JPH06251322A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH06251322A
JPH06251322A JP6336793A JP6336793A JPH06251322A JP H06251322 A JPH06251322 A JP H06251322A JP 6336793 A JP6336793 A JP 6336793A JP 6336793 A JP6336793 A JP 6336793A JP H06251322 A JPH06251322 A JP H06251322A
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JP
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magnetic
gap
recording medium
magnetic core
head
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JP6336793A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Domon
大志 土門
Tatsuo Hisamura
達雄 久村
Fusashige Tokutake
房重 徳竹
Fumio Kurosawa
文夫 黒澤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェライトヘッドあるいはメタル・イン・ギ
ャップ型ヘッドにおいて、磁気コア半体1,2の磁気記
録媒体摺動面Sのうち磁気ギャップg近傍を除いた部分
を耐摩耗性材料12,13により構成する。 【効果】 耐摩耗性を有し、電磁変換効率の低下,磁気
テープとの接触不良を招くことなく長ヘッド寿命が得ら
れる磁気ヘッドが獲得できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)等に搭載される磁気ヘッドに関し、特
に磁気コア基板の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTR等の磁気記録再生装置に
おいては、高画質化等を目的として情報信号の短波長化
が進められており、これに対応して磁性粉に強磁性金属
粉末を用いた,いわゆるメタルテープや、ベースフィル
ム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ等の高
抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになっている。
【0003】一方、磁気ヘッドの分野においてもこれに
対処するべく研究が進められており、高抗磁力磁気記録
媒体に対して好適な磁気ヘッドとしてコア材に金属磁性
材料を用いた,いわゆるメタル・イン・ギャップ型の磁
気ヘッドが種々開発されている。
【0004】その磁気ヘッドの一例として、例えば図1
5に示す如く構成されたものが知られている。かかる磁
気ヘッドは、巻線溝31が形成された磁性フェライト等
からなる磁気コア基板32,33の突合せ面に金属磁性
薄膜34,35を成膜してなる一対の磁気コア半体3
6,37から構成され、これら一対の磁気コア半体3
6,37が金属磁性薄膜34,35を突合せ面として突
き合わさることにより閉磁路が構成され、この突合せ面
間に磁気ギャップg、および巻線溝31が形成されてな
っている。上記磁気ヘッドにおいて、電磁変換効率は巻
線溝31の磁気ギャップg側の傾斜面31aによって規
定される磁気ギャップgのフロント側のデプス(フロン
トデプス)dによって決まる。したがって、このフロン
トデプスが磁気記録媒体の摺動による摺動面の磨耗によ
って変動しないことが重要となってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、VTR等に
搭載されて使用される磁気ヘッドは、その磁気記録媒体
摺動面に磁気テープが高速摺動することとなる。
【0006】ここで、上記構成の磁気ヘッドでは、磁気
記録媒体摺動面の大部分が磁気コア基板を構成するフェ
ライトによって占められている。ところが、フェライト
は耐摩耗性が十分に大きいものとは言えないことから、
このような磁気ヘッドは、磁気テープに高速摺動される
と磁気記録媒体摺動面が比較的速い速度で摩耗して磁気
ギャップのフロントデプスが小さくなり、終には使用不
可能な状態に至る。
【0007】磁気ヘッドにおいてこのように使用不可能
な状態となるのを遅延させる方法としては、磁気記録媒
体摺動面の当たり幅を広げて摩耗量を小さくする,磁気
ギャップのフロントデプス自体を大きくとって使用不可
能な状態に至るまでの時期を引き延ばす等が考えられ
る。
【0008】しかし、磁気テープとの接触を良好な状態
を保つことを考慮すると、磁気記録媒体摺動面の幅を必
要以上に大きくすることは好ましくなく、一方、フロン
トデプスを大きくとることは電磁変換効率の低下を招来
する。このような不都合から、これらの方法では磁気ヘ
ッドを十分に長寿命化することができないのが実情であ
る。
【0009】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、電磁変換効率の低下,磁
気テープとの接触不良を招くことなく長ヘッド寿命が得
られる磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気ヘッドは、酸化物磁性材料よりなる
一対の磁気コア半体が突き合わされて閉磁路が構成さ
れ、これら磁気コア半体同士の突合せ面間に磁気ギャッ
プが形成されてなる磁気ヘッドの上記磁気コア半体は、
磁気記録媒体摺動面のうち磁気ギャップ近傍を除いた部
分が耐摩耗性材料により構成されることを特徴とするも
のである。
【0011】また、酸化物磁性材料よりなる磁気コア基
板とこの磁気コア基板の突合せ面上に成膜された金属磁
性薄膜よりなる一対の磁気コア半体が、互いに金属磁性
薄膜同士を突合せて閉磁路が構成され、これら磁気コア
半体同士の突合せ面間に磁気ギャップが形成されてなる
磁気ヘッドの上記磁気コア半体は、磁気記録媒体摺動面
のうち磁気ギャップ近傍を除いた部分が耐摩耗性材料に
より構成されることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】酸化物磁性材料よりなる一対の磁気コア半体が
突き合わされて閉磁路が構成され、これら磁気コア半体
同士の突合せ面間に磁気ギャップが形成されてなる磁気
ヘッド、あるいは酸化物磁性材料よりなる磁気コア半体
の突合せ面に金属磁性薄膜が設けられた磁気ヘッドの、
磁気コア基板の磁気記録媒体摺動面のうち磁気ギャップ
近傍を除いた部分を耐摩耗性材料により構成すると、該
耐摩耗性材料により、磁気記録媒体の摺動による摺動面
の摩耗が効果的に抑えられ、ヘッド寿命が延びる。ま
た、耐摩耗性材料で構成される分、酸化物磁性材料の占
める割合が減少するので、酸化物磁性材料に磁気記録媒
体が摺動することで生じる摺動ノイズが低減する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。本実施例の磁気ヘッ
ドは、図1に示すように、記録再生ギャップとして動作
する磁気ギャップgを境にして左右別々に作製された一
対の磁気コア半体1,2が、互いの金属磁性薄膜3,4
同士を突き合わせて閉磁路が構成されてなる。
【0014】上記磁気コア半体1,2は、磁気コア基板
5,6と、この磁気コア基板5,6の突合せ面上に沿っ
て成膜される金属磁性薄膜3,4とから構成される。上
記磁気コア基板5,6の突合せ面の中途部には、コイル
を巻装させるための巻線溝7が形成されている。さらに
この磁気コア基板5,6には、磁気ギャップgのトラッ
ク幅を規制するためのトラック幅規制溝8,9が磁気ギ
ャップgの両端部にそれぞれ平面略円弧状をなす溝とし
て形成されている。そして、このように形成された磁気
コア基板5,6のそれぞれの突合せ面に、上記巻線溝7
内を含めて当該磁気コア基板5,6の突合せ面形状に沿
った形で上記磁気ギャップgが設けられるフロントギャ
ップ側からバックギャップ側に亘って連続した膜として
金属磁性薄膜3,4が形成されている。
【0015】上記金属磁性薄膜3,4に使用される強磁
性金属材料としては、従来より公知の高飽和磁束密度且
つ軟磁気特性に優れた強磁性合金材料が使用され、結晶
質,非結晶質を問わない。例示するならば、Fe系合
金、Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−C系合金、
Fe−Al−Si系合金、Ge−Ga−Si系合金、F
e−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe
−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si系合金、Fe−
Ru−Ga−Si系合金、Fe−Co−Si−Al系合
金等の結晶質合金材料や、Co−Zr−Nb,Co−Z
r−Nb−Ta等のアモルファス合金等が挙げられる。
もちろん、一般に使用されるアモルファス合金(例えば
Fe,Ni,Coのうち1以上の元素とP,C,B,S
iのうち1以上の元素とからなる合金、またはこれを主
成分としAl,Be,Sn,In,Mo,W,Ti,M
n,Cr,Zr,Hf,Nb等を含んだ合金等のメタル
−メタロイド系アモルファス合金、或いはCo−Zr,
Co−Hf等の遷移元素を主成分とする合金、またはこ
れら希土類元素を添加した合金等のメタル−メタル系ア
モルファス合金。)等も使用可能である。
【0016】なお、磁気ヘッドのより一層の高出力化並
びに高帯域での渦電流損失を回避するために、上記金属
磁性薄膜3,4を絶縁膜を介して膜厚の薄い金属層を何
層にも積層することにより形成される多層膜構造として
もよい。この場合には、絶縁膜として従来より多く使用
されているSiO2 の他、Ta2 5 、Al2 3 、Z
rO2 、Si3 4 等の如き材料からなる膜を使用す
る。また、このときの各金属層及び絶縁膜の形成方法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレテ
ィング法、クラスター・イオンビーム法等に代表される
真空薄膜形成技術がいずれも採用できる。
【0017】このように形成された一対の磁気コア半体
1,2は、互いの金属磁性薄膜3,4の端面同士をギャ
ップ膜(図示は省略する。)を介在させて突合せ、接合
されることにより一体化されている。したがって、相対
向する金属磁性薄膜3,4間には、記録再生ギャップと
して動作する磁気ギャップgが形成される。この磁気ギ
ャップgのトラック幅Twは、ギャップ部に設けられる
金属磁性薄膜3,4をその両端縁より切り欠くトラック
幅規制溝8,9によって規制されるようになっている。
なお、このトラック幅規制溝8,9には融着ガラスが充
填され磁気記録媒体摺動面において磁気記録媒体との当
たりが確保できるようになっている。
【0018】ここで、本実施例の磁気ヘッドでは、上記
磁気コア基板5,6の一部が耐摩耗性材料12,13で
構成されることにより磁気記録媒体の摺動に対して高い
耐摩耗性が得られるとともに摺動ノイズが防止されるよ
うになっている。
【0019】すなわち、上記磁気コア基板5,6は、磁
気記録媒体走行方向において分割され、磁気回路を構成
すべき金属磁性薄膜3,4形成面近傍部分が酸化物磁性
材料10,11により構成され、金属磁性薄膜3,4形
成面近傍を除いた部分が耐摩耗性材料12,13により
構成されており、磁気記録媒体摺動面S側から見たとき
に酸化物磁性材料10,11が磁気ギャップg近傍のみ
に露出し、それより外側では耐摩耗性材料12,13が
露出するようになっている。
【0020】磁気記録媒体摺動面Sでは、このように耐
摩耗性材料12,13が露出していることにより、磁気
記録媒体の摺動による摩耗が効果的に抑えられ、長ヘッ
ド寿命が得られる。また、耐摩耗性材料12,13で構
成される分、酸化物磁性材料10,11の占める割合が
減少するので、酸化物磁性材料10,11に磁気記録媒
体が摺動することに起因する摺動ノイズも低減する。
【0021】上記耐摩耗性材料12,13としては、ヘ
マタイトあるいはZrO2 を90重量%以上含有する非
磁性酸化物材料等が挙げられる。なお、ヘマタイトと
は、Fe2 3 なる組成の酸化鉱物であって、それには
α−ヘマタイト,γ−ヘマタイトがあるがこのうち特に
α−ヘマタイトを用いることが望ましい。一方、酸化物
磁性材料10,11としては、Mn−Zn系フェライ
ト,Ni−Zn系フェライト等、通常、この種の磁気ヘ
ッドにおいて磁気コア基板に用いられている酸化物磁性
材料が使用される。
【0022】ここで、上記磁気コア基板5,6は、耐摩
耗性材料12,13が金属磁性薄膜3,4形成面近傍を
除いた部分においてフロント側からバック側に亘って配
された構成であるが、図2に示すように、耐摩耗性材料
12,13を金属磁性薄膜3,4形成面近傍を除いた部
分において磁気記録媒体摺動面S近傍にのみ配するよう
にし、他の部分は酸化物磁性材料10,11によって構
成するようにしても良い。このような構成としても、耐
磨耗性材料12,13が磁気記録媒体摺動面Sに露出す
ることにより、磁気記録媒体摺動面Sの磨耗,摺動ノイ
ズは効果的に抑えられる。
【0023】なお、上記磁気コア基板5,6の金属磁性
薄膜3,4形成面近傍を除いた部分を構成する酸化物磁
性材料としては、単結晶フェライト,多結晶フェライト
を接合一体化してなる単結晶−多結晶の接合基板を用い
るようにしても良い。単結晶−多結晶接合基板を用いる
磁気ヘッドの構成例を図3,図4に示す。
【0024】すなわち、図3に示す磁気ヘッドにおい
て、磁気コア基板5,6は、走行方向において分割され
ており、このうち金属磁性薄膜3,4形成面近傍を除い
た部分が耐摩耗性材料12,13により構成されてい
る。一方、金属磁性薄膜3,4形成面近傍部分は、さら
にデプス方向において分割され、磁気記録媒体摺動面S
側であるフロント側部分が単結晶フェライト14,15
により構成され、バック側部分が多結晶フェライト1
6,17より構成されている。
【0025】金属磁性膜3,4形成面近傍に配された単
結晶フェライト14,15,多結晶フェライト16,1
7は磁気回路を構成するものである。すなわち、磁気回
路のフロント側が高周波数帯域において飽和磁束密度の
高い単結晶フェライト14,15により構成され、磁気
回路のバック側が単結晶フェライト14,15に比べて
摺動ノイズの低い多結晶フェライト16,17により構
成されことにより、摺動ノイズが低く高密度記録に好適
なものとなっている。
【0026】さらに、上記磁気ヘッドにおいては、金属
磁性薄膜3,4形成面近傍を除いた部分が耐摩耗性材料
12,13で構成されることにより、磁気記録媒体が摺
動したときの摩耗が効果的に抑えられ、さらには酸化物
磁性材料が磁気記録媒体に摺動することに起因する摺動
ノイズが低減する。
【0027】なお、単結晶−多結晶接合基板を用いる場
合にも、磁気コア基板5,6は、図4に示すように耐摩
耗性材料を金属磁性薄膜3,4形成面近傍を除いた部分
において磁気記録媒体摺動面S近傍にのみ配するように
し、他の部分には多結晶フェライト16,17を配する
ような構成としても良い。このような構成としても、磁
気記録媒体摺動面Sに露出する耐摩耗性材料12,13
により磁気記録媒体摺動面Sの摩耗,摺動ノイズは効果
的に抑えられる。
【0028】以上のような構成の磁気ヘッドは以下のよ
うにして作製される。
【0029】先ず、耐摩耗性非磁性酸化物よりなる耐摩
耗性基板21と磁性酸化物基板22を用意する。そし
て、図5に示すように、これら基板21,22をPbO
を主成分とするガラスを用いたガラス融着あるいはA
u,Ag,Pb,Ptを用いた低温金属接合等により接
合し、一対の複合基板28を作製する。なお、磁性酸化
物基板22としては、Mn−Zn系フェライト,Ni−
Zn系フェライトの単結晶基板,多結晶基板もしくは図
3,図4に示す磁気ヘッドを作製する場合には、単結晶
−多結晶接合基板が用いられる。
【0030】次に、図6に示すように、複合基板28の
突合せ面となる一主面に磁気ギャップgのトラック幅を
規制するためのトラック幅規制溝25を形成する。かか
るトラック幅規制溝25は、複合基板28の短辺方向に
断面円弧状をなす連続溝として形成し、その複合基板2
8の長手方向の所定ピッチとなるように形成する。次い
で、上記トラック幅規制溝25と直交する方向に巻線溝
23及び切断予備溝24を所定ピッチとなるように形成
する。
【0031】次に、図7Aに示すように、複合基板28
を切断予備溝24にて切断して磁気コア半体ブロック2
9を作製する。そして、該磁気コア半体ブロック29の
一主面に鏡面加工を施した後、各溝内を含めてその全体
亘って、Fe−Al−Si系合金やFe−Ru−Ga−
Si系合金等の強磁性金属材料をスパッタ,蒸着やMB
E法等の真空薄膜形成技術によって被着して金属磁性薄
膜を形成する。なお、金属磁性薄膜は、その膜厚が4μ
m〜10μmとなるようにする。次に、上記金属磁性薄
膜26上に磁気ギャップgのギャップ長を規定するため
のギャップ膜を真空薄膜形成技術により成膜する。図7
Bに、磁気コア半体ブロック29に成膜された金属薄膜
26とギャップ膜27を拡大して示す。
【0032】そして、上記磁気コア半体ブロック29と
同様にして金属磁性薄膜26,ギャップ膜27が形成さ
れた磁気コア半体ブロック30をギャップ膜27同士を
突合せ面としてトラック位置合わせしながら突合せ、ギ
ャップ接合する。その結果、図8に示すような、金属磁
性薄膜26形成面近傍が酸化物磁性材料よりなり、酸化
物磁性材料よりなる金属磁性薄膜形成面近傍より外側が
耐摩耗性材料よりなるギャップ接合ブロック31が得ら
れる。なお、ギャップ膜27としては、SiO2 やA
u,Ag,Pd,Pt等が使用され、それぞれギャップ
接合はガラス融着接合法,低温金属拡散接合法によって
行われる。
【0033】そして、図9に示すように接合一体化され
たギャップ接合ブロック31の一端面を円筒加工して磁
気記録媒体摺動面Sを形成した後、図9で示す線a−a
´及び線b−b´位置でスライシングすることで上記磁
気ヘッドが完成する。なお、磁気ギャップgにアジマス
角を持たせる場合には、線a−a´及び線b−b´から
所定アジマス角だけ角度を持たせてスライシングを行う
ようにする。
【0034】このようにして作製される磁気ヘッド(サ
ンプルヘッド)及び磁気コア基板が酸化物磁性材料のみ
よりなる従来の磁気ヘッド(比較ヘッド)について磁気
テープを摺動させ磁気記録媒体摺動面の磨耗量を調べ
た。磁気テープ摺動時間と磁気記録媒体摺動面の摩耗量
の関係を図10に示す。図10から、磁気コア基板の記
録媒体摺動面の一部が耐摩耗性材料により構成された磁
気ヘッドは、磁気コア基板が酸化物磁性材料のみよりな
る磁気ヘッドに比べて非常に優れた耐摩耗性を有してい
ることがわかる。
【0035】なお、以上に説明した磁気ヘッドは、いず
れも磁気コア半体の突合せ面に金属磁性薄膜3,4が設
けられたメタル・イン・ギャップ型の構成であるが、本
発明は、磁気コア半体の突合せ面に金属磁性薄膜を有さ
ないいわゆるフェライトヘッドにも適用可能であり、同
様の作用効果を発揮する。図11〜図14にフェライト
ヘッドに本発明を適用した構成例を示す。
【0036】すなわち、図11に示す磁気ヘッドは、磁
気ギャップgを境にして左右別々に作製された一対の磁
気コア半体31,32が突き合わせれて閉磁路が構成さ
れてなる。
【0037】上記磁気コア半体31,32の突合せ面の
中途部には、コイルを巻装させるための巻線溝37が形
成されている。さらにこの磁気コア半体31,32に
は、磁気ギャップgのトラック幅を規制するためのトラ
ック幅規制溝38,39が磁気ギャップgの両端部にそ
れぞれ平面略円弧状をなす溝として形成されている。こ
のように形成された一対の磁気コア半体31,32は、
突合せ接合されることにより一体化されており、その突
合せ面間には記録再生ギャップとして動作する磁気ギャ
ップgが形成される。この磁気ギャップgのトラック幅
Twは、突合せ面をその両端縁より切り欠くトラック幅
規制溝38,39によって規制されるようになってい
る。なお、このトラック幅規制溝38,39には融着ガ
ラスが充填され磁気記録媒体摺動面Sにおいて磁気記録
媒体との当たりが確保できるようになっている。
【0038】ここで、上記磁気ヘッドでは、上記磁気コ
ア半体31,32は、磁気記録媒体走行方向において分
割され、磁気ギャップg近傍部分が酸化物磁性材料4
0,41により構成され、磁気ギャップg近傍を除いた
部分が耐摩耗性材料42,43により構成されており、
磁気記録媒体摺動面S側から見たときに酸化物磁性材料
40,41が磁気ギャップg近傍のみに露出し、それよ
り外側では耐摩耗性材料42,43が露出するようにな
っている。
【0039】磁気記録媒体摺動面Sでは、このように耐
摩耗性材料42,43が露出していることにより、磁気
記録媒体の摺動による摩耗が効果的に抑えられ、長ヘッ
ド寿命が得られる。また、耐摩耗性材料42,43で構
成される分、酸化物磁性材料40,41の占める割合が
減少するので、酸化物磁性材料40,41に磁気記録媒
体が摺動することに起因する摺動ノイズも低減する。
【0040】なお、上記耐摩耗性材料42,43、酸化
物磁性材料40,41としては、前述のメタル・イン・
ギャップ型ヘッドのところで例示したものがいずれも使
用可能である。
【0041】ここで、上記磁気コア半体31,32は、
耐摩耗性材料42,43が金属磁性薄膜33,34形成
面近傍を除いた部分においてフロント側からバック側に
亘って配された構成であるが、図12に示すように、耐
摩耗性材料32,33を磁気ギャップg近傍を除いた部
分において磁気記録媒体摺動面S近傍にのみ配するよう
にし、他の部分は酸化物磁性材料40,41によって構
成するようにしても良い。このような構成としても、耐
磨耗性材料が磁気記録媒体摺動面Sに露出することによ
り、磁気記録媒体摺動面Sの磨耗,摺動ノイズは効果的
に抑えられる。
【0042】また、上記磁気コア半体31,32の磁気
ギャップg近傍を除いた部分を構成する酸化物磁性材料
として図13,図14に示すように単結晶フェライト,
多結晶フェライトを接合一体化してなる単結晶−多結晶
の接合基板を用いるようにしても良い。
【0043】すなわち、図13に示す磁気ヘッドにおい
て、磁気コア半体31,32は、走行方向において分割
されており、このうち磁気ギャップg近傍を除いた部分
が耐摩耗性材料42,43により構成されている。一
方、磁気ギャップg近傍部分は、さらにデプス方向にお
いて分割され、磁気記録媒体摺動面側であるフロント側
部分が単結晶フェライト44,45により構成され、バ
ック側部分が多結晶フェライト46,47より構成され
ている。
【0044】磁気ギャップg近傍に配された単結晶フェ
ライト44,45,多結晶フェライト46,47は磁気
回路を構成するものである。すなわち、磁気回路のフロ
ント側が高周波数帯域において飽和磁束密度の高い単結
晶フェライト44,45により構成され、磁気回路のバ
ック側が単結晶フェライト44,45に比べて摺動ノイ
ズの低い多結晶フェライト46,47により構成されこ
とにより、摺動ノイズが低く高密度記録に好適なものと
なっている。
【0045】さらに、上記磁気ヘッドにおいては、磁気
ギャップg近傍より外側が耐摩耗性材料42,43で構
成されることにより、磁気記録媒体が摺動したときの摩
耗が効果的に抑えられ、さらには酸化物磁性材料が磁気
記録媒体に摺動することに起因する摺動ノイズが低減す
る。
【0046】なお、単結晶−多結晶接合基板を用いる場
合にも、前述の場合と同様、図14に示すように耐摩耗
性材料を磁気ギャップg近傍を除いた部分において磁気
記録媒体摺動面S近傍にのみ配するようにし、他の部分
には多結晶フェライト46,47を配するような構成と
しても良い。このような構成としても、磁気記録媒体摺
動面Sに露出する耐摩耗性材料42,43により磁気記
録媒体摺動面Sの摩耗,摺動ノイズは効果的に抑えられ
る。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、酸化物磁性材料よりなる一対の磁気コア半体が
突き合わされて閉磁路が構成され、これら磁気コア半体
同士の突合せ面間に磁気ギャップが形成されてなる磁気
ヘッド、あるいは酸化物磁性材料よりなる磁気コア半体
の突合せ面に金属磁性薄膜が設けられた磁気ヘッドの、
磁気コア基板の磁気記録媒体摺動面のうち磁気ギャップ
近傍を除いた部分を耐摩耗性材料により構成されている
ので、磁気記録媒体摺動面が優れた耐磨耗性を有し、電
磁変換効率の低下,磁気テープとの接触不良を招くこと
なく長ヘッド寿命を得ることができる。
【0048】したがって、本発明によれば磁気テープの
高速摺動に耐えるVTR等に搭載して好適な磁気ヘッド
を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一構成例を示す
概略斜視図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッドの他の例を示す概
略斜視図である。
【図3】磁気コア基板として単結晶−多結晶接合基板を
用いた磁気ヘッドの一構成例を示す概略斜視図である。
【図4】磁気コア基板として単結晶−多結晶接合基板を
用いた磁気ヘッドの他の例を示す概略斜視図である。
【図5】磁気ヘッドの製造工程のうち、耐磨耗性基板,
酸化物磁性材料基板の接合工程を示す概略斜視図であ
る。
【図6】磁気ヘッドの製造工程のうち、溝加工工程を示
す概略斜視図である。
【図7】磁気ヘッドの製造工程のうち、金属磁性薄膜,
ギャップ膜成膜工程を示す概略斜視図である。
【図8】磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気コア半体ブ
ロック接合工程を示す概略斜視図である。
【図9】磁気ヘッドの製造工程のうち、磁気ヘッド切り
出し工程を示す概略斜視図である。
【図10】磁気ヘッドの磁気テープ走行時間と磨耗量の
関係を示す特性図である。
【図11】本発明を適用した磁気ヘッドのさらに他の例
を示す概略斜視図である。
【図12】本発明を適用した磁気ヘッドのさらに他の例
を示す概略斜視図である。
【図13】磁気コア基板として単結晶−多結晶接合基板
を用いた磁気ヘッドのさらに他の例を示す概略斜視図で
ある。
【図14】磁気コア基板として単結晶−多結晶接合基板
を用いた磁気ヘッドのさらに他の例を示す概略斜視図で
ある。
【図15】従来の磁気ヘッドの構成を示す概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
1,2,31,32・・・・磁気コア半体 3,4・・・・・・・・・・金属磁性薄膜 5,6・・・・・・・・・・磁気コア基板 7,37・・・・・・・・・巻線溝 8,9,38,39・・・・トラック幅規制溝 10,11,40,41・・・酸化物磁性材料 12,13,42,43・・・耐磨耗性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒澤 文夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物磁性材料よりなる一対の磁気コア
    半体が突き合わされて閉磁路が構成され、これら磁気コ
    ア半体同士の突合せ面間に磁気ギャップが形成されてな
    る磁気ヘッドの上記磁気コア半体は、磁気記録媒体摺動
    面のうち磁気ギャップ近傍を除いた部分が耐摩耗性材料
    により構成されることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 酸化物磁性材料よりなる磁気コア基板と
    この磁気コア基板の突合せ面上に成膜された金属磁性薄
    膜よりなる一対の磁気コア半体が、互いに金属磁性薄膜
    同士を突合せて閉磁路が構成され、これら磁気コア半体
    同士の突合せ面間に磁気ギャップが形成されてなる磁気
    ヘッドの上記磁気コア半体は、磁気記録媒体摺動面の磁
    気ギャップ近傍を除いた部分が耐摩耗性材料により構成
    されることを特徴とする磁気ヘッド。
JP6336793A 1993-02-27 1993-02-27 磁気ヘッド Pending JPH06251322A (ja)

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