JPH0633878U - エレベータのローラガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータのローラガイドの振動減衰機構を
改良する。 【構成】 ガイドレールの案内面上を転動するローラを
枢着したスイングレバー７、このスイングレバー７を揺
動自在に枢着したベース、スイングレバー７の外側に固
定した摩擦片２０、ベースの立枠部４ａにＬ字型の板ば
ねブラケット２１を介して取り付けた調整ボルト２２と
を備え、スイングレバー７が揺動すると、調整ボルト２
２の頭部２２ａと摩擦片２０との間の摩擦力によって、
スイングレバー７の揺動による振動を減衰させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エレベータのローラガイドの振動減衰機構の改良に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来のエレベータのローラガイドを図により説明する。 図３はエレベータかごの全体概略図、図４は図３のＡ−Ａ断面図、図５は図４ の一部を省略したＢ−Ｂ断面図であり、ローラガイドの概略正面図、図６は図５ のＣ部詳細図である。 図において、１は昇降路に立設されたガイドレール、２はエレベータかご、３ はかご２の上下４箇所に設けたローラガイドである。

【０００３】 ４はかご２に固定されたローラガイド３のベースであり、立枠部４ａを有して いる。５はガイドレール１の頭部１ａの両側面及び頂面の案内面を転動してかご ２の昇降を案内するローラであり、各ローラ５はそれぞれ軸６によりスイングレ バー７に枢着され、スイングレバー７は軸８によりベース４に枢着されている。 １０はスイングレバー７を貫通して立枠部４ａに立設された支持棒で、緩衝ばね １１により、軸８を中心にして、ローラ５を常にガイドレール１方向に圧接して いる。１２は、スイングレバー７に空けられたねじ穴１３内に上下動可能に挿入 され、ばね１４を介して調整ボルト１５によって、支持棒１０に押し付けられた 摩擦片であり、調整ボルト１５により、摩擦片１２と支持棒１０との間の摩擦力 の値を調整できるようになっている。

【０００４】 ところで、ガイドレール１からかご２へ伝わる振動には、ガイドレール１の部 分的な凹凸，継ぎ目部の段差，据付誤差等に起因する、比較的振動数の高い振動 の他に、据付誤差や真直度誤差等によるガイドレール１の曲がりに起因する、比 較的振動数の低い周期的な振動がある。 このうち、比較的振動数の高い前者の振動は、緩衝ばね１１によりかご２内へ の振動伝達を抑えることができる。しかし、比較的振動数の低い後者の周期的な 振動の場合、かご２が共振現象を起こす場合があり、緩衝ばね１１のみでは防振 できないため、摩擦片１２と支持棒１０との間の摩擦力により、振動を減衰させ ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来装置においては、スイングレバー７は軸８を中心とした円弧に沿って 揺動するため、図６において、摩擦片１２は支持棒１０に対して、相対的に上下 及び左右に移動することになる。従って、摩擦片１２と支持棒１０との間に適切 な摩擦力が働き、スイングレバー７がスムーズに揺動できるためには、摩擦片１ ２はねじ穴１３内をスムーズに上下動できなければならない。

【０００６】 しかしながら、摩擦片１２は支持棒１０から上下及び左右方向の力を同時に受 ける、即ち斜め方向の力を受けるため、ねじ穴１３内で引っ掛かり、スムーズに 上下動できない場合があった。このような場合、摩擦片１２と支持棒１０との間 に適切な摩擦力を確保することができず、また、スイングレバー７はスムーズに 揺動できなくなるため、十分な振動防止効果が発揮できなくなり、場合によって は、支持棒１０が変形する可能性もあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、摩擦片をねじ穴のようなスイングレバーの内部ではなく、スイング レバーの外側に取り付けるとともに、この摩擦片に接する摩擦部をベースの立枠 部に設け、更に、摩擦片とスイングレバーの間、又は、摩擦部とベースの間の少 なくとも一方にばね等の弾性体を設けた構成にしたものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、摩擦片がスイングレバーの外側に取り付けられており、従来 のねじ穴のような摩擦片の動きを拘束するものがないため、スイングレバーの揺 動がスムーズに行えるとともに、適切な摩擦力を確保することができる。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例を図により説明する。図１は本実施例によるローラガイドの 概略正面図で、図５に相当する図、図２は図１のＤ部詳細図である。 図において、２０はスイングレバー７の外側頂部に固定された摩擦片、２１は 立枠部４ａに固定されたＬ字型の板ばねブラケット、２２はナットを介して、ブ ラケット２１に取り付けられた調整ボルトであり、その頭部２２ａが摩擦部にな っている。また、図５，図６と同一符号は同一のものを示している。 本実施例では、調整ボルト２２によって、頭部２２ａと摩擦片２０との間の摩 擦力の値を調整できるようになっている。

【００１０】 本実施例によれば、調整ボルト２２の頭部２２ａも摩擦片２０も共にスイング レバー７の外部に露出しているため、スイングレバー７が軸８を中心とした円弧 に沿って揺動し、摩擦片２０が調整ボルト２２に対して、相対的に上下及び左右 に移動しても、調整ボルト２２は摩擦片２０上をスムーズに摺動することができ る。 そのため、摩擦片２０と頭部２２ａとの間には常に適切な摩擦力を確保するこ とができるとともに、スイングレバー７もスムーズに揺動することができる。更 に、摩擦片２０と調整ボルト２２が外部に露出しているため、摩耗による摩擦片 ２０や調整ボルト２２の取替えや調整作業も容易に行うことができる。

【００１１】 上記実施例では、調整ボルト２２と立枠部４ａとの間に弾性体としてＬ字型の 板ばねブラケット２１を設けているが、調整ボルト２２を摩擦片２０方向に付勢 する弾性力を有するものであれば、他の弾性体であっても良い。また、調整ボル ト２２と立枠部４ａとの間に弾性体を設ける代わりに、摩擦片２０とスイングレ バー７との間に弾性体を設けても良く、また両方に弾性体を設けても良い。 更に、上記実施例では、調整ボルト２２の頭部２２ａを摩擦片２０に直接当接 させているが、頭部２２ａに別の摩擦材を設けても良く、また、摩擦片２０を軸 ８を中心とした円弧形状にすれば、スイングレバー７の揺動をよりスムーズにす ることができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、スイングレバーの揺動がスムーズに行 えるとともに、常に適切な摩擦力を確保することができ、安定した振動減衰効果 を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるローラガイドの概略正
面図である。

【図２】図１のＤ部詳細図である。

【図３】従来のエレベータかごの全体概略図である。

【図４】図４は図３のＡ−Ａ断面図である。

【図５】図４の一部を省略したＢ−Ｂ断面図である。

【図６】図６は図５のＣ部詳細図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ かご ３ ローラガイド ４ ベース ４ａ ベースの立枠部 ５ ローラ ７ スイングレバー １２，２０ 摩擦片 １５，２２ 調整ボルト ２１ 板ばねブラケット ２２ａ 調整ボルト２２の頭部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 かごに固定されたベースに枢着されたス
   イングレバー、このスイングレバーに枢着されガイドレ
   ールの案内面上を転動するローラ、上記スイングレバー
   と上記ベース間に設けられ上記ローラを上記ガイドレー
   ルの案内面に圧接するばね及び上記ローラの振動を減衰
   させる摩擦機構、とを備えたローラガイドにおいて、 上記摩擦機構を、スイングレバーの外側に取り付けられ
   た摩擦片と、この摩擦片に接するようにベースに取り付
   けられた摩擦部と、上記スイングレバーと摩擦片との間
   又は上記ベースと摩擦部との間の少なくとも一方に設け
   られた弾性体とを備えた構成にしたことを特徴とするエ
   レベータのローラガイド。