JPH0633565A - タイル壁面の改修方法 - Google Patents

タイル壁面の改修方法

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JPH0633565A
JPH0633565A JP18960192A JP18960192A JPH0633565A JP H0633565 A JPH0633565 A JP H0633565A JP 18960192 A JP18960192 A JP 18960192A JP 18960192 A JP18960192 A JP 18960192A JP H0633565 A JPH0633565 A JP H0633565A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイル化粧壁面の特徴である意匠性・外観・
高級感をそのままの状態で維持し、しかも、耐候性、防
水性、耐久性にすぐれたタイル壁面の改修方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 タイル壁面の改修に際し、改修すべきタイル
化粧面上に、下塗り材、防水機能を有する中塗り材、お
よび上塗り材をこの順序で順次塗装する防水塗膜形成方
法であって、前記下塗り材が、シリル基含有アクリル系
共重合体の樹脂溶液を主成分とするクリアーコーティン
グ材からなり、前記中塗り材が、アルド基もしくはケト
基を含有するカルボニル基含有アクリル系共重合体の水
性分散液に、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を
有するヒドラジン誘導体を加えた架橋性樹脂水性分散液
のクリアーコーティング材からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイル壁面の改修方法
に関し、特に、ビル、マンションおよび一般家屋等の建
造物の外装タイル壁面や内装タイル壁面、特に外装タイ
ル壁面に、防水性を付与するとともに元の意匠性をでき
るかぎりそのまま回復し、さらには耐久性を付与するこ
とを目的とした改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タイルは他の建築材料に比べ、耐久性、
意匠性に優れていることから、古くから建物の外装材料
として広く使用されており、東京オリンピック以来中高
層ビル外壁をタイルで化粧するケースが非常に多くなっ
ている。このようなタイルを用いた外壁は、一般にタイ
ルと躯体とをセメントモルタルにより一体化することに
よって得られる。従って、タイル化粧壁面は単にタイル
のみでなく、その周辺材料も含めた部材としての性能に
よって左右され、経年変化を受ける過程において剥落、
浮き、はらみ、ひび割れ、変退色、エフロレッセンス、
中性化等の劣化現象が認められるようになる。劣化現象
を含む壁面の補修改修には樹脂注入、アンカーピンニン
グ、タイル張替え等の各種工法が確立されているが、劣
化を促進する最も大きな要因の一つである水分の影響を
極力除外し、かつ、タイル化粧外観を維持する方法はな
く、簡便法として浸透性吸水防止材を塗布し一時的な防
水性を付与する程度であり、各種の劣化現象から建造物
を守る、特に水分の影響を最低限にする効果的な方法は
無く、補修改修を短期間内に繰り返す必要があり、ま
た、漏水こと故の発生しているタイル壁面を既存工法に
て補修するに際し、漏水場所を限定することが困難であ
る場合が多く、セメント系フィラーで全面被覆後、弾性
複層塗材で防水化粧壁面とする方法が用いられるが着色
塗料で塗装する方法は、元のタイル面が見えず外観が全
く異なってしまうため、意匠性や建物の価値が変わって
しまうし、下のタイルを完全にかくすには100〜10
00μmの厚さで数回塗装する必要があり、しかも塗膜
が厚くなるために、塗膜の内側で破壊が起きるなどの問
題点があった。従ってタイル壁面を改修補修するに当た
って、タイル壁面の意匠性を維持しつつ防水性を付与す
るに十分な改修方法はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、劣化現象を
有するタイル壁面を補修改修するに際し、樹脂注入、ア
ンカーピンニング、タイル張替え等の各種既存工法によ
る工事を行った後に、透明性、耐久性、防水性、意匠性
の維持等に優れた性能を有する塗膜を施すことによっ
て、補修改修を必要とするタイル壁面の防水と意匠性の
回復、並びに維持を図るための方法を提供するものであ
る。
【0004】即ち、タイル化粧壁面の形成工事において
は、コンクリート躯体表面に張付けモルタル層を設け、
積上げ張り、圧着張り、改良積上げ張り、改良圧着張
り、密着張り、モザイクタイル張り、KM工法等の各種
手張り工法と、桟木法、タイルシート法、目地ます法、
タイル単体法等の先付け工法が使用されている。このよ
うにして形成された外壁面は、自然環境変動要因、大気
汚染等の人的変動要因、室内外の温度差等、様々な影響
下に長期間置かれていることより、汚染、剥落、浮き、
はらみ、ひび割れ、変褪色、エフロレッセンス、中性化
等の劣化現象が顕在化してくる。汚染、エフロレッセン
ス等は洗浄することによって意匠性を回復することがで
きるが、タイル目地の中性化の進行によるタイル付着強
度の低下防止、張付けモルタル層の強度低下を防ぐこと
はできない。更に、剥落、浮き、はらみ、ひび割れ等に
ついては目視検査を初めとする十分な調査診断を行い、
補修改修工事の目的を明確にし、その目的が漏水対策、
剥落防止対策である場合にはアンカーピンニング単独工
法、アンカーピンニング・注入併用工法、部分再仕上げ
工法等の公知従来工法により補修改修を行う必要があ
り、浮き、はらみの補修にはエポキシ樹脂注入・充填工
法が採用されている。
【0005】しかしながら、これらの改修のための工法
を用いてもタイル化粧面の欠陥部を完全に修復すること
は困難であり、特に各種劣化要因の内その影響度が最も
大きいとされている水分の影響を防止し、水の移動・状
態変化による劣化の再発進行を防ぐには未だ不十分なも
のであり、一般的には上記各種工法による補修改修工事
終了後、シリコン系、シラン系、非シリコン系、混合
系、無機塩類系等の浸透性吸水防止材を塗布することに
より、水分の影響を押える方法を採用するのが一般的で
ある。上記の浸透性吸水防止材の特徴は、塗膜を形成し
てもその膜厚は約3μm以下であるため塗料を用いた場
合のような濡れ色とならずタイル外観を維持する上で優
れ、モルタルへの浸透性においても優れた特徴を発揮す
るが、塗膜強度そのものは低く耐久性に劣るため、短期
間での再塗布を必要とし、また、クラックをカバーする
膜機能を有していないことにより長時間雨水に曝される
外壁面においては十分な防水性を維持することができな
いという欠点を有している。従って、漏水欠陥を有する
タイル壁面の補修改修において上記各種工法による工事
を行った後に、全面にセメント系フィラーを塗布後、J
IS−A−6021(屋根用塗膜防水材)あるいはJI
S−A−6910の複層仕上塗材で定める防水機能を有
する塗料を塗布する方法が一般的である。しかしなが
ら、この方法においては、タイル化粧壁面の特徴である
意匠性・外観・高級感を維持できないという欠点を有し
ていると共に、その塗料の基本組成は無機顔料を含むア
クリルゴム系弾性樹脂であることより耐久性はタイルの
それを著しく下回るという欠点を有している。
【0006】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであって、タイル化粧壁面の特徴である
意匠性・外観・高級感をそのままの状態で維持し、しか
も、耐候性、防水性、耐久性にすぐれたタイル壁面の改
修方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記各種
問題点について鋭意検討の結果、たとえば、剥落、浮
き、はらみ、ひび割れ欠陥を有するタイル化粧壁面をア
ンカーピンニング単独工法、アンカーピンニング・注入
併用工法、部分再仕上げ工法等の常法に従って補修改修
を行った後に、特定の下塗り材と特定の中塗り材とを組
み合わせることによって、耐候性に優れ、タイルの外観
・意匠性を維持したままで信頼性の高い防水性をタイル
壁面に付与できることを見出した。
【0008】すなわち、本発明によるタイル壁面の改修
方法は、タイル壁面の改修に際し、改修すべきタイル化
粧面上に、下塗り材、防水機能を有する中塗り材、およ
び上塗り材をこの順序で順次塗装する防水塗膜形成方法
であって、前記下塗り材が、シリル基含有アクリル系共
重合体の樹脂溶液を主成分とするクリアーコーティング
材からなり、前記中塗り材が、アルド基もしくはケト基
を含有するカルボニル基含有アクリル系共重合体の水性
分散液に、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有
するヒドラジン誘導体を加えた架橋性樹脂水性分散液の
クリアーコーティング材からなることを特徴とするもの
である。
【0009】以下、各塗装材料ならびにその使用方法に
ついて具体的に説明する。
【0010】本発明において下塗り材として用いられる
クリアーコーティング材の主成分であるシリル基含有ア
クリル系共重合体樹脂溶液用の共重合体樹脂として好ま
しいものは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜10のア
ルキルエステル90〜96重量%、シリル化合物成分お
よびこれらの各単量体以外の他の不飽和単量体0〜5重
量%からなる単量体混合物の重合、好ましくはその溶液
重合によって得られる共重合体樹脂である。
【0011】(メタ)アクリル系共重合体は各種(メ
タ)アクリロイル基を組み合わせることによって樹脂の
ガラス転移点を自由に設計管理することが出来、本発明
において該下塗り材の場合ガラス転移点が70℃以上で
あるとタイル目地モルタルとタイル界面で塗膜に亀裂破
壊が生ずると共にクラックへの追従性にも劣ることよ
り、ガラス転移点は70℃以下とすることが好ましく、
好ましくは55℃以下、より好ましくは40〜20℃で
ある。ガラス転移点を20℃以下とすると樹脂の粘性が
上昇するため作業性に劣ると共に、皮膜の耐アルカリ性
および耐水性能を低下させる傾向にあり、且粘着性が強
くなるため汚れが付着し易いことより0℃以上が好まし
い。
【0012】本発明で該下塗り材に使用するシリル基含
有アクリル系共重合体を構成するシリル化合物成分の使
用量が10重量%以上であると塗装後の乾燥過程におい
て躯体、中塗り材、および空気中の水分との反応が架橋
反応より早く進行し、塗膜の耐久性を低下させ、一方4
重量%以下であると架橋密度が低下するため塗膜特性の
低下を来すと共にタイル表面、タイル目地表面との付着
性も低下する為、4〜10重量%の範囲内で使用するの
が好ましい。
【0013】その重合において用いられる(メタ)アク
リル酸の炭素数1〜10のアルキルエステルの具体例と
しては、たとえばアクリル酸もしくはメタクリル酸のメ
チル、エチル、イソプロピル、n‐プロピル、n‐ブチ
ル、イソブチル、t‐ブチルなどのアルキルエステルで
ある。
【0014】なお、本明細書に記載した(メタ)アクリ
ル酸とはアクリル酸とメタクリル酸の総称であり、同様
に(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル
とメタクリル酸エステルの総称であり、その他これらに
準じる。
【0015】その重合に用いられるシリル化合物成分の
製造は、種々の方法で可能であるが、たとえば、(I)
炭素‐炭素二重結合を有するビニル系樹脂とヒドロシラ
ンとによるヒドロシリル化反応、および(II)ビニル系
化合物と重合性二重結合を有するシリル化合物との共重
合による方法が工業的に有効な方法である。以下、これ
らの方法について説明する。 (I) 本発明のシリル基含有ビニル系樹脂は、 で示されるヒドロシラン化合物を炭素‐炭素二重結合を
有するビニル系樹脂とVIII族遷移金属の触媒下で反応さ
せることにより容易に製造される。本発明において使用
されるヒドロシラン化合物は次の一般式を有するもので
ある。
【0016】 (式中、Rは炭素数1〜10までのアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、
Xはハロゲン、アルコキシ、アシロキシ、アミノキシ、
フェノキシ、チオアルコキシ、アミノ基より選ばれる
基、nは1から3までの整数である。) この一般式に含まれるヒドロシラン化合物を具体的に例
示すると、メチルジクロルシラン、トリクロルシラン、
フェニルジクロルシランの如きハロゲン化シラン類;メ
チルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェ
ニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエト
キシシランの如きアルコキシシラン類;メチルジアセト
キシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセト
キシシランの如きアシロキシシラン類;メチルジアミノ
キシシラン、トリアミノシラン等の各種シラン類が挙げ
られる。
【0017】用いるヒドロシラン化合物の量は、ビニル
系樹脂中に含まれる炭素‐炭素二重結合に対し、任意量
の使用が可能であるが、0.5〜2倍モルの使用が好ま
しい。これ以上のシラン量の使用を妨げるものではない
が未反応のヒドロシランとして回収されるだけである。
【0018】更に、本発明ではヒドロシラン化合物とし
て安価な基礎原料で高反応性のハロゲン化シラン類が容
易に使用できる。ハロゲン化シラン類を用いて得られる
シリル基含有ビニル系樹脂は、空気中にばく露すると塩
化水素を発生しながら常温で速やかに硬化するが、塩化
水素による刺激臭や腐食に問題があり限定された用途に
しか実用上使用できないので、更に続いてハロゲン官能
基を他の加水分解性官能基に変換することが望ましい。
加水分解性官能基としては、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基等が挙げられる。
【0019】ハロゲン官能基を、これら加水分解性官能
基に変換する方法としては、メタノール、エタノー
ル、2‐メトキシエタノール、sec‐ブタノール、t
ert‐ブタノールおよびフェノールの如きアルコール
類およびフェノール類、アルコール類およびフェノー
ル類のアルカリ金属塩、オルトギ酸メチル、オルトギ
酸エチルの如きオルトギ酸アルキル類などをハロゲン官
能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。
【0020】アシロキシ基に変換する方法としては、
酢酸、プロピオン酸、安息香酸の如きカルボン酸類、
カルボン酸類のアルカリ金属塩などをハロゲン官能基と
反応させる方法が具体的に挙げられる。
【0021】アミノキシ基に変換する方法としては、
N,N‐ジメチルヒドロキシルアミン、N,N‐ジエチ
ルヒドロキシルアミン、N,N‐メチルフェニルヒドロ
キシルアミンおよびN‐ヒドロキシピロリジンの如きヒ
ドロキシルアミン類、ヒドロキシルアミン類のアルカ
リ金属塩などをハロゲン官能基と反応させる方法が具体
的に挙げられる。
【0022】アミノ基に変換する方法としては、N,
N‐ジメチルアミン、N,N‐メチルフェニルアミンお
よびピロリジンの如き1級および2級アミン類、1級
および2級アミン類のアルカリ金属塩などをハロゲン官
能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。
【0023】チオアルコキシ基に変換する方法として
は、エチルメルカプタン、チオフェノールの如きチオ
アルコールおよびチオフェノール類、チオアルコール
およびチオフェノール類のアルカリ金属塩などをハロゲ
ン官能基は反応させる方法が具体的に挙げられる。
【0024】ヒドロシリル化反応によりビニル系樹脂に
導入されるシリル基に関し、ハロゲン官能基の場合のみ
他の加水分解性置換基に変換するのではなく、他のアル
コキシ基、アシロキシ基等の場合も必要に応じてアミノ
基、アミノキシ基等の加水分解性官能基に変換すること
ができる。
【0025】このようにヒドロシリル化反応により直接
導入されるシリル基上の加水分解性官能基を他の加水分
解性官能基に変換する温度は50〜150℃が適当であ
る。また、これらの交換反応は溶剤を使用しても、しな
くても達成しうるが、使用する場合はエーテル類、炭化
水素類、酢酸エステル類の如き不活性な溶剤が適当であ
る。
【0026】本発明に使用されるビニル系樹脂として
は、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜10のアルキルエ
ステルであり、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル等のアクリ
ル酸、メタクリル酸エステル;他の不飽和単量体とし
て、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐メチロー
ルアクリルアミド、N‐メチロールメタクリルアミド等
のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミ
ノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;ア
クリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、メタアクリル酸
などの様なオレフィン性不飽和カルボン酸、イミノール
メタクリレート、スチレン、α‐メチルスチレン、アル
キルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、エチレン等から選ばれる共重合体を主成
分とする樹脂が適当である。また、アクリロニトリルは
皮膜の変色を生じやすいので使用しない方が好ましい。
【0027】シリル基含有ビニル系樹脂を得るには、α
‐ドデシルメルカプタンやτ‐ドデシルメルカプタンの
如き連鎖移動剤を必要に応じて加えればよい。これらビ
ニル系化合物の重合の際は溶剤を使用しても、しなくて
もよいが、使用する場合は、エーテル類、炭化水素類、
酢酸エステル類の如き非反応性の溶剤の使用が好まし
い。
【0028】ヒドロシラン化合物を炭素‐炭素二重結合
に反応させる段階で遷移金属錯体の触媒を必要とする。
遷移金属錯体触媒としては、白金・ロジウム・コバルト
・パラジウムおよびニッケルから選ばれたVIII族遷移金
属錯体化合物が有効に使用される。このヒドロシリル化
反応は50〜150℃の任意の温度で達成され、反応時
間は1〜10時間程度である。 (II) シリル基含有ビニル系樹脂の他の製造方法は、
式、 (式中、Rは炭素数1〜10までのアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、
は重合性二重結合を有する有機残基、Xはハロゲ
ン、アルコキシ、アシロキシ、アミノキシ、フェノキ
シ、チオアルコキシ、アミノ基より選ばれる基、nは
1、2、3の整数である。) で示されるシラン化合物と各種ビニル系化合物をラジカ
ル重合することにより製造される。
【0029】本発明に使用されるシラン化合物として
は、例えば、CH=CHSi(CH)(OCH
、CH=CHSi(CH)Cl、CH=CH
Si(OCH、CH=CHSiCl、CH
=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
、CH=CHCOO(CHSi(OCH
、CH=CHCOO(CHSi(CH)C
、CH=CHCOO(CHSiCl、C
=C(CH)COO(CHSi(CH
(OCH、CH=C(CH)COO(C
Si(OCH、CH=C(CH)C
OO(CHSi(CH)Cl、CH=C
(CH)COO(CHSiCl、CH=C
H−CH−O(CO)−ph−(CO)O(CH
−−Si(CH)(OCH、CH=CH−
CH−O(CO)−ph−(CO)O(CH
−Si(OCH、CH=CH−CH−O(C
O)−ph−(CO)O(CH−−Si(C
)Cl、CH=CH−CH−O(CO)−p
h−(CO)O(CH−−SiCl等が挙げら
れる。
【0030】これらのシラン化合物は種々の方法により
合成されるが、例えばアセチレン、アリルアクリレー
ト、アリルメタクリレート、ジアリルフタレートとメチ
ルジメトキシシラン、メチルジクロルシランとをVIII族
遷移金属の触媒下で反応させることにより製造すること
ができる。
【0031】本発明に使用されるビニル系化合物として
は、前記(I)法でビニル系樹脂合成時に用いられる化
合物を使用することが可能であるが、(I)法に記載さ
れた以外に2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2‐ヒドロキシビニルエーテル等の水酸基を含むビ
ニル系化合物も可能である。
【0032】これらビニル系化合物とシラン化合物の共
重合体の合成は、通常の溶液重合法で行われる。ビニル
系化合物、シラン化合物、ラジカル開始剤、たとえばラ
ウロイルパーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ‐t‐ブチルパーオ
キサイド、t‐ブチルヒドロパーオキサイド、t‐ブチ
ルパーオキシイソブチレートなどのような有機過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾイソブチルバレ
ロニトリルなどのようなアゾ化合物があげられる。又、
分子量300〜30,000のシリル基含有共重合体を
得るために必要に応じてn‐ドデシルメルカプタン、t
‐ドデシルメルカプタンの如き連鎖移動剤を加え50〜
150℃で反応させる。溶剤は、使用しても、しなくて
もよいが、使用する場合はエーテル類、炭化水素類、酢
酸エステル類の如き非反応性の溶剤の使用が好ましい。
【0033】この様にして得られたシリル基含有ビニル
系樹脂は、(I)法と同様の方法で加水分解性基を変換
することが可能である。
【0034】本発明のシリル基含有ビニル樹脂は、大気
中にばく露されると常温で網状組織を形成し硬化する。
この場合の硬化速度は大気温度、相対湿度および加水分
解性基の種類により変化するので、使用にあたっては特
に加水分解性基の種類を充分考慮する必要がある。
【0035】本発明のシリル基含有ビニル系樹脂を硬化
させるにあたっては、硬化促進剤を使用しても、しなく
ともよい。硬化促進剤を使用する場合は、アルキルチタ
ン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ラウレート等の
如きカルボン酸の金属塩、ジブチルアミン‐2‐ヘキソ
エート等の如きアミン塩ならびに他の酸性触媒および塩
基性触媒が有効である。これら硬化促進剤の添加量は、
該樹脂に対し0.01〜10重量%で使用するのが好ま
しい。
【0036】かかる量の硬化促進剤を添加したシリル基
含有アクリル系共重合体樹脂溶液からなるクリアーコー
ティング材を、下塗り材として用いると、その塗膜が容
易にシロキサン系重合による架橋を形成するので、物質
表面の水酸基とシラノール基の反応、樹脂内、樹脂間で
の安定した脱水縮合、脱アルコール縮合が進行し、した
がって、無触媒時に比べ各種耐久性にすぐれた塗膜を得
ることができる。なお、本発明においてシリル基含有ア
クリル系共重合体樹脂とは、アクリル樹脂の主鎖にシリ
コン官能基を導入したものを意味し、これは空気中など
の水分との反応によってSi−O−Siの安定なシロキ
サン結合を形成するものである。
【0037】次に、本発明における中塗り材としては、
クリアーコーティング材の主成分としてのアルド基若し
くはケト基を含有するカルボニル基含有共重合体樹脂の
水性分散液が用いられ、好ましくは、エチレン性不飽和
カルボン酸0.1〜5重量%、(メタ)アクリル酸の炭
素数1〜10のアルキルエステル85〜99.4重量
%、アルド基若しくはケト基を含有するカルボニル基含
有不飽和単量体0.5〜10重量%、及びこれらの各単
量体以外の他の不飽和単量体0〜5重量%からなる単量
体混合物の乳化重合によって得られた共重合体樹脂の水
性分散液が用いられ得る。
【0038】中塗り材としては、防水機能、耐候性、上
塗り塗料適性つまり耐溶剤性、および下塗り材への密着
力が特に重要となる。本発明による中塗り材の防水機能
は、数μmから数十μmの顔料や体質顔料を含まないク
リヤーコートであるとともに、塗膜の伸び、特にゼロス
パン法での伸びの点においてすぐれている。さらに本発
明では40μm厚さで0.5〜2.0mmの伸びを防水性
の面から実現し得る。
【0039】本発明において中塗り材の伸びをゼロスパ
ン法にて規定したのは、躯体に発生するクラック幅が特
異現象を除くと、おおよそ0.5mm以内にあり、また発
生したクラックの年間変動量は約0.1mmであることよ
り、これらの変化に耐えるには塗膜厚に関係無くJIS
A6021及び6910に規定されている塗料について
1〜2mm程度の伸びが必要となるためである。
【0040】通常、改修を行うタイル壁面は、タイルの
耐久性から相当の年数を経過しており、建物自体の劣化
やタイル面の劣化から、漏水対策も重要な項目で防水性
の付与は外観とともに大切である。
【0041】エチレン性不飽和カルボン酸量が少なすぎ
ると、下地への密着性が低下する。逆に、そのエチレン
性不飽和カルボン酸量が多すぎると、生成共重合体樹脂
の親水性が高くなりすぎて、皮膜の耐水性が低下した
り、アルカリ増粘性が強くなり作業性に影響する。
【0042】また、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜1
0のアルキルエステル量が少なすぎると、生成共重合体
樹脂の耐候性が低下したり、防水性に必要なゼロスパン
法での伸びを得る為の塗膜硬さの調節が難しくなる。逆
に、そのアルキルエステル量が多すぎると、生成共重合
体樹脂中の官能基が減少する為に、中塗り材の下塗り材
に対する密着性が悪くなったり、架橋性への影響が出
る。
【0043】また、アルド基若しくはケト基を含有する
カルボニル基含有不飽和単量体量が少なすぎると、共重
合体樹脂中のアルド基又はケト基の含有量が少なくなり
すぎて、ヒドラジド誘導体との架橋密度が低下し、中塗
り材の耐水性、耐溶剤性、下地への密着性が悪くなる。
逆に、カルボニル基含有不飽和単量体量が多すぎると、
架橋密度が上がり、塗膜が硬くもろくなってくる。本発
明の塗膜は、クリヤーにて使用する為、着色塗膜と違
い、紫外線劣化を受け易く、塗膜の耐久性の面からも架
橋樹脂皮膜が必要となる。
【0044】また、他の不飽和単量体量が多すぎると、
例えば、スチレン系単量体、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、エチレン、酸基以外の官能性単量体があるが共重
合体樹脂の耐候性を低下させたり、耐水性の低下を招
く。
【0045】重合に用いられるエチレン性不飽和カルボ
ン酸は、モノカルボン酸であっても、多価カルボン酸で
あってもよいが、好ましくは3〜5個の炭素原子を有す
るモノ若しくはジオレフィン性不飽和カルボン酸であ
る。特に好ましいのは、アクリル酸、メタクリル酸及び
イタコン酸である。
【0046】重合に用いられるアルド基若しくはケト基
を含有するカルボニル基含有不飽和単量体は、分子内に
少なくとも1個のアルド基若しくはケト基と、1個の重
合性の二重結合とを有する単量体、すなわちアルド基若
しくはケト基にもとづくカルボニル基を含有する不飽和
単量体である。
【0047】アルド基若しくはケト基を含有するカルボ
ニル基含有不飽和単量体の具体例としては、たとえばア
クロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチ
ロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケ
トン(たとえばビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルブチルケトンなど)、一般式
【0048】
【化1】 (式中、Rは水素原子又はCH、Rは水素原子又
は炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数1〜3のア
ルキル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表わされるアクリル(若しくはメタクリル)オキシア
ルキルプロペナール、ジアセトンアクリレート、アセト
ニルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2‐ヒ
ドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブ
タンジオール1,4‐アクリレートアセテートなどがあ
げられる。
【0049】乳化重合に用いられる重合開始剤は、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの無
機過酸化物が好ましい。これらの無機過酸化物には、還
元剤を併用してレドックス開始剤とし用いてもよい。
【0050】その乳化重合には、乳化剤を使用して水溶
性の重合開始剤により重合を行わせる方法、ソープフリ
ー重合により重合を行わせる方法等が用いられる。
【0051】その乳化剤としては、各種のアニオン性、
カチオン性及びノニオン性の乳化剤があるし、また高分
子乳化剤もある。特に好ましい乳化剤は、本発明者ら
(一部)の発明に係る特許出願の公開公報である特開昭
64−48801号公報に記載されているカルボニル基
含有高分子乳化剤である。
【0052】乳化重合における単量体の供給方法は、種
々の方法を用いることができる。たとえば一括仕込方
法、単量体添加法、エマルジョン添加法等の種々の方法
を用いることができる。また、添加する単量体の組成を
逐次に変化させるシード重合法、又はパワーフィード重
合法等も、場合によっては用いることができる。
【0053】以上の乳化重合によって得られたようなア
ルド基若しくはケト基を含有するカルボニル基含有共重
合体樹脂の水性分散液に、分子中に少なくとも2個のヒ
ドラジノ基(−NHNH)を有するヒドラジン誘導体
を添加すると、本発明で中塗り材として用いる架橋性樹
脂水性分散液系のクリアーコーティング材が得られる。
この場合に、前記のカルボニル基含有共重合体樹脂の分
散液に、それ以外の共重合体樹脂の水分散液を併用する
ことも可能である。その他の分散液を併用する際はカル
ボニル基含有共重合体樹脂の分散液が固形分比で25重
量%以上となるようにするのが耐候性、耐溶剤性、耐水
性等の面から望ましい。
【0054】その分子中に少なくとも2個のヒドラジノ
基を有するヒドラジン誘導体としては、たとえば2〜1
0個、特に4〜6個の炭素原子を有するジカルボン酸ジ
ヒドラジド(たとえば蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒ
ドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラ
ジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジ
ド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、
イタコン酸ジヒドラジドなど)、2〜4個の炭素原子を
有する脂肪族水溶性ジヒドラジン(たとえばエチレン‐
1,2‐ジヒドラジン、プロピレン‐1,3‐ジヒドラ
ジン、ブチレン‐1,4‐ジヒドラジンなど)があげら
れる。
【0055】また、一般式
【0056】
【化2】 (式中、Xは水素原子又はカルボキシル基であり、Yは
水素原子又はメチル基であり、Aはアクリルアミド、メ
タクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル及び無水マレイン酸から選ばれた不飽和単量体の
単位であり、Bはアクリルアミド、メタクリルアミド、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル及び無水
マレイン酸から選ばれた不飽和単量体の単位である。ま
た、k及びnは下記の各式 2モル%≦k≦100モル% 0モル%≦(m+n)≦98モル% (k+m+n)=100モル% を満足する数を示す。)で表わされるポリマーも、その
ヒドラジン誘導体として使用することができる。かかる
ヒドラジノ基を有するポリマーは、たとえば特開昭55
−6535号公報に記載されている。
【0057】本発明で中塗り材用に用いる架橋性樹脂水
性分散液系のクリアーコーティング材におけるヒドラジ
ン誘導体の配合割合は、アルド基若しくはケト基にもと
づくカルボニル基とヒドラジノ基との比が、(>C=
0)/(−NHNH)モル比で好ましくは0.2〜
5.0、より好ましくは0.3〜2.0になる割合であ
る。そのヒドラジノ基の割合が少なすぎる中塗り材塗膜
における共重合体樹脂相互間の架橋密度が低くなるため
に、塗膜の充分な耐溶剤性や耐水性が得られないし、そ
の割合が多すぎても、それに見合う耐水性の向上効果が
得られないばかりでなく、中塗り材塗膜が不透明で、か
つもろくなる。そして、塗膜が不透明になると、改修後
のタイル壁面はタイル色彩が不鮮明になる。
【0058】本明細書に記載の「クリアーコーティング
材」とは、顔料濃度(PWCと略記)、すなわちコーテ
ィング材の全固形分重量に対する顔料の総重量が1%以
下である、顔料を実質的に含まない透明なコーティング
材を意味するものである。
【0059】上塗り材としては、常温架橋型樹脂溶液よ
りなるクリアーコーティグ材が用いられ得る。特に、シ
ロキサン架橋型アクリル系共重合体樹脂溶液または/或
いはイソシアナート基を有する化合物と反応するポリア
クリルポリオールまたは/或いは活性水素原子含有有機
溶媒可溶型フッ素樹脂を主成分とし、通常アクリルシリ
コン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂
塗料と称されるものが好ましく用いられ得る。
【0060】上塗り材は、耐候性、耐久性、耐水性、耐
汚染性、タッチアップ補修性、さらに中塗り材の防水性
よりくる柔軟皮膜上に塗布される為適度の柔軟性と前述
要求品質を満足させるために、架橋型樹脂が必要とな
る。非架橋タイプでは、柔軟性または塗膜品質の両者を
満足させるには無理がある。
【0061】アクリル‐ウレタン樹脂は、クリヤー皮膜
耐久性は、およそ15年、エナメル皮膜で約7年、耐汚
染性、すぐれ、価格は適度、フッ素樹脂は、クリヤー皮
膜耐久性は、およそ25年、エナメルでおよそ20年、
とすぐれるが、耐汚染性はやや汚れ易く、価格が高くな
る。また、タッチアップ補修性に問題がある。これらに
対し、シリル基含有樹脂は、クリヤー皮膜耐久性、20
〜25年、エナメルでおよそ15年、耐汚染性は、アク
リル‐ウレタンに次ぐ性能を示し、価格は、アクリル‐
ウレタンと、フッ素樹脂の中間にある為、シリル基含有
樹脂溶液を使用することが好ましい。この場合のシリル
基含有樹脂溶液は、本発明の下塗り材の項で記述した方
法で製造されるが皮膜の柔軟性において次の品質を具備
していることが好ましい。
【0062】本発明における上塗り材の場合該共重合体
の伸びが塗膜厚30μmの時のゼロスパン法で0.1mm
以下であると中塗り材の日間温度変化に対応した伸び変
化量に追従出来ないために上塗り層にクラックが生じ、
経時後塗膜全体に割れが生じ防水性能を低下するため、
ゼロスパン法による伸び量は0.1mm以上が好ましく、
より好ましくは0.2mm以上である。しかしながら伸び
量が0.5mm以上であるとアクリル系共重合体特有の粘
性のため耐汚染性が低下することより0.5mm以下、好
ましくは0.4mm以下であり、そのガラス転移点は30
〜60℃、好ましくは35〜50℃である。
【0063】以上詳述した下塗り材用及び上塗り材用の
シリル基含有アクリル系共重合体樹脂溶液を主成分とす
るクリアーコーティング材と、中塗り材用の架橋性樹脂
水性分散液系のクリアーコーティング材とを用いてタイ
ル壁面を改修するには、通常、まず予備処理としてその
改修をすべきタイル壁面に下地処理を施すのが望まし
い。その下処理には、タイル壁面の状態等に応じて種々
の公知従来工法が用いられる。たとえば、タイルの破損
等がある場合には、タイルの部分的な張替え、クラック
処理、伸縮目地処理、エポキシ樹脂注入等のタイル外装
壁面の補修処理をしたのち、高圧水洗、または薬剤洗浄
をしてから充分に乾燥させる。特に、エポキシ樹脂注入
によりエポキシ樹脂で汚染したタイルがある場合にはそ
の汚染したエポキシ樹脂を溶剤によって完全に除去して
おくのが望ましい。また、クラック部や目地部よりエフ
ロレッセンス(白革)が発生している場合には、そのエ
フロレッセンスを、下地を傷つけないようにスクレーパ
ーなどで除去後、5%塩酸水(またはそれに相当する弱
酸性洗浄剤)で溶解・除去したのち、水洗してから乾燥
しておく。なお、目地部に多量の塩酸水が浸透すると目
地モルタルやタイル裏面のモルタルの強度が低下するの
で、塩酸水等による処理作業は充分な注意をする必要が
ある。水洗後の乾燥は、晴天時に2日以上放置して行わ
せるのが好ましい。下地処理し水洗・乾燥後のタイル壁
面には、次いで前述の下塗り材、すなわちシリル基含有
アクリル系共重合体樹脂溶液よりなるクリアーコーティ
ング材を塗布する。その塗布方法としては種々の方法、
たとえばハケ塗り、ローラー塗布法、スプレー法等を用
いることができる。シンナーは使用してもよいし、使用
しなくてもよい。塗布量は、乾燥塗膜厚で3〜20μ
m、好ましくは5〜15μmである。
【0064】前記の下塗り材の塗布乾燥膜上に、次いで
前述の中塗り材、すなわち架橋性樹脂水性分散液系のク
リアーコーティング剤を塗布する。その塗布方法として
は種々の方法を用いることができ、たとえばローラー塗
布法、スプレー塗布法等が用いられる。塗布量は、乾燥
塗膜厚で20〜80μm、好ましくは30〜70μmで
ある。また、壁面のクラック防止のためには、後述する
亀裂追従性が塗膜厚さ40μの時にゼロスパン法で0.
5〜2.0mmであることが好ましく、作業性の観点から
B型回転粘度計での測定で回転数6rpm の時に粘度1
5,000〜10万cps 、好ましくは30,000〜8
0,000cps 、または回転数6rpm と60rpm の時の
粘度の比が5〜7が好ましい。
【0065】次いで、前記の中塗り材の塗布乾燥塗膜上
に、再び前述の上塗り材、すなわちウレタン結合及びシ
ラノール結合する架橋型アクリル系共重合体樹脂溶液の
クリアーコーティング材を塗布する。好ましくはシラノ
ール含有アクリル系共重合体樹脂溶液を用いる。その塗
布方法としては種々の方法を用いることができ、たとえ
ばハケ塗り、ローラー塗布方法、スプレー塗布方法等を
用いることができる。シンナーは使用しても、しなくて
もよいが、表面仕上がりをよくするためにはシンナーを
使用するのが望ましい。塗布量は、1回の塗布で乾燥塗
膜厚で10〜40μm、好ましくは15〜30μm、塗
布し2回以上塗布して20〜80μmである。なお、下
塗り材・上塗り材は共にシリル基含有アクリル系共重合
体樹脂溶液が好ましく、また上塗り材は下塗り材と同一
組成物であってもなくてもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明のタイル壁面の改修方法は、下記
の通りのすぐれた効果が得られる。 (1) シリル基含有アクリル系重合体樹脂溶液を主成分
とするクリアーコーティング材で下塗りされているか
ら、塗膜の目地モルタル表面、及びタイル壁面への接着
力がすぐれ、塗膜のはがれを起さない。 (2) その塗膜がカルボニル基とヒドラジノ基間の架橋
結合が形成される架橋性アクリル樹脂水性分散液で中塗
りすることより、長期にわたって伸び特性を消失するこ
とがなく、クラックへの追従性にすぐれ、主骨格がアク
リル共重合体であるため耐久性にすぐれることより、防
水性、耐水性、耐候性を長期保持することが出来る。 (3) ウタレン結合またはシラノール結合するアクリル
系重合体樹脂溶液を主成分とするクリアーコーティング
材で上塗りを行った場合にあっては、これが中塗り材の
柔軟性に追従し、耐久性にすぐれると同時に耐汚染性に
すぐれる。 (4) 下塗り材、中塗り材及び上塗り材とも架橋性樹脂
のクリアーコーティング材からなるので、その塗膜は全
体としても透明であり、かつ耐久性にすぐれ、改修後の
下地タイル壁面をそのまま透視できるから、タイルの張
替えと全く変らない外観に改修することができる。 (5) 下塗り材が塗膜の接着強度を高め、中塗り材が防
水性、耐水性及び亀裂追従性、耐候性を高め、さらに上
塗り材を塗装した場合、耐候性や汚染防止性をさらに向
上させるから、タイル壁面にクリヤー樹脂塗料を単に塗
布する簡単な方法で、防水性を付与すると同時にタイル
を全面的に張り替えたと同程度の性能及び外観を有する
状態に改修することができ、タイル張り替えの費用と手
間が大幅に節減される。
【0067】
【実施例】以下に、共重合体樹脂分散液製造例、実施例
及び比較例をあげてさらに詳述する。これらの例におい
て記載の「%」ならびに「部」は特に断らない限り重量
基準である。
【0068】下塗り材を以下の処方にて調製した。
【0069】90℃に過熱した1000gのキシレン中
に、メタクリル酸メチル410g、メタクリル酸n‐ブ
チル150g、アクリル酸ブチル200g、CH=C
(CH)COO(CHSi(OCH20
0g、無水マレイン酸40g、n‐ドデシルメルカプタ
ン40gにアゾビスイソブチロニトリル20gを溶かし
た溶液を2時間かけて滴下後、更に10時間反応させ固
形分49.7%で、分子量23,000、ガラス転移点
52.3℃のシリル基含有アクリル系共重合体溶液(重
合体−A)を得た。
【0070】重合体−A200gにトルエン400g、
キシレン400g、シラノール縮合触媒としてジブチル
錫ジラウレート1gを加え下塗り材とした。
【0071】下塗り材を以下の処方にて作成した。
【0072】90℃に過熱した1000gのキシレン中
に、メタクリル酸メチル310g、メタクリル酸n‐ブ
チル250g、アクリル酸ブチル250g、CH=C
(CH)COO(CHSi(OCH20
0g、無水マレイン酸40g、n‐ドデシルメルカプタ
ン40gにアゾビスイソブチロニトリル20gを溶かし
た溶液を2時間かけて滴下後、更に10時間反応させ固
形分49.7%で、分子量23,000、ガラス転移点
37.6℃のシリル基含有アクリル系共重合体溶液(重
合体−C)を得た。
【0073】重合体−C200gにトルエン400g、
キシレン400g、シラノール縮合触媒としてジブチル
錫ジラウレート1gを加え下塗り材とした。
【0074】上塗り材を以下の処方にて作成した。
【0075】90℃に過熱した1000gのキレシン中
に、メタクリル酸メチル410g、メタクリル酸n‐ブ
チル100g、アクリル酸ブチル250g、CH=C
(CH)COO(CHSi(OCH20
0g、無水マレイン酸40g、n‐ドデシルメルカプタ
ン40gにアゾビスイソブチロニトリル20gを溶かし
た溶液を2時間かけて滴下後、更に10時間反応させ固
形分49.6%で、分子量25,000、ガラス転移点
46.3℃のシリル基含有アクリル系共重合体溶液(重
合体−B)を得た。
【0076】重合体−B800gにトルエン200g、
シラノール縮合触媒としてジブチル錫ジラウレート1g
を加え上塗り材とした。
【0077】中塗り材の共重合体樹脂分散液製造例A温
度調節器、いかり型攪拌器、還流冷却器、供給容量、温
度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器内を窒素ガス
置換したのち、下地組成の乳化剤溶液を装入した。
【0078】 水 180部 エチレンオキサイド20モル付加p‐ノニルフェノ ールの硫酸半エステルエステルナトリウム塩(「ア ニオン性乳化剤A」という)の35重量%水溶液 5部 エチレンオキサイド25モル付加p‐ノニルフェノ ール(「非イオン性乳化剤B」という)の20重量 %水溶液 20部 別に、供給物Iとして下記の混合物を用意した。
【0079】 水 200部 前記のアニオン性乳化剤Aの35重量%水溶液 25部 メタクリル酸メチル 230部 アクリル酸 10部 ジアセトンアクリルアミド 15部 アクリル酸n‐ブチル 230部 さらに、別に、水85部に過硫酸カリウム2.5部を溶
解した開始剤水溶液を用意した。
【0080】前記の乳化剤溶液を装入した反応器内に、
前記の供給物Iの10%を加え、90℃に加熱したの
ち、前記の開始剤水溶液の10%を注入した。次いで、
供給物Iの残り、及び開始剤水溶液の残りを、3〜3.
5時間かけて徐々に一様に供給して反応させ、その供給
終了後なお1.5時間90℃に保って乳化重合を行っ
た。乳化重合終了後、アンモニア水(28%)を加え
て、pH8に調整し、ケト基を含有するカルボニル基含
有共重合体樹脂の水性分散液を得た。この樹脂分散液は
樹脂固形分48重量%、樹脂の最低造膜温度が21℃で
あった。
【0081】次いで、このカルボニル基含有共重合体樹
脂の水性分散液に、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジ
ドを、ケト基にもとづく>C=0/−NHNHモル比
が1/1になるように加えた。これを「樹脂分散液A」
という。
【0082】共重合体樹脂分散液製造例B 単量体として、メタクリル酸メチル230部、アクリル
酸10部、及びアクリル酸2‐エチルヘキシル245部
の混合物を使用し、製造例Aの方法に準じて乳化重合さ
せ、共重合体樹脂水性分散液を得た。その樹脂固形分含
有量が50重量%であり、樹脂の最低造膜温度が0℃で
あった。これを「樹脂分散液B」という。 実施例−1 下塗り材として、シラノール基含有樹脂溶液、前述の下
塗り材−を、内装用の白色施釉タイル板及び赤色施釉
タイル板(共に100mm角)面に、乾燥膜厚7μmにな
るように、ハケ塗りし、室温で1時間放置して乾燥させ
た。
【0083】また、中塗り用クリアーコーティング剤と
しては、前記の製造例Aで得られた樹脂分散液Aと、前
記の製造例Bで得られた樹脂分散液Bとを樹脂固形分重
量比で70/30の割合で混合水を加えて、樹脂固形分
濃度45重量%にした樹脂水性分散液に、造膜助剤とし
てテキサノールを5重量%、消泡剤としてノプコ803
4(サンノプコ株式会社商品名)を0.3重量%、増粘
剤としてラテコールD(三菱油化バーディッシェ株式会
社商品名)を8重量%加え(なお、これらの添加量の重
量%は前記の混合樹脂水性分散液に対する重量%であ
る。)、粘度が35000cps (B型回転粘度計を用い
て測定)及び回転数6rpm と60rpm で測定した粘度の
比が5.3の樹脂水性分散液を使用する。
【0084】上記にて調整した中塗り材を、乾燥塗膜厚
が20μmになるようにローラーにて塗布し、3時間放
置後、更に中塗り材を、同様にして20μm塗布後16
時間放置し、次いでその上に上塗り材として、前述の製
造例記載の上塗り材(シリル基含有樹脂溶液)を乾燥膜
厚30μmとなる様塗装し、2週間室温放置後各種試験
に供した。
【0085】亀裂追従性のゼロスパン法は他の試験片を
作り測定した。測定結果を表−1に示す。 実施例−2 下塗り材−を膜厚10μm 中塗り材として、樹脂分散液−AとBの30/70混合
し、水を加えて、樹脂固形分濃度45重量%にした樹脂
分散液に、造膜助剤として、テキサノール5重量%、ブ
チルセロソルブ3重量%及びノプコ8034(実施例−
1と同じ消泡剤)0.4重量%加え、粘度77000cp
s 、回転数6rpm と60rpm の比6.5の樹脂分散液を
使用し、60μm塗布した。
【0086】上塗り材は、実施例−1と同じで30μm
厚さとした。 実施例−3 実施例−1において上塗り材を藤倉化成株式会社製アク
リルウレタン塗料(商品名アクレタンC#300クリア
ー;複層弾性塗材用トップコート:ガラス転移点55
℃:30μm時ゼロスパン法伸び0.25mm)に代えて
実施例−1にします同様にして塗装し試験に供した。試
験結果を表−1に示す。 実施例−4 実施例−1において上塗り材を藤倉化成株式会社製フッ
素樹脂塗料(商品名フジフロン#30クリアー;複層弾
性塗材用トップコート:ガラス転移点60℃:30μm
時ゼロスパン法伸び0.20mm)に代えて実施例1にし
ます同様にして塗装し試験に供した。試験結果を表−1
に示す。 実施例−5 漏水事故の発生したレスモルタル下地モザイクタイル張
り壁面に実施例−1同様にして作成した塗料を用いて横
6m、縦3mの壁面を各工程とも中毛ウーローラーにて
塗装し、1ケ月経過後1.5×1.5m2 の壁面を1区
画として約1mの距離より100Kg/cm2 の吐出圧力に
て5分間万遍に散水し、裏面への漏水状況を目視及び指
触にて確認した処、最大幅0.5mmのクラックが存在し
たにも拘らず透水は認められなかった。一方同時に同面
積を中塗りを使用しない工程にて塗装した面、及び浸透
性吸水防止材を塗布した面を用意し同様に試験したがい
ずれの面からも漏水が認められた。 比較例−1 実施例−1の方法において、上塗り塗装を省略し、その
ほかは実施例−1と同様にしてタイル面に塗装し、同様
にしてその塗膜物性を試験した。結果は表1に示すとお
りであった。 比較例−2 実施例−1の方法において、中塗り塗装を省略し、その
ほかは実施例−1と同様にしてタイル面に塗装し、同様
にしてその塗膜物性を試験した。その結果は表1に示す
とおりであった。 比較例−3 実施例−1の方法において、下塗り塗装を省略し、その
ほかは実施例−1と同様にしてタイル面に塗装し、同様
にして塗膜物性を試験した。その結果は表1に示すとお
りであった。 比較例−4 中塗り材として、実施例−1で用いた中塗り用のクリア
ーコーティング材に酸化チタンを加えて、顔料重量濃度
(PWC)が10%になるように調製した非クリアー系
コーティング材を使用し、そのほかは実施例−1と同様
にしてタイルを塗装した。 比較例−5 中塗り材として、前記の製造例Aで得られた樹脂分散液
Aと、前記の製造例Bで得られた樹脂分散液Bとを20
/80の重量比で混合した樹脂分散を用い、そのほかは
実施例−1の場合と同様にして調製した。 比較例−6 中塗り材として、前記の製造例Bで得られた樹脂水性分
散液Bを使用する他は、実施例−1と同様にする。 比較例−7 中塗り材として、前記製造例Aで、単量体として、メタ
クリル酸メチル200部、アクリル酸10部、ジアセト
ンアクリルアミド15部、アクリル酸2‐エチルヘキシ
ル260部を用いる他は、実施例−1と同様にする。な
お、中塗りのゼロスパン法伸びは3.0mmである。 比較例−8 実施例−1で、下塗り材中のシリル基成分を全量メタク
リル酸n‐ブチルに使用する以外は同様にする。 比較例−9 90℃に過熱した1000gのキシレン中に、メタクリ
ル酸メチル610g、メタクリル酸n‐ブチル75g、
アクリル酸ブチル75g、CH=C(CH)COO
(CHSi(OCH200g、無水マレイ
ン酸40g、n‐ドデシルメルカプタン40gにアゾビ
スイソブチロニトリル20gを溶かした溶液を2時間か
けて滴下後、更に10時間反応させ固形分49.8%
で、分子量33,000、ガラス転移点71.5℃のシ
リル基含有アクリル系共重合体溶液(重合体−D)を得
た。
【0087】重合体−D200gにトルエン400g、
キシレン400g、シラノール縮合触媒としてジブチル
錫ジラウレート1gを加え下塗り材とした。
【0088】中塗り材は実施例−1にて作成した塗料を
使用した。
【0089】重合体−D400gにトルエン100g、
シラノール縮合触媒としてジブチル錫ジラウレート1g
を加え上塗り材とした。
【0090】
【表1】 各試験項目の詳細は以下の通りである。 付着性 塗膜にナイフで碁盤目状(約2mm角100個)の切れ目
を入れ、粘着性セロファンテープを貼り、垂直方向に剥
離後、タイル面に残った塗膜数を数えて分子数で表示す
る。 耐水テスト後の付着性 20℃水中に10日間浸漬後、恒温恒湿室にて24時間
乾燥し、碁盤目セロテープテストを行う。 透水性 JIS A−6910 5.10による。 耐汚染性Y値 灯油燃焼時に発生する油煙を、試料を取り付けた回転ド
ラムに導入し1時間暴露する(内温70℃)。暴露後エ
アーブローを行いY値を測定する。
【0091】汚染回復率=試験後Y1 ÷試験前Y0 にて
判定する。 上塗り性 被試験タイル5個への塗布後、膨潤変形を目視観察し、
下記の基準で評価した。 良好:膨潤変形したのが1個以下である。
【0092】不良:膨潤変形したのが2個以上である。 促進バクロ(2000HR) サンシャインウェザーメーター2000HR時の光沢保
持率及び表面の目視判定による。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイル壁面の改修に際し、改修すべきタイ
    ル化粧面上に、下塗り材、防水機能を有する中塗り材、
    および上塗り材をこの順序で順次塗装する防水塗膜形成
    方法であって、 前記下塗り材が、シリル基含有アクリル系共重合体の樹
    脂溶液を主成分とするクリアーコーティング材からな
    り、 前記中塗り材が、アルド基もしくはケト基を含有するカ
    ルボニル基含有アクリル系共重合体の水性分散液に、分
    子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有するヒドラジ
    ン誘導体を加えた架橋性樹脂水性分散液のクリアーコー
    ティング材からなることを特徴とする、タイル壁面の改
    修方法。
  2. 【請求項2】上塗り材が、架橋型樹脂溶液よりなるクリ
    アーコーティング材からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】下塗り材が、(メタ)アクリル酸の炭素数
    1〜10のアルキルエステル90〜96重量%、シリル
    化合物成分4〜10重量%、およびこれらの各単量体以
    外の他の不飽和単量体0〜5重量%からなる単量体混合
    物の溶液重合によって得られた共重合体樹脂溶液であっ
    て、ガラス転移点が70℃以下の溶液からなる、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】中塗り材が、エチレン性不飽和カルボン酸
    0.1〜5重量%、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜1
    0のアルキルエステル85〜99.4重量%、アルド基
    もしくはケト基を含有するカルボニル基含有不飽和単量
    体0.5〜10重量%、およびこれらの各単量体以外の
    他の不飽和単量体0〜5重量%からなる単量体混合物の
    乳化重合によって得られたカルボニル基含有アクリル系
    共重合体樹脂を含有する共重合体樹脂水性分散液からな
    る、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】上塗り材が、ウレタン結合およびシラノー
    ル結合する架橋型の樹脂溶液からなる、請求項1、2ま
    たは3に記載の方法。
  6. 【請求項6】上塗り材が、イソシアナート基を有する化
    合物と反応するポリアクリルポリオールまたは/および
    活性水素原子含有有機溶媒可溶型フッ素樹脂からなるウ
    レタン樹脂クリアー塗料または/およびフッ素樹脂クリ
    アー塗料からなり、塗膜厚30μm時のゼロスパン法に
    よる伸びが0.1〜0.5mmである、請求項1に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】上塗り材が、請求項2に記載のものからな
    り、ガラス転移点が30〜60℃、塗膜厚30μm時の
    ゼロスパン法による伸びが0.1〜0.5mmである、請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
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