JP2602209Y2

JP2602209Y2 - 体側当て具

Info

Publication number: JP2602209Y2
Application number: JP1992002862U
Authority: JP
Inventors: エイ．アリヴィザトスマーガレット
Original assignee: 株式会社細井商店
Priority date: 1991-03-06
Filing date: 1992-01-30
Publication date: 2000-01-11
Anticipated expiration: 2007-01-30
Also published as: US5182828A; JPH063324U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】成人、或いは、幼児が脇腹を下に
して支持表面上に横たわっているその身体を支えるのを
助ける体側当て具に関する。

【０００２】

【従来の技術】成人の患者、或いは、幼児が仰向きに転
がったり、又は、胃を圧迫するように転がったりするの
を防ぐために、横臥位置に於いて、脇腹で体を支えるた
めの再使用可能な補助具の必要性があった。時として、
患者、或いは、幼児は、ことに睡眠中に於いて自分達の
身体を充分にコントロールする事が出来ない。成人の患
者を一方の脇腹を下にした状態にして、負傷した腕や脇
腹に圧力が掛かるのを避ける場合や、単に代替え位置と
して、床ズレの発生を少なくする事が望ましい場合があ
る。赤ん坊の場合には、赤ん坊が仰向けに寝ている場合
には、お腹は完全には空いていない事が知られており、
吐き戻しや異物の吸引の危険がある。しかし、幼児が脇
腹を下にして寝ている場合には前記危険性は減少する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】患者が転がるのを防ぐ
ためのサポート（支持物）を提供する試みで通常の枕が
一般的には使われている。複数の枕を備える事が時とし
て必要になり、その時でさえ、枕は一般的には、柔らか
く、圧縮可能で、支持材としては欠けているので、それ
らはそれ程効果的ではない。それらを束ねて患者に当て
がっても、枕は簡単に動いて元の束ねていない状態へと
戻る傾向があるという問題点があった。

【０００４】布のお襁褓タオルを丸め、或いは、折り畳
んで、患者に当てがう事が出来るが、それらはまだ圧縮
可能であり、転がったり、外れてしまったりしがちであ
るという問題点があった。

【０００５】本考案は、脇腹を下にして寝ている患者や
幼児に改良されたサポート（支持物）を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本考案にあっては、ベースパネルおよびこの
ベースパネルの両端に基端側が連続し先端側が接合され
た一対の支持パネルを有し、断面がほぼ二等辺三角形の
楔形状をした繊維製袋状部材であって、この袋状部材を
横臥時における体の両側にそれぞれ配設し、それぞれの
袋状部材内にビーズ状のプラスチック充填材を充填して
前記楔形状を維持させ、一方の袋状部材の頂部と先端と
他方の袋状部材の対向する頂部先端とを前記体の下に位
置する二重層の繊維製結合パネルによって繋ぎ、横臥時
においては、体重によって結合パネルが下方に押されて
沈み込み、このことによって前記両袋状部材が底面外端
縁を支点として互いに内方へ変形して体側に回り込み、
前記結合パネルと両袋状部材とによって体を包み込むよ
うにした構成とするものである。

【０００７】

【作用】体側当て具は全体が楔形状となっており、ベッ
ドの表面と体側との間にピッタリとフィットしている。
このため、体側でこの体側当て具を押しても、簡単に横
へ押しやられることはない。また、袋状部材の中にプラ
スチック充填材が充填されているので、この体側当て具
は程よく圧縮されることになる。このため、体側当て具
は圧縮されすぎることもないので支持物として用をな
し、また全く圧縮されずに反撥するようなこともないた
めに横に転がされて外れてしまうということもない。

【０００８】

【実施例】以下、本考案を図面に基づいて説明する。図
１ないし図３は本考案に係る体側当て具の第一実施例を
示す図である。

【０００９】図１に示すように、体側当て具５６は、第
１の袋状部材５８と、相対した向きで、間隔をおいた第
２の袋状部材６０と、第１，第２の袋状部材５８，６０
を繋げた結合パネル６２とからなっている。繊維製の第
１の袋状部材５８は、空間を持って離れた実質的に平行
な長手方向の端部部分１４と１６とによって区切られた
実質的に平らなベースパネル１２、並びに、横断方向の
端部部分１８と２０とを備える。横断方向の端部部分１
８と２０は、長手方向の端部部分１４と１６の端面間に
延びている。一対の繊維支持パネル２２と２４は、ベー
ス・パネルの長手方向端部１４と１６と共に延びる長手
方向の端部１４と１６（基端側）とを備える。支持パネ
ル２２と２４とは、角度を以て互いに集束して、長手方
向の端部部分１４と１６から離れた長手方向前端部２６
（先端側）の処で合わさっている。すなわち、支持パネ
ル２２，２４は支持パネル１２に対して傾斜している。
支持パネル２２は横断方向端部部分２８と３０とを備
え、支持パネル２４は横断方向端部部分３２と３４とを
備えている。横断方向端部部分２８，３０，３２，３４
は、長手方向端部部分１４と１６の一方の端面と、前端
部２６との間に延びている。

【００１０】三角形状の側面パネル３６は、ベース・パ
ネル１２の横断方向端部１８と共に延びる底部端部、並
びに、ベース・パネル１２と前部長手方向端部部分の間
に延びる１対の支持パネルの横断方向端部部分２８と３
２と共に延びる集束側端部を備えている。三角形状の繊
維側面パネル３８は、ベース・パネル１２の横断方向端
部２０と共に延びる底部端部、並びに、ベース・パネル
と前部長手方向端部部分の間に延びる１対の支持パネル
の横断方向端部部分３０と３４と共に延びる集束側端部
を備える。ここで、「共に延びる」とは、その端部が、
折り目、又は、縫い目に於けるように線上で互いに重な
ることを意味する。

【００１１】ベース・パネル１２、支持パネル２２と２
４、並びに、側面パネル３６と３８は、全体が断面略楔
形状の袋形状をしている。袋状部材５８には縫い目から
ビーズ状のプラスチック充填材４０で充填され、また、
機械洗い可能な楔形状に形成されている。このため、支
持パネル２２，２４は支持パネル１２に対して傾斜状態
が維持されている゜なお、前記縫い目は充填後に閉ざす
ことが出来、さらにはこの縫い目はまた熱シール可能な
繊維をヒート・シールしてもよい。

【００１２】第２の袋状部材６０は第１の袋状部材５８
と同じ構成になっており、袋状部材５８との同一部材に
は番号にａを付している。

【００１３】図２に示すように、結合パネル６２は第
１，第２の袋状部材５８，６０の長手方向前端部部分２
６，２６ａ（先端側）に繊維延長パネル７０と７２を繋
いだものである。延長パネル７０と７２とは前端部分２
６，２６ａからかなりの距離延びて、袋状部材５８，６
０を所定位置に保持する役目をする。すなわち、このパ
ネル７０と７２は患者の下に置くための安定化パッドを
形成している。結合パネル６２は、全体が矩形で、突き
合わせ関係で互いに重り合う上側層７０と下側層７２を
備えた二重層となっている。

【００１４】上側の繊維延長パネル７０は、上側支持パ
ネル２２を通して、パネル１２と２４へと連続させ、更
に、延長パネル７２として前部端２６の下側を越えて連
続することも出来る。

【００１５】また、平たい結合パネル６２は、脇腹を下
にして横たわっている妊産婦の腹部と背中に対して、並
びに、その部分的な支えに於いて揺り籠の役目もする袋
状部材５８と６０を保持するように選択された長さを有
する。

【００１６】図３において、妊産婦６４はこの頭が枕６
８の上にあって、脇腹を下にしてベッド６６に置かれた
体側当て具５６の上に寝ている。すなわち、第２の袋状
部材６０が妊婦の腹部の部分的支えとなり、第１の袋状
部材５８が脇腹と背中の下側の部分的な支えとなってい
る状態で妊婦は平たい結合パネル６２上に横たわってい
る。このとき、第１，第２の袋状部材５８，６０は結合
パネル６２によって繋げられてユニットとなっているた
めに、バラバラになることがなく、取り扱いが簡単であ
る。また、第１，第２の袋状部材５８，６０は断面略楔
形状となっていることから、一対の斜面２２，２４（ま
たは２２ａ，２４ａ）のどちらでも使用することができ
便利である。さらに、このことは結合パネル６２が二重
層になっていることと相俟って、耐久性が向上すること
となる。

【００１７】なお、結合パネルの上側と下側層７０と７
２、並びに、相対する楔部の各々の結合パネル１２，１
２ａ、２２，２２ａ、２４，２４ａは、１枚の繊維織物
から折り畳むこと、並びに、縫い合わせることの出来る
ことが判る。

【００１８】次に、前記袋状部材５８，６０は、洗濯で
きる繊維から作られており、この繊維は、ポリスチレン
・ビーズ、又は、粒子を、粉砕された、或いは、部分的
に形成されたビーズから保留するに充分細い糸の間に空
気と水の浸透可能な目に見える開口部を持つものとする
ことができる。ビーズ状のプラスチック充填材４０は保
温材であり、耐熱性に於いて、並びに、肌との接触に於
ける暖かさと安全性の感触を患者、或いは、幼児に与え
ることに於いて役立つものである。

【００１９】ここで、浮動可能なビーズ状のプラスチッ
ク充填材４０は、約０．０６２インチから０．１８イン
チの範囲の直径に膨らむ膨張性セル状プラスチックから
作られた球状の弾性あるプラスチック・ビーズである。
これは実質的に液体不浸透性で大変軽量である。このビ
ーズ状ブラスチック充填材４０は、前記袋状部材５８，
６０に堅くは充填されてない。その結果、患者を保持す
るに当たって役に立つ部分的な窪みを形成するのが簡単
である。また、プラスチック充填材４０はビーズ状とな
っているので、或は、球状物を使用すると、湿気を保持
したり、或は、バクテリアを匿うことのない不浸透性充
填材となり、切り刻んだ、或いは、開口セル・プラスチ
ック材の使用に比べて、極めて衛生的である。完成され
たユニットは、特に耐性があり、完成に洗濯可能であ
り、それは水を吸収しないので、空気乾燥状態に於いて
すぐに乾く。この洗濯可能な軽量の素材は、臭いを吸収
せず、完全に浮上性で水に浮く。

【００２０】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
一対の袋状部材によって妊産婦の背中と腹側を支え、こ
れらは揺り籠の役目をし、ことに大きくなった腹部をあ
る程度支えることができるものである。加えて、一対の
袋状部材は生まれたばかりの赤ん坊の転がり防止用パッ
ドとしても最適である。

【００２１】一対の袋状部材は結合パネルによって繋げ
られてユニットとなっているために、バラバラになるこ
とがなく、取り扱いが簡単である。また、この袋状部材
は断面略楔形状となっていることから、この一対の斜面
のどちらでも使用することができ便利である。さらに、
このことは結合パネルが二重層になっていることと相俟
って耐久性が向上することとなる。

【００２２】プラスチック充填材はビーズ状となってい
るので、湿気を保持したり、或は、バクテリアを匿うこ
とのない不浸透性充填材となり、極めて衛生的である。
また、洗濯可能であり、それは水を吸収しないので、空
気乾燥状態においてすぐに乾く。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る体側当て具の一実施例を示す斜視
図

【図２】本考案に係る体側当て具の一実施例を示す断面
図

【図３】この体側当て具を使用している斜視図

【符号の説明】

１２，１２ａ…ベースパネル、２２，２２ａ，２４，２
４ａ…支持パネル、５８，６０…袋状部材、４０…ビー
ズ状のプラスチック充填材、６２…結合パネル。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ベースパネルおよびこのベースパネルの
両端に基端側が連続し先端側が接合された一対の支持パ
ネルを有し、断面がほぼ二等辺三角形の楔形状をした繊
維製袋状部材であって、この袋状部材を横臥時における
体の両側にそれぞれ配設し、それぞれの袋状部材内にビ
ーズ状のプラスチック充填材を充填して前記楔形状を維
持させ、一方の袋状部材の頂部と先端と他方の袋状部材
の対向する頂部先端とを前記体の下に位置する二重層の
繊維製結合パネルによって繋ぎ、横臥時においては、体
重によって結合パネルが下方に押されて沈み込み、この
ことによって前記両袋状部材が底面外端縁を支点として
互いに内方へ変形して体側に回り込み、前記結合パネル
と両袋状部材とによって体を包み込むようにしたことを
特徴とする体側当て具。