JPH06338045A - 磁気記録媒体用下地層 - Google Patents

磁気記録媒体用下地層

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JPH06338045A
JPH06338045A JP14683193A JP14683193A JPH06338045A JP H06338045 A JPH06338045 A JP H06338045A JP 14683193 A JP14683193 A JP 14683193A JP 14683193 A JP14683193 A JP 14683193A JP H06338045 A JPH06338045 A JP H06338045A
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敬介 岩崎
Yasuyuki Tanaka
泰幸 田中
Minoru Osugi
稔 大杉
Toshiharu Harada
俊治 原田
Masaru Isoai
勝 礒合
Kazuyuki Takama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性と強度とが優れている磁気記録媒
体用非磁性下地層を提供し、当該下地層の上に磁気記録
層を設けた場合に、光透過率が小さく、物理的強度に優
れた平滑で厚みむらのない薄膜の磁気記録層を有する磁
気記録媒体が得られる。 【構成】 非磁性支持体上に、シラン系、チタネート
系、アルミネート系及びジルコネート系から選ばれる1
種又は2種以上のカップリング剤によって被覆されてい
る針状α−Fe2 3 粒子又はAl化合物と前記カップ
リング剤とによって被覆されている針状α−Fe2 3
粒子粉末からなる非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む
塗膜組成物からなる磁気記録媒体用非磁性下地層を形成
する。前記各針状α−Fe2 3 粒子は平均長軸径0.
05〜0.25μm、平均短軸径0.010〜0.03
5μm、粒度分布が幾何標準偏差で1.40以下及び軸
比2〜20である非磁性粒子粉末である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面平滑性が優れた磁
気記録媒体用非磁性下地層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ用、オーディオ用磁気記録
再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対す
る高性能化、即ち、高密度記録化、低ノイズ化の要求が
益々強まっている。
【0003】殊に、近時におけるビデオテープの高画像
高画質化に対する要求は益々強まっており、従来のビデ
オテープに比べ、記録されるキャリアー信号の周波数が
益々高くなっている。即ち、短波長領域に移行してお
り、その結果、磁気テープの表面からの磁化深度が著し
く浅くなっている。
【0004】そこで、短波長信号に対しても高出力特
性、殊に、S/N比を向上させる為の努力がなされてお
り、この事実は、例えば、株式会社総合技術センター発
行「磁性材料の開発と磁粉の高分散化技術」(1982
年)第74頁の「‥‥記録再生の特性において、電磁変
換特性の面、即ちノイズ低減、S/N比、感度、周波数
特性の向上、並びに出力変動の低減等の高密度記録ため
の要因を克服するために課せられる磁性塗膜層の設計上
の大きな課題は、(1)磁性粒子の均一分散並びに磁場
配向性の向上、(2)塗膜中の磁性粒子の高充填率化、
(3)表面平滑性に優れ、厚みむらがないという点であ
る。‥‥」なる記載及び第312頁の「‥‥塗布型テー
プにおける高密度記録のための条件は、短波長信号に対
して、低ノイズで高出力特性を保持できることである
が、その為には保磁力Hcと残留磁化Brが‥‥共に大
きいことと塗布膜の厚みがより薄いことが必要である。
‥‥」なる記載の通りである。
【0005】磁気記録層の薄膜化が進む中で、いくつか
の問題が生じている。第一に、磁気記録層の平滑化と厚
みむらの問題であり、周知の通り、磁気記録層を平滑で
厚みむらがないものとするためには、ベースフィルムの
表面もまた平滑でなければならない。この事実は、例え
ば、工学情報センター出版部発行「磁気テープ−ヘッド
走行系の摩擦摩耗発生要因とトラブル対策−総合技術資
料集(−以下、総合技術資料集という−)」(昭和62
年)第180及び181頁の「‥‥硬化後の磁性層表面
粗さは、ベースの表面粗さ(バック面粗さ)に強く依存
し両者はほぼ比例関係にあり、‥‥磁性層はベースの上
に塗布されているからベースの表面を平滑にすればする
ほど均一で大きなヘッド出力が得られS/Nが向上す
る。‥‥」なる記載の通りである。
【0006】第二に、ベースフィルムもまた磁性層の薄
膜化と同様に薄膜化が進んでおり、その結果、ベースフ
ィルムの強度が問題となってきている。この事実は、例
えば、前出「磁性材料の開発と磁粉の高分散化技術」第
77頁の「‥‥高密度記録化が今の磁気テープに課せら
れた大きなテーマであるが、このことは、テープの長さ
を短くしてカセットを小型化していく上でも、また長時
間記録に対しても重要となってくる。このためにはフィ
ルムベースの厚さを減らすことが必要な訳である。‥‥
このように薄くなるにつれてテープのスティフネスが急
激に減少してしまうためレコーダーでのスムーズな走行
がむずかしくなる。ビデオテープの薄型化にともない長
手方向、幅方向両方向に渡ってのこのスティフネスの向
上が大いに望まれている。‥‥」なる記載の通りであ
る。
【0007】第三に、磁性粒子の微粒子化と磁気記録層
の薄膜化とによって光透過率が大きくなるという問題で
ある。即ち、磁気テープ、特にビデオテープ等の磁気記
録媒体の走行の停止は、磁気記録媒体の光透過率の大き
い部分をビデオデッキによって検知することにより行わ
れている。磁気記録媒体の薄膜化や磁気記録層中に分散
されている磁性粒子粉末の超微粒子化に伴って磁気記録
層全体の光透過率が大きくなるとビデオデッキによる検
知が困難となる為、磁気記録層にカーボンブラック等を
添加して光透過率を小さくすることが行われている。そ
のため、現行のビデオテープにおいては磁気記録層への
カーボンブラック等の添加は必須となっている。
【0008】尚、非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤
中に分散させてなる下層を少なくとも一層設けてなる磁
気記録媒体に関する先行技術として特開昭63−187
418号公報、特開平4−167225号公報、特開平
4−325915号公報及び特開平5−12650号公
報等が挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、磁気記録
層の薄膜化によって光透過率が大きくなるという問題を
解決するためには、磁気記録層にカーボンブラック等の
添加が必須となっている。
【0010】しかし、非磁性のカーボンブラック等の添
加は、高密度記録化を阻害するばかりでなく、薄膜化を
も阻害しており、磁気テープの表面からの磁化深度を浅
くして、磁気テープの薄膜化をより進めるためには、磁
気記録層に磁性粒子粉末以外の非磁性粒子粉末を添加す
ることは望ましくない。
【0011】そこで、前出特開昭63−187418号
公報に記載された方法においては、非磁性支持体上に非
磁性粉末を結合剤中に分散させてなる下層を少なくとも
一層設けることにより、光透過率を改善するとともに表
面性の悪化や電磁変換特性を劣化させる等の問題を解決
したとされている。
【0012】同公報には、非磁性粉末として多くの物質
が記載されており、また、粒子径としても非常に広い範
囲の粒状または針状の粒子粉末が使用できるとされてい
る。
【0013】本発明者は、それらの非磁性粒子粉末をそ
れぞれ検討したところ、粒状の非磁性粒子粉末を用いた
場合は、勿論、針状の非磁性粒子粉末を用いた場合にお
いても、表面平滑性や強度が未だ不十分であることが判
った。
【0014】また、前出特開平4−167225号公報
の実施例に開示されている針状α−FeOOHを用いた
場合には、針状α−FeOOH粒子表面に多くの結晶水
を含んでいるために、結合剤樹脂や溶剤とのなじみが悪
く、所望の分散度が得られ難い。
【0015】また、前出特開平4−325915号公報
に開示されているα−フェライトなどの針状非磁性粉末
及び特開平5−12650号公報に開示されているα−
FeOOH、γ−FeOOH、α−Fe2 3 などの非
磁性無機質状の粉体フィラーを用いた場合においても、
所望の分散度が得られ難いので磁気記録媒体用非磁性下
地層とした場合の表面平滑性と強度とが未だ不十分であ
る。
【0016】そこで、本発明は、表面平滑性と強度とが
優れている磁気記録媒体用非磁性下地層を提供し、当該
下地層の上に磁気記録層を設けた場合に、光透過率が小
さく、平滑で厚みむらのない薄膜の磁気記録層が得られ
ることを技術的課題とする。
【0017】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
【0018】即ち、本発明は、非磁性支持体上に形成さ
れる非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物か
らなる磁気記録媒体用非磁性下地層において、前記非磁
性粒子粉末がシラン系、チタネート系、アルミネート系
及びジルコネート系から選ばれる1種又は2種以上のカ
ップリング剤によって被覆されている針状α−Fe2
3 粒子からなる非磁性粒子粉末であることを特徴とする
磁気記録媒体用非磁性下地層及び非磁性支持体上に形成
される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物
からなる磁気記録媒体用非磁性下地層において、前記非
磁性粒子粉末がAl化合物とシラン系、チタネート系、
アルミネート系及びジルコネート系から選ばれる1種又
は2種以上のカップリング剤とによって被覆されている
針状α−Fe2 3 粒子からなる非磁性粒子粉末である
ことを特徴とする磁気記録媒体用非磁性下地層、前記各
針状α−Fe2 3 粒子からなる非磁性粒子粉末が、平
均長軸径0.05〜0.25μm、平均短軸径0.01
0〜0.035μm、粒度分布が幾何標準偏差で1.4
0以下及び軸比(長軸径/短軸径)2〜20であること
からなる磁気記録媒体用非磁性下地層である。
【0019】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0020】本発明における針状α−Fe2 3 粒子粉
末は、通常の第一鉄塩水溶液に当量以上水酸化アルカ
リ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄コロイドを含む
懸濁液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有
ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイ
ト粒子を生成させる方法、第一鉄塩水溶液と炭酸アル
カリ水溶液とを反応させて得られるFeCO3 を含む懸
濁液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことによ
り紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法、
第一鉄塩水溶液に当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は
炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コ
ロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して
酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成
させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩
水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量以上
の水酸化アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを
通気して前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法及
び第一鉄塩水溶液と当量未満の水酸化アルカリ又は炭
酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロ
イドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成さ
せ、次いで、酸性乃至中性領域で前記針状ゲータイト核
粒子を成長させる方法等により得られた針状ゲータイト
粒子を前駆体粒子とする。
【0021】尚、ゲータイト粒子の生成反応中に、粒子
粉末の特性向上等の為に通常添加されているNi、Z
n、P、Si等の異種元素が添加されていても支障はな
い。
【0022】前駆体粒子である針状ゲータイト粒子を2
00〜500℃の温度範囲で脱水するか、必要に応じ
て、更に350〜800℃の温度範囲で加熱処理により
焼きなましをして針状α−Fe2 3 粒子を得る。
【0023】尚、脱水又は焼きなましされる針状ゲータ
イト粒子の表面にP、Si、B、Zr、Sb等の焼結防
止剤が付着していても支障はない。
【0024】350〜800℃の温度範囲で加熱処理に
より焼きなましをするのは、脱水されて得られた針状α
−Fe2 3 粒子の粒子表面に生じている空孔を焼きな
ましにより、粒子の極表面を溶融させて空孔をふさいで
平滑な表面状態とさせることが好ましいからである。
【0025】本発明においては、前記針状α−Fe2
3 粒子粉末の粒子表面に、シラン系、チタネート系、ア
ルミネート系及びジルコネート系から選ばれる1種又は
2種以上のカップリング剤を被覆する。前記カップリン
グ剤によって被覆処理する方法としては、(1)前記針
状α−Fe2 3 粒子粉末に前記カップリング剤をその
まま添加し、添加量が全量粒子粉末の粒子表面に吸着さ
せることができるヘンシェルミキサー、ボールミル、ア
トマイザーコロイドミルなどの粉砕機を用いて共粉砕す
る乾式法、(2)水を液体分散媒とする溶液中に前記針
状α−Fe2 3 粒子粉末と共に前記カップリング剤と
を加えて攪拌・混合した後、酸又はアルカリ水溶液を添
加してpH値を調整して乾燥する方法や有機溶剤を液体
分散媒とする溶液中に前記粒子粉末と共に前記カップリ
ング剤とを加えて攪拌・混合して乾燥する方法等の湿式
法を挙げることができる。
【0026】本発明の乾式法における粉砕機としては、
ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイ
ドミル、エッジランナー、シンプソンミックスマーラ
ー、マルチマル、ストッツミル、逆流混練機、アイリッ
ヒミル、ウエットパンミル、メランジャ、ワールミック
ス、速練機等が挙げられる。
【0027】本発明における液体分散媒中に分散させる
前記針状α−Fe2 3 粒子粉末の濃度は5〜20重量
%である。20重量%を越える場合には、当該懸濁液の
粘度が高くなり混合が充分にできなきなるため、均一な
表面処理ができ難くなる。5重量%未満の場合には、濾
別する分散媒の量が多くなり工業的メリットが少ない。
【0028】本発明においては、液体分散媒を水とし、
カップリング剤を水に可溶なチタネート系カップリング
剤とする場合には、該カップリング剤を水溶液の状態で
加えて攪拌・混合した後、酸又はアルカリ水溶液を添加
してpH値を6.0〜8.0の範囲に調整する。
【0029】水に可溶なチタネート系カップリング剤と
しては、トリエタノールアミンチタネートキレート、ラ
クチックアシッドチタネートキレート、イソプロピルト
リ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート等の
周知のカップリング剤が挙げられる。
【0030】pH値を調整する水溶液としては、アルカ
リ性領域にある化合物に対しては、酢酸、塩酸、硫酸な
どの酸性水溶液が挙げられ、また、酸性領域にある化合
物に対しては、NH4 OH、NaOH、KOH、Na2
CO3 などのアルカリ性水溶液が挙げられる。
【0031】尚、酢酸、NH4 OHの各水溶液を用いる
方が、乾燥後の粒子表面に塩として残存しないために好
ましい。
【0032】pH値が6.0未満の場合には、酸根が粒
子表面に残ることがあるために好ましくない。pH値が
8.0を越える場合には、チタネート系カップリング剤
が分解してしまう恐れがあり好ましくない。
【0033】本発明において、液体分散媒を有機溶剤と
し、カップリング剤を該有機溶剤に可溶なシラン系、チ
タネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各カ
ップリング剤から選ばれる1種又は2種以上とする場合
には、pH値の調整は不要である。
【0034】液体分散媒を有機溶剤とする場合のシラン
系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系
の各カップリング剤としては、次の周知のカップリング
剤が挙げられる。
【0035】シラン系カップリング剤としては、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキ
シ)シラン、γ−(メタクリロオキシプロピル)トリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−B−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、β(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。
【0036】チタネート系カップリング剤としては、イ
ソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)
チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフ
ェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシ
メチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイ
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0037】アルミネート系カップリング剤としては、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アル
ミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0038】ジルコネート系カップリング剤としては、
ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコ
ニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニ
ウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジコニウムト
リブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウム
トリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0039】有機溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化
水素類、酢酸メチル、酢酸エーテル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル等のエステル類等の前記カップリング剤を溶解
する能力のある有機溶剤はすべて使用することができ
る。
【0040】尚、被覆するカップリング剤を2種以上使
用する場合の添加順序は、いずれが先でも、また同時で
あってもよい。
【0041】カップリング剤の添加量は、粒子粉末に対
して0.01〜20重量%である。0.01重量%未満
の場合には、本発明の効果は得られない。20重量%を
越える場合にも本発明の目的とする効果が得られるが、
単分子層吸着相当以上のカップリング剤が処理されてい
るために効果が飽和している。好ましくは、0.05〜
10重量%の範囲である。
【0042】本発明においては、カップリング剤で被覆
された針状α−Fe2 3 粒子粉末を必要により更に脱
気・圧密処理等を施すこともでき、その装置としては、
前記乾式法で用いる粉砕機が好ましい。
【0043】本発明においては針状α−Fe2 3 粒子
粉末の粒子表面にカップリング剤を被覆させる前に、当
該針状α−Fe2 3 粒子粉末を水溶液中に分散して懸
濁液とし、Al化合物を添加しpH調整をして前記針状
α−Fe2 3 粒子の粒子表面に前記添加化合物を被覆
した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕することにより得られ
たAl化合物で被覆された針状α−Fe2 3 粒子粉末
を用いることができる。
【0044】針状α−Fe2 3 粒子粉末の粒子表面に
被覆するAl化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等
のアルミニウム塩や、アルミン酸ソーダ等のアルミン酸
アルカリ塩を使用することができる。
【0045】この場合におけるAl化合物の添加量は、
針状α−Fe2 3 粒子粉末に対しAl換算で0.01
〜50.00重量%である。0.01重量%未満である
場合には、結合剤樹脂中における分散が不十分であり、
50.00重量%を越える場合には、粒子表面以外に浮
遊するAl化合物同士が相互作用をする為に好ましくな
い。
【0046】また、Al化合物とともに、Si化合物を
はじめとして、P、Ti、Mn、Ni、Zn、Zr、S
n、Sbから選ばれる化合物の1種又は2種以上を用い
て被覆することもできる。Al化合物とともに用いるこ
れら化合物の添加量は、それぞれ針状α−Fe2 3
子粉末に対し0.01〜50.00重量%の範囲であ
る。0.01重量%未満である場合には、添加による分
散性向上効果が殆どなく、50.00重量%を越える場
合には、粒子表面以外に浮遊する化合物同士が相互作用
をする為に好ましくない。
【0047】本発明においては、表面処理された針状α
−Fe2 3 粒子の平均長軸径が0.05〜0.25μ
m、短軸径が0.010〜0.035μm、粒度分布が
幾何標準偏差で1.40以下及び軸比(長軸径/短軸径
−以下同じ−)が2〜20である。
【0048】平均長軸径が0.05μm未満の場合に
は、結合剤樹脂中における分散が困難となる為に好まし
くない。平均長軸径が0.25μmを越える場合には、
粒子サイズが大きすぎる為、表面平滑性を害するので好
ましくない。
【0049】平均短軸径が0.010μm未満の場合に
は、結合剤樹脂中における分散が困難となる為に好まし
くない。平均短軸径が0.035μmを越える場合に
は、粒子サイズが大きすぎる為、表面平滑性を害するの
で好ましくない。
【0050】粒度分布が幾何標準偏差で1.40を越え
る場合には、存在する粗大粒子が塗膜の表面平滑性に悪
影響を与える為に好ましくない。
【0051】軸比が2未満の場合には、所望の塗膜強度
が得られ難くなる為に好ましくない。軸比が20を越え
る場合には、粒子同士の相互作用が増大し、分散に悪影
響を与える為に好ましくない。
【0052】本発明における結合剤樹脂としては、現
在、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、塩化ビニル
酢酸ビニルマレイン酸ウレタンエラストマー、ブタジエ
ンアクリロニトリル共重合体、ポリビニルブチラール、
ニトロセルロース等セルロース誘導体、ポリエステル樹
脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイソシアネートポリマー、電
子線硬化型アクリルウレタン樹脂等とその混合物を使用
することができる。また、各結合剤樹脂には−OH、−
COOH、−SO3M、−OPO2 2 、−NH2 等の
極性基(但し、MはH、Na、Kである。)が含まれて
いてもよい。
【0053】本発明に係る磁気記録媒体用非磁性下地層
は、非磁性支持体上に表面処理した針状α−Fe2 3
粒子粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物を塗布し塗膜
を形成することにより得られる。
【0054】尚、非磁性下地層に、通常の磁気記録媒体
の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を添
加しても支障はない。
【0055】非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒
体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリイミド等の合成樹脂フィルムおよびアルミニウム、
ステンレス等金属の箔や板および各種の紙を使用するこ
とができる。
【0056】本発明における非磁性支持体上に塗膜組成
物を塗布して乾燥させた後の下地層の塗膜厚さは、1〜
10μmの範囲である。1μm未満の場合には、ベース
フィルムの表面粗さを改善することができないばかり
か、強度も不十分である。10μmを越えてもよいが、
薄膜の磁気記録媒体を得るためには10μm以下とする
必要があり、好ましくは2〜4μmの範囲である。
【0057】本発明に係る磁気記録媒用非磁性下地層の
上に、磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物を
塗布し磁気記録層を形成することにより磁気記録媒体と
することができる。
【0058】磁気記録層中には、通常用いられる潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0059】磁気記録層における磁性粒子粉末として
は、マグヘマイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末、マ
グヘマイトとマグネタイトとの中間酸化物であるベルト
ライド化合物粒子粉末等の磁性酸化鉄粒子粉末、これら
の磁性酸化鉄粒子粉末にFe以外のCo、Al、Ni、
P、Zn、Si、B等の異種元素を含有させた粒子若し
くはこれら磁性酸化鉄粒子にCo等を被着させた粒子、
鉄を主成分とする金属磁性粒子、鉄以外のCo、Al、
Ni、P、Zn、Si、B等を含有する鉄合金磁性粒
子、板状Baフェライト粒子粉末並びにこれに保磁力低
減剤である2価金属(Co、Ni、Zn等)と4価金属
(Ti、Sn、Zr等)とを含有させた板状複合フェラ
イト粒子粉末等のいずれも用いることができる。また、
磁性粒子粉末は、針状、紡錘状、立方状、板状等のいず
れであってもよい。
【0060】磁気記録層における結合剤樹脂には、前記
下地層を形成するのに用いたものを用いることができ
る。
【0061】
【作用】本発明に係る磁気記録媒体用非磁性下地層は、
表面平滑性と強度とが優れているので、その表面に磁性
粒子粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物を塗布して磁
気記録媒体とした場合において光透過率が小さく、平滑
で厚みむらのない薄膜の磁気記録層が得られる。
【0062】本発明に係る磁気記録媒体用非磁性下地層
が表面平滑性と強度とが優れているのは次の理由によ
る。
【0063】即ち、前出「総合技術資料集」第339頁
の「‥‥針状のγ−Fe2 3 のような棒状とみなされ
る顔料粒子はコーティングするときにせん断力がかかる
塗り方をすると、支持体に平行に配列する。‥‥支持体
に平行な棒状粒子は垂直な場合よりも隠ぺい力や光沢が
大きく、光や気体の透過性は少ない。なお、この顔料の
配列の差は塗膜の力学的性質にも影響を及ぼし、支持体
に水平なほど引張り強さは大きく伸びは小さくなる。‥
‥」なる記載の通り、針状粒子は塗布時に配向させるこ
とができ、配向させた針状粒子は透過率が小さくなり、
表面平滑性と強度とが向上することがわかっている。
【0064】しかしながら、前出「総合技術資料集」第
343頁の「‥‥磁性粉粒子の分散性が悪いと、表面の
平滑性も悪くなるが、配向性にも影響して磁気特性を低
下させる。‥‥」なる記載の通り、粒子粉末の分散性が
問題となっている。
【0065】本発明者は、表面平滑性と強度とを向上さ
せることができる非磁性針状粒子粉末を種々検討した結
果、磁気記録媒体用非磁性下地層に用いる非磁性粒子粉
末も磁気記録層に使用されている磁性粒子粉末と同じ酸
化鉄粒子粉末である方がベースフィルムに塗布して形成
する場合に結合剤樹脂とのなじみが増し、接着性や耐久
性も高く良好なものが得られると考え、非磁性の針状α
−Fe2 3 粒子を選定した。
【0066】しかし、針状α−Fe2 3 粒子を結合剤
樹脂中に分散させて塗布しただけでは配向が充分ではな
く、充分な表面平滑性が得られず、強度もでないことが
わかったので、針状α−Fe2 3 粒子を結合剤樹脂中
に分散させやすい粒子とするために種々検討した結果、
針状α−Fe2 3 粒子粉末の粒子表面をシラン系、チ
タネート系、アルミネート系及びジルコネート系から選
ばれる1種又は2種以上のカップリング剤によって被覆
すればよいことがわかった。
【0067】その結果、本発明に係る針状α−Fe2
3 粒子と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物中での分散性も
よく、ベースフィルム上に塗布した場合には、ベースフ
ィルム上で機械的配向がスムーズに行われるので、得ら
れた磁気記録媒体用非磁性下地層は、表面平滑性が優れ
ており、強度も優れていることがわかった。
【0068】このような結果が得られたのは、針状α−
Fe2 3 粒子に前記カップリング剤を被覆したことに
より結合剤樹脂とのなじみがよくなり分散性が向上した
ものと考えている。
【0069】尚、Al化合物によって被覆されている針
状α−Fe2 3 粒子粉末だけでも効果はあるが、更に
前記カップリング剤を被覆した場合にはより優れた効果
が得られ、結合剤樹脂とのなじみにおいても大きな効果
が得られる。
【0070】さらに、検討を進めた結果、本発明に係る
針状α−Fe2 3 粒子が平均長軸径0.05〜0.2
5μm、平均短軸径0.010〜0.035μm、粒度
分布が幾何標準偏差で1.40以下及び軸比2〜20で
ある場合には、得られた磁気記録媒体用非磁性下地層
は、より表面平滑性が優れており、強度も優れているこ
とがわかった。
【0071】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0072】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の平均長軸径、平均短軸径、軸比は、いずれも電子顕
微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
【0073】粒子の粒度分布は、以下の方法により求め
た幾何標準偏差値(σg)で示した。即ち、12万倍の
電子顕微鏡写真に写っている粒子350個の長軸径を測
定し、その測定値から計算して求めた粒子の実際の長軸
径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に
横軸に粒子の長軸径を、縦軸に等間隔にとった長軸径区
間のそれぞれに属する粒子の累積個数を百分率でプロッ
トする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及
び84.13%のそれぞれに相当する長軸径の値を読み
とり、幾何標準偏差値(σg)=個数50%の時の長軸
径(μm)/個数84.13%の時の長軸径(μm)
に従って算出した値で示した。
【0074】また、比表面積はBET法により測定した
値で示した。
【0075】針状α−Fe2 3 粒子に被覆されるAl
量及び各元素量は蛍光X線分析により測定した。
【0076】カップリング剤の被覆量は、CARBON
/SULFOR ANALYZER(EMIA−220
0:(株)堀場製作所製)により炭素含有量を測定し、
C換算により被覆量を求めた。
【0077】光沢は、「グロスメーター UGV−5
D」((株)島津製作所製)を用いて塗膜の45°光沢
を測定して求めた。
【0078】表面粗度Raは、「Surfcom−57
5A」(東京精密(株)製)を用いて塗布膜の中心線平
均粗さを測定した。
【0079】塗膜強度は、「オートグラフ」((株)島
津製作所製)を用いて塗膜のヤング率を測定して求め
た。ヤング率は市販ビデオテープ「AV T−120
(JVC製)」との相対値で表した。相対値が高いほど
良好であることを示す。
【0080】磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−
3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場
10KOeまでかけて測定した。
【0081】磁気シートの光透過率は、「光電分光光度
計UV−2100」((株)島津製作所製)を用いて測
定した線吸収係数で示した。線吸収係数は次式で定義さ
れ、値が大きい程、光を透しにくいことを示す。 線吸収係数(μm-1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−) FT:測定に用いたフィルムの塗膜組成物層の厚み(μ
m) 尚、線吸収係数が1.2以上(膜厚4.0μm)であれ
ば、VHS規格で定められている光透過率0.8%以下
を満足させることができる。
【0082】<針状α−Fe2 3 粒子の生成> 試料1〜20;
【0083】試料1 針状α−FeOOH粒子粉末(平均長軸径0.21μ
m、平均短軸径0.021μm、軸比10.0、BET
比表面積110.0m2 /g)10kgを一端開放型レ
トルト容器中に投入し、回転駆動させながら空気中で4
70℃で60分間加熱脱水し、更に650℃で120分
間焼きなまし処理を行い針状α−Fe2 3 粒子粉末を
得た。
【0084】得られた針状α−Fe2 3 粒子粉末は平
均長軸径0.14μm、平均短軸径0.025μm、B
ET比表面積52.0m2 /gであった。
【0085】試料2〜20 被処理粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、試料1
と同様にして針状α−Fe2 3 粒子を生成させた。
【0086】尚、試料17及び18は針状α−FeOO
H粒子をそのまま用いたものであり、試料19及び20
はマグネタイト粒子を焼成して得られたα−Fe2 3
粒子である。
【0087】この時の主要製造条件及び諸特性を表1及
び表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】<針状α−Fe2 3 粒子のAl化合物等
による被覆処理> 実施例1〜6及び比較例1及び2;
【0091】実施例1 試料7で得られたα−Fe2 3 粒子粉末をエッジラン
ナー型粉砕機(サンドミル:(株)松本鋳造鉄工所製)
で乾式粉砕し、更に、当該粉砕物を水中に攪拌・混合
し、ラインミル型粉砕機(ホモミックラインミル:特殊
機化工業(株)製)により湿式粉砕を行いα−Fe2
3 粒子を含む懸濁液(スラリー濃度100g/l)を得
た。
【0092】得られた当該懸濁液50l(乾燥粒子粉末
に換算して5000gに該当する。)を採取して2mo
l/lのアルミン酸ナトリウム水溶液463ml(針状
α−Fe2 3 粒子粉末に対しAl換算で0.50重量
%に該当する。)を添加した後、1mol/lのHCl
水溶液を加え、pH7.0とし、30分間混合・攪拌し
た。
【0093】混合・攪拌した後、常法により濾過、水
洗、乾燥してAl化合物で被覆された針状α−Fe2
3 粒子粉末を得た。
【0094】得られたAl化合物が被覆された針状α−
Fe2 3 粒子粉末の平均長軸径0.16μm、平均短
軸径0.025μm、軸比6.4、粒度分布は幾何標準
偏差1.34であり、BET比表面積52.3m2 /g
であった。また、粉末のpHは7.5であった。
【0095】実施例2〜6及び比較例1及び2 被処理粒子粉末の種類、Al化合物の種類及び添加量、
その他の化合物の種類及び添加量並びに処理pHを種々
変化させた以外は、実施例1と同様にして針状α−Fe
2 3 粒子を生成させた。
【0096】この時の主要製造条件及び諸特性を表3に
示す。
【0097】
【表3】
【0098】<針状α−Fe2 3 粒子のカップリング
剤による表面処理> 実施例7〜18、比較例3〜10; 実施例7 試料1で得られた針状α−Fe2 3 粒子粉末1000
gとγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:
A−1100:日本ユニカー(株)製)10g(当該非
磁性粒子粉末に対して1.0重量%である。)とをヘン
シェルミキサー(三井三池化工機(株)製)に投入し、
20分間作動することにより、前記針状α−Fe2 3
粒子粉末の粒子表面に被覆処理を行った。
【0099】得られた被処理粒子粉末の粒子表面に存在
しているシラン系カップリング剤は、C換算で0.48
重量%であった。また、平均長軸径0.15μm、平均
短軸径0.026μm、軸比5.8、粒度分布は幾何標
準偏差1.35であり、BET比表面積48.6m2
gであった。
【0100】実施例8 試料2で得られた針状α−Fe2 3 粒子粉末500g
を5lのエタノール中に分散させ、該液体分散液に10
重量%のビニルトリエトキシシラン(商品名:A−15
1:日本ユニカー(株)製)のエタノール溶液を100
g(当該非磁性粒子粉末に対して2重量%である。)を
加え、攪拌・混合することにより前記針状α−Fe2
3 粒子粉末の粒子表面に上記シラン系カップリング剤を
被覆し、次いで、常法により濾別、乾燥し、次いで、エ
ッジランナー型粉砕機(サンドミル:(株)松本鋳造鉄
工所製)により圧密処理をして被処理粒子粉末を得た。
【0101】得られた被処理粒子粉末の粒子表面に存在
しているシラン系カップリング剤は、C換算で1.01
重量%であった。また、平均長軸径0.21μm、平均
短軸径0.031μm、軸比6.8、粒度分布は幾何標
準偏差1.38であり、BET比表面積36.6m2
gであった。
【0102】実施例9 試料3で得られた針状α−Fe2 3 粒子粉末500g
を5lの水中に分散させ、該水性分散液に10重量%の
イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)
チタネート(商品名:KR−44:味の素(株)製)水
溶液を25g(当該非磁性粒子粉末に対して0.5重量
%である。)を加え、攪拌・混合した後、NH4 OH水
溶液を添加してpH7.0に調整することにより前記針
状α−Fe2 3 粒子粉末の粒子表面に上記チタネート
系カップリング剤を被覆し、次いで、常法により濾別、
乾燥し、次いで、エッジランナー型粉砕機(サンドミ
ル:(株)松本鋳造鉄工所製)により圧密処理をして被
処理粒子粉末を得た。
【0103】得られた被処理粒子粉末の粒子表面に存在
しているチタネート系カップリング剤は、C換算で0.
21重量%であった。また、平均長軸径0.16μm、
平均短軸径0.026μm、軸比6.2、粒度分布は幾
何標準偏差1.35であり、BET比表面積50.0m
2 /gであった。
【0104】実施例10〜18、比較例3〜10 被処理粒子粉末の種類、カップリング剤の種類及び添加
量並びに処理pHを種々変化させた以外は、実施例7、
8及び9のいずれかと同様にしてカップリング剤被覆針
状α−Fe2 3 粒子を生成させた。
【0105】尚、比較例については、すべてカップリン
グ剤を被覆していない。
【0106】この時の主要製造条件及び諸特性を表4乃
至表6に示す。
【0107】
【表4】
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】<磁気記録媒体用非磁性下地層の製造> 実施例19〜30及び比較例11〜18;
【0111】実施例19 実施例7で得られた針状α−Fe2 3 粒子粉末を用い
て、まず、当該α−Fe2 3 粒子粉末と結合剤樹脂、
溶剤とを混合し、固形分率75重量%でプラストミルを
用いて30分間混練した。しかる後、所定量の混練物を
取り出し、ガラス瓶にガラスビーズ及び溶剤とともに添
加し、ペイントコンディショナーで6時間混合・分散を
行った。
【0112】得られた塗膜組成物の最終組成は、下記の
通りである。 カップリング剤被覆針状α−Fe2 3 粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有する 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 10重量部 カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂 10重量部 シクロヘキサノン 40.9重量部 メチルエチルケトン 102.2重量部 トルエン 61.3重量部
【0113】得られた塗膜組成物を厚さ14μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを
用いて55μmの厚さに塗布し、次いで、乾燥させるこ
とによりシート状試料片を得た。
【0114】得られたシート試料片のヤング率は13
8、光沢は168%、表面粗度Raは14.4nmであ
った。
【0115】実施例20〜30及び比較例11〜18 実施例8〜18及び比較例3〜10で得られた針状α−
Fe2 3 粒子(但し、比較例7及び8は針状α−Fe
OOH粒子である。)を用いて実施例19と同様にして
磁気記録媒体用非磁性下地層を得た。
【0116】この時の諸特性を表7及び表8に示す。
【0117】
【表7】
【0118】
【表8】
【0119】<磁気テープの製造> 参考例1〜10;
【0120】参考例1 実施例19で得られた磁気記録媒体用非磁性下地層の上
にCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末(平均長軸径0.20
μm、平均短軸径0.029μm、軸比6.8、粒度分
布は幾何標準偏差1.38であり、BET比表面積4
8.2m2 /g)を用いて、まず、磁性粒子粉末と結合
剤樹脂と、溶剤とを混合し、固形分率76重量%でプラ
ストミルを用いて30分間混練した。しかる後、所定量
の混練物を取り出し、ガラス瓶にガラスビーズ及び溶剤
とともに添加し、ペイントコンディショナーで6時間混
合・分散を行った。
【0121】その後、研磨剤、潤滑剤及び硬化剤とを加
え、さらに、15分間混合・分散した。塗膜組成物の組
成は下記の通りであった。 Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有する 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 10重量部 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10重量部 研磨剤 10重量部 潤滑剤 2.5重量部 硬化剤 5重量部 シクロヘキサノン 52.2重量部 メチルエチルケトン 130.5重量部 トルエン 78.3重量部
【0122】得られた塗膜組成物を厚さ14μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを
用いて15μmの厚さに塗布し、次いで、乾燥させるこ
とによりシート状試料片を得た。得られたシート試料片
にカレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反
応して0.5インチ幅にスリットして磁気テープを得
た。
【0123】得られた磁気テープのHcは882Oe、
角型比は0.88、光沢は172%、表面粗度Raは
7.2nm、ヤング率は147、線吸収係数は1.21
であった。
【0124】参考例2〜10 実施例19、25及び26並びに比較例11及び16で
得られた磁気記録媒体用非磁性下地層を用いて参考例1
と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0125】この時の諸特性を表9に示す。
【0126】
【表9】
【0127】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体用非磁性下地
層は前出実施例に示した通り、ベースフィルムとしての
強度と表面性に優れているので、前出参考例に示した通
り、磁気記録媒体とした場合において光透過率が小さ
く、平滑で厚みむらのない薄膜の磁気記録層が得られ
る。
フロントページの続き (72)発明者 大杉 稔 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 原田 俊治 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 礒合 勝 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 高間 和志 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に形成される非磁性粒子
    粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物からなる磁気記録
    媒体用非磁性下地層において、前記非磁性粒子粉末がシ
    ラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネー
    ト系から選ばれる1種又は2種以上のカップリング剤に
    よって被覆されている針状α−Fe23 粒子からなる
    非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体用
    非磁性下地層。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に形成される非磁性粒子
    粉末と結合剤樹脂とを含む塗膜組成物からなる磁気記録
    媒体用非磁性下地層において、前記非磁性粒子粉末がA
    l化合物とシラン系、チタネート系、アルミネート系及
    びジルコネート系から選ばれる1種又は2種以上のカッ
    プリング剤とによって被覆されている針状α−Fe2
    3 粒子からなる非磁性粒子粉末であることを特徴とする
    磁気記録媒体用非磁性下地層。
  3. 【請求項3】 前記針状α−Fe2 3 粒子からなる非
    磁性粒子粉末が、平均長軸径0.05〜0.25μm、
    平均短軸径0.010〜0.035μm、粒度分布が幾
    何標準偏差で1.40以下及び軸比(長軸径/短軸径)
    2〜20であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の磁気記録媒体用非磁性下地層。
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