JPH06343936A - 除塵装置 - Google Patents

除塵装置

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JPH06343936A
JPH06343936A JP13173793A JP13173793A JPH06343936A JP H06343936 A JPH06343936 A JP H06343936A JP 13173793 A JP13173793 A JP 13173793A JP 13173793 A JP13173793 A JP 13173793A JP H06343936 A JPH06343936 A JP H06343936A
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Kazuhide Murata
和栄 村田
Koji Tada
浩司 多田
Yoshitaka Koishi
芳孝 小石
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 除塵対象面に比較的強固に付着しているダス
ト類であっても適切にその除塵、回収を行わせることが
でき、優れた除塵能力を発揮する除塵装置を提供する。 【構成】 負圧の空気脈動波を発生させる空気脈動波発
生装置1と、この空気脈動波発生装置1の空気脈動波発
生口20aに接続された空気吸入経路3とを有し、この
空気吸入経路3の先端側に形成された吸気口30から間
歇的な空気吸入がなされることにより除塵対象面のダス
ト類を空気吸入経路3内へ吸入させて回収するように構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、様々な除塵対象物又は
除塵対象部位の表面に付着しているダスト類をエア吸入
作用によって吸引し、回収させるタイプの除塵装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の除塵装置は、何れのもの
も、その基本的な構成は、ブロアー等の空気吸入側に所
望の配管接続を行って、その配管の先端開口部から連続
的な空気吸入を行わせることにより、除塵対象面のダス
ト類を前記配管内へ吸引して回収させる構成に過ぎなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
ブロアー等のエア吸引力でダスト類を単に吸引させるだ
けであるから、除塵対象面に比較的強固に付着している
ダスト類については除去することができず、その除塵能
力が劣るという難点があった。尚、従来では、例えば特
公昭58−55834号において、ボイラーや溶鉱炉等
に付着したすす等を除去する手段として、振動圧の高い
脈動低周波音波、即ち、空気脈動波が有用である旨が示
唆されている。ところが、かかる発明は、圧縮空気の排
気が断続的になされる正圧の脈動波を発生させる脈動波
発生装置を提供しているに過ぎず、かかる正圧の空気脈
動波を利用すれば、除塵対象面のダスト類をその周辺部
に飛散させてしまう。従って、ダスト類を適切に回収す
るようなことはできず、例えばシート材の表面に付着し
たダスト類を、そのシート材の移送過程中に適切に除去
し、回収するような用途には不向きであり、実用的では
なかった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みて提案されたもの
で、除塵対象面に比較的強固に付着しているダスト類で
あっても適切にその除塵、回収を行わせることができ、
優れた除塵能力を発揮する除塵装置を提供することを、
その目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のように
単なる連続的なエア吸引、或いは正圧の空気脈動波の送
波のみによって除塵を行うのではなく、空気脈動波のう
ち、エア吸引力が断続的に作用する負圧の空気脈動波を
用いることにより、ダスト類の剥離・除去、及び剥離・
除去させたダスト類の回収を図るという従来には見られ
ない全く新規な発想の下に発明されたものである。即
ち、請求項1に記載の本発明に係る除塵装置は、負圧の
空気脈動波を発生させる空気脈動波発生装置と、この空
気脈動波発生装置の空気脈動波発生口に接続された空気
吸入経路とを有し、この空気吸入経路の先端側に形成さ
れた吸気口から間歇的な空気吸入がなされることにより
除塵対象面のダスト類を空気吸入経路内へ吸入させて回
収するように構成されている。
【0006】請求項2に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項1の構成において、前記空気吸入経路に
は、吸気口から吸入したダスト類を捕集するための通気
性を備えたフィルターが設けられている。
【0007】請求項3に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項1又は2の構成において、前記空気脈動
波発生装置は、空気吸入経路内の空気を吸入して吸気口
に負圧を生じさせるブロアーと、このブロアーの吸気経
路の一部を断続的に遮断及び開放させることにより吸気
口から空気吸入経路内へ吸入される空気に脈動を生じさ
せる脈動付与装置とから構成されている。
【0008】請求項4に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項3の構成において、前記脈動付与装置
は、空気脈動波発生口及ブロアーの空気吸入側と配管接
続されるブロアー用接続口を各々形成したケーシング
と、このケーシング内に回転自在に設けられ且つその回
転動作によって空気脈動波発生口からブロアー用接続口
に到る空気流通経路を断続的に遮断及び開放させる弁体
とから構成されている。
【0009】請求項5に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項1乃至4の何れかの構成において、前記
吸気口の内側又は外側の位置には、除塵対象面に対して
正圧の空気脈動波を送波すべく断続的な空気排出を行う
排気口が設けられている。
【0010】請求項6に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項1乃至5の何れかの構成において、前記
吸気口は、移送されるシート状又はパネル状の除塵対象
物に対面して配置されて、これら材料表面のダスト類の
除去が行われるように構成されている。
【0011】請求項7に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項6の構成において、前記吸気口の側方に
は、シート状又はパネル状の除塵対象物を吸気口から離
反させる方向に圧縮空気を排出する空気排出手段が設け
られている。
【0012】請求項8に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項6の構成において、前記吸気口の位置に
は、シート状又はパネル状の除塵対象物が吸気口に吸着
されるのを防止すべくその除塵対象物の表面に接触して
転動する押さえローラが具備され、この押さえローラの
表面には、静電気除去機能を備えた刷毛が備えられてい
る。
【0013】請求項9に記載の本発明に係る除塵装置
は、上記請求項6乃至8の何れかの構成において、前記
吸気口の前段位置には、シート状又はパネル状の除塵対
象物の表面に接触する静電気除去ブラシが設けられてい
る。
【0014】請求項10に記載の本発明に係る除塵装置
は、請求項2の構成において、空気脈動波発生装置及び
フィルターが可搬型のケースに収容されていると共に、
空気吸入経路が前記ケースの外部に接続された可撓性の
ホースで形成され、これら全体が電気掃除機として構成
されている。
【0015】
【作用】上記構成を特徴とする請求項1に記載の本発明
に係る除塵装置においては、空気脈動波発生装置で発生
させた負圧の空気脈動波を空気吸入経路の吸気口から除
塵対象物表面に送波させることができる。従って、かか
る空気脈動、即ち、空気振動によって除塵対象面に付着
しているダスト類を剥離させる作用が得られる。また、
空気脈動波は負圧であり、吸気口には吸引力を発生させ
ることができるために、除塵対象面で剥離したダスト類
を空気吸入経路内へそのまま吸引し、回収させることが
できることとなる。その結果、除塵対象物表面に比較的
強固に付着し、単なる連続的な吸引だけては除去できな
かったダスト類をも適切に剥離・除去させることがで
き、またかかるダスト類を周辺部に飛散させるようなこ
ともなく、適切に回収することができる。
【0016】請求項2に記載の本発明に係る除塵装置に
おいては、空気吸入経路内に回収させたダスト類を所定
のフィルターで適切に捕捉し、収集することができるこ
ととなる。
【0017】請求項3に記載の本発明に係る除塵装置に
おいては、空気吸入経路内の空気をブロアーによって連
続的に吸入させた状態で、脈動付与装置によってブロア
ーの吸気経路の一部を断続的に遮断及び開放させること
により、吸気口から空気吸入経路内へ吸入される空気に
脈動を生じさせることができ、これによって負圧の空気
脈動波を適切に発生させることができる。而して、かか
るブロアーを利用した空気脈動波の発生では、ブロアー
の吸・排気圧を高めることにより空気脈動波の振動圧を
容易に高めることができ、簡易な構成で振動圧の高い空
気脈動波を得ることができる。
【0018】請求項4に記載の本発明に係る除塵装置に
おいては、脈動付与装置のケーシング内で所定の弁体を
回転させることにより、空気脈動波発生口からブロアー
用接続口に到るケーシング内の空気流通経路を断続的に
遮断及び開放させることができ、これにより吸気口から
空気吸入経路内へ吸入される空気に脈動を生じさせて、
負圧の脈動波を適切に発生させることができる。而し
て、かかるケーシング内における弁体の回転動作によっ
で脈動波を発生させるようにすれば、脈動付与装置を嵩
張らせることなく小型にできる他、その機械的振動や騒
音の発生も抑制できることとなる。
【0019】請求項5に記載の本発明に係る除塵装置に
おいては、吸気口から負圧の空気脈動波を除塵対象面に
対して作用させ得ると同時に、この吸気口とは別に設け
られた排気口からは正圧の空気脈動波を除塵対象面に対
して送波させることができる。従って、負圧の空気脈動
波によるダスト類の剥離作用に加えて正圧の空気脈動波
によるダスト類の剥離作用も得られ、優れた除塵作用が
得られることとなる。
【0020】請求項6に記載の本発明に係る除塵装置に
おいては、吸気口と対面する位置でシート状又はパネル
状の除塵対象物を順次移送させれば、これらシート状又
はパネル状の除塵対象物の表面に付着していたダスト類
を適切に除去し、回収することができる。而して、かか
る場合において、請求項7に記載の本発明に係る除塵装
置では、所定の空気排出手段から除塵対象物に対して圧
縮空気を排出させて、除塵対象物を吸気口から離反させ
ることができる。従って、シート状又はパネル状の除塵
対象物自体が吸気口側へ吸引されて吸気口に接触し、損
傷するようなことを適切に回避できることとなる。
【0021】請求項8に記載の本発明に係る除塵装置で
は、押さえローラによってシート状又はパネル状の除塵
対象物を押さえることにより、やはり除塵対象物が吸気
口側に吸引されて不当に接触するようなことを防止でき
る。そして、これと同時に、押さえローラの表面の刷毛
によって除塵対象物表面に付着しているダスト類を刷毛
との機械的な接触作用によって剥離させることができる
他、除塵対象物に帯電している静電気の除去も図れる。
従って、静電気に原因して除塵対象物に強固に付着して
いるダスト類であっても、その除去・回収を適切に行う
ことが可能となる。
【0022】請求項9に記載の本発明に係る除塵装置で
は、吸気口の前段位置に設けられた静電気除去ブラシで
除塵対象物に帯電している静電気を除去することができ
る。従って、請求項8の場合と同様に、やはりダスト類
の除去を効率よく行うことができる。
【0023】請求項10に記載の本発明に係る除塵装置
では、空気脈動波発生装置及びフィルターが収容された
ケースが可搬型であり、またこのケースに接続された可
撓性のホースで空気吸入経路が形成された電気掃除機と
して構成されているために、これら全体を任意の場所に
移動させながら床面その他の所望の位置を負圧の空気脈
動波を利用して除塵・清掃することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 〔第1実施例(請求項1〜4、6、7に対応)〕図1は
本発明に係る除塵装置Aの全体構造の一例を示す概略斜
視図、図2はその要部正面図、図3は図1に示す除塵装
置Aを構成する空気脈動波発生装置1の一例を示す断面
図である。この除塵装置Aは、テープ製造装置80の巻
取ロールRから繰り出し移送される紙製のシート90を
除塵対象物とするものである。尚、テープ製造装置80
は、例えば図5に示すように、幅寸法Lの幅広の巻取ロ
ールRを切断し、それよりも幅狭の巻取テープRaを複
数製造するためのものである。具体的には、図1におい
て、巻取ロールRから繰り出し移送されるシート90
を、モータM1によって駆動回転される円板状のカッタ
ー刃91、91によって切断し、シート90の長手方向
に連続したスリット92、92を形成する。そして、そ
の切断されたシート90を複数の巻取テープRaとして
巻き取るように構成されている。かかる工程では、シー
ト90の切断により紙粉としてのダストが発生し、これ
がシート90の表面に付着する事態が発生する。本実施
例に係る除塵装置Aはかかるダストを除去するためのも
のである。
【0025】除塵装置Aを構成する機器としては、空気
脈動波発生装置1、この空気脈動波発生装置1の空気脈
動波発生口20aに接続された配管30A、この配管3
0A内に形成された空気吸入経路3、この空気吸入経路
3の先端側に開口して形成された吸気口30、空気吸入
経路3の後端に設けられたフィルター4、及び後述の各
機器を具備している。
【0026】上記のうち、空気脈動波発生装置1は、負
圧の空気脈動波を発生させるためのもので、ブロアー5
と、このブロアー5の前段側に接続された脈動付与装置
2とから構成されている。ここで、脈動付与装置2は、
図3に示すように、空気脈動波発生口20aを先端側に
形成し且つブロアー用接続口20bを後端側に形成した
ケーシング20、このケーシング20内に配置された略
円板状の弁体21、この弁体21の弁座としての役割り
を果たす貫通孔23aを備えたスペーサ23、及び弁体
21を回転軸22を中心として回転させるためのモータ
M等を具備している。ケーシング20のブロアー用接続
口20bには、ブロアー5の空気吸入側が配管30Bを
介して接続され、ケーシング20内の空気をブロアー5
によって吸入し、外部に排気できるように構成されてい
る。
【0027】弁体21は、貫通孔状の通気孔21aを有
するもので、この通気孔21aがブロアー用接続口20
bの開口位置に対峙し、一致したときには、ケーシング
20内の空気がブロアー5によって吸気される。従っ
て、その際には空気脈動波発生口20aに負圧・吸引力
が発生する。これに対し、図4に示すように弁体21が
回転し、その通気孔21aがブロアー用接続口20bの
開口位置に対峙しないときには、ブロアー用接続口20
bが弁体21によって閉塞された状態となり、ケーシン
グ20内からブロアー5側への空気吸入は停止される。
その際には、空気脈動波発生口20aには負圧・吸引力
は発生しない状態となる。従って、この脈動付与装置2
では、前記弁体21が連続して回転することにより、空
気脈動波発生口20aに間歇的な負圧・吸引力が発生
し、図6に示すような波形の空気脈動波を発生させるこ
とができる。
【0028】尚、脈動付与装置2に接続されるブロアー
5としては、前記ケーシング20内の空気を所定の負圧
で吸入できるものであればよい。従って、本発明では、
リングブロワーやルーツブロアー等の各種ブロアーの
他、真空ポンプ等もブロアーの概念に含まれる。また、
かかるブロアー5は、連続して稼働させておけばよい。
この場合、例えば図4に示すようにブロアー用接続口2
0bが閉塞された際には、配管30Bが詰まりを生じた
のと同様となるが、その時間は短時間であり、これによ
ってブロアー5の稼働に支障を来すようなことはない。
却って、かかる状態時には、配管30B内の圧力を低下
させることができるため、空気脈動波の振動圧(振幅)
を大きくすることができ、好ましい結果となる。
【0029】図1において、空気吸入経路3は、上記し
た空気脈動波発生装置1の空気脈動波発生口20aに接
続されている。従って、空気吸入経路3の吸気口30で
は、やはり空気脈動波発生装置1の運転により負圧の空
気脈動波が発生されることとなり、断続的な空気吸入を
行うこととなる。尚、吸気口30は、シート90の全面
のダスト除去が可能となるように、その横幅はシート9
0の横幅と同幅又はそれよりも広幅に形成されて、シー
ト90の移送位置の上方に配置されている。また、吸気
口30の設定高さは任意に調整できるように配慮されて
いる。フィルター4は、ダスト類を捕集するためのもの
で、空気吸入経路3内の空気流通を妨げないように通気
性を具備している。また、このフィルター4は、目詰ま
りを生じたような場合に適宜取り替えできるように配管
30Aへの着脱が容易に行えるように配慮されている。
【0030】また、本実施例では、吸気口30の左右両
側の位置には、2本のパイプ6a、6bが配置されてい
る。これら各パイプ6a、6bの下面側には、小径の排
気孔7が一定ピッチで多数穿設されており、前記ブロア
ー5とは別に設けられたブロアー5Aから供給される圧
縮空気がそれら多数の排気孔7・・からシート90の表
面に対して連続的に又は断続的に排気されるように構成
されている。
【0031】本実施例に係る除塵装置Aは以上の構成か
らなるために、テープ製造装置80のカッター刃91、
91でシート90を切断する際に、シート90の紙粉が
ダストとして発生しても、これらのダスト類は吸気口3
0に吸引され、シート90の表面上のダスト類を除去す
ることができる。また、空気吸入経路3内に吸引された
ダスト類はフィルター4で捕集され、適切な廃棄処理が
行える。而して、吸気口30では、単なる吸気がなされ
ているだけではなく、負圧の空気脈動波(例えば10H
z程度の低・中周波域の脈動波)が発生された状態であ
る。従って、この吸気口30に対面するシート90の位
置(図2の領域C)の表面は振動し、シート90に付着
しているダスト類の剥離現象が生じる。その結果、連続
した単なる空気吸入だけでは除去できなかったダスト類
も、適切に除去し、回収できることとなる。
【0032】尚、吸気口30の吸引力はシート90にも
作用するが、このシート90は吸気口30の左右両側に
配置されたパイプ6a、6bから排気される圧縮空気に
よって下向きに押しやられることにより、シート90が
吸気口30に不当に吸引されるようなことはない。ま
た、パイプ6a、6bからシート90に対して圧縮空気
が吹き付けられことによっても、シート90の表面上に
付着したダスト類を剥離し、又は遊離させることがで
き、シート90の清浄化が促進されることとなる。
【0033】〔第2実施例(請求項8、9に対応)〕図
7は本発明に係る除塵装置Aaの他の実施例を示す説明
図である。この除塵装置Aaは、基本的な構成は第1実
施例と同様であるが、第1実施例のパイプ6a、6bに
代えて、吸気口30の内部に押さえローラ8を設け、ま
た吸気口30の前段側の位置に静電気除去ブラシ9を設
けた構成である。このうち、押さえローラ8は、配管3
0Aの内側のブラケット10に取付けられたホルダー1
1に支持されているが、このホルダー11内には伸縮可
能なバネ12が介在されている。かかる構成により、押
さえローラ8は、適当な押圧力でシート90に当接する
ように設けられている。また、この押さえローラ8の外
周面には、有機導伝性繊維等で構成された静電気除去機
能を有する刷毛13が設けられている。静電気除去ブラ
シ9は、前記押さえローラ8の刷毛13と同様な静電気
除去機能を有するもので、その先端部がシート90の表
面に接触するように設けられている。また、この静電気
除去ブラシ9は、その高さ調整が自在となるように配慮
されている。
【0034】上記構成の除塵装置Aaでは、吸気口30
に吸引力を発生させても、シート90は押さえローラ8
でその上昇が阻止されていることにより、やはりシート
90が吸気口30へ不当に吸引されるようなことが防止
される。一方、ダスト類の除去に際しては、先ずシート
90の表面に静電気除去ブラシ9が接触していることに
より、シート90に帯電していた静電気が除去される。
シート90の移送処理等を行う際には静電気が帯電し易
く、この静電気の作用によってダスト類が強固に付着す
る場合があるが、この静電気を除去すれば、ダスト類の
除去はかなり容易となる。かかる静電気の除去は、静電
気除去機能を備えた押さえローラ8の刷毛13によって
も一層徹底される。従って、吸気口30の位置では、静
電気のない状態で、紙粉等のダスト類を負圧の空気脈動
波によって効率よく除去し、回収することができること
となる。また、静電気除去ブラシ9がシート90に接触
しているため、このブラシの機械的な接触によってシー
ト90の表面に付着していたダスト類が強制的に剥離さ
れる作用も生じ、ダスト類の除塵効率は一層良好とな
る。
【0035】尚、上記構成では、押さえローラ8の刷毛
13と静電気除去ブラシ9の双方で静電気除去を行うよ
うにしたが、本発明はこのように限定されない。静電気
除去ブラシ9を設けた場合には、刷毛13を備えた押さ
えローラ8に代えて、刷毛13を具備しない単なるロー
ラを適用するようにしてもよい。また逆に、刷毛13を
具備した押さえローラ8を用いる場合には、静電気除去
ブラシ9を除去してもよい。但し、この場合には、図8
に示すように、押さえローラ8を吸気口30の前側に配
置させて、押さえローラ8よりも後方側の開口面積(寸
法L1に相当)を大きくすれば、除塵効率を高めること
ができ、好ましい。
【0036】〔第3実施例(請求項5に対応)〕図9は
本発明に係る除塵装置Abの他の実施例を示す全体の説
明図である。この除塵装置Abは、空気脈動波発生装置
1Aとして、負圧の空気脈動を発生させるための脈動付
与装置2とは別に、正圧の空気脈動を発生させるための
脈動付与装置2Aが別途追加して設けられている。そし
て、この脈動付与装置2Aで発生される正圧の空気脈動
波は、配管30cを介して吸気口30の内側に設けられ
た排気口31の位置まで導かれるように構成されてい
る。
【0037】かかる構成では、排気口31からシート9
0に対して正圧の空気脈動波が送波されると共に、排気
口31の周囲に開口した吸気口30からは負圧の空気脈
動波が発生された状態となる。従って、シート90の表
面のダスト類の除去に際しては、負圧による空気脈動だ
けではなく、正圧の空気脈動も付加され、シート90に
付与される振動の振幅は倍増される。その結果、空気振
動によるダスト類の剥離効果は一層優れたものとなり、
除塵効率が高まることとなる。また、排気口31から排
気された空気は効率よく吸気口30から吸気されるの
で、正圧の空気脈動波の影響によってダスト類が吸気口
30の周辺外部へ飛散するようなことも解消することが
可能である。尚、排気口31は必ずしも吸気口30の内
側に配置させる必要はない。排気口31を吸気口30の
外側に配置させるようにしても上記と同様な作用を得る
ことが可能である。
【0038】上記の空気脈動波発生装置1Aとしては、
例えば図10に示すように、脈動付与装置2Aを具備し
た構成とすればよい。すなわち、脈動付与装置2Aは、
他方の負圧用の脈動付与装置2と基本的な構成は同様で
あり、ケーシング20’のブロアー用接続口20b’を
ブロアー5の空気排出口5b側に接続させている点で他
方の脈動付与装置2と実質的に相違するに過ぎない。こ
の脈動付与装置2Aでは、弁体21’の通気孔21a’
がブロアー用接続口20b’と対峙して連通する際に
は、ブロアー5からケーシング20’内に空気供給がな
され、空気脈動波発生口20a’からは空気排出がなさ
れる。これに対し、弁体21’がブロアー用接続口20
b’を閉塞する位置に回転したときには、ケーシング2
0’内への空気供給はなされず、空気脈動波発生口20
a’からの空気排出は停止される。従って、弁体21’
を連続回転させることにより、空気脈動波発生口20
a’からは断続的な空気排出を行わせて、正圧の空気脈
動波を発生させることができる。
【0039】尚、2つの脈動付与装置2、2Aの各回転
軸22、22’を相互に連結すれば、一台のモータMで
2つの脈動付与装置2、2Aを稼働させることができ合
理的である。また、ブロアー5を脈動付与装置2、2A
の双方に接続させれば、それら全体の装置構成を一層簡
素にでき好ましい。但し、本発明では、必ずしもこのよ
うに構成することは要件ではなく、例えば負圧の空気脈
動波を発生させる空気脈動波発生装置とは全く別に正圧
の空気脈動を発生させるための装置を構成し、設けるよ
うにしてもよい。
【0040】〔第4実施例(請求項10に対応)〕図1
1は本発明に係る除塵装置Acを電気掃除機として構成
した場合の一例を示す一部切欠断面図である。この除塵
装置Acは、図3に示したブロアー5と脈動付与装置2
とから構成された空気脈動波発生装置1を小型化し、キ
ャスター40を備えた合成樹脂製等の可搬型のケース4
1内に収容させたものである。空気脈動波発生口20a
にフィルター4を介して接続された空気吸入経路3は、
ケース41の外部に接続された可撓性のホース30Dに
よって形成されている。また、フィルター4は、多量の
ダストを捕集し、収容できるように配慮される等、各部
は必要に応じて適宜設計変更されている。かかる電気掃
除機タイプの除塵装置Acでは、家庭内等で床面等を清
掃する際において、床面等に付着したダスト類を空気脈
動波によって剥離させてから吸入し、回収させることが
でき、優れた清掃が行えることとなる。尚、弁体21の
回転を停止させて、その通気孔21aがブロアー用接続
口20bに連通した状態のままにすれば、空気脈動波は
発生されず、通常の電気掃除機と同様に、吸気口30か
らは単なる連続した吸気を行わせることが可能である。
【0041】〔他の実施例〕図12は、空気脈動波発生
装置1Bの他の実施例を示す説明図である。この空気脈
動波発生装置1Bは、円筒状に形成されたケーシング2
0Aの外周壁面部24に、空気脈動波発生口20a及び
ブロアー用接続口20bを形成したものである。また、
弁体21Aは、ケーシング20A内を二つの空間室25
A、25Bに仕切った状態を維持するように回転軸22
Aを中心として回転する。かかる構成では、ケーシング
20A内の空気をブロアー5で吸気させている場合にお
いて、弁体21Aが同図の一点鎖線に示す位置では空気
脈動波発生口20aから外部の空気を吸気させることが
できる。これに対し、同図の実線に示す位置に回転した
ときには、空気脈動波発生口20aから外部の空気を吸
気させることができない。従って、上記構成の装置であ
っても、負圧の空気脈動波を適切に発揮させることがで
き、本発明ではかかるタイプの空気脈動波発生装置を適
用しても何ら構わない。
【0042】また、上記実施例のうち、第1〜第3実施
例では、シート90を除塵対象物の一例として説明した
が、かかる各実施例の除塵装置の構成は、例えばパネル
状の物品又は材料を除塵対象物とする場合にも有効であ
る。尚、請求項1〜5及び請求項10に記載の本発明で
は、除塵対象となる具体的な物品、材料、部位等は一切
限定されない。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、請求
項1乃至10に記載の本発明に係る除塵装置によれば、
負圧の空気脈動波による振動作用を利用して除塵対象面
に付着しているダスト類を剥離させると共に、その剥離
させたダスト類を負圧により適切に吸入し、回収させる
ことができるので、従来の単なる連続的な空気吸入のみ
では除去できなかったダスト類を適切に除去し、またダ
スト類を周辺部に飛散させるようなこともなく効率のよ
い除塵・回収が行えるという効果が得られる。
【0044】特に、請求項2に記載の本発明では、空気
吸入経路内に回収させたダスト類を所定のフィルターで
適切に捕集することができるので、ダスト類が空気脈動
波発生装置側へ侵入することを防止してこれら装置の保
護が図れ、またフィルターで捕集したダスト類の廃棄処
理等にも便宜が図れる利点が得られる。
【0045】請求項3に記載の本発明によれば、ブロア
ーを利用して負圧の空気脈動波を発生させることができ
るために、ブロアーの吸・排気圧を高めることにより空
気脈動波の振動圧を容易に高めることができ、振動圧の
高い空気脈動波によってダスト類の剥離作用を促進する
ことができる利点が得られる。
【0046】請求項4に記載の本発明によれば、ブロア
ーに接続された所定のケーシング内で弁体を回転させる
ことにより脈動波を発生させるために、脈動付与装置を
小型に製作できると共に、かかる装置の機械的振動や騒
音の発生も抑制できる利点が得られる。
【0047】請求項5に記載の本発明によれば、負圧の
空気脈動波によるダスト類の剥離作用に加えて正圧の空
気脈動波によるダスト類の剥離作用も相乗的に得られ、
一層優れた除塵作業が行える効果が得られる。
【0048】請求項7に記載の本発明によれば、シート
状又はパネル状の除塵対象物に付着したダスト類を除去
し回収させる際において、除塵対象物が吸気口側へ吸引
されて吸気口に接触し、損傷するようなことを適切に回
避できる利点が得られる。
【0049】請求項8に記載の本発明によれば、除塵対
象物が吸気口側に吸引されて不当に接触するようなこと
を押さえローラによって防止できる他、除塵対象物表面
に付着しているダスト類を刷毛との機械的な接触作用に
よって剥離させ、しかも除塵対象物に帯電している静電
気の除去も図れる。従って、静電気の作用等によって除
塵対象物に強固に付着しているダスト類であっても、そ
の除去・回収を適切に行うことができる効果が得られ
る。
【0050】請求項9に記載の本発明によれば、除塵対
象物に帯電している静電気を静電気除去ブラシで除去で
きるから、やはりダスト類の除去を効率よく行うことが
できる効果が得られる。
【0051】請求項10に記載の本発明によれば、電気
掃除機として構成されているために、これら全体を任意
の場所に移動させながら床面その他の所望の位置の除塵
・清掃が効率良く且つ適切に行える利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除塵装置の第1実施例を示す斜視
図。
【図2】図1に示す除塵装置の要部構成を示す正面図。
【図3】図1に示す除塵装置における空気脈動波発生装
置の一例を示す断面図。
【図4】図3に示す空気脈動波発生装置の動作状態の一
例を示す断面図。
【図5】除塵対象となるシートの加工処理形態の一例を
示す斜視図。
【図6】図3で示す空気脈動波発生装置で発生される空
気脈動波の波形の一例を示す説明図。
【図7】本発明に係る除塵装置の第2実施例を示す説明
図。
【図8】図7に示す除塵装置の他の態様を示す説明図。
【図9】本発明に係る除塵装置の第3実施例を示す説明
図。
【図10】図9に示す除塵装置に適用される空気脈動波
発生装置の一例を示す断面図。
【図11】本発明に係る除塵装置の第4実施例を示す一
部切欠断面図。
【図12】本発明に係る除塵装置に適用される空気脈動
波発生装置の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1,1A,1B 空気脈動波発生装置 2,2A 脈動付与装置 3 空気吸入経路 4 フィルター 5 ブロアー 6a,6b パイプ 7 排気孔 8 押さえローラ 9 静電気除去ブラシ 13 刷毛 20,20A ケーシング 20a 空気脈動波発生口 20b ブロアー用接続口 21,21A 弁体 21a 通気孔 22,22A 回転軸 30 吸気口 30A〜30D 配管 31 排気口 41 ケース 90 シート A,Aa〜Ac 除塵装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負圧の空気脈動波を発生させる空気脈動波
    発生装置と、この空気脈動波発生装置の空気脈動波発生
    口に接続された空気吸入経路とを有し、この空気吸入経
    路の先端側に形成された吸気口から間歇的な空気吸入が
    なされることにより除塵対象面に付着したダスト類を空
    気吸入経路内へ吸入させて回収するように構成されてい
    ることを特徴とする除塵装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記空気吸入経路に
    は、吸気口から吸引されたダスト類を捕集するための通
    気性を備えたフィルターが設けられている除塵装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、上記空気脈動波
    発生装置は、空気吸入経路内の空気を吸入して吸気口に
    負圧を生じさせるブロアーと、このブロアーの吸気経路
    の一部を断続的に遮断及び開放させることにより吸気口
    から空気吸入経路内へ吸入される空気に脈動を生じさせ
    る脈動付与装置とから構成されている除塵装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、上記脈動付与装置は、
    空気脈動波発生口及ブロアーの空気吸入側と配管接続さ
    れるブロアー用接続口を各々形成したケーシングと、こ
    のケーシング内に回転自在に設けられ且つその回転動作
    によって空気脈動波発生口からブロアー用接続口に到る
    ケーシング内の空気流通経路を断続的に遮断及び開放さ
    せる弁体とから構成されている除塵装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかの請求項におい
    て、上記吸気口の内側又は外側の位置には、除塵対象面
    に対して正圧の空気脈動波を送波すべく断続的な空気排
    出を行う排気口が設けられている除塵装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5の何れかの請求項におい
    て、上記吸気口は、移送されるシート状又はパネル状の
    除塵対象物に対面して配置されて、これら材料表面のダ
    スト類の除去が行われるように構成されている除塵装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6において、上記吸気口の側方に
    は、シート状又はパネル状の除塵対象物を吸気口から離
    反させる方向に圧縮空気を排出する空気排出手段が設け
    られている除塵装置。
  8. 【請求項8】請求項6において、上記吸気口の位置に
    は、シート状又はパネル状の除塵対象物が吸気口に吸着
    されるのを防止すべくその除塵対象物の表面に接触して
    転動する押さえローラが具備され、この押さえローラの
    表面には、静電気除去機能を備えた刷毛が備えられてい
    る除塵装置。
  9. 【請求項9】請求項6乃至8の何れかの請求項におい
    て、上記吸気口の前段位置には、シート状又はパネル状
    の除塵対象物の表面に接触する静電気除去ブラシが設け
    られている除塵装置。
  10. 【請求項10】請求項2において、上記空気脈動波発生
    装置及びフィルターが可搬型のケースに収容されている
    と共に、空気吸入経路が前記ケースの外部に接続された
    可撓性のホースで形成され、これら全体が電気掃除機と
    して構成されている除塵装置。
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