JP2010012002A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の排泄した排泄物を、着用者の肌に付着し難くすることが可能な使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】本発明の使い捨ておむつ1は、前身頃2、股下部4、後身頃6の各部から形成され、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20と、撥水性シートからなり、吸収体22の両側に配置された一対の立体ギャザー26と、を備え、吸収体22は、吸収体22を前身頃2から後身頃5に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、少なくとも後身頃6側の後身頃領域106に、吸収体22の側縁から吸収体22の幅方向内側に向かって吸収体22の側縁が括れた括れ部108が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。更に詳しくは、おむつ装着時において、着用者の排泄した排泄物を、着用者の肌に付着し難くすることが可能な使い捨ておむつに関する。
近年、乳幼児用、或いは高齢者・障害者用のおむつとして、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートとを備えた使い捨ておむつが汎用されている。この使い捨ておむつは、トップシートの表面を着用者の肌に接するように宛がって使用することにより、着用者の排泄した尿はトップシートを透過して、吸収体によって吸収・保持されるとともに、防漏性に優れたバックシートによって、排泄物のおむつ外部への漏洩が防止されるものである。
このような従来の使い捨ておむつに用いられる吸収体としては、おむつの前後方向に長い長方形の吸収体や、上記長手方向の中央側縁に括れが形成された、所謂砂時計型の吸収体等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−291858号公報
しかしながら、このような長方形や砂時計型の吸収体を備えた従来の使い捨ておむつは、着用時において、吸収体及びその上面に配置されたトップシートが、着用者の身体に密着するように宛がわれるため、着用者の排泄した排泄物が吸収体に吸収・保持される前に着用者の肌に付着してしまう。このため、着用者の肌の広い範囲を汚し、不快な感触を起こさせるばかりではなく、湿疹、あせも、かぶれ等のスキントラブルを生じるおそれがあるという問題があった。
また、従来の使い捨ておむつは、着用者の肌と吸収体とが近づき過ぎてしまうため、吸収体の両側に形成された立体ギャザーが十分に機能せず、排泄した尿の漏れ(横漏れ)が発生し易いという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、おむつ着用時において、着用者の排泄した排泄物を、着用者の肌に付着し難くすることが可能な使い捨ておむつを提供するものである。
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、おむつの前身頃側又は後身頃側に、吸収体の側縁から吸収体の幅方向内側に括れた括れ部を形成することで、上記括れ部にて吸収体が折り曲がるような構成とし、吸収体の折れ曲がった部位と立体ギャザーの起立部分とによって形成される空間(隙間)に着用者の排泄した便を一時的に保持するようにすることによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の使い捨ておむつが提供される。
[1] 前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、撥水性シートからなり、前記吸収体の両側に配置された一対の立体ギャザーと、を備え、前記吸収体は、前記吸収体を前記前身頃から前記後身頃に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前記前身頃側の前身頃領域及び前記後身頃側の後身頃領域の少なくとも一方の領域に、前記吸収体の側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって前記側縁が括れた括れ部が形成されている使い捨ておむつ。
[2] 前記括れ部は、前記吸収体の両側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって一対形成されている前記[1]に記載の使い捨ておむつ。
[3] 前記吸収体は、前記三等分したうちの前記前身頃領域と前記後身頃領域との間の中央領域にも、前記吸収体の側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって前記側縁が括れた第二の括れ部が形成されている前記[1]又は[2]に記載の使い捨ておむつ。
[4] 前記吸収体は、前記吸収体の最大幅に対する、前記括れ部が形成されている幅狭部分における前記吸収体の幅方向における最小幅の割合が、0.3〜0.85となるように構成されている前記[1]〜[3]のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
[5] 前記吸収体は、前記括れ部によって形成される幅狭部分に、前記吸収体を折り曲げ可能な折り曲げ線が形成されている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
[6] 前記吸収体は、前記折り曲げ線が一の折り目となるように、三つ折に折り曲げられている前記[5]に記載の使い捨ておむつ。
[7] 前記トップシートと前記バックシートとは、前記吸収体の前記側縁が括れた部位にて接合されている前記[1]〜[6]のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
[8] 前記立体ギャザーは、おむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーである前記[1]〜[7]のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
[9] 前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置された、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープを更に備えた前記[1]〜[8]のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
本発明の使い捨ておむつは、おむつ着用時において、着用者の排泄した排泄物を、着用者の肌に付着し難くすることができる。このため、着用者の肌が排泄物で汚れ難く、快適におむつを使用することができるとともに、湿疹、あせも、かぶれ等のスキントラブルの発生を抑制することもできる。
以下、本発明の使い捨ておむつを実施するための最良の形態について、1ピースタイプのテープ型おむつを例として具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える使い捨ておむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の使い捨ておむつは、前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、撥水性シートからなり、吸収体の両側に配置された一対の立体ギャザーと、を備え、吸収体は、吸収体を前身頃から後身頃に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃側の前身頃領域及び後身頃側の後身頃領域の少なくとも一方の領域に、吸収体の側縁から吸収体の幅方向内側に向かって側縁が括れた括れ部が形成されている使い捨ておむつである。
本発明の使い捨ておむつは、上述した吸収体に特定形状の括れ部が形成されている点に特徴があり、上記括れ部が形成されていること以外の使い捨ておむつの構造は、吸収体、トップシート、バックシート、及び立体ギャザーを備えている限り、特に制限されるものではない。例えば、本発明の使い捨ておむつは、テープ型の使い捨ておむつであってもよいし、パンツ型の使い捨ておむつであってもよい。また、例えば、パンツ型の使い捨ておむつの場合には、それが1ピースタイプのものであってもよいし、2ピースタイプのものであってもよい。更には、テープ型やパンツ型の使い捨ておむつに限らず、尿パッド等であってもよい。
以下、本発明の使い捨ておむつの一の実施形態として、テープ型の使い捨ておむつを例として更に具体的に説明する。
なお、本明細書において「テープ型おむつ」とは、図1に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、後身頃6を前身頃2に対して固定するための止着テープ10を更に備えた使い捨ておむつ(テープ型おむつ)を意味するものとする。ここで、図1は、本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
そして、「1ピースタイプ」とは、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシート及び/又はバックシートと一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
[1]使い捨ておむつ:
本発明の使い捨ておむつは、図1に示すように、前身頃2、股下部4、後身頃6の各部から形成され、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の上面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の下面を被覆するように配置されたバックシート20と、撥水性シートからなり、吸収体22の両側に配置された一対の立体ギャザー26(26a,26b)と、を備えた使い捨ておむつである。
そして、この使い捨ておむつの吸収体22は、吸収体22を前身頃2から後身頃6に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃2側の前身頃領域102及び後身頃6側の後身頃領域106の少なくとも一方の領域に、吸収体22の側縁から吸収体22の幅方向内側に向かって側縁が括れた括れ部108が形成されている。
従来の使い捨ておむつは、吸収体として、その表面の形状が長方形や砂時計型のものが用いられており、おむつ装着時には、着用者の身体表面の形状に沿って折り曲げられ、着用者の肌に密着する(具体的には、トップシートを間に挟んで密着する)ように構成されている。例えば、砂時計型の吸収体においては、その長手方向の中央部に形成された括れ部分を、着用者の股下部に宛がい、着用者の肌に吸収体が密着するように装着される。
しかしながら、このような従来の使い捨ておむつにおいては、着用者の排泄した排泄物が吸収体に吸収・保持される前に着用者の肌に付着してしまう。このため、着用者の肌の広い範囲を汚し、不快な感触を起こさせるばかりではなく、湿疹、あせも、かぶれ等のスキントラブルを生じるおそれがあるという問題があった。また、着用者の肌と吸収体とが近づき過ぎてしまうため、吸収体の両側に形成された立体ギャザーが十分に機能せず、排泄した尿の漏れ(横漏れ)が発生してしまうという問題もあった。
本発明の使い捨ておむつにおいては、図1に示すように、吸収体22を長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃領域102及び後身頃領域106の少なくとも一方の領域に、上述した括れ部108が形成されているため、おむつ着用時において、吸収体22が着用者の身体表面の形状に沿って折り曲げられる際に、吸収体22の幅が狭くなっている括れ部108が逸早く折り曲げられ、着用者の肌と吸収体22との間に隙間を形成することができる。これにより、着用者の排泄した排泄物が、上記隙間に一時的に保持されることとなり、着用者の肌に排泄物を付着し難くすることができる。
図1においては、上記した三等分したうちの後身頃領域106に括れ部108(108a)が形成されているため、この括れ部108aにて集中的に折れ曲がった部分が隙間となり、更に、この吸収体が折れ曲がった部分においては、立体ギャザー26の起立部分に深みが出るため、上記折れ曲がった部分と立体ギャザー26の起立部分とによって構成される空間(隙間)に着用者の排泄した便を一時的に保持することができ、着用者の臀部と便とが直接接触する機会を大幅に減少させることができる。
なお、図1に示すように、本発明の使い捨ておむつ1においては、吸収体22を長手軸に対して垂直に三等分することによって、前身頃2側の前身頃領域102、後身頃6側の後身頃領域106、及び前身頃領域102と後身頃領域106との間の中間領域104(主として股下部4に対応する)の三つの領域に仮想的に分割している。
本発明の使い捨ておむつにおいては、例えば、図2に示す使い捨ておむつ1aのように、吸収体22は、吸収体22を前身頃2から後身頃6に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃2側の前身頃領域102に括れ部108(108b)が形成されていてもよい。
また、本発明の使い捨ておむつにおいては、例えば、図3に示す使い捨ておむつ1bのように、吸収体22は、吸収体22を前身頃2から後身頃6に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃2側の前身頃領域102と後身頃6側の後身頃領域106との両方の領域に括れ部108(108a,108b)が形成されていてもよい。
ここで、図2及び図3は、それぞれ本発明のテープ型おむつの他の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。図2及び図3に示す使い捨ておむつ1a,1bにおいて、図1に示した各要素と共通する要素については、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
例えば、図2に示す使い捨ておむつ1aのように、前身頃領域102に括れ部108が形成されている場合には、着用時における前身頃2側に形成された括れ部108(108b)にて集中的に折れ曲がった部分が隙間となり、上記折れ曲がった部分と立体ギャザー26の起立部分とによって構成される空間(隙間)に着用者の排泄した尿を一時的に貯留することができ、尿の吸収体側縁からの横漏れを有効に防止することができる。また、着用者の排泄した尿が吸収体に吸収される前に、着用者の身体前面に広がってしまい、着用者の肌の広い範囲を汚し、不快な感触を起こさせることも有効に防止することができ、更に湿疹、あせも、かぶれ等のスキントラブルの発生も有効に防止することができる。
また、図3に示す使い捨ておむつ1bのように、前身頃領域102と後身頃領域106との両方に括れ部108(108a,108b)が形成されている場合には、前身頃2側と後身頃6側との両方に上記空間(隙間)が形成されるため、着用者の肌に便尿両方を付着し難くすることができる。また、上述したように尿の横漏れも有効に防止することができる。
[1−1]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。また、吸収体の型崩れ対策として、熱融着繊維等の合成繊維を含んだものであってもよい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装される。より具体的には、吸収体は少なくとも股下部に介装され、この吸収体が前身頃や後身頃にまで及んでいてもよい。
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体は、これまでに説明したように、吸収体をその長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃側の前身頃領域及び後身頃側の後身頃領域の少なくとも一方の領域に、吸収体の幅方向内側に向かって吸収体の側縁が括れた括れ部が形成されている。
本発明の使い捨ておむつにおいては、図1に示す使い捨ておむつ1のように、括れ部108が、吸収体22の左右の両側縁から吸収体22の幅方向内側に向かって一対形成されていることが好ましい。このように構成することによって、括れ部108(108a)にて集中的に折れ曲がった部分と立体ギャザー26の起立部分とによって構成される空間を良好に形成することができる。
また、この括れ部の形状については特に制限はないが、吸収体の側縁から吸収体の幅方向内側に向かって円弧状に括れた形状のものを挙げることができる。なお、括れ部については、例えば、図4Aに示すような、半楕円形状に括れた括れ部108、図4Bに示すような、放物線状に括れた括れ部108、及び図4Cに示すような、吸収体22の側縁側が下底となる台形形状に括れた括れ部108等であってもよい。ここで、図4A〜図4Cは、本発明の使い捨ておむつに用いられる吸収体の他の例を模式的に示す平面図である。このように構成することによって、おむつ着用時に、括れ部にて吸収体が折り曲げられ易くなり、また、この折れ目に沿って吸収体が裂けてしまうことを有効に防止することができる。なお、例えば、括れ部の先端があまりも鋭角に切欠かれている場合には、吸収体が折り曲げられた際に、括れ部の幅狭部分に形成された折り目から吸収体が裂けてしまうことがある。
また、括れ部が形成される位置については、吸収体をその長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃領域及び後身頃領域の少なくとも一方の領域内であれば特に制限はないが、上記前身頃領域及び後身頃領域のうち、おむつ着用時において、着用者の便又は尿が排泄される部位近傍における、吸収体の側縁に形成されていることが好ましい。このように構成することによって、括れ部にて集中的に折れ曲がった部分と立体ギャザーの起立部分とによって構成される空間に、着用者の排泄した排泄物を良好に保持することができる。
また、本発明の使い捨ておむつにおける吸収体は、吸収体の最大幅に対する、括れ部が形成されている部分(幅狭部分)における吸収体の幅方向における最小幅の割合(以下、単に「吸収体の最大幅に対する最小幅の割合」ということがある)が、0.3〜0.85となるように構成されていることが好ましい。なお、この最大幅に対する最小幅の割合は、0.5〜0.75であることが更に好ましい。
例えば、上記吸収体の最大幅に対する最小幅の割合が0.3未満であると、幅狭部分の幅が狭くなり過ぎ、吸収体の実質的な表面積が減少するとともに、排泄物を一時保持する空間の容積も小さくなってしまうことがある。一方、吸収体の最大幅に対する最小幅の割合が0.85を超えると、幅狭部分の幅と、それ以外の部分の幅(非括れ部分の幅)との差が小さくなり、括れ部が形成されている幅狭部分が先行して折れ曲がり難くなることがある。即ち、幅狭部分以外の部位から先に折り曲がり、括れ部以外の箇所に折れ曲がりによる空間が形成されてしまう恐れがある。
なお、上記した「吸収体の最大幅」とは、括れ部が形成されている幅狭部分以外の領域における、吸収体の幅方向における最も大きな幅のことをいう。
また、本発明の使い捨ておむつにおいては、吸収体は、吸収体を長手方向に三等分したうちの上記前身頃領域と上記後身頃領域との間の中央領域にも、吸収体の側縁から吸収体の幅方向内側に向かって側縁が括れた別の括れ部(以下、「第二の括れ部」ということがある)が形成されていてもよい。
このように、吸収体の前身頃領域及び後身頃領域の少なくとも一方の領域に、吸収体の側縁が括れた括れ部(以下、「第一の括れ部」)が形成されるとともに、前身頃領域と後身頃領域との間の中央領域にも、吸収体の側縁が括れた第二の括れ部が形成されていてもよい。
このように構成することによって、股下部におけるフィット性を良好に向上させることができる。なお、この第二の括れ部については、上記中央領域に形成されているということ以外は、第一の括れ部と同様の形状に形成されていることが好ましい。
例えば、図5に示す使い捨ておむつ1cは、吸収体22の後身頃領域106に第一の括れ部108aが形成されるとともに、吸収体22の中央領域104に第二の括れ部110が形成されている。
また、本発明の使い捨ておむつにおいては、吸収体における、括れ部によって形成される幅狭部分に、吸収体を折り曲げ可能な折り曲げ線が形成されていることが好ましい。このように構成することによって、使い捨ておむつを装着した際に、括れ部の折り曲げ線の部分がより早く且つ確実に折れ曲がるため、排泄物を一時保持する空間が良好に形成されることとなる。
このような折り曲げ線は、例えば、吸収体の折り曲げ線に対応した部位を押圧することによって形成することができる。より具体的には、折り曲げ線に対応した部位にエンボス加工等を施すことによって形成することができる。
例えば、図1に示す使い捨ておむつにおいては、吸収体22の後身頃領域106の、括れ部108aによって形成される幅狭部分に、吸収体22の長手方向に垂直な折り曲げ線112が形成されている。
また、本発明の使い捨ておむつにおいて1は、上記した折り曲げ線112が一の折り目となるように、吸収体22が三つ折に折り曲げられていることが好ましい。即ち、本発明の使い捨ておむつは、吸収体の前身頃領域及び後身頃領域の少なくとも一方の領域に形成された括れ部が折り目となるように、使い捨ておむつ全体が三つ折に折り曲げられて構成されていることが好ましい。
一般に、従来の使い捨ておむつについては、包装フィルムによって包装された包装体の形で市販されている。本発明の使い捨ておむつにおいては、この包装された状態において、上記括れ部の部分にて予め折り曲げられた状態とすることにより、装着時において排泄物を保持する空間が形成され易くなり、着用者の肌と排泄物の接触有効に防止することができる。
本発明の使い捨ておむつにおける括れ部は、前身頃領域及び後身頃領域の少なくとも一方の領域に形成されているため、前身頃領域と後身頃領域との一方の括れ部において吸収体が折り曲げられた場合には、もう一方の前身頃領域又は後身頃領域についても、括れ部の有無に関わらず吸収体を折り曲げ、おむつ全体が三つに折り畳まれるように構成されていることが好ましい。これにより、上記空間が形成され易いものとするだけでなく、使い捨ておむつの複数を包装フィルムによってコンパクトに包装することができ、包装資材の製造・管理コストを低減することができるとともに、使い捨ておむつを購入した購入者等が嵩張らない状態で運搬及び保管することができる。
[1−2]トップシート:
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、後述するテープ型おむつにおいては、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には撥水性材料からなるトップシート(サイドシート)を配置する形態がよく利用される。
[1−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
なお、本発明の使い捨ておむつにおいては、例えば、トップシートとバックシートとは、吸収体の側縁が括れた部位(即ち、吸収体の括れ部が形成された部位)にて直接接合されていることが好ましい。吸収体の括れ部が形成された幅狭部分においては、トップシートとバックシートとによって挟持すべき吸収体が存在しないため、トップシートとバックシートとが吸収体を介在させずに直接接合され、トップシートとバックシートとの間に吸収体が幅方向に挟み込まれて固定されていることが好ましい。勿論、トップシートと吸収体、及びバックシートと吸収体のそれぞれが直接接触する表面についても、吸収体とトップシート及びバックシートとが接合されていることが好ましい。
[1−4]立体ギャザー:
本発明の使い捨ておむつは、撥水性シートからなり、吸収体の両側に配置された一対の立体ギャザーを備えている。この立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
そして、本発明の使い捨ておむつにおいては、この立体ギャザーの起立部分と、吸収体の括れ部によって折れ曲がった部分とによって構成される空間(隙間)に着用者の排泄した排泄物を一時的に保持することができ、着用者の肌と排泄物とが直接接触する機会を大幅に減少させることができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、図1に示す使い捨ておむつ1における立体ギャザー26は、撥水性のシート材の一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材36(36a,36b))を配置し、その立体ギャザー伸縮材36によってシート材にギャザー(襞)を形成したものである。
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、センターシートやサイドシート等のトップシートを折り返すことにより形成してもよい。例えば、図1に示す使い捨ておむつ1は、撥水性シートからなるサイドシート18bを折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、セカンドシート等のトップシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するとともに、括れ部によって吸収体が折れ曲がった部分に空間を形成することができるように、少なくとも、吸収体の中央領域(主に股下部に対応する)と、前身頃領域及び後身頃領域のうちの括れ部が形成されている領域に形成されていればよいが、前身頃領域から後身頃領域にかけて、吸収体の長手方向全域に形成されていてもよい。例えば、図1に示す使い捨ておむつ1は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
立体ギャザーは、おむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザー、おむつの外側に向かって傾倒する外倒しギャザー、また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(例えば、C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることができるが、上述したように、排泄物を一時保持する空間を良好に形成することができるように、内倒しギャザーとすることが好ましい。例えば、図1に示す使い捨ておむつ1は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。
[1−5]各種伸縮材:
テープ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
例えば、図1に示すテープ型の使い捨ておむつ1は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り伸縮材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り伸縮材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り伸縮材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
脚周り伸縮材は、例えば、図1に示すテープ型の使い捨ておむつ1のように、立体ギャザー26の起立線46より外側の部分に、脚周り伸縮材40が形成されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
なお、図1に示すテープ型の使い捨ておむつ1は、脚周り伸縮材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図1に示す使い捨ておむつ1では、脚周り伸縮材40が片側につき二本配置された例を示したが、一本だけ配置されていてもよいし、三本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り伸縮材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
なお、図1に示す使い捨ておむつ1は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[1−6]止着テープ:
止着テープは、おむつを着用者に対して装着させるためのファスナーを備えたテープ状部材である。この止着テープは、おむつの後身頃の左右の各側縁から延出するように配置されており、おむつの後身頃を前身頃に対して固定することができるように構成されている。このようなおむつは、止着テープにより、おむつの後身頃を前身頃に対して固定することで、おむつ全体をパンツ型とすることができ、着用者に対しておむつを装着させることが可能となる。
止着テープは、後述するフロントパッチに固定することができるものである限り、特にその形態は制限されるものではない。例えば、粘着剤により固定を行う粘着テープファスナーを備えたテープであってもよいし、機械的な結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナー)を備えたテープであってもよい。但し、繰り返し使用しても、固定強度が減殺されない、メカニカルファスナーを備えたテープを用いることが好ましい。例えば、布製の基材と、その基材の表面に付設されたメカニカルファスナーのフック材とからなる止着テープ等を好適に用いることができる。
止着テープの基材を構成する材質は、布の他、紙、プラスチックフィルム等を用いることができるが、着用者の肌に優しく、強度が高い布を用いることが好ましい。
「布」の具体例としては、織布、不織布、フェルト等を挙げることができる。中でも、長繊維によって構成され、強度が高いことに加え、安価に製造することができるという理由から、スパンボンド不織布が好ましい。スパンボンド不織布としては、その目付が40〜120g/mのものを用いることが好ましく、50〜100g/mのものを用いることが更に好ましい。このような目付範囲のものを用いることにより、止着テープの強度を向上させることができ、適度なコシを付与することが可能となる。一方、目付が40g/m未満のものを用いると、止着テープの強度が不十分となり、止着テープを強く引っ張った際に千切れてしまうおそれがある。また、目付が120g/mを超えるものを用いると、止着テープが硬くなり過ぎるため、着用者の姿勢によっては着用者の肌に当たり、痛みを感ずる原因になる場合がある。通常、成人用のおむつの場合、目付は70g/m程度のスパンボンド不織布が用いられ、幼児用のおむつの場合、目付が80〜100g/m程度のスパンボンド不織布が用いられる。
また、布を構成する素材としては、合成樹脂、例えば、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系の合成樹脂等を好適に用いることができる。
止着テープとフロントパッチとを固定する手段としては、凸部材(フック材)と凹部材(ループ材)の機械的結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)を好適に用いることができる。メカニカルファスナーは、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成された凸部材(フック材)と、表面にループ状の繊維が配置された凹部材(ループ材)とを組み合わせたもの等が用いられることが多い。このファスナーは、ループ材の表面にフック材を重ね合わせ、フック材の多数の突起をループ材の表面に係合させることにより、両部材を剥離可能な状態に、かつ、強固に固着させることができるものである。
例えば、図1に示す使い捨ておむつ1は、おむつの後身頃6(より具体的にはサイドフラップ8)の左右の各側縁6a,6bから延出するように止着テープ10を付設した例である。この例では、ファスナー44として、メカニカルファスナーのフック材44aが基材48となる不織布の表面に付設されている。
[1−7]フロントパッチ:
フロントパッチとは、おむつの前身頃の部分に形成又は付設された、止着テープを止め付けるための領域を意味する。ファスナーとして粘着ファスナーを利用する場合には、表面が平滑なプラスチックフィルムがフロントパッチとして利用される。一方、ファスナーとしてメカニカルファスナーを利用する場合、特に止着テープにメカニカルファスナーのフック材を付設した場合には、メカニカルファスナーのループ材がフロントパッチとして利用される。
例えば、図1に示す使い捨ておむつ1は、おむつの前身頃2に、メカニカルファスナーのループ材44bからなる、矩形状のフロントパッチ12が配置されており、止着テープ10の基材48に付設されたフック材44aを固定することが可能なように構成されている。このような構成によって、おむつの後身頃6を前身頃2に対して固定することができ、おむつを着用者に装着させることが可能となる。
[2]本発明の使い捨ておむつの適用対象:
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、これまでに説明した1ピースタイプのテープ型おむつに限られるものではなく、例えば、2ピースタイプのテープ型おむつにも適用することができる。また、1ピースタイプ及び2ピースタイプのパンツ型おむつにも適用することができる。また、おむつ等の股下部に配置して使用する尿パッドに適用することもできる。
即ち、上記した1ピースタイプのテープ型おむつ以外の使い捨ておむつにおいても、吸収体として、吸収体を長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃領域及び後身頃領域の少なくとも一方の領域に、吸収体の幅方向内側に向かって吸収体の側縁が括れた括れ部が形成された吸収体を用いることによって、これまでに説明した1ピースタイプのテープ型おむつと同様の効果を得ることができる。
本明細書において「パンツ型おむつ」というときは、図6に示すパンツ型おむつ1dのように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士を接合することによって、接合部58、一つのウエスト周り開口部70及び一対の脚周り開口部72a,72bが形成され、予めパンツ型に構成されたおむつを意味するものとする。このパンツ型おむつ1dは、外装部材16を2枚の不織布シート(インナーシート、アウターシート)から構成し、その2枚の不織布の間に脚周り伸縮材50、ウエスト周り伸縮材52及び腹周り伸縮材54を挟み込み固定した例である。
また、「2ピースタイプ」とは、着用者の排泄液を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体と、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材とから構成され、外装部材の内側に吸収性本体が配置されたタイプのおむつである。
吸収性本体は、吸収体、トップシート及びバックシートを構成要素として備えた部材であり、トップシートとバックシートの間に吸収体を挟み込み、吸収体の周縁部を封着することによって製造することができる。吸収性本体は、少なくともおむつの股下部をカバーするサイズに構成される。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。吸収性本体は、例えばホットメルト接着剤等を用いて、外装部材に対して固定することができる。
一方、外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。2ピースタイプのテープ型おむつやパンツ型おむつは、着用者の排泄液を吸収し、保持する吸収・保持機能については、専ら吸収性本体が果たすことになるので、外装部材を構成する材料として液不透過性材料を用いる必要はない。外装部材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等を挙げることができる。
[3]本発明の使い捨ておむつの製造方法:
以下、本発明の使い捨ておむつの製造方法を、図1に示すテープ型の使い捨ておむつ1を製造する場合の例で説明する。まず、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22及び脚周り伸縮材40を載置する。
本発明の使い捨ておむつにおいては、この吸収体22を製造する際に、吸収体22を前身頃2から後身頃6に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前身頃2側の前身頃領域102及び後身頃6側の後身頃領域106の少なくとも一方の領域に、吸収体22の側縁から吸収体22の幅方向内側に向かって側縁が括れた括れ部108を形成する。また、この吸収体22には、括れ部108によって形成される幅狭部分に、吸収体22を折り曲げ可能な折り曲げ線112を形成してもよい。このような折り曲げ線112は、例えば、エンボス加工等によって形成することができる。
このような括れ部108が形成された吸収体22は、例えば、矩形の吸収体の側縁を円弧状に切欠いて形成してもよいし、また、吸収体22を構成するフラッフパルプ等を、予め所定の位置に括れ部108を有するような形状に成形して形成してもよい。
一方、トップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)には、予め止着テープ10を付設しておく。止着テープ10としては、従来公知のテープ型おむつに用いられる止着テープを好適に用いることができる。
次に、バックシート材と吸収体22の積層体の上面に、トップシート材を載置することにより、おむつの中間体となる積層体を得る。この際、トップシート材は、センターシート18aに相当するトップシート材と、サイドシート18bに相当するトップシート材の2種類が使用される。サイドシート18bに相当するシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
なお、止着テープをサイドフラップと一体的に形成する場合には、予め、トップシート材(例えば、センターシートに相当するシート材)、吸収体、バックシート材の積層体を形成しておき、この積層体の両側縁に、止着テープと一体的に形成されたトップシート材(サイドシートに相当するシート材)を付設する等の方法により、おむつの中間体となる積層体を得ることができる。
前記のようにして得られた積層体は、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成することにより、テープ型の使い捨ておむつ1を製造する。
なお、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型の使い捨ておむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
また、前記の方法は、予めトップシート材に止着テープを付設する方法であるが、予めトップシート材に止着テープを付設することなく、おむつの中間体となる積層体を得、その積層体に対して止着テープを付設する方法を採ってもよい。
本発明の使い捨ておむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に利用することができる。そして、本発明の使い捨ておむつは、排泄された便が着用者の肌に付着し難いため、湿疹、あせも、かぶれ等のスキントラブルを生じ易い乳幼児用の使い捨ておむつとして好適に用いることもできる。また、排泄された便の収容能力にも優れるので、排泄物の量が多い、成人用の使い捨ておむつとしても好適に用いることができる。
本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の使い捨ておむつの他の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の使い捨ておむつの他の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の使い捨ておむつに用いられる吸収体の他の例を模式的に示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつに用いられる吸収体の他の例を模式的に示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつに用いられる吸収体の他の例を模式的に示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつの他の実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、テープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。 本発明の使い捨ておむつの更に他の実施形態を示す概略斜視図であり、おむつの前方から見た状態を示す概略斜視図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c:使い捨ておむつ(テープ型おむつ)、1d:使い捨ておむつ(パンツ型おむつ)、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、8:サイドフラップ、10:止着テープ、12:フロントパッチ、18:トップシート、18a:センターシート、18b:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、36,36a,36b:立体ギャザー伸縮材、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:ファスナー、44a:フック材、44b:ループ材、46:起立線、48:基材、50:脚周り伸縮材、52:ウエスト周り伸縮材、54:腹周り伸縮材、58:接合部、70:ウエスト周り開口部、72,72a,72b:脚周り開口部、102:前身頃領域、104:股下部領域、106:後身頃領域、108,108a,108b:括れ部(第一の括れ部)、110:括れ部(第二の括れ部)、112:折り曲げ線。

Claims (9)

  1. 前身頃、股下部、後身頃の各部から形成され、
    吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の上面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の下面を被覆するように配置されたバックシートと、撥水性シートからなり、前記吸収体の両側に配置された一対の立体ギャザーと、を備え、
    前記吸収体は、前記吸収体を前記前身頃から前記後身頃に向かう長手軸に対して垂直に三等分したうちの、前記前身頃側の前身頃領域及び前記後身頃側の後身頃領域の少なくとも一方の領域に、前記吸収体の側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって前記側縁が括れた括れ部が形成されている使い捨ておむつ。
  2. 前記括れ部は、前記吸収体の両側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって一対形成されている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記吸収体は、前記三等分したうちの前記前身頃領域と前記後身頃領域との間の中央領域にも、前記吸収体の側縁から前記吸収体の幅方向内側に向かって前記側縁が括れた第二の括れ部が形成されている請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記吸収体は、前記吸収体の最大幅に対する、前記括れ部が形成されている幅狭部分における前記吸収体の幅方向における最小幅の割合が、0.3〜0.85となるように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記吸収体は、前記括れ部によって形成される幅狭部分に、前記吸収体を折り曲げ可能な折り曲げ線が形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記吸収体は、前記折り曲げ線が一の折り目となるように、三つ折に折り曲げられている請求項5に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記トップシートと前記バックシートとは、前記吸収体の前記側縁が括れた部位にて接合されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記立体ギャザーは、おむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーである請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記後身頃の左右の各側縁から延出するように配置された、前記前身頃と前記後身頃とを固定するための止着テープを更に備えた請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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