JPH06338021A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH06338021A
JPH06338021A JP12596293A JP12596293A JPH06338021A JP H06338021 A JPH06338021 A JP H06338021A JP 12596293 A JP12596293 A JP 12596293A JP 12596293 A JP12596293 A JP 12596293A JP H06338021 A JPH06338021 A JP H06338021A
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magnetic
film
films
metal
glass
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JP12596293A
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English (en)
Inventor
Seiichi Ogata
誠一 小形
Tadashi Saito
正 斎藤
Takashi Sugano
丘 菅野
Shinji Takahashi
伸司 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 隣接イレーズの低減を図ると共に再生出力の
向上を達成可能となす高密度磁気記録に適した製造歩留
まりの高い磁気ヘッドを提供することを目的とする。 【構成】 磁気コア基板1,2の突合わせ面が磁気ギャ
ップgに対して斜めに形成され、その傾斜面7,8上に
金属磁性膜3,4が成膜されてなる一対の磁気コア半体
5,6が、互いの金属磁性膜3,4の端面同士を突合わ
せその突合わせ面間に磁気ギャップgを形成すると共に
融着ガラス12により接合一体化されてなる磁気ヘッド
において、上記磁気ギャップgのトラック幅をTwとし
たときに、Tw≦13μmであり、且つ上記融着ガラス
12と金属磁性膜3,4との間に膜厚が0.05μm〜
0.2μmの非磁性金属又はその合金よりなる保護膜1
3,14が形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)等に搭載して有用な磁気ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、8ミリビデオテープレコーダに
用いられる磁気ヘッドとしては、磁性フェライトよりな
る磁気コア基板の突合わせ面側に形成された傾斜面上に
金属磁性膜を成膜してなる一対の磁気コア半体が、その
傾斜面上に成膜された金属磁性膜の端面同士を突合わせ
融着ガラスにより接合一体化されることにより、その突
合わせ面間に磁気ギャップを構成したものが提案されて
いる。
【0003】かかる磁気ヘッドでは、上記傾斜面上に成
膜された斜め膜である金属磁性膜の突合わせ面の対向幅
によって、上記磁気ギャップのトラック幅が規制される
ようになっている。したがって、この磁気ヘッドでは、
上記傾斜面上に成膜された金属磁性膜の膜厚を制御する
ことによって、簡単にトラック幅制御することができ、
狭トラック化に有利である。
【0004】しかしながら、この磁気ヘッドでは、金属
磁性膜が融着ガラスと接触するため、該融着ガラスによ
って金属磁性膜が侵食される虞がある。特に、この磁気
ヘッドのように、金属磁性膜の突合わせ面の対向幅によ
って磁気ギャップのトラック幅を規制する場合、ギャッ
プのエッジ部分の侵食によりトラック幅が減少するとい
う不都合がある。トラック幅の減少は、高密度記録化の
妨げとなるから、これを防止する必要がある。
【0005】そこで従来においては、融着ガラスによる
金属磁性膜の侵食を防止するために、該融着ガラスと金
属磁性膜の介面に侵食防止用の保護膜を介在させること
が行われている。かかる保護膜としては、例えばCr/
Ta2 5 /Crの順にこれら非磁性材料よりなる金属
膜を、上記金属磁性膜上に成膜したものが提案されてい
る。
【0006】上記保護膜うち、融着ガラスと接する側の
最上層のCr膜は、該融着ガラスによる金属磁性膜の侵
食を防止する働きをする。真ん中に介在されるTa2
5 膜は、融着ガラスと金属磁性膜の熱膨張係数の差によ
るガラスのヒビ割れを防止する機能をする。そてし、下
層のCr膜は、金属磁性膜とTa2 5 膜との密着力を
向上させる働きをするようになっている。
【0007】このように、金属磁性膜と融着ガラスとの
介面に上記構成からなる保護膜を介在させることによっ
て、該融着ガラスによる金属磁性膜の侵食を防止するこ
とができ、トラック幅の減少を抑えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高密度磁気
記録を達成するためには、各磁気コア半体の傾斜面上に
設けられる金属磁性膜の突合わせ作業(トラック位置合
わせ作業)を行う際に、一方の磁気コア半体の金属磁性
膜に対して、これと対向する他方の磁気コア半体の金属
磁性膜とのなす角度(以下、単にトラックエッジの開き
角と称する。)を90゜以上となるようにする必要があ
る。トラックエッジの開き角を90゜以上とすれば、記
録時において媒体に記録されているトラックパターンの
隣接するパターン部分における情報信号を磁気ギャップ
のエッジ部で消去してしまうこと,つまり隣接イレーズ
が無くなる。
【0009】しかし、上述の磁気ヘッドにおいては、保
護膜が1μm程度と厚くしかも金属膜であることから、
主コアとなる金属磁性膜と該保護膜の境界部分の識別が
困難となる。このため、トラックエッジの開き角を90
゜以上となるようにトラック合わせする作業が困難とな
り、トラック位置ずれによる歩留まりの低下が発生す
る。特に、狭トラック化すればする程、トラック合わせ
作業が困難になって、記録密度の低下が増大する。
【0010】そこで本発明は、かかる従来の技術的な課
題に鑑みて提案されたものであって、隣接イレーズの低
減を図ると共に再生出力の向上を達成可能となす高密度
磁気記録に適した製造歩留まりの高い磁気ヘッドを提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、磁気コア基板の突合わせ面が磁気ギャ
ップに対して斜めに形成され、その傾斜面上に金属磁性
膜が成膜されてなる一対の磁気コア半体が、互いの金属
磁性膜の端面同士を突合わせその突合わせ面間に磁気ギ
ャップを形成すると共に融着ガラスにより接合一体化さ
れてなる磁気ヘッドにおいて、上記磁気ギャップのトラ
ック幅をTwとしたときに、Tw≦13μmであり、且
つ上記融着ガラスと金属磁性膜との間に膜厚が0.05
μm〜0.2μmの非磁性金属又はその合金よりなる保
護膜が形成されていることを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る磁気ヘッドにおいて
は、保護膜をCrとしたことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の磁気ヘッドにおいては、融着ガラスに
よる金属磁性膜の侵食を防止する保護膜として、膜厚の
薄いCrよりなる非磁性金属膜を用いているので、膜厚
の厚い金属膜を用いたヘッドに比べてトラック位置合わ
せ作業が容易に行える。したがって、トラックエッジの
開き角を90゜以上となるように位置合わせするとが容
易に行え、その結果、記録時における隣接イレーズの低
減が図れ、また製造歩留まりが向上する。
【0014】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、保
護膜としてCrのみからなる単層膜を使用しているが、
金属磁性膜の膜厚が薄い(トラック幅13μm以下であ
る)ために、該金属磁性膜と融着ガラスとの熱膨張係数
の差から生ずる該融着ガラスのヒビ割れを防止するTa
2 5 膜を介在させなくとも、上記融着ガラスのヒビ割
れは発生しない。
【0015】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施
例は、8ミリビデオテープレコーダに搭載される磁気ヘ
ッドに本発明を適用したものである。本実施例の磁気ヘ
ッドは、図1に示すように、磁性フェライトよりなる磁
気コア基板1,2とこの磁気コア基板1,2の突合わせ
面にそれぞれ被着形成される金属磁性膜3,4とからな
る一対の磁気コア半体5,6とによって閉磁路が構成さ
れ、その金属磁性膜3,4の突合わせ面間に記録再生ギ
ャップとして動作するアジマスを有した磁気ギャップg
が形成されてなっている。
【0016】以下、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実
施例は、8ミリビデオテープレコーダに搭載される磁気
ヘッドに本発明を適用したものである。本実施例の磁気
ヘッドは、図1に示すように、磁性フェライトよりなる
磁気コア基板1,2とこの磁気コア基板1,2の突合わ
せ面にそれぞれ被着形成される金属磁性膜3,4とから
なる一対の磁気コア半体5,6とによって閉磁路が構成
され、その金属磁性膜3,4の突合わせ面間に記録再生
ギャップとして動作するアジマスを有した磁気ギャップ
gが形成されてなっている。
【0017】上記磁気コア基板1,2は、例えばフェラ
イト等の酸化物磁性材料からなり、主コアとして機能す
るコア断面積の少ない金属磁性膜3,4をバックアップ
する補助コアとして機能するようになっている。つま
り、金属磁性膜3,4のコア断面積が少ない分、この磁
気コア基板1,2のコアボリュームによって再生出力の
劣化を防止するようになっている。
【0018】また、この磁気コア基板1,2の突合わせ
面は、磁気ギャップgに対して斜めに切削して形成され
るトラック幅規制溝の第1の傾斜面7,8と第2の傾斜
面9,10とによって尖頭形状となされている。上記第
1の傾斜面7,8は、図4に示すように、磁気ギャップ
形成面に対して40゜なる角度で形成されている。実際
には、第1の傾斜面7,8の傾斜角度は、この上に成膜
される金属磁性膜3,4と磁気ギャップ形成面とのなす
角度とされている。一方、第2の傾斜面9,10は、磁
気ギャップ形成面に対して90゜なる角度で形成されて
いる。
【0019】なお、一方の磁気コア基板1の突合わせ面
には、コイルを巻装させるための巻線溝11が断面略コ
字状をなす溝としてコア厚方向に貫通して設けられてい
る。
【0020】一方、金属磁性膜3,4は、上記磁気コア
基板1,2の突合わせ面のうち、第1の傾斜面7,8上
にのみ、フロント側よりバック側に亘って連続した膜と
して被着形成されている。但し、巻線溝11が形成され
る部分は除く。
【0021】上記金属磁性膜3,4には、高い飽和磁束
密度を有し、且つ軟磁気特性に優れた強磁性材料が使用
されるが、かかる強磁性材料としては従来から公知のも
のがいずれも使用でき、結晶質,非結晶質を問わない。
【0022】例示するならば、Fe−Al−Si系合
金、Fe−Al系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe
−Ni系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni系
合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合
金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si−Al
系合金等の強磁性金属材料、或いはFe−Ga−Si系
合金、さらには上記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性や
耐摩耗性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co
(Feの一部をCoで置換したものを含む。),Siを
基本組成とする合金に、Ti,Cr,Mn,Zr,N
b,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,
Ni,Pb,Pt,Hf,Vの少なくとも1種を添加し
たものであってもよい。
【0023】また、強磁性非晶質金属合金、いわゆるア
モルファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上
の元素とP,C,B,Siの1つ以上の元素とからなる
合金、またはこれを主成分としAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、或いはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土
類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファス
合金)等も使用される。
【0024】これら金属磁性膜3,4の成膜方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、クラスター・イオンビーム法等に代表される真
空薄膜形成技術がいずれも採用される。
【0025】また、上記金属磁性膜3,4は、前記強磁
性合金材料の単層膜であってもよいが、例えばSiO
2 ,Ta23 ,ZrO2 ,Si34 等の絶縁膜を介
して何層にも積層した積層膜とするようにしてもよい。
積層膜とすることにより、高周波数領域での渦電流の損
失を回避することができる。なお、本実施例では、金属
磁性膜3,4として、センダスト(Fe−Al−Si)
よりなる膜を用いた。
【0026】そして、上記のように構成された一対の磁
気コア半体5,6は、第1の傾斜面7,8上に成膜され
た金属磁性膜3,4の端面同士をトラック位置合わせし
ながら突合わされ、該磁気ギャップgの両端縁の空隙部
分に融着ガラス12を充填することによって接合一体化
され、その金属磁性膜3,4間に磁気ギャップgを形成
するようになっている。このときの磁気ギャップgのト
ラック幅Twは、高密度磁気記録を目的として、13μ
m以下となされている。本実施例では、トラック幅Tw
を13μmとするために、金属磁性膜3,4の膜厚を1
6μmとした。また、高密度磁気記録化を達成すべく磁
気ギャップgのギャップ長を0.22μmとした。
【0027】そして特に、本実施例の磁気ヘッドにおい
ては、上記融着ガラス12による金属磁性膜3,4の侵
食を防止することを目的として図2(a)に示すよう
に、当該融着ガラス12と金属磁性膜3,4との間に、
その膜厚が0.05μm〜0.2μm程度と非常に薄い
非磁性金属又はその合金よりなる保護膜13,14が形
成されている。
【0028】ここでの保護膜13,14は、トラック幅
Twが13μm以下と非常に狭い,つまり金属磁性膜
3,4の膜厚が薄いため、融着ガラス12と金属磁性膜
3,4との熱膨張係数の差によって発生する融着ガラス
12のヒビ割れが問題とならず、膜厚の薄い単層膜から
なる非磁性金属膜又はその合金よりなる膜で十分に上記
融着ガラス12から金属磁性膜3,4を保護することが
できる。
【0029】なお、上記保護膜13,14には、Cr膜
の他にSi,Al,Ti等よりなる非磁性金属又はその
合金よりなる膜が使用できる。本実施例では、上記保護
膜13,14として、膜厚が0.2μmのCr膜を使用
した。
【0030】上述のように、融着ガラス12による金属
磁性膜3,4の侵食を防止する保護膜13,14として
膜厚の薄い単層膜からなる非磁性金属又はその合金より
なる膜を使用すれば、該保護膜13,14が金属膜であ
ることによる金属磁性膜3,4と上記保護膜13,14
との境界部分の確認が困難であっても、Cr/Ta2
5 /Crの3層からなる積層膜を保護膜とする従来ヘッ
ドに比べて、その膜厚が薄い分、トラック位置合わせが
高精度に行える。したがって、トラックずれによる製造
歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0031】上記膜厚の薄い非磁性金属又はその合金よ
りなる単層膜を保護膜13,14として用いることによ
り、トラック位置合わせが容易に行え、また融着ガラス
12にヒビ割れが生じないことについては、以下の実験
に基づく。
【0032】先ず、トラックエッジの開き角θが、図2
(a)ないし図2(c)に示すように、それぞれ130
゜,90゜,40゜となるようにトラック位置合わせし
た後ガラス融着を行った。図2(a)で示す磁気ヘッド
は、互いの金属磁性膜3,4の突合わせ位置がちょうど
一致したジャストトラックである。なお、この磁気ヘッ
ドでは、保護膜13,14として0.2μmのCr膜、
金属磁性膜3,4として16μmのセンダスト膜を用
い、トラック幅を13μm,ギャップ長を0.22μm
となるようにした。
【0033】同様にして、図3(a)ないし図3(c)
に示すように、保護膜としてCr/Ta2 5 /Crを
用いた他は、先のヘッドと同様にトラックエッジの開き
角θを130゜,90゜,40゜となるようにトラック
位置合わせした後ガラス融着を行った。なお、金属磁性
膜3,4上に成膜される下層のCr膜15,16の膜厚
は0.2μm、中間層のTa2 5 膜17,18の膜厚
は0.6μm、上層のCr膜19,20の膜厚は0.2
μmとした。また、この磁気ヘッドでは、先の磁気ヘッ
ドと同様に、金属磁性膜3,4として膜厚が16μmの
センダスト膜を用い、トラック幅を13μm,ギャップ
長を0.22μmとした。
【0034】なお、上記トラックエッジの開き角θは、
金属磁性膜3,4のエッジのラインで計測すべきである
が、図2及び図3に示す磁気ヘッドではいずれも金属磁
性膜3,4上に成膜される膜が金属膜であるCrである
ことから、当該Crと金属磁性膜3,4との分離が光学
的に困難であるために、今回はこれらのCr膜を含めた
形でトラックエッジの開き角θを定義した。
【0035】次に、ガラス融着が終了した後、磁気記録
媒体との摺動面を円筒研磨した後、当該摺動面の検査を
行った。その結果、Crの単層膜を保護膜13,14と
した磁気ヘッドとCr/Ta25 /Crよりなる積層
膜を保護膜とした磁気ヘッド共に、投入チップ数に対し
て、融着ガラス12にヒビが入ったものが僅か5%以内
と非常に良い結果が得られた。
【0036】膜厚の薄いCrよりなる単層膜を使用して
も、融着ガラス12にヒビが入らなかったのは、金属磁
性膜3,4の膜厚が13μmと非常に薄いためであると
考えられる。
【0037】次に、上記金属磁性膜3,4の融着ガラス
12による侵食について調べてみた。その結果、両ヘッ
ド共に金属磁性膜3,4の融着ガラス12による侵食は
無かった。
【0038】次いで、上記のようにして作成された各磁
気ヘッドについて、記録時における隣接イレーズ量を測
定してみた。隣接イレーズ量を測定するに当たっては、
記録された信号のトラックピッチ(Tp)が10μmに
なるように改造された8ミリビデオテープレコーダと蒸
着テープ(いずれも商品名Hi8用のレコーダ,テー
プ)を用い、これにより記録時における磁気ヘッドの隣
接イレーズ量をビッターパターンで測定した。
【0039】その結果、Crの単層膜を保護膜13,1
4とした磁気ヘッドでも、Cr/Ta2 5 /Crより
なる積層膜を保護膜とした磁気ヘッドでも、いずれもト
ラックエッジの開き角θが130゜,90゜の場合共
に、隣接イレーズ量は0.5μm以内と非常に良い結果
が得られた。
【0040】しかしながら、トラックエッジの開き角θ
が40゜である場合には、両ヘッド共に隣接イレーズ量
は2μm以上であった。トラックピッチTpが10μm
に対して2μmのイレーズ量は約2dBの出力減少に相
当する。したがって、さらなる高密度記録のためにトラ
ックピッチTpがより狭くなった場合には、このイレー
ズ量の影響が増大するために、図2に示す磁気ヘッドを
用いる場合には、トラックエッジの開き角θが40゜以
下のものは不適当である。
【0041】また、トラックエッジの開き角θが40゜
のものの投入チップ数に対する割合は、積層膜を保護膜
とした磁気ヘッドでは50%であったのに対し、膜厚の
薄いCrよりなる単層膜を保護膜とした磁気ヘッドでは
僅か10%未満であった。これは、ガラス融着前のトラ
ック合わせの際に、保護膜13,14と金属磁性膜3,
4との分離が光学的に困難なことによるためである。ま
た、膜厚の薄いCrよりなる単層膜を用いた磁気ヘッド
の方が良い結果が得られているのは、膜厚が薄い分トラ
ック位置合わせ作業がやり易いためである。したがっ
て、膜厚の薄いCrよりなる膜を保護膜13,14とし
て使用することで、製造歩留まりを向上させることがで
きる。
【0042】次に、Crの単層膜からなる保護膜13,
14を用いた磁気ヘッドにおいて、Crの膜厚を0.0
3μm、0.05μm、0.1μmとしたときの金属磁
性膜3,4の融着ガラス12による侵食を調べてみた。
その結果、膜厚が0.05μmと0.1μmの磁気ヘッ
ドでは、膜厚を0.2μm厚とした前述の磁気ヘッドと
同じく、金属磁性膜3,4に侵食は生じなかった。しか
しながら、膜厚を0.03μmとした磁気ヘッドでは、
融着ガラス12による金属磁性膜3,4への侵食が大き
くトラック幅の減少が著しかった。
【0043】したがって、Cr膜の厚みは、0.05μ
m以上とすることが望ましい。一方、上限については、
0.2μm以下とする。0.2μmを越えると、トラッ
ク位置合わせが困難となる。
【0044】なお、上記Cr膜に変えてSi,Al,T
i等の非磁性金属又はそれらの合金膜を保護膜13,1
4とした場合も、Crよりなる単層膜を用いた磁気ヘッ
ドと同様の作用効果が得られた。
【0045】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドにおいては、融着ガラスによる金属磁性
膜の侵食を防止する保護膜として、膜厚の薄いCrより
なる非磁性金属膜を用いているので、膜厚の厚い積層膜
を用いたヘッドに比べてトラック位置合わせが容易に行
え、隣接イレーズが問題とならないトラックエッジの開
き角90゜以上となるようにトラック位置合わせするこ
とができ、その結果記録時における隣接イレーズの低減
を図ることができる。
【0046】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、ト
ラック幅が13μm以下と非常に狭いことから、Ta2
5 膜を介在させなくとも、金属磁性膜と融着ガラスと
の熱膨張係数の差から生ずる該融着ガラスのヒビ割れを
防止することができる。したがって、本発明の磁気ヘッ
ドによれば、狭トラック化した場合でも、磁気記録媒体
に対して情報信号を密に書き込むことができ、高密度磁
気記録化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す斜視
図である。
【図2】図2は本発明を適用した磁気ヘッドの磁気記録
媒体摺動面部分を拡大して示す平面図であり、(a)は
トラックエッジの開き角θが130゜、(b)はトラッ
クエッジの開き角θが90゜、(c)はトラックエッジ
の開き角θが40゜である場合を示す。
【図3】図3はCr/Ta2 5 /Crよりなる積層膜
を保護膜とした磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動面部分を
拡大して示す平面図であり、(a)はトラックエッジの
開き角θが130゜、(b)はトラックエッジの開き角
θが90゜、(c)はトラックエッジの開き角θが40
゜である場合を示す。
【図4】図4はトラック幅規制溝における傾斜面のギャ
ップ形成面に対するなす角度を示す磁気記録媒体摺動面
部分を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1,2・・・磁気コア基板 3,4・・・金属磁性膜 5,6・・・磁気コア半体 7,8・・・第1の傾斜面 9,10・・・第2の傾斜面 11・・・巻線溝 12・・・融着ガラス 13,14・・・保護膜
フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気コア基板の突合わせ面が磁気ギャッ
    プに対して斜めに形成され、その傾斜面上に金属磁性膜
    が成膜されてなる一対の磁気コア半体が、互いの金属磁
    性膜の端面同士を突合わせその突合わせ面間に磁気ギャ
    ップを形成すると共に融着ガラスにより接合一体化され
    てなる磁気ヘッドにおいて、 上記磁気ギャップのトラック幅をTwとしたときに、T
    w≦13μmであり、且つ上記融着ガラスと金属磁性膜
    との間に膜厚が0.05μm〜0.2μmの非磁性金属
    又はその合金よりなる保護膜が形成されていることを特
    徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 保護膜はCrからなることを特徴とする
    ことを請求項1記載の磁気ヘッド。
JP12596293A 1993-05-27 1993-05-27 磁気ヘッド Pending JPH06338021A (ja)

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