JPH09209733A - エンジンのピストン潤滑装置 - Google Patents

エンジンのピストン潤滑装置

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JPH09209733A
JPH09209733A JP3738596A JP3738596A JPH09209733A JP H09209733 A JPH09209733 A JP H09209733A JP 3738596 A JP3738596 A JP 3738596A JP 3738596 A JP3738596 A JP 3738596A JP H09209733 A JPH09209733 A JP H09209733A
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piston
oil
engine
relief
relief valve
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JP3738596A
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Inventor
Kazuhiko Onishi
一彦 大西
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、オイルによるピストンの
冷却性能を向上しつつオイル圧の低下による焼付性を改
善し得て、冷却性能の向上によりエンジンの出力向上を
果たすことにある。 【構成】 このため、この発明は、エンジンのシリンダ
ブロックのメインギャラリに連絡するピストン用オイル
通路を設け、このピストン用オイル通路にピストンにオ
イルを噴射するピストン用ジェットノズルを設けたエン
ジンのピストン潤滑装置において、ピストン用オイル通
路にピストン用オイルリリーフバルブを設け、エンジン
の状態を示す情報により設定された制御マップに基づき
ピストン用オイルリリーフバルブを作動してピストン用
ジェットノズルから噴射されるオイルの噴射量を制御す
る制御部を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンのピスト
ン潤滑装置に係り、特に、オイルによるピストンの冷却
性能を向上しつつオイル圧の低下による焼付性を改善し
得て、冷却性能の向上によりエンジンの出力向上を果た
し得るエンジンのピストン潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のエンジンにおいては、シリンダヘ
ッドの動弁機構やピストン等の各部品を潤滑・冷却する
ために、オイルを循環させている。
【0003】即ち、図20に示す如く、エンジン202
は、シリンダブロック204にシリンダヘッド206を
搭載し、オイルパン208を取付けている。シリンダブ
ロック204には、シリンダスリーブ210にピストン
212を内蔵し、ピストン212をコンロッド214に
よりクランク軸216に連絡している。クランク軸21
6は、シリンダヘッド206の動弁機構218を駆動す
る。シリンダヘッド206には、シリンダヘッドカバー
220を取付けている。
【0004】前記エンジン202は、図21に示す如
く、オイルパン208内のオイルを、オイルストレーナ
222を経てオイルポンプ224により吸引し、リリー
フバルブ226からオイルフィルタ228を経て、シリ
ンダブロック204に形成したメインギャラリ230に
圧送する。メインギャラリ230に圧送されるオイル圧
は、前記リリーフバルブ226により調整される。
【0005】メインギャラリ230のオイルは、連絡通
路232によりチェックバルブ234を経てシリンダヘ
ッド204のシリンダヘッドオイル通路236に供給さ
れ、動弁機構218を構成するカム軸238のカムジャ
ーナル部240や油圧ラッシュアジャスタ242あるい
はロッカアーム(図示せず)に供給され、潤滑・冷却を
果す。潤滑後のオイルは、ヘッドオイル戻し穴244に
よりオイルパン208に戻される。
【0006】また、メインギャラリ230のオイルは、
クランク用オイル通路246によりクランク軸216の
クランクジャーナル部248やクランクピン250に供
給され、霧化状態となってコンロッド214の大端部2
52やピストン212・ピストンピン254に供給さ
れ、潤滑・冷却を果たす。
【0007】また、前記エンジン202には、冷機時の
ピストン212及びシリンダスリーブ210のシリンダ
スリーブ内面256のスカッフィングを防止するため
に、図22・図23に示す如く、コンロッド214の大
端部252に切欠部258を設け、この切欠部258に
よりクランク軸216のクランク軸ウェブ260との隙
間から噴出するオイルをシリンダスリーブ内面256に
直接当て、ピストン212の潤滑性を向上させたものが
ある。
【0008】さらに、エンジン202には、高出力、高
回転化の対応策として、図24・図25に示す如く、メ
インギャラリ230に連絡するピストン用オイル通路2
62を設け、このピストン用オイル通路262に設けた
ピストン用ジェットノズル264によりピストン212
の裏側且つ排気弁側の部位に直接的にオイルを噴射する
とともにシリンダスリーブ内面256にもオイルを噴射
し、ピストン壁温の低下により出力の向上を図ったもの
がある。
【0009】なお、ピストン用オイル通路262に設け
たピストン用リリーフバルブ266は、リリーフ穴26
8を開閉するバルブ体270とこのバルブ体270を閉
鎖方向に弾性付勢するスプリング272とを有し、オイ
ルが低温で高圧時におけるオイル供給量を概略調整する
ことにより、メカニカルロス(機械的損失)の増加を防
止して始動性の向上を図るためのものである。但し、こ
のピストン用リリーフバルブ266は、オイルが高温時
の圧力の低下によって、特にクランクジャーナル部24
8やクランクピン250へのオイルの供給にとって不利
となり、メタル等の当りを悪くする不都合がある。
【0010】このようなエンジンのピストン潤滑装置と
しては、実開昭60−128932号公報、実開平2−
149804号公報、実開平3−41108号公報に開
示されるものがある。
【0011】実開昭60−128932号公報に開示さ
れるものは、メインギャラリからクランクシャフトを経
てコンロッドにオイルを供給し、このコンロッドの小端
部からピストン内面に冷却用オイルを噴射するものにお
いて、メインギャラリとクランクシャフトとの間の油路
を複数の通路に分割し、この分割通路の少なくとも一個
にメインギャラリ内の油圧力が設定圧力を越えたときに
開く弁装置を設けたものである。
【0012】実開平2−149804号公報に開示され
るものは、エンジンのピストン及びシリンダ内壁面に向
けて潤滑用オイルを噴射する構造の潤滑装置において、
前記オイルの噴射部に至るオイルポンプからの管路に開
閉弁を配置し、エンジンの燃焼室内の温度が低下する回
転数及び負荷状態の情報信号が入力された時点に、前記
開閉弁を閉じる設定信号を出力する制御部を設けたもの
である。
【0013】実開平3−41108号公報に開示される
ものは、エンジンのピストンとシリンダライナとの間の
潤滑を行うクーリングジェットへオイルを供給するサブ
ホールとメインホールとの間にオイルコントロールバル
ブを配設し、このオイルコントロールバルブはメインホ
ールからサブホールへのオイルの通路を開閉すべくチェ
ックバルブ用スプリングの作用を受けるチェックバルブ
を設け、このチェックバルブに低温時に伸長し高温にな
ると収縮する性質を有する形状記憶合金製のスプリング
を前記チェックバルブ用スプリングに対抗配置し、エン
ジン冷態時の起動に際しては前記形状記憶合金製のスプ
リングにより前記通路を開放させ、オイルが暖まるにつ
れて前記チェックバルブが前記通路を閉鎖するようにし
たものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オイルは、
温度の高低に関連して、図26に示す如き性状を有して
いる。エンジンは、オイル温度について図26に示す如
き相反する条件下において運転される場合が多々あるた
め、以下のような問題を発生する。
【0015】エンジンは、高回転・高負荷運転時に、燃
焼温度に伴ってピストンの表面温度が非常に高くなるの
で、圧縮比の低下や点火時期の遅角化等によって対処す
る必要があり、高出力化に不利となっている。
【0016】このような問題の対応策としては、ピスト
ンに直接オイルを吹きかけることによりピストン温度を
低下させる技術がある。しかし、特に、低回転の高負荷
・高温時には、オイル圧の低下を招くので、エンジンの
焼付性に対して不利となる不都合がある。
【0017】逆に、オイル温度の低温時(特に、エンジ
ンの冷機時)には、オイルの粘性が高いため、メカニカ
ルロスの増大により始動性が悪化する不都合がある。
【0018】また、ピストン用オイル通路に設けたピス
トン用リリーフバルブには、前記のようにスプリングを
利用した機械式のものが多く、オイル圧により作動する
ものであるため、細かい制御が困難な問題があり、ピス
トン用ジェットノズルから噴射されるオイル量がばらつ
きやすい不都合がある。
【0019】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、エンジンのシリンダブロ
ックにオイルの流通するメインギャラリを設け、前記シ
リンダブロックに前記メインギャラリに連絡するピスト
ン用オイル通路を設け、このピストン用オイル通路に前
記エンジンのピストンにオイルを噴射するピストン用ジ
ェットノズルを設けたエンジンのピストン潤滑装置にお
いて、前記ピストン用オイル通路にピストン用オイルリ
リーフバルブを設け、前記エンジンの状態を示す情報に
より設定された制御マップに基づき前記ピストン用オイ
ルリリーフバルブを作動して前記ピストン用ジェットノ
ズルから噴射されるオイルの噴射量を制御する制御部を
設けたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明のエンジンのピストン潤
滑装置は、エンジンのピストンにオイルを噴射するピス
トン用ジェットノズルを設けたピストン用オイル通路に
ピストン用オイルリリーフバルブを設け、エンジンの状
態を示す情報により設定された制御マップに基づきピス
トン用オイルリリーフバルブを作動してピストン用ジェ
ットノズルから噴射されるオイルの噴射量を制御する制
御部を設けていることにより、エンジンの状態に応じて
ピストンに噴射されるオイルの噴射量を制御することが
できる。
【0021】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図1〜図6は、この発明のピストン潤滑装置の第
1実施例を示すものである。図1において、2は車両
(図示せず)に搭載されるエンジン、4はシリンダブロ
ック、6はオイルパン、8はシリンダスリーブ、10は
ピストン、12はコンロッドである。エンジン2のオイ
ルパン6内のオイルは、オイルストレーナ14を経てオ
イルポンプ16により吸引され、リリーフバルブ18に
よりオイル圧を調整され、オイルフィルタ20を経てシ
リンダブロック4に形成したメインギャラリ22に圧送
される。
【0022】メインギャラリ22のオイルは、図示しな
い連絡通路及びチェック弁を経てシリンダヘッドのシリ
ンダヘッドオイル通路に供給され、動弁機構を構成する
カム軸のカムジャーナル部等の各部品に供給されて潤滑
・冷却を果すとともに、図示しないクランク軸のクラン
クジャーナル部やコンロッド12の大端部、ピストン1
0に供給されて潤滑・冷却を果たす。
【0023】前記エンジン2は、ピストン潤滑装置24
を設けている。ピストン潤滑装置24は、シリンダブロ
ック4に設けたメインギャラリ22に連絡するピストン
用オイル通路26を設けている。ピストン用オイル通路
26は、一端側をメインギャラリ16に連通し、他端側
にピストン12の裏側部28に指向させたピストン用ジ
ェットノズル30を設けている。
【0024】メインギャラリ22からピストン用オイル
通路26に至ったオイルは、ピストン用ジェットノズル
30から噴射され、ピストン12の裏側部28に供給さ
れ、ピストンピン32やシリンダスリーブ8のシリンダ
スリーブ内壁34に供給され、潤滑・冷却を果す。
【0025】前記メインギャラリ22に連絡するピスト
ン用オイル通路26の途中には、電気的に動作を制御さ
れるピストン用オイルリリーフバルブ36を設けてい
る。ピストン用オイルリリーフバルブ36は、図2〜図
4に示す如く、ピストン用オイル通路26のオイルをオ
イルパン6側に戻す断面円形状のリリーフ穴38を設
け、このリリーフ穴38を開閉するバルブ体40を設
け、このバルブ体40を前記リリーフ穴38が閉鎖され
る方向に押進付勢するスプリング42を設け、前記バル
ブ体40を前記リリーフ穴38が開放される方向に吸引
付勢するソレノイド(電磁石)44を設けている。
【0026】ピストン用オイルリリーフバルブ36のソ
レノイド44は、リリーフバルブ用スイッチ46を介し
て制御部(ECM)48に接続している。制御部48に
は、エンジン2の状態を示す情報を電気的に検出するセ
ンサとして、オイルパン6に設けたオイル温度Tを検出
する温度センサ50と、メインギャラリ22に設けたオ
イル圧Pを検出する圧力センサ52と、を接続してい
る。また、制御部48には、エンジン2のイグニション
スイッチ54を介してバッテリ56が接続されている。
【0027】この制御部48には、エンジン2の状態を
示す情報であるオイル温度Tとオイル圧Pとにより設定
された制御マップ(図6参照)を記憶している。制御部
48は、温度センサ50と圧力センサ52とから入力す
るエンジン2の状態を示す情報であるオイル温度Tとオ
イル圧Pとにより、予め設定された前記制御マップに基
づきリリーフバルブ用スイッチ46をON・OFFし、
ピストン用オイルリリーフバルブ36のソレノイド44
にバッテリ56の電源を供給・遮断し、これにより、ソ
レノイド44を励磁・非励磁してバルブ体40を作動
し、リリーフ穴38を開閉することにより、ピストン用
ジェットノズル30から噴射されるオイルの噴射量を制
御する。
【0028】次に作用を説明する。
【0029】ピストン潤滑装置24は、図5に示す如
く、エンジン2を始動すべくイグニションスイッチ54
をONにすると(S1)、バッテリ56から電源が供給
されて制御部48の電源がONする(S2)。
【0030】制御部48は、温度センサ50と圧力セン
サ52とから入力するエンジン2の状態を示す情報であ
るオイル温度Tとオイル圧Pとより制御マップ(図6参
照)の領域の判定を実施し(S3)、オイル温度Tとオ
イル圧Pとが制御マップに設定された正常な領域に存す
るか否かを判断する(ステップS4)。
【0031】この判断(S4)において、オイル温度T
とオイル圧Pとが制御マップに設定された正常な領域に
存しない場合(S4:NO)は、イグニションスイッチ
54のONに(S1)にリターンする。即ち、オイル温
度Tが低温でオイル圧Pが異常に低圧であり、エンジン
2の燃料カット領域Sに存する場合は燃料カット状態と
なり、エンジン2は始動されない。再度の判断(S4)
により、イグニションスイッチ54のON後に正常な領
域に存する場合は、通常の運転となる。
【0032】前記判断(S4)において、オイル温度T
とオイル圧Pとが制御マップに設定された正常な領域に
存する場合(S4:YES)は、制御マップのピストン
用リリーフバルブ36のリリーフ穴38を開放する領域
Oであるか、制御マップのピストン用リリーフバルブ3
6のリリーフ穴38を閉鎖する領域Cであるか、によ
り、リリーフバルブ用スイッチ46をONとするかOF
Fとするかを判断する(S5)。
【0033】このリリーフバルブ用スイッチ46のON
・OFFの判断(S5)において、オイル温度Tが低温
でオイル圧Pが高圧であり、制御マップのピストン用リ
リーフバルブ36のリリーフ穴38を開放する領域Oに
ある場合は、リリーフバルブ用スイッチ46をONと判
断する。
【0034】リリーフバルブ用スイッチ46がONの場
合は、図2に示す如く、電源が供給されてソレノイド4
4が励磁される(S6)ことにより、ピストン用リリー
フバルブ36のバルブ体40がスプリング42の押進力
に抗してソレノイド44側に吸引され、リリーフ穴38
を開放して(S7)、ピストン用ジェットノズル30か
らのオイルの噴射量を減少させる。
【0035】また、前記リリーフバルブ用スイッチ46
のON・OFFの判断(S5)において、オイル温度T
が高温でオイル圧Pが低圧であり、制御マップのピスト
ン用リリーフバルブ36のリリーフ穴38を閉鎖する領
域Cにある場合は、リリーフバルブ用スイッチ46をO
FFと判断する。
【0036】リリーフバルブ用スイッチ44がOFFの
場合は、図3に示す如く、電源が遮断されてソレノイド
42が非励磁となる(S8)ことにより、ピストン用リ
リーフバルブ36のバルブ体40がスプリング42の押
進力によってソレノイド44から離間する側に押進さ
れ、リリーフ穴38を閉鎖して(S9)、ピストン用ジ
ェットノズル30からのオイルの噴射量を増加させる。
なお、スプリング42の押進力は、メインギャラリ22
のオイル圧Pの最大値よりも大きい荷重に設定する。
【0037】これにより、ピストン用ジェットノズル3
0からは、エンジン2の状態に応じてオイルが噴射され
る(S10)。噴射されたオイルは、ピストン12の裏
側部28に供給され、ピストンピン32及びシリンダス
リーブ内壁34に供給され、潤滑・冷却を果たす。
【0038】即ち、ピストン冷却装置24は、図6のオ
イル温度が低温でオイル圧が極端に低圧の領域Sにおい
ては、メカニカルロスの増加によりエンジン2の始動性
が悪化するので、始動を禁止する。
【0039】また、ピストン冷却装置24は、図6のオ
イル温度が低温でオイル圧が高圧の領域Oにおいては、
リリーフ穴38を開放することにより、ピストン12に
吹きかけられるオイルの噴射量を減少し、メカニカルロ
スを低減して始動性を向上させる。
【0040】さらに、ピストン冷却装置24は、図6の
オイル温度が高温でオイル圧が低圧の領域Cにおいて
は、リリーフ穴38を閉鎖することにより、ピストン1
2に吹きかけられるオイルの噴射量を増加させ、油圧の
低下による焼付きの発生を回避させる。
【0041】このように、ピストン潤滑装置24は、エ
ンジン2の状態を示す情報であるオイル温度Tとオイル
圧Pとにより設定された制御マップに基づき、ピストン
用オイルリリーフバルブ36を作動して、ピストン用ジ
ェットノズル30から噴射されるオイルの噴射量を制御
することにより、エンジン2の状態に応じてピストン1
2に噴射されるオイルの噴射量を適正に制御することが
できる。
【0042】このため、このエンジン2のピストン潤滑
装置24は、エンジン2の高回転・高出力化を図る手段
としてのピストン用オイルジェット30によるピストン
12の冷却を向上させるとともに、欠点とされているオ
イルの高温・低圧条件下における潤滑性を向上させて焼
付きに対して有利とし得て、この結果、低負荷から高負
荷まで潤滑性能・冷却性能を向上でき、しかも、オイル
によるピストン12の冷却性能を向上しつつオイル圧P
の低下による焼付性を改善することができ、冷却性能を
向上し得ることによりエンジン2の出力向上を果たすこ
とができる。
【0043】図7・図8は、この発明の第2実施例を示
すものである。第2実施例のピストン潤滑装置58は、
図1に示すエンジン2に設けられている。第2実施例の
ピストン潤滑装置58は、ピストン用オイルリリーフバ
ルブ60を設けている。
【0044】第2実施例のピストン用オイルリリーフバ
ルブ60は、ピストン用オイル通路26のオイルをオイ
ルパン6側に戻すリリーフ穴62を長径Lを有する断面
長円形状または断面楕円形状に形成して設け、このリリ
ーフ穴62を開閉するバルブ体64を設け、このバルブ
体64を前記リリーフ穴62が閉鎖される方向に押進付
勢する第1・第2スプリング66・68を設け、前記バ
ルブ体64を前記リリーフ穴62が開放される方向に吸
引付勢するソレノイド70を設けている。
【0045】この第2実施例のピストン用オイルリリー
フバルブ60は、ピストン用オイル通路26のオイルを
オイルパン6側に戻すリリーフ穴62を断面長円形状ま
たは断面楕円形状に形成して設けたことにより、オイル
圧Pを幅広く調整させることができ、ピストン用ジェッ
トノズル30からのオイルの噴射量をより適正化するこ
とができる。
【0046】また、2つの第1・第2スプリング66・
68を同心上に配設していることにより、オイルの脈動
によるバルブ体64の遊動を防止することができ、バル
ブ体64の動作を安定させることでき、オイルの噴射量
をより適正化することができる。
【0047】図9〜図11は、この発明の第3実施例を
示すものである。第3実施例のピストン潤滑装置72
は、図1に示すエンジン2に設けられている。ピストン
潤滑装置72は、3つの第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ74〜78を設けている。
【0048】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ74〜78は、ピストン用オイル通路26に並列に接
続され、ピストン用オイル通路26のオイルをオイルパ
ン6側に戻す第1〜第3リリーフ穴80〜84を夫々設
けている。これら第1〜第3リリーフ穴80〜84の各
第1〜第3穴径D1〜D3は、D1=D2=D3の同一
径に形成される。
【0049】なお、第1〜第3ピストン用オイルリリー
フバルブ74〜78は、第1実施例のピストン用オイル
リリーフバルブ36と同様に、第1〜第3リリーフ穴8
0〜84を開閉する第1〜第3バルブ体(図示せず)を
夫々設け、これら第1〜第3バルブ体を前記第1〜第3
リリーフ穴80〜84が閉鎖される方向に押進付勢する
第1〜第3スプリング(図示せず)を夫々設け、前記第
1〜第3バルブ体を前記第1〜第3リリーフ穴80〜8
4が開放される方向に吸引付勢する第1〜第3ソレノイ
ド(図示せず)を夫々設けている。
【0050】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ74〜78の図示しない第1〜第3ソレノイドは、夫
々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ86〜90を介
して制御部92に接続している。制御部92には、エン
ジン2の状態を示す情報を電気的に検出するセンサとし
て、オイルパン6のオイル温度Tを検出する温度センサ
94と、メインギャラリ22のオイル圧Pを検出する圧
力センサ96と、を接続している。また、制御部92に
は、エンジン2のイグニションスイッチ54を介してバ
ッテリ56が接続されている。
【0051】この制御部92には、エンジン2の状態を
示す情報であるオイル温度Tとオイル圧Pとにより設定
された制御マップ(図11参照)を記憶している。第3
実施例の制御マップは、第1ピストン用リリーフバルブ
74の第1リリーフ穴80のみを開放する領域O−1
と、第1・第2ピストン用リリーフバルブ74・76の
第1・第2リリーフ穴80・82の両者を開放する領域
O−2と、第1〜第3ピストン用リリーフバルブ74〜
78の第1〜第3リリーフ穴80〜84のすべてを開放
する領域O−3と、第1〜第3ピストン用リリーフバル
ブ74〜78の第1〜第3リリーフ穴80〜84のすべ
てを閉鎖する領域Cと、から構成される。
【0052】制御部92は、温度センサ94と圧力セン
サ96とから入力するエンジン2の状態を示すオイル温
度Tとオイル圧Pとにより、予め設定された前記制御マ
ップに基づき夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ
86〜90をON・OFFし、第1〜第3ピストン用オ
イルリリーフバルブ74〜78の図示しない第1〜第3
ソレノイドを励磁・非励磁して第1〜第3バルブ体を作
動し、第1〜第3リリーフ穴80〜84を開閉すること
により、ピストン用ジェットノズル30から噴射される
オイルの噴射量を制御する。
【0053】この第3実施例のピストン潤滑装置72
は、図11に示す如く、領域O−1と領域O−2と領域
O−3とにおいて、夫々第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ74〜78の第1〜第3リリーフ穴80〜
84を追加的に開放することにより、ピストン用ジェッ
トノズル30から噴射されるオイルの噴射量をエンジン
2の状態に応じてより細かく制御することができ、特
に、オイル温Tの低温時にオイルの噴射量をより細かく
制御することができる。
【0054】このため、第3実施例のピストン潤滑装置
72は、第1・第2実施例よりもさらにオイルによるピ
ストン12の冷却性能を向上しつつオイル圧Pの低下に
よる焼付性を改善することができ、冷却性能を向上し得
ることによりさらにエンジン2の出力向上を果たすこと
ができる。
【0055】図12〜図13は、この発明の第4実施例
を示すものである。第4実施例のピストン潤滑装置98
は、図1に示すエンジン2に設けられている。ピストン
潤滑装置98は、3つの第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ100〜104を設けている。
【0056】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ100〜104は、ピストン用オイル通路26に並列
に接続され、ピストン用オイル通路26のオイルをオイ
ルパン6側に戻す第1〜第3リリーフ穴106〜110
を夫々設けている。これら第1〜第3リリーフ穴106
〜110の各第1〜第3穴径D1〜D3は、D1>D2
>D3の異径に形成される。
【0057】なお、第1〜第3ピストン用オイルリリー
フバルブ100〜104は、第1実施例のピストン用オ
イルリリーフバルブ36と同様に、第1〜第3リリーフ
穴106〜110を開閉する第1〜第3バルブ体(図示
せず)を夫々設け、これら第1〜第3バルブ体を前記第
1〜第3リリーフ穴106〜110が閉鎖される方向に
押進付勢する第1〜第3スプリング(図示せず)を夫々
設け、前記第1〜第3バルブ体を前記第1〜第3リリー
フ穴106〜110が開放される方向に吸引付勢する第
1〜第3ソレノイド(図示せず)を夫々設けている。
【0058】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ100〜104の図示しない第1〜第3ソレノイド
は、夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ112〜
116を介して制御部118に接続している。制御部1
18には、エンジン2の状態を示す情報を電気的に検出
するセンサとして、オイルパン6のオイル温度Tを検出
する温度センサ120と、メインギャラリ22のオイル
圧Pを検出する圧力センサ122と、を接続している。
また、制御部118には、エンジン2のイグニションス
イッチ54を介してバッテリ56が接続されている。
【0059】この制御部118には、エンジン2の状態
を示す情報であるオイル温度Tとオイル圧Pとにより設
定された制御マップ(図13参照)を記憶している。第
4実施例の制御マップは、第1ピストン用リリーフバル
ブ100の第1リリーフ穴106のみを開放する領域O
−1と、第2ピストン用リリーフバルブ102の第2リ
リーフ穴108のみを開放する領域O−2と、第3ピス
トン用リリーフバルブ104の第3リリーフ穴110の
みを開放する領域O−3と、第1〜第3ピストン用リリ
ーフバルブ100〜104の第1〜第3リリーフ穴10
6〜110のすべてを閉鎖する領域Cと、から構成され
る。
【0060】制御部118は、温度センサ120と圧力
センサ122とから入力するエンジン2の状態を示すオ
イル温度Tとオイル圧Pとにより、予め設定された前記
制御マップに基づき夫々第1〜第3リリーフバルブ用ス
イッチ112〜116をON・OFFし、第1〜第3ピ
ストン用オイルリリーフバルブ100〜104の図示し
ない第1〜第3ソレノイドを励磁・非励磁して第1〜第
3バルブ体を作動し、第1〜第3リリーフ穴106〜1
10を開閉することにより、ピストン用ジェットノズル
30から噴射されるオイルの噴射量を制御する。
【0061】この第4実施例のピストン潤滑装置98
は、図13に示す如く、領域O−1と領域O−2と領域
O−3とにおいて、夫々第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ100〜104の異径(D1>D2>D
3)の第1〜第3リリーフ穴106〜110を独立的に
開放することにより、ピストン用ジェットノズル30か
ら噴射されるオイルの噴射量をエンジン2の状態に応じ
てより細かく制御することができる。
【0062】また、第4実施例のピストン潤滑装置98
は、夫々第1〜第3ピストン用オイルリリーフバルブ1
00〜104を独立的に開放するよう動作することによ
り、第3実施例よりも消費電圧を低下させることができ
る。
【0063】このため、第4実施例のピストン潤滑装置
98は、オイルによるピストン12の冷却性能をさらに
向上しつつオイル圧Pの低下による焼付性をさらに改善
することができ、冷却性能を向上し得ることによりさら
にエンジン2の出力向上を果たすことができ、また、バ
ッテリ56の負担を軽減することができる。
【0064】図14〜図15は、この発明の第5実施例
を示すものである。第5実施例のピストン潤滑装置12
4は、図1に示すエンジン2に設けられている。ピスト
ン潤滑装置124は、3つの第1〜第3ピストン用オイ
ルリリーフバルブ126〜130を設けている。
【0065】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ126〜130は、ピストン用オイル通路26に並列
に接続され、ピストン用オイル通路26のオイルをオイ
ルパン6側に戻す第1〜第3リリーフ穴132〜136
を夫々設けている。これら第1〜第3リリーフ穴132
〜136の各第1〜第3穴径D1〜D3は、D1>D2
>D3の異径に形成される。
【0066】なお、第1〜第3ピストン用オイルリリー
フバルブ126〜130は、第1実施例のピストン用オ
イルリリーフバルブ36と同様に、第1〜第3リリーフ
穴132〜136を開閉する第1〜第3バルブ体(図示
せず)を夫々設け、これら第1〜第3バルブ体を前記第
1〜第3リリーフ穴132〜136が閉鎖される方向に
押進付勢する第1〜第3スプリング(図示せず)を夫々
設け、前記第1〜第3バルブ体を前記第1〜第3リリー
フ穴132〜136が開放される方向に吸引付勢する第
1〜第3ソレノイド(図示せず)を夫々設けている。
【0067】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ126〜130の図示しない第1〜第3ソレノイド
は、夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ138〜
142を介して制御部144に接続している。制御部1
44には、エンジン2の状態を示す情報を電気的に検出
するセンサとして、エンジン2のスロットルバルブ(図
示せず)のスロットル開度THを検出するスロットル開
度センサ146と、エンジン2のエンジン回転数Nを検
出する回転数センサ148と、を接続している。また、
制御部144には、エンジン2のイグニションスイッチ
54を介してバッテリ56が接続されている。
【0068】この制御部144には、エンジン2の状態
を示す情報であるスロットル開度THとエンジン回転数
Nとにより設定された制御マップ(図15参照)を記憶
している。第5実施例の制御マップは、第1ピストン用
リリーフバルブ126の第1リリーフ穴132のみを開
放する領域O−1と、第2ピストン用リリーフバルブ1
28の第2リリーフ穴134のみを開放する領域O−2
と、第3ピストン用リリーフバルブ130の第3リリー
フ穴136のみを開放する領域O−3と、第1〜第3ピ
ストン用リリーフバルブ126〜130の第1〜第3リ
リーフ穴132〜136のすべてを閉鎖する領域Cと、
から構成される。
【0069】制御部144は、スロットル開度センサ1
46とエンジン回転数センサ148とから入力するエン
ジン2の状態を示すスロットル開度THとエンジン回転
数Nとにより、予め設定された前記制御マップに基づき
夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ138〜14
2をON・OFFし、第1〜第3ピストン用オイルリリ
ーフバルブ126〜130の図示しない第1〜第3ソレ
ノイドを励磁・非励磁して第1〜第3バルブ体を作動
し、第1〜第3リリーフ穴132〜136を開閉するこ
とにより、ピストン用ジェットノズル30から噴射され
るオイルの噴射量を制御する。
【0070】この第5実施例のピストン潤滑装置124
は、図15に示す如く、領域O−1と領域O−2と領域
O−3とにおいて、夫々第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ126〜130の異径(D1>D2>D
3)の第1〜第3リリーフ穴132〜136を独立的に
開放することにより、ピストン用ジェットノズル30か
ら噴射されるオイルの噴射量をエンジン2の状態に応じ
てより細かく制御することができる。
【0071】また、第5実施例のピストン潤滑装置12
4は、エンジン2の運転状態の変化の影響を受けやすい
オイル温度Tとオイル圧Pとを使用せずに、エンジン2
の状態を確実に示す情報であるスロットル開度THとエ
ンジン回転数Nとにより制御マップを設定し、第1〜第
3ピストン用オイルリリーフバルブ126〜130を動
作している。
【0072】このため、第5実施例のピストン潤滑装置
124は、第4実施例よりもさらにオイルによるピスト
ン12の冷却性能を向上しつつオイル圧Pの低下による
焼付性を改善することができ、冷却性能を向上し得るこ
とによりさらにエンジン2の出力向上を果たすことがで
き、また、スロットル開度THとエンジン回転数Nとに
より制御マップを設定していることにより、第4実施例
よりも制御ロジックを簡素化することができ、制御部1
44の負担を軽減することができる。
【0073】図16〜図17は、この発明の第6実施例
を示すものである。第6実施例のピストン潤滑装置15
0は、図1に示すエンジン2に設けられている。ピスト
ン潤滑装置150は、第1〜第3ピストン用オイルリリ
ーフバルブ152〜156を設けている。
【0074】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ152〜156は、ピストン用オイル通路26に並列
に接続され、ピストン用オイル通路26のオイルをオイ
ルパン6側に戻す第1〜第3リリーフ穴158〜162
を夫々設けている。これら第1〜第3リリーフ穴158
〜162の各第1〜第3穴径D1〜D3は、D1>D2
>D3の異径に形成される。
【0075】なお、第1〜第3ピストン用オイルリリー
フバルブ152〜156は、第1実施例のピストン用オ
イルリリーフバルブ36と同様に、第1〜第3リリーフ
穴158〜162を開閉する第1〜第3バルブ体(図示
せず)を夫々設け、これら第1〜第3バルブ体を前記第
1〜第3リリーフ穴158〜162が閉鎖される方向に
押進付勢する第1〜第3スプリング(図示せず)を夫々
設け、前記第1〜第3バルブ体を前記第1〜第3リリー
フ穴158〜162が開放される方向に吸引付勢する第
1〜第3ソレノイド(図示せず)を夫々設けている。
【0076】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ152〜156の図示しない第1〜第3ソレノイド
は、夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ164〜
168を介して制御部170に接続している。制御部1
70には、エンジン2の状態を示す情報を電気的に検出
するセンサとして、エンジン2のエンジン回転数Nを検
出する回転数センサ172と、エンジン2の吸気通路
(図示せず)の吸気圧Pbを検出する吸気圧センサ17
4と、を接続している。また、制御部170には、エン
ジン2のイグニションスイッチ54を介してバッテリ5
6が接続されている。
【0077】この制御部170には、エンジン2の状態
を示す情報であるエンジン回転数Nと吸気圧Pbとによ
り設定された制御マップ(図17参照)を記憶してい
る。第6実施例の制御マップは、第1ピストン用リリー
フバルブ152の第1リリーフ穴158のみを開放する
領域O−1と、第2ピストン用リリーフバルブ154の
第2リリーフ穴160のみを開放する領域O−2と、第
3ピストン用リリーフバルブ156の第3リリーフ穴1
62のみを開放する領域O−3と、第1〜第3ピストン
用リリーフバルブ152〜156の第1〜第3リリーフ
穴158〜162のすべてを閉鎖する領域Cと、から構
成される。
【0078】制御部170は、回転数センサ172と吸
気圧センサ174とから入力するエンジン2の状態を示
すエンジン回転数Nと吸気圧Pbとにより、予め設定さ
れた前記制御マップに基づき夫々第1〜第3リリーフバ
ルブ用スイッチ164〜168をON・OFFし、第1
〜第3ピストン用オイルリリーフバルブ152〜156
の図示しない第1〜第3ソレノイドを励磁・非励磁して
第1〜第3バルブ体を作動し、第1〜第3リリーフ穴1
58〜162を開閉することにより、ピストン用ジェッ
トノズル30から噴射されるオイルの噴射量を制御す
る。
【0079】この第6実施例のピストン潤滑装置150
は、図17に示す如く、領域O−1と領域O−2と領域
O−3とにおいて、夫々第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ152〜156の異径(D1>D2>D
3)の第1〜第3リリーフ穴158〜162を独立的に
開放することにより、ピストン用ジェットノズル30か
ら噴射されるオイルの噴射量をエンジン2の状態に応じ
てより細かく制御することができる。
【0080】また、第6実施例のピストン潤滑装置15
0は、エンジン2の状態を示す情報として負荷状態を示
すエンジン回転数Nと吸気圧Pbとにより制御マップを
設定しているので、エンジン2の運転状態に適したオイ
ルの噴射量に制御することができる。
【0081】このため、第6実施例のピストン潤滑装置
150は、前述実施例よりもオイルによるピストン12
の冷却性能を向上しつつオイル圧Pの低下による焼付性
を改善することができ、冷却性能を向上し得ることによ
りさらにエンジン2の出力向上を果たすことができ、ま
た、エンジン回転数Nと吸気圧Pbとにより設定した制
御マップによってエンジン2の運転状態に適したオイル
の噴射量に制御し得ることにより、さらなる冷却性能及
び焼付性の向上とエンジン2の出力向上とを図ることが
できる。
【0082】図18〜図19は、この発明の第7実施例
を示すものである。第7実施例のピストン潤滑装置17
6は、図1に示すエンジン2に設けられている。ピスト
ン潤滑装置176は、第1〜第3ピストン用オイルリリ
ーフバルブ178〜182を設けている。
【0083】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ178〜182は、ピストン用オイル通路26に並列
に接続され、ピストン用オイル通路26のオイルをオイ
ルパン6側に戻す第1〜第3リリーフ穴184〜188
を夫々設けている。これら第1〜第3リリーフ穴184
〜188の各第1〜第3穴径D1〜D3は、D1>D2
>D3の異径に形成される。
【0084】なお、第1〜第3ピストン用オイルリリー
フバルブ178〜182は、第1実施例のピストン用オ
イルリリーフバルブ36と同様に、第1〜第3リリーフ
穴184〜188を開閉する第1〜第3バルブ体(図示
せず)を夫々設け、これら第1〜第3バルブ体を前記第
1〜第3リリーフ穴184〜188が閉鎖される方向に
押進付勢する第1〜第3スプリング(図示せず)を夫々
設け、前記第1〜第3バルブ体を前記第1〜第3リリー
フ穴184〜188が開放される方向に吸引付勢する第
1〜第3ソレノイド(図示せず)を夫々設けている。
【0085】第1〜第3ピストン用オイルリリーフバル
ブ178〜182の図示しない第1〜第3ソレノイド
は、夫々第1〜第3リリーフバルブ用スイッチ190〜
194を介して制御部196に接続している。制御部1
96には、エンジン2の状態を示す情報を電気的に検出
するセンサとして、エンジン2のエンジン回転数Nを検
出する回転数センサ198と、エンジン2の排気通路
(図示せず)の排気温度Teを検出する排気温度センサ
200と、を接続している。また、制御部196には、
エンジン2のイグニションスイッチ54を介してバッテ
リ56が接続されている。
【0086】この制御部196には、エンジン2の状態
を示す情報であるエンジン回転数Nと排気温度Teとに
より設定された制御マップ(図19参照)を記憶してい
る。第7実施例の制御マップは、第1ピストン用リリー
フバルブ178の第1リリーフ穴184のみを開放する
領域O−1と、第2ピストン用リリーフバルブ180の
第2リリーフ穴186のみを開放する領域O−2と、第
3ピストン用リリーフバルブ182の第3リリーフ穴1
88のみを開放する領域O−3と、第1〜第3ピストン
用リリーフバルブ178〜182の第1〜第3リリーフ
穴184〜188のすべてを閉鎖する領域Cと、から構
成される。
【0087】制御部196は、回転数センサ198と排
気温度センサ200とから入力するエンジン2の状態を
示すエンジン回転数Nと排気温度Teとにより、予め設
定された前記制御マップに基づき夫々第1〜第3リリー
フバルブ用スイッチ190〜194をON・OFFし、
第1〜第3ピストン用オイルリリーフバルブ178〜1
82の図示しない第1〜第3ソレノイドを励磁・非励磁
して第1〜第3バルブ体を作動し、第1〜第3リリーフ
穴184〜188を開閉することにより、ピストン用ジ
ェットノズル30から噴射されるオイルの噴射量を制御
する。
【0088】この第7実施例のピストン潤滑装置176
は、図19に示す如く、領域O−1と領域O−2と領域
O−3とにおいて、夫々第1〜第3ピストン用オイルリ
リーフバルブ178〜182の異径(D1>D2>D
3)の第1〜第3リリーフ穴184〜188を独立的に
開放することにより、ピストン用ジェットノズル30か
ら噴射されるオイルの噴射量をエンジン2の状態に応じ
てより細かく制御することができる。
【0089】また、第7実施例にのピストン潤滑装置1
76は、エンジン2の状態を示す情報としてピストン温
度に代えて排気温度Teにより制御マップを設定してい
るので、エンジン2の運転状態を迅速に検出してオイル
の噴射量を適切に変更するよう制御することができる。
【0090】このため、第7実施例のピストン潤滑装置
150は、前述実施例よりもオイルによるピストン12
の冷却性能を向上しつつオイル圧Pの低下による焼付性
を改善することができ、冷却性能を向上し得ることによ
りさらにエンジン2の出力向上を果たすことができ、ま
た、エンジン2の運転状態を迅速に検出してオイルの噴
射量を変更できることにより、エンジン2の運転状態の
変化に対する噴射量変化の応答性を向上し得て、さらに
冷却性能及び焼付性の向上とエンジン2の出力向上とを
図ることができる。
【0091】
【発明の効果】このように、この発明のエンジンのピス
トン潤滑装置は、エンジンの状態を示す情報により設定
された制御マップに基づきピストン用オイルリリーフバ
ルブを作動して、ピストン用ジェットノズルから噴射さ
れるオイルの噴射量を制御することにより、エンジンの
状態に応じてピストンに噴射されるオイルの噴射量を制
御することができる。
【0092】このため、このエンジンのピストン潤滑装
置は、オイルによるピストンの冷却性能を向上しつつオ
イル圧の低下による焼付性を改善し得て、冷却性能を向
上し得ることによりエンジンの出力向上を果たすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示すピストン潤滑装置
の概略構成図である。
【図2】ピストン用オイルリリーフバルブの開放時の動
作説明図である。
【図3】ピストン用オイルリリーフバルブの閉鎖時の動
作説明図である。
【図4】ピストン用オイルリリーフバルブの側面図であ
る。
【図5】ピストン潤滑のフローチャートである。
【図6】ピストン潤滑の制御マップである。
【図7】第2実施例を示すピストン用オイルリリーフバ
ルブの側面図である。
【図8】ピストン用オイルリリーフバルブの断面図であ
る。
【図9】第3実施例を示すピストン潤滑装置の概略構成
図である。
【図10】ピストン潤滑装置を組込んだエンジンの側面
図である。
【図11】ピストン潤滑の制御マップである。
【図12】第4実施例を示すピストン潤滑装置の概略構
成図である。
【図13】ピストン潤滑の制御マップである。
【図14】第5実施例を示すピストン潤滑装置の概略構
成図である。
【図15】ピストン潤滑の制御マップである。
【図16】第6実施例を示すピストン潤滑装置の概略構
成図である。
【図17】ピストン潤滑の制御マップである。
【図18】第7実施例を示すピストン潤滑装置の概略構
成図である。
【図19】ピストン潤滑の制御マップである。
【図20】従来例を示すエンジンの潤滑系の概略構成図
である。
【図21】エンジンの潤滑系のオイル順路図である。
【図22】コンロッドの大端部の側面図である。
【図23】エンジンのピストン潤滑系のオイル順路図で
ある。
【図24】ピストンの断面図である。
【図25】エンジンの別のピストン潤滑系のオイル順路
図である。
【図26】オイルの温度による性状を示す図である。
【符号の説明】
2 エンジン 4 シリンダブロック 6 オイルパン 8 シリンダスリーブ 10 ピストン 16 オイルポンプ 22 メインギャラリ 24 ピストン潤滑装置 26 ピストン用オイル通路 30 ピストン用ジェットノズル 36 ピストン用オイルリリーフバルブ 36 オイルチェックバルブ 48 制御部 50 温度センサ 52 圧力センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのシリンダブロックにオイルの
    流通するメインギャラリを設け、前記シリンダブロック
    に前記メインギャラリに連絡するピストン用オイル通路
    を設け、このピストン用オイル通路に前記エンジンのピ
    ストンにオイルを噴射するピストン用ジェットノズルを
    設けたエンジンのピストン潤滑装置において、前記ピス
    トン用オイル通路にピストン用オイルリリーフバルブを
    設け、前記エンジンの状態を示す情報により設定された
    制御マップに基づき前記ピストン用オイルリリーフバル
    ブを作動して前記ピストン用ジェットノズルから噴射さ
    れるオイルの噴射量を制御する制御部を設けたことを特
    徴とするエンジンのピストン潤滑装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストン用オイルリリーフバルブ
    は、ピストン用オイル通路のオイルをオイルパン側に戻
    すリリーフ穴を設け、このリリーフ穴を開閉するバルブ
    体を設け、このバルブ体を前記リリーフ穴が閉鎖される
    方向に弾性付勢するスプリングを設け、前記バルブ体を
    前記リリーフ穴が開放される方向に吸引付勢するソレノ
    イドを設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジ
    ンのピストン潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、オイル温度とオイル圧と
    エンジン回転数とスロットル開度と吸気圧と排気温度と
    を少なくとも前記エンジンの状態を示す情報とし、これ
    らの情報の組合せにより前記ピストン用オイルリリーフ
    バルブの制御マップを設定したことを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンのピストン潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は、オイル温度とオイル圧と
    エンジン回転数とスロットル開度と吸気圧と排気温度と
    を少なくとも前記エンジンの状態を示す情報とし、これ
    らの情報を電気的に検出するセンサを接続して設けたこ
    とを特徴とする請求項3に記載のエンジンのピストン潤
    滑装置。
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