JPH05114113A - 磁気ヘツド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘツド及びその製造方法

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JPH05114113A
JPH05114113A JP29955591A JP29955591A JPH05114113A JP H05114113 A JPH05114113 A JP H05114113A JP 29955591 A JP29955591 A JP 29955591A JP 29955591 A JP29955591 A JP 29955591A JP H05114113 A JPH05114113 A JP H05114113A
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magnetic
metal
film
groove
head
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JP29955591A
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Tatsuo Hisamura
達雄 久村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属磁性層3a,3b,3c,4a,4b,
4cを絶縁膜13,14を介して複数積層してなる金属
磁性膜3,4と磁気コア基板1,2よりなる一対の磁気
コア半体5,6を金属磁性膜3,4の端面同士を突合わ
せ、これら金属磁性膜3,4間に磁気ギャップgを構成
してなる磁気ヘッドにおいて、上記金属磁性膜3,4が
磁気ギャップgに対して斜めに配され、その金属磁性膜
3,4の磁気ギャップ形成面を形成する一端面とは反対
側の他端面に接して融着ガラス7が充填されている。 【効果】 金属磁性膜の膜剥がれを無くすことができ、
ヘッド出力を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)等に搭載される磁気ヘッド及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダ等の磁気
記録再生装置においては、記録信号の高密度化が進めら
れており、この高密度記録に対応した磁気記録媒体とし
て磁性粉にFe,Co,Ni等の強磁性金属粉末を用い
た、いわゆるメタルテープや、強磁性金属材料を蒸着に
よりベースフィルム上に直接被着した、いわゆる蒸着テ
ープ等が使用されるようになってきた。
【0003】一方、磁気ヘッドの分野においてもこれに
対処するべく研究が進められており、高抗磁力磁気記録
媒体に好適な磁気ヘッドとして磁気コアに金属磁性膜を
用いた、いわゆるメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッ
ドが種々開発されている。また、近年においては、記録
信号の高密度記録化に伴って、磁気記録媒体に記録され
る記録トラックの狭小化も進められており、これに対応
して磁気ヘッドのトラック幅も極めて狭いものが要求さ
れてきている。
【0004】かかる要求を満たす磁気ヘッドとしては、
例えば図12に示すように、フェライト等からなる磁気
コア基板101,102の突合わせ面を磁気ギャップg
に対して斜めに切り欠き、この斜面101a,102a
上にセンダスト等の強磁性金属膜103,104を被着
形成し、これら金属磁性膜103,104同士を突合わ
せて融着ガラス105により接合一体化されたものが提
案されている。
【0005】この磁気ヘッドでは、磁気ギャップgに対
して斜交して設けられた金属磁性膜103,104間に
磁気ギャップgが形成されている。そして、上記磁気ギ
ャップgのトラック幅Twは、上記金属磁性膜103,
104の対向幅によって規制されている。また、高帯域
での渦電流損失を回避するために、上記金属磁性膜10
3,104を膜厚の薄い磁性金属層を絶縁膜を介して何
層にも積層した多層膜としている。
【0006】このように形成された磁気ヘッドにおいて
は、金属磁性膜103,104の膜厚の制御により簡単
に狭トラック化が図れるとともに、上記金属磁性膜10
3,104を積層膜としていることから高出力化が達成
され、より抗磁力の高い磁気記録媒体に対して良好な記
録再生が望める。
【0007】ところで、上述の磁気ヘッドを作製するに
は、先ず、図13に示すように、フェライトよりなる基
板106の磁気ギャップ形成面となる面106aに、こ
の面106aに対して傾斜した斜面107aを有する断
面略V字状の第1の溝107を形成する。
【0008】次に、図14及び図15に示すように、上
記第1の溝107内を含めて上記磁気ギャップ形成面と
なる面106a上にセンダストとSiO2 を交互に積層
する。この結果、センダストよりなる磁性金属層108
とSiO2 よりなる絶縁膜109の積層された金属磁性
膜110が形成される。
【0009】次いで、上記第1の溝107内に成膜され
た金属磁性膜110の膜剥がれを防止するために、当該
第1の溝107内に融着ガラス111を充填する。そし
て、図16に示すように、上記磁気ギャップ形成面10
6a上に成膜された金属磁性膜110を平面研磨加工等
によって除去する。
【0010】次に、図17に示すように、上記斜面10
7aに近接してトラック幅を規制するための断面略V字
状の第2の溝112を基板106全面に亘って形成す
る。そして、上記第2の溝112と直交する方向にコイ
ルを巻装させるための巻線溝113を断面略コ字状に形
成する。次いで、上述のように形成された基板106,
114同士を図18に示すようにトラック位置合わせし
ながら突合わせ、融着ガラス115によって接合一体化
する。
【0011】次に、同図中線a−a及び線b−bで示す
位置で切断する。そして最後に、切り出したヘッドチッ
プに対して磁気記録媒体との当たり特性を確保するため
に、磁気記録媒体摺動面を円筒研磨して磁気ヘッドを完
成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の磁気
ヘッドにおいては、第1の溝107の底部では磁性金属
層108と絶縁膜109とが柱状構造となり、当該絶縁
膜109を介して積層される磁性金属層108の絶縁性
が損なわれ易い状態となる。このため、磁性金属層10
8間を十分に絶縁するために、絶縁膜109の膜厚を
0.4μm〜1μm程度と厚めに被着する必要がある。
【0013】ところが、絶縁膜109の膜厚を厚くする
と、膜応力が大きくなり、磁性金属層108と絶縁膜1
09間、或いは磁性金属層108と基板106間で剥が
れ易くなってしまう。また、磁気記録に関与するトラッ
ク内に非磁性部(絶縁膜109)の占める割合が多くな
りヘッド特性が劣化する。
【0014】そこで本発明は、上述の技術的な課題を解
消するべく提案されたものであって、金属磁性膜の膜剥
がれの無い、ヘッド出力の高い磁気ヘッドを提供するこ
とを目的とする。さらに本発明は、金属磁性膜の膜剥が
れの無い、ヘッド出力の大幅な向上が望める磁気ヘッド
の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、磁性金属層を絶縁膜を介して複数積層
してなる金属磁性膜と磁気コア基板よりなる一対の磁気
コア半体を金属磁性膜の端面同士を突合わせ、これら金
属磁性膜間に磁気ギャップを構成してなる磁気ヘッドに
おいて、上記金属磁性膜が磁気ギャップに対して斜めに
配され、その金属磁性膜の磁気ギャップ形成面を形成す
る一端面とは反対側の他端面に接して融着ガラスが充填
されていることを特徴とするものである。
【0016】さらに本発明の磁気ヘッドの製造方法にお
いては、磁気ギャップ形成面となるべき面に対して傾斜
した斜面を有する第1の溝を基板に形成する工程と、少
なくとも上記第1の溝内に磁性金属層を絶縁膜を介して
複数積層し、多層膜とした金属磁性膜を形成する工程
と、上記第1の溝の斜面上に成膜される金属磁性膜を除
き、当該第1の溝の底部に切り欠きを入れこの部分の金
属磁性膜を除去する工程と、上記磁気ギャップ形成面上
に成膜される金属磁性膜を除去した後、上記第1の溝内
に融着ガラスを充填する工程と、上記斜面に近接してト
ラック幅を規制するための第2の溝を形成する工程とに
よりヘッドコアブロックを作製し、このヘッドコアブロ
ック同士を接合した後、ヘッドチップに切り出すことを
特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明に係る磁気ヘッドにおいては、磁気ギャ
ップに対して斜交して設けられる金属磁性膜の磁気ギャ
ップ形成面とは反対側の他端面に接して融着ガラスが充
填されているので、磁気コア基板に対する金属磁性膜の
付着強度が高まり、当該金属磁性膜が膜剥がれを起こす
ようなことがなくなる。
【0018】一方、本発明の磁気ヘッドの製造方法にお
いては、絶縁性が極めて低くなる第1の溝の底部に成膜
される金属磁性膜を切り欠きを入れることにより除去し
ているので、薄い絶縁膜でも十分に磁性金属層間の絶縁
性が確保される。これにより、金属磁性膜の特性が向上
し、ヘッド出力の向上が望める。また、その切り欠いた
溝部に融着ガラスを充填しているので、金属磁性膜の端
部がこの融着ガラスによって補強される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。初めに、本発
明を適用した磁気ヘッドの一実施例について説明する。
本実施例の磁気ヘッドは、図1及び図2に示すように、
フェライト等の酸化物磁性材料よりなる磁気コア基板
1,2とセンダスト等よりなる金属磁性膜3,4とから
なる一対の磁気コア半体5,6が、磁気ギャップgに対
してそれぞれ斜めに成膜された金属磁性膜3,4の端面
同士を突合わせ、融着ガラス7によって接合一体化され
てなっている。
【0020】上記磁気コア基板1,2には、上記金属磁
性膜3,4とで閉磁路を構成することから、例えばMn
−ZnフェライトやNi−Znフェライト等の酸化物磁
性材料が使用される。そして、上記磁気コア基板1,2
の突合わせ面には、上記金属磁性膜3,4を成膜させる
ための金属磁性膜形成面1a,2aが形成されている。
この金属磁性膜形成面1a,2aは、上記磁気ギャップ
gに対して所定の角度で傾斜された傾斜面とされ、磁気
コア半体5,6が突き合わされたときに互いの斜面が略
平行となるようになされている。そしてこの金属磁性膜
形成面1a,2aの両端部には、磁気ギャップgのトラ
ック幅Twを規制するためのトラック幅規制溝8,9と
金属磁性膜3,4の膜特性の向上及び基板に対する付着
強度を高めるための切欠溝10,11とが形成されてい
る。
【0021】また、上記一方の磁気コア基板2の突合わ
せ面には、記録情報に基づく電気信号をヘッドに供給
し、媒体からの磁気信号を電気信号として装置側へ伝達
するためのコイルを巻装させる巻線溝12が設けられて
いる。上記巻線溝12は、断面略コ字状の溝として形成
され、磁気ギャップg側に設けられる傾斜面12aによ
って上記磁気ギャップgのデプスを規制するようになっ
ている。
【0022】一方、金属磁性膜3,4は、高出力化並び
に高帯域での渦電流損を回避するために、図2に示すよ
うに強磁性金属材料よりなる薄膜の磁性金属層3a,3
b,3c、4a,4b,4cを絶縁膜13,14を介し
て何層にも積層した多層構造とされている。
【0023】上記磁性金属層3a,3b,3c、4a,
4b,4cに使用される強磁性金属材料としては、従来
より公知の高飽和磁束密度且つ軟磁気特性に優れた強磁
性合金材料が使用され、結晶質,非結晶質を問わない。
例示するならば、Fe系合金、Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−C系合金、Fe−Al−Si系合金、F
e−Ga−Si系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe
−Ga−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−
Co−Si系合金、Fe−Ru−Ga−Si系合金、F
e−Co−Si−Al系合金等の結晶質合金材料や、C
o−Zr−Nb,Co−Zr−Nb−Ta等のアモルフ
ァス合金等が挙げられる。ももちろん、一般に使用され
るアモルファス合金(例えばFe,Ni,Coのうち1
以上の元素とP,C,B,Siのうち1以上の元素とか
らなる合金、またはこれを主成分としAl,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、或いはCo−Zr,Co−Hf等の遷移元素
を主成分とする合金、またはこれらに希土類元素を添加
した合金等のメタル−メタル系アモルファス合金。)等
も使用可能である。
【0024】一方、絶縁膜13,14には、従来より多
く使用されているSiO2 の他、Ta2 3 、Ti
2 、AlN、Al2 3 、ZrO2 、Si3 4 等の
如き材料からなる膜が使用される。これら絶縁膜13,
14の膜厚は、少なくとも隣合う磁性金属層3a,3
b,3c、4a,4b,4cの絶縁性が十分に確保でき
る程度の薄膜でよい。なお、融着ガラス7と接する最上
層の絶縁膜13,14は、当該融着ガラス7に対する保
護の意味から若干厚めに成膜する。
【0025】上述の磁性金属層3a,3b,3c、4
a,4b,4c及び絶縁膜13,14の形成方法として
は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、クラスター・イオンビーム法等に代表さ
れる真空薄膜形成技術が挙げられる。
【0026】そして、上述のように構成された一対の磁
気コア基板1,2は、互いの金属磁性膜3,4の磁気ギ
ャップ形成面となる端面同士をギャップ膜(図示は省略
する。)を介在させて突合わせ、融着ガラス7にて接合
されることにより一体化されている。したがって、相対
向する金属磁性膜3,4間には、記録再生ギャップとし
て動作する磁気ギャップgが構成される。この磁気ギャ
ップgのトラック幅Twは、ギャップ部に設けられる金
属磁性膜3,4の近傍に切り欠かれるトラック幅規制溝
8,9によって規制されている。
【0027】そして、上記金属磁性膜3,4の両脇にそ
れぞれ切り欠かれたトラック幅規制溝8,9と切欠溝1
0,11内には、磁気記録媒体との当たり特性を確保し
媒体との摺接による偏摩耗を防止するための融着ガラス
7が充填されている。これによって、金属磁性膜3,4
の磁気ギャップ形成面を形成する一端部とは反対側の他
端部が融着ガラス7によって補強され、当該金属磁性膜
3,4の磁気コア基板1,2に対する付着強度が大幅に
向上し、信頼性が高まる。
【0028】次に、本発明を適用した磁気ヘッドの製造
方法の一実施例について説明する。上述の磁気ヘッドを
作製するには、先ず図3に示すように、フェライトより
なる基板15の磁気ギャップ形成面となるべき面15a
に、断面略V字状をなす第1の溝16を回転砥石加工に
よって全幅に亘って所定ピッチで複数平行に形成する。
【0029】この第1の溝16を設けることにより、上
記基板15には金属磁性膜形成面に対応する斜面16a
が上記磁気ギャップ形成面15aに対して傾斜した面と
して形成される。なお、この斜面16aの磁気ギャップ
形成面15aに対する傾斜角度θは、隣接トラックから
のクロストーク並びに耐摩耗性を考慮して20度〜80
度程度の範囲に設定することが望ましい。
【0030】次いで、図4及び図5に示すように、上記
第1の溝16内を含めて磁気ギャップ形成面15a上に
センダストとSiO2 を交互にスパッタリングして、磁
性金属層17a,17b,17cと絶縁膜18の積層膜
からなる金属磁性膜17を形成する。このとき、第1の
溝16の底部では、磁性金属層17a,17b,17c
と絶縁膜18とは柱状構造となり、上記磁性金属層17
a,17b,17cの電気的絶縁性が低下する。
【0031】そこで本発明では、その電気的絶縁性が低
下した部分を取り除く。すなわち、図6に示すように、
第1の溝16の底部に砥石加工或いはレーザー加工等の
手法によって切り欠きを入れ、電気的絶縁性の低下した
金属磁性膜17部分を除去する。この結果、切欠溝20
によって第1の溝16の底部及び上記斜面16aと対向
する側面16bに成膜された金属磁性膜17が除去さ
れ、上記斜面16a上のみに金属磁性膜17が残存する
ことになる。
【0032】このように、本例では、電気的絶縁性の劣
化した部分を取り除くようにしているため、先の工程で
成膜した絶縁膜18の膜厚を薄くすることが可能とな
る。なお、上記切り欠き加工によって、金属磁性膜17
の切断面17dが図7に示すようにだれて電気的絶縁性
が劣化するが、これは後の融着ガラスによって侵食され
確実な絶縁状態が確保される。
【0033】次に、図9に示すように、上記切欠溝20
内に融着ガラス21を充填し、金属磁性膜17を当該融
着ガラス21によって埋め込む。次いで、上記磁気ギャ
ップ形成面15a上に成膜される金属磁性膜17を平面
研磨することによって除去する。このとき、金属磁性膜
17は、融着ガラス21によって固定されているので、
平面研磨時に加わる加工圧力によっては膜剥がれを起こ
すようなことはない。特に、金属磁性膜17の磁気ギャ
ップ形成面15aとなる一端部とは反対側の他端部は融
着ガラス21によって確実に抑え込まれた状態で固定さ
れているので、上記金属磁性膜17の基板15に対する
付着強度が極めて高いものとなっている。
【0034】また、この融着ガラス21によって先の金
属磁性膜17の切断面17dは、侵食され、上記絶縁膜
18によって各磁性金属層17a,17b,17cの絶
縁性が確実なものとされる。
【0035】次に、図10に示すように、金属磁性膜1
7を被着した斜面16aと隣接して、上記第1の溝16
と平行にトラック幅を規制するための第2の溝22を形
成する。第2の溝22の切削位置は、この溝22が上記
斜面16a上に形成される金属磁性膜17の端部17e
と略一致するような位置とする。
【0036】次いで、コイルを巻装するための巻線溝2
3を上記基板15に形成する。上記巻線溝23は、上記
第1の溝16と第2の溝22に対して略直交する方向に
形成し、断面略コ字状の溝として形成する。この結果、
第1の溝16と第2の溝22によりトラック幅が規制さ
れた金属磁性膜17が磁気ギャップ形成面15aに臨ん
でなるヘッドコアブロック24が作製される。
【0037】そして、上述の工程を順次繰り返して図1
0に示すヘッドコアブロック24と同一のヘッドコアブ
ロック25を作製する。なお、この一方のヘッドコアブ
ロック25には巻線溝は形成しない。次いで、これらヘ
ッドコアブロック24,25の突合わせ面を鏡面加工す
る。そして、図11に示すように、上記一対のヘッドコ
アブロック24,25を互いの金属磁性膜17,17間
にギャップ膜(図示は省略する。)を介在させてトラッ
ク位置合わせしながら突き合わす。
【0038】トラック位置合わせは、磁気ギャップ形成
面15aに露出する互いの金属磁性膜17,17が一致
するようにして重ね合わせる。
【0039】次に、巻線溝23内にガラス棒を挿入し、
これを溶融して上記第1の溝16及び第2の溝22内に
融着ガラス26を充填する。この結果、上記一対ヘッド
コアブロック24,25が融着ガラス26によって接合
一体化される。そして、接合一体化されたブロックに対
して所定の位置でスライシング加工し、複数個のヘッド
チップに切り出す。
【0040】このスライシング加工においても金属磁性
膜17を切削することになるが、金属磁性膜17と基板
15との密着性が極めて高いため、当該金属磁性膜17
が上記基板15より剥がれることはない。
【0041】そして最後に、このヘッドチップに対して
磁気記録媒体との当たり特性を確保するために、磁気記
録媒体摺動面を円筒研磨して磁気ヘッドを完成する。こ
の結果、斜め膜とされた金属磁性膜17,17の突合わ
せ部に記録再生用ギャップとして機能する磁気ギャップ
gが構成される。
【0042】本実施例では、実際に上述の工程を経て磁
気ヘッドを作製し、その再生出力特性を調べてみた。磁
気ヘッドは、磁性金属層を6μmとして4層重ね合わ
せ、トラック幅Twを24μmとし、ギャップ長を0.
25μmとした。一方、磁気テープは、メタルテープを
使用し、相対スピード3.8m/sとした。
【0043】その結果を表1に示す。なお、表1は、記
録ヘッドは同一のヘッドを使用し、再生特性のみ比較す
るものとし、比較例の出力を0dBとしてそれに対する
増減で示されている。また、比較例の磁気ヘッドとして
は、図12に示すヘッドを用いた。
【0044】
【表1】
【0045】この結果からわかるように、周波数が高く
なるにつれて実施例のヘッドの出力が大きくなり、7M
Hzでは1dB程度向上しているのがわかる。したがっ
て、本実施例の磁気ヘッドによれば、再生出力を大幅に
向上させることができる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドにおいては、磁気ギャップに対して斜交
して設けられる金属磁性膜の他端面に接して融着ガラス
が充填されているので、磁気コア基板に対する金属磁性
膜の付着強度が高まり、当該金属磁性膜の膜剥がれを確
実に防止することができる。したがって、信頼性の向上
並びに高出力化が図れる。
【0047】一方、本発明の磁気ヘッドの製造方法にお
いては、絶縁性が極めて低くなる第1の溝の底部に成膜
される金属磁性膜を切り欠きを入れることにより除去し
ているので、薄い絶縁膜でも十分に絶縁性を確保するこ
とができる。したがって、絶縁膜を厚くすることにより
内部応力の高まりにより膜剥がれが生ずることも無くな
り、信頼性の高い磁気ヘッドを作製することができる。
【0048】さらに、本発明方法によれば、薄い絶縁膜
を使用できることから、当該絶縁膜の金属磁性膜に占め
る割合を減少させることができる。この結果、膜の特性
の向上が望め、ヘッド特性を大幅に向上させることがで
きる。したがって、本発明の方法を採用すれば、より一
層高い抗磁力を有する磁気記録媒体に対しても良好に記
録再生可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッドの磁気記録媒体摺
動面を拡大して示す要部拡大平面図である。
【図3】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、第1の溝形成工程を示す斜視図である。
【図4】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、金属磁性膜形成工程を示す斜視図である。
【図5】図4の第1の溝部を拡大して示す要部拡大正面
図である。
【図6】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、第2の溝形成工程を示す斜視図である。
【図7】図6の第2の溝を拡大して示す要部拡大正面図
である。
【図8】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、ガラス充填工程を示す斜視図である。
【図9】図8のガラス充填部を拡大して示す要部拡大正
面図である。
【図10】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順
次示すもので、巻線溝形成工程を示す斜視図である。
【図11】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順
次示すもので、接合工程を示す斜視図である。
【図12】従来の磁気ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。
【図13】従来の磁気ヘッドの製造工程を順次示すもの
で、第1の溝形成工程を示す斜視図である。
【図14】従来の磁気ヘッドの製造工程を順次示すもの
で、金属磁性膜形成工程を示す斜視図である。
【図15】図14の第1の溝部を拡大して示す要部拡大
正面図である。
【図16】従来の磁気ヘッドの製造工程を順次示すもの
で、ガラス充填工程を示す斜視図である。
【図17】従来の磁気ヘッドの製造工程を順次示すもの
で、巻線溝形成工程を示す斜視図である。
【図18】従来の磁気ヘッドの製造工程を順次示すもの
で、接合工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2・・・磁気コア基板 3,4,17・・・金属磁性膜 5,6・・・磁気コア半体 7,21・・・融着ガラス 3a,3b,3c,4a,4b,4c・・・磁性金属層 12,23・・・巻線溝 13,14,18・・・絶縁層 16・・・第1の溝 20・・・切欠溝 22・・・第2の溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性金属層を絶縁膜を介して複数積層し
    てなる金属磁性膜と磁気コア基板よりなる一対の磁気コ
    ア半体を金属磁性膜の端面同士を突合わせ、これら金属
    磁性膜間に磁気ギャップを構成してなる磁気ヘッドにお
    いて、 上記金属磁性膜が磁気ギャップに対して斜めに配され、
    その金属磁性膜の磁気ギャップ形成面を形成する一端面
    とは反対側の他端面に接して融着ガラスが充填されてい
    ることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気ギャップ形成面となるべき面に対し
    て傾斜した斜面を有する第1の溝を基板に形成する工程
    と、少なくとも上記第1の溝内に磁性金属層を絶縁膜を
    介して複数積層し、多層膜とした金属磁性膜を形成する
    工程と、上記第1の溝の斜面上に成膜される金属磁性膜
    を除き、当該第1の溝の底部に切り欠きを入れこの部分
    の金属磁性膜を除去する工程と、上記磁気ギャップ形成
    面上に成膜される金属磁性膜を除去した後、上記第1の
    溝内に融着ガラスを充填する工程と、上記斜面に近接し
    てトラック幅を規制するための第2の溝を形成する工程
    とによりヘッドコアブロックを作製し、このヘッドコア
    ブロック同士を接合した後、ヘッドチップに切り出すこ
    とを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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