JPH0633577U

JPH0633577U - 寝具

Info

Publication number: JPH0633577U
Application number: JP091297U
Authority: JP
Inventors: 哲也生田; 健司菅岡
Original assignee: 株式会社山室; 株式会社古代人スガオカ
Priority date: 1991-11-07
Filing date: 1991-11-07
Publication date: 1994-05-06

Abstract

(57)【要約】【目的】ダニ等の害虫が忌避し、抗菌性を有する寝
具。【構成】寝具のカバーの内面に、シート状に形成され
たヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギの１種または２種以
上の粉末を存在せしめた寝具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はダニ等の害虫に対する忌避特性、白せん菌等に対する抗菌性を有する寝具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年アパートやマンション等、保温性、気密性に富み、コンクリートの中に適度な湿気を含有している住宅が増加し、ダニの大量発生に都合のよい環境が作り出され、特にダニによる被害が増大している。

【０００３】この被害を除去するため、スプレー缶から針でじゅうたん、畳等に注入するエアゾール、或いは有機リン系薬剤を紙にしみ込ませたダニ用シート等が多種類開発市販され、畳等の下に敷いて用いられている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記ダニ用シートは、安全性のチェック、有効成分や使用上の注意の表示については薬事法の規制対象となっておらず、全く野放し状態で、消費者が何の知識も与えられないまま商品を使用し、気分が悪くなったり、のどが痛くなったりする事故が各地で発生している。

【０００５】本考案者らは、ダニ等が忌避するヒノキチオールがヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギ等に含有されており、またこれらの木材を製材する場合、産業廃棄物として大量のおがくずが発生し、このおがくずには、上記ダニ等が忌避する薬効成分が含有され、かつこの薬効成分が人体に無害であり、しかも長期間にわたって含有する薬効成分を徐々に放散するので、これを寝具に直接使用しても人に無害で、しかも寝具につき易いダニを完全に除去できると考えた。

【０００６】本考案は上記の考えに基づいてなされたもので、ダニ等の害虫の忌避性、或いは抗菌性を有し、しかも使用している人には何ら悪影響を及ぼさない寝具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る寝具においては、ふとんや枕のカバー内側にシート状に形成された害虫忌避性、或いは抗菌性の木材粉を間挿させることを問題解決の手段とした。上記木材粉としては、ヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギの粉末が代表的なものである。またシート状に形成された木材粉は、木材粉を２枚のシートの間に挟持したシート、或いは木材粉に合成樹脂を付着させてシート状に成形したものなどがある。

【０００８】

【作用】

本考案の寝具は、上記の構成となっているので、産業廃棄物となるおがくずが有効に利用される。特にヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギ等に含有されるヒノキチオールは、食品添加物として認可された成分で、合成薬剤や農薬殺虫剤のように、人畜に薬害を与えることがなく、しかもダニ、菌類等を寄せ付けない。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図３は、本考案に係る寝具に用いられるシート状に成形された木材粉の一例を示すもので、図中符号１は山形シートである。山形シート１は、横方向の狭い凸部２によって区画される凹部３が多数配列形成され、縦方向には幅の広い凸部４を介して凹部３が配列されている。

【００１０】この山形シート１の凹部３には、木材粉５が充填され、上面にフラットシート６が載置されるとともに、山形シート１の凸部２，４と接着され、シート状に形成された木材粉（以下木材粉シートという）７が得られる。

【００１１】この木材シート７は図４に示すように寝具１１のカバー１２の内側に間挿され、ダニ等が忌避し、かつ抗菌性の寝具が得られる。一般に寝具の使用者が睡眠中動くため、もみくしゃになるので、上記木材粉シート７を構成する山形シート１、フラットシート６は柔軟で丈夫なことが必要であり、不織布が好適に用いられる。また、上記木材粉シート７は接着された凸部２，４を切断することによって、木材粉を漏らすことなく所望の大きさに切断することができ、また細いセクションに分割されているので、木材粉が片寄りを生ずることなく、シートが破損しても漏出する木材粉は僅かですむ。

【００１２】上記凹部３に充填される木材粉としては、ヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギなどの切断粉（おがくず）や破砕粉などが用いられるが、これ以外に上記木材から抽出されるヒノキチオール含有精油を、綿繊維（キャッチオイル）、ゼオライト、活性炭、シッカゲル等の吸着材に吸着させ、これを上記木材粉に対して１０〜７０ｗｔ％の割合で混合すれば、長期にわたって薬効成分を放散させることができる。例えば配合として、木材粉：７０ｗｔ％、吸着材：２５ｗｔ％、ヒノキチオール含有精油：５ｗｔ％があげられる。

【００１３】また上記木材粉シート７の外側に、通気性が調整されたシートを積層することによって、薬効成分の放散量をコントロールすることもできる。

【００１４】上記木材粉シートは、カバーの内面全体に間挿されるものとして説明したが、図５に示すようにカバー内面に複数のポケットを形成し、これにポケットに合った大きさの木材粉シートを収納してもよい。この場合、薬剤の放散量を多くしても交換が容易であり、寝具の脱ダニ効果を高く保持させることが出来る。また、木材粉シートとして、木材粉に合成樹脂を付着させ、シート状に成形したものを使用できる。これは剛性が高く、大きな面積としては使用できないが、小さくしてポケットに収納すれば便利に使用できる。この場合、原料となる木材粉にガラス繊維、或いは合成繊維を加えて、合成樹脂を付着してシート状に成形すると可撓性が付加されて扱い易い。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る寝具はカバー内面にヒバ、サワラ、ヒノキ、ヤクスギ等の木材粉シートが取付けられ、ダニ等の害虫忌避性、或いは抗菌性を有する成分が放散されるが、この成分は人畜に影響を与えることなく、ダニ等を忌避し、抗菌性を呈し、長期にわたってその薬効が保持されるので、特にダニ、カビ等の発生し易いマンション等において使用される寝具として好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の寝具に用いられる木材粉シートの一例
を示す平面図である。

【図２】図１のII−II線矢視断面図である。

【図３】図１のIII−III線矢視断面図である。

【図４】本考案に係る寝具の一実施例を示す縦断面図で
ある。

【図５】寝具のカバー内面にポケットをつけ、これに木
材粉シートを収納して状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１山形シート２狭い凸部３凹部４幅の広い凸部５木材粉６フラットシート７シート状に形成された木材粉（木材粉シート）１１寝具１２カバー１３ポケット

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ふとん、枕などの寝具のカバー内側に、
シート状に形成された害虫忌避性或いは抗菌性の木材粉
を間挿したことを特徴とする寝具。
【請求項２】シート状に形成された害虫忌避性或いは
抗菌性の木材粉が、少なくとも一方が通気性のシートよ
りなる２枚のシートの間に挟持されたシート状の木材粉
である請求項１記載の寝具。
【請求項３】シート状に形成された害虫忌避性或いは
抗菌性の木材粉が、２枚のシートの一方に凹部が形成さ
れ、この凹部に木材粉が充填されるとともに他方のシー
トが一方のシートの凹部以外の部分と接着されたシート
状の木材粉である請求項１または２記載の寝具。
【請求項４】シート状に形成された害虫忌避性或いは
抗菌性の木材粉が、木材粉に合成樹脂を付着させ、加熱
加圧してシート状に形成した木材粉である請求項１記載
の寝具。
【請求項５】シート状に形成された害虫忌避性或いは
抗菌性の木材粉に用いられる木材粉がヒバ、サワラ、ヒ
ノキ、或いはヤクスギのうちの１種または２種以上の混
合木材粉である請求項１，２，３または４記載の寝具。