JPH06256990A - 懸架用防食ばねの製造方法 - Google Patents

懸架用防食ばねの製造方法

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JPH06256990A
JPH06256990A JP4553093A JP4553093A JPH06256990A JP H06256990 A JPH06256990 A JP H06256990A JP 4553093 A JP4553093 A JP 4553093A JP 4553093 A JP4553093 A JP 4553093A JP H06256990 A JPH06256990 A JP H06256990A
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JP
Japan
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spring
series
manganese
corrosion
shot peening
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JP4553093A
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English (en)
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Hideo Koyahara
英雄 小屋原
Yasuhiko Mitsuyoshi
康彦 三吉
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばねの破断起点となる孔食発生を防ぎ、しか
も遅れ破壊を防止した懸架用防食ばねの製造方法を提供
する。 【構成】 均熱、熱間成形、焼き入れ、焼き戻し、ショ
ットピーニング、化成処理など一連の工程を経た懸架用
ばねの製造方法、あるいは冷間成形、均熱、焼き入れ、
焼き戻し、ショットピーニング、化成処理など一連の工
程を経た懸架用ばねの製造方法において、一連のばね製
造工程を経てショットピーニングした後のばね材表面の
少なくとも一部分にマンガンを電気めっきし、別途加熱
処理工程を設け、めっき表面に緻密な不働態化皮膜を生
成させると同時に鋼材中の水素を放出させ、しかも無塗
装仕上げすることを特徴とする。 【効果】 塩害環境における腐食疲労・破断の起点とな
る孔食の発生を防ぎ、遅れ破壊を防ぐ効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐孔食性に優れた懸架用
防食ばねの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】車両
懸架用ばねの防食方法は、例えば特開昭59−2222
74号公報に記載されている如く、メラミン・アルキッ
ド系樹脂塗料やエポキシ系樹脂塗料をばねの表面に塗布
・焼き付けするのが一般的である。しかし塗膜は、特開
昭63−7344号公報に記載されている如く、ばねと
支持部との干渉作用、小石の跳ね返りなどにより剥離し
やすいことも事実である。さらに、例えばばね論文集第
29号(懸架ばねの腐食疲労試験方法に関する研究−懸
架ばね腐食疲労試験委員会編)に記載の市場走行回収部
品の調査結果によれば、塩害環境におけるばねの腐食に
よる破断位置および破断起点は、座巻部に近いばね線間
接触部分であり、破断面はいずれも孔食を起点とする疲
労破面であることが確認されている。
【0003】そこで孔食発生を防ぐための手段として、
例えば特開昭62−49035号公報に記載されている
如く、ばね母材よりも卑な金属、すなわち亜鉛をめっき
し、その上に塗装を施すことによって、ばね座部分の耐
食性の向上を図る方法がある。さらに、特開昭63−7
344号公報に記載されている如く、成形したばね本体
へ亜鉛を溶射させ、あるいはめっきを行い、比較的低い
温度の熱処理によって拡散させるなどの方法が提案され
ている。しかしながら、溶射によって亜鉛を付着させた
場合は拡散皮膜厚みが不均一になるなどの理由から実用
化されていないのが現状である。また、ばね完成品へ電
気めっきを施すということは、酸洗い、電気分解時に水
素が侵入して遅れ破壊の原因となることからあまり好ま
れていない。
【0004】一方、均熱処理する前のばね用鋼材にアル
ミニウムまたはアルミニウム合金の溶融めっきを施し、
オイルテンパー処理またはパテンティング処理を行いア
ルミニウムを拡散浸透させるという方法が、例えば特開
昭63−7357号公報に提案されている。しかしなが
ら、懸架用ばねの使用環境ではアルミニウム自体が保護
皮膜を形成するために犠牲防食作用が期待できず、耐孔
食性の効果が得られていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
懸架用ばねを孔食からまもるための新しい表面処理方法
として、一連のばね製造工程を経たショットピーニング
後のばね材表面にマンガンを電気めっきし、無塗装仕上
げして成る懸架用防食ばねの製造方法を提案する。ここ
で懸架用ばね(コイルばね、板ばね)の製造方法につい
ては、当業者においては熟知されているので詳細な説明
を省略し、標準的な工程の記述のみで説明する。
【0006】本発明の要旨は、均熱、熱間成形、焼き入
れ、焼き戻し、ショットピーニング、化成処理など一連
の工程を経た懸架用ばねの製造方法において、一連のば
ね製造工程を経たショットピーニング後のばね材表面に
マンガンを電気めっきし、めっき表面を均一で緻密な不
働態化皮膜にするために、クロメート処理および加熱処
理を施すと同時に鋼材中の水素を放出させ、遅れ破壊を
防ぎ且つ耐孔食性に優れた、無塗装仕上げすることを特
徴とする懸架用防食ばねの製造方法にある。また、冷間
成形、均熱、焼き入れ、焼き戻し、ショットピーニン
グ、化成処理など一連の工程を経た懸架用ばねの製造方
法において、一連のばね製造工程を経たショットピーニ
ング後のばね材表面にマンガンを電気めっきし、めっき
表面を均一で緻密な不働態化皮膜にするために、クロメ
ート処理および加熱処理を施すと同時に鋼材中の水素を
放出させ、遅れ破壊を防ぎ且つ耐孔食性に優れた、無塗
装仕上げすることを特徴とする懸架用防食ばねの製造方
法にある。
【0007】
【作用】懸架用ばねの破断の起点となる孔食の発生を防
ぐには、イオン化傾向がばね母材よりも卑な金属を被覆
してその犠牲防食作用を利用するのが最も一般的で確実
な方法である。ばねの母材としては高炭素鋼が適用さ
れ、その主成分の鉄の水溶液系の電極反応及び標準電極
電位(熱力学データからの計算値、25℃、水素基準)
は、 Fe2++2e- =Fe(solid)、−0.440
0 /V である。これに対して、マンガンは、 Mn2++2e- =Mn(solid)、−1.18
0 /V であり、亜鉛は Zn2++2e- =Zn(solid)、−0.7627
0 /V である。(電気化学便覧 第4版(電気化学協会編、丸
善)、より)ここで電極電位の絶対値が大きいほどイオ
ン化傾向が大きい、すなわち卑であることを示してい
る。従って、鉄の腐食を保護するための犠牲防食作用は
亜鉛よりもマンガンの方が大きいことがわかる。
【0008】さらに、亜鉛の代わりにマンガンを電気め
っきした方がよい理由について説明する。ばね材に亜鉛
をめっきした場合の耐孔食性がよいことは周知の事実で
ある。しかし、亜鉛の融点が419.5℃と比較的低い
ので、ばね製造工場内でばね材が高温度にさらされてい
る時、金属亜鉛屑が間違ってその工程内に紛れ込み、不
用意に接触するという事態が生じた場合、鋼材の結晶粒
界に浸入し亜鉛脆性割れを引き起こす。一方、マンガン
の融点は1247℃と高いので、たとえ紛れ込んだとし
ても鋼材の結晶粒界に浸入することはない。しかもマン
ガンの電気めっき法はめっき付着量を制御することは難
しくない。めっき量は通常0.2〜7μmの範囲で本発
明の効果が十分得られ、耐孔食性に優れた懸架用ばねを
製造することができる。次に、マンガンをめっきする前
にショットピーニングを行う理由は、ショットピーニン
グによってめっきが減耗されて、付着量の減少をきたさ
ないためである。
【0009】次に、マンガンをめっきしたばね完成品を
無塗装で仕上げた方がよい理由を説明する。もしも、マ
ンガンがめっきされ、しかも最終的に塗装仕上げされた
懸架用ばねが腐食環境に曝された場合、めっきしたマン
ガンは塗膜の欠陥部分から溶出して褐色の酸化物を生成
する。めっきしたマンガンは極めて活性で、塩害などの
塩素イオンの存在下で溶け出すが、一旦表面に緻密な不
働態化皮膜を生成すると殆ど溶出しなくなるのが特徴で
ある。めっき表面に緻密な不働態化皮膜を生成し、維持
するためには空気中の酸素を遮断する塗膜が存在しない
方が望ましい。これはステンレススチールが裸で使用さ
れた方が、緻密なクロムの酸化物皮膜によって内部が保
護され、孔食が発生し難くなるのと同じ原理である。す
なわちマンガンめっき材は塗装しないで裸使用された場
合に真の耐孔食性を発揮することが明らかになった。
【0010】さらに、クロメート処理および加熱処理を
施すのはめっき表面を均一で緻密な不働態化皮膜にする
と同時にめっき時に浸入した鋼材中の水素を放出させ、
遅れ破壊を防ぐためである。その場合のマンガンめっき
は鋼材の全表面でもよく、特に耐孔食性を必要とする一
部分表面でもよい。例えば、塗装を行っても線間接触の
ために塗膜が傷みやすい部分などに最も適している。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例で説明する。 実施例1 懸架用ばね鋼材SUP7を素材とし、ミルスケールをピ
ーリング(直径15mmφ)、高周波誘導加熱により95
0℃、10秒間均熱処理、熱間コイリング加工、水焼き
入れ、焼き戻し(450℃、20分)、ショットピーニ
ング、マンガンの電気めっき(めっき厚み、約3.8μ
m)を行った後、化成処理(浸漬クロメート処理)、1
80℃で60秒間加熱処理、無塗装ばね試験材とした。
【0012】一方、同様の懸架用ばね鋼材のミルスケー
ルをピーリング(直径15mmφ)、高周波誘導加熱によ
り950℃、10秒間均熱処理、熱間コイリング加工、
水焼き入れ、焼き戻し(450℃、20分)、ショット
ピーニング、化成処理(りん酸塩浸漬処理)を行った
後、カチオン電着塗装(20μm)、焼き付け硬化(1
80℃、20分)して比較ばね試験材とした。
【0013】両者(マンガンめっき材は無塗装、比較材
は塗装あり)のばね試験材をサイクリック・コロージョ
ン・テスト[塩水噴霧(35℃、6時間)、乾燥(70
℃、相対湿度60%、4時間、湿潤(49℃、相対湿度
95%、4時間)、冷却(−20℃、4時間)の工程を
1日1回サイクルさせる]によって、赤錆発生面積で評
価して耐食性を比較した結果を図1に示す。マンガンめ
っきを施さなかったばね試験材は始めのうちは塗膜の欠
陥部分から点状の赤錆を発生するが、3週間後には塗膜
を透過するように全面赤錆発生に至った。これに比べて
マンガンめっき材は6週間経過した後でも、表面に褐色
の緻密なマンガンの不働態化皮膜に覆われ、全く赤錆発
生がみられなかった。マンガンめっきの耐孔食作用が顕
著であることは明らかである。
【0014】実施例2 懸架用ばね鋼材SUP7を素材とし、ミルスケールをピ
ーリング(直径15mmφ)、冷間コイリング加工、ガス
加熱炉により900℃、30分間均熱処理、水焼き入
れ、焼き戻し(450℃、20分)、ショットピーニン
グ、酸洗い、電気マンガンめっき(めっき厚み、約3.
8μm)を行った後、化成処理(クロメート)、180
℃で60秒間加熱処理、無塗装ばね試験材とした。
【0015】一方、同様の懸架用ばね鋼材のミルスケー
ルをピーリング(直径15mmφ)、冷間コイリング加
工、ガス加熱炉により900℃、30分間均熱処理、水
焼き入れ、焼き戻し(450℃、20分)、ショットピ
ーニング、化成処理(りん酸塩)を行った後、カチオン
電着塗装(20μm)、焼き付け硬化(180℃、20
分)して比較ばね試験材とした。
【0016】両者のばね材をサイクリック・コロージョ
ン・テスト(実施例1と同じ)によって、赤錆発生面積
で評価して耐食性を比較した結果は図1とほぼ同じ傾向
を示した。マンガンめっきを施さなかったばね試験材は
3週間で全面赤錆発生に至ったのに比べて、マンガンめ
っきを施したばね試験材は6週間経過した後でも、表面
に褐色の緻密なマンガンの不働態化皮膜に覆われ、全く
赤錆発生がみられなかった。マンガンめっきの防食作用
によって極めて優れた耐孔食性が得られることが確認で
きた。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、一連のばね製造工程を経てショットピーニングした
後のばね材表面にマンガンを電気めっきし、しかも無塗
装で仕上げることにより、塩害環境における腐食疲労・
破断の起点となる孔食の発生を防ぎ、遅れ破壊を防ぐ効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐食試験結果を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 均熱、熱間成形、焼き入れ、焼き戻し、
    ショットピーニング、化成処理など一連の工程を経た懸
    架用ばねの製造方法、あるいは冷間成形、均熱、焼き入
    れ、焼き戻し、ショットピーニング、化成処理など一連
    の工程を経た懸架用ばねの製造方法において、一連のば
    ね製造工程を経たショットピーニング後のばね材表面に
    マンガンを電気めっきし、無塗装仕上げすることを特徴
    とする懸架用防食ばねの製造方法。
JP4553093A 1993-03-05 1993-03-05 懸架用防食ばねの製造方法 Withdrawn JPH06256990A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006071082A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Horikiri:Kk 板ばね及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006071082A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Horikiri:Kk 板ばね及びその製造方法
JP4488347B2 (ja) * 2004-09-06 2010-06-23 日本発條株式会社 板ばね及びその製造方法

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Effective date: 20000509