JPH06344491A - 水物食品用包装材料及び包装体 - Google Patents

水物食品用包装材料及び包装体

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JPH06344491A
JPH06344491A JP13613293A JP13613293A JPH06344491A JP H06344491 A JPH06344491 A JP H06344491A JP 13613293 A JP13613293 A JP 13613293A JP 13613293 A JP13613293 A JP 13613293A JP H06344491 A JPH06344491 A JP H06344491A
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修成 松田
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清司 伊関
Yoshiharu Morihara
芳治 森原
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徹 小谷
Toshiyuki Otani
寿幸 大谷
Yozo Yamada
陽三 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地球環境にやさしく、食品保存性に優れたガ
スバリア性フィルムの水物食品用包装材料及び包装体を
提供することにある。 【構成】 プラスチック基材上に、酸化アルミニウム系
薄膜が形成されたガスバリア性フィルムを用いた水物食
品用包装材料及び包装体において、該薄膜の比重を2.
70〜3.30とすることを特徴とするガスバリア性フ
ィルムを構成の全部または、一部とすることによって、
ガスバリア性、屈曲性も高い、かつ、環境にもやさしい
実用特性のすぐれた水物食品用包装材料及び包装体を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリア性に優れ、
板、糸こんにゃく類、たくあん漬、醤油漬、奈良漬等の
各種漬物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆ
等と同封された食品や醤油、ソ−ス、ケチャップ、マヨ
ネ−ズ等の調味料などの保存に適した水物食品用包装材
料及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性のすぐれた水物食品用包装
材料及び包装体としては、各種プラスチックフィルムを
ラミネ−トしたものが用いられている。例えばナイロン
フィルムとPE(ポリエチレン)フィルムまたは、ナイ
ロンフィルムとCPP(未延伸ポリプロピレン)フィル
ムをラミネ−トしたもの。また、ナイロンフィルム上に
アルミ蒸着したものや、塩化ビニリデンやエチレンビニ
ルアルコール共重合体を用いたものをPEやCPPフィ
ルムとラミネ−トした包装材料を使い、袋、カップ、ト
レイといった様々な包装体が作製され使用される。又、
最近は酸化硅素などの薄膜を用いたガスバリアフィルム
を使ったものも用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の水物食品
用包装材料及び包装体は、次のような課題を有してい
た。アルミニウム箔、あるいはアルミニウム蒸着を用い
たものは、ガスバリア性はすぐれているが、不透明であ
り、包装時の内容物が見えないという欠点があった。ま
たアルミニウムを水物食品用包装材料及び包装体の構成
の一部に含むとプラスチックフィルムの回収再利用(リ
サイクリング)ができないという問題がある。塩化ビニ
リデンやエチレンビニルアルコール共重合体を、水物食
品用包装材料及び包装体の構成の一部に含むものは、水
蒸気、酸素などのガスバリア性が不十分であり、内容物
の保存期間が短い。又、塩化ビニリデン系については、
容易に熱分解し、リサイクリングが行いにくく、焼却時
の塩素ガスの発生など、地球環境への影響も懸念されて
いる。また、エチレンビニルアルコール系は乾燥時のバ
リア性は優れているものの、高湿度下においては酸素バ
リア性の低下が著しく、保存期間が短くなる。
【0004】特公昭51−48511号には、合成樹脂
体表面にSixy(例えばSiO2)を蒸着したガスバ
リア性フィルムが提案されているが、ガスバリア性の良
好なSiOx系(x=1.3〜1.8)は褐色を有して
おり、その被膜はもろく、これを構成の一部または全部
とする水物食品用包装材料及び包装体を過酷に取り扱っ
た場合には、ガスバリア性が大きく低下するという欠点
がある。酸化アルミニウムを蒸着したフィルムとして
(特開昭62−101428)に見られるようなものも
あるが、初期の酸素バリア性が余り高くない。更に屈曲
した場合の酸素バリア性の劣化が大きく、水物食品用包
装材料及び包装体の構成の一部または全部とした場合に
内容物を酸化から守り、長期保存するには十分なものと
はいえず、酸素バリア性と水蒸気バリア性とを兼ね備
え、過酷な取扱に耐えるものにはなり得ない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスバリア性
に優れ、また耐屈曲性の高い、しかも経済性において
も、有利なガスバリア性フィルムを構成の一部または全
部とする水物食品用包装材料及び包装体を提供せんとす
るものである。すなわち、本発明はプラスチック基材の
少なくとも一方の面に、主として酸化アルミニウムから
なる組成の薄膜を設け、該薄膜の比重が2.70〜3.
30であることを特徴とするガスバリア性フィルムを構
成の全部または一部とする水物食品用包装材料及び包装
体である。
【0006】本発明でいうプラスチック基材とは、有機
高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方向、お
よび、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフ
ィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリエチレ
ン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、
ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニール、ポリ
塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全芳香族ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられる。ま
た、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有機重合
体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしてもよい。
【0007】さらにこの有機高分子には、公知の添加
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止、可塑剤、滑剤、
着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は特に
限定するものではないが、透明ガスバリア性フィルムと
して使用する場合には、50%以上の透過率をもつもの
が好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発明
の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層するに
先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処
理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、公
知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていても
よい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さとし
て5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは
8〜300μmの範囲である。
【0008】本発明における酸化アルミニウム薄膜とは
Al、AlO、Al23等から成り立っていると考えら
れ、これらの比率は作成条件で異なる。この成分中に、
特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3
%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとして
は、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性
及び可尭性の点からは、50〜8000Åが好ましく、
更に好ましくは70〜5000Åである。
【0009】かかる酸化アルミニウム系薄膜の作成に
は、真空蒸着法、スパッタ−法、イオンプレ−テイング
などのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法
(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸
着法においては、蒸着源材料としてAlやAl23等が
用いられ、また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波
誘導加熱、電子ビ−ム加熱等を用いることができる。ま
た、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入し
たり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反
応性蒸着を用いてもよい。また、基板にバイアス等を加
えたり、基板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本
発明の目的を損なわない限りに於て、作成条件を変更し
てもよい。スパッタ−法やCVD法等のほかの作成法で
も同様である。また、本発明品は、そのままで使用され
てもよいが、他の有機高分子のフィルム、または薄層を
ラミネートまたはコーティングして使用してもよい。
【0010】本発明でいう比重とは、ある温度で、ある
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
【0011】このようにして得られた該薄膜の比重の値
が2.70よりも小さい場合、酸化アルミニウム系薄膜
の構造が粗雑となり、充分なガスバリア性が得られな
い。また、該薄膜の比重が3.30よりも大きい場合、
成膜後の初期ガスバリア特性は優れているものの、膜が
硬くなりすぎ、機械特性、特にゲルボ特性が劣り、ラミ
ネート、製袋等の後工程や取り扱い等により、ガスバリ
ア性が低下する可能性が大きくなり、包装用材料として
の使用に適していない。以上の理由から水物食品用包装
材料及び包装体として、好ましい酸化アルミニウム系薄
膜の比重は、2.70〜3.30であり、さらに好まし
くは2.80〜3.20である。
【0012】本発明における水物食品用包装材料は、包
装する内容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネ−
トしてよく、代表的なラミ構成としては、ガスバリア性
フィルム(NY上)/PE、ガスバリア性フィルム(N
Y上)/CPP、ガスバリア性フィルム(PET上)/
PE、ガスバリア性フィルム(PET上)/CPP等が
考えられる。更に装飾または、内容物の説明のための印
刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤等と張り
合わせてもよい。本発明における包装体としては、袋、
フタ材、カップ、チュ−ブ、スタンデイングパック、ト
レイ等があり、形状、種類に対し特に制限はなく、例え
ば、袋物の包装形式としては、ピロ−タイプ、三方シ−
ル、四方シ−ル等を用いる。これらの包装材料、包装体
の構成の全部あるいは一部としてガスバリア性フィルム
を用いる。本発明における水物食品用包装体が適用でき
る内容物としては、板、糸こんにゃく類、たくあん漬、
醤油漬、奈良漬等の各種漬物類、各種味噌類やたれ、だ
しのもと、めんつゆ等と同封された食品や醤油、ソ−ス
等の調味料などであり、また、これらに制限されるもの
ではない。
【0013】次に実施例をあげて本発明を説明する。 実施例1 蒸着源として、3〜5mm程度の大きさのフレ−ク状の
Al23(純度99.5%)を用い、電子ビ−ム蒸着法
で、15μm厚のナイロンフィルム(東洋紡績(株):
N1130)上に酸化アルミニウム系薄膜の形成を行っ
た。蒸着条件としては、電子銃(EB銃)のエミッショ
ン電流を0.7〜1.8Aとし、フィルム送り速度を4
0〜100m/minと変化させ、蒸着膜の厚みが40
0〜4000Å(オングストローム)となるようにし
た。また、蒸気圧は、酸素ガスの供給量を変え、1×1
0×-5〜8×10-3Torrまで変えた。薄膜の比重を
測定するために、得られたガスバリアフィルムの一部を
切取り、ナイロンフィルムを溶解したのち浮沈法で比重
測定を行った。更にガスバリアフィルムとPE(ポリエ
チレン)40μmとをラミネートして、実施例1−〜
を作製し、この包装用フィルムの酸素バリア性を測定
した。また耐屈曲疲労性テストを施したのちについても
酸素バリア性の測定をおこなった。
【0014】次に酸素透過率の測定方法、及び耐屈曲疲
労性のテスト方法を示す。 ・酸素透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの酸素透過率を酸素透過率
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業(株)社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で11.2inch×8in
chの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状と
し、両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、スト
ロークの3(1/2)inchで、400度のひねりを
加えるものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/m
inの速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行っ
た。その結果、実施例は優れた酸素バリア性を示した
(表1)
【0015】比較例1 蒸気圧を、酸素ガスの供給量を変え、1×10×-3〜2
×10-2Torrまで変えた以外は、実施例と同様の方
法により比較例1を作製した。この比較例についても、
ナイロンフィルムを溶解したのち浮沈法で比重測定を行
った。更にガスバリアフィルムとPE(ポリエチレン)
40μmとをラミネートして、比較例1−〜を作製
し、この包装用フィルムの酸素バリア性を測定した。そ
の結果、実施例よりやや劣っていることがわかった。
(表1)
【0016】比較例2 比較例として、1−ナイロン(15μm)/PE(4
0μm)、塩化ビニリデンコ−トナイロン(K−N
Y)/PE(40μm)、Al箔(7μm)/PE
(40μm)を作製した。これらの包装用フィルムの酸
素バリア性を測定した。次に実施例のフィルムをピロ−
形製袋充填機にかけ、板こんにゃくを小袋に充填した。
このサンプルを40℃、90%RHの部屋に1カ月間放
置した後に開封し、試食したが、こんにゃくの味、風味
に変化はなかった。比較例の各フィルムも、実施例と同
様に製袋充填機を用いて、板こんにゃくを充填し、同条
件で放置後に開封し試食したが、Al箔品を除いてこん
にゃくは食味が劣ると判断された。次に実施例のフィル
ムを製袋充填機にかけ、小袋に成形しながら、漬物(た
くあん漬)を加熱殺菌(75℃×10min)し充填し
た。このサンプルを40℃、90%RHの部屋に3カ月
間放置した後に開封し、試食したが、たくあん漬の味、
風味に変化はなかった。比較例の各フィルムも、実施例
と同様に製袋充填機を用いて、たくあん漬を充填し、同
条件で放置後に開封し試食したが、Al箔品を除いて酸
化臭があり、食味が劣ると判断された。これらのフィル
ムを焼却すると、Al箔品以外はほぼ完全の焼却できた
が、Al箔品は、Al金属のカスが残った。
【0017】
【発明の効果】プラスチック基材上に、酸化アルミニウ
ム系薄膜が形成されたガスバリア性フィルムを用いた水
物食品用包装材料及び包装体において、該薄膜の比重が
2.70〜3.30であることを特徴とするガスバリア
性フィルムを構成の全部または、一部とすることによっ
て、ガスバリア性、屈曲性も高い、かつ、環境にもやさ
しい実用特性のすぐれた極めて有用な水物食品用包装材
料及び包装体であることがわかる。
【0018】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 徹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 大谷 寿幸 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材の少なくとも片面に、
    主として酸化アルミニウムからなる組成の薄膜を設け、
    該薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特徴と
    するガスバリア性フィルムを構成の全部または一部とす
    る水物食品用包装材料。
  2. 【請求項2】 プラスチック基材の少なくとも片面に、
    主として酸化アルミニウムからなる組成の薄膜を設け、
    該薄膜の比重が2.70〜3.30であることを特徴と
    するガスバリア性フィルムを構成の全部または一部とす
    る水物食品用包装体。
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