JPH0634315Y2 - 混合容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は異種の調剤を隔離して収納し、使用時にこれら
調剤を混合して使用する混合容器に関する。

「従来の技術」 周知のように、毛染め或いはパーマネント等の整髪にお
ける用剤は異種の液状調剤を混合して用いるが、混合し
た状態で保存すると科学反応で効力を失うおそれがある
ので、使用時に混合して用いられる。

この種の混合容器の一例として、口部に破断刃を付設し
て第１液を収納した第１の容器に、上部開口にはキャッ
プを、底部開口をアルミシールで封止して第２液を収納
した第２の容器を螺合積重し、混合に際し第２の容器を
第１の容器側に螺動し破断刃でアルミシールを破断して
開封し混合される構造のものがある。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来容器によれば、簡単な操作で２液混合できる
が、破断刃は混合液容器となる第１の容器側に取付けら
れているので、混合液注出時、混合液が破断刃に当り飛
散し注ぎ出しにくいという欠点がある。

本考案は、破断刃を第２剤収納の第２の容器側に内接
し、従って第１の容器側には他の何の部材をも付設しな
い構造として、混合液の注ぎ出しに液飛散等支障のない
ようにした混合容器を得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の混合容器は、第１剤収納用の第１の容器１と、
弾性変形可能な逆カップ状であって、下端開口から外向
きフランジ６を設け、この開口をアルミシール７で封止
して第２剤を収納し、かつ刃先がアルミシール７に近接
する破断刃８を内設し、前記第１の容器１の口頚部９口
頂面上に設置された第２の容器２と、上半部を縮径して
中間部に段部10を形成した筒状であって、この段部10で
前記外向きフランジ６を押えて下半部を前記口頚部９外
面に螺着して第２の容器２を固定する中間部材３と、こ
の中間部材３の前記段部10上面に遊嵌された安全用のリ
ング４と、頂壁裏面から押込み部11を垂設して前記リン
グ４上に乗るように前記中間部材３の上半部に半螺合さ
れ、混合時にはリング４除去後ねじ込み下降され押し込
み部11により第２の容器２を頂面から押込み変形して破
断刃８を下降させ、アルミシール７を破断するキャップ
５とで構成している。

「作用」 上記において、常時に流通時には第１図のようにキャッ
プ５はリング４のため下降が制限され中間部材３の上半
部に半螺合の状態にあり、この位置で押込み部材11は第
２の容器２の頂面に近接はしているがこの容器２を押込
むに至らず、従って破断刃８はアルミシール７に届か
ず、このアルミシール７は破断されることなく第２剤を
封止している。

混合時には、キャップ５を一旦外してリング４を除去
し、この後キャップ５を再び螺合し、このキャップ５を
一杯にねじ込む、つまり下降させればよい。すると、押
込み部11は同体に下降し第２図のように第２の容器２を
頂面から押込み変形させ、これにより破断刃８を押下げ
るのでこの破断刃８が下降してアルミシール７を破断開
封し、第２剤を下方第１の容器１内に流下させて２剤を
混合させる。

混合後は中間部材３を介し第２の容器２、破断刃８、パ
ッキング15及びキャップ５を外し、第１の容器１から外
部に混合剤を注ぎ出す。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案の混
合容器は、第２剤収納の第２の容器２を弾性変形可能な
逆カップ状とし、かつこの容器２の封止用アルミシール
７を破断する破断刃８はこの容器２に内設し、第１の容
器１側にはこの破断刃８等他の部品を付設せず、混合液
の外部注出に支障のないようにした点に特徴を有する。

第１剤収納の第１の容器は、上部の口頚部９外面にねじ
山を形成した通常の形態のものである。第２剤収納の第
２の容器２は、弾性変形可能な逆カップ状であって、下
端開口周縁から外向きフランジ６を設け、この開口をア
ルミシール７で封止し、また内部に破断刃８を取付け固
定して前記第１の容器１の口頚部９口頂面に設置してあ
る。

前記破断刃８は天板12の中心部下面から棒13を垂設し、
この棒13周りから４枚の刃8aを放射方向に突設したもの
で、各刃8aは下面を内下がりに傾斜させ、この傾斜下面
を刃先としており、天板12周縁を第２の容器２胴体上部
内周面の係合突条14に係止させて落下しないように固定
し、第１図の通常時においては刃先がアルミシール７に
届かず、このアルミシール７を破断しないように取付け
てある。

中間部材３は、筒状体の上半部を縮径して中間部に段部
10を形成し、下半部内面にはねじ溝を、上半部外面には
ねじ山を形成しており、下半部を前記第１の容器１の口
頚部９外面に螺着し、このとき段部10で第２の容器２の
外向きフランジ６を押さえてこの容器２を固定してい
る。この場合、口頚部９口頂面と外向きフランジ６間に
パッキング15を介挿して第１の容器１を液密化してい
る。このパッキング15は単に口頚部口頂面に乗せた状態
でもよく、またその周縁を中間部材３内面に設けた浅溝
に係合させ、一体的な取付けとしてもよい。

リング４は、短筒上の形状で前記中間部材３の上半部外
面に遊嵌され、段部10上面に乗っている。

キャップ５は、頂壁裏面中央部から筒状の押込み部11を
垂設し、また内面にねじ溝を形成しており、前記中間部
材３の上半部に螺合装着させる。

このキャップ５は、常時においてはリング４のため下降
が制限されて半螺合の状態にあり、この半螺合の位置で
押込み部11は第１図のように第２の容器２の頂面に近接
はするが押下げるには至らない状態であるよう整定さ
れ、従ってリング４を除去すると一杯にねじ込み下降で
き、この下降で押し込み部11は第２の容器２を変形させ
て破断刃８を下降させ、アルミシール７を破断して２剤
を混合できる。

上記実施例では、破断刃８は十字形の刃8aを持つものを
示したが、これはアルミシール７が破断開封できればよ
く、この形状に限定されない。またこの破断刃８は、係
合突条14に天板12を係合して第２の容器２内に取付け固
定しているが、この取りつけ手段も適宜任意でよい。
尚、上記各部は、アルミシール７を除き、合成樹脂材で
成形形成する。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、第２剤収納用の第２の容器２
を弾性変形可能な逆カップ状とし、この第２の容器２の
底部開口封止用アルミシール７を破断開封する破断刃８
をこの容器２に内設し、第１の容器１側にはこの破断刃
８等他部品を付設しない構成としたので、混合液の注出
が妨げられたりすることなく、注ぎ出し易い。しかも、
流通過程ではリング４がキャップ５の下降を防止してい
るので安全であり、また混合操作はこのリング４を外し
てキャップ５をねじ込めばよく、何の面倒もなく簡便で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案混合容器の一実施例の半部縦
断面図を示し、第１図は常時、第２図は混合時の図であ
る。 １…第１の容器、２…第２の容器 ３…中間部材、４…リング ５…キャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１剤収納用の第１の容器１と、弾性変形
   可能な逆カップ状であって、下端開口から外向きフラン
   ジ６を設け、この開口をアルミシール７で封止して第２
   剤を収納し、かつ刃先がアルミシール７に近接する破断
   刃８を内設し、前記第１の容器１の口頚部９口頂面上に
   設置された第２の容器２と、上半部を縮径して中間部に
   段部10を形成した筒状であって、この段部10で前記外向
   きフランジ６を押えて下半部を前記口頚部９外面に螺着
   して第２の容器２を固定する中間部材３と、この中間部
   材３の前記段部10上面に遊嵌された安全用のリング４
   と、頂壁裏面から押込み部11を垂設して前記リング４上
   に乗るように前記中間部材３の上半部に半螺合され、混
   合時にはリング４除去後ねじ込み下降され押し込み部11
   により第２の容器２を頂面から押込み変形して破断刃８
   を下降させ、アルミシール７を破断するキャップ５とか
   らなる混合容器。