JPH0887713A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents
磁気ヘッドの製造方法Info
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- JPH0887713A JPH0887713A JP22300394A JP22300394A JPH0887713A JP H0887713 A JPH0887713 A JP H0887713A JP 22300394 A JP22300394 A JP 22300394A JP 22300394 A JP22300394 A JP 22300394A JP H0887713 A JPH0887713 A JP H0887713A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、磁気ギャップ近傍に歪みや、残留
歪みを生じさせることがなく、高精度など磁気ギャップ
を構成することを可能とし、高い再生特性を有する磁
気ヘッドを製造し得る製造方法の提供を目的とする。 【構成】 一対の磁気コア半体1、2同士を突き合わせ
て接合一体化し、その突き合わせ面間に磁気ギャップg
1を形成してなる磁気ヘッドの製造方法において、一対
の磁気コア半体1、2の突き合わせるに際して、チップ
切断により除去される突出部32・32の突き合わせ面
32a・32a間にスペーサ35を介在させることによ
り、磁気ギャップg1の対向面29に加わる圧力を緩和
する。
歪みを生じさせることがなく、高精度など磁気ギャップ
を構成することを可能とし、高い再生特性を有する磁
気ヘッドを製造し得る製造方法の提供を目的とする。 【構成】 一対の磁気コア半体1、2同士を突き合わせ
て接合一体化し、その突き合わせ面間に磁気ギャップg
1を形成してなる磁気ヘッドの製造方法において、一対
の磁気コア半体1、2の突き合わせるに際して、チップ
切断により除去される突出部32・32の突き合わせ面
32a・32a間にスペーサ35を介在させることによ
り、磁気ギャップg1の対向面29に加わる圧力を緩和
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダー(VTR)やデジタルオーディオテープレコー
ダー(R−DAT)等の高密度記録可能な磁気記録再生
装置に搭載して好適な磁気ヘッドの製造方法に関するも
のである。
コーダー(VTR)やデジタルオーディオテープレコー
ダー(R−DAT)等の高密度記録可能な磁気記録再生
装置に搭載して好適な磁気ヘッドの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダーやデジ
タルオーディオテープレコーダー等の磁気記録再生装置
においては、高画質化等を目的として情報信号の短波長
記録化が進められており、これに対応して磁性粉に強磁
性金属粉末を用いた、いわゆるメタルテープや、ベース
フィルム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ
等の高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってき
ている。
タルオーディオテープレコーダー等の磁気記録再生装置
においては、高画質化等を目的として情報信号の短波長
記録化が進められており、これに対応して磁性粉に強磁
性金属粉末を用いた、いわゆるメタルテープや、ベース
フィルム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ
等の高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってき
ている。
【0003】一方、これに対処すべく磁気ヘッドの分野
においても研究が進められており、高抗磁力磁気記録媒
体を可能ならしめるため、コア材料に金属磁性材料を用
いるとともに狭トラック化を図った磁気ヘッドが開発さ
れている。
においても研究が進められており、高抗磁力磁気記録媒
体を可能ならしめるため、コア材料に金属磁性材料を用
いるとともに狭トラック化を図った磁気ヘッドが開発さ
れている。
【0004】このような磁気ヘッドの代表的なものとし
て、非磁性材料よりなる基板で高透磁率かつ高飽和磁束
密度を有する金属磁性膜を挟み込んでなる磁気コア半体
を、突き合わせガラス融着により接合一体化した、いわ
ゆるラミネートタイプの磁気ヘッドが知られている。
て、非磁性材料よりなる基板で高透磁率かつ高飽和磁束
密度を有する金属磁性膜を挟み込んでなる磁気コア半体
を、突き合わせガラス融着により接合一体化した、いわ
ゆるラミネートタイプの磁気ヘッドが知られている。
【0005】このようなラミネートタイプの磁気ヘッド
は、上記金属磁性膜の膜厚を制御することで簡単に狭ト
ラック化が図られること、構造的に疑似ギャップが発生
しないこと、さらに、上記ガラス融着等により簡単に製
造できること等種々の利点を有する。
は、上記金属磁性膜の膜厚を制御することで簡単に狭ト
ラック化が図られること、構造的に疑似ギャップが発生
しないこと、さらに、上記ガラス融着等により簡単に製
造できること等種々の利点を有する。
【0006】そして、磁気ヘッドの分野においては、さ
らなる磁気記録の高密度化に伴い一層良好な再生特性が
求められている。このさらなる磁気記録の高密度化を向
上させるためには、狭いギャップ長のもとで高精度に磁
気ヘッドの磁気ギャップ長さを制御する必要があり、
又、面記録密度を向上させるためには、磁気ヘッドのト
ラック幅を狭くする必要がある。
らなる磁気記録の高密度化に伴い一層良好な再生特性が
求められている。このさらなる磁気記録の高密度化を向
上させるためには、狭いギャップ長のもとで高精度に磁
気ヘッドの磁気ギャップ長さを制御する必要があり、
又、面記録密度を向上させるためには、磁気ヘッドのト
ラック幅を狭くする必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な磁気ヘッドの製造方法においては、一対の磁気コア半
体同士を突き合わせて接合一体化するために、磁気ギャ
ップの対向面に磁気ギャップ膜を形成する。そして、そ
の後、ガラス融着等により磁気コア半体同士を接合する
際、ギャップ長精度を維持するためにある一定以上の高
い押圧力を加えながら接合が行われている。
な磁気ヘッドの製造方法においては、一対の磁気コア半
体同士を突き合わせて接合一体化するために、磁気ギャ
ップの対向面に磁気ギャップ膜を形成する。そして、そ
の後、ガラス融着等により磁気コア半体同士を接合する
際、ギャップ長精度を維持するためにある一定以上の高
い押圧力を加えながら接合が行われている。
【0008】しかしながら、高密度磁気記録を行うため
に磁気ヘッドのトラック幅が狭くなると、上記ガラス融
着による接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面
積当たりの圧力が高くなってしまい、磁気ヘッドの磁気
ギャップ近傍に歪みが生じる。したがって、その後チッ
プ切断等の製造工程を経て磁気ヘッドが製造されたとき
該磁気ヘッドに上記歪みが残留していて、この影響でコ
ア効率が劣化するという問題を有していた。
に磁気ヘッドのトラック幅が狭くなると、上記ガラス融
着による接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面
積当たりの圧力が高くなってしまい、磁気ヘッドの磁気
ギャップ近傍に歪みが生じる。したがって、その後チッ
プ切断等の製造工程を経て磁気ヘッドが製造されたとき
該磁気ヘッドに上記歪みが残留していて、この影響でコ
ア効率が劣化するという問題を有していた。
【0009】そこで、本発明は、一対の磁気コア半体同
士を突き合わせて接合一体化し、その突き合わせ面間に
磁気ギャップを形成してなる磁気ヘッドの製造方法にお
いて、上記一対の磁気コア半体の突き合わせるに際し
て、磁気ギャップ近傍に歪みや、残留歪みを生じさせる
ことがなく、高精度など磁気ギャップ を構成すること
を可能とし、高い再生特性を有する磁気ヘッドを製造し
得る製造方法の提供を目的とするものである。
士を突き合わせて接合一体化し、その突き合わせ面間に
磁気ギャップを形成してなる磁気ヘッドの製造方法にお
いて、上記一対の磁気コア半体の突き合わせるに際し
て、磁気ギャップ近傍に歪みや、残留歪みを生じさせる
ことがなく、高精度など磁気ギャップ を構成すること
を可能とし、高い再生特性を有する磁気ヘッドを製造し
得る製造方法の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、上記一対の磁気コ
ア半体の突き合わせるに際して、磁気ギャップ対向面に
加わる単位面積当たりの圧力が高くなってしまい、磁気
ヘッドの磁気ギャップ近傍に残留歪みを生じさせること
が再生出力に影響していることを見出し、本発明をなす
に到った。
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、上記一対の磁気コ
ア半体の突き合わせるに際して、磁気ギャップ対向面に
加わる単位面積当たりの圧力が高くなってしまい、磁気
ヘッドの磁気ギャップ近傍に残留歪みを生じさせること
が再生出力に影響していることを見出し、本発明をなす
に到った。
【0011】すなわち、本発明に係る磁気ヘッドの製造
方法は、一対の磁気コア半体同士を突き合わせて接合一
体化し、その突き合わせ面間に磁気ギャップを形成して
なる磁気ヘッドの製造方法において、一対の磁気コア半
体の突き合わせるに際して、チップ切断により除去され
る突き合わせ面間にペーサを介在させることを特徴とす
る。
方法は、一対の磁気コア半体同士を突き合わせて接合一
体化し、その突き合わせ面間に磁気ギャップを形成して
なる磁気ヘッドの製造方法において、一対の磁気コア半
体の突き合わせるに際して、チップ切断により除去され
る突き合わせ面間にペーサを介在させることを特徴とす
る。
【0012】上記スペーサは、厚さ5nm以上で20n
m以下の薄膜であることを特徴とすることが好ましい。
m以下の薄膜であることを特徴とすることが好ましい。
【0013】
【作用】本発明に係る磁気ヘッドの製造方法は、スペー
サを磁気ギャップ対向面以外のチップ切断により除去さ
れることとなる突き合わせ面間に介在させるものであ
る。このような位置にスペーサをに介在させることによ
り、接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当
たりの圧力が緩和され、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍
に歪みを生じさせることがない。
サを磁気ギャップ対向面以外のチップ切断により除去さ
れることとなる突き合わせ面間に介在させるものであ
る。このような位置にスペーサをに介在させることによ
り、接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当
たりの圧力が緩和され、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍
に歪みを生じさせることがない。
【0014】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】作製される磁気ヘッドの構成 本実施例が対象とする磁気ヘッドは、図1に示すよう
に、金属磁性膜3が膜厚方向より一対の基板11,12
により挟み込まれてなる磁気コア半体1と、同様に金属
磁性膜4が膜厚方向より一対の基板13,14により挟
み込まれてなる磁気コア半体2が、上記金属磁性膜3,
4を突き合わせるようにして接合一体化されたものであ
る。そして、上記金属磁性膜3,4の突き合わせ面間に
は、ギャップg1 (フロントギャップ)と、ギャップg
2 (バックギャップ)が形成され、該金属磁性膜3,4
により閉磁路が構成されている。
に、金属磁性膜3が膜厚方向より一対の基板11,12
により挟み込まれてなる磁気コア半体1と、同様に金属
磁性膜4が膜厚方向より一対の基板13,14により挟
み込まれてなる磁気コア半体2が、上記金属磁性膜3,
4を突き合わせるようにして接合一体化されたものであ
る。そして、上記金属磁性膜3,4の突き合わせ面間に
は、ギャップg1 (フロントギャップ)と、ギャップg
2 (バックギャップ)が形成され、該金属磁性膜3,4
により閉磁路が構成されている。
【0016】また、上記磁気ヘッドにおいては、一方の
磁気コア半体2の対向面に、その一端によりフロントギ
ャップg1 のデプス(深さ)dを規制するとともに、図
示しないコイルを巻装するための巻線溝8が設けられて
いる。なお、この巻線溝8と対向する反対側の各側面に
は、コイルの巻装状態を良好なものとなすための巻き線
ガイド溝18,19が設けられている。
磁気コア半体2の対向面に、その一端によりフロントギ
ャップg1 のデプス(深さ)dを規制するとともに、図
示しないコイルを巻装するための巻線溝8が設けられて
いる。なお、この巻線溝8と対向する反対側の各側面に
は、コイルの巻装状態を良好なものとなすための巻き線
ガイド溝18,19が設けられている。
【0017】また、上記金属磁性膜3,4は、高周波帯
域での渦電流損失を回避するため、絶縁膜を介して交互
に何層にも積層されている。
域での渦電流損失を回避するため、絶縁膜を介して交互
に何層にも積層されている。
【0018】上記金属磁性膜3、4は、例えば高飽和磁
束密度を有し、かつ、軟磁気特性に優れた強磁性合金材
料が使用できるが、かかる強磁性合金材料としては従来
より公知のものがいずれも使用でき、結晶質であるか、
非結晶質であるかを問わない。
束密度を有し、かつ、軟磁気特性に優れた強磁性合金材
料が使用できるが、かかる強磁性合金材料としては従来
より公知のものがいずれも使用でき、結晶質であるか、
非結晶質であるかを問わない。
【0019】例示するならば、Fe−Al−Si系合金
(センダスト)、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系
合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Si−Ga系合
金、Fe−Si−Ga−Ru系合金、Fe−Co−Si
−Al系合金等が挙げられる。また、耐蝕性や耐摩耗性
等の一層の向上を図るために、Ti,Cr,Mn,Z
r,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,
Re,Ni,Pd,Pt,Hf,V等の少なくとも一種
を添加したものであってもよい。また、酸素含有センダ
スト,窒素含有センダスト、酸素含有Fe−Si−Ga
−Ru系合金、窒素含有Fe−Si−Ga−Ru系合金
等の結晶質磁性膜でも良い。さらには、Fe系微結晶
膜、Co系微結晶膜を用いてもよい。
(センダスト)、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系
合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Si−Ga系合
金、Fe−Si−Ga−Ru系合金、Fe−Co−Si
−Al系合金等が挙げられる。また、耐蝕性や耐摩耗性
等の一層の向上を図るために、Ti,Cr,Mn,Z
r,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,
Re,Ni,Pd,Pt,Hf,V等の少なくとも一種
を添加したものであってもよい。また、酸素含有センダ
スト,窒素含有センダスト、酸素含有Fe−Si−Ga
−Ru系合金、窒素含有Fe−Si−Ga−Ru系合金
等の結晶質磁性膜でも良い。さらには、Fe系微結晶
膜、Co系微結晶膜を用いてもよい。
【0020】また、強磁性非晶質合金、いわゆるアモル
ファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上の元
素とP,C,B,Siの1つ以上の元素からなる合金、
またはこれらを主成分としているAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、或いはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土
類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファス
合金)等が挙げられる。
ファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上の元
素とP,C,B,Siの1つ以上の元素からなる合金、
またはこれらを主成分としているAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、或いはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土
類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファス
合金)等が挙げられる。
【0021】これら金属磁性膜3,4の成膜方法として
は、膜厚制御性に優れるスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、イオンビーム法等に代表
される真空薄膜形成技術が採用されている。
は、膜厚制御性に優れるスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、イオンビーム法等に代表
される真空薄膜形成技術が採用されている。
【0022】また、上記基板11、12、13、14に
は、フェライト材の他、非磁性フェライト、酸化ジルコ
ニウム系セラミック、結晶化ガラス、非磁性酸化鉄系セ
ラミック、BaTiO3 ,K2 TiO3 等のチタン酸系
セラミック等が用いられる。
は、フェライト材の他、非磁性フェライト、酸化ジルコ
ニウム系セラミック、結晶化ガラス、非磁性酸化鉄系セ
ラミック、BaTiO3 ,K2 TiO3 等のチタン酸系
セラミック等が用いられる。
【0023】上記磁気ヘッドにおいては、基板11,1
2,13,14を用いていることから、磁気ギャップの
トラック幅Twは、上記金属磁性膜3,4の膜厚によっ
て決定される。なお、磁気記録媒体摺動面には、磁気記
録媒体との当たりを確保するための段差16,17が設
けられている。
2,13,14を用いていることから、磁気ギャップの
トラック幅Twは、上記金属磁性膜3,4の膜厚によっ
て決定される。なお、磁気記録媒体摺動面には、磁気記
録媒体との当たりを確保するための段差16,17が設
けられている。
【0024】また、この磁気ヘッドは、上記磁気コア半
体1,2同士を融着ガラス20によって接合一体化され
ている。
体1,2同士を融着ガラス20によって接合一体化され
ている。
【0025】磁気ヘッドの製造方法 先ず、図2に示すように、磁性フェライト材よりなる基
板21と、これを重ね合わせる基板22を用意する。そ
して、上記一方の基板21の主面に鏡面加工を施す。
板21と、これを重ね合わせる基板22を用意する。そ
して、上記一方の基板21の主面に鏡面加工を施す。
【0026】本実施例では、上記基板21として、単結
晶の磁性フェライト材を用いたが、これに限らず、多結
晶の磁性フェライト材やこれら単結晶と多結晶の接合フ
ェライト材、さらには、非磁性フェライト,BaTiO
3 ,K2 TiO3 ,結晶化ガラス等の非磁性材等も使用
可能である。
晶の磁性フェライト材を用いたが、これに限らず、多結
晶の磁性フェライト材やこれら単結晶と多結晶の接合フ
ェライト材、さらには、非磁性フェライト,BaTiO
3 ,K2 TiO3 ,結晶化ガラス等の非磁性材等も使用
可能である。
【0027】また、本実施例に用いた上記単結晶フェラ
イトの結晶面の指数を図2に示す。すなわち、フェライ
ト結晶の切り出しの結晶方位を摺動方向において(10
0)面が現れるようにした。但し、上記結晶面の指数と
は異なる単結晶フェライト、或いは、接合基板等を用い
てもよい。
イトの結晶面の指数を図2に示す。すなわち、フェライ
ト結晶の切り出しの結晶方位を摺動方向において(10
0)面が現れるようにした。但し、上記結晶面の指数と
は異なる単結晶フェライト、或いは、接合基板等を用い
てもよい。
【0028】次に、図2及び図3に示すように、上記基
板21に絶縁膜26を介して金属磁性膜25を積層す
る。
板21に絶縁膜26を介して金属磁性膜25を積層す
る。
【0029】ここで、本実施例においては、上記基板2
1上に、SiO2 膜24を形成し、このSiO2 膜24
上にマスクスパッタ処理により必要最小限の面積に金属
磁性膜25を形成する。
1上に、SiO2 膜24を形成し、このSiO2 膜24
上にマスクスパッタ処理により必要最小限の面積に金属
磁性膜25を形成する。
【0030】まず、上記基板21に金属磁性膜25を成
膜する前提として、基板21との付着力向上のための下
地層として50nm厚のSiO2 膜24を成膜した。こ
こで、成膜される下地層としては、上記SiO2 膜24
の他、Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 N4 等の窒化物
膜、Cr,Al,Si,Pt等の金属膜及びそれらの合
金膜、さらには、それらを組み合わせた積層膜を用いて
も良い。
膜する前提として、基板21との付着力向上のための下
地層として50nm厚のSiO2 膜24を成膜した。こ
こで、成膜される下地層としては、上記SiO2 膜24
の他、Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 N4 等の窒化物
膜、Cr,Al,Si,Pt等の金属膜及びそれらの合
金膜、さらには、それらを組み合わせた積層膜を用いて
も良い。
【0031】その後、上記SiO2 膜24上にマスクス
パッタを用いて、上述したセンダスト等の金属磁性膜2
5を形成する。この金属磁性膜25の厚さは、高周波特
性向上のために1層当たりの2〜5μmとし、目的とす
るトラック幅Twの1〜3倍程度の膜厚となる様に絶縁
膜26を介して数層積層する必要がある。なお、この絶
縁膜26に関しては、0.1〜0.3μm厚のSiO2,
Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 O4 等の窒化物膜等を
用いれば良い。本実施例では、トラック幅Twを5μm
とするために一層当たりの金属磁性膜25の厚さを3μ
mとし、絶縁膜26としての0.2μm厚のSiO2,膜
24を介して三層重ね合わせた。
パッタを用いて、上述したセンダスト等の金属磁性膜2
5を形成する。この金属磁性膜25の厚さは、高周波特
性向上のために1層当たりの2〜5μmとし、目的とす
るトラック幅Twの1〜3倍程度の膜厚となる様に絶縁
膜26を介して数層積層する必要がある。なお、この絶
縁膜26に関しては、0.1〜0.3μm厚のSiO2,
Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 O4 等の窒化物膜等を
用いれば良い。本実施例では、トラック幅Twを5μm
とするために一層当たりの金属磁性膜25の厚さを3μ
mとし、絶縁膜26としての0.2μm厚のSiO2,膜
24を介して三層重ね合わせた。
【0032】次いで、図4及び図5に示すように、上記
金属磁性膜25の表面と重ね合わせ側の基板22の表面
にもスパッタリングを用いて0.1〜0.5μm厚の低
融点ガラス膜27を形成する。このガラス膜27は、上
記基板21の金属磁性膜25上の表面か、或いは、金属
磁性膜25を形成していない重ね合わせ側の基板22の
表面かの少なくとも一方の表面に形成しても良い。な
お、本実施例では、スパッタリングによって形成された
ガラス膜28を用いたが、スピンコーティング等によっ
て塗布されたフリットガラスを用いてもよい。
金属磁性膜25の表面と重ね合わせ側の基板22の表面
にもスパッタリングを用いて0.1〜0.5μm厚の低
融点ガラス膜27を形成する。このガラス膜27は、上
記基板21の金属磁性膜25上の表面か、或いは、金属
磁性膜25を形成していない重ね合わせ側の基板22の
表面かの少なくとも一方の表面に形成しても良い。な
お、本実施例では、スパッタリングによって形成された
ガラス膜28を用いたが、スピンコーティング等によっ
て塗布されたフリットガラスを用いてもよい。
【0033】また、このガラス膜27の成膜に際して
は、上記基板21の金属磁性膜25と重ね合わせ側の基
板22のフェライトとの反応防止を目的として、SiO
2,Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 O4 等の窒化物膜、
Cr,Al,SiPt等の金属膜、これらの合金膜、或
いは、それらを組み合わせた積層膜を予めスパッタリン
グ等を用いて形成しておいても良い。本実施例では、
0.1μm厚のCr膜28を上記磁性基板21の金属磁
性膜25と重ね合わせ側の基板22のフェライトとの反
応防止を目的として形成した後に、0.2μm厚のPb
系のガラス膜27をやはりスパッタリングを用いて形成
した。
は、上記基板21の金属磁性膜25と重ね合わせ側の基
板22のフェライトとの反応防止を目的として、SiO
2,Ta2 O5 等の酸化物膜、Si3 O4 等の窒化物膜、
Cr,Al,SiPt等の金属膜、これらの合金膜、或
いは、それらを組み合わせた積層膜を予めスパッタリン
グ等を用いて形成しておいても良い。本実施例では、
0.1μm厚のCr膜28を上記磁性基板21の金属磁
性膜25と重ね合わせ側の基板22のフェライトとの反
応防止を目的として形成した後に、0.2μm厚のPb
系のガラス膜27をやはりスパッタリングを用いて形成
した。
【0034】以上のようにして、金属磁性膜25が積層
された基板21に重ね合わせ側の基板22を圧着しなが
ら500〜700°Cに加熱接合して、図6及び図7に
示すように、接合基板30を作製する。なお、図7は、
図6の接合基板30の拡大断面図である。
された基板21に重ね合わせ側の基板22を圧着しなが
ら500〜700°Cに加熱接合して、図6及び図7に
示すように、接合基板30を作製する。なお、図7は、
図6の接合基板30の拡大断面図である。
【0035】次いで、上記接合基板30を目的とするア
ジマス角と同角度で切り出す。すなわち、図8に示すよ
うに、上記接合基板30のA−A線、B−B線、C−C
線から、図9に示すように、所定の大きさからなる一対
の磁気コア半体ブロック31,31を得る。
ジマス角と同角度で切り出す。すなわち、図8に示すよ
うに、上記接合基板30のA−A線、B−B線、C−C
線から、図9に示すように、所定の大きさからなる一対
の磁気コア半体ブロック31,31を得る。
【0036】次いで、同図9に示すように、上記一対の
磁気コア半体ブロック31,31の不要な部分を平面研
削盤を用いて除去する。すなわち、上記一対の磁気コア
半体ブロック31,31の上記切り出し方向に沿って絶
縁膜26を介して成膜した金属磁性膜25が現れるまで
基板21の不要な部分を上記基板21の前記(100)
面から平面研削盤を用いて除去する。そして、その後、
巻線溝8とガラス溝15等を形成する。
磁気コア半体ブロック31,31の不要な部分を平面研
削盤を用いて除去する。すなわち、上記一対の磁気コア
半体ブロック31,31の上記切り出し方向に沿って絶
縁膜26を介して成膜した金属磁性膜25が現れるまで
基板21の不要な部分を上記基板21の前記(100)
面から平面研削盤を用いて除去する。そして、その後、
巻線溝8とガラス溝15等を形成する。
【0037】次いで、図10に示すように、トラック幅
Twを規制するトラック幅規制溝33・33を機械加工
により上記各磁気コア半体ブロック31,31に長手方
向に沿って形成する。このトラック幅規制溝33・33
の形成により、磁気ギャップ対向面29のトラック幅が
規制されるとともに、上記各磁気コア半体ブロック3
1,31の両端部に突出部32・32が長手方向に沿っ
て形成されることとなる。この突出部32・32は、一
対の磁気コア半体ブロック31,31を突き合わせた場
合に磁気コアの厚み方向となる表面側と裏面側の位置と
なり、チップ切断による除去の対象とされる部分とな
る。
Twを規制するトラック幅規制溝33・33を機械加工
により上記各磁気コア半体ブロック31,31に長手方
向に沿って形成する。このトラック幅規制溝33・33
の形成により、磁気ギャップ対向面29のトラック幅が
規制されるとともに、上記各磁気コア半体ブロック3
1,31の両端部に突出部32・32が長手方向に沿っ
て形成されることとなる。この突出部32・32は、一
対の磁気コア半体ブロック31,31を突き合わせた場
合に磁気コアの厚み方向となる表面側と裏面側の位置と
なり、チップ切断による除去の対象とされる部分とな
る。
【0038】なお、ここで、同図10に示すように、ス
パッタリング等を用いて融着ガラス20との反応を防止
する防止膜を形成しても良い。この反応防止膜として
は、厚み0.05μm以上のSiO2 ,Ta2 O5 等の
酸化物膜Si3 N4 等の窒化物膜、或いは、Cr,A
l,Si,Pt等の金属膜及びそれらの合金膜及びそれ
らの合金膜、或いは、それらを組み合わせた積層膜を用
いれば良い。本実施例では、トラック幅規制溝28を形
成した後、0.2μm厚のCrからなる反応防止膜をス
パッタリングを用いて形成した。
パッタリング等を用いて融着ガラス20との反応を防止
する防止膜を形成しても良い。この反応防止膜として
は、厚み0.05μm以上のSiO2 ,Ta2 O5 等の
酸化物膜Si3 N4 等の窒化物膜、或いは、Cr,A
l,Si,Pt等の金属膜及びそれらの合金膜及びそれ
らの合金膜、或いは、それらを組み合わせた積層膜を用
いれば良い。本実施例では、トラック幅規制溝28を形
成した後、0.2μm厚のCrからなる反応防止膜をス
パッタリングを用いて形成した。
【0039】そして次に、本実施例においては、図11
に示すように、スペーサ35を上記突出部32・32の
表面全体に成膜する。すなわち、図13に示すように、
このスペーサ35は、フロントギャップg1 が構成され
ることとなる磁気ギャップ対向面29には成膜せず、フ
ロントギャップg1 の対向面以外のチップ切断により除
去されると突出部32の突き合わせ面32aに成膜す
る。このような位置にスペーサ35を成膜させるのは、
フロントギャップg1 対向面(磁気ギャップ対向面2
9)に加わる接合の際の圧力を緩和させるためである。
に示すように、スペーサ35を上記突出部32・32の
表面全体に成膜する。すなわち、図13に示すように、
このスペーサ35は、フロントギャップg1 が構成され
ることとなる磁気ギャップ対向面29には成膜せず、フ
ロントギャップg1 の対向面以外のチップ切断により除
去されると突出部32の突き合わせ面32aに成膜す
る。このような位置にスペーサ35を成膜させるのは、
フロントギャップg1 対向面(磁気ギャップ対向面2
9)に加わる接合の際の圧力を緩和させるためである。
【0040】また、上記スペーサ35の厚さは、磁気ギ
ャップの間隔L1に対応して上記突出部32・32に成
膜する。したがって、後述する磁気コア半体1,2の突
き合わせ一体化の際には、磁気ギャップ対向面29の間
隔L1よりも突出部32の突き合わせ面32aの間隔L
2の方が若干大きな状態で突き合わされることとなる。
ャップの間隔L1に対応して上記突出部32・32に成
膜する。したがって、後述する磁気コア半体1,2の突
き合わせ一体化の際には、磁気ギャップ対向面29の間
隔L1よりも突出部32の突き合わせ面32aの間隔L
2の方が若干大きな状態で突き合わされることとなる。
【0041】上記スペーサ35は、本実施例では、Si
O2 膜をスパッタリングを用いて成膜したが、他の酸化
物膜、窒化物膜、金属膜、或いは、それらを組み合わせ
た積層膜を用いても良い。また、膜形成に際しては、上
記スパッタリングに限らず、他の真空蒸着法、イオンプ
レーティング法、イオンビーム法等に代表される真空薄
膜形成技術を採用しても良い。
O2 膜をスパッタリングを用いて成膜したが、他の酸化
物膜、窒化物膜、金属膜、或いは、それらを組み合わせ
た積層膜を用いても良い。また、膜形成に際しては、上
記スパッタリングに限らず、他の真空蒸着法、イオンプ
レーティング法、イオンビーム法等に代表される真空薄
膜形成技術を採用しても良い。
【0042】次いで、図11に示すように、巻線溝8同
士、トラック幅規制33同士等の位置合わせを行った
後、図12に示すように、一対の磁気コア半体ブロック
31,31同士をガラスを流し込みながら融着ガラス2
0によりギャップ接合を行う。このガラスによる接合に
おいて、磁気ギャップの実質長さが0.22μmとなる
ようにして磁気ギャップ対向面全体にギャップ膜36を
形成した。
士、トラック幅規制33同士等の位置合わせを行った
後、図12に示すように、一対の磁気コア半体ブロック
31,31同士をガラスを流し込みながら融着ガラス2
0によりギャップ接合を行う。このガラスによる接合に
おいて、磁気ギャップの実質長さが0.22μmとなる
ようにして磁気ギャップ対向面全体にギャップ膜36を
形成した。
【0043】ここで、本実施例では、上述したように、
スペーサ35が磁気ギャップの対向面29以外の磁気コ
ア半体1,2の突き合わせ面32aに成膜されているこ
とから図13に示すように、磁気ギャップ対向面29の
間隔L1は、ギャップ膜36によって決まるのに対し
て、突出部32の突き合わせ面32aの間隔L2は、ギ
ャップ膜36とスペーサ35を合わせた厚さによって決
まり、前記間隔L1よりも若干大とされる。
スペーサ35が磁気ギャップの対向面29以外の磁気コ
ア半体1,2の突き合わせ面32aに成膜されているこ
とから図13に示すように、磁気ギャップ対向面29の
間隔L1は、ギャップ膜36によって決まるのに対し
て、突出部32の突き合わせ面32aの間隔L2は、ギ
ャップ膜36とスペーサ35を合わせた厚さによって決
まり、前記間隔L1よりも若干大とされる。
【0044】したがって、後述するガラス融着20によ
る接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当た
りの圧力が高くなることはなく、磁気ヘッドの磁気ギャ
ップ近傍に残留歪みが生じるようなことを有効に防止す
ることができる。
る接合の際に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当た
りの圧力が高くなることはなく、磁気ヘッドの磁気ギャ
ップ近傍に残留歪みが生じるようなことを有効に防止す
ることができる。
【0045】次いで、巻線溝8の加工、当たり幅加工等
を行った後に、目的とするチップ厚に切断する。すなわ
ち、磁気コアの厚みとなるように磁気コアの表面側と裏
面側をチップ切断し、所定の大きさのヘッドチップとす
る。このチップ切断により磁気コアの表面側と裏面側で
ある上記突出部32・32も除去されることにより、上
記スペーサ35が除去されることになる。
を行った後に、目的とするチップ厚に切断する。すなわ
ち、磁気コアの厚みとなるように磁気コアの表面側と裏
面側をチップ切断し、所定の大きさのヘッドチップとす
る。このチップ切断により磁気コアの表面側と裏面側で
ある上記突出部32・32も除去されることにより、上
記スペーサ35が除去されることになる。
【0046】その後、磁気記録媒体摺動面には、磁気記
録媒体との当たりを確保するための段差16,17を設
ける。また、この切断されたヘッドチップ34に対して
磁気記録媒体摺動面となる部分を円筒研磨するととも
に、巻線溝8にコイルを確実に巻装するための切り欠き
溝18,19を切削加工する。このようにして、磁気ヘ
ッドが図1に示すように完成する。実験結果 以上のようにして製造された磁気ヘッドの再生出力に対
してスペーサ35の厚さがどのように影響するかを実験
した。その結果を図14に示す。この図14において従
来の製造方法と同じくスペーサ35を用いずに作製した
磁気ヘッドの再生出力を0dBとした。なお、この最適
記録電流の測定にあたっては、固定ヘッド方式の電磁変
換特性測定装置を用い相対速度10m/sで行った。ま
た、磁気テープには、市販の8ミリビデオ用の磁気テー
プを用いた。
録媒体との当たりを確保するための段差16,17を設
ける。また、この切断されたヘッドチップ34に対して
磁気記録媒体摺動面となる部分を円筒研磨するととも
に、巻線溝8にコイルを確実に巻装するための切り欠き
溝18,19を切削加工する。このようにして、磁気ヘ
ッドが図1に示すように完成する。実験結果 以上のようにして製造された磁気ヘッドの再生出力に対
してスペーサ35の厚さがどのように影響するかを実験
した。その結果を図14に示す。この図14において従
来の製造方法と同じくスペーサ35を用いずに作製した
磁気ヘッドの再生出力を0dBとした。なお、この最適
記録電流の測定にあたっては、固定ヘッド方式の電磁変
換特性測定装置を用い相対速度10m/sで行った。ま
た、磁気テープには、市販の8ミリビデオ用の磁気テー
プを用いた。
【0047】図14から明らかなように、スペーサ35
の厚さが5nm以上から20nm以下のときに良好な再
生特性が得られた。すなわち、本実施例により製造され
た磁気ヘッドは、再生出力を0dBとした従来の磁気ヘ
ッドと比較して、約1dBから1.3dB高いことが分
かる。
の厚さが5nm以上から20nm以下のときに良好な再
生特性が得られた。すなわち、本実施例により製造され
た磁気ヘッドは、再生出力を0dBとした従来の磁気ヘ
ッドと比較して、約1dBから1.3dB高いことが分
かる。
【0048】このように良好な再生特性が得られる理由
は、ガラス融着時の加圧による磁気ギャップ近傍の歪み
がスペーサ35を上記位置に介在させることによって緩
和されるからである。
は、ガラス融着時の加圧による磁気ギャップ近傍の歪み
がスペーサ35を上記位置に介在させることによって緩
和されるからである。
【0049】これに対し、スペーサ35の厚さが20n
mを越えると、磁気ヘッドの再生出力が徐々に低下して
行く結果となった。スペーサ35の厚さが20nmを越
えると再生出力の低下が見られたのは、磁気ギャップ長
いが平行とならず再生損失が生じたことによるものと推
測される。そこで、この原因を磁気ギャップ近傍を走査
型電子顕微鏡で観察して調べた。スペーサ35の厚さが
20nmを越えると磁気ギャップ対向面29での圧力が
不足し、その結果、融着ガラス20が磁気ギャップ対向
面29内へ流れ込み、それによる金属磁性膜25と融着
ガラス20の反応による磁気ギャップの乱れが見られ
た。
mを越えると、磁気ヘッドの再生出力が徐々に低下して
行く結果となった。スペーサ35の厚さが20nmを越
えると再生出力の低下が見られたのは、磁気ギャップ長
いが平行とならず再生損失が生じたことによるものと推
測される。そこで、この原因を磁気ギャップ近傍を走査
型電子顕微鏡で観察して調べた。スペーサ35の厚さが
20nmを越えると磁気ギャップ対向面29での圧力が
不足し、その結果、融着ガラス20が磁気ギャップ対向
面29内へ流れ込み、それによる金属磁性膜25と融着
ガラス20の反応による磁気ギャップの乱れが見られ
た。
【0050】以上から明らかなように、磁気ギャップと
なる間隔Lを規制するスペーサ35の厚さは、5nm以
上から20nm以下の範囲が好ましいことが分かる。
なる間隔Lを規制するスペーサ35の厚さは、5nm以
上から20nm以下の範囲が好ましいことが分かる。
【0051】なお、本実施例では、いわゆるラミネート
タイプの磁気ヘッドについて説明したが、金属磁性薄膜
を磁気ギャップ形成面に平行に成膜した、いわゆるメタ
ル・イン・ギャップタイプの磁気ヘッドにも実験した結
果、上記実施例と同様、良好な再生特性が得られた。
タイプの磁気ヘッドについて説明したが、金属磁性薄膜
を磁気ギャップ形成面に平行に成膜した、いわゆるメタ
ル・イン・ギャップタイプの磁気ヘッドにも実験した結
果、上記実施例と同様、良好な再生特性が得られた。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気ヘッドの製造方法は、 一対の磁気コア半体
同士を突き合わせて接合一体化し、その突き合わせ面間
に磁気ギャップを形成してなる磁気ヘッドの製造方法に
おいて、上記一対の磁気コア半体の突き合わせるに際し
て、チップ切断により除去される突き合わせ面間にスペ
ーサを介在させているので、ガラス融着による接合の際
に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当たりの圧力が
高くなったとしても、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍に
残留歪みが生じるようなことを有効に防止することがで
きる。したがって、この残留歪みによってコア効率を劣
化されることが防止され、高い再生特性を有する磁気ヘ
ッドの製造方法を提供できるととなる。
に係る磁気ヘッドの製造方法は、 一対の磁気コア半体
同士を突き合わせて接合一体化し、その突き合わせ面間
に磁気ギャップを形成してなる磁気ヘッドの製造方法に
おいて、上記一対の磁気コア半体の突き合わせるに際し
て、チップ切断により除去される突き合わせ面間にスペ
ーサを介在させているので、ガラス融着による接合の際
に磁気ギャップ対向面に加わる単位面積当たりの圧力が
高くなったとしても、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍に
残留歪みが生じるようなことを有効に防止することがで
きる。したがって、この残留歪みによってコア効率を劣
化されることが防止され、高い再生特性を有する磁気ヘ
ッドの製造方法を提供できるととなる。
【図1】本発明に係る磁気ヘッドの一実施例を示す斜視
図である。
図である。
【図2】上記実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示す
もので、金属磁性膜が形成される基板と重ね合わせ側の
基板を準備する工程を示す斜視図である。
もので、金属磁性膜が形成される基板と重ね合わせ側の
基板を準備する工程を示す斜視図である。
【図3】上記実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示す
もので、基板に絶縁膜を介して金属磁性膜を成膜する工
程を示す拡大断面図である。
もので、基板に絶縁膜を介して金属磁性膜を成膜する工
程を示す拡大断面図である。
【図4】上記実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示す
もので、基板にCr膜とガラス膜を成膜する工程を示す
拡大断面図である。
もので、基板にCr膜とガラス膜を成膜する工程を示す
拡大断面図である。
【図5】上記実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示す
もので、重ね合わせ側の基板にCr膜とガラス膜を成膜
する工程を示す拡大断面図である。
もので、重ね合わせ側の基板にCr膜とガラス膜を成膜
する工程を示す拡大断面図である。
【図6】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示
すもので、基板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせて接
合基板を製作する工程を示す斜視図である。
すもので、基板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせて接
合基板を製作する工程を示す斜視図である。
【図7】図6の拡大断面図である。
【図8】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示
すもので、基板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせた接
合基板にアジマス角を付与して切断する工程を示す斜視
図である。
すもので、基板に重ね合わせ側の基板を重ね合わせた接
合基板にアジマス角を付与して切断する工程を示す斜視
図である。
【図9】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を示
すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々に巻線溝
とガラス溝を施す工程を示す斜視図である。
すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々に巻線溝
とガラス溝を施す工程を示す斜視図である。
【図10】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を
示すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々にトラ
ック幅規制溝と反応膜防止膜を施す工程を示す斜視図で
ある。
示すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々にトラ
ック幅規制溝と反応膜防止膜を施す工程を示す斜視図で
ある。
【図11】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を
示すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々にスペ
ーサを介在させる工程を示す斜視図である。
示すもので、一対の磁気コア半体ブロックの各々にスペ
ーサを介在させる工程を示す斜視図である。
【図12】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を
示すもので、一対の磁気コア半体ブロック同士を突き合
わせ接合一体化する工程を示す斜視図である。
示すもので、一対の磁気コア半体ブロック同士を突き合
わせ接合一体化する工程を示す斜視図である。
【図13】上記一実施例に係る磁気ヘッドの製造工程を
示すもので、一対の磁気コアを突き合わせた状態を模式
的に示す拡大平面図である。
示すもので、一対の磁気コアを突き合わせた状態を模式
的に示す拡大平面図である。
【図14】上記製造工程により製造された磁気ヘッドの
再生出力の測定結果を示す図である。
再生出力の測定結果を示す図である。
1,2・・・磁気コア半体 3,4,25・・・金属磁性膜 8・・・巻線溝 11,12,13,14・・・基板 20・・・融着ガラス 21・・・基板 22・・・重ね合わせ側の基板 32・・・突出部 g1 ・・・フロントギャップ g1 ・・・フロントギャップ g2 ・・・バックギャップ L1・・・磁気ギャップ対向面の間隔 L2・・・突出部の突き合わせ面の間隔
フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 一対の磁気コア半体同士を突き合わせて
接合一体化し、その突き合わせ面間に磁気ギャップを形
成してなる磁気ヘッドの製造方法において、 上記一対の磁気コア半体を突き合わせるに際して、チッ
プ切断により除去される突き合わせ面間にスペーサを介
在させることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 スペーサが、厚さ5nm〜20nmの薄
膜であることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22300394A JPH0887713A (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 磁気ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22300394A JPH0887713A (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 磁気ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0887713A true JPH0887713A (ja) | 1996-04-02 |
Family
ID=16791304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22300394A Withdrawn JPH0887713A (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 磁気ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0887713A (ja) |
-
1994
- 1994-09-19 JP JP22300394A patent/JPH0887713A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011120 |