JPH0633578A - 床パネルユニットおよび遮音二重床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 煩雑なギャップ調整作業が不要で、現地工数
を減らすことができる新規な床パネルユニットおよび遮
音二重床を提供すること。 【構成】 所定寸法角の支持脚４付き床パネル３上に所
定寸法角の表面仕上材５を取り付けてなる床パネルユニ
ット１において、床パネル３の隣接する二辺に対して表
面仕上材５の隣接する二辺を夫々平行にズラして取り付
けたことを特徴とする床パネルユニット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート仕上げ等
の床面上に置敷される床パネルユニット、およびその床
パネルユニットにより構築される遮音二重床に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】マンション・アパート等の集合住宅やオ
フィス等の建築駆体では、図３(a)(b)に示すように、コ
ンクリート仕上げの床面ａに、上面に仕上材ｂが貼付さ
れ下面に支持脚ｃが取り付けられた床パネルｄを複数置
敷して遮音二重床を構築し、床パネルｄと床面ａとの間
に配線・配管等を収容することが行われている。

【０００３】この場合、支持脚ｃ，床パネルｄ，仕上材
ｂを順次現場で取り付ける従来の工法に替って、近年こ
れらを予め工場で一体に組み合わせて床パネルユニット
ｅを製造しておき、現場ではそのユニットｅを順次密接
置敷するだけのプレハブ方式の遮音二重床システムが開
発され使用されている。この方式によれば、二重床を構
築する際、床パネルユニットｅを順次置敷するだけでよ
いので省力化できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、各床パネルユ
ニットｅの密接の程度によっては隣接するユニットｅ同
志の間にギャップが生じる。また、床パネルユニットｅ
の縁部に荷重が加わると、そのユニットｅの縁部が撓
み、隣接する荷重がかかってないユニットｅとの境界に
段差が生じてしまう。その撓んだユニットｅの縁部が復
元するとき、床パネルｄ同志が擦れ合っていわゆる床鳴
り現象が起こる虞れがある。

【０００５】この対策として、先ず床パネルｄの下面に
支持脚ｃを取り付けたものを密接置敷し、その上に床パ
ネルｄの目地ｆを跨ぐように仕上材ｂをズラして布設
し、仕上材ｂによって上記ギャップや段差をカバーする
ことが考えられる。しかし、この場合、敷設作業を二回
行わなければならず、現地工数が増えてしまう欠点があ
る。

【０００６】他方、住居部で問題となる上記床鳴りを防
止するためには、床パネルｄの端面に発泡パッキン材を
貼り付けたり、隣接する床パネルｄ間に僅かなギャップ
(2〜3mm) をあけるように敷設することが考えられる。
しかし、この場合、発泡パッキン材など新たな材料が必
要となったり、ギャップ調整のためのデリケートな敷設
作業が必要となる欠点がある。

【０００７】以上の問題点を解決すべく創案された本発
明の目的は、煩雑なギャップ調整作業が不要で、現地工
数を減らすことができる新規な床パネルユニットおよび
遮音二重床を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は次のように構成されている。

【０００９】．所定寸法角の支持脚付き床パネル上に
所定寸法角の表面仕上材を取り付けてなる床パネルユニ
ットにおいて、床パネルの隣接する二辺に対して表面仕
上材の隣接する二辺を夫々平行にズラして取り付けたこ
とを特徴とする床パネルユニット。

【００１０】．上記床パネルの寸法角が表面仕上材の
寸法角より僅かに小さいことを特徴とする床パネルユニ
ット。

【００１１】．に係る床パネルユニットを相互に密
着するように複数敷設してなる遮音二重床。

【００１２】．に係る床パネルユニットをその表面
仕上材が相互に密着するように複数敷設してなる遮音二
重床。

【００１３】．床パネル上にその隣接する二辺に対し
て夫々平行にズラして表面仕上材を取り付けた第一床パ
ネルユニットを製造すると共に、これと表面仕上材の模
様方向を90度ズラした第二床パネルユニットを製造し、
これら第一第二床パネルユニットを交互に敷設してなる
遮音二重床。

【００１４】

【作用】床パネル上に表面仕上材をズラして取り付けた
床パネルユニットを、相互に密着するように複数敷設す
れば、一回の敷設作業で床パネルの目地と仕上材の目地
とがズレた二重床が構築できる。

【００１５】また、床パネルの寸法角が表面仕上材の寸
法角より僅かに小さい床パネルユニットを製造し、これ
を表面仕上材を相互に密着させるように複数敷設すれ
ば、デリケートなギャップ調整を行うことなく自動的に
各床パネル同志の間に僅かなギャップが形成される。よ
って、床パネル同志が擦れ合うことによって生じる床鳴
りが防止できる。

【００１６】また、上述の如き床パネルおよび表面仕上
材からなる第一床パネルユニットと、これと表面仕上材
の模様方向を90度ズラしてなる第二床パネルユニットと
を略同数製造しておき、これら第一第二床パネルユニッ
トを交互に敷設すれば、自動的に市松模様の二重床が構
築できる。

【００１７】

【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１８】図１に床パネルユニット１を、図２にその
床パネルユニット１から構築される遮音二重床２を示
す。図１に示すように、床パネルユニット１は、床パネ
ル３とゴム質支持脚４と表面仕上材５とが次のようにし
て工場にて一体的に組み付けられて構成されている。

【００１９】床パネル３はパーティクルボードを 498mm
角に切断したものが用いられる。床パネル３の下面に
は、ゴムモールド製の支持脚４が接着剤や両面テープ等
で四角と中央とに１パネル当たり五本取り付けられる。
床パネル３の上面には、タイルカーペット等を 500mm角
に切断してなる表面仕上材５が、床パネル３の隣接する
二辺（Ｘ軸，Ｙ軸）に対して夫々平行に30mmズラされて
貼り付けられている。すなわち、 498mm角の床パネル３
上に、それより僅かに大きい 500mm角の仕上材５が、Ｘ
軸，Ｙ軸方向に夫々平行に30mmズラされて貼付されてい
る。

【００２０】かかる床パネルユニット１を、その表面仕
上材５が相互に密着するように一定の布設方向（Ｘ軸，
Ｙ軸方向）に順次置敷して、図２に示すようにコンクリ
ート仕上げの床面６上に遮音二重床２を構築する。この
際、敷設始め側のユニット１の壁に接触する縁部は床パ
ネル３と仕上材５とが面一になるように仕上材５を切断
し、敷設完了側のユニット１の縁部は壁との間にできる
最終ギャップに合わせて床パネル３および仕上材５とを
切断する。このように、床パネルユニット１を順次敷設
すれば、一回の敷設作業で床パネル３の目地３ａと仕上
材５の目地５ａとがズレた二重床２が構築できる。よっ
て、現場での作業工数を減らすことができ低コストとな
る。

【００２１】本実施例では床パネル３と仕上材５とのズ
ラシ幅を30mmとしたが、これよりズラシ幅が極端に小さ
いと、仕上材５が床パネル３の目地３ａを覆う面積が小
さくなり、パネル３同志の境界に段差が生じた際に仕上
材５が充分に追従せず緩和効果が小さくなってしまう。
逆に、これよりズラシ幅が極端に大きいと、仕上材５が
床パネル３から大きくはみ出るため段差の問題は生じな
いが、床パネルユニット１の製作・保管・輸送時の占拠
スペースが大きくなる。また、二重床２の構築後床２内
の配線・配管等の変更・追加の際に、床パネルユニット
１を一旦取り去り再び嵌め込む作業を行うが、この再嵌
込時にパネル３からはみだした仕上材５が邪魔になって
嵌込作業が困難となる。よって、上記ズラシ幅は、20〜
30mmが望ましい。また、Ｘ軸，Ｙ軸方向のズラシ量は異
なっていてもよい。

【００２２】上記床パネルユニット１は、その表面仕上
材５の寸法角(500mm) が床パネル３の寸法角(498mm) よ
り僅かに(2mm) 大きいので、仕上材５を相互に密着させ
て置敷すると、仕上材５が多少圧縮変形するものの、自
動的に隣接する床パネル３同志の間に約 1mmの隙間（ギ
ャップ７）があくことになる。すなわち、床パネルユニ
ット１を順次置敷するだけで、デリケートなギャップ調
節を一切行うことなく、床パネル３同志に所定のギャッ
プ７が確保されることになる。このギャップ７により、
荷重を受けて撓んだ床パネル３が復元するとき、パネル
３同志が擦れ合って生じる床鳴り現象を未然に防止する
ことができる。また、床パネル３同志が直接接触しない
ので、歩行感も向上する。

【００２３】二重床２内の配線・配管を変更・追加する
際には、仕上材５（タイルカーペット）の繊維と絡み合
うマジックテープ等を有する取外工具を用いて、変更す
べき配線上の床パネルユニット１を上方に持ち上げて取
り外し、そこから床パネルユニット１を順次手で持ち上
げて取り外せばよい。復元時にはこれと逆の作業を行
い、最後の一枚は床パネル３からはみ出ている仕上材５
を少し持ち上げてその下にパネル端部を挿入するように
して嵌め込めばよい。

【００２４】また、上記床パネルユニット１を第一床パ
ネルユニットとし、これと表面仕上材の模様方向を90度
ズラした第二床パネルユニットを同数製造し、これら第
一第二床パネルユニット１を交互に敷設すれば、自動的
に市松模様の二重床２が構築できる。図２中８は仕上材
５としてのカーペットの織り方向である。

【００２５】なお、本実施例にあっては、床パネル３に
パーティクルボードを用い、表面仕上材５にタイルカー
ペットを用い、支持脚４にゴムモールド品を用いたもの
を開示したが、これに限らず、床パネル３にプラスチッ
ク，金属，金属とモルタルセメントとの複合物等を用
い、表面仕上材５に塩ビシート系を用い、支持脚４にプ
ラスチック，金属，若しくはこれらとゴムとの複合物等
を用いてもよいことは勿論である。表面仕上材５を塩ビ
シート系とする場合、シートには置敷の際に突き合せで
きる程度のバッキング厚さと多少の弾力性とが必要とな
る。この場合、仕上材５（塩ビシート系）のズラシの程
度は、その柔軟性を考慮してタイルカーペットの場合よ
りも少し小さめにする方が作業性がよくなる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
如き優れた効果を発揮できる。

【００２７】(1) 一回の敷設作業で床パネルの目地と仕
上材の目地とをズラした遮音二重床を構築できるので、
現地工数を減らすことができ省力化・低コスト化を推進
することができる。

【００２８】(2) 床パネルの寸法角を仕上材の寸法角よ
り僅かに小さくすれば、デリケートなギャップ調整を行
うことなく自動的に各床パネル同志の間に僅かなギャッ
プが形成される。よって、床パネル同志が擦れ合うこと
によって生じる床鳴りが自動的に防止でき、且つ床パネ
ル同志が直接接触しないので、歩行感が向上する。

【００２９】(3) 床パネルおよび表面仕上材からなる第
一床パネルユニットと、これと表面仕上材の模様方向を
90度ズラしてなる第二床パネルユニットとを略同数製造
しておき、これら第一第二床パネルユニットを交互に敷
設すれば、現場で極めて容易に市松模様の二重床を構築
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す床パネルユニットを表
す図であり、(a) は側断面図、(b) は平面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す遮音二重床を表す図で
あり、(a) は側断面図、(b) は平面図である。

【図３】従来の遮音二重床を表す図であり、(a) は側断
面図、(b) は下面図である。

【符号の説明】

１ 床パネルユニット ２ 遮音二重床 ３ 床パネル ４ 支持脚 ５ 表面仕上材 ７ ギャップ ８ 表面仕上材の模様方向

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船原 美就 茨城県日立市助川町３丁目１番１号 日立 ゴム加工株式会社内 (72)発明者 鈴木 正美 茨城県日立市助川町３丁目１番１号 日立 ゴム加工株式会社内 (72)発明者 森下 和彦 東京都港区東新橋２丁目10番４号 東リ株 式会社内 (72)発明者 芦沢 正成 東京都港区東新橋２丁目10番４号 東リ株 式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定寸法角の支持脚付き床パネル上に所
   定寸法角の表面仕上材を取り付けてなる床パネルユニッ
   トにおいて、床パネルの隣接する二辺に対して表面仕上
   材の隣接する二辺を夫々平行にズラして取り付けたこと
   を特徴とする床パネルユニット。
2. 【請求項２】 上記床パネルの寸法角が表面仕上材の寸
   法角より僅かに小さいことを特徴とする請求項１記載の
   床パネルユニット。
3. 【請求項３】 請求項１に係る床パネルユニットを相互
   に密着するように複数敷設してなる遮音二重床。
4. 【請求項４】 請求項２に係る床パネルユニットをその
   表面仕上材が相互に密着するように複数敷設してなる遮
   音二重床。
5. 【請求項５】 床パネル上にその隣接する二辺に対して
   夫々平行にズラして表面仕上材を取り付けた第一床パネ
   ルユニットを製造すると共に、これと表面仕上材の模様
   方向を90度ズラした第二床パネルユニットを製造し、こ
   れら第一第二床パネルユニットを交互に敷設してなる遮
   音二重床。