JPH06340995A - 高耐食性懸架用ばねの製造方法 - Google Patents
高耐食性懸架用ばねの製造方法Info
- Publication number
- JPH06340995A JPH06340995A JP13045093A JP13045093A JPH06340995A JP H06340995 A JPH06340995 A JP H06340995A JP 13045093 A JP13045093 A JP 13045093A JP 13045093 A JP13045093 A JP 13045093A JP H06340995 A JPH06340995 A JP H06340995A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spring
- nickel
- series
- manufacturing
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Springs (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 塗装耐食性が良く、しかも遅れ破壊の無い高
耐食性懸架用ばねの製造方法を提供する。 【構成】 均熱処理、熱間成形、焼き入れ、焼き戻し、
ストレスピーニング、化成処理、塗装など、あるいは均
熱処理、冷間成形、焼き戻し、ストレスピーニング、化
成処理、塗装などの一連の工程を経た懸架用ばねの製造
方法において、ばね用鋼材の少なくとも一部分表面に予
めニッケルを電気めっきし、一連のばね製造工程を経て
成る。 【効果】 均熱処理の際に鋼材中の水素を放出すると共
にニッケルは拡散浸透するので、塩害環境における懸架
用ばね材間接触部分の耐食性を向上させ、破断起点を生
じるのを妨げ、遅れ破壊を防ぐ効果が大きい。しかも一
連のばね製造工程をそのまま使用することが可能にな
り、設備コスト面の上でも効果が大きい。
耐食性懸架用ばねの製造方法を提供する。 【構成】 均熱処理、熱間成形、焼き入れ、焼き戻し、
ストレスピーニング、化成処理、塗装など、あるいは均
熱処理、冷間成形、焼き戻し、ストレスピーニング、化
成処理、塗装などの一連の工程を経た懸架用ばねの製造
方法において、ばね用鋼材の少なくとも一部分表面に予
めニッケルを電気めっきし、一連のばね製造工程を経て
成る。 【効果】 均熱処理の際に鋼材中の水素を放出すると共
にニッケルは拡散浸透するので、塩害環境における懸架
用ばね材間接触部分の耐食性を向上させ、破断起点を生
じるのを妨げ、遅れ破壊を防ぐ効果が大きい。しかも一
連のばね製造工程をそのまま使用することが可能にな
り、設備コスト面の上でも効果が大きい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装耐食性に優れた高耐
食性懸架用ばねの製造方法に関する。
食性懸架用ばねの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両懸架用ばねの防食方法は、例えば特
開昭59−222274号公報に記載されている如く、
メラミン・アルキッド系樹脂塗料やエポキシ系樹脂塗料
をばねの表面に塗布・焼き付けするのが一般的である。
しかし塗膜は、特開昭63−7334号公報に記載され
ている如く、ばねと支持部との干渉作用、小石の跳ね返
りなどにより剥離しやすいことも事実である。さらに、
例えば、ばね論文集第29号(懸架ばねの腐食疲労試験
方法に関する研究−懸架ばね腐食疲労試験委員会編)の
市場走行回収部品の調査結果によれば、塩害環境におけ
るばねの腐食による破断位置および破断起点は、座巻部
に近いばね線間接触部分であり、破断面はいずれも孔食
を起点とする疲労破面であることが確認されている。
開昭59−222274号公報に記載されている如く、
メラミン・アルキッド系樹脂塗料やエポキシ系樹脂塗料
をばねの表面に塗布・焼き付けするのが一般的である。
しかし塗膜は、特開昭63−7334号公報に記載され
ている如く、ばねと支持部との干渉作用、小石の跳ね返
りなどにより剥離しやすいことも事実である。さらに、
例えば、ばね論文集第29号(懸架ばねの腐食疲労試験
方法に関する研究−懸架ばね腐食疲労試験委員会編)の
市場走行回収部品の調査結果によれば、塩害環境におけ
るばねの腐食による破断位置および破断起点は、座巻部
に近いばね線間接触部分であり、破断面はいずれも孔食
を起点とする疲労破面であることが確認されている。
【0003】一方、これらの課題の対策として、均熱処
理する前のばね用鋼材にアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の溶融めっきを施し、オイルテンパー処理または
パテンティング処理を行いアルミニウムを拡散浸透させ
るという方法が記載されている。例えば特開昭63−7
357号公報に提案されているが塗装耐食性の点から満
足に至らず実用化されていない。
理する前のばね用鋼材にアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の溶融めっきを施し、オイルテンパー処理または
パテンティング処理を行いアルミニウムを拡散浸透させ
るという方法が記載されている。例えば特開昭63−7
357号公報に提案されているが塗装耐食性の点から満
足に至らず実用化されていない。
【0004】結局、懸架用ばねの防食方法としては、め
っきを施さずに化成処理と塗装に頼っているのが現状で
あり、製造コストを考慮したばね材間接触部分の塗装耐
食性の向上が望まれている。
っきを施さずに化成処理と塗装に頼っているのが現状で
あり、製造コストを考慮したばね材間接触部分の塗装耐
食性の向上が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、ばね材間接触部分の塗装耐食性の優れた懸架
用ばねの製造方法の提供を目的とする。
を解決し、ばね材間接触部分の塗装耐食性の優れた懸架
用ばねの製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、懸架用ば
ねのうち特に耐食性を必要とするばね材間接触部分など
の少なくとも一部分表面の塗装耐食性を向上させ、しか
も、現状のばね製造工程をそのまま利用できる高耐食性
懸架用ばねの製造方法を検討した。
ねのうち特に耐食性を必要とするばね材間接触部分など
の少なくとも一部分表面の塗装耐食性を向上させ、しか
も、現状のばね製造工程をそのまま利用できる高耐食性
懸架用ばねの製造方法を検討した。
【0007】その結果、一連のばね製造工程に入る前
に、母材との密着性が良く、しかも塗料との密着性も良
いニッケルを電気めっきし、均熱処理時の熱を利用して
ニッケルを鋼材の表面層に拡散浸透することにより本発
明の課題を解決できることを知見した。なお、懸架用ば
ねの製造工程については、当業者においては熟知されて
いるので詳細な説明を省略し、標準的な工程の記述のみ
とした。
に、母材との密着性が良く、しかも塗料との密着性も良
いニッケルを電気めっきし、均熱処理時の熱を利用して
ニッケルを鋼材の表面層に拡散浸透することにより本発
明の課題を解決できることを知見した。なお、懸架用ば
ねの製造工程については、当業者においては熟知されて
いるので詳細な説明を省略し、標準的な工程の記述のみ
とした。
【0008】本発明は、上記知見によって完成したもの
であり、本発明の要旨は、均熱処理、熱間成形、焼き入
れ、焼き戻し、ストレスピーニング、化成処理、塗装、
焼き付けなど一連の工程を経る懸架用ばねの製造方法に
おいて、均熱処理する前のばね用鋼材の少なくとも一部
分表面にニッケルを電気めっきし、均熱処理の際に鋼材
中の水素を放出して遅れ破壊を防ぐと共にニッケルを拡
散浸透させて一連のばね製造工程を経る。あるいは、均
熱処理、冷間成形、焼き戻し、ストレスピーニング、化
成処理、塗装など一連の工程を経た懸架用ばねの製造方
法において、均熱処理する前のばね用鋼材の少なくとも
一部分表面にニッケルを電気めっきし、均熱処理の際に
鋼材中の水素を放出して遅れ破壊を防ぐと共にニッケル
を拡散浸透させて一連のばね製造工程を経ることによ
り、ばね材間接触部分の母材に対する圧痕を軽減させ、
塩害環境における塗装耐食性に優れた高耐食性懸架用ば
ねを製造することにある。
であり、本発明の要旨は、均熱処理、熱間成形、焼き入
れ、焼き戻し、ストレスピーニング、化成処理、塗装、
焼き付けなど一連の工程を経る懸架用ばねの製造方法に
おいて、均熱処理する前のばね用鋼材の少なくとも一部
分表面にニッケルを電気めっきし、均熱処理の際に鋼材
中の水素を放出して遅れ破壊を防ぐと共にニッケルを拡
散浸透させて一連のばね製造工程を経る。あるいは、均
熱処理、冷間成形、焼き戻し、ストレスピーニング、化
成処理、塗装など一連の工程を経た懸架用ばねの製造方
法において、均熱処理する前のばね用鋼材の少なくとも
一部分表面にニッケルを電気めっきし、均熱処理の際に
鋼材中の水素を放出して遅れ破壊を防ぐと共にニッケル
を拡散浸透させて一連のばね製造工程を経ることによ
り、ばね材間接触部分の母材に対する圧痕を軽減させ、
塩害環境における塗装耐食性に優れた高耐食性懸架用ば
ねを製造することにある。
【0009】
【作用】まず、本発明において均熱処理の前にばね用鋼
材の表面をニッケルめっき、表面被覆金属としてニッケ
ルを選定した理由を以下に述べる。懸架用ばねの塗装耐
食性を向上させるためには、母材自体の耐食性を上げる
か、あるいは母材との密着性が良くてしかも耐食性の良
い金属をめっきする必要がある。さらにばね材間接触な
どによる圧下力に耐える硬い金属であることが望まし
い。ばねの母材としては高炭素鋼が適用され、その主成
分の鉄の水溶液系の電極反応及び標準電極電位(熱力学
データからの計算値、25℃、水素基準)は Fe2++2e- =Fe(solid)、−0.440 E0 /V である。
材の表面をニッケルめっき、表面被覆金属としてニッケ
ルを選定した理由を以下に述べる。懸架用ばねの塗装耐
食性を向上させるためには、母材自体の耐食性を上げる
か、あるいは母材との密着性が良くてしかも耐食性の良
い金属をめっきする必要がある。さらにばね材間接触な
どによる圧下力に耐える硬い金属であることが望まし
い。ばねの母材としては高炭素鋼が適用され、その主成
分の鉄の水溶液系の電極反応及び標準電極電位(熱力学
データからの計算値、25℃、水素基準)は Fe2++2e- =Fe(solid)、−0.440 E0 /V である。
【0010】これに対して、ニッケルは Ni2++2e- =Ni(solid)、−0.236 E0 /V である。(電気化学便覧 第4版(電気化学協会編、丸
善)、より)
善)、より)
【0011】ここで電極電位の絶対値が小さいほどイオ
ン化傾向が小さい、すなわち貴であり耐食性の良い金属
であることを示している。従って、耐食性の良いニッケ
ルめっきで母材が被覆されることによって母材の腐食を
妨げ、さらに塗料との密着性を極めて向上することがで
きる。しかもニッケルめっきは鋼などの母材に対して優
れた密着性を示す。
ン化傾向が小さい、すなわち貴であり耐食性の良い金属
であることを示している。従って、耐食性の良いニッケ
ルめっきで母材が被覆されることによって母材の腐食を
妨げ、さらに塗料との密着性を極めて向上することがで
きる。しかもニッケルめっきは鋼などの母材に対して優
れた密着性を示す。
【0012】さらに、ニッケルあるいはニッケル合金は
極めて硬いことから、ばね材間接触などの圧痕によって
腐食の起点を生成するのを軽減することができる。しか
し、ばね成形品に対して電気めっきを行ったのでは、め
っき時にばね材に侵入した水素を追い出すための加熱処
理工程をさらに必要とし、新たにばね強度低下の原因を
生むという悪循環をもたらす。そこで一連のばね製造工
程に入る前のばね用鋼材に予め電気めっきしておくこと
により、その後の均熱処理で遅れ破壊の原因となる鋼材
中の水素を追い出すことが可能になる。また、均熱処理
によってニッケルを鋼材表面に拡散浸透させて硬い表層
を形成すると、ばね材間接触などによる圧痕の発生を抑
えることができる。
極めて硬いことから、ばね材間接触などの圧痕によって
腐食の起点を生成するのを軽減することができる。しか
し、ばね成形品に対して電気めっきを行ったのでは、め
っき時にばね材に侵入した水素を追い出すための加熱処
理工程をさらに必要とし、新たにばね強度低下の原因を
生むという悪循環をもたらす。そこで一連のばね製造工
程に入る前のばね用鋼材に予め電気めっきしておくこと
により、その後の均熱処理で遅れ破壊の原因となる鋼材
中の水素を追い出すことが可能になる。また、均熱処理
によってニッケルを鋼材表面に拡散浸透させて硬い表層
を形成すると、ばね材間接触などによる圧痕の発生を抑
えることができる。
【0013】次に、ニッケルのめっきはばね用鋼材の全
表面でもよく、特に耐食性を必要とする一部分表面でも
よい。めっき量は、耐食性の効果を得るため0.5μm
以上が望ましい。ニッケルをめっきした後に行う均熱処
理の方法は、ガス加熱、高周波誘導加熱、オイルテンパ
ー処理、パテンティング処理などで行うが、その処理温
度は730〜950℃が好ましい。
表面でもよく、特に耐食性を必要とする一部分表面でも
よい。めっき量は、耐食性の効果を得るため0.5μm
以上が望ましい。ニッケルをめっきした後に行う均熱処
理の方法は、ガス加熱、高周波誘導加熱、オイルテンパ
ー処理、パテンティング処理などで行うが、その処理温
度は730〜950℃が好ましい。
【0014】本発明方法によれば従来のばね製造工程を
そのまま用いることができ、コスト面からも効率的に塗
装耐食性の優れた高耐食性懸架用ばねを製造することが
できる。
そのまま用いることができ、コスト面からも効率的に塗
装耐食性の優れた高耐食性懸架用ばねを製造することが
できる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例で説明する。 実施例1 ばね用線材SUP7(直径15mmφ×長さ1800mm)
を素材とし、ミルスケールをピーリング加工し、線材の
両端部400mmにニッケル電気めっき(めっき厚み、
5.6μm)を施した後、高周波誘導加熱により950
℃、10秒間均熱処理、熱間コイリング加工、水焼き入
れ、焼き戻し(390℃、20分)、ショットピーニン
グした。ニッケルめっきが施されなかった部分のために
化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着塗装
(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)して
ばね試験材とした。
を素材とし、ミルスケールをピーリング加工し、線材の
両端部400mmにニッケル電気めっき(めっき厚み、
5.6μm)を施した後、高周波誘導加熱により950
℃、10秒間均熱処理、熱間コイリング加工、水焼き入
れ、焼き戻し(390℃、20分)、ショットピーニン
グした。ニッケルめっきが施されなかった部分のために
化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着塗装
(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)して
ばね試験材とした。
【0016】一方、同様のばね用線材のミルスケールを
ピーリング加工し、高周波誘導加熱により950℃、1
0秒間均熱処理、熱間コイリング加工、水焼き入れ、焼
き戻し(390℃、20分)、ショットピーニング、化
成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着塗装(2
0μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)して比較
ばね試験材とした。
ピーリング加工し、高周波誘導加熱により950℃、1
0秒間均熱処理、熱間コイリング加工、水焼き入れ、焼
き戻し(390℃、20分)、ショットピーニング、化
成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着塗装(2
0μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)して比較
ばね試験材とした。
【0017】両者のばね試験材をサイクリック・コロー
ジョン・テスト[塩水噴霧(35℃、6時間)、乾燥
(70℃、相対湿度60%、4時間)、湿潤(49℃、
相対湿度95%、4時間)、冷却(−20℃、4時間)
の工程を1日1サイクルさせる]によって、赤錆発生面
積で評価して耐食性を比較した結果を図1に示す。ニッ
ケルめっきを施さなかった比較ばね試験材および試験材
のうちめっきを施さなかった部分は9週間後には全面赤
錆発生に至った。これに比べてニッケルめっきを施した
部分は12週間経過した後でも全く赤錆発生が認められ
なかった。
ジョン・テスト[塩水噴霧(35℃、6時間)、乾燥
(70℃、相対湿度60%、4時間)、湿潤(49℃、
相対湿度95%、4時間)、冷却(−20℃、4時間)
の工程を1日1サイクルさせる]によって、赤錆発生面
積で評価して耐食性を比較した結果を図1に示す。ニッ
ケルめっきを施さなかった比較ばね試験材および試験材
のうちめっきを施さなかった部分は9週間後には全面赤
錆発生に至った。これに比べてニッケルめっきを施した
部分は12週間経過した後でも全く赤錆発生が認められ
なかった。
【0018】実施例2 ばね用線材SUP7(直径15mmφ×長さ1800mm)
を素材とし、ミルスケールをピーリング加工し、線材の
両端部400mmにニッケル電気めっき(めっき厚み、
5.6μm)を施した後、オイルテンパー処理、冷間コ
イリング加工、焼き戻し(390℃、20分)、ショッ
トピーニング、ニッケルめっきが施されなかった部分の
ために化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着
塗装(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)
してばね試験材とした。
を素材とし、ミルスケールをピーリング加工し、線材の
両端部400mmにニッケル電気めっき(めっき厚み、
5.6μm)を施した後、オイルテンパー処理、冷間コ
イリング加工、焼き戻し(390℃、20分)、ショッ
トピーニング、ニッケルめっきが施されなかった部分の
ために化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電着
塗装(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20分)
してばね試験材とした。
【0019】一方、同様のばね用線材のミルスケールを
ピーリング加工し、オイルテンパー処理、冷間コイリン
グ加工、焼き戻し(390℃、20分)、ショットピー
ニング、化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電
着塗装(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20
分)して比較ばね試験材とした。
ピーリング加工し、オイルテンパー処理、冷間コイリン
グ加工、焼き戻し(390℃、20分)、ショットピー
ニング、化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン電
着塗装(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20
分)して比較ばね試験材とした。
【0020】両者のばね試験材をサイクリック・コロー
ジョン・テスト(実施例1と同じ)によって、赤錆発生
面積で評価して耐食性を比較した結果は実施例1(図
1)とほぼ同じ傾向を示した。ニッケルめっきを施さな
かった比較ばね試験材および試験材のうちめっきを施さ
なかった部分は9週間後には全面赤錆発生に至った。こ
れに比べてニッケルめっきを施した部分は12週間経過
した後でも全く赤錆発生が認められなかった。
ジョン・テスト(実施例1と同じ)によって、赤錆発生
面積で評価して耐食性を比較した結果は実施例1(図
1)とほぼ同じ傾向を示した。ニッケルめっきを施さな
かった比較ばね試験材および試験材のうちめっきを施さ
なかった部分は9週間後には全面赤錆発生に至った。こ
れに比べてニッケルめっきを施した部分は12週間経過
した後でも全く赤錆発生が認められなかった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、一連のばね製造工程に入る前に、ばね用鋼材の少な
くとも一部分表面に予めニッケルを電気めっきすること
により、塩害環境における懸架用ばね材間接触部分の耐
食性を向上させ、破断起点を生じるのを妨げ、さらに遅
れ破壊を防ぐ効果が大きい。しかも一連のばね製造工程
をそのまま使用することが可能となり、設備コスト面の
上でも効果が大きい。
ば、一連のばね製造工程に入る前に、ばね用鋼材の少な
くとも一部分表面に予めニッケルを電気めっきすること
により、塩害環境における懸架用ばね材間接触部分の耐
食性を向上させ、破断起点を生じるのを妨げ、さらに遅
れ破壊を防ぐ効果が大きい。しかも一連のばね製造工程
をそのまま使用することが可能となり、設備コスト面の
上でも効果が大きい。
【図1】実施例1の塗装耐食試験結果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C25D 13/16 A
Claims (2)
- 【請求項1】 均熱処理、熱間成形、焼き入れ、焼き戻
し、ストレスピーニング、化成処理、塗装、焼き付けな
ど一連の工程を経た懸架用ばねの製造方法において、均
熱処理する前のばね用鋼材の少なくとも一部分表面にニ
ッケルを電気めっきし、一連のばね製造工程を経て成る
塗装耐食性に優れた高耐食性懸架用ばねの製造方法。 - 【請求項2】 均熱処理、冷間成形、焼き戻し、ストレ
スピーニング、化成処理、塗装など一連の工程を経た懸
架用ばねの製造方法において、均熱処理する前のばね用
鋼材の少なくとも一部分表面にニッケルを電気めっき
し、一連のばね製造工程を経て成る塗装耐食性に優れた
高耐食性懸架用ばねの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13045093A JPH06340995A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13045093A JPH06340995A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06340995A true JPH06340995A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15034531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13045093A Withdrawn JPH06340995A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06340995A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002155396A (ja) * | 2000-11-14 | 2002-05-31 | Asuka Giken:Kk | 耐食性と成形性に優れたニッケルめっきオイルテンパー線及びオイルテンパー用線、及びこれら線の製造方法 |
CN103088284A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-05-08 | 天津机辆轨道交通装备有限责任公司 | 渗锌技术在铁路悬架钢制弹簧应用 |
CN115401139A (zh) * | 2021-05-28 | 2022-11-29 | 浙江正泰电器股份有限公司 | 一种弹簧的制作方法及其绕制机 |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP13045093A patent/JPH06340995A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002155396A (ja) * | 2000-11-14 | 2002-05-31 | Asuka Giken:Kk | 耐食性と成形性に優れたニッケルめっきオイルテンパー線及びオイルテンパー用線、及びこれら線の製造方法 |
CN103088284A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-05-08 | 天津机辆轨道交通装备有限责任公司 | 渗锌技术在铁路悬架钢制弹簧应用 |
CN115401139A (zh) * | 2021-05-28 | 2022-11-29 | 浙江正泰电器股份有限公司 | 一种弹簧的制作方法及其绕制机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3045612B2 (ja) | 高耐食性ニッケルめっき鋼帯およびその製造法 | |
JPH0413438B2 (ja) | ||
JPS5918473B2 (ja) | 防食性浸炭製品の製造方法 | |
JPS5855238B2 (ja) | ニッケルで被覆した鋼の防食性の改良方法 | |
DD272880A5 (de) | Kaltband mit elektrolytisch aufgebrachter nickelbeschichtung hoher diffusionstiefe und verfahren zur herstellung des kaltbandes | |
JP2001316843A (ja) | クロメート皮膜付き金属部材の製造方法、クロメート皮膜付き金属部材、及びスパークプラグ | |
JP2001323355A (ja) | めっき密着性と塗装後耐食性の良好なSi含有高強度溶融亜鉛めっき鋼板と塗装鋼板およびその製造方法 | |
JPH06340995A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH06346275A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH06330383A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH06346274A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH0797697A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH0625893A (ja) | 懸架用防食ばねの製造方法 | |
JPH0633293A (ja) | 懸架用防食ばねの製造方法 | |
JPH06179128A (ja) | 懸架用防食ばねの製造方法 | |
JPH073491A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH06346278A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPS619597A (ja) | アルミピストン | |
JPH073494A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JPH06256990A (ja) | 懸架用防食ばねの製造方法 | |
JPH06179127A (ja) | 懸架用防食ばねの製造方法 | |
JP2691325B2 (ja) | ぜんまいばね用炭素鋼製薄板の製造方法 | |
JPH0798032A (ja) | 高耐食性懸架用ばねの製造方法 | |
JP2713091B2 (ja) | 電気メッキ鋼板の製造方法 | |
JPS6358210B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000801 |