JPH06338161A - 磁気ディスクジャケット用シート - Google Patents

磁気ディスクジャケット用シート

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JPH06338161A
JPH06338161A JP12385193A JP12385193A JPH06338161A JP H06338161 A JPH06338161 A JP H06338161A JP 12385193 A JP12385193 A JP 12385193A JP 12385193 A JP12385193 A JP 12385193A JP H06338161 A JPH06338161 A JP H06338161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
magnetic disk
disk jacket
thickness
jacket
Prior art date
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Pending
Application number
JP12385193A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobumitsu Suda
信光 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明は低コストで高温時の変形や反り、寸法
安定性を改善すると共に、磁気ディスクジャケットとし
ての適度の柔軟性と耐衝撃性を保持しながら、スリ傷や
指紋による美観低下を防止することのできる、磁気ディ
スクジャケット用シートを提供する。 【構成】この磁気ディスクジャケット用シートは厚みが
0.15〜0.24mm、表面粗さが中心線平均粗さで1〜10μm
、撓み量が15mm以下、クラッシュベルグ柔軟温度が70
〜80℃の塩化ビニル系樹脂からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスクを収納する
ジャケットの製造に用いられる磁気ディスクジャケット
用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスクジャケットは、収納
する磁気ディスクの厚みに応じた「まち」をとって、上
下2枚のプラスチックシートの三方の縁を接着する方
法、1枚のシートを同様の「まち」をとって折り返し、
両側の縁を接着する方法などによって作製されていた。
このプラスチックシートには塩化ビニル系樹脂シートが
用いられているが、これは一般に熱に弱く、磁気ディス
クジャケットも使用環境や保管環境での温度上昇により
反りや撓みなどの変形を起こし易く、その対策として塩
化ビニル系樹脂シートの厚みを増したり、耐熱性の高い
塩素化塩化ビニル樹脂を混合したり単独で使用したりす
るなどの方法が取られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、塩素化塩化
ビニル樹脂の使用はコストの上昇と耐衝撃性の低下をも
たらし、また塩化ビニル系樹脂シートの厚みを増す方法
はコストを上昇させるほか包装袋加工時の折り曲げ加工
スピードを低下させ、さらには磁気ディスクジャケット
としての柔軟性を損なうなどの欠点があった。これらの
欠点に加えて従来の磁気ディスクジャケットは表面が平
滑なために、加工時に発生するスリ傷や、人手による作
業での指紋の付着などが目立ち易く、美観を損ねるとい
う問題があり、その対策として塩化ビニル系樹脂シート
の表面に凹凸加工を施していたが、これにも磁気ディス
クジャケットとしての柔軟性を損なうほか、未処理の塩
化ビニル系樹脂シートに比べて耐衝撃性の低下や剛性の
低下による耐熱性の低下などの欠点があった。したがっ
て、本発明の目的は、低コストで高温時の変形や反り、
寸法安定性を改善すると共に、磁気ディスクジャケット
としての適度の柔軟性と耐衝撃性を保持しながら、スリ
傷や指紋による美観低下を防止することのできる、磁気
ディスクジャケット用シートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、この磁気ディスクジャケット用シートとして、厚み
が0.15〜0.24mm、表面粗さが中心線平均粗さで1〜10μ
m 、シート撓み量が15mm以下、クラッシュベルグ柔軟温
度が55〜80℃の塩化ビニル系樹脂からなるものを使用す
れば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
した。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明による磁気ディスクジャケット用シートを得るに
は、まずカレンダー装置や押し出し装置によって厚みが
0.15〜0.24mmの範囲内の塩化ビニル系樹脂からなるシー
トを成形する。この際、シートの厚みが0.15mm未満では
耐衝撃性が劣り、0.24mmを超えると折り曲げ加工性が悪
化し、適度の柔軟性が保持できなくなるので好ましくな
い。つぎに、成形後のシートを加熱して、(必要に応じ
て加熱された)表面に凹凸を有する金属ロールや金属板
または紙に10〜 120kg/cm2の圧力で押し付け、シート面
に凹凸を転写させる。この転写によってシート表面には
中心線平均粗さで1〜10μm の粗面加工が施され、シー
トにスリ傷や指紋がついても目立たなくし、シートの美
観を向上する。この中心線平均粗さが1μm 未満のとき
はスリ傷や指紋を目立って美観に劣り、10μm を超える
とジャケットが変形し易く、また柔軟性が維持しにくく
なる。なお、粗面加工後のシートは最後にオーブンなど
の熱処理装置を用いて50〜80℃で1〜 120時間、熱処理
を施してもよい。
【0006】このようにして得られたシートはシート撓
み量が15mm以下、クラッシュベルグ柔軟温度が55〜80℃
であるため、磁気ディスクジャケットの熱による変形や
反りがなく、収納する磁気ディスクの出し入れ時のトラ
ブルを未然に防止する。なお、このときのシートの撓み
量が15mmを超えるか、クラッシュベルグ柔軟温度が55℃
未満のときは、磁気ディスクジャケットとしての耐熱性
が低下し、またクラッシュベルグ柔軟温度が80℃を超え
るときは、磁気ディスクジャケットの耐衝撃性が低下
し、シートの折り曲げ加工性も悪くなる。
【0007】本発明の磁気ディスクジャケット用シート
の形成に用いられる塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビ
ニルホモポリマーのほか、塩化ビニルを50重量%以上含
有するこれと共重合可能なビニル系単量体との共重合体
が包含される。共重合可能なビニル系単量体としては、
エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化ビニリ
デン、ふっ化ビニル等の塩化ビニルを除くハロゲン化オ
レフィン類;酢酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのビニ
ルエステル類;2−エチルへキシルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル
類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル
などのアクリル酸またはそのエステル類;メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルへキ
シルなどのメタクリル酸またはそのエステル類;マレイ
ン酸またはそのエステル類;無水マレイン酸、アクリロ
ニトリル、スチレンなどのアクリル系誘導体;N−t−
ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
のN−置換マレイミド類が挙げられ、これらは単独また
は2種以上の組合せで用いられる。上記材料には、さら
に必要に応じて、安定剤、充填剤、紫外線吸収剤、着色
剤、滑剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、加工助剤、酸
化防止剤、難燃剤、他の樹脂成分等の添加剤を加えるこ
とができる。
【0008】
【作用】本発明の磁気ディスクジャケット用シートは、 1)厚みを0.15〜0.24mmとしたことにより、製造コストを
低下させ、磁気ディスクジャケット加工時の折り曲げ加
工性を保持すると共に、磁気ディスクジャケット自体の
耐衝撃性を向上する。 2)シート表面を中心線平均粗さで1〜10μm の粗さとし
たことにより、すり傷や指紋を目立たなくし美観を向上
すると共に適度の柔軟性を確保する。 3)シート撓み量を15mm以下、クラッシュベルグ柔軟温度
を55〜80℃としたことにより、磁気ディスクジャケット
加工時の折り曲げ加工性を保持し、磁気ディスクジャケ
ットの耐熱性を向上させ、熱による変形や反りの発生を
防止する。
【0009】
【実施例】つぎに、本発明を実施例および比較例により
詳細に説明する。 実施例1および比較例1 ・ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度: 700)‥ 100重量部 ・エポキシ系可塑剤 ‥‥‥ 5 〃 ・カルシウム系安定剤 ‥‥‥ 3 〃 ・耐衝撃性向上剤(MBS) ‥‥‥ 10 〃 ・滑剤 ‥‥‥ 1 〃 ・タルク ‥‥‥ 7 〃 ・顔料(カーボンブラック) ‥‥‥ 3 〃 上記配合物を用いてカレンダー装置により厚み0.23mmの
シートを成形した後、このシートを 180℃に加熱し、 1
70℃に加熱された表面に凹凸のある金属ロールを用い
て、ロールへの押し付け圧力10kg/cm2で、シート表面を
中心線平均粗さで1μm の粗さに加工した(比較例
1)。このシートの一部を、さらに65℃で72時間熱処理
を行った(実施例1)。
【0010】得られた両シートを用いて5インチタイプ
の磁気ディスクジャケット( 133mm四方)を作製した。
その際、ライナーには FU110B (三菱レーヨン社製、商
品名、アクリロニトリル75%、レーヨン25%使用)を使
用した。つぎに、下記の方法でクラッシュベルグ柔軟温
度、シートの撓み量、折り曲げ加工性および美観性、磁
気ディスクジャケットの耐熱性、耐衝撃性および柔軟性
の測定を行い、それらの結果を表1に示した。
【0011】(試験法の明細) ・クラッシュベルグ柔軟温度:JIS K 6734に準ずる。 ・シートの撓み量:シートの任意の場所から10mm× 100
mmの大きさの試料片を切り出し、図1に示すように試料
片1の突き出し量が60mmになるように治具2に取り付け
る。治具2に取り付けた試料片1を65±1℃に設定した
恒温槽中に60分保存した後、室温で10分以上静かに放置
し、試験前の基準面から試料片1までの距離h1 と試験
後の基準面から試料片1までの距離h2 の測定値から、
試料片1の撓み量Δh(h1−h2 )を算出する。 ・折り曲げ加工性:シートの任意の場所から10mm× 100
mmの大きさの試料片を切り出し、図2に示すように試料
片1の突き出し量が60mmになるように治具2に取り付
け、 120℃に設定したヒーター3に接触させてから試料
片1が10秒以内に30mm折れ曲がる場合を「○」、10秒よ
り長くかかる場合を「×」とした。 ・シートの美観性:シートの任意の場所に指紋を付け、
その目立ち易さを観察し判定した。目立たない場合を
「○」、目立つ場合を「×」とした。
【0012】・磁気ディスクジャケットの耐熱性:60℃
で72時間の熱処理を行った磁気ディスクジャケットを、
幅 2.4mmのスリット内で自由落下させ、通過したものを
「○」、変形により通過できなかったものを「×」とし
た。 ・磁気ディスクジャケットの耐衝撃性:0℃で24時間放
置した磁気ディスクジャケット4を、図3(a)に示す
落下治具5を用いて1mの高さから図3(b)に示す形
状の受け台6、6にレファレンスエッジが当たるように
落下させ、ひび割れが生じなかった場合を「○」、ひび
割れが生じた場合を「×」とした。 ・磁気ディスクジャケットの柔軟性:図4に示す支持台
7、7に磁気ディスクジャケット8を乗せ、その中央部
に長さ約13cm、重さ30±1gの金属棒よりなる荷重Wを
乗せ、磁気ディスクジャケット8の撓み量d(mm)を測
定し、これが1〜3mmの場合を「○」、1mm未満または
4mm以上の場合を「×」とした。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2、比較例2〜6 ・ポリ塩化ビニル(重合度: 700)‥ 100重量部 ・耐衝撃性向上剤(MBS) ‥‥‥ 10 〃 ・カルシウム系安定剤 ‥‥‥ 3 〃 ・アミド系滑剤 ‥‥‥ 1 〃 ・充填剤(タルク) ‥‥‥ 7 〃 ・顔料(カーボンブラック) ‥‥‥ 3 〃 ・アクリル系加工助剤 ‥‥‥ 3 〃 上記配合物を用いてカレンダー装置により厚みが0.19mm
のシートを成形した後、このシートを 180℃に加熱し、
170℃に加熱された表面に凹凸のある金属ロールを用い
て、ロールへの押し付け圧力30kg/cm2で、シート表面を
中心線平均粗さでそれぞれ2μm (実施例2)、 0.8μ
m (比較例2)、11μm (比較例3)に加工した。ま
た、上記と同様にして厚みが 0.1mmで中心線平均粗さが
2μm のシート(比較例4)と厚みが0.25mmで中心線平
均粗さが2μm のシート(比較例5)とを作製した。さ
らに、比較例4のシートを用いて70℃で48時間熱処理を
行った(比較例6)。以上のシートを用いて実施例1と
同様に磁気ディスクジャケットを作製して同様の試験を
行い、その結果を表2に示した。
【0015】
【表2】
【0016】比較例7 ・ポリ塩化ビニル(重合度: 700)‥ 100重量部 ・可塑剤 ‥‥‥ 3 〃 ・耐衝撃性向上剤(MBS) ‥‥‥ 8 〃 ・カルシウム系安定剤 ‥‥‥ 3 〃 ・アミド系滑剤 ‥‥‥ 1 〃 ・充填剤(タルク) ‥‥‥ 7 〃 ・顔料(カーボンブラック) ‥‥‥ 3 〃 ・アクリル系加工助剤 ‥‥‥ 3 〃 上記配合物を用いてカレンダー装置により厚み0.20mmの
シートを成形した後、このシートを 180℃に加熱し、 1
70℃に加熱された表面に凹凸のある金属ロールを用い
て、ロールへの押し付け圧力40kg/cm2で、シート表面を
中心線平均粗さで3μm の粗さに加工した。このシート
を用いて実施例1と同様に磁気ディスクジャケットを作
製して同様の試験を行い、その結果を表3に示した。
【0017】
【表3】
【0018】実施例3〜4、比較例8 表4に示す処方の組成物、加工条件により、厚みが0.20
mm、中心線平均粗さが3μm のシートを作製し、これを
用いて実施例1と同様に磁気ディスクジャケットを作製
して同様の試験を行い、その結果を表4に併記した。
【0019】
【表4】
【0020】比較例9〜10 比較例4の処方により、表5に示す加工条件で、表5に
示す厚みと中心線平均粗さのシートを作製した後、これ
より磁気ディスクジャケットを作製し、同様の試験を行
い、その結果を表5に併記した。
【0021】
【表5】
【0022】
【発明の効果】本発明の磁気ディスクジャケット用シー
トは、折り曲げ加工性に優れ、磁気ディスクジャケット
の必要特性である、耐熱性と耐衝撃性に優れ、適度の柔
軟性を保持し、すり傷や指紋の目立たない美観に優れた
ものとなる。とくに、従来の磁気ディスクジャケット用
シートにおいて耐熱性向上のために用いられてきた塩素
化塩化ビニル樹脂を用いずに、安価な塩化ビニル系樹脂
で耐熱性を向上させることに成功すると共に、磁気ディ
スクジャケットとしての適度の柔軟性と美観性を保持し
ながら、シートの厚みを薄くしてコストダウンを達成し
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの撓み量の測定方法の説明図である。
【図2】シートの折り曲げ加工性の測定方法の説明図で
ある。
【図3】磁気ディスクジャケットの耐衝撃性の測定方法
に係り、その(a)は全体説明図、(b)はこれに使用
する受け台の説明図である。
【図4】磁気ディスクジャケットの柔軟性の測定方法の
説明図である。
【符号の説明】
1‥試料片、 2‥治具、 3‥ヒーター、4、8
‥磁気ディスクジャケット、 5‥落下治具、 6
‥受け台、7‥支持台、 W‥荷重。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚みが0.15〜0.24mm、表面粗さが中心線平
    均粗さで1〜10μm、撓み量が15mm以下、クラッシュベ
    ルグ柔軟温度が55〜80℃の塩化ビニル系樹脂からなるこ
    とを特徴とする磁気ディスクジャケット用シート。
JP12385193A 1993-05-26 1993-05-26 磁気ディスクジャケット用シート Pending JPH06338161A (ja)

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