JPH0633693B2 - オ−バ−ドア - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多段式ドアパネルを閉鎖姿勢に保つための垂
直レールの上方に、当該多段式ドアパネルを略水平な姿
勢で収納するための水平レールを設け、水平レールの後
端側に、前記多段式ドアパネルの下端側から導出された
索条の巻取り機構を配設し、前記水平レールの前端部近
傍に前記索条のガイドを設けて成るローヘッド型のオー
バードアに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のローヘッド型のオーバードアにおいては、第７図
に示すように、上下２本の水平レールａ，ｂが使用さ
れ、最上段パネルｃのトップローラｄだけが上方の水平
レールａ上を移動し、それ以外のローラｅ…が下方の水
平レールｂ上を移動するように構成されていた。ｆは、
最下段のパネルｇから導出された索条ｈの巻取り機構で
あり、前記水平レールａ，ｂの後端側に配置されてい
る。ｉは索条ｈのガイドであり、水平レールａ，ｂの前
端部近傍に設けられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のように、従来のローヘッド型のオーバードアで
は、上下２本の水平レールａ，ｂが使用されていた。こ
れは、上部の収納スペース（所謂ヘッドルームｊ）が小
さくても済むように配慮したものであり、これがローヘ
ッド型の一つの特徴ともなっていた。

しかしながら、上記の従来例においては、水平レール
ａ，ｂを上下２本使用しているが故に、床面から収納状
態にある多段式ドアパネルまでの高さが低くなって、室
内空間を有効に利用できないばかりでなく、オーバード
アを開けた際（多段式ドアパネルを天井に沿って略水平
な姿勢で収納した際）、圧迫感を強く与えるといた問題
点があった。

また、オーバードアの多段式ドアパネルは、その構造
上、一方向にのみ折れ曲がりやすくなっているものであ
るが、上記の従来例では、最上段パネルｃのトップロー
ラｄが上方の水平レールａ上を移動し、２段目以下のロ
ーラｅ…が下方の水平レールｂ上を移動するため、２段
目のパネルｋが略水平な姿勢になった時点で、最上段パ
ネルｃが逆折れすることになる。このため、オーバード
アを開閉動作する都度、２段目のパネルｋが略水平な姿
勢になった時点で一時的に移動が重くなることがあっ
た。

本発明の主たる目的は、従来例における上記の問題点を
解消することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的手
段は、次の通りである。即ち、本発明の特徴は、冒頭に
述べたローヘッド型のオーバードアにおいて、前記水平
レールを、前端部のみが上下２本に分岐した形状に形成
すると共に、下レールを前記垂直レールに連続した湾曲
状とし、上，下レールの分岐位置には、下レールと共用
レール部分とを接続する第一状態と、上レールと共用レ
ール部分とを接続する第二状態とに切り換え可能なポイ
ント切換え具を設け、オーバードア閉鎖動作中におい
て、前記多段式ドアパネルの最上段パネルに取り付けら
れたトップローラが上，下レールの分岐手前の位置に来
たとき、前記ポイント切換え具を自動的に第一状態から
第二状態に切換え動作させて、前記トップローラを上レ
ール側に進入させるように構成した点にある。

〔作用〕

上記の構成によれば、オーバードアを閉めた状態におい
ては、最上段パネルのトップローラが上レール側にあ
り、それ以外のローラは垂直レール側にあるので、所謂
ヘッドルームが小さくて済むと云うローヘッド型として
の利点が損なわれることがない。

オーバードアを開ける際には、前記トップローラは上レ
ールから共用レール部分へと移動し、トップローラ以外
のローラも垂直レールから下レールを経て前記共用レー
ル部分へと移動することになる。

オーバードアを閉める際には、前記トップローラが上，
下レールの分岐手前の位置に来たとき、つまり上から２
段目のローラが分岐位置を過ぎて下レールに進入した時
点で、前記ポイント切り換え具が切換え動作するので、
前記トップローラのみが上レールへと進入することにな
る。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明に係るローヘッド型オーバードアの概略
斜視図、第２図は要部の概略側面図である。

図において、１はローヘッド型のオーバードアにおける
多段式ドアパネル、２は多段式ドアパネル１を閉鎖姿勢
に保つための垂直レール、Ａはその上方に設けられた多
段式ドアパネル１を略水平な姿勢で収納するための水平
レールである。水平レールＡの後端側には、多段式ドア
パネル１の最下段パネル1aに連設されたボトムヒンジ３
に一端部を連結した索条（具体的にはワイヤを使用して
いる。）４の巻取り機構５が配設され、水平レールＡの
前端部近傍に索条４を案内するワイヤシーブ等のガイド
６が配設されている。5aは巻取りシャフト、5bはスプリ
ング、5cは巻取りドラムである。

前記水平レールＡは、前端部のみが上下２本に分岐した
形状に形成されている。即ち、第１図乃至第３図に示す
ように、１本の水平な共用レール部分7aと、その前端部
に位置する上レール7b及び前記垂直レール２に連続した
湾曲状の下レール7cとによって前記水平レールＡを構成
してある。第３図中の14ａは下レール7cと共用レール部
分7aとの継目、14ｂは下レール7cと垂直レール２との継
目である。

上，下レール7b，7cの分岐位置には、第３図に示すよう
に、下レール7cと共用レール部分7aとを接続する第一状
態〔第６図（イ）参照〕と、上レール7bと共用レール部
分7aとを接続する第二状態〔第６図（ロ）参照〕とに切
り換え可能なポイント切換え具Ｂが設けられている。

図示のポイント切換え具Ｂは、支軸８周りに揺動自在な
レバー９によって構成され、レバー９は、その末端と適
当な固定部分（この実施例では、垂直レール２の取付け
用縦枠10である。）との間に介装した引張ばね11によっ
て、レバー先端部が上昇する側に揺動付勢されている。
12は前記支軸８を枢支するブラケットであり、水平レー
ルＡの取付け用横枠13に連設されている。

前記ポイント切換え具Ｂには、オーバードア閉鎖動作中
において、前記多段式ドアパネル１の最上段パネル1bに
取り付けられたトップローラ15が上，下レール7b，7cの
分岐手前の位置に来たとき、前記ポイント切換え具Ｂを
自動的に第一状態から第二状態に切換え動作させて、前
記トップローラ15を上レール7b側に進入させるための駆
動手段Ｃが装備されている。

駆動手段Ｃとしては、例えば、リミットスイッチ等によ
って前記トップローラ15の位置を検出し、この検出結果
に基づいてソレノイドを励磁又は消磁することによっ
て、上記の切換え動作を行うようにした電気的な構成で
あってもよいが、この実施例では、多段式ドアパネル１
自体の開閉動作を利用して、ポイント切換え具Ｂの第一
状態から第二状態への切換え、ならびに第二状態から第
一状態への切換えを行えるようにするために、次のよう
な構成を採用している。

即ち、第４図、第５図に示すように、前記縦枠10の所定
位置に固着したブラケット16に枢支軸17周りで回動自在
なロックレバー18を設け、ロックレバー18の適当な位置
とブラケット16との間にはスプリング19を引張状態に介
装して、当該スプリング19のブラケット16の固定点と前
記枢支軸17とを結ぶ仮想直線ｐを死点としてロックレバ
ー18が不安定切換えされるように、つまりロックレバー
18が仮想直線ｐのいずれの側に変位したときにも前記ス
プリング19の引張力が作用するように構成してある。

一方、前記ボトムヒンジ３には、丸鋼等によって構成さ
れた操作片20を設けて、多段式ドアパネル１を開閉動作
することにより、当該操作片20が前記ロックレバー18を
蹴り、前記スプリング19の引張力に抗して死点越えを行
わせるように構成してある。そしてロックレバー18と前
記ポイント切換え具Ｂのレバー９とをワイヤ等の索条21
で連結してある。21ａは調整用ターンバックル、22はワ
イヤシーブ等によって構成されたガイド部材であり、前
記縦枠10又は横枠13に設けられている。

以上の構成によれば、第６図（イ）に示すように、オー
バードアの開閉動作中、前記トップローラ15が分岐手前
の位置に来ると、最下段パネル1aのボトムヒンジ３に連
設された操作片20がロックレバー18を蹴るので、索条21
がロックレバー18によって引かれ、ポイント切換え具Ｂ
のレバー９が支軸８周りに揺動し、第一状態から第二状
態への切換えが行われる。

従って、最上段パネル1bのトップローラ15だけは、下レ
ール7c側への移動が阻止され、レバー９上面を伝って上
レール7bへと進入する。

オーバードアを開く際には、上レール7b上にあるトップ
ローラ15がポイント切換え具Ｂのレバー９上を通過した
時点で前記操作片20がロックレバー18を逆方向に蹴り上
げるので、ロックレバー18による索条21の牽引状態が解
かれる。従って、ポイント切換え具Ｂのレバー９は引張
ばね11の付勢力によって、第６図（ロ）に示すように、
第二状態から第一状態へと切り換えられ、前記トップロ
ーラ15ならびにそれ以外のローラ15′…が水平レールＡ
における１本の共用レール部分7aへと移動し、多段式ド
アパネル１は略水平な収納状態となる。

〔発明の効果〕

本発明は、上述した構成よりなるから、次の効果を奏し
得るのである。

水平レールを前端部のみが上下２本に分岐した形状に
形成したので、所謂ヘッドルームが小さくて済むと云う
ローヘッド型としての利点を確保でき、それでいて、共
用レール部分においては、左右とも水平レールが１本省
略されることになり、床面から収納状態にある多段式ド
アパネルまでの高さが高くなって室内空間を有効に利用
できると共に、多段式ドアパネルを上部に収納した際の
圧迫感を少なくすることができる。

オーバードアを開閉する際、前記トップローラ及びそ
れ以外のローラがいずれも１本の共用レール部分を移動
するので、従来のように、上から２段目のパネルが略水
平な姿勢になった時点で、最上段パネルが逆折れするこ
とがなく、従って、オーバードアの開閉動作を非常にス
ムーズに行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本発明に係る
ローヘッド型オーバードアの概略斜視図、第２図は要部
の概略側面図、第３図はポイント切換え具を示す要部の
拡大側面図、第４図と第５図はポイント切換え具の駆動
手段を示す側面図と平面図、第６図（イ），（ロ）はポ
イント切換え具の切換え動作を説明する作用図である。 第７図は従来例とその問題点を説明するためのローヘッ
ド型オーバードアの概略側面図である。 １……多段式ドアパネル、1b……最上段パネル、２……
垂直レール、４……索条、５……巻取り機構、６……ガ
イド、7a……共用レール部分、7b……上レール、7c……
下レール、15……トップローラ、Ａ……水平レール、Ｂ
……ポイント切換え具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多段式ドアパネルを閉鎖姿勢に保つための
   垂直レールの上方に、当該多段式ドアパネルを略水平な
   姿勢で収納するための水平レールを設け、水平レールの
   後端側に、前記多段式ドアパネルの下端側から導出され
   た索条の巻取り機構を配設し、前記水平レールの前端部
   近傍に前記索条のガイドを設けて成るローヘッド型のオ
   ーバードアであって、前記水平レールを、前端部のみが
   上下２本に分岐した形状に形成すると共に、下レールを
   前記垂直レールに連続した湾曲状とし、上，下レールの
   分岐位置には、下レールと共用レール部分とを接続する
   第一状態と、上レールと共用レール部分とを接続する第
   二状態とに切り換え可能なポイント切換え具を設け、オ
   ーバードア閉鎖動作中において、前記多段式ドアパネル
   の最上段パネルに取り付けられたトップローラが上，下
   レールの分岐手前の位置に来たとき、前記ポイント切換
   え具を自動的に第一状態から第二状態に切換え動作させ
   て、前記トップローラを上レール側に進入させるように
   構成してあることを特徴とするオーバードア。