JP2003523780A - 充填材入り波形を有する波形トップシートを持つ使い捨て吸収物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、衛生ナプキンやパンティライナ、ベビー用おむつ、大人用失禁用品、汗取りパッド、靴用インサートなどの使い捨て吸収物品に関する。本発明によると、吸収物品はその着用者側表面にトップシートを有しており、それには物品の使用中に吸収されるべき液体がもたらされる。トップシートは波形を有しており、それによりトップシートの着用者側表面に谷と山を形成し、それらはトップシートの反対側の表面の山と谷にそれぞれ対応している。本発明によると、トップシートの内側表面の谷は少なくとも部分的に吸収性材料で充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明は、衛生ナプキン、パンティライナ、ベビー用おむつ、大人用失禁用品
、汗取りパッド、靴用インサートなどの使い捨て吸収物品に関する。本発明によ
ると、吸収物品は、その着用者側表面にトップシートを有しており、これには物
品の使用中に吸収対象の液体がもたらされる。トップシートは波形を有しており
、これによりトップシートの着用者側表面に谷と山が形成されており、これらは
トップシートの反対側の表面の山と谷にそれぞれ対応している。本発明によると
、トップシートの内側表面の谷は、少なくとも部分的に吸収性物質が充填されて
いる。

【０００２】 発明の背景 吸収物品は当業界でよく知られている。特にあらゆる種類のデザインの衛生ナ
プキンはよく文書に示されている。波形の使用は使い捨て吸収物品の業界でよく
知られており、以前から開示されているが、そのような物品は、商業的に入手可
能な実施の欠如から明らかなように、上出来なものでも、技術的に満足のいくも
のでもない。

【０００３】 法定発明宣言書ＵＳ−Ｈ−１５１１は吸収物品、特に衛生ナプキンに関してい
る。衛生ナプキンは、液体を長手方向に移動させて吸収性コアのより効果的な使
用を達成するために、トップシートと吸収性コアとの間に配置されている流量調
節装置を含んでいる。この公開の流量調節装置は、ウェブの長手方向のプリーツ
加工またはリング・ローリングによって設けられている。ナプキンはまた、改善
された流体分布に加えて柔軟性とたわみ性と快適性をも提供する。

【０００４】 事件ＣＭ１０３６は、吸収性構造のよりよい液体分布と快適性と再湿りを提供
するために、長手方向にプリーツ加工したトップシートの使用を開示している。
プリーツは追加柔軟性を提供するとも言われる。この公開のプリーツは０．２ｍ
ｍと１０ｍｍの間の高さを有し、３ｍｍと５ｍｍの例が開示されている。ＰＣＴ
公開９６／００６２５号は、液体分布と快適性と再湿りを改善するために、吸収
物品の外層または内層として有用と言われるプリーツ付き基質を提供するための
様々な代替例を開示している。代替例は、長手方向のリング・ローリングとプリ
ーツ加工と圧搾を含んでいる。

【０００５】 事件ＣＭ１０９９とＣＭ１１００は、下着の寸法に対する製品の順応性と伸展
性を提供するために、全体としてリング・ロールされた衛生ナプキンまたはパン
ティライナを開示している。

【０００６】 これらの公開に基づき、プリーツ加工されたトップシートを持つ吸収物品、特
に衛生ナプキンはよく知られている。そのようなトップシートのプリーツ加工の
目的は、プリーツ加工しないトップシートに対する柔軟性と快適性と順応性とた
わみ性の改善であるとみなすことができる。しかし、そのような物品におけるト
ップシートの中空波形は、そのような物品に加えられる力を考慮するとき、圧縮
にさらされる。しかし、これはそれらの意図された利益に関してそれらの機能を
減ずる。

【０００７】 したがって、本発明は、波形トップシートの快適性とたわみ性と柔軟性をさら
に改善しながら、同時にトップシートが物品の通常の着用のために圧縮された条
件下でさえも、そのような物品の着用者にそのような利益を提供する公算の増大
をもたらす問題を扱う。さらに、中空空間に吸収性材料を効果的に充填したとき
、そのような吸収物品の総吸収容量を改善することができる。したがって本発明
は、既知の波形トップシート物品をその本来の性能面において改善するとともに
、本発明による吸収性構造の耐久性の面と追加の吸収性と効率の改善とを付加す
る。

【０００８】 発明の概要 本発明によると、着用者側表面と衣服側表面を有する衛生ナプキンなどの使い
捨て吸収物品が提供され、その物品は、トップシートと、トップシートに接合さ
れているバックシートと、トップシートとバックシートの間に挿置されている吸
収性コアとを備えている。トップシートとバックシートと吸収性コアの各々は、
着用者側表面と衣服側表面を有している。トップシートは折り畳むかまたは波形
を付けられ、それによりトップシートの着用者側表面に谷と山を形成し、トップ
シートの衣服側表面に対応する山と谷を形成する。本発明によると、吸収物品は
、トップシートの衣服側表面の谷の少なくとも１つが少なくとも部分的に吸収性
材料で充填されている。本発明による改善された実施形態では、トップシートの
衣服側表面の少なくとも４つの谷が、少なくとも部分的に吸収性材料で充填され
ている。よりいっそう好適な実施形態では、４つの谷は、吸収性材料で充填され
、物品の長手方向の側縁に沿って配置されており、物品の側部に流れる液体の障
壁を形成している。

【０００９】 本発明の１つの態様では、トップシートの衣服側表面の谷を充填する吸収性材
料は、吸収性材料が谷を充填していない同一物品と比べて、山に直交して曲げた
ときの物品の曲げ抵抗を向上させる。同時に山に平行な曲げ抵抗は向上させない
。

【００１０】 本発明によると、トップシートの衣服側表面の谷を充填している吸収性材料は
、吸収性コアの吸収性材料と同一とすることができる。より好ましい吸収性コア
と谷内の吸収性材料は一体的に形成されて、山と谷を有する吸収性コアの着用者
側表面を与え、それらはトップシートの衣服側表面の山と谷と整合し整列する。
本発明による別の好適な実施形態では、吸収物品は長手軸とそれに対して直交す
る横軸を有し、谷と山は物品の長手軸に沿ってすなわち平行に実質的に方向付け
られる。

【００１１】 本発明の１つの実施形態では、吸収性材料は、再生圧縮セルロース・スポンジ
など、液体との接触に対して膨張可能である膨張性材料とすることができる。そ
のような材料をトップシートの衣服側表面の谷を充填するために使用するとき、
トップシートの谷と山はつぶれるが、液体との接触に対して吸収性材料の膨張を
可能にするために必要な空間を与える。代替実施形態では、トップシートの衣服
側表面の谷を充填する吸収性材料は、吸収性ゲル材、最も好ましくは繊維状の形
態の吸収性ゲル材を備えている。

【００１２】 発明の詳細な説明 本発明は、衛生ナプキン、パンティライナ、失禁用製品、汗取りパッド、とベ
ビー用おむつなどの吸収性使い捨て物品に関する。一般的にそのような製品は、
液体透過性トップシートと、バックシートと、前記トップシートと前記バックシ
ートの間に介在する吸収性コアの要素とを備えている。本発明によると、トップ
シートとバックシートとコアは、所望する快適性と防御性能要件と条件を満たす
ことを前提として、既知の種類のこれらの構成部品のいずれからでも選択するこ
とができる。

【００１３】 一般的に、トップシートは、乾燥した表面を維持しそれにより着用者の肌を乾
いた状態に維持するために、優れた液体保持力を有する必要がある。吸収性コア
は充分な吸収容量を提供する必要があり、かつそこを通る蒸気および／または空
気の流れを可能にすることが好ましく、バックシートは、好ましくは充分に通気
性を持ちながら、吸収された流体を保持するために、湿気の通過を防止する（液
体不透過性）必要がある。さらに、最終製品が所望の快適性と性能レベルを持つ
ように好ましくは技術を用いて、個々の要素を接合する。

【００１４】 本発明の以下の説明では、着用者の方向を向いた表面を着用者側表面と呼ぶ。
さらに、衣服の方向を向いた表面を衣服側表面と呼び、図面では、この方向はペ
ージの下の方を向いている。

【００１５】 吸収物品の構成部品 トップシート 本発明によると、吸収物品は、折り曲げられるか波形を付けられたトップシー
トを備えている。ここで使用するのに適するトップシートは、織布と不織布と液
体透過性アパーチャを備えた液体不透過性ポリマー・フィルムの三次元ウェブを
備えている。図１で、トップシートは参照符号３０で示されている。

【００１６】 ここで使用されるトップシートは、単層または複数の層を備えていてよい。好
適な実施形態では、トップシートは第１層と第２層を備えており、第１層はトッ
プシートのユーザ側表面を与え、第２層は第１層と吸収性構造／コアの間にある
。さらに、第１層の着用者側表面上に、ただし物品の中心帯または周辺帯の一部
にだけ延びている別の層が、特別柔軟性または特別液体処理／保持能力を与える
ために望まれ得る（このデザインは通常、「ハイブリッド・トップシート」と呼
ばれる）。トップシートは一般的に吸収性構造の全体にわたって延びており、好
適だが任意のサイドフラップまたはサイド・ラッピング要素またはウィングの中
に延びていたり、その一部または全部を形成したりし得る。また、トップシート
（またはむしろその少なくとも１層）は吸収性コアの周囲を包み、それによって
トップシート層とバックシートの一部とみなされる層を提供することができる。

【００１７】 トップシートは全体として、従って各層は柔軟であり、感触が柔らかく、着用
者の皮膚を刺激しないことが必要である。また、弾力性を持ち一方向または二方
向に伸びるようにすることもできる。トップシートは、流体を捕捉し着用者から
吸収性コアに向かって輸送し、吸収性コアに封じ込める主要機能を有している。
液体透過性に加えて、トップシートは高い蒸気透過性および／または通気性を有
している必要がある。

【００１８】 本発明によると、トップシートの層は、織布、不織布、しかし好ましくは液体
透過性アパーチャ付きポリマー・フィルムを備えていることができる。１層、し
かし好ましくは着用者の方を向き接触する層は、着用者側表面から吸収性構造に
向かう液体輸送を促進するために設けられたアパーチャを有するフィルム材によ
って提供される。そのような液体透過性アパーチャ付きフィルムは当業界でよく
知られている。それらは弾性三次元繊維様構造を提供する。そのようなフィルム
は、例えば米国特許第３，９２９，１３５号、第４，１５１，２４０号、第４，
３１９，８６８号、第４，３２４，４２６号、第４，３４３，３１４号、第４，
５９１，５２３号、第４，６０９，５１８号、第４，６２９，６４３号、第４，
６９５，４２２号、ＷＯ９６／００５４８号に詳細に開示されている。

【００１９】 そのようなフィルムの一例は、米国オハイオ州シンシナチのプロクター・アン
ド・ギャンブル社から商品名ドライウェーブにより入手可能である。また、その
ようなフィルムは、イタリア国ピストイアのカンパニー・パンテックスから名称
「ＰＦフィルム」で入手可能である。また、米国特許第５，５９１，５１０号す
なわちＷＯ９７／０３１１８号とＷＯ９７／０３７９５号とによる、通気性バッ
クシートの層としての使用のために記載されているフィルムを採用することがで
きるが、トップシートとそれを構成する層の主たる目的である着用者側表面から
吸収性コアへの液体透過性を確実にするために、アパーチャの変更が必要である
かもしれない。そのような変更は例えば、フィルムの表面張力の勾配を形成する
ことによって液体をアパーチャ内へとそこから積極的に追いやる表面エネルギ変
化とすることができる。表面エネルギ勾配を提供する方法は、例えばＷＯ９６／
００５４８号に開示されている。

【００２０】 特に好適なデザインは、両方とも追加層によって補足することができるトップ
シートとバックシートに同一フィルムを使用することであろう。そのようなフィ
ルムは例えば吸収性コアの周りに巻き付けて取り囲み、トップシートに対応する
領域では吸収性コアへの液体輸送のために処理されるが、長手方向側部とバック
シートに対応する領域では処理されない（またはバックシートを通して吸収性コ
アから液体が移動するのを防止するように処理する）。トップシートに対応する
領域の処理は、例えばＷＯ９６／００５４８号に従って着用者側表面に疎水性シ
リコンの連続被覆を提供することができる。加えてまたは代替的に、トップシー
トに対応するフィルム領域に異なる（つまり液体輸送のための）アパーチャの性
質を設けることができる。

【００２１】 吸収性コア 本発明によると、ここでの使用に適する吸収性コアは、当業界で知られている
吸収性コアまたはコア・システムのいずれかから選択することができる。ここで
使用する場合、用語の吸収性コアは、主要な機能が流体を吸収し、貯蔵し、分配
することであるいずれかの材料または複数の材料層を指す。図１で、吸収性構造
は単層４２として示されている。

【００２２】 本発明の吸収性コアは高い蒸気透過性を有し、高い空気透過性をも有している
ことが好ましい。吸収性コアは、１２ｍｍ未満、好ましくは８ｍｍ未満、さらに
好ましくは５ｍｍ未満、最も好ましくは４ｍｍないし２ｍｍのキャリパーすなわ
ち厚さを有している。

【００２３】 本発明によると、吸収性コアは次の構成部品、すなわち（ａ）好ましくは２次
選択的流体分配層と共に任意選択的一次流体分配層と、（ｂ）流体貯蔵層と、（
ｃ）貯蔵層の下にある任意選択的繊維質（「ダスティング」）層と、（ｄ）その
他の任意選択的構成部品とを含むことができる。 一次／二次流体分配層 本発明による吸収性コアの１つの任意選択的構成部品は、一次流体分配層と二
次流体分配層である。一次分配層は一般的にトップシートの下にあり、それと流
体連通している。トップシートは捕獲した流体を、貯蔵層に最終分配するために
、この一次分配層に移送する。一次分配層を介しての流体のこの移送は主に、厚
さ方向だけではなく、吸収物品の長さと幅方向に沿っても起こる。一次分配層は
こうして液体の分離を提供し、これはポーズ・スルー（posed through）を有し
、復帰性能を改善する。同じく任意選択的であるが好適である二次分配層は、一
般的に一次分配層の下にあり、それと流体連通する。この二次分配層の目的は、
一次分配層から流体を容易に捕獲し、それを迅速にその下にある貯蔵層のすべて
の領域に移送することである。これは、下にある貯蔵層の流体容量を最大限に活
用することを可能にする。流体分配層は、そのような分配層に一般的な任意の材
料で構成することができる。

【００２４】 ｂ流体貯蔵層 一般的に一次または二次分配層の下にあり、それらに流体連通して配置される
のは流体貯蔵層（４２）である。流体貯蔵層は、任意の通常の吸収性材料または
それらの組合せを備えていてもよい。それは、適切な担体と組み合わせた、通常
「ヒドロゲル」、「超吸収性」、「ヒドロコロイド」材料と呼ばれる吸収性ゲル
化材を備えていると好ましい。

【００２５】 吸収性ゲル化材は、大量の水様体液を吸収することができ、さらにそのような
吸収された流体を中圧下で保持することができる。吸収性ゲル化材は、適切な担
体中に均一にまたは不均一に分散させることができる。適切な担体は、それらが
それ自体吸収性であるならば、単独で使用することもできる。

【００２６】 ここで使用するための適切な吸収性ゲル化材は、大抵の場合、実質的に非水溶
性であり、わずかに架橋され、部分的に中性化されたポリマー・ゲル化材である
。この材料は水と接触するとヒドロゲルを形成する。そのようなポリマー材は、
当業界でよく知られた重合可能な不飽和含酸モノマーから形成することができる
。

【００２７】 適切な担体は、吸収性構造で従来から利用される材料、例えばフラフおよび／
またはティッシュの形態の、天然繊維または改質繊維または合成繊維、特に改質
セルロース繊維または非改質セルロース繊維などを含んでいる。適切な担体は吸
収性ゲル化材と一緒に使用することができるが、それらは単独で、または組み合
わせて使用することもできる。衛生ナプキンとパンティライナの文脈では、ティ
ッシュまたはティッシュ積層物が最も好ましい。

【００２８】 本発明に従って形成される吸収性構造の実施形態は、二重層のティッシュ積層
物を備えている。これらの層は、例えば接着剤によって、高分子粉末結合剤（例
えばＰＷ粉末）を溶融することによって、機械的連結によって、または水素橋状
結合によって相互に接合することができる。吸収性ゲル化材または他の任意の材
料を層間に備えていてもよい。

【００２９】 剛化セルロース繊維などの改質セルロース繊維も使用することができる。合成
繊維も使用することができ、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、アクリル樹脂（オリオンなど）、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルア
ルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド（ナイロンなど）、ポリ
エステル、二成分繊維、三成分繊維、表面毛管を持つファイバ、それらの混合物
、類似物から作成されたものを含むことができる。繊維の表面は親水性であるか
、または親水性となるように処理することが好ましい。貯蔵層もまた、液体保持
力を改善するために、パーライト、ケイ藻土、バーミキュライト等のような充填
材を含むることができる。

【００３０】 吸収性ゲル化材が担体中に不均一に分散される場合、貯蔵層はそれにもかかわ
らず部分的に均一である、つまり貯蔵層の寸法内で１つまたは幾つかの方向に分
散勾配を持つことができる。不均一な分布は、部分的にまたは完全に吸収性ゲル
化材を閉囲する担体の積層物に帰することもできる。

【００３１】 代替例は、液体貯蔵所としてのフォーム様または実際のフォーム構造である。
液体を吸収し、化学的または表面相互作用により圧力下でも液体を保持する連続
気泡フォームがある。この文脈における一般的なフォームとして、例えばＰＣＴ
公開ＷＯ９３／０３６９９号、ＷＯ９３／０４０９２号、ＷＯ９３／０４１１３
号に開示されているものがある。本発明の文脈で特に好適な別の代替例は、ＥＰ
−Ａ−８０４．９１７に開示されているような圧縮スポンジ材である。そのよう
なフォームとスポンジ材は、任意選択的な一次／二次分配層無しに使用すること
ができ、図１に示すようにトップシートの折り畳みまたは波形内に延びているこ
とができる。

【００３２】 ｃ任意選択的繊維質（「ダスティング」）層 本発明による吸収性コア内に内包するための任意選択的構成部品は、図１で参
照符号４２で識別される貯蔵層に隣接して、かつ一般的にその下にある繊維質の
層である。この基礎をなす繊維質層は、吸収性コアの製造中に吸収性ゲル化材を
貯蔵層に配置するための基質を提供するので、一般的に「ダスティング」層と呼
ばれる。実際、吸収性ゲル化材が繊維またはシートまたはストリップのようなマ
クロ構造の形態であるような場合、この繊維質「ダスティング」層を含める必要
は無い。しかし、この「ダスティング」層は、パッドの長さに沿って流体を急速
に運ぶような、幾つかの追加的な流体処理能力をもたらす。

【００３３】 ｄ吸収性構造のその他の任意選択的構成部品 本発明による吸収性コアは、吸収性ウェブに通常存在する他の任意選択的成分
を含むことができる。例えば、吸収性コアのそれぞれの層内、またはそれぞれの
層の間に、強化スクリムを配置することができる。そのような強化スクリムは、
流体移動の界面障壁を形成しないような構成のものでなければならない。熱的結
合の結果通常発生する構造上の完全性を前提として、強化スクリムは通常、吸収
性構造を熱的に結合する必要は無い。

【００３４】 本発明に従って吸収性コア内に含めることができ、一次または二次流体分配層
または流体貯蔵層の近くに、またはその一部として設けることが好ましい別の構
成要素として、ゼオライト、カーボンブラック、ケイ酸塩エステル、ＥＤＴＡ、
その他のキレートのような臭気制御剤がある。そのような薬剤は、微粒子の形で
、または微粒子の一部として提供することが好ましく、上で示した吸収性ゲル化
材と一緒に提供することができる。

【００３５】 バックシート 本発明による吸収物品は、バックシート（５０）をも備えている。バックシー
トは主として、吸収性構造に吸収されて含まれる被押出物が、パンツ、パジャマ
、下着、シャツまたはジャケットなど吸収物品と接触する物品を濡らすのを防止
し、それにより流体移送の障壁として作用しなければならない。しかし、それに
加えて、本発明の好適な実施形態によるバックシートは、少なくとも水蒸気、好
ましくは水蒸気と空気の両方をそこから透過させることができ、したがって空気
を物品内に、かつ水蒸気を物品外に循環させることできる。バックシートは一般
的に吸収性構造の全体にわたって延びており、存在する場合にはサイドフラップ
、サイド・ラッピング要素、ウィングの一部分またはすべてにわたって延びてい
ることができる。

【００３６】 本発明による好適な実施形態の場合、ここで使用するための適切な通気性バッ
クシートは、少なくとも１つの不浸透性ポリマー・バックシート層を備えている
。バックシートは、アパーチャを有し空気透過性がある液体不透過性フィルムか
ら成る弾性三次元ウェブを備えている。ここで使用するための好適な通気性バッ
クシートは、高い蒸気交換性を有し、最も好ましくは高い蒸気交換性と高い空気
交換性を有するものである。フィルムは、そこを通過する自由な空気流動を可能
にしながら、液体が吸収性コアから外側に向かって通過するのを遅らせるかまた
は防止するように方向付けられる。

【００３７】 そのような実施形態において、物品の通気性をサポートするように少なくとも
水蒸気透過性を提供するために、何らかの追加バックシート層が必要である。物
品の通気性から得られる快適性の利益をさらに改善するために、それが空気透過
性をもサポートすることは必須ではないが、望ましい。この文脈で、適切な水蒸
気と空気透過層は二次元マイクロ・アパーチャまたはマクロ・アパーチャ付きフ
ィルムを含み、これは、微視的または肉眼的な発泡フィルム、成形アパーチャ付
きフィルム、モノリシック・フィルムのみならず、不織布または織布とすること
もできる。そのようなフィルムは、例えばＥＰＯ ２９３，４８２とその中の引
例、または米国特許第３，９２９，１３５号、米国特許第４，６３７，８１９号
、と米国特許第４，５９１，５２３号に詳細に開示されている。このフィルム層
は、上述の米国特許第５，５９１，５１０号すなわちＰＣＴ ＷＯ−９７／０３
８１８号、ＷＯ−９７／０３７９５号に従って作成することが好ましい。特に、
この層は、図１に層（５０）として示す、毛管を有するポリマー・フィルムを備
えている。好適な毛管は、フィルム（５０）の着用者側表面から９０度未満の角
度で遠ざかるように延びている。

【００３８】 充填されているトップシートの波形 本発明によると、トップシートは波形を付けられるか折り畳まれ、それにより
吸収物品の内側に多数の空間を与えている。波形または折り畳みは平行であり、
相互に均等な寸法であることが好ましいが、必須ではない。これは、吸収物品の
内側に反復性空間を提供する。吸収物品内部のこれらの空間は、物品のトップシ
ートの外側の山に対応し、吸収性材料が充填されている。この吸収性材料は、吸
収性コア要素の説明の箇所で列挙する材料のいずれか、またはそれらの組合せと
することができる。

【００３９】 吸収物品の内側からトップシートの山を充填することの主要な利益は、波形が
安定化し、それにより、波形の方向に対して直交する方向に皮膚を横切って動い
たときに、よりよい拭き取り効果を提供することができることである。たとえ小
さい移動または変位でも、例えば衛生ナプキンを下着に装着して歩行する場合、
それによって、液体またはまだ吸収されていない湿気、例えば汗を皮膚から取り
去る、拭き取りの利益をもたらすことができる。吸収物品の内側からトップシー
トの山に吸収性材料を充填すると、これは、皮膚と接触して皮膚を横切って移動
する山が液体を物品内に吸い寄せるという利益をもたらす。次いでこの充填材が
液体を吸収性流体貯蔵層に向かって（所望通りに）輸送することができる場合、
それをさらなる捕獲状況に利用することができる。

【００４０】 別途に、波形はトップシート表面を増加し、トップシートの山に内側から吸収
性材料を充填することにより、完全な追加トップシート表面積が液体を捕獲し、
それにより捕獲の速度が劇的に増加することができる。同時に、物品からトップ
シートを通して押し出される液体（いわゆる再湿り）は、トップシートの谷の中
に押し出され、それにより皮膚との直接接触が存在しない場所であって、波形の
両側で（その後ろに吸収性材料を有する）追加捕獲表面が得られる場所に入る傾
向がある。また、トップシートを吸収物品の内側から最後に充填することにより
、言うまでもなく追加吸収容量が提供され、物品によって液体を吸収する際に一
般的により優れた性能が得られる。

【００４１】 本発明の好適な実施形態では、充填材は吸収性コアと一体的である。これは、
それを任意選択的一次または二次流体分配層の１つと一体化することによって、
またはそれを吸収コア要素の上述の説明に従って流体貯蔵層と一体化することに
よって、達成することができる。

【００４２】 図面に示す通り、吸収性コアは単にトップシートの波形内に延びている。より
いっそう好適な実施形態では、波形は主として図１に示すような吸収物品の側部
に設けられる。これらの充填されている波形を側部に設けることにより、通常の
使用中に物品の側縁から液体が流出する公算を低下する追加利益を減少すること
ができる。

【００４３】 波形は絶対的に平行である必要はなく、また物品に横方向に設けることもでき
る。これは、脇の下の汗とりパッドのような物品を考慮する場合に、より適して
いるかもしれないが、本発明の範囲内の１つの可能性である。

【００４４】 本発明の好適な実施形態である圧縮スポンジ材によってトップシートの山を吸
収物品の内側から充填する場合、吸収性材料の膨張能力を充分に利用できるよう
に、充分な膨張空間（または少量の充分な膨張材）を設けるように注意を払わな
ければならない。

【００４５】 吸収物品の構成 本発明によると、トップシートとバックシートと吸収性コア要素のうち少なく
とも２つ、好ましくはすべての要素が相互に接合されている。要素または層はそ
れらの共通界面を一つに接合されている。この手法では、トップシートは吸収性
コアに接合され、コアはバックシートに接合されている。さらに、前記トップシ
ートとバックシートとコア要素の各々が２層以上を含むことができ、これらの層
も同様に接合することができる。さらに、トップシートは、吸収性コアを包含す
るように吸収物品の周囲で、バックシートに直接または間接に接合することがで
きる。

【００４６】 要素とその層は、層が相互に直接付着されるように、または接合手段を介して
相互に直接付着されるように、当業界で知られている２つの隣接する材料層を付
着するためのいずれかの手段によって接合することができる。適切な接合手段は
接着剤、溶融結合、超音波接合、縫綴じ、熱（例えば交差部で繊維を溶接するか
ポリマーを溶融してファイバまたはフィルムを相互に付着させることによるサー
モボンディング）、エンボシング、クリンプ加工、圧力結合、動的機械的結合、
それらの組合せを含む。

【００４７】 特に吸収物品を衛生ナプキンまたはパンティライナに使用する場合、吸収物品
には、物品を下着に付着する手段を提供するパンティ固定手段も設けられる。た
とえば、パンティ固定手段は、ＶＥＬＣＲＯの商品名で市販されているようなフ
ックとループ、スナップ、またはホルダのような機械的ファスナを備えていても
よい。代替的に、物品は、バックシート上のパンティ固定接着剤によって下着に
固定される。パンティ固定接着剤は、物品をパンティに固定する手段、好ましく
は汚損したときに簡便に廃棄するため物品を折畳み被包パッケージに固定する手
段を提供する。

【００４８】 本発明によると、吸収物品は、衛生ナプキン、パンティライナ、大人用失禁用
品、汗とりパッド、おむつの場面で有益に使用することができる。しかし、衛生
ナプキンとパンティライナは本発明に特に影響されやすい。したがってこの使い
捨て物品は、それらの意図された用途の場面で、製品に典型的なすべての特徴と
部品を有することもできる。衛生ナプキンの場合、これは特に、ナプキンの側縁
に設けられ、下着の股の縁に折り返されるウィングまたはサイド・フラップを含
む。サイド・フラップは、トップシートとバックシートなど、ナプキンの要素の
１つまたは幾つかの延長として設けることができる。それらはまた別個に作成し
、ナプキンのサイド・マージンに接合することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の好適な実施形態による衛生ナプキンの内部の部品の断面図を提供する
ために部分的に切り開いた衛生ナプキンの斜視図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ジョルジーニ、ゲナーロ イタリア国、アイ−64026 ロセト、ビ ア・ルカニーア 14 Ｆターム(参考） 3B029 BA02 BA12 BB03 4C003 BA04 4C098 AA09 CC05 CC07 DD05 DD10

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着用者側表面と衣服側表面を有する使い捨て吸収物品であり
   、 着用者側表面と衣服側表面を有するトップシートと、 着用者側表面と衣服側表面を有し、前記トップシートに接合されているバック
   シートと、 着用者側表面と衣服側表面を有し、前記トップシートと前記バックシートとの
   間に挿置されている吸収性コアとを備えており、 前記トップシートは折り畳まれるか波形を付けられた形状で、前記トップシー
   トの前記着用者側表面上に谷と山を形成しており、それらは前記トップシートの
   前記衣服側表面上のそれぞれ山と谷に対応している、使い捨て吸収物品において
   、 前記トップシートの前記衣服側表面上の前記谷の少なくとも１つは少なくとも
   部分的に吸収性材料で充填されていることを特徴とする、使い捨て吸収物品。
2. 【請求項２】 少なくとも４つの谷が前記トップシートの前記衣服側表面に
   あり、それらは少なくとも部分的に前記吸収性材料で充填されている、請求項１
   に記載の使い捨て吸収物品。
3. 【請求項３】 前記吸収性材料は、前記山と谷に直交する前記物品の曲げに
   関して、前記吸収性材料が前記トップシートの前記衣服側表面の前記谷を充填し
   ていない同一物品と比べて、向上した抵抗を与える一方、前記山と谷に平行な曲
   げに関する抵抗は、前記吸収性材料が前記トップシートの前記衣服側表面の前記
   谷を充填していない同一物品と比べて向上していない、前記請求項のいずれかひ
   とつに記載の使い捨て吸収物品。
4. 【請求項４】 前記吸収性コアは前記吸収性材料と同じ材料を備えており、
   好ましくは、前記吸収性コアと前記吸収性材料は一体的に形成されていて、谷と
   山を有する前記吸収性コアの前記着用者側表面を与え、それらが前記トップシー
   トの前記衣服側表面の前記山と谷と整合し整列することで、前記吸収性コアの前
   記着用者側表面の山が前記トップシートの前記衣服側表面上の前記谷を充填する
   前記吸収材料を与える、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て吸収物品
   。
5. 【請求項５】 前記物品は長手軸とこれに直交して横軸とを有しており、前
   記谷と山は前記長手軸にほぼ平行である、前記請求項のいずれかひとつに記載の
   使い捨て吸収物品。
6. 【請求項６】 液体との接触に対して、前記谷と山がつぶれ、前記吸収材が
   膨張可能であり、前記吸収性材料が好ましくは生成圧縮セルロース・スポンジで
   ある、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て吸収物品。
7. 【請求項７】 前記吸収性材料が吸収性ゲル材、好ましくは繊維状のそれを
   備えている、前記請求項のいずれかひとつに記載の使い捨て吸収物品。
8. 【請求項８】 前記物品が衛生ナプキンである、前記請求項のいずれかひと
   つに記載の使い捨て吸収物品。