JP3142982B2 - 車両用振動制御装置 - Google Patents

車両用振動制御装置

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JP3142982B2
JP3142982B2 JP05092253A JP9225393A JP3142982B2 JP 3142982 B2 JP3142982 B2 JP 3142982B2 JP 05092253 A JP05092253 A JP 05092253A JP 9225393 A JP9225393 A JP 9225393A JP 3142982 B2 JP3142982 B2 JP 3142982B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の振動つまり騒音
を、低減用振動を利用した干渉作用によって低減するよ
うにした車両用振動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両、特にエンジンによる騒音振動つま
り第1振動が問題になる自動車等においては、車室内に
スピ−カから低減用振動つまり第2振動を発生させて、
この第1振動と第2振動との干渉により車室内での振動
を低減することが提案されている。
【0003】この種の振動低減装置にあっては、特表平
1−501344号公報に示すように、振動源からの振
動つまり第1振動に相当する信号をリファレンス信号と
して取り出すリファレンス信号発生器と、第1振動によ
る騒音が問題となる車室での振動をピックアップするマ
イクと、車室に向けて第2振動を発生させるスピ−カ
と、スピ−カから出力させる第2振動を生成するための
適応型デジタルフィルタと、上記フィルタのフィルタ係
数を逐次的に最適化するためのアルゴリズム演算装置
と、を有する。すなわち、リファレンス信号に応じて適
応型デジタルフィルタがリファレンス信号のゲインや位
相等を調整して第2振動を生成する一方、マイクで検出
される振動が小さくなるように、適応型デジタルフィル
タのフィルタ係数がアルゴリズム演算装置によって逐次
的に最適化される。そして、最適化のためのアルゴリズ
ムとしては、一般には最少2乗法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した干渉を利用し
た振動低減を行なう際に、車室内への低減用振動の出力
と同時に、カセットデッキ等のオ−ディオソ−スからの
オ−ディオ音が車室へ出力されることが考えられる。こ
の場合、低減用振動が少なからずオ−ディオ音に悪影響
を与えてしまう可能性が考えられる。すなわち、運転者
はオ−ディオを楽しもうとしているときに、オ−ディオ
音と低減用振動との干渉により、オ−ディオ音が運転者
の意図しないものとなってしまうおそれが考えられる。
【0005】したがって、本発明の目的は、低減用振動
がオ−ディオ音に対して悪影響を与えるのを防止あるい
は低減し得るようにした車両用振動制御装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、車室内へスピ−カから低減用振動を出力して車室
内の振動を低減するための振動低減装置を備えた車両に
おいて、前記低減用振動のオ−ディオ音に対する影響度
合を検出する影響度合検出手段と、前記影響度合検出手
段により前記低減用振動のオ−ディオ音に対する影響度
合が小さいことが検出されたことを前提として、前記振
動低減装置の制御を開始させる制御開始手段と、を備え
た構成としてある。前記振動低減装置としては、車室内
の振動を検出するマイクと、該マイクで検出される振動
が低減されるように前記低減用振動を最適化する最適化
手段を備えた構成とすることができる。
【0007】影響度合検出手段による低減用振動のオ−
ディオ音に対する影響度合の検出は、例えば次のように
することができる。第1に、騒音レベルがオ−ディオ音
のレベルに応じて設定される所定の開始しきい値以上で
あるか否かを検出するように設定することができる。第
2に、騒音とオ−ディオ音とのレベル比を検出するよう
に設定することができる。第3に、オ−ディオ音と前記
マイクで検出されるマイク音とのレベル比を検出するよ
うに設定することができる。第4に、騒音と前記マイク
で検出されるマイク音とのレベル比を検出するように設
定することができる。第5に、オ−ディオ音と前記マイ
クで検出されるマイク音との相関関係を検出するように
設定することができる。第6に、騒音と前記マイクで検
出されるマイク音との相関関係を検出するように設定す
ることができる。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、低減用振動のオ−ディ
オ音に対する影響度合が小さいときにのみ低減用振動を
利用した振動低減を行なうので、低減用振動がオ−ディ
オ音に対して悪影響を与えてしまうというような事態を
防止あるいは低減することができる。そして、低減用振
動のオ−ディオ音に対する影響度合が大きいときは、通
常はオ−ディオ音のレベルが相対的に低い、つまり低レ
ベルでのオ−ディオ音でも十分なように車室内の振動つ
まり騒音が低いときなので、振動低減を積極的に行なわ
なくても特に問題はないものとなる。
【0009】請求項2に記載されたような構成とするこ
とにより、低減用振動をフィ−ドバック制御により最適
化して、振動低減を十分に行なう上で好ましいものとな
る。
【0010】請求項3〜請求項8に記載したような構成
とすることにより、請求項1に対応した効果を実用上容
易に採択し得る手法により得て、実用化の上で好ましい
ものとなる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。全体の概要 図1において、自動車1は、車室2内に運転席3と助手
席4と左右の後席5、6とを有する4人乗りの乗用車と
されている。車体前部に構成されたエンジンル−ム7に
は、直列4気筒のガソリンエンジン8が塔載され、その
イグニッションコイルが符号9で示される。
【0012】エンジン8が、エンジン回転数に応じた周
期的な振動を発生する騒音発生源つまり第1振動源とさ
れている。そして、車室2が、エンジン8の振動を低減
すべき所定空間とされている。このため、所定空間とし
ての車室2には、5個のスピ−カ11と、8個のマイク
12とが設置されている。スピ−カ11が、車室へエン
ジン騒音を低減するための第2振動を発生する第2振動
源とされ、マイク12が、車室の実際の振動を検出する
振動検出手段とされる。そして、インストルメントパネ
ルには、既知のように、例えばチュ−ナとカセットデッ
キとCDデッキとの組み合わせからなるオ−ディオソ−
ス31が配設されている。
【0013】自動車1には、マイクロコンピュ−タを利
用して構成された制御ユニットUが塔載されている。制
御ユニットUに対する入出力関係を図2に示してあり、
制御ユニットUは、CPUからなる制御部20を有す
る。制御部20には、イグニッションコイル9の一次コ
イルからの信号つまりエンジン回転数に応じた点火パル
ス信号が、波形整形回路21、周期計算回路22を経て
入力されると共に、各マイク12からの信号が、アンプ
23、ロ−パスフィルタ24、A/D変換器25を介し
て入力される。また、制御部20からの出力信号は、D
/A変換器26、ロ−パスフィルタ27、アンプ28を
介してスピ−カ11へ出力される。
【0014】制御部20は、マイク12で検出される振
動が低減されるように、スピ−カ11から出力すべき低
減用振動としての第2振動を最適化する。以下、制御部
20による第2振動の生成について説明するが、先ず、
第2振動の生成の基本部分ついて説明し、その後オ−デ
ィオとの関連について説明する。
【0015】なお、実施例では、第2振動は、エンジン
8の周期的な回転振動例えば回転2次成分を低減するも
ので、エンジン8の周期的な振動の1周期分まとめて生
成するようにして、第2振動最適化のための計算量の低
減ひいては制御系の負担が極力小さくなるようにしてあ
る。勿論、第2振動の生成は、既知の適宜の最適化手法
によりなし得るものであり、本発明は特定の最適化手法
に限定されるものではない。
【0016】第2振動の生成(基本) 図3は、制御部20をブロック図的に示すものであり、
説明の簡単化のためにスピ−カ11およびマイク12を
それぞれ1個とした場合を示している。
【0017】制御部20は、周期計測回路22から入力
された結果によってスピ−カ11に出力するスピ−カ入
力信号yのベクトルyの周期を調整する(ステップ1、
以下ステップをSと略す)と共に、内蔵しているプロセ
ッサで、マイク12・スピ−カ2間の伝達特性であるイ
ンパルス応答hの行列hを、時系列h変換する(S
2)。
【0018】次に、制御部20はプロセッサで、インパ
ルス応答hの時系列hとマイク12から入力されるマイ
ク出力信号eとでベクトルyを逐次的に最適化し(S
3)、その後、このベクトルyを時系列yに変換してス
ピ−カ入力信号yとし(S4)、スピ−カ11に出力す
る。
【0019】スピ−カ11は、このスピ−カ入力信号y
をアンチ騒音Zとして再生する。一方、マイク12は、
騒音dとアンチ騒音Zが打ち消し合って振動エネルギが
低減した騒音を検出して、この結果をディジタルのマイ
ク出力信号eとして制御部20に内蔵されたプロセッサ
に出力する。以下、再びプロセッサは、上記ステップ3
およびステップ4を繰り返し行い、スピ−カ入力信号y
のベクトルyを逐次的に最適化して、最終的にマイク出
力信号eの値が0となるようにスピ−カ入力信号yのベ
クトルyを設定する。
【0020】次に、制御部20で行われる上記ステップ
のアルゴリズムの演算について、以下に説明する。
【0021】先ず、制御部20によるマイク12のマイ
ク出力信号eのサンプリング周期を△tとする。マイク
12・スピ−カ11間の伝達特性であるインパルス応答
hが有限時間J△t以内で0に収束すると仮定し、イン
パルス入力が与えられてからj△t時間経過後のインパ
ルス応答hの値をhj とすると、エンジン8から発生し
た第1振動である騒音d、スピ−カ入力信号yが与えら
れたときのスピ−カ11から発生する第2振動であるア
ンチ騒音Zおよびそのときの時刻kにおけるマイク出力
信号eの第kサンプル値e(k)の関係は、次式(1)で
表わすことができる。
【0022】 e(k) =d(k)+Z(k) =d(k)+行列hT ・行列y(k) ・・・・(1) 但し、 行列h=[h012 ・・・・・hJ-1T 行列y(k)=[y(k) y(k-1) y(k-2)・・・・y(k-J+1)]T d(k):e(k)に含まれている騒音dの成分 Z(k):e(k)に含まれているアンチ騒音Zの成分 y(k):スピ−カ入力信号yの第kサンプル値 従って、式(1)中のZ(k)は、次の式(2)で示され
る。
【0023】
【数1】
【0024】ところで、騒音dは、ある周期N△tを持
っている周期性騒音であるので、この騒音dの振動エネ
ルギを低減させるアンチ騒音Zおよびスピ−カ入力信号
y、騒音dと同じ周期N△tを持っている周期性振動お
よび周期性信号でなければならない。
【0025】従って、スピ−カ入力信号yに関して次式
(3)が成立する。 y(k) =y(K-qN)=y(k) y (k-1)=y(k-qN-1)=y(k+N-1) y(k-2) =y(k-qN-2)=y(k+N-2) ・・・・(3) ・・・ ・・・ ・・・ y(k-N+1) =y(k-(q+1)N+1)=y(k+1) 但し、 q=0,1,2,・・・・ ゆえに、式(1)は、 e(k) =d(k)+ベクトルhT ・時系列y(k) ・・・・(4) 但し、 時系列y(k) =[y (K) y(K+N-1) y(K+N-2) ・・・・y(K+1)]T
【0026】
【数2】
【0027】尚、Qは、J≦(q+1)Nを満たす整数qの最
小値である。
【0028】次に、時刻kからさらにiだけ時間が経過
した時刻k+i のマイク出力信号eの第K+i サンプル値e
(K+i)(但し、i=1,2,・・・・)は、次式(5)
で表わすことができる。
【0029】 e(k+i)=d(k+i) +ベクトルhT ・時系列y(k+i) =d(k+i) +時系列h(i)T・時系列y(k) ・・・・・(5) 但し、 時系列y(k+i) =[y(k+i)'y(k+i'-1 ) y(k+N-1) y(k+N-2) ・・・・・y(k+i'+1)]T 時系列h(i) =[バ−hi 'バ−hi+1 '・・・・・バ−hN+1 バ−h0 バ−h1 ・・・・バ−hi ' -1T 尚、i’は、iをNで割ったときの整数剰余である。
【0030】ところで、式(5)において、kはマイク
入力信号eの任意の初期時点を表わしているに過ぎな
い。よって、k=0と置き、iを改めてkに置き直す
と、次式(6)が得られる。
【0031】 e(k) =d(k) +時系列h(k)T・時系列y(0) =d(k) +時系列h(k)T・ベクトルy 但し、 ベクトルy=[y(0) y(N-1) y(N-2) ・・・y(1) ]T =[y0N-1N-2 ・・・・y1T ここで、次の評価関数を導入する。 F=E[e(k)2] =E[d(k) +時系列h(k)T・ベクトルy] =E[d(k)2]+2ベクトルyT ・E[d(k) ・時系列h(k) ] +ベクトルyT ・E[時系列h(k) ・時系列h(k)T]ベクトルy ・・・・・・(7) 但し、E[ ]は、期待値を表わすものとする(Eは期
待演算子)。式(7)より、この評価関数のベクトルy
に関する勾配は、次式(8)で与えられる。 ∂F/∂ベクトルy=2E[d(k) ・時系列h(k)] +2E[時系列h(k) ・時系列h(k)T]ベクトルy =2E[時系列h(k){d(k)+時系列h(k)Tベクトルy}] =2E[時系列h(k) ・e(k) ] ・・・・・(8) ここで、E[時系列h(k) ・e(K)]の瞬時推定値とし
て、時系列h(k)・e (K)を用いることにすれば、Fの最
小値を与える周期N△t(すなわち要素数N)を持つス
ピ−カ出力信号ベクトルであるベクトルyの値は、最急
降下法に基づく次の漸化式(9)を反復計算することに
にょり最適化することができる。
【0032】 ベクトルy(K+1) =ベクトルy(k) −μ・e(k) ・時系列h(k) ・・・(9) 但し、μ/2は収束係数である。
【0033】このようにして求めた漸化式(9)は、制
御部20に内蔵されたデ−タ処理装置であるプロセッサ
が騒音の振動エネルギを低減させるアンチ騒音の振動エ
ネルギの設定を補正する際には、以下に示すような、よ
り簡単なアルゴリズムに置き換えられる。
【0034】先ず、一対のスピ−カ11およびマイク1
2を用いる場合には、漸化式(9)は次式(10)に置
き換えられる。 y(k-j+QN) '(k+1)=y(k-j+QN) ' ・(k) −μ・e(k) ・hj ・・・(10) このときプロセッサは、時刻kにおいては、例えば以下
に示す4つの動作手順を行っている。
【0035】動作1:スピ−カ入力信号yk ' (k)をスピ
−カ11に対して出力する 動作2:マイク出力信号e(K) をマイク12から入力す
る 動作3:周期計測回路22から入力されたエンジン22
の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・△t)を乗
じた値に最も近い整数値をNとする 動作4:j=0,1,2,・・・・,J−1について漸
化式(10)の計算を行う 但し、k’,(k−j+QN)’は、それぞれk(k−
j+QN)をNで,割ったときの整数剰余であり、ま
た、Ordは、低減させようとしている騒音のエンジン回
転数に対する最低次数を設定するための任意の一定の整
数である。
【0036】次に、複数のスピ−カ11・・・とマイク
12・・・とを用いる場合には、例えば、最急降下法に
基づき、
【0037】
【数3】
【0038】の瞬時推定値として、
【0039】
【数4】
【0040】を用いると、評価関数
【0041】
【数5】
【0042】を最小化する第1スピ−カ出力信号ベクト
ルであるベクトルy1 の最適値は、次の漸化式(11)
を反復計算することにより求められる。
【0043】
【数6】
【0044】但し、 ylk ' :時刻kにおける第1スピ−カ入力信号 e m :第mマイク出力信号 hlmj :第1スピ−カ・第mマイク間のインパルス応答
のj△t時間後の値 L:スピ−カの個数 M:マイクの個数 J:全てのスピ−カ・マイク間のインパルス応答が有限
時間△t以内で0に収束することを示す整数値 また、 ベクトルyl =[yl 0l N-1l N-2 ・・・yl 1T 時系列hlm(k) =[バ−hlm k' バ−hlm k'+1 ・・・バ−hlm N+1 バ−hlm 0 バ−hlm 1・・・バ−hlm k'-1T さらに、 バ−hlm 0=hlm 0 +hlm N +・・・・hlm QN バ−hlm 1=hlm 1 +hlm N+1+・・・hlm QN+1 ・・・・ ・・・ ・・・・ ・・・・ バ−hlm j-QN-1 =hlm j-QN-1 +hlm j-(Q-1)N-1 +・・・+hlm j-1 バ−hlm j-QN =hlm j-QN +hlm j-(Q-1)N +・・・+0 ・・・・ ・・・・ ・・・・・ ・・・・・ バ−hlm N-1 =hlm N-1 +hlm 2N-1 +・・・+0 l=1,2,・・・・,L m=1,2,・・・・,M 従って、漸化式(9)は次式(12)に置き換えられ
る。
【0045】
【数7】
【0046】このときプロセッサは、時刻kにおいて
は、例えば以下に示す4つの動作手順を行っている。
【0047】動作11:スピ−カ入力信号y1k ' (k),
2k ' (k),・・・・,ylk '(k )をそれぞれ第1スピ
−カ、第2スピ−カ、・・・、第Lスピ−カに対して出
力する 動作12:マイク出力信号e1(k), e2(k),・・・, eM(k)
をそれぞれ第1マイク、第2マイク、・・・・、第Mマ
イクから入力する 動作13:周期計測回路22から入力されたエンジン2
2の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・ △t)を
乗じた値に最も近い整数値をNとする。 動作14:1=1、2、・・・・・Lおよびj=0,
1,2,・・・・J−1について漸化式(12)の計算
を行う また、上記の複数のスピ−カ11・・・とマイク12・
・・とを用いる場合について、
【0048】
【数8】
【0049】の瞬時推定値として、α・時系列h1k '(k)
・ek ' (k)を用いると、最急降下法に基づいて評価関数
【0050】
【数9】
【0051】を最小化する第1スピ−カ出力信号ベクト
ルであるベクトルy1 の最適値は、次の漸化式(13)
を反復計算することにより求められる。 ベクトルy1 (k+ 1)=ベクトルy1 (k) −μ・α・時系列h1k "(k)・ek "(k) ・・・・(13) 但し、k”は、kをMで割ったときの整数剰余に1を加
えた値であり、また、αは任意の定数である。この漸化
式(13)は、漸化式(11)よりも短時間で演算でき
る。
【0052】従って、漸化式(9)は次式(14)に置
き換えられる。 y1(k-J+QN) '(k+1) =y1(K-j+QN) '(k)−μ・α・ek(k)・ h1k " j ・・・・・(14) このときプロセッサは、時刻においては、例えば以下に
示す4つの動作手順を行っている。
【0053】動作21:スピ−カ入力信号y1k '(k), y
2k '(k), ・・・・、yLk '(k )をそれぞれ第1スピ−
カ、第2スピ−カ、・・・・・、第Lスピ−カに対して
出力する。 動作22:マイク出力信号ek "(k) を第k”マイクから
入力する 動作23:周期計測回路22から入力されたエンジン2
2の回転周期にOrd/△tまたは1/(Ord・△t)を
乗じた値に最も近い整数値をNとする。 動作24:1=1、2、・・・・、Lおよびj=0、
1、2・・・・、J−1について漸化式(14)の計算
を行う。従って、上記アルゴリズムの演算は、漸化式
(9)、(11)および(13)、あるいはこれら漸化
式を単純化した漸化式(10)、(12)および(1
4)を反復計算するだけで良いので、スピ−カ入力制御
の計算時間を短縮することが可能となる。
【0054】振動低減制御の実行条件(図4〜図8) 次に、図4以下を参照しつつ、前述の低減用振動を利用
した振動低減の制御(以下ANC制御と称す)を実行す
るか否かの判定について説明するが、この判定は、低減
用振動のオ−ディオ音に対する影響度合に応じて行なわ
れる。以下に、この影響度合をみるための種々の手法に
ついて順次説明する。
【0055】先ず、図4は、オ−ディオ音レベルに応じ
て開始しきい値を設定して、騒音レベルがこの開始しき
い値以上となったときにANC制御を実行させるように
したものである。すなわち、回路71において、オ−デ
ィオ音レベルに応じて、図5に示すようにして開始しき
い値が設定される(オ−ディオ音レベルが大きいほど開
始しきい値が大とされる)。そして、減算器72によっ
て、開始しきい値と騒音レベルとの偏差が算出されて、
回路73において、この偏差が正であるか負であるかに
よって、ANC制御を実行するか否かの判定が行なわれ
る。オ−ディオ音レベルが大きいということは、相対的
に車室内での騒音が大きいときである一方、この騒音が
大きいときにANC制御を実行してもオ−ディオ音に対
する悪影響はないものである。なお、騒音の検出につい
ては、後に詳述する。
【0056】図6は、騒音レベルとオ−ディオ音レベル
との比に応じて、ANC制御を実行するか否かを判定す
るようにしたものである。すなわち、騒音レベルとオ−
ディオ音レベルとが除算器74によって所定の比として
設定された後、回路75によって比の平均化がなされた
後、回路76において、平均化された後の比が所定のし
きい値以上であるか否かを比較して、ANC制御を実行
するか否かの判定が行なわれる。勿論、騒音レベルの比
が大きいときにANC制御が実行される。
【0057】図7は、騒音とマイク12で検出されるマ
イク音とのレベル比に応じて、ANC制御を実行するか
否かの判定を行なうようにしたものであり、図6に示す
構成要素と同一の機能をなす構成要素には同一符号を付
してその説明は省略する。なお、図中77は、マイク音
のレベルを算定する回路である。本実施例では、騒音レ
ベルの比が大きいときにANC制御が実行される。同様
に、オ−ディオ音とマイク音とのレベル比に応じてAN
C制御を実行するか否かの判定を行なうようにしてもよ
い。この場合は、オ−ディオ音のレベル比が小さいとき
にANC制御が実行される。
【0058】図8は、マイク音とオ−ディオ音との相関
関係に応じて、ANC制御を実行するか否かの判定を行
なうようにしたものである。すなわち、マイク音とオ−
ディオ音との相関が小さいときは、マイク音中における
騒音が占める比重が大きいときであるので、このときに
ANC制御が実行される。具体的には、回路81によっ
てマイク信号とオ−ディオ信号との相関が所定の相関関
数として設定された後、回路82によって相関関数の平
均化がなされる。この後、回路87によって相関値のピ
−ク値が検出され、回路84によって、ピ−ク値が所定
のしきい値以上であるか以下かを判定することによっ
て、ANC制御を実行するか否かが判定される。なお、
相関関数の設定等については後に詳述する。
【0059】同様に、マイク音と騒音との相関に基づい
てANC制御を実行するか否かを判定するようにしても
よい。この場合は、相関が大きいときにANC制御が実
行される。
【0060】騒音レベルの検出(図9〜図11) 次に、図4等で用いられる騒音レベルの検出について説
明する。先ず、図9において、騒音レベル検出回路41
が、入力されたIGパルスr、マイク信号e、低減用振
動yに基づいて騒音レベルを検出して、この検出結果が
制御ユニットUに出力されて、制御ユニットUがANC
制御を実行するか否かを最終判定する。
【0061】前記騒音レベル検出回路41は、例えば図
10に示すように構成される。回路51は、マイク信号
eに基づいて車室内の残留騒音を検出するものである。
また、回路52は、低減用振動を示す信号yに基づい
て、ANC制御によって低減されている騒音を推定する
ものである。両回路51と52とで検出された騒音の合
計が、実際に車室内で発生している騒音とみることがで
きる。このため、加算器53によって両回路51と52
との出力が加算された後、回路54によって整流、平滑
化処理されて、騒音レベルlave が得られる。
【0062】回路51は、所定周波数fc 付近の周波数
のみを通過させるトラッキングフィルタ55を有し、こ
の所定周波数fc が、エンジン回転数に応じた周波数と
なるように回路56によって調整される。図11は、回
路56によって設定される所定周波数fc を示し、実施
例では、エンジンの回転2次成分に対応したものとして
ある。
【0063】回路52は、マイク12とスピ−カ11と
の間の伝達特性モデル57を有して、スピ−カ11への
出力信号ベクトルyを、低減されていると推定される振
動ベクトルy’に変換して、回路58により符号変換さ
れる。すなわち、スピ−カ11へ現在出力されているベ
クトルyが、 y={y(n) ,y(n-1) ,y(n-2) ・・・y(n-k) } で示され、伝達特性hが、 h={h0 ,h1 ,h2 ・・・hk } で示され、このとき推定される低減された振動のベクト
ルy’は、次式(15) で示される。
【0064】
【数10】
【0065】相関の有無検出(図12〜図16) 次に、図12以下を参照しつつ、図8で説明したマイク
音とオ−ディオ音との相関関係を求める点について説明
する(マイク音とオ−ディオ音との相関関係も同様にし
て求められる)。先ず、図12において、相関算出回路
42が設けられて、これには、マイク信号eと、オ−デ
ィオ信号aとが入力されて、相関算出回路42によって
両信号aとeとの相関が求められて、得られた相関結果
が制御ユニットUに出力される。オ−ディオ信号aは、
オ−ディオソ−ス31からの信号が、アンプ61、ロ−
パスフィルタ62、A/D変換器63を経たものとされ
る。
【0066】相関算出回路42の制御内容を、図13以
下のフロ−チャ−トを参照しつつ説明するが、以下の説
明でQはステップを示す。先ず、メインフロ−チャ−ト
となる図13において、相関関数R(n) 計算された後、
Q2においてその最大値Rmax が計算され、この後Q3
において、Rmaxを所定しきい値と比較することにより
相関の有無が判定される。
【0067】図13のQ1の内容が、図14に示され
る。この図14の内容は、つまるところ、次式(16) で
示される相関関数を求めることなので、その各ステップ
の詳細な説明は省略する。
【0068】
【数11】
【0069】ただし、時刻nにおける各信号等のベクト
ルは次のとおりである。マイク信号eは、 e(n) ={e(n) ,e(n-1) ,e(n-2) ・・・e(n-N) } で示される。オ−ディオ信号aは、 a(n) ={a(n) ,a(n-1) ,a(n-2) ・・・a(n-N) } で示される。相間係数ベクトルRは、 R(n) ={R(n) ,R(n-1) ,R(n-2) ・・・R(n-N) } で示される。Rmax は、|R(n-k) |(k=0、1、2
・・・・・N)の最大値である(Nは整数)。
【0070】図13のQ2の内容が、図15に示される
が、この図15では、各R(m) の絶対値の最大値を選択
するものである。図13のQ3の内容が、図16に示さ
れる。この図16では、最大値Rmax と所定のしきい値
ref とが比較されて、相関の有無が判定される。そし
て、図16での相関有無の判定結果が制御ユニットUに
出力されて、この判定結果に基づいてANC制御が実行
されるか否かが切換えらえる。
【0071】以上実施例について説明したが、低減すべ
き振動としては、エンジン振動に限らず、車室内で問題
となる適宜の信号とすることができる。また、低減用振
動の最適化のための手法は、既知の適宜のものを採択し
得る。さらに、オ−ディオ用のスピ−カは、既知のよう
にして別途専用に設けてもよいが、低減用振動出力用の
スピ−カ11と兼用として構成することもできる。さら
に又、低減用振動のオ−ディオ音に対する影響度合を検
出する前述の種々の手法のうち、その任意の2つ以上の
組み合わせによって当該影響度合の最終判定を行なうよ
うにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両を上方から見た図。
【図2】低減用振動生成のための全体制御系統図。
【図3】図2のうち低減用振動の最適化部分の構成をブ
ロック図的に示す図。
【図4】オ−ディオ音レベルに応じた騒音レベルに応じ
て振動低減制御を実行するか否かを判定するための回路
例を示す図。
【図5】オ−ディオ音レベルに応じた開始しきい値の設
定例を示す図。
【図6】騒音とオ−ディオ音とのレベル比に応じて振動
低減制御を実行するか否かを判定するための回路例を示
す図。
【図7】騒音(オ−ディオ音)とマイク音とのレベル比
に応じて振動低減制御を実行するか否かを判定するため
の回路例を示す図。
【図8】マイク音とオ−ディオ音(騒音)との相関関係
に基づいて振動低減制御を実行するか否かを判定するた
めの回路例を示す図。
【図9】騒音レベル検出回路の振動低減用制御回路に対
する関係を示す図。
【図10】騒音レベル検出回路の具体例を示す図。
【図11】図10に示す回路56で調整される周波数の
一例を示す図。
【図12】相関算出回路の振動低減用回路に対する関係
を示す図。
【図13】相関算出のための制御例を示すフロ−チャ−
ト。
【図14】相関算出のための制御例を示すフロ−チャ−
ト。
【図15】相関算出のための制御例を示すフロ−チャ−
ト。
【図16】相関算出のための制御例を示すフロ−チャ−
ト。
【符号の説明】
1:自動車 2:車室 8:エンジン(振動源) 11:スピ−カ 12:マイク 23:マイク用アンプ 28:スピ−カ用アンプ 31:オ−ディオソ−ス 41:騒音レベル検出回路 42:相関算出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−11772(JP,A) 実開 平4−135793(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 B60R 11/02 F16F 15/02 H04R 3/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内へスピ−カから低減用振動を出力し
    て車室内の振動を低減するための振動低減装置を備えた
    車両において、 前記低減用振動のオ−ディオ音に対する影響度合を検出
    する影響度合検出手段と、 前記影響度合検出手段により前記低減用振動のオ−ディ
    オ音に対する影響度合が小さいことが検出されたことを
    前提として、前記振動低減装置の制御を開始させる制御
    開始手段と、を備えていることを特徴とする車両用振動
    制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記振動低減装置が、車室内の振動を検出するマイク
    と、該マイクで検出される振動が低減されるように前記
    低減用振動を最適化する最適化手段を備えているもの。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、騒音レベルがオ−ディオ音の
    レベルに応じて設定される所定の開始しきい値以上であ
    るか否かを検出するように設定されているもの。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、騒音とオ−ディオ音とのレベ
    ル比を検出するように設定されているもの。
  5. 【請求項5】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、オ−ディオ音と前記マイクで
    検出されるマイク音とのレベル比を検出するように設定
    されているもの。
  6. 【請求項6】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、騒音と前記マイクで検出され
    るマイク音とのレベル比を検出するように設定されてい
    るもの。
  7. 【請求項7】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、オ−ディオ音と前記マイクで
    検出されるマイク音との相関関係を検出するように設定
    されているもの。
  8. 【請求項8】請求項2において、 前記影響度合検出手段が、騒音と前記マイクで検出され
    るマイク音との相関関係を検出するように設定されてい
    るもの。
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