JP3213997B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)等に搭載される磁気ヘッドに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
信号の高密度化が進行しており、高い抗磁力と高い残留
磁束密度を有する磁気記録媒体が使用されるようになっ
ている。これに伴って、磁気ヘッドのコア材料には高飽
和磁束密度を有するとともに高透磁率を有することが要
求されている。
【0003】しかしながら、コア材料として最も広く使
用されている酸化物磁性材料であるフェライトでは、飽
和磁束密度が不十分である。そこで、例えばフェライト
を補助コア材とし、磁気ギャップ部に高飽和磁束密度を
有する金属磁性材料よりなる薄膜を主コア材として設け
た、いわゆるメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドが
提案され、既に実用化されている。
【0004】ところが、メタル・イン・ギャップ型の磁
気ヘッドにおいては、材料の硬度差によって偏摩耗が生
じ摺動面に段差が生ずる。すなわち、磁気記録媒体摺動
面は磁気記録媒体との摺接によって次第に研磨されてい
くが、フェライトに比べて硬度の比較的低い金属材料は
当該フェライトよりも摩耗が激しい。特に、塵埃の多い
場所で使用した場合には、より偏摩耗が顕著になる。
【0005】ここで、磁気ヘッドにおいて問題となるの
は、磁気ギャップ部での段差であり、この段差が大きく
なればなる程、スペーシングロスが大きくなり、ヘッド
出力の低下及び画質の劣化が起こる。したがって、高精
細度が要求されるビデオテープレコーダ等への対応は非
常に困難なものになる。なお、上記磁気ギャップ部での
段差は、フェライトと金属材料の種類により異なるが、
大きいものでは0.3〜0.5μmにも達することがあ
り、画質の劣化の面で堪え難いものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上述
の技術的な課題を解消するべく提案されたものであっ
て、偏摩耗による磁気ギャップ部での段差を低減し、ス
ペーシングロスの少ないヘッド効率の高い高画質化が望
める磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、酸化物磁性材料と金属磁性薄膜よりな
る一対の磁気コア半体を金属磁性薄膜同士を突き合わせ
ることにより磁気ギャップを構成してなる磁気記録媒体
摺動面を有する摺動型の磁気ヘッドにおいて、上記磁気
ギャップを挾んで磁気記録媒体の走行方向に対し入口側
に配される金属磁性薄膜の膜厚Wと出口側に配される金
属磁性薄膜の膜厚Hの比を2<H/W≦10としたもの
である。
【0008】
【作用】例えば、膜厚の同じ金属磁性薄膜とフェライト
からなる磁気コア半体を金属磁性薄膜同士をギャップ膜
を介して突合わせたメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘ
ッドをビデオテープレコーダに搭載して記録再生した場
合、磁気ギャップを挾んで磁気記録媒体の走行方向、例
えば図2中矢印X方向に対し入口側(以下、リーディン
グ側と称する。)に配される金属磁性薄膜と出口側(以
下、トレイリング側と書する。)に配される金属磁性薄
膜の摩耗の生じ方が非対称となる。つまり、リーディン
グ側に比べてトレイリング側の方がより多く摩耗する結
果となる。
【0009】しかしながら、本発明では、磁気ギャップ
位置をリーディング側にずらす、つまりリーディング側
の金属磁性薄膜の膜厚をトレイリング側の金属磁性薄膜
の膜厚に比べて薄くしているので、磁気ギャップ部にお
ける段差が低減され、スペーシングロスの減少並びにヘ
ッド出力が向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例の磁
気ヘッドは、図1及び図2に示すように、例えばフェラ
イト等の酸化物磁性材料よりなる補助コア部1,2と強
磁性材料よりなる金属磁性薄膜3,4とを主要な構成要
素とする一対の磁気コア半体5,6を接合一体化してな
るものである。
【0011】この磁気ヘッドにおける磁気ギャップg
は、上記金属磁性薄膜3,4同士を融着ガラス或いは非
磁性膜よりなるギャップ膜7を挾み込んで突合わせるこ
とにより構成されている。そして上記磁気ギャップgの
トラック幅Twは、互いに突き合わされる金属磁性薄膜
3,4の対向幅によって規制された形となっている。
【0012】磁気コア半体5,6を構成する補助コア部
1,2は、例えばMn−ZnフェライトやNi−Znフ
ェライト等からなり、その一方の補助コア部1の突合わ
せ面には、コイルを巻装するための巻線溝8が設けらら
れている。この巻線溝8は、断面略コ字状の溝として形
成され、磁気ギャップg側に設けられる傾斜面8aによ
って上記磁気ギャップgのデプスを規制するようになっ
ている。
【0013】一方、金属磁性薄膜3,4は、磁気ギャッ
プgが構成されるフロント部から巻線溝8内を含めてバ
ック部側に至るまで連続した膜として形成されている。
したがって、この磁気ヘッドでは、上記金属磁性薄膜
3,4同士を突合わせ接合一体化することで、これら補
助コア部1,2と金属磁性薄膜3,4とによって閉磁路
が構成される。
【0014】上記金属磁性薄膜3,4に使用される磁性
材料には、高い飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性に優
れた強磁性合金材料が使用されるが、かかる強磁性合金
材料としては従来より公知のものがいずれも使用でき、
結晶質,非結晶質を問わない。例示するならば、Fe−
Ni系合金、Fe−C系合金、Fe−Al−Si系合
金、Fe−Ga−Si系合金、Fe−Al−Ge系合
金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合
金、Fe−Co−Si系合金、Fe−Co−Si−Al
系合金等の結晶質合金材料や、いわゆるアモルファス合
金(例えばFe,Ni,Coのうち1以上の元素とP,
C,B,Siのうち1以上の元素とからなる合金、また
はこれを主成分としAl,Be,Sn,In,Mo,
W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,Nb等を含んだ合
金等のメタル−メタロイド系アモルファス合金、或いは
Co−Zr,Co−Hf等の遷移元素を主成分とする合
金、またはこれらに希土類元素を添加した合金等のメタ
ル−メタル系アモルファス合金。)等である。本実施例
では、Co−Zr系アモルファス合金を使用した。
【0015】そして、上記金属磁性薄膜3,4の成膜方
法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法等に代表されるPVD技術が採用され
る。また、上記金属磁性薄膜3,4は単層膜であっても
よいが、高帯域での出力をより一層高める目的で、例え
ばSiO2 ,Ta2 5 ,Al2 3 ,ZrO2 ,Si
3 4 等の絶縁膜を介して多層膜としてもよい。
【0016】そして特に本実施例の磁気ヘッドでは、上
記金属磁性薄膜3,4の膜厚が上記磁気ギャップgを挾
んで非対称とされている。すなわち、磁気ギャップgを
挾んで磁気記録媒体の走行方向(図2中矢印X方向)に
対しリーディング側の金属磁性薄膜3の膜厚Wがトレイ
リング側の金属磁性薄膜4の膜厚Hに対して薄くなされ
ている。これは、硬度差による補助コア部1,2と金属
磁性薄膜3,4の偏摩耗によって生ずる磁気ギャップ部
での段差をなるべく小さなものとすることにより基づく
もので、その膜厚の比は2<H/W≦10の範囲とされ
る。
【0017】上記膜厚比の範囲は、以下の実験結果から
求められる。すなわち、図3に示すように、膜厚の同じ
金属磁性薄膜51,52とフェライト53,54からな
る磁気コア半体55,56を金属磁性薄膜51,52同
士をギャップ膜57を介して突合わせたメタル・イン・
ギャップ型の磁気ヘッドを用い、これをビデオテープレ
コーダに搭載して土煙の舞う屋外にて3日間繰り返し走
行させた。そして、表面形状測定器(機種名α−ste
p)によって摺動面を走査測定する。その結果が図3で
ある。この図3より、磁気ギャップgを挾んで磁気記録
媒体の走行方向(同図中矢印X方向)に対し入口側に配
される金属磁性薄膜51と出口側に配される金属磁性薄
膜52では、摩耗が非対称となっていることがわかる。
すなわち、リーディング側の金属磁性薄膜51よりもト
レイリング側の金属磁性薄膜52の方がより多く摩耗す
る結果となっている。なお、測定に当たっては、金属磁
性薄膜51,52にCo−Zr系アモルファス合金を用
い、フェライト53,54にMn−Znフェライトを用
い、それぞれの膜厚を7.5μmとした。また、ビデオ
テープレコーダにはソニー社製,機種名ベータカム−S
Pを用い、テープには商品名BCT−20Gを用いた。
【0018】次に、上記磁気ギャップg位置をリーディ
ング側に移動させたときの分離損失Lsの変化を調べ
た。この結果を図4に示す。なお、図4中横軸に示すx
は、図3中の金属磁性薄膜51,52の膜厚を示し、零
位置がリーディング側の金属磁性薄膜51の膜厚が零で
あることを示す。また、分離損失Lsは、波長λを0.
7μmとしてLs=−54.6(d/λ)〔dB〕(但
し、dは媒体−ヘッド面の間隔を表す。)により計算し
た。
【0019】図4からわかるように、分離損失Lsが5
dB以上出力低下すると画質として耐えられないレベル
となることから、5dB以下となるような膜厚を選ぶと
5μmとなる。このとき、リーディング側の金属磁性薄
膜51の膜厚Wとトレイリング側の金属磁性薄膜52の
膜厚Hの比は、トータルの膜厚が15μmであるからH
/W=10/5=2となる。したがって、偏摩耗により
画質を損なわないレベルに保つためには、H/W>2と
する必要がある。一方、上限については、膜厚が余り厚
いと膜剥がれを生ずるため、膜剥がれが生じない範囲で
決められる。例えば、その上限としては、H/W≦10
である。なお、記録特性は主としてリーディング側の金
属磁性薄膜4の飽和特性が重要となるが、リーディング
側の金属磁性薄膜4の膜厚が薄くなると飽和しやすくな
るため、下限膜厚としては2μm程度とすることが望ま
しい。また、上限については、一般的なメタル・イン・
ギャップ型のヘッドでは、金属磁性薄膜の膜厚が4〜1
0μm程度であることから5μm程度が好ましい。
【0020】以上のようにして構成された磁気ヘッドに
おいては、磁気記録媒体との摺接により磁気記録媒体摺
動面が摩耗しても偏摩耗が少なくて済み、特に磁気ギャ
ップ部での段差が同一膜厚のヘッドに比べて遥かに小さ
なものとなる。したがって、スペーシングロスが低減
し、ヘッド出力が向上する。
【0021】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドにおいては、リーディング側の金属磁性
薄膜の膜厚をトレイリング側の金属磁性薄膜の膜厚に対
して薄くしているので、偏摩耗による磁気ギャップ部で
の段差を低減することができる。したがって、たとえ塵
埃の多い場所で使用しても上記磁気ギャップ部での段差
に基づくスペーシングロスの低減が図れ、ヘッド出力の
向上並びに高画質化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッドの磁気ギャップ部
の拡大側面図である。
【図3】メタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドを土煙
の舞う屋外でビデオテープレコーダに搭載してテープ走
行試験を行ったときの摺動面側の様子を示す図である。
【図4】磁気ギャップ位置をリーディング側に移動させ
たときの分離損失の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1,2・・・補助コア部(フェライト) 3,4・・・金属磁性薄膜 7・・・ギャップ膜
フロントページの続き (72)発明者 青木 薫 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (72)発明者 内海 ゆかり 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−121807(JP,A) 特開 平3−259407(JP,A) 特開 昭63−271703(JP,A) 特開 平4−48415(JP,A) 特開 昭62−259208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物磁性材料と金属磁性薄膜よりなる
    一対の磁気コア半体を金属磁性薄膜同士を突き合わせる
    ことにより磁気ギャップを構成してなる磁気記録媒体摺
    動面を有する摺動型の磁気ヘッドにおいて、 上記磁気ギャップを挾んで磁気記録媒体の走行方向に対
    し入口側に配される金属磁性薄膜の膜厚Wと出口側に配
    される金属磁性薄膜の膜厚Hの比が2<H/W≦10で
    あることを特徴とする磁気ヘッド。
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