的に供給させることが可能になる。したがって、クランク室内のフリクション軽減、ならびにエンジンの潤滑、温調(冷却、加温)性能の向上を図ることが可能になる。
特に、前記構成では、クランク軸受部でそれぞれ区画されている多数のクランク室のうち、圧力差が最小となる複数のクランク室から共通のポンプでオイル回収を行わせるようにしているから、当該クランク室毎の圧力差でオイル回収通路内のオイルが圧力小(負圧)となる側のクランク室へ逆流するという不具合の発生を防止することが可能になる。
しかも、前記圧力変動抑制手段としてのチャンバが、合流対象となるクランク室で発生する圧力変動に伴いクランク室から取り出されるオイルやブローバイガスの脈動を効果的に減衰するので、ポンプによるオイル回収が円滑に行われる。このように、圧力変動抑制手段としてチャンバを用いるものの、必要最小限の構成追加でオイル回収効率を高めることが可能になる。
好ましくは、クランク室の総数が偶数の場合、圧力差が最小となる二つずつのクランク室どうしをそれぞれ組み合わせ、前記ポンプの使用数が前記組数と同数とされる。この構成では、ポンプの使用数や同時回収とするクランク室の組み合わせ形態等を特定しており、これにより、好ましい実施形態を構築することが可能になる。
好ましくは、前記クランク室の総数が奇数の場合、シリンダ配列方向の中央に位置する一つのクランク室に一つのポンプを接続し、圧力差が最小となる二つのクランク室毎に、それぞれ2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのポンプに接続する形態とされる。この構成では、ポンプの使用数や同時回収とするクランク室の組み合わせ形態等を特定しており、これにより、好ましい実施形態を構築することが可能になる。
本発明は、多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、前記クランク室の総数が偶数の場合、圧力差が最小となる二つずつのクランク室どうしをそれぞれ組み合わせ、前記ポンプの使用数が前記組数と同数とされる、ことを特徴としている。
本発明は、多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、前記クランク室の総数が奇数の場合、シリンダ配列方向の中央に位置する一つのクランク室に一つのポンプを接続し、圧力差が最小となる二つのクランク室毎に、それぞれ2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのポンプに接続する形態とされる、ことを特徴としている。
好ましくは、前記オイル回収通路は、クランク室の下側に取り付けられる板状の部材に一体に形成される。
この構成では、オイル回収通路について、例えばパイプやホース等の筒状部材としてエンジン周囲に引き回すように設置せずに、エンジン下部に付設される既存の板状部材に一体形成しているので、部品点数ならびに設置作業を低減できてコスト面でも有利となる。なお、前記の板状部材は、例えばオイルパン、ロアプレート等と呼ばれるものとすることができる。
本発明では、多気筒型エンジンに装備されるドライサンプ式の潤滑装置において、可及的に少ない数のポンプを用いることによって、コスト、重量ならびに設置スペースを可及的に低減できるようにしたうえで、オイル回収能力を必要十分に確保することが可能になる。したがって、クランク室内のフリクション軽減、ならびにエンジンの潤滑、温調(冷却、加温)性能の向上を図ることが可能になる等、比較的安価、軽量、省スペースで高性能かつ信頼性の高いエンジンを構築することが可能になる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、自動車等の車両に搭載される多気筒型エンジンに装備されるドライサンプ式の潤滑装置を例に挙げている。
(実施形態1)
図1から図4に、本発明の実施形態1を示している。まず、図1を参照してドライサンプシステムの概要を説明する。
図1では、直列4気筒型のエンジン1をフロント側から示している。図に示すように、エンジン1に一列(図1の紙面に直交する方向)に設けられる各シリンダ(符号省略)には、ピストン2が上下方向に往復移動可能に収容されている。
ピストン2の往復運動は、コネクティングロッド3を介してクランクシャフト4の回転運動に変換される。そして、ピストン2とシリンダとの摺動部分、コネクティングロッド3やクランクシャフト4の軸受部分などには、オイルが供給されることにより、摺動、転動部分のフリクションの低減やエンジン1各部の温度調節(冷却や加温)を行うようになっている。
このエンジン1には、ドライサンプ式の潤滑装置が装備されている。このドライサンプ式の潤滑装置は、要するに、エンジン1の下部からオイルを取り出して、エンジン1の外部に離隔設置されているオイル貯留部としてのオイルタンク21に一旦貯留し、このオイルタンク21内のオイルを、図示していないが、例えばメインオイルホールまたはメインギャラリーと呼ばれるシリンダブロック側給油路を介してシリンダブロック5内の被潤滑部位に供給するとともに、シリンダヘッド側給油路を介してシリンダヘッド内の被潤滑部位に供給するように構成されている。これらの使用後のオイルは、エンジン1の下部に集められる。
次に、図2から図4を参照して、本発明の特徴を適用した部分を説明する。
要するに、この実施形態では、クランクケース6内を複数のクランク室11〜14に区画するとともに、クランク室11〜14の数よりも少ないスカベンジポンプ22,23を用いることによって、クランク室11〜14内のオイルをオイルタンク21に効率よく回収可能とするように工夫している。
具体的に説明する。まず、エンジン1のシリンダブロック5の下部には、クランクシャフト4を覆い隠すような形状のクランクケース6が取り付けられている。
このクランクケース6内には、クランク軸受部毎に互いに非連通状態に仕切ることによって、複数(この実施形態では四つ)に区画されたクランク室11〜14が設けられている。
このように区画されるクランク室11〜14の数は、直列多気筒型エンジンの場合、シリンダ数と同数、言い換えるとクランクシャフト4においてコネクティングロッド3の大端部(図示省略)が結合されるクランクピン(図示省略)の数と同数とされる。
この各クランク室11〜14は、シリンダブロック5の各シリンダ(符号省略)と連通しているので、ピストン2の上下運動に伴い、個別に区画されたクランク室11〜14毎に圧力変動が発生するものの、クランク室11〜14相互で干渉することはない。
このように、四つに区画されたクランク室11〜14内に集まってくるオイルやブローバイガスは、例えば二つのスカベンジポンプ22,23により取り出されてオイルタンク21に送られるようになっている。
第1のスカベンジポンプ22は、1番シリンダに対応するクランク室11および4番シリンダに対応するクランク室14内のオイルを取り出すものとされ、また、第2のスカベンジポンプ23は、2番シリンダに対応するクランク室12および3番シリンダに対応するクランク室13内のオイルを取り出すものとされている。
このように、二つのスカベンジポンプ22,23を用いるようにしているので、二つのスカベンジポンプ22,23と四つのクランク室11〜14とを、下記するような二つのオイル回収通路25,26で接続するようにしている。
これら二つのオイル回収通路25,26は、その一端側(上流側)が二股に分岐されていて、他端側(下流側)が一つに集合された、いわゆる2in1構造になっている。
まず、第1のオイル回収通路25において、二股の上流枝部25a,25bは、例えば1番クランク室11と4番クランク室14とに個別に接続されており、また、下流集合部25cは、第1のスカベンジポンプ22の吸入口に接続されている。
一方、第2のオイル回収通路26において、二股の上流枝部26a,26bは、例えば2番クランク室12と3番クランク室13とに個別に接続されており、また、下流集合部26cは、第2のスカベンジポンプ23の吸入口に接続されている。
ここで、二つのオイル回収通路25,26における二股の上流枝部25a,25b,26a,26bの接続対象となるクランク室11〜14の選択については、例えば直列4気筒型エンジンの場合、ピストン2の上下タイミングが同期するものどうしを組み合わせるのが好ましい。このような組み合わせであれば、組み合わせるクランク室間の圧力差が最小となる。
そもそも、直列4気筒型のエンジン1では、一般的にクランクシャフト4の回転バランスを最適とするように、1番ピストンと4番ピストンとが、また、2番ピストンと3番ピストンとが、それぞれ上下タイミングが同期するように設定される。この点を考慮し、クランク室11〜14の組み合わせが選択される。
このようにすれば、それぞれ区画されたクランク室11〜14毎に圧力変動が発生するものの、組み合わされる二つのクランク室(11,14)、(12,13)で発生する圧力変動は略同じ位相になる。
つまり、組み合わされる二つのシリンダにおいて、ピストン2が上死点から下死点に下降する過程では、それに対応する二つのクランク室(11,14)、(12,13)の圧力が共に正圧となるが、ピストン2が下死点から上死点に上昇する過程では、それに対応する二つのクランク室(11,14)、(12,13)の圧力が共に負圧となる。
そこで、スカベンジポンプ22,23の能力は、クランク室11〜14を常に負圧とするような能力で、かつ前記ピストン2の上死点に上昇することによりクランク室11〜14が最大負圧になった状態でも、クランク室11〜14からスカベンジポンプ22,23側へ取り出されるオイルが逆流しないように、前記最大負圧に打ち勝つような能力に設定するのが好ましい。
ところで、図1に示すように、上述したような二つのオイル回収通路25,26の下流端つまり下流集合部25c,26cは、オイルタンク21の上面に接続されている。このオイルタンク21の底面には、エンジン1側へオイルを導くためのオイル供給通路27が接続されている。
このオイル供給通路27の途中には、フィードポンプ24が設けられており、このフィードポンプ24によってオイルタンク21内のオイルを取り出し、エンジン1の被潤滑部位に向けて供給するようになっている。
なお、図示していないが、オイル供給通路27の下流側適宜位置には、オイルを濾過してオイル中の摩耗金属粉やスラッジ等を除去するためのオイルストレーナ等を設けてもよい。
この実施形態では、二つのスカベンジングポンプ22,23や一つのフィードポンプ24を、トロコイド式ポンプあるいはギヤ式ポンプなどの機械式オイルポンプとしている。これらのスカベンジングポンプ22,23およびフィードポンプ24は、それらの回転軸心を同軸上に配置し、エンジン1のクランクシャフト4でもって同時に駆動させるようにすることができる。
そのため、エンジン運転時には、各スカベンジポンプ22,23が自動的に同時駆動され、クランク室11〜14に集まったオイルやブローバイガスは、オイルタンク21に回収され、このオイルタンク21内のオイルが、再度、オイル供給通路27を経てエンジン1の被潤滑部へと供給されるようになっている。このようにオイルが閉ループ内で循環される。
ところで、上述したような2in1構造のオイル回収通路25,26の長さ寸法や内径寸法については、組み合わされる二つのクランク室(11,14)、(12,13)毎に発生する圧力変動に伴うオイルやブローバイガスの脈動を十分に減衰して、二つのスカベンジポンプ22,23に伝播させないようにするために必要なサイズに設定される。このサイズは、実験などによって調べて経験的に設定することができる。
但し、二つのオイル回収通路25,26における二股の上流枝部25a,25b,26a,26bの長さ、つまりその上流端から合流位置までの長さ寸法は、同じにするのが好ましいが、必ずしも同じに設定する必要はない。この場合、例えば二つのオイル回収通路25,26における二股の上流枝部25a,25b,26a,26bの長さ寸法は、組み合わされる二つのクランク室(11,14)、(12,13)毎に発生する圧力変動が同じ位相でオイル回収通路25,26の合流部に到達するように設定することが好ましい。
そして、この実施形態では、上述した二つのオイル回収通路25,26を、図2および図3に示すように、例えばパイプやホース等といった筒状部材で形成せずに、クランクケース6の下部に取り付けられるオイルパン7に一体的に設けるようにしている。この構造について、以下で詳しく説明する。
ここでのオイルパン7は、オイルを溜めるような容器形状にはなっておらず、単なる板状の部材とされている。要するに、この実施形態でのオイルパン7は、エンジン1の下部に付設されるものであってオイルを溜めるようなものでないから、単純にロアプレートと表現してもよい。
オイル回収通路25,26は、オイルパン7の内部に設けられるとともに、二股の上流枝部25a,25b,26a,26bの開口および下流集合部25c,26cの開口が、オイルパン7の上面にそれぞれ開放される中空孔とされている。
このオイルパン7に設けられる二つのオイル回収通路25,26における二股の上流枝部25a,25b,26a,26bの開口は、バッフルプレート8を介して各クランク室11〜14の底面に設けられるオイル排出口11a,12a,13a,14a(図3および図4参照)に個別に接続されるようになっている。
また、オイルパン7に設けられる二つのオイル回収通路25,26の下流集合部25c,26cの開口は、それぞれ二つのスカベンジポンプ22,23の吸入口に個別に接続されるようになっている。
このようなオイルパン7は、例えばアルミニウム合金を用いて鋳造することによって製造することが可能であり、その場合には、オイル回収通路25,26に相当する中空孔については、中子となる砂型等を用いることによって形成することができる。
前記のバッフルプレート8は、略長方形の板状部分の下面に四つの円筒部分を設けて、可及的に軽量化された形状であり、四つのオイル受け部8a〜8dと、四つの貫通孔8e〜8hとを有している。
四つのオイル受け部8a〜8dは、バッフルプレート8の板状部分の上面に長手方向一列に並んで設けられており、各クランク室11〜14のオイル排出口11a〜14aから排出されるオイルを個別に受けて集めるように形成されている。
このオイル受け部8a〜8dは、それぞれ、平面的に見てV字形の縦壁を有しており、各クランク室11〜14の底面に横向きに開口するように設けられる四つのオイル排出口11a〜14aを個別に覆い囲むように形成されている。
四つの貫通孔8e〜8hは、バッフルプレート8の板状部分から円筒部分の厚み方向つまり上下方向に沿って設けられている。この四つの貫通孔8e〜8hにおいて、各上側開口は、V字形のオイル受け部8a〜8dの幅狭部分で開放されており、また、各下側開口は、バッフルプレート8の円筒部分の下端で開放されている。
この貫通孔8e〜8hの下側開口は、オイルパン7に設けられる二つのオイル回収通路25,26における二股の上流枝部25a,25b,26a,26bに連通連結される。
このように、オイル受け部8a〜8dの形をV字形形状としたうえで、その内隅部分に貫通孔8e〜8hの上側開口を配置させていれば、クランク室11〜14から排出されるオイルやブローバイガスを集めて貫通孔8e〜8hに導くことが可能になる。
上述した実施形態1では、エンジン1の運転時に、クランクシャフト4の回転に伴い二つのスカベンジポンプ22,23およびフィードポンプ24が同時に駆動されて、上述したようなオイル循環が行われることにより、エンジン1の被潤滑部位の潤滑、冷却等が行われる。
このとき、第1のスカベンジポンプ22は、1番クランク室11および4番クランク室14内のオイルやブローバイガスを回収し、また、第2のスカベンジポンプ23は、2番クランク室12および3番クランク室13内のオイルやブローバイガスを回収するのであるが、このオイルやブローバイガスが流通する二つの2in1構造のオイル回収通路25,26が、前記各組における各二つのクランク室(11,14)、(12,13)で発生する圧力変動に伴うオイルやブローバイガスの脈動を、効果的に減衰するようになっている。
以上説明したように、本発明の特徴構成を適用した実施形態1では、例えば多数のクランク室毎にスカベンジポンプを結合するような従来例に比べて、スカベンジポンプの使用数を少なくすることができるから、フリクション、コスト、重量ならびに設置スペースを低減することが可能になる。
しかも、四つのクランク室11〜14個々を区画していたうえで、この四つのクランク室11〜14のうち、圧力変動が同期する二つのクランク室(11,14)、(12,13)から二つのスカベンジポンプ22,23でオイル回収を行わせるようにしているから、クランク室11〜14の数よりも少ないスカベンジポンプ22,23を用いる場合に懸念される不具合、つまり各二つのクランク室(11,14)、(12,13)の圧力差でオイル回収通路25,26内のオイルが圧力小(負圧)となる側のクランク室へ逆流するという不具合の発生を防止することが可能になる。
また、圧力変動抑制手段としての二つのオイル回収通路25,26で、合流対象となるクランク室(11,14)、(12,13)で発生する圧力変動に伴いクランク室11〜14から取り出されるオイルやブローバイガスの脈動を効果的に減衰することが可能になる。
これらの相乗作用により、スカベンジポンプ22,23によるオイル回収が円滑に行われるので、クランク室11〜14にオイルを滞留させることなく、オイルをオイルタンク21にスムースに回収することが可能になり、ひいては、エンジン1の被潤滑部位にオイルを安定的に供給させることが可能になる。
したがって、クランク室11〜14内のフリクション軽減、ならびにエンジン1の潤滑、温調性能の向上を図ることが可能になる等、比較的安価で高性能かつ信頼性の高いエンジン1を構築することが可能になる
(実施形態2)
図5から図7に、本発明の実施形態2を示している。この実施形態2では、要するに、単一のスカベンジポンプ22を用いるようにしている点が、上記実施形態1と相違しており、その他の構成および動作は上述した各実施形態と基本的に同じにしている。したがって、ここでは上記実施形態1と相違する点についてのみ詳細に説明する。
具体的に、四つに区画されたクランク室11〜14内のオイルを、単一のスカベンジポンプ22で回収するために、4in2in1構造としたオイル回収通路28を用いるようにしている。
ここでのオイル回収通路28は、要するに、上記実施形態1で示した二つのオイル回収通路25,26の各下流集合部25c,26cをさらに合流させるようにした構造になっている。
つまり、このオイル回収通路28は、四つの上流枝部28a〜28dと、二つの中間集合部28e,28fと、一つの下流集合部28gとを有している。
このオイル回収通路28において、その四つの上流枝部28a〜28dがバッフルプレート8の四つの貫通孔8e〜8hの下側開口に個別に接続され、一つの下流集合部28gがスカベンジポンプ22の吸入口に接続されるようになっている。
この実施形態2の場合、四つの上流枝部28a〜28dの長さ寸法や内径寸法および中間集合部28e,28fの長さ寸法や内径寸法について、各クランク室11〜14毎に発生する圧力変動に伴うオイルやブローバイガスの脈動を十分に減衰して、スカベンジポンプ22に伝播させないようにするために必要なサイズに設定される。このサイズは、実験などによって調べて経験的に設定することができる。
このような実施形態2では、上記実施形態1と基本的に同じ作用、効果が得られることに加えて、スカベンジポンプ22の使用数を一つにしているので、コスト、重量ならびに設置スペースのさらなる低減が可能になる。しかも、スカベンジポンプ22の使用数を少なくできることによって、それを駆動するエンジン1の負担を軽減することができる。
(実施形態3)
図8および図9に、本発明の実施形態3を示している。この実施形態3では、要するに、圧力変動抑制手段の具体構成が上記実施形態1,2と相違しており、その他の構成および動作は上記実施形態1,2と基本的に同じにしている。したがって、ここでは上記実施形態1,2と相違する点についてのみ詳細に説明する。
具体的に、まず、図8および図9に示すように、ピストンの上下タイミングが同期する1番クランク室11と4番クランク室14とに個別にオイル回収通路31,34を接続し、これら二つのオイル回収通路31,34を第1のチャンバ35に接続するようにし、この第1のチャンバ35と第1のスカベンジポンプ22とを第1のチャンバ35の共通通路35aで接続するようにしている。
さらに、図8および図9に示すように、ピストンの上下タイミングが同期する2番クランク室12と3番クランク室13とに個別にオイル回収通路32,33を接続し、これら二つのオイル回収通路32,33を第2のチャンバ36に接続するようにし、この第2のチャンバ36と第2のスカベンジポンプ23とを第2のチャンバ36の共通通路36aで接続するようにしている。
この場合、各組における二つのクランク室(11,14)、(12,13)の圧力差が最小となり、しかも、各組における二つのクランク室(11,14)、(12,13)で発生する圧力変動が相互に干渉することを防止しながら、各組における二つのクランク室(11,14)、(12,13)で発生する圧力変動に伴うオイルやブローバイガスの脈動が、それぞれ二つのチャンバ35,36によって減衰されることになる。
これにより、一方組のクランク室11,14や他方組のクランク室12,13において、各組の二つのクランク室(11,14)、(12,13)間でオイルが逆流する現象を抑制または防止することが可能になる。
しかも、二つのスカベンジポンプ22,23でもって各クランク室11〜14内のオイルやブローバイガスを二つのチャンバ35,36にそれぞれ取り出してからオイルタンク21にスムースに回収することができる。
ここで、前記のチャンバ35の容積は、前記圧力変動に伴う脈動を減衰するのに必要な所定容積に設定される。この容積は、実験などによって調べて経験的に設定することができる。
このような実施形態3によれば、上記実施形態1と基本的に同様の作用、効果が得られる。
(実施形態4)
図10および図11に、本発明の実施形態4を示している。この実施形態4において上記実施形態3と相違する構成は、要するに、チャンバ35の数であり、その他の構成および動作は上記実施形態3と基本的に同じにしている。したがって、ここでは上記実施形態3と相違する点についてのみ詳細に説明する。
具体的に、図10および図11に示すように、各クランク室11〜14に個別にオイル回収通路31〜34を接続し、これらすべてのオイル回収通路31〜34を単一のチャンバ35に接続するようにし、この単一のチャンバ35と単一のスカベンジポンプ22とを単一の共通通路37で接続するようにしている。
この場合、クランク室11〜14それぞれで発生する圧力変動が相互に干渉することなく、各クランク室11〜14で発生する圧力変動に伴うオイルやブローバイガスの脈動が単一のチャンバ35によって減衰されることになる。
これにより、単一のスカベンジポンプ22でもって各クランク室11〜14内のオイルやブローバイガスをチャンバ35に取り出してからオイルタンク21にスムースに回収することができる。
ここで、前記のチャンバ35の容積は、前記圧力変動に伴う脈動を減衰するのに必要な所定容積に設定される。この容積は、実験などによって調べて経験的に設定することができる。
このような実施形態4によれば、上記実施形態3と基本的に同じ作用、効果が得られることに加えて、チャンバ35やスカベンジポンプ22の使用数をそれぞれ一つにしているので、コスト、重量ならびに設置スペースのさらなる低減が可能になる。しかも、スカベンジポンプ22の使用数を少なくできることによって、それを駆動するエンジン1の負担を軽減することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態1〜4のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記各実施形態では、本発明を自動車用のエンジン1に搭載される潤滑装置に適用した例を挙げているが、本発明は、自動車用に限らず、他の用途に使用されるエンジンに搭載される潤滑装置にも適用することが可能である。
(2)上記各実施形態では、直列4気筒型のエンジン1を例に挙げているが、そのシリンダ数は特に限定されないし、また、シリンダ配列形態についてもV型エンジン等、特に限定されるものでない。
特に、V型エンジンの場合だと、クランクケース6内をクランクシャフト4の軸受部で仕切ることができ、クランク室の区画数は、片側バンクのシリンダ数となる。
(3)上記各実施形態では、スカベンジングポンプ22,23やフィードポンプ24を機械式オイルポンプとした例を挙げているが、電動式オイルポンプとすることも可能である。
この電動式オイルポンプを採用した場合、エンジン1の運転とは関係なく、車両の走行状態に応じて必要な量のオイルを適切なタイミングで供給することが可能になる。
(4)上記実施形態1,3では、二つのスカベンジングポンプ22,23を用いた例を、また、上記実施形態2,4では、一つのスカベンジングポンプ22を用いた例をそれぞれ挙げているが、スカベンジングポンプの使用数は特に限定されない。このスカベンジポンプの使用数については、要するに、一つ以上、クランク室の区画数よりも少ない数とすればよく、その範囲で任意とされる。
(5)上記実施形態1では、二つの2in1構造のオイル回収通路25,26を用いた例を挙げているが、オイル回収通路の使用数については、特に限定されるものではなく、任意とされる。
ちなみに、例えばV型10気筒エンジンや、直列5気筒エンジン等のように、クランク室の区画数が、例えば五つと奇数になる場合について説明する。
そこで、図示していないが、シリンダ配列方向(軸方向)の中央に位置する一つのクランク室に一つのスカベンジポンプを接続し、圧力差が最小となる二つのクランク室を、2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのスカベンジポンプに接続し、さらに、圧力差が最小となる残り二つのクランク室を、2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのスカベンジポンプに接続するような形態とすることが考えられる。要するに、この場合は、合計三つのスカベンジポンプを用いることになる。
このようにすれば、上記実施形態1と基本的に同様の作用、効果を得ることが可能になる。さらに、このような例のエンジンに対して、上記実施形態2〜4で示した本発明の技術思想を適用することも可能である。
(6)上記各実施形態では、オイル回収通路25,26,28,31〜34をオイルパン7に一体に形成した例を挙げているが、別体に形成してもよい。
また、上記各実施形態では、オイル回収通路25,26,28,31〜34をオイルパン7の内部に中空の孔として形成しているが、例えばオイルパン7そのものを二枚合わせの構造とし、二枚の板状部材にオイル回収通路25,26,28,31〜34に対応する溝をそれぞれ形成し、両方の溝を重ねることで中空の孔とし、この孔を前述のオイル回収通路とすることも可能である。
本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態1で、概略構成を示す図である。 実施形態1の潤滑装置においてエンジンオイルの回収経路を構成する要素の分解斜視図である。 図2を平面で示す図である。 図3の(4)−(4)線断面の矢視図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態2で、エンジンオイルの回収経路を構成する要素の分解斜視図である。 図5を平面で示す図である。 図6の(7)−(7)線断面の矢視図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態3で、エンジンオイルの回収経路を構成する要素の分解斜視図である。 図8を平面で示す図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態4で、エンジンオイルの回収経路を構成する要素の分解斜視図である。 図10を平面で示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 ピストン
4 クランクシャフト
5 シリンダブロック
6 クランクケース
7 オイルパン(板状の部材)
8 バッフルプレート
8a〜8d バッフルプレートのオイル受け部
8e〜8h バッフルプレートの貫通孔
11 1番クランク室
12 2番クランク室
13 3番クランク室
14 4番クランク室
11a〜14a 各クランク室のオイル排出口
21 オイルタンク(オイル貯留部)
22,23 スカベンジポンプ
24 フィードポンプ
25,26 オイル回収通路
27 オイル供給通路

Claims (6)

  1. 多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、
    前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、
    少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、
    このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、
    前記合流対象となる所定数のクランク室は、圧力差が最小となるものが選択され、
    前記圧力変動抑制手段は、前記合流対象となるオイル回収通路毎の下流側が接続されかつ当該オイル回収通路に対応するクランク室の圧力変動を抑制するのに必要な所定容積を有するチャンバとされ、このチャンバから単一の共通通路を経て前記ポンプの吸入口に接続される、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記クランク室の総数が偶数の場合、圧力差が最小となる二つずつのクランク室どうしをそれぞれ組み合わせ、前記ポンプの使用数が前記組数と同数とされる、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記クランク室の総数が奇数の場合、シリンダ配列方向の中央に位置する一つのクランク室に一つのポンプを接続し、圧力差が最小となる二つのクランク室毎に、それぞれ2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのポンプに接続する形態とされる、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  4. 多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、
    前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、
    少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、
    このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、
    前記クランク室の総数が偶数の場合、圧力差が最小となる二つずつのクランク室どうしをそれぞれ組み合わせ、前記ポンプの使用数が前記組数と同数とされる、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  5. 多気筒型のエンジンの下部からオイルをポンプで取り出して、前記エンジンから離隔したオイル貯留部に一旦貯留し、このオイル貯留部内のオイルを前記エンジンの被潤滑部位に供給する潤滑装置であって、
    前記エンジンのクランク室がクランク軸受部で仕切られているとともに、前記ポンプの使用数が、少なくとも一つ以上、前記クランク室の数未満とされており、
    少なくとも一つのポンプの吸入口に、クランク室毎に設けられるオイル回収通路のうちの所定数が合流されて接続されており、
    このポンプの吸入口と前記合流対象となる所定数のクランク室との間に、当該各クランク室の圧力変動を抑制する圧力変動抑制手段が設けられており、
    前記クランク室の総数が奇数の場合、シリンダ配列方向の中央に位置する一つのクランク室に一つのポンプを接続し、圧力差が最小となる二つのクランク室毎に、それぞれ2in1構造のオイル回収通路を用いて一つのポンプに接続する形態とされる、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  6. 請求項1からのいずれか一つに記載のエンジンの潤滑装置において、
    前記オイル回収通路は、クランク室の下側に取り付けられる板状の部材に一体に形成される、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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