JPH063324U - 体側当て具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 床面上に位置する底面部２４およびこの底面
部２４に対して傾斜し横臥時の体側に当接する斜面部２
２を有する繊維製の袋状部材１０と、この袋状部材１０
に充填されて前記斜面部２２の形状を維持するためのプ
ラスチック充填材４０とを備えた。 【効果】 体側当て具１０は楔形状となっているので、
ベッド４６の表面と体側との間にピッタリとフィットし
ている。このため、体側でこの体側当て具１０を押して
も、簡単に横へ押しやられることはない。また、袋状部
材１０の中に軽量プラスチック充填材が充填されている
ので、この体側当て具１０は程よく圧縮されることにな
る。このため、体側当て具１０は圧縮されすぎることも
ないので支持物として用をなし、また全く圧縮されずに
反撥するようなこともないために横に転がされて外れて
しまうということもない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

成人、或いは、幼児が脇腹を下にして支持表面上に横たわっているその身体を 支えるのを助ける体側当て具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

成人の患者、或いは、幼児が仰向きに転がったり、又は、胃を圧迫するように 転がったりするのを防ぐために、横臥位置に於いて、脇腹で体を支えるための再 使用可能な補助具の必要性があった。時として、患者、或いは、幼児は、ことに 睡眠中に於いて自分達の身体を充分にコントロールする事が出来ない。成人の患 者を一方の脇腹を下にした状態にして、負傷した腕や脇腹に圧力が掛かるのを避 ける場合や、単に代替え位置として、床ズレの発生を少なくする事が望ましい場 合がある。赤ん坊の場合には、赤ん坊が仰向けに寝ている場合には、お腹は完全 には空いていない事が知られており、吐き戻しや異物の吸引の危険がある。しか し、幼児が脇腹を下にして寝ている場合には前記危険性は減少する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

患者が転がるのを防ぐためのサポート（支持物）を提供する試みで通常の枕が 一般的には使われている。複数の枕を備える事が時として必要になり、その時で さえ、枕は一般的には、柔らかく、圧縮可能で、支持材としては欠けているので 、それらはそれ程効果的ではない。それらを束ねて患者に当てがっても、枕は簡 単に動いて元の束ねていない状態へと戻る傾向があるという問題点があった。

【０００４】 布のお襁褓やタオルを丸め、或いは、折り畳んで、患者に当てがう事が出来る が、それらはまだ圧縮可能であり、転がったり、外れてしまったりしがちである という問題点があった。

【０００５】 本考案は、脇腹を下にして寝ている患者や幼児に改良されたサポート（支持物 ）を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために、本考案にあっては、床面上に位置する底面 部およびこの底面部に対して傾斜し横臥時の体側に当接する斜面部とを有する繊 維製の袋状部材と、この袋状部材に充填されて前記斜面部の形状を維持するため のプラスチック充填材とを備えた構成とするものである。

【０００７】

【作用】

体側当て具は底面部と傾斜部を有するので全体が楔形状となっており、ベッド の表面と体側との間にピッタリとフィットしている。このため、体側でこの体側 当て具を押しても、簡単に横へ押しやられることはない。また、袋状部材の中に プラスチック充填材が充填されているので、この体側当て具は程よく圧縮される ことになる。このため、体側当て具は圧縮されすぎることもないので支持物とし て用をなし、また全く圧縮されずに反撥するようなこともないために横に転がさ れて外れてしまうということもない。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に基づいて説明する。図１ないし図３は本考案に係る体側 当て具の第１実施例を示す図である。

【０００９】 図１に示すように、繊維製の袋状部材１０は、空間を持って離れた実質的に平 行な長手方向の端部部分１４と１６とによって区切られた実質的に平らなベース （底部）パネル１２、並びに、横断方向の端部部分１８と２０とを備える。横断 方向の端部部分１８と２０は、長手方向の端部部分１４と１６の端面間に延びて いる。一対の繊維支持パネル２２と２４は、ベース・パネルの長手方向端部１４ と１６と共に延びる長手方向の端部１４と１６とを備える。支持パネル２２と２ ４とは、角度を以て互いに集束して、長手方向の端部部分１４と１６から離れた 長手方向前端部２６の処で合わさっている。すなわち、支持パネル２２（斜面部 ）は支持パネル２４（底面部）に対して傾斜している。支持パネル２２は横断方 向端部部分２８と３０とを備え、支持パネル２４は横断方向端部部分３２と３４ とを備えている。横断方向端部部分２８，３０，３２，３４は、長手方向端部部 分１４と１６の一方の端面と、前端部２６との間に延びている。

【００１０】 三角形状の側面パネル３６は、ベース・パネルの横断方向端部１８と共に延び る底部端部、並びに、ベース・パネルと前部長手方向端部部分の間に延びる１対 の支持パネルの横断方向端部部分２８と３２と共に延びる集束側端部を備えてい る。三角形状の繊維側面パネル３８は、ベース・パネルの横断方向端部２０と共 に延びる底部端部、並びに、ベース・パネルと前部長手方向端部部分の間に延び る１対の支持パネルの横断方向端部部分３０と３４と共に延びる集束側端部を備 える。ここで、「共に延びる」とは、その端部が、折り目、又は、縫い目に於け るように線上で互いに重なることを意味する。

【００１１】 ベース・パネル１２、支持パネル２２と２４、並びに、側面パネル３６と３８ は、全体が楔形状の袋形状をしている。袋状部材１０には縫い目４２から軽量プ ラスチック・フィラー材４０で充填され、また、機械洗い可能な楔形状に形成さ れている。このため、支持パネル２２は支持パネル２４に対して傾斜状態が維持 されている。なお、縫い目４２は充填後に閉ざすことが出来、さらには縫い目４ ２はまた熱シール可能な繊維をヒート・シールしてもよい。

【００１２】 図２に於いては、患者４４は、体側当て具１０を背中に対してくくりつけた状 態で、ベッド４６の表面上に脇腹を下にして寝ている。体側当て具１０は楔形状 となっているので、ベッド４６の表面と体側との間にピッタリとフィットしてい る。このため、体側でこの体側当て具１０を押しても、簡単に横へ押しやられる ことはない。また、袋状部材１０の中に軽量プラスチックフィラー材１０が充填 されているので、この体側当て具１０は程よく圧縮されることになる。このため 、体側当て具１０は圧縮されすぎることもないので支持物として用をなし、また 全く圧縮されずに反撥するようなこともないために横に転がされて外れてしまう ということもない。図３に於いては、赤ん坊が後ろに転がらないようにするため に、基本的には同じ構成で小型のもの１０が採用されている。

【００１３】 次に、本考案の第２実施例を図４に示す。図４に示すように、体側当て具４８ は、袋状部材１０に、この袋状部材１０の長手方向前端部部分２６に繊維延長パ ネル５２と５４を結合させたものである。延長パネル５２と５４とは前端部分２ ６からかなりの距離延びて、袋状部材１０を所定位置に保持する役目をする。す なわち、このパネル５２と５４は患者の下に置くための安定化パッド５０を形成 している。安定化パッド５０は、全体が矩形で、突き合わせ関係で互いに重り合 う上側層５２と下側層５４を備えた二重層となっている。

【００１４】 袋状部材１０が背中と脇腹の部分と接触した状態で、患者が安定化パッド５０ の繊維延長パネルの上に寝ているとき、患者の体重によって袋状部材１０を所定 位置に保持する。上側の繊維延長パネル５２は、上側支持パネル２２を通して、 パネル１２と２４へと連続させ、更に、延長パネル５４として前部端２６の下側 を越えて連続することも出来る。また、安定化パッド５０を作るのに、たった１ 枚の延長パネル５２、又は、５４を使うこともできる。なお、脇腹当て具４８は 、単一長さの繊維で作ることが出来、三角形端部パネル３６と３８でさえ、端部 の処で折り畳むこと、並びに、それらを、縫い目５７のように、縫い目の処で結 合することによって繊維の折り目と一体化することが出来る。

【００１５】 次に、本考案の第３実施例を図５および図６に示す。体側当て具５６は、第１ の袋状部材５８と、相対した向きで間隔を置いた第２の袋状部材６０とを備えて いる。なお袋状部材６０の袋状部材５８との同一部材には番号にａを付している 。第１と第２の袋状部材５８と６０とは、相互に平たい結合パネル６２によって 接合されて、この尖った長手方向の前端部２６，２６ａを結合している。平たい 結合パネル６２は、脇腹を下にして横たわっている妊産婦の腹部と背中に対して 、並びに、その部分的な支えに於いて揺り籠の役目もする袋状部材５８と６０を 保持するように選択された長さを有する。

【００１６】 図７において、妊産婦６４はこの頭が枕６８の上にあって、脇腹を下にしてベ ッド６６に置かれた体側当て具５６の上に寝ている。すなわち、第２の袋状部材 ６０が妊婦の腹部の部分的支えとなり、第１の袋状部材５８が脇腹と背中の下側 の部分的な支えとなっている状態で妊婦は平たい結合パネル６２上に横たわって いる。

【００１７】 図５と６に於いて、繊維製の袋状部材５８と６０は、上側と下側の支持表面２ ２，２２ａと２４，２４ａ、後ろ側パネル１２，１２ａ、並びに、三角形状の相 対する向きの端部パネル３６，３６ａと３８，３８ａとを備えている。これらの パネルは、折り畳まれ、或は、縫いつけられ、上側と下側の支持パネル２２，２ ２ａと２４，２４ａとは、それらが縫い付けられる長手方向の前端部２６，２６ ａの処で互いに向かって集束する。これらのパネルは一体となって、軽量プラス チック・ビーズが充填可能なエンクロージャー（包囲物）を形成する。

【００１８】 また、結合パネル６２は、平たい結合パネル６２として縫い合わせるか、若し くは、接合することの出来る二重層として、上側繊維層７０と下側繊維層７２で 構成することもできる。結合パネルの上側と下側層７０と７２、並びに、相対す る楔部の各々の結合パネル１２，１２ａ、２２，２２ａ、２４，２４ａは、１枚 の繊維織物から折り畳むこと、並びに、縫い合わせることの出来ることが判る。 上側と下側パネル７０と７２の二重層からなる結合パネル６２は、単一層７０、 或いは、７２から作ることも出来る。

【００１９】 なお、望ましくは、前記袋状部材は、洗濯できる繊維から作るのが望ましい。 繊維は、ポリスチレン・ビーズ、又は、粒子を、粉砕された、或いは、部分的に 形成されたビーズから保留するに充分細い糸の間に空気と水の浸透可能な目に見 える開口部を持つものとすることができる。ポリスチレン・フィラー・ビーズは 保温材であり、耐熱性に於いて、並びに、肌との接触に於ける暖かさと安全性の 感触を患者、或いは、幼児に与えることに於いて役立つものである。

【００２０】 ここで、浮動可能なフィラー材は、約０．０６２インチから０．１８インチの 範囲の直径に膨らむ膨張性セル状プラスチックから作られた球状の弾性あるプラ スチック・ビーズであることが望ましく、これは実質的に液体不浸透性で大変軽 量である。このフィラー材は、前記袋状部材に堅くは充填されてない。その結果 、患者を保持するに当たって役に立つ部分的な窪みを形成するのが簡単である。 ポリスチレン・ビーズ、或は、球状物を使用すると、湿気を保持したり、或は、 バクチリアを匿うことのない不浸透性充填材となり、切り刻んだ、或いは、開口 セル・プラスチック材の使用に比べて、それは特に有利である。完成されたユニ ットは、特に耐性があり、完成に洗濯可能であり、それは水を吸収しないので、 機械、叉は空気乾燥状態に於いてすぐに乾く。この洗濯可能な軽量の素材は、臭 いを吸収せず、完全に浮上性で水に浮く。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、体側当て具は底面部と傾斜部を有するの で楔形状となっており、ベッドの表面と体側との間にピッタリとフィットしてい る。このため、体側でこの体側当て具を押しても、簡単に横へ押しやられること はない。また、袋状部材の中にプラスチック充填材が充填されているので、この 体側当て具は程よく圧縮されることになる。このため、体側当て具は圧縮されす ぎることもないので支持物として用をなし、また全く圧縮されずに反撥するよう なこともないために横に転がされて外れてしまうということもない。

【００２２】 また、第２実施例にあっては、安定化パッド上の体重によって、袋状部材を所 定の位置に保持することができる。

【００２３】 さらに、第３実施例にあっては、一対の袋状部材によって妊産婦の背中と腹側 を支え、これらは揺り籠の役目をし、ことに大きくなった腹部をある程度支える ことができるものである。加えて、一対の袋状部材は生まれたばかりの赤ん坊の 転がり防止用パッドとしても最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る体側当て具の第１実施例を示す斜
視図

【図２】この体側当て具を使用している斜視図

【図３】他の体側当て具を使用している斜視図

【図４】この体側当て具の第２実施例を示す斜視図

【図５】この体側当て具の第３実施例を示す斜視図

【図６】この体側当て具の第３実施例を示す断面図

【図７】この体側当て具を使用している斜視図

【符号の説明】

２２，２２ａ、２４，２４ａ…支持パネル、４０…軽量
プラスチックフィラー材、５０…安定化パネル、６２…
結合パネル。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面上に位置する底面部およびこの底面
   部に対して傾斜し横臥時の体側に当接する斜面部を有す
   る繊維製の袋状部材と、この袋状部材に充填されて前記
   斜面部の形状を維持するためのプラスチック充填材とを
   備えたことを特徴とする体側当て具。
2. 【請求項２】 請求項１記載の体側当て具において、横
   臥時の体の下に位置する繊維製の安定化パッドを前記袋
   状部材に取り付けたことを特徴とする体側当て具。
3. 【請求項３】 請求項２記載の体側当て具において、前
   記安定化パッドの自由端側に前記同様の袋状部材を一対
   に取り付け、この袋状部材に前記プラスチック充填材を
   充填したことを特徴とする体側当て具。