JPH06337685A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

Info

Publication number
JPH06337685A
JPH06337685A JP5147033A JP14703393A JPH06337685A JP H06337685 A JPH06337685 A JP H06337685A JP 5147033 A JP5147033 A JP 5147033A JP 14703393 A JP14703393 A JP 14703393A JP H06337685 A JPH06337685 A JP H06337685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
speaker
microphone
impulse response
reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5147033A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3281121B2 (ja
Inventor
Hiroshi Uchida
博志 内田
Tetsurou Butsuen
哲朗 仏圓
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP14703393A priority Critical patent/JP3281121B2/ja
Publication of JPH06337685A publication Critical patent/JPH06337685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3281121B2 publication Critical patent/JP3281121B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】低減用振動生成に用いられるマイク/スピ−カ
間のインパルス応答デ−タ長を短くする。 【構成】車室2に、車室内振動を低減するための低減用
振動を出力するスピ−カ11と、車室内振動を検出する
マイク12とが設けられる。マイク12で検出される振
動が低減されるように、スピ−カ11とマイク12との
間のインパルス応答を考慮しつつ、低減用振動が最適化
される。インパルス応答デ−タから、スピ−カ11の機
械的共振周波数以下の低周波数成分が、ハイパスフィル
タ等を利用してカットされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の振動つまり騒音
を、低減用振動を利用した干渉作用によって低減するよ
うにした車両の振動低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両、特にエンジンによる騒音振動つま
り第1振動が問題になる自動車等においては、スピ−カ
等から低減用振動つまり第2振動を発生させて、この第
1振動と第2振動との干渉により第1振動を低減するこ
とが提案されている。
【0003】この種の振動低減装置にあっては、特表平
1−501344号公報に示すように、振動源からの振
動つまり第1振動に相当する信号をリファレンス信号と
して取り出すリファレンス信号発生器と、第1振動によ
る騒音が問題となる所定空間での振動をピックアップす
るマイクと、所定空間に向けて第2振動を発生させるス
ピ−カと、スピ−カから出力させる第2振動を生成する
ための適応型デジタルフィルタと、上記フィルタのフィ
ルタ係数を逐次的に最適化するためのアルゴリズム演算
装置と、を有する。すなわち、リファレンス信号に応じ
て適応型デジタルフィルタがリファレンス信号のゲイン
や位相等を調整して第2振動を生成する一方、マイクで
検出される振動が小さくなるように、適応型デジタルフ
ィルタのフィルタ係数がアルゴリズム演算装置によって
逐次的に最適化される。そして、低減用振動の最適化の
ために、マイクらとスピ−カとの間のインパルス応答が
加味されたものとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、低減用振動
の最適化のために用いられるインパルス応答のデ−タ
は、そのデ−タ長が短いほど、振動の収束性向上、低減
用振動生成のための計算時間短縮化、メモリの負担軽減
となって好ましいものである。この一方、スピ−カは、
所定の振動に対応した信号を入力させた際、この信号の
入力が停止された後もしばらくの間は、スピ−カから低
周波数成分つまり残留低周波数成分が出力され続けるこ
とになる。この残留低周波数成分は、スピ−カの機械的
共振周に強く依存するものであり、これを無くすこと自
体は事実上不可能である。そして、従来は、この残留低
周波数成分を加味してインパルス応答デ−タを生成して
いたので、そのデ−タ長を短くするには限度があった。
【0005】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、低減用振動を最適化するためのインパルス
応答のデ−タ長を十分短くできるようにした車両の振動
低減装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、車室内に低減用振動を出力させるためのスピ−カ
と、車室内の振動を検出するマイクと、該マイクで検出
される振動が低減されるように前記スピ−カとマイクと
の間のインパルス応答を考慮しつつ前記低減用振動を最
適化する最適化手段と、を備えた車両用振動制御装置に
おいて、前記インパルス応答のデ−タから、前記スピ−
カの機械的共振周波数以下の低周波数成分をカットする
修正手段を備えている、ような構成としてある。
【0007】上記構成を前提とした本発明の好ましい態
様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載した
通りである。
【0008】
【発明の効果】請求項1に記載された本発明によれば、
振動低減のためには事実上問題とならないスピ−カの残
留低周波数成分について、インパルス応答デ−タからカ
ットするようにしてあるので、このインパルス応答デ−
タ長を十分短くして、振動の収束性向上、低減用振動最
適化のための計算時間短縮、メモリの負担軽減等を得る
ことができる。
【0009】請求項2に記載したような構成とすること
により、振動低減の効果をほとんど損なうことなく、イ
ンパルス応答デ−タ長をより短くして、請求項1に記載
された本発明の効果をより一層向上させることができ
る。
【0010】請求項3に記載したような構成とすること
により、ハイパスフィルタを利用して、容易に修正手段
を構成することができる。
【0011】請求項4に記載したような構成とすること
により、低減用振動生成のための計算量の低減ひいては
制御系の負担を軽減する上で好ましいものとなる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。全体の概要 図1において、自動車1は、車室2内に運転席3と助手
席4と左右の後席5、6とを有する4人乗りの乗用車と
されている。車体前部に構成されたエンジンル−ム7に
は、直列4気筒のガソリンエンジン8が塔載され、その
イグニッションコイルが符号9で示される。
【0013】エンジン8が、エンジン回転数に応じた周
期的な振動を発生する騒音発生源つまり第1振動源とさ
れている。そして、車室2が、エンジン8の振動を低減
すべき所定空間とされている。このため、所定空間とし
ての車室2には、5個のスピ−カ11と、8個のマイク
12とが設置されている。スピ−カ11が、車室へエン
ジン騒音を低減するための第2振動を発生する第2振動
源とされ、マイク12が、車室の実際の振動を検出する
振動検出手段とされる。そして、インストルメントパネ
ルには、既知のように、例えばチュ−ナとカセットデッ
キとCDデッキとの組み合わせからなるオ−ディオソ−
ス31が配設されている。なお、スピ−カ11は、オ−
ディオ用と兼用することなく、低減用振動発生用として
専用に設けてもよい。
【0014】自動車1には、マイクロコンピュ−タを利
用して構成された制御ユニットUが塔載されている。制
御ユニットUに対する入出力関係を図2に示してあり、
制御ユニットUは、CPUからなる制御部20を有す
る。制御部20には、イグニッションコイル9の一次コ
イルからの信号つまりエンジン回転数に応じた点火パル
ス信号が、波形整形回路21、周期計算回路22を経て
入力されると共に、各マイク12からの信号が、アンプ
23、ロ−パスフィルタ24、A/D変換器25を介し
て入力される。また、制御部20からの出力信号は、D
/A変換器26、ロ−パスフィルタ27、アンプ28を
介してスピ−カ11へ出力される。
【0015】制御部20は、マイク12で検出される振
動が低減されるように、スピ−カ11から出力すべき低
減用振動としての第2振動を最適化する。以下、制御部
20による第2振動の生成について説明するが、先ず、
第2振動の生成の基本部分ついて説明し、その後インパ
ルス応答のデ−タ長修正の点について説明する。
【0016】なお、実施例では、第2振動は、エンジン
8の周期的な回転振動例えば回転2次成分を低減するも
ので、エンジン8の周期的な振動の1周期分まとめて生
成するようにして、第2振動最適化のための計算量の低
減ひいては制御系の負担が極力小さくなるようにしてあ
る。勿論、第2振動の生成は、既知の適宜の最適化手法
によりなし得るものであり、本発明は特定の最適化手法
に限定されないものではない。
【0017】第2振動の生成(基本) 図3は、制御部20をブロック図的に示すものであり、
説明の簡単化のためにスピ−カ11およびマイク12を
それぞれ1個とした場合を示している。
【0018】制御部20は、周期計測回路22から入力
された結果によってスピ−カ11に出力するスピ−カ入
力信号yのベクトルyの周期を調整する(ステップ1、
以下ステップをSと略す)と共に、内蔵しているプロセ
ッサで、マイク12・スピ−カ2間の伝達特性であるイ
ンパルス応答hの行列hを、時系列h変換する(S
2)。
【0019】次に、制御部20はプロセッサで、インパ
ルス応答hの時系列hとマイク12から入力されるマイ
ク出力信号eとでベクトルyを逐次的に最適化し(S
3)、その後、このベクトルyを時系列yに変換してス
ピ−カ入力信号yとし(S4)、スピ−カ11に出力す
る。
【0020】スピ−カ11は、このスピ−カ入力信号y
をアンチ騒音Zとして再生する。一方、マイク12は、
騒音dとアンチ騒音Zが打ち消し合って振動エネルギが
低減した騒音を検出して、この結果をディジタルのマイ
ク出力信号eとして制御部20に内蔵されたプロセッサ
に出力する。以下、再びプロセッサは、上記ステップ3
およびステップ4を繰り返し行い、スピ−カ入力信号y
のベクトルyを逐次的に最適化して、最終的にマイク出
力信号eの値が0となるようにスピ−カ入力信号yのベ
クトルyを設定する。
【0021】次に、制御部20で行われる上記ステップ
のアルゴリズムの演算について、以下に説明する。
【0022】先ず、制御部20によるマイク12のマイ
ク出力信号eのサンプリング周期を△tとする。マイク
12・スピ−カ11間の伝達特性であるインパルス応答
hが有限時間J△t以内で0に収束すると仮定し、イン
パルス入力が与えられてからj△t時間経過後のインパ
ルス応答hの値をhj とすると、エンジン8から発生し
た第1振動である騒音d、スピ−カ入力信号yが与えら
れたときのスピ−カ11から発生する第2振動であるア
ンチ騒音Zおよびそのときの時刻kにおけるマイク出力
信号eの第kサンプル値e(k)の関係は、次式(1)で
表わすことができる。
【0023】e(k) =d(k)+Z(k) =d(k)+行列hT ・行列y(k) ・・・・(1) 但し、 行列h=[h012 ・・・・・hJ-1T 行列y(k)=[y(k) y(k-1) y(k-2)・・・・y
(k-J+1)]T d(k):e(k)に含まれている騒音dの成分 Z(k):e(k)に含まれているアンチ騒音Zの成分 y(k):スピ−カ入力信号yの第kサンプル値 従って、式(1)中のZ(k)は、次の式(2)で示され
る。
【0024】
【数1】
【0025】ところで、騒音dは、ある周期N△tを持
っている周期性騒音であるので、この騒音dの振動エネ
ルギを低減させるアンチ騒音Zおよびスピ−カ入力信号
y、騒音dと同じ周期N△tを持っている周期性振動お
よび周期性信号でなければならない。
【0026】従って、スピ−カ入力信号yに関して次式
(3)が成立する。 y(k) =y(K-qN)=y(k) y (k-1)=y(k-qN-1)=y(k+N-1) y(k-2) =y(k-qN-2)=y(k+N-2) ・・・・(3) ・・・ ・・・ ・・・ y(k-N+1) =y(k-(q+1)N+1)=y(k+1) 但し、 q=0,1,2,・・・・ ゆえに、式(1)は、 e(k) =d(k)+ベクトルhT ・時系列y(k) ・・・・(4) 但し、 時系列y(k) =[y (K) y(K+N-1) y(K+N-2) ・・
・・y(K+1)]T
【0027】
【数2】
【0028】尚、Qは、J≦(q+1)Nを満たす整数qの最
小値である。
【0029】次に、時刻kからさらにiだけ時間が経過
した時刻k+i のマイク出力信号eの第K+i サンプル値e
(K+i)(但し、i=1,2,・・・・)は、次式(5)
で表わすことができる。
【0030】 e(k+i)=d(k+i) +ベクトルhT ・時系列y(k+i) =d(k+i) +時系列h(i)T・時系列y(k) ・・・・・(5) 但し、 時系列y(k+i) =[y(k+i)'y(k+i'-1 ) y(k+N-1) y(k+N-2) ・・・・・y(k+i'+1)]T 時系列h(i) =[バ−hi 'バ−hi+1 '・・・・・バ−h
N+1 バ−h0バ−h1 ・・・・バ−hi ' -1T 尚、i’は、iをNで割ったときの整数剰余である。
【0031】ところで、式(5)において、kはマイク
入力信号eの任意の初期時点を表わしているに過ぎな
い。よって、k=0と置き、iを改めてkに置き直す
と、次式(6)が得られる。
【0032】 e(k) =d(k) +時系列h(k)T・時系列y(0) =d(k) +時系列h(k)T・ベクトルy 但し、 ベクトルy=[y(0) y(N-1) y(N-2) ・・・y(1) ]T =[y0N-1N-2 ・・・・y1T ここで、次の評価関数を導入する。 F=E[e(k)2] =E[d(k) +時系列h(k)T・ベクトルy] =E[d(k)2]+2ベクトルyT ・E[d(k) ・時系列h(k) ] +ベクトルyT ・E[時系列h(k) ・時系列h(k)T]ベクトルy ・・・・・・(7) 但し、E[ ]は、期待値を表わすものとする(Eは期
待演算子)。式(7)より、この評価関数のベクトルy
に関する勾配は、次式(8)で与えられる。 ∂F/∂ベクトルy=2E[d(k) ・時系列h(k)] +2E[時系列h(k) ・時系列h(k)T]ベクトルy =2E[時系列h(k){d(k)+時系列h(k)Tベクトルy}] =2E[時系列h(k) ・e(k) ] ・・・・・(8) ここで、E[時系列h(k) ・e(K)]の瞬時推定値とし
て、時系列h(k)・e (K)を用いることにすれば、Fの最
小値を与える周期N△t(すなわち要素数N)を持つス
ピ−カ出力信号ベクトルであるベクトルyの値は、最急
降下法に基づく次の漸化式(9)を反復計算することに
にょり最適化することができる。
【0033】 ベクトルy(K+1) =ベクトルy(k) −μ・e(k) ・時系列h(k) ・・・(9) 但し、μ/2は収束係数である。
【0034】このようにして求めた漸化式(9)は、制
御部20に内蔵されたデ−タ処理装置であるプロセッサ
が騒音の振動エネルギを低減させるアンチ騒音の振動エ
ネルギの設定を補正する際には、以下に示すような、よ
り簡単なアルゴリズムに置き換えられる。
【0035】先ず、一対のスピ−カ11およびマイク1
2を用いる場合には、漸化式(9)は次式(10)に置
き換えられる。 y(k-j+QN) '(k+1)=y(k-j+QN) ' ・(k) −μ・e(k) ・hj ・・・(10) このときプロセッサは、時刻kにおいては、例えば以下
に示す4つの動作手順を行っている。
【0036】動作1:スピ−カ入力信号yk ' (k)をスピ
−カ11に対して出力する。 動作2:マイク出力信号e(K) をマイク12から入力す
る。 動作3:周期計測回路22から入力されたエンジン22
の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・△t)を乗
じた値に最も近い整数値をNとする。 動作4:j=0,1,2,・・・・,J−1について漸
化式(10)の計算を行う。 但し、k’,(k−j+QN)’は、それぞれk(k−
j+QN)をNで,割ったときの整数剰余であり、ま
た、Ordは、低減させようとしている騒音のエンジン回
転数に対する最低次数を設定するための任意の一定の整
数である。
【0037】次に、複数のスピ−カ11・・・とマイク
12・・・とを用いる場合には、例えば、最急降下法に
基づき、
【0038】
【数3】
【0039】の瞬時推定値として、
【0040】
【数4】
【0041】を用いると、評価関数
【0042】
【数5】
【0043】を最小化する第1スピ−カ出力信号ベクト
ルであるベクトルy1 の最適値は、次の漸化式(11)
を反復計算することにより求められる。
【0044】
【数6】
【0045】但し、 ylk ' :時刻kにおける第1スピ−カ入力信号 e m :第mマイク出力信号 hlmj :第1スピ−カ・第mマイク間のインパルス応答
のj△t時間後の値 L:スピ−カの個数 M:マイクの個数 J:全てのスピ−カ・マイク間のインパルス応答が有限
時間△t以内で0に収束することを示す整数値 また、 ベクトルyl =[yl 0l N-1l N-2 ・・・y
l 1T 時系列hlm(k) =[バ−hlm k' バ−hlm k'+1 ・・・
バ−hlm N+1バ−hlm 0 バ−hlm 1・・・バ−hlm
k'-1T さらに、 バ−hlm 0=hlm 0 +hlm N +・・・・hlm QN バ−hlm 1=hlm 1 +hlm N+1+・・・hlm QN+1 ・・・・ ・・・ ・・・・ ・・・・ バ−hlm j-QN-1 =hlm j-QN-1 +hlm j-(Q-1)N-1 +・・・+hlm j-1 バ−hlm j-QN =hlm j-QN +hlm j-(Q-1)N +・・・+0 ・・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・ バ−hlm N-1 =hlm N-1 +hlm 2N-1 +・・・+0 l=1,2,・・・・,L m=1,2,・・・・,M 従って、漸化式(9)は次式(12)に置き換えられ
る。
【0046】
【数7】
【0047】このときプロセッサは、時刻kにおいて
は、例えば以下に示す4つの動作手順を行っている。
【0048】動作11:スピ−カ入力信号y1k ' (k),
2k ' (k),・・・・,ylk '(k )をそれぞれ第1スピ
−カ、第2スピ−カ、・・・、第Lスピ−カに対して出
力する。 動作12:マイク出力信号e1(k), e2(k),・・・, eM(k)
をそれぞれ第1マイク、第2マイク、・・・・、第Mマ
イクから入力する。 動作13:周期計測回路22から入力されたエンジン2
2の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・ △t)を
乗じた値に最も近い整数値をNとする。 動作14:1=1、2、・・・・・Lおよびj=0,
1,2,・・・・J−1について漸化式(12)の計算
を行う。 また、上記の複数のスピ−カ11・・・とマイク12・
・・とを用いる場合について、
【0049】
【数8】
【0050】の瞬時推定値として、α・時系列h1k '(k)
・ek ' (k)を用いると、最急降下法に基づいて評価関数
【0051】
【数9】
【0052】を最小化する第1スピ−カ出力信号ベクト
ルであるベクトルy1 の最適値は、次の漸化式(13)
を反復計算することにより求められる。 ベクトルy1 (k+ 1)=ベクトルy1 (k) −μ・α・時系列h1k "(k)・ek "(k) ・・・・(13) 但し、k”は、kをMで割ったときの整数剰余に1を加
えた値であり、また、αは任意の定数である。この漸化
式(13)は、漸化式(11)よりも短時間で演算でき
る。
【0053】従って、漸化式(9)は次式(14)に置
き換えられる。 y1(k-J+QN) '(k+1) =y1(K-j+QN) '(k)−μ・α・ek(k)・ h1k " j ・・・・・(14) このときプロセッサは、時刻においては、例えば以下に
示す4つの動作手順を行っている。
【0054】動作21:スピ−カ入力信号y1k '(k), y
2k '(k), ・・・・、yLk '(k )をそれぞれ第1スピ−
カ、第2スピ−カ、・・・・・、第Lスピ−カに対して
出力する。 動作22:マイク出力信号ek "(k) を第k”マイクから
入力する。 動作23:周期計測回路22から入力されたエンジン2
2の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・△t)を
乗じた値に最も近い整数値をNとする。 動作24:1=1、2、・・・・、Lおよびj=0、
1、2・・・・、J−1について漸化式(14)の計算
を行う。 従って、上記アルゴリズムの演算は、漸化式(9)、
(11)および(13)、あるいはこれら漸化式を単純
化した漸化式(10)、(12)および(14)を反復
計算するだけで良いので、スピ−カ入力制御の計算時間
を短縮することが可能となる。
【0055】インパルス応答デ−タ長の修正 次に、図4以下を参照しつつ、インパルス応答デ−タ長
を修正する点について説明する。先ず、図4は、修正前
のインパルス応答の例を示してあり、残留低周波数成分
がかなり長い時間に渡って生じることが理解される。図
5は、周波数とスピ−カゲインとの関係を示してあり、
図中f1で示す周波数が、スピ−カ11の機械的共振周
波数よりも若干高い周波数を示しており、この周波数f
1以下の低周波数成分が、インパルス応答デ−タからカ
ットされる対象となる。さらに、図6は、エンジン音ト
ラッキングデ−タで、この図6における周波数f2以下
の低周波数成分は、エンジン騒音として車室内で問題と
ならないものとなる。そして、この周波数f2は、上記
周波数f1よりも大きい点を考慮して、インパルス応答
デ−タの修正に際しては、この周波数f2以下の低周波
数成分をカットするようにしてある。
【0056】図7は、前記周波数f2以下の低周波数成
分を、ハイパスフィルタ41、42を利用してカットす
る場合の回路例を示してある。この図7において、S
2、S3は図2に示すものと対応しており、時系列に変
換された測定直後のインパルス応答デ−タh0 が、先ず
ハイパスフィルタ41を通過されて時系列h' とされ、
このh' が逆の方向からハイパスフィルタ42を通過さ
れて、S3で用いる最終的な(修正後の)時系列hとさ
れる。このように、ハイパスフィルタ42で逆方向から
通過させるのは、ハイパスフィルタ41を通過したとき
に生じる位相ずれを、後に通過されるハイパスフィルタ
42で元の位相に戻すためである。
【0057】上記時系列h' は次の(15) 式で示され
る。
【0058】
【数10】
【0059】ただし、測定されたインパルス応答デ−タ
0 は(16) 式に、ハイパスフィルタ41、42の特性
gは(17) 式に、修正されたインパルス応答デ−タh'
は(18) 式に示す通りである。 h0 =[h0(0),h0(1),h0(2)・・・h0(2J-1) ]・・・(16)
【0060】 g=[g(0) ,g(1) ,g(2) ・・・・g(J-1) ]・・・(17)
【0061】 h=[h(0) ,h(1) ,h(2) ・・・・h(2J-1)]・・・(18)
【0062】前記ハイパスフィルタ41、42の処理内
容を、図8のフロ−チャ−トに示してある。この図8に
おいて、Qはステップを示し、Q10までの処理がハイ
パスフィルタ41による処理内容に相当し、Q11〜Q
18の処理がハイパスフィルタ42の処理内容に相当
し、Q19以下が通常のデ−タに戻すための処理とな
る。
【0063】以上実施例について説明したが、低減すべ
き振動としては、エンジン振動に限らず、車室内で問題
となる適宜の信号とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両を上方から見た図。
【図2】低減用振動生成のための全体制御系統図。
【図3】図2のうち低減用振動の最適化部分の構成をブ
ロック図的に示す図。
【図4】スピ−カの残留低周波数成分を示す図。
【図5】周波数とスピ−カゲインと機械的共振周波数と
の関係を示す図。
【図6】エンジン音トラッキングデ−タとスピ−カ出力
との関係を示す図。
【図7】インパルス応答デ−タ長を修正するための処理
をブロック図的に示す図。
【図8】インパルス応答デ−タ長を修正するためのフロ
−チャ−ト。
【符号の説明】
1:自動車 2:車室 8:エンジン(振動源) 11:スピ−カ 12:マイク 20:低減用振動生成回路 41:ハイパスフィルタ 42:ハイパスフィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内に低減用振動を出力させるためのス
    ピ−カと、車室内の振動を検出するマイクと、該マイク
    で検出される振動が低減されるように前記スピ−カとマ
    イクとの間のインパルス応答を考慮しつつ前記低減用振
    動を最適化する最適化手段と、を備えた車両の振動低減
    装置において、 前記インパルス応答のデ−タから、前記スピ−カの機械
    的共振周波数以下の低周波数成分をカットする修正手段
    を備えている、ことを特徴とする車両の振動低減装置
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記修正手段が、前記機械的共振周波数よりも高い周波
    数域でかつエンジン騒音が問題とならない低周波数成分
    をもカットするもの。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記修正手段による低周波数成分のカットが、インパル
    ス応答デ−タを、1回ハイパスフィルタを通過させた後
    さらに逆方向からハイパスフィルタを通過させることに
    より行なわれるもの。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、 車室内で低減すべき振動が周期的な振動とされ、 前記最適化手段が、前記周期的な振動の1周期毎に前記
    低減用振動を最適化するもの。
JP14703393A 1993-05-26 1993-05-26 車両の振動低減装置 Expired - Fee Related JP3281121B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14703393A JP3281121B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 車両の振動低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14703393A JP3281121B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 車両の振動低減装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06337685A true JPH06337685A (ja) 1994-12-06
JP3281121B2 JP3281121B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=15421017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14703393A Expired - Fee Related JP3281121B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 車両の振動低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3281121B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007043442A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Sony Corp 音場計測装置及び音場計測方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007043442A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Sony Corp 音場計測装置及び音場計測方法
US7769184B2 (en) 2005-08-03 2010-08-03 Sony Corporation Apparatus and method for measuring sound field

Also Published As

Publication number Publication date
JP3281121B2 (ja) 2002-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4513810B2 (ja) 能動騒音低減装置
JP2533695B2 (ja) こもり音低減装置
JP3280462B2 (ja) 車両用振動制御装置
US20220343891A1 (en) Transfer function measuring method and active noise reduction device
JP3281121B2 (ja) 車両の振動低減装置
JP3508152B2 (ja) 車両用振動制御装置
JPH07334165A (ja) 車両の振動制御装置および振動制御方法
JP3281122B2 (ja) 車両の振動低減装置
JP3142982B2 (ja) 車両用振動制御装置
JPH1083189A (ja) 能動型騒音低減装置、その騒音低減方法および能動型騒音低減装置で用いる記録媒体
JP3281101B2 (ja) 車両用振動制御装置
JP3281120B2 (ja) 車両の振動低減装置
JP3536313B2 (ja) 車両の振動低減装置
JP3536314B2 (ja) 車両の振動低減装置
JPH06337684A (ja) 車両の振動低減装置
JP2841585B2 (ja) 車室内騒音の低減装置
JPH05232969A (ja) 車両用振動制御装置
JP3517887B2 (ja) 車両用能動型騒音制御装置
JP3281103B2 (ja) 車両用振動制御装置
JP3278176B2 (ja) 車両用騒音制御装置
JPH0777987A (ja) 振動低減装置
JP2924500B2 (ja) 適応制御装置及び能動型騒音制御装置
JPH10222171A (ja) 能動型騒音低減装置及び騒音低減方法
JP3367133B2 (ja) 車両用能動型騒音制御装置及び車両用能動型振動制御装置
JP3503140B2 (ja) 車両用振動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees