JPH0633574B2 - スエ−ド調合成皮革及びその製造方法 - Google Patents
スエ−ド調合成皮革及びその製造方法Info
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- JPH0633574B2 JPH0633574B2 JP24711486A JP24711486A JPH0633574B2 JP H0633574 B2 JPH0633574 B2 JP H0633574B2 JP 24711486 A JP24711486 A JP 24711486A JP 24711486 A JP24711486 A JP 24711486A JP H0633574 B2 JPH0633574 B2 JP H0633574B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スエード調合成皮革及びその製造方法に関
し、詳しくは、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm
2以上であつて、特に、高級スポーツ靴における補強部
材、特に、前胛、鳩目、踵等に用いるに好適なスエード
調高強度合成皮革及びその製造方法に関する。
し、詳しくは、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm
2以上であつて、特に、高級スポーツ靴における補強部
材、特に、前胛、鳩目、踵等に用いるに好適なスエード
調高強度合成皮革及びその製造方法に関する。
従来の技術 従来、スエード調合成皮革は、ポリエステル系合成繊維
糸条、ポリアミド系合成繊維糸条等よりなる編布や織布
を起毛し、これを基材として、その起毛面に樹脂を含浸
加工して、多孔質層を形成した後、その表面にバフイン
グやスカイビング等の研削加工を施して製造されてい
る。
糸条、ポリアミド系合成繊維糸条等よりなる編布や織布
を起毛し、これを基材として、その起毛面に樹脂を含浸
加工して、多孔質層を形成した後、その表面にバフイン
グやスカイビング等の研削加工を施して製造されてい
る。
しかしながら、上記のような従来の合成皮革は、高級ス
ポーツ靴に用いるには不適当である。即ち、高級スポー
ツ靴に用いる合成皮革は、引裂強力3.0kg以上、好まし
くは4.0kg以上を有すると共に、破裂強力１５kg/cm2以
上、好ましくは２０kg/cm2を有することが必要であるこ
とが経験上知られているが、上記のような従来の合成皮
革は、かかる強力をもたない。そのために、従来は、合
成皮革の裏側に織布、編布又は不織布等をバツキングと
して貼り合わせることによつて、上記強力を得ており、
従つて、加工工程数が増えて、製品価格が高いものとな
らざるを得ない。更に、従来の合成皮革は、縦及び横方
向の伸度の差が大きいので、適宜に裁断した場合に方向
性を有することとなり、作業性や加工性に劣る問題を有
する。
ポーツ靴に用いるには不適当である。即ち、高級スポー
ツ靴に用いる合成皮革は、引裂強力3.0kg以上、好まし
くは4.0kg以上を有すると共に、破裂強力１５kg/cm2以
上、好ましくは２０kg/cm2を有することが必要であるこ
とが経験上知られているが、上記のような従来の合成皮
革は、かかる強力をもたない。そのために、従来は、合
成皮革の裏側に織布、編布又は不織布等をバツキングと
して貼り合わせることによつて、上記強力を得ており、
従つて、加工工程数が増えて、製品価格が高いものとな
らざるを得ない。更に、従来の合成皮革は、縦及び横方
向の伸度の差が大きいので、適宜に裁断した場合に方向
性を有することとなり、作業性や加工性に劣る問題を有
する。
また、最近においては、スポーツ靴に鮮明に着色された
デザインが強く要求されているが、ポリエステル系糸条
からなる編布や織布を基材とする合成皮革は、染色性に
劣るために、上記要求に応えることができない。
デザインが強く要求されているが、ポリエステル系糸条
からなる編布や織布を基材とする合成皮革は、染色性に
劣るために、上記要求に応えることができない。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、上記したような従来の合成皮革における問題
を解決するためになされたものであつて、バツキングに
よる補強なしにて前記強度要求を満たすと共に、鮮明で
堅牢な染色が可能である高強度のスエード調合成皮革、
特に、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上で
あつて、高級スポーツ靴における補強部材に用いるに適
するスエード調合成皮革及びその製造方法に関する。
を解決するためになされたものであつて、バツキングに
よる補強なしにて前記強度要求を満たすと共に、鮮明で
堅牢な染色が可能である高強度のスエード調合成皮革、
特に、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上で
あつて、高級スポーツ靴における補強部材に用いるに適
するスエード調合成皮革及びその製造方法に関する。
問題点を解決するための手段 本発明によるスエード調合成皮革は、表側の起毛面は、
ポリアミド系マルチフイラメント糸条が４針又は５針の
振り幅を有する振り編み編成され、起毛されてなると共
に、樹脂加工によつて多孔質層に形成されてなり、中側
及び裏側は、ポリアミド系マルチフイラメント糸条の２
本がそれぞれ３針以下の異方向振り編み編成されてな
り、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上を有
することを特徴とする。
ポリアミド系マルチフイラメント糸条が４針又は５針の
振り幅を有する振り編み編成され、起毛されてなると共
に、樹脂加工によつて多孔質層に形成されてなり、中側
及び裏側は、ポリアミド系マルチフイラメント糸条の２
本がそれぞれ３針以下の異方向振り編み編成されてな
り、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上を有
することを特徴とする。
また、かかる合成皮革は、本発明に従つて、３枚おさ
（筬）の経編機にてトータルデニール５０〜１００デニ
ールのポリアミド系マルチフイラメント糸条を各おさの
振り幅をフロントおさ＞ミドルおさ≧バツクおさとする
と共に、ミドルおさとバツクおさの振り編方向を異方向
とし、且つ、フロントおさの振り幅を４針又は５針とし
て振り編み編成して経編地とし、次いで、この経編地の
フロントおさに配したポリアミド系マルチフイラメント
糸条を起毛し、樹脂を含浸加工して多孔質層を形成し、
その表面を研削することによつて製造することができ
る。
（筬）の経編機にてトータルデニール５０〜１００デニ
ールのポリアミド系マルチフイラメント糸条を各おさの
振り幅をフロントおさ＞ミドルおさ≧バツクおさとする
と共に、ミドルおさとバツクおさの振り編方向を異方向
とし、且つ、フロントおさの振り幅を４針又は５針とし
て振り編み編成して経編地とし、次いで、この経編地の
フロントおさに配したポリアミド系マルチフイラメント
糸条を起毛し、樹脂を含浸加工して多孔質層を形成し、
その表面を研削することによつて製造することができ
る。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明によるスエード調合成皮革の基材として用いるポ
リアミド系マルチフイラメント糸条からなる経編地は、
３枚おさの経編機による経編地であつて、フロントお
さ、ミドルおさ及びバツクおさによる編組織からなり、
表側の起毛面は、マルチフイラメント糸条が４針又は５
針の振り幅を有する振り編み編成されてなる編組織を有
し、中側及び裏側は、２本のマルチフイラメント糸条が
振り幅を中側≧裏側とし、且つ、それぞれ３針以下の異
方向振り編み編成されてなる編組成を有する。
リアミド系マルチフイラメント糸条からなる経編地は、
３枚おさの経編機による経編地であつて、フロントお
さ、ミドルおさ及びバツクおさによる編組織からなり、
表側の起毛面は、マルチフイラメント糸条が４針又は５
針の振り幅を有する振り編み編成されてなる編組織を有
し、中側及び裏側は、２本のマルチフイラメント糸条が
振り幅を中側≧裏側とし、且つ、それぞれ３針以下の異
方向振り編み編成されてなる編組成を有する。
本発明において、振り幅は、第１図に示すように、わた
り針の数を意味するものとし、第１図に示す編組織にお
ける振り幅は、マルチフイラメント糸条ａがわたり１か
ら入つて、針Ａを巻いてわたり０に至り、次いで、わた
り３から針Ｄを巻いてわたり４に至り、この後、再びわ
たり１から入つて、針Ａを巻いてわたり０に至り、これ
を繰り返して編組織を形成するので、１−０／３−４で
表わされる４針振り幅である。同様に、第２図に示す編
組織における振り幅は、１−０／４−５で表わされる５
針振り幅である。これらは閉じ目と称される振り幅であ
るが、本発明においては、開き目と称される４針又は５
針の振り幅でもよい。例えば、第３図は、０−１／４−
３で表わされる開き目の４針振り幅を示す。
り針の数を意味するものとし、第１図に示す編組織にお
ける振り幅は、マルチフイラメント糸条ａがわたり１か
ら入つて、針Ａを巻いてわたり０に至り、次いで、わた
り３から針Ｄを巻いてわたり４に至り、この後、再びわ
たり１から入つて、針Ａを巻いてわたり０に至り、これ
を繰り返して編組織を形成するので、１−０／３−４で
表わされる４針振り幅である。同様に、第２図に示す編
組織における振り幅は、１−０／４−５で表わされる５
針振り幅である。これらは閉じ目と称される振り幅であ
るが、本発明においては、開き目と称される４針又は５
針の振り幅でもよい。例えば、第３図は、０−１／４−
３で表わされる開き目の４針振り幅を示す。
本発明においては、フロントおさの編組織は、４針又は
５針の振り幅を有する。振り幅が４針よりも少ない場
合、例えば、１−０／２−３や、０−１／３−２のよう
な振り編み編成にては、フロントおさに配したマルチフ
イラメント糸条を起毛したときに、起毛立ちが悪い。従
つて、このような起毛面に樹脂を含浸させ、多孔質層と
しても、得られる合成皮革は、繊維層が少なく、樹脂層
が多いので、スエード調を呈しないこととなり、外観及
び商品価値の観点から好ましくない。他方、振り幅が５
針を越える場合、例えば、１−０／５−６（閉じ目）
や、０−１／５−６（開き目）の振り編み編成にては、
フロントおさの繊維層が過多であるので、これを起毛し
たとき、起毛が過多となり、糸条の層が厚すぎることと
なる。従つて、かかる起毛面に樹脂を含有加工して、発
泡層を形成しても、表面が均質な発泡層を有する合成皮
革を得ることが困難となるほか、表面にピンホールが発
生したりする。
５針の振り幅を有する。振り幅が４針よりも少ない場
合、例えば、１−０／２−３や、０−１／３−２のよう
な振り編み編成にては、フロントおさに配したマルチフ
イラメント糸条を起毛したときに、起毛立ちが悪い。従
つて、このような起毛面に樹脂を含浸させ、多孔質層と
しても、得られる合成皮革は、繊維層が少なく、樹脂層
が多いので、スエード調を呈しないこととなり、外観及
び商品価値の観点から好ましくない。他方、振り幅が５
針を越える場合、例えば、１−０／５−６（閉じ目）
や、０−１／５−６（開き目）の振り編み編成にては、
フロントおさの繊維層が過多であるので、これを起毛し
たとき、起毛が過多となり、糸条の層が厚すぎることと
なる。従つて、かかる起毛面に樹脂を含有加工して、発
泡層を形成しても、表面が均質な発泡層を有する合成皮
革を得ることが困難となるほか、表面にピンホールが発
生したりする。
本発明においては、合成皮革が前記所要の強度を有する
ためには、基材である経編地の編成に用いるポリアミド
系マルチフイラメント糸条のトータルデニール数と、ミ
ドルおさ及びバツクおさの編組織が所定の条件を満たす
ことが必要である。
ためには、基材である経編地の編成に用いるポリアミド
系マルチフイラメント糸条のトータルデニール数と、ミ
ドルおさ及びバツクおさの編組織が所定の条件を満たす
ことが必要である。
先ず、経編地の編成に用いるポリアミド系マルチフイラ
メント糸条は、そのトータルデニール数が５０〜１００
デニールであることが必要である。即ち、トータルデニ
ール数が５０デニール未満の場合は、本発明による編成
によつても前記した所要の強度を付与することができ
ず、他方、１００デニールを越える場合は、第１図に示
すように、編地におけるコース数×ウエル数で表わされ
る編地密度が粗くなるので、同様に、本発明による編成
によつても前記した所要の強度を与えることができな
い。
メント糸条は、そのトータルデニール数が５０〜１００
デニールであることが必要である。即ち、トータルデニ
ール数が５０デニール未満の場合は、本発明による編成
によつても前記した所要の強度を付与することができ
ず、他方、１００デニールを越える場合は、第１図に示
すように、編地におけるコース数×ウエル数で表わされ
る編地密度が粗くなるので、同様に、本発明による編成
によつても前記した所要の強度を与えることができな
い。
次に、ミドルおさとバツクおさの編組織は、その振り幅
がフロントおさ＞ミドルおさ≧バツクおさなる条件を満
たすと共に、ミドルおさとバツクおさの編組織が相互に
異方向の振り幅にて編成されることが必要である。フロ
ントおさ、ミドルおさ及びバツクおさのそれぞれの振り
幅が上記条件を満たさない場合は、得られる経編地が起
毛性に著しく劣るからである。上記振り幅の条件を満た
すには、前述したように、フロントおさの編組織におけ
る振り幅が４針又は５針であるので、本発明において
は、例えば、ミドルおさを１−０／２−３や０−１／３
−２等とし、バツクおさを１−２／１−０等とすればよ
い。他方、ミドルおさとバツクおさの編組織が相互に同
方向の振り幅である場合は、マルチフイラメント糸条が
殆ど交叉することなく揃うために、特に、前記所定の引
裂強力を有せしめることができないので、本発明におい
ては、ミドルおさとバツクおさの編組織を相互に異方向
の振り幅にて編成するのである。
がフロントおさ＞ミドルおさ≧バツクおさなる条件を満
たすと共に、ミドルおさとバツクおさの編組織が相互に
異方向の振り幅にて編成されることが必要である。フロ
ントおさ、ミドルおさ及びバツクおさのそれぞれの振り
幅が上記条件を満たさない場合は、得られる経編地が起
毛性に著しく劣るからである。上記振り幅の条件を満た
すには、前述したように、フロントおさの編組織におけ
る振り幅が４針又は５針であるので、本発明において
は、例えば、ミドルおさを１−０／２−３や０−１／３
−２等とし、バツクおさを１−２／１−０等とすればよ
い。他方、ミドルおさとバツクおさの編組織が相互に同
方向の振り幅である場合は、マルチフイラメント糸条が
殆ど交叉することなく揃うために、特に、前記所定の引
裂強力を有せしめることができないので、本発明におい
ては、ミドルおさとバツクおさの編組織を相互に異方向
の振り幅にて編成するのである。
上記のようにして編成される編地を常法に従つて精練リ
ラツクスし、染色、乾燥し、フロントおさに配したマル
チフイラメント糸条を起毛し、通常の所要の仕上加工を
施した後、この起毛編地の起毛面に従来より知られてい
る通常の方法、例えば、湿式法や乾式法にて樹脂多孔質
層を形成することによつて、本発明による高強度スエー
ド調合成皮革を得ることができる。勿論、編地を先に起
毛し、その後に精練リラツクスしてもよい。ここに、用
いる樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、
ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂が好ましく用い
られる。
ラツクスし、染色、乾燥し、フロントおさに配したマル
チフイラメント糸条を起毛し、通常の所要の仕上加工を
施した後、この起毛編地の起毛面に従来より知られてい
る通常の方法、例えば、湿式法や乾式法にて樹脂多孔質
層を形成することによつて、本発明による高強度スエー
ド調合成皮革を得ることができる。勿論、編地を先に起
毛し、その後に精練リラツクスしてもよい。ここに、用
いる樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、
ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂が好ましく用い
られる。
発明の効果 以上のように、本発明による合成皮革は、所定のトータ
ルデニール数を有するポリアミド系マルチフイラメント
糸条にて表側、中側及び裏側が所定の振り幅数及び振り
幅方向を有するように振り編み編成され、表面側が起毛
され、この起毛面に多孔質の樹脂層が形成されてなるの
で、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上を有
し、従つて、バツキングなしに高級スポーツ靴の補強部
材として好適に用いることができる。
ルデニール数を有するポリアミド系マルチフイラメント
糸条にて表側、中側及び裏側が所定の振り幅数及び振り
幅方向を有するように振り編み編成され、表面側が起毛
され、この起毛面に多孔質の樹脂層が形成されてなるの
で、引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2以上を有
し、従つて、バツキングなしに高級スポーツ靴の補強部
材として好適に用いることができる。
更に、本発明による合成皮革は、上記したような編組織
を有するために、縦及び横方向の伸度の差、即ち、方向
性が小さく、従つて、例えば、靴製造における作業性及
び加工性にすぐれ、そのうえ、基材が編布からなるの
で、切口にほつれが生じず、外観にすぐれるスポーツ靴
の製造を可能とするものである。また、本発明による合
成皮革は、マルチフイラメント糸条がポリアミド合系合
成繊維からなるので、鮮明に染色することができ、且
つ、染色された合成皮革は摩擦堅牢性にすぐれる。
を有するために、縦及び横方向の伸度の差、即ち、方向
性が小さく、従つて、例えば、靴製造における作業性及
び加工性にすぐれ、そのうえ、基材が編布からなるの
で、切口にほつれが生じず、外観にすぐれるスポーツ靴
の製造を可能とするものである。また、本発明による合
成皮革は、マルチフイラメント糸条がポリアミド合系合
成繊維からなるので、鮮明に染色することができ、且
つ、染色された合成皮革は摩擦堅牢性にすぐれる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例１ 糸使いとして、フロントおさに７０デニール×２４フイ
ラメント、ミドルおさに５０デニール×１０フイラメン
ト、バツクおさに７０デニール×２４フイラメントのポ
リアミド系合成繊維マルチフイラメント糸条を用い、編
組織をフロントおさ１−０／３−４（振り幅４針）、第
４図に示すように、ミドルおさ１−０／２−３（振り幅
３針）、第５図に示すように、バツクおさ１−２／１−
０（振り幅２針）とし、カールマイヤー社製経編機（２
８ゲージ×１３０インチ×ＫＥ３）を用いて、ミドルお
さとバツクおさとが異方向振り幅にて編成された密度６
０コース×４０ウエルの経編地を製造した。これを精練
リラツクス、染色、乾燥し、フロントおさに配したマル
チフイラメント糸条を常法に従つて起毛仕上した。
ラメント、ミドルおさに５０デニール×１０フイラメン
ト、バツクおさに７０デニール×２４フイラメントのポ
リアミド系合成繊維マルチフイラメント糸条を用い、編
組織をフロントおさ１−０／３−４（振り幅４針）、第
４図に示すように、ミドルおさ１−０／２−３（振り幅
３針）、第５図に示すように、バツクおさ１−２／１−
０（振り幅２針）とし、カールマイヤー社製経編機（２
８ゲージ×１３０インチ×ＫＥ３）を用いて、ミドルお
さとバツクおさとが異方向振り幅にて編成された密度６
０コース×４０ウエルの経編地を製造した。これを精練
リラツクス、染色、乾燥し、フロントおさに配したマル
チフイラメント糸条を常法に従つて起毛仕上した。
次に、上記起毛編地の起毛面にポリエステル系ウレタン
エラストマー３０重量％を含有するジメチルホルムアミ
ド溶液１００重量部、顔料４重量部、ジメチルホルムア
ミド６０重量部及び水６重量部よりなる樹脂溶液をドク
ターナイフにて１０００g/m2の割合で塗布し、次いで、
浴温２０℃に調整した水浴中に５分間浸漬して、ウレタ
ン樹脂を湿式成膜すると共に、発泡多孔質層に形成し
た。
エラストマー３０重量％を含有するジメチルホルムアミ
ド溶液１００重量部、顔料４重量部、ジメチルホルムア
ミド６０重量部及び水６重量部よりなる樹脂溶液をドク
ターナイフにて１０００g/m2の割合で塗布し、次いで、
浴温２０℃に調整した水浴中に５分間浸漬して、ウレタ
ン樹脂を湿式成膜すると共に、発泡多孔質層に形成し
た。
この後、５０〜６０℃の温度で湯洗した後、樹脂層から
水を除去し、１２０℃で１０分間乾燥して、厚さ1.5mm
の合成皮革を得た。次に、その表面を＃１２０メツシユ
のサンドペーパーを取付けたバフ機にて荒削りした後、
＃１８０メツシユのサンドペーパーで仕上研削して、本
発明による厚さ1.4mmのスエード調合成皮革を得た。
水を除去し、１２０℃で１０分間乾燥して、厚さ1.5mm
の合成皮革を得た。次に、その表面を＃１２０メツシユ
のサンドペーパーを取付けたバフ機にて荒削りした後、
＃１８０メツシユのサンドペーパーで仕上研削して、本
発明による厚さ1.4mmのスエード調合成皮革を得た。
実施例２ 実施例１において得た起毛編地の起毛面にポリ塩化ビニ
ルペーストレジン１００重量部、可塑剤ジオクチルフタ
レート８０重量部、顔料４重量部、バリウム／亜鉛系安
定剤３重量部及びアゾ系発泡剤３重量部よりなる塗料を
ドクターナイフにて４００g/m2の割合で塗布含浸した
後、１９０℃で２分間加熱発泡させて、厚さ1.8mmの合
成皮革を得た。
ルペーストレジン１００重量部、可塑剤ジオクチルフタ
レート８０重量部、顔料４重量部、バリウム／亜鉛系安
定剤３重量部及びアゾ系発泡剤３重量部よりなる塗料を
ドクターナイフにて４００g/m2の割合で塗布含浸した
後、１９０℃で２分間加熱発泡させて、厚さ1.8mmの合
成皮革を得た。
次に、その表面を＃１２０メツシユのサンドペーパーを
取付けたバフ機にて荒削りした後、＃１８０メツシユの
サンドペーパーで仕上研削して、本発明による厚さ1.4m
mのスエード調合成皮革を得た。
取付けたバフ機にて荒削りした後、＃１８０メツシユの
サンドペーパーで仕上研削して、本発明による厚さ1.4m
mのスエード調合成皮革を得た。
比較例１ 実施例１と同じ糸使いにて、編組織をフロントおさ１−
０／３−４（振り幅４針）、ミドルおさ１−０／２−３
（振り幅３針）、バツクおさ１−０／１−２（振り幅２
針）とし、且つ、ミドルおさとバツクおさの振り幅を同
方向として、仕上密度６０コース×４０ウエルの経編地
を製造し、実施例１と同じ処理によつて起毛仕上した
後、実施例２と同じ乾式法によつてスエード調合成皮革
を得た。
０／３−４（振り幅４針）、ミドルおさ１−０／２−３
（振り幅３針）、バツクおさ１−０／１−２（振り幅２
針）とし、且つ、ミドルおさとバツクおさの振り幅を同
方向として、仕上密度６０コース×４０ウエルの経編地
を製造し、実施例１と同じ処理によつて起毛仕上した
後、実施例２と同じ乾式法によつてスエード調合成皮革
を得た。
比較例２ 糸使いとして、フロントおさに７０デニール×２４フイ
ラメント、バツクおさに７０デニール×２４フイラメン
トのポリアミド系合成繊維マルチフイラメント糸条を用
い、編組織をフロントおさ１−０／４−５（振り幅４
針）、バツクおさ１−２／１−０（振り幅２針）とする
異方向振り幅にて、密度６０コース×４０ウエルの経編
地を製造した。これを実施例１と同じ処理によつて起毛
仕上した後、実施例２と同じ乾式法によつてスエード調
合成皮革を得た。
ラメント、バツクおさに７０デニール×２４フイラメン
トのポリアミド系合成繊維マルチフイラメント糸条を用
い、編組織をフロントおさ１−０／４−５（振り幅４
針）、バツクおさ１−２／１−０（振り幅２針）とする
異方向振り幅にて、密度６０コース×４０ウエルの経編
地を製造した。これを実施例１と同じ処理によつて起毛
仕上した後、実施例２と同じ乾式法によつてスエード調
合成皮革を得た。
以上のようにして得たそれぞれの合成皮革についての物
性を第１表に示す。尚、引裂強力の測定はJIS K-6772の
方法によつて、また、破裂強力の測定はJIS L-1018 Aの
方法にそれぞれ準拠した。
性を第１表に示す。尚、引裂強力の測定はJIS K-6772の
方法によつて、また、破裂強力の測定はJIS L-1018 Aの
方法にそれぞれ準拠した。
本発明によるスエード調合成皮革は、引裂強力４kg以
上、破裂強力２０kg/cm2以上を有し、しか も、伸度差（縦方向−横方向）が１５％以下である。こ
れに対して、編組織において、ミドルおさとバツクおさ
の振り幅が同方向である以外は、実施例１と同じ方法に
て得た比較例１による合成皮革は、引裂強力が方向によ
つて3.0kgに満たず、また、破裂強力も２０kg/cm2に満
たない。更に、伸度差も３０％に達する。また、従来の
代表的な合成皮革の一例として、編組織をフロントおさ
とバツクおさのみとした比較例２による合成皮革は、引
裂強力３kg以上、破裂強力２０kg/cm2以上を満たさず、
伸度差も大きい。
上、破裂強力２０kg/cm2以上を有し、しか も、伸度差（縦方向−横方向）が１５％以下である。こ
れに対して、編組織において、ミドルおさとバツクおさ
の振り幅が同方向である以外は、実施例１と同じ方法に
て得た比較例１による合成皮革は、引裂強力が方向によ
つて3.0kgに満たず、また、破裂強力も２０kg/cm2に満
たない。更に、伸度差も３０％に達する。また、従来の
代表的な合成皮革の一例として、編組織をフロントおさ
とバツクおさのみとした比較例２による合成皮革は、引
裂強力３kg以上、破裂強力２０kg/cm2以上を満たさず、
伸度差も大きい。
第１図乃至第５図は、それぞれ振り編み編成における振
り幅を示すための編成図であり、図中、数字はわたり番
号を示し、ａはマルチフイラメント糸条を示し、Ａ、
Ｂ、Ｃ及びＤはわたり針を示す。
り幅を示すための編成図であり、図中、数字はわたり番
号を示し、ａはマルチフイラメント糸条を示し、Ａ、
Ｂ、Ｃ及びＤはわたり針を示す。
Claims (2)
- 【請求項１】表側の起毛面は、ポリアミド系マルチフイ
ラメント糸条が４針又は５針の振り幅を有する振り編み
編成され、起毛されてなると共に、樹脂加工によつて多
孔質層に形成されてなり、中側及び裏側は、ポリアミド
系マルチフイラメント糸条の２本がそれぞれ３針以下の
異方向振り編み編成されてなり、引裂強力3.0kg以上、
破裂強力１５kg/cm2以上を有することを特徴とするスエ
ード調合成皮革。 - 【請求項２】３枚おさの経編機にてトータルデニール５
０〜１００デニールのポリアミド系マルチフイラメント
糸条を各おさの振り幅をフロントおさ＞ミドルおさ≧バ
ツクおさとすると共に、ミドルおさとバツクおさの振り
編方向を異方向とし、且つ、フロントおさの振り幅を４
針又は５針として、振り編み編成して経編地とし、次い
で、この経編地のフロントおさに配したポリアミド系マ
ルチフイラメント糸条を起毛し、この起毛面に樹脂を含
浸加工して多孔質層を形成し、その表面を研削すること
を特徴とする引裂強力3.0kg以上、破裂強力１５kg/cm2
以上を有するスエード調合成皮革の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24711486A JPH0633574B2 (ja) | 1986-10-17 | 1986-10-17 | スエ−ド調合成皮革及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24711486A JPH0633574B2 (ja) | 1986-10-17 | 1986-10-17 | スエ−ド調合成皮革及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63105191A JPS63105191A (ja) | 1988-05-10 |
| JPH0633574B2 true JPH0633574B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=17158643
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24711486A Expired - Lifetime JPH0633574B2 (ja) | 1986-10-17 | 1986-10-17 | スエ−ド調合成皮革及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0633574B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004256923A (ja) | 2003-02-24 | 2004-09-16 | Du Pont Toray Co Ltd | ストレッチを有する布帛 |
| JP4891376B2 (ja) * | 2008-10-08 | 2012-03-07 | 本田技研工業株式会社 | 伸縮性合成皮革 |
| US9885148B2 (en) * | 2012-12-18 | 2018-02-06 | Kyowa Leather Cloth Co., Ltd. | Laminated sheet and method of manufacturing the same |
| WO2015022772A1 (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-19 | セーレン株式会社 | 開口部を有する合成皮革 |
| JP2019099970A (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-24 | セーレン株式会社 | ヌバック調布帛、及びヌバック調布帛の製造方法 |
-
1986
- 1986-10-17 JP JP24711486A patent/JPH0633574B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63105191A (ja) | 1988-05-10 |
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