JPH06344668A - 感熱記録シート用バインダー樹脂及び感熱記録シート - Google Patents
感熱記録シート用バインダー樹脂及び感熱記録シートInfo
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- JPH06344668A JPH06344668A JP5140382A JP14038293A JPH06344668A JP H06344668 A JPH06344668 A JP H06344668A JP 5140382 A JP5140382 A JP 5140382A JP 14038293 A JP14038293 A JP 14038293A JP H06344668 A JPH06344668 A JP H06344668A
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- recording sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐水性及び耐ブロッキング性に優れ、経時粘
度変化の少ない感熱記録シート用バインダー樹脂及び感
熱記録シートを得る。 【構成】 −COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−
PO(OM)2 、 (但し、Rは水素又はアルキル基、Mは水素、リチウ
ム、ナトリウム又はカリウムを示す)、第3級アミン、
第4級アンモニウム塩及びベタインからなる群から選ば
れた少なくとも1種の親水性基団を有する水溶性の変性
ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂と、
発色性物質と、該発色性物質を熱時に発色指せる物質と
からなる感熱記録層が、シート面に設けられている。
度変化の少ない感熱記録シート用バインダー樹脂及び感
熱記録シートを得る。 【構成】 −COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−
PO(OM)2 、 (但し、Rは水素又はアルキル基、Mは水素、リチウ
ム、ナトリウム又はカリウムを示す)、第3級アミン、
第4級アンモニウム塩及びベタインからなる群から選ば
れた少なくとも1種の親水性基団を有する水溶性の変性
ポリビニルアセタール樹脂からなるバインダー樹脂と、
発色性物質と、該発色性物質を熱時に発色指せる物質と
からなる感熱記録層が、シート面に設けられている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、感熱記録シート用バ
インダー樹脂及びそれを用いて得られる感熱記録シート
に関する。
インダー樹脂及びそれを用いて得られる感熱記録シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録シートは、複写機、ファクシミ
リ、コンピューター、ワードプロセッサー、計測用プリ
ンター、バーコードラベル、切符、駐車券、レシート等
に広く使用されている。
リ、コンピューター、ワードプロセッサー、計測用プリ
ンター、バーコードラベル、切符、駐車券、レシート等
に広く使用されている。
【0003】この種の感熱記録シートは、一般に発色性
物質と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とを、別
々に水溶性バインダー樹脂の水溶液に細かく分散させ、
各々の分散液を混合し、これをシートに塗布し乾燥する
ことにより製造される。そして、上記の水溶性バインダ
ー樹脂としては、ポリビニルアルコールが広く使用され
ている(例えば、特公昭58−33117号公報参
照)。
物質と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とを、別
々に水溶性バインダー樹脂の水溶液に細かく分散させ、
各々の分散液を混合し、これをシートに塗布し乾燥する
ことにより製造される。そして、上記の水溶性バインダ
ー樹脂としては、ポリビニルアルコールが広く使用され
ている(例えば、特公昭58−33117号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の感
熱記録シートは、スタンプ性及び耐水性が十分ではな
い。例えば、感熱記録シートを用いて記録を行った後、
この記録シートの余白部分などに印鑑やスタンプ器具に
より認印や日付け等をスタンプすると、スタンプ部に滲
みが生じて判読できなくなることがある。また、感熱記
録シートを重ねて保存すると、湿気等により感熱記録シ
ート同士が密着(ブロッキング)して剥がれ難くなるこ
ともある。
熱記録シートは、スタンプ性及び耐水性が十分ではな
い。例えば、感熱記録シートを用いて記録を行った後、
この記録シートの余白部分などに印鑑やスタンプ器具に
より認印や日付け等をスタンプすると、スタンプ部に滲
みが生じて判読できなくなることがある。また、感熱記
録シートを重ねて保存すると、湿気等により感熱記録シ
ート同士が密着(ブロッキング)して剥がれ難くなるこ
ともある。
【0005】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、スタンプ性及び耐水性に
優れ、経時粘度変化の少ない感熱記録シート用バインダ
ー樹脂及び感熱記録シートを提供することにある。
で、その目的とするところは、スタンプ性及び耐水性に
優れ、経時粘度変化の少ない感熱記録シート用バインダ
ー樹脂及び感熱記録シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の感熱記録シート用バインダー樹脂は、−
COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO(OM)
2 、
め、この発明の感熱記録シート用バインダー樹脂は、−
COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO(OM)
2 、
【0007】
【化2】
【0008】(但し、Rは水素又はアルキル基、Mは水
素、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示す)、第3
級アミン、第4級アンモニウム塩及びベタインからなる
群から選ばれた少なくとも1種の親水性基団を有する水
溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂からなるものであ
る(請求項1の発明)。
素、リチウム、ナトリウム又はカリウムを示す)、第3
級アミン、第4級アンモニウム塩及びベタインからなる
群から選ばれた少なくとも1種の親水性基団を有する水
溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂からなるものであ
る(請求項1の発明)。
【0009】また、この発明の感熱記録シートは、シー
ト面に、上記の感熱記録シート用バインダー樹脂と、発
色性物質と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とか
らなる感熱記録層が設けられてなるものである(請求項
2の発明)。
ト面に、上記の感熱記録シート用バインダー樹脂と、発
色性物質と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とか
らなる感熱記録層が設けられてなるものである(請求項
2の発明)。
【0010】この発明で用いる水溶性の変性ポリビニル
アセタール樹脂は、上記の特定の親水性基団を有するも
ので、この親水性基団によりポリビニルアセタール樹脂
が変性されている。
アセタール樹脂は、上記の特定の親水性基団を有するも
ので、この親水性基団によりポリビニルアセタール樹脂
が変性されている。
【0011】このような変性ポリビニルアセタール樹脂
は、上記と同様な親水性基団を有する変性ポリビニルア
ルコールを用い、この変性ポリビニルアルコールの水溶
液に各種のアルデヒドを添加し、公知の方法で適度にア
セタール化反応を行うことにより製造することができ
る。
は、上記と同様な親水性基団を有する変性ポリビニルア
ルコールを用い、この変性ポリビニルアルコールの水溶
液に各種のアルデヒドを添加し、公知の方法で適度にア
セタール化反応を行うことにより製造することができ
る。
【0012】上記の変性ポリビニルアルコールは、ポリ
酢酸ビニルの重合の際に、特定の親水性基団を有するエ
チレン性モノマーを共重合させて、上記の親水性基団を
有するユニットを持った酢酸ビニル共重合体を製造し、
この酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得るこ
とができる。もっとも、導入される親水性基団は、後で
行われるケン化及びアセタール化に関与しないことが必
要である。
酢酸ビニルの重合の際に、特定の親水性基団を有するエ
チレン性モノマーを共重合させて、上記の親水性基団を
有するユニットを持った酢酸ビニル共重合体を製造し、
この酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得るこ
とができる。もっとも、導入される親水性基団は、後で
行われるケン化及びアセタール化に関与しないことが必
要である。
【0013】このような特定の親水性基団を有するエチ
レン性モノマーとしては、種々のものがあるが、親水性
基団が−COOMの場合を例にとると、下記の(1)及
び(2)で表される化合物が挙げられる。
レン性モノマーとしては、種々のものがあるが、親水性
基団が−COOMの場合を例にとると、下記の(1)及
び(2)で表される化合物が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】また、親水性基団が−SO3 Mの場合を例
にとると、下記の(3)〜(10)で表される化合物が
挙げられる。
にとると、下記の(3)〜(10)で表される化合物が
挙げられる。
【0016】
【化4】
【0017】変性ポリビニルアルコールは、重合度が2
00〜3500、ケン化度が75〜99.8モル%のも
のが好ましい。重合度が200未満では変性ポリビニル
アルコールの合成が難しくなり、逆に重合度が3500
を超えると、これを水溶液とした時にその粘度が高くな
り過ぎる。また、ケン化度が75モル%未満では水への
溶解性が充分でなく、逆にケン化度が99.8モル%を
超えると、変性ポリビニルアルコールの合成が難しくな
る。
00〜3500、ケン化度が75〜99.8モル%のも
のが好ましい。重合度が200未満では変性ポリビニル
アルコールの合成が難しくなり、逆に重合度が3500
を超えると、これを水溶液とした時にその粘度が高くな
り過ぎる。また、ケン化度が75モル%未満では水への
溶解性が充分でなく、逆にケン化度が99.8モル%を
超えると、変性ポリビニルアルコールの合成が難しくな
る。
【0018】変性ポリビニルアルコールの変性度、すな
わち前記の親水基団を有するユニットの割合は、0.0
1〜5モル%の範囲であることが好ましい。この場合、
変性ポリビニルアルコールと未変性のポリビニルアルコ
ールとを混合し、全体として、上記ユニットの割合が
0.01〜5モル%となるようにしてもよい。
わち前記の親水基団を有するユニットの割合は、0.0
1〜5モル%の範囲であることが好ましい。この場合、
変性ポリビニルアルコールと未変性のポリビニルアルコ
ールとを混合し、全体として、上記ユニットの割合が
0.01〜5モル%となるようにしてもよい。
【0019】親水性基団を有するユニットの割合が5モ
ル%を超えると、湿度の影響を受けやすくなり、耐ブロ
ッキング性が低下し、逆に、親水性団基を有するユニッ
トの割合が0.01モル%未満では、スタンプ性が低下
して、この発明の効果が十分に発揮されない。
ル%を超えると、湿度の影響を受けやすくなり、耐ブロ
ッキング性が低下し、逆に、親水性団基を有するユニッ
トの割合が0.01モル%未満では、スタンプ性が低下
して、この発明の効果が十分に発揮されない。
【0020】変性ポリビニルアルコールのアセタール化
に用いるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒ
ド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド
(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルア
ルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルア
ルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、
グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられ、こ
れ等のアルデヒドが単独で或いは二種以上を組み合わせ
て用いられる。特に、アセトアルデヒド及び/又はブチ
ルアルデヒドでアセタール化したものが好ましい。
に用いるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒ
ド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド
(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルア
ルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルア
ルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、
グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられ、こ
れ等のアルデヒドが単独で或いは二種以上を組み合わせ
て用いられる。特に、アセトアルデヒド及び/又はブチ
ルアルデヒドでアセタール化したものが好ましい。
【0021】変性ポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれを
用いる場合でも、一般に、全アセタール化度で3〜55
モル%の範囲が好ましい。全アセタール化度が3モル%
未満では、耐ブロッキング性及び可撓性が乏しくなり、
逆に全アセタール化度が55モル%を越えると、樹脂が
水不溶性となり実用性がなくなる。
ル化度は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれを
用いる場合でも、一般に、全アセタール化度で3〜55
モル%の範囲が好ましい。全アセタール化度が3モル%
未満では、耐ブロッキング性及び可撓性が乏しくなり、
逆に全アセタール化度が55モル%を越えると、樹脂が
水不溶性となり実用性がなくなる。
【0022】なお、この発明で用いる変性ポリビニルア
セタール樹脂は、上記のように変性ポリビニルアルコー
ルを用いる方法以外に、未変性のポリビニルアルコール
を各種のアルデヒドでアセタール化して未変性のポリビ
ニルアセタール樹脂を製造し、この樹脂の残存水酸基
に、前記の親水性基団を有する適当な化合物を反応させ
ることにより製造することも可能である。
セタール樹脂は、上記のように変性ポリビニルアルコー
ルを用いる方法以外に、未変性のポリビニルアルコール
を各種のアルデヒドでアセタール化して未変性のポリビ
ニルアセタール樹脂を製造し、この樹脂の残存水酸基
に、前記の親水性基団を有する適当な化合物を反応させ
ることにより製造することも可能である。
【0023】この発明に用いる水溶性の変性ポリビニル
アセタール樹脂の製造方法の一例を、より具体的に説明
する。先ず、前記の親水性基団を有する変性ポリビニル
アルコールの単独又はこの変性ポリビニルアルコールと
未変性のポリビニルアルコールとの混合物を水に溶解さ
せる。次に、塩酸のような酸触媒の存在下で、全アセタ
ール化度が3〜55モル%となるように、所定量のアル
デヒド、好ましくはアセトアルデヒド及び/又はブチル
アルデヒドと反応させた後、水酸化ナトリウム等のアル
カリで中和する。こうして、水溶性の変性ポリビニルア
セタール樹脂が得られる。
アセタール樹脂の製造方法の一例を、より具体的に説明
する。先ず、前記の親水性基団を有する変性ポリビニル
アルコールの単独又はこの変性ポリビニルアルコールと
未変性のポリビニルアルコールとの混合物を水に溶解さ
せる。次に、塩酸のような酸触媒の存在下で、全アセタ
ール化度が3〜55モル%となるように、所定量のアル
デヒド、好ましくはアセトアルデヒド及び/又はブチル
アルデヒドと反応させた後、水酸化ナトリウム等のアル
カリで中和する。こうして、水溶性の変性ポリビニルア
セタール樹脂が得られる。
【0024】この発明は、このような特定の親水性基団
を有する水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂を、感
熱記録シート用バインダー樹脂として用いるものであ
る。また、この発明の感熱記録シートは、シート面に、
上記の感熱記録シート用バインダー樹脂と、発色性物質
と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とからなる感
熱記録層が設けられている。
を有する水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂を、感
熱記録シート用バインダー樹脂として用いるものであ
る。また、この発明の感熱記録シートは、シート面に、
上記の感熱記録シート用バインダー樹脂と、発色性物質
と、該発色性物質を熱時に発色させる物質とからなる感
熱記録層が設けられている。
【0025】このような感熱記録シートは、上記変性ポ
リビニルアセタール樹脂の水溶液に、発色性物質と、該
発色性物質を熱時に発色させる物質とを、別々に細かく
分散させ、各々の分散液を混合して塗布液を調整し、こ
の塗布液をシートに塗布し乾燥することにより製造する
ことができる。
リビニルアセタール樹脂の水溶液に、発色性物質と、該
発色性物質を熱時に発色させる物質とを、別々に細かく
分散させ、各々の分散液を混合して塗布液を調整し、こ
の塗布液をシートに塗布し乾燥することにより製造する
ことができる。
【0026】上記の発色性物質としては、一般に、トリ
フェニルメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラ
ン系染料などの無色又はやや淡色のロイコ染料が用いら
れる。また、上記の発色性物質を熱時に発色させる物質
としては、一般に、70℃以上で液化又は気化するフェ
ノール化合物が用いられる。
フェニルメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラ
ン系染料などの無色又はやや淡色のロイコ染料が用いら
れる。また、上記の発色性物質を熱時に発色させる物質
としては、一般に、70℃以上で液化又は気化するフェ
ノール化合物が用いられる。
【0027】これ等のロイコ染料及びフェノール化合物
は、従来よりこの種の感熱記録シートに使用されてお
り、広く知られている。例えば、前に挙げた特公昭58
−33117号公報に詳しく記載されているロイコ染料
及びフェノール化合物を使用することができる。
は、従来よりこの種の感熱記録シートに使用されてお
り、広く知られている。例えば、前に挙げた特公昭58
−33117号公報に詳しく記載されているロイコ染料
及びフェノール化合物を使用することができる。
【0028】変性ポリビニルアセタール樹脂の水溶液
に、上記の発色性物質及び該発色性物質を熱時に発色さ
せる物質を細かく分散させて塗布液を調整する際には、
発色性物質及び該発色性物質を熱時に発色させる物質の
合計量100重量部に対して、水溶液中の変性ポリビニ
ルアセタール樹脂1〜500重量部の割合で使用するの
が好ましい。水溶液中の樹脂が1重量部未満では、スタ
ンプ性の改善効果がなく、逆に水溶液中の樹脂が500
重量部を越えると、塗布液の粘度安定性が悪く、経時に
増粘したり高湿度雰囲気下で吸湿性が大きくなり、耐水
性が低下したりカール(シートのそり)が生じたりす
る。
に、上記の発色性物質及び該発色性物質を熱時に発色さ
せる物質を細かく分散させて塗布液を調整する際には、
発色性物質及び該発色性物質を熱時に発色させる物質の
合計量100重量部に対して、水溶液中の変性ポリビニ
ルアセタール樹脂1〜500重量部の割合で使用するの
が好ましい。水溶液中の樹脂が1重量部未満では、スタ
ンプ性の改善効果がなく、逆に水溶液中の樹脂が500
重量部を越えると、塗布液の粘度安定性が悪く、経時に
増粘したり高湿度雰囲気下で吸湿性が大きくなり、耐水
性が低下したりカール(シートのそり)が生じたりす
る。
【0029】なお、塗布液には、必要に応じて、この種
の感熱記録シートに慣用されている補助添加剤、例え
ば、ポリアミド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
グリオキザール等の耐水化剤、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー等の充填剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等の界面活性剤、ステアリン酸アミド等の感度
調節剤及び滑剤を添加することができる。
の感熱記録シートに慣用されている補助添加剤、例え
ば、ポリアミド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、
グリオキザール等の耐水化剤、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー等の充填剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等の界面活性剤、ステアリン酸アミド等の感度
調節剤及び滑剤を添加することができる。
【0030】特に、塗布液に耐水化剤を添加する場合
は、特定の親水性基団を有する変性ポリビニルアセター
ル樹脂は、これ等の耐水化剤との反応性に優れるため、
耐水性がさらに改善される。
は、特定の親水性基団を有する変性ポリビニルアセター
ル樹脂は、これ等の耐水化剤との反応性に優れるため、
耐水性がさらに改善される。
【0031】前記の塗布液を塗布するシートとしては、
例えば、紙、合成紙、プラスチックフィルム、織布シー
ト等が使用される。また、塗布液の塗布量は、シートに
0.5〜100g/m2 の感熱記録層が形成されるよう
に塗布するのが好ましい。感熱記録層が0.5g/m2
未満では、スタンプ性の改善効果がなく、逆に感熱記録
層が100g/m2 を越えると、高湿度雰囲気下で吸湿
性が大きくなり、耐ブロッキング性が低下し、また耐水
性が低下したりカールが発生じたりする。
例えば、紙、合成紙、プラスチックフィルム、織布シー
ト等が使用される。また、塗布液の塗布量は、シートに
0.5〜100g/m2 の感熱記録層が形成されるよう
に塗布するのが好ましい。感熱記録層が0.5g/m2
未満では、スタンプ性の改善効果がなく、逆に感熱記録
層が100g/m2 を越えると、高湿度雰囲気下で吸湿
性が大きくなり、耐ブロッキング性が低下し、また耐水
性が低下したりカールが発生じたりする。
【0032】
【作用】バインダー樹脂として、前記の特定の親水性基
団の導入により変性された水溶性のポリビニルアセター
ル樹脂を用いると、これ等のイオン性の親水性基団は、
従来のポリビニルアルコールが持っている非イオン性の
水酸基に比べてより強い表面活性を呈し、樹脂に残存し
ている非イオン性の水酸基の作用と相まってインクキャ
ッチ力やスタンプ性が向上するものと考えれれる。
団の導入により変性された水溶性のポリビニルアセター
ル樹脂を用いると、これ等のイオン性の親水性基団は、
従来のポリビニルアルコールが持っている非イオン性の
水酸基に比べてより強い表面活性を呈し、樹脂に残存し
ている非イオン性の水酸基の作用と相まってインクキャ
ッチ力やスタンプ性が向上するものと考えれれる。
【0033】また、前記の特定の親水性基団の導入によ
り変性された水溶性のポリビニルアセタール樹脂は、ア
セタール化によって従来のポリビニルアルコールに比べ
て残存水酸基が少なくなっており、そのため耐水性が改
善され耐ブロッキング性が向上するものと考えられる。
り変性された水溶性のポリビニルアセタール樹脂は、ア
セタール化によって従来のポリビニルアルコールに比べ
て残存水酸基が少なくなっており、そのため耐水性が改
善され耐ブロッキング性が向上するものと考えられる。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を挙げ
る。実施例1 水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂の製造 重合度800、ケン化度98モル%、変性度2モル%の
イタコン酸変性のポリビニルアルコール200gを純水
1600gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し、溶
解させた。この溶液を45℃に冷却し、これに濃度35
重量%の塩酸50gを加え、さらに35℃まで冷却し、
これに純度99%のn−ブチルアルデヒド20gと純度
99%のアセトアルデヒド25gとを2時間かけて滴下
し、35℃で3時間アセタール化反応を行った。その
後、液温を20℃に冷却し攪拌下で濃度10重量%の水
酸化ナトリウム水溶液192gを加え、イタコン酸変性
のポリビニルアセタール樹脂の透明溶液を得た。
る。実施例1 水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂の製造 重合度800、ケン化度98モル%、変性度2モル%の
イタコン酸変性のポリビニルアルコール200gを純水
1600gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌し、溶
解させた。この溶液を45℃に冷却し、これに濃度35
重量%の塩酸50gを加え、さらに35℃まで冷却し、
これに純度99%のn−ブチルアルデヒド20gと純度
99%のアセトアルデヒド25gとを2時間かけて滴下
し、35℃で3時間アセタール化反応を行った。その
後、液温を20℃に冷却し攪拌下で濃度10重量%の水
酸化ナトリウム水溶液192gを加え、イタコン酸変性
のポリビニルアセタール樹脂の透明溶液を得た。
【0035】得られた変性ポリビニルアセタール樹脂の
透明溶液をポリエチレンフィルム上に塗布し乾燥させ
て、透明フィルムを作成し、この透明フィルムをDMS
O−d 6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−
NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化
度(ブチラール化度及びアセトアセタール化度)を測定
したところ、ブチラール化度は10モル%、アセトアセ
タール化度は15モル%であった。
透明溶液をポリエチレンフィルム上に塗布し乾燥させ
て、透明フィルムを作成し、この透明フィルムをDMS
O−d 6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−
NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化
度(ブチラール化度及びアセトアセタール化度)を測定
したところ、ブチラール化度は10モル%、アセトアセ
タール化度は15モル%であった。
【0036】感熱記録シートの製造 樹脂分が10重量%の上記変性ポリビニルアセタール樹
脂20重量部と、3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20
重量部と、水60重量部とを混合して分散液Aを調整し
た。
脂20重量部と、3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20
重量部と、水60重量部とを混合して分散液Aを調整し
た。
【0037】また、樹脂分が10重量%の上記変性ポリ
ビニルアセタール樹脂20重量部と、ビスフェノールA
10重量部と、ステアリン酸アミド5重量部と、炭酸カ
ルシウム5重量部と、水60重量部とを混合して分散液
Bを調整した。
ビニルアセタール樹脂20重量部と、ビスフェノールA
10重量部と、ステアリン酸アミド5重量部と、炭酸カ
ルシウム5重量部と、水60重量部とを混合して分散液
Bを調整した。
【0038】上記の分散液A1重量部と、分散液B8重
量部と、樹脂分が10重量%の上記変性ポリビニルアセ
タール樹脂1重量部とを混合し、この混合液を上質紙
(50g/m2 )にワイヤーバーで塗布し、これを乾燥
させた後、カレンダー処理を施して有機溶剤を蒸発させ
て、塗布量(乾燥後)7g/m2 の感熱記録シートを製
造した。
量部と、樹脂分が10重量%の上記変性ポリビニルアセ
タール樹脂1重量部とを混合し、この混合液を上質紙
(50g/m2 )にワイヤーバーで塗布し、これを乾燥
させた後、カレンダー処理を施して有機溶剤を蒸発させ
て、塗布量(乾燥後)7g/m2 の感熱記録シートを製
造した。
【0039】感熱記録シートの性能評価 上記の感熱記録シートについて、スタンプ性及び耐ブロ
ッキング性を下記の方法で評価した。また、上質紙に塗
布する前の混合液の経時による粘度変化を下記の方法で
評価した。その結果を表1に示す。
ッキング性を下記の方法で評価した。また、上質紙に塗
布する前の混合液の経時による粘度変化を下記の方法で
評価した。その結果を表1に示す。
【0040】スタンプ性 感熱記録シートに市販の印鑑(シャチハタ製)を用いて
押印し、これを20℃で3時間放置した後、その押印部
の印字の滲みを目視により観察し、◎(極めて良好)、
○(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準で評価し
た。この耐ブロッキング性 感熱記録シート(縦10cm×横10cm)を2枚用意し、
これを重ね合わせて40℃×70%RHの条件で24時
間放置した後、この2枚の感熱記録シートを手で剥が
し、手触りにより剥がれ易さを、◎(極めて良好)、○
(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準で評価した。
この評価で耐水性が判断できる。
押印し、これを20℃で3時間放置した後、その押印部
の印字の滲みを目視により観察し、◎(極めて良好)、
○(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準で評価し
た。この耐ブロッキング性 感熱記録シート(縦10cm×横10cm)を2枚用意し、
これを重ね合わせて40℃×70%RHの条件で24時
間放置した後、この2枚の感熱記録シートを手で剥が
し、手触りにより剥がれ易さを、◎(極めて良好)、○
(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準で評価した。
この評価で耐水性が判断できる。
【0041】混合液の経時粘度変化 BM型粘度計を用いて、上質紙に塗布する前の混合液の
粘度(20℃)を測定し、また、20℃の恒温槽に48
時間放置した後の粘度を測定した後の粘度を測定し、放
置前後の粘度比で評価した。
粘度(20℃)を測定し、また、20℃の恒温槽に48
時間放置した後の粘度を測定した後の粘度を測定し、放
置前後の粘度比で評価した。
【0042】実施例2〜6及び比較例1〜3 変性ポリビニルアルコール及びアルデヒドを、表1に示
すように変更した。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。その結果を表1に示す。
すように変更した。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】上述の通り、この発明の感熱記録シート
用バインダー樹脂は、前記の特定の親水性基団を有する
水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂からなり、この
ようなバインダー樹脂を用いて得られる感熱記録シート
は、この親水性基団の作用により、従来のポリビニルア
ルコールをバインダー樹脂とした感熱記録シートに比
べ、スタンプ性及び耐水性に優れている。よって、印鑑
やスタンプ器具によるスタンプの滲みが防止され、また
感熱記録シートを重ねて保存した際のシート同士のブロ
ッキングが防止される。
用バインダー樹脂は、前記の特定の親水性基団を有する
水溶性の変性ポリビニルアセタール樹脂からなり、この
ようなバインダー樹脂を用いて得られる感熱記録シート
は、この親水性基団の作用により、従来のポリビニルア
ルコールをバインダー樹脂とした感熱記録シートに比
べ、スタンプ性及び耐水性に優れている。よって、印鑑
やスタンプ器具によるスタンプの滲みが防止され、また
感熱記録シートを重ねて保存した際のシート同士のブロ
ッキングが防止される。
【0045】また、前記の特定の親水性基団の作用によ
り、変性ポリビニルアセタール樹脂の分子間会合や結晶
化が抑制されるので、この発明の感熱記録シート用バイ
ンダー樹脂を用いた塗布液は、従来のポリビニルアルコ
ールをバインダー樹脂とした塗布液にくらべ、経時での
粘度変化も生じにくく、塗工作業性が良好であるという
利点がある。
り、変性ポリビニルアセタール樹脂の分子間会合や結晶
化が抑制されるので、この発明の感熱記録シート用バイ
ンダー樹脂を用いた塗布液は、従来のポリビニルアルコ
ールをバインダー樹脂とした塗布液にくらべ、経時での
粘度変化も生じにくく、塗工作業性が良好であるという
利点がある。
【0046】したがって、この発明の感熱記録シート
は、複写機、ファクシミリ、コンピューター、ワードプ
ロセッサー、計測用プリンター、バーコードラベル、切
符、駐車券、レシート等に好適に使用される。
は、複写機、ファクシミリ、コンピューター、ワードプ
ロセッサー、計測用プリンター、バーコードラベル、切
符、駐車券、レシート等に好適に使用される。
Claims (2)
- 【請求項1】 −COOM、−SO3 M、−OSO
3 M、−PO(OM)2 、 【化1】 (但し、Rは水素又はアルキル基、Mは水素、リチウ
ム、ナトリウム又はカリウムを示す)、第3級アミン、
第4級アンモニウム塩及びベタインからなる群から選ば
れた少なくとも1種の親水性基団を有する水溶性の変性
ポリビニルアセタール樹脂からなる感熱記録シート用バ
インダー樹脂。 - 【請求項2】 シート面に、請求項1記載の感熱記録シ
ート用バインダー樹脂と、発色性物質と、該発色性物質
を熱時に発色させる物質とからなる感熱記録層が設けら
れてなる感熱記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140382A JPH06344668A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 感熱記録シート用バインダー樹脂及び感熱記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140382A JPH06344668A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 感熱記録シート用バインダー樹脂及び感熱記録シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06344668A true JPH06344668A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15267519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5140382A Pending JPH06344668A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 感熱記録シート用バインダー樹脂及び感熱記録シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06344668A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7846870B2 (en) | 2004-04-22 | 2010-12-07 | Oji Paper Co., Ltd. | Heat-sensitive recording body |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP5140382A patent/JPH06344668A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7846870B2 (en) | 2004-04-22 | 2010-12-07 | Oji Paper Co., Ltd. | Heat-sensitive recording body |
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