JP5091045B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収体、トップシート及びバックシートを備えた吸収性物品に関するものである。より具体的には、吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を外部に排出する排気機構を備えた吸収性物品に関するものである。
一般に、使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品は、吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、を備えている。
このような吸収性物品は、トップシートが着用者の肌と接するように使用され、排泄物はトップシートの液透過性部分を透過して吸収体に吸収・保持される。そして、吸収体の裏面側に配置された液不透過性のバックシートによって、排泄物が外部に漏洩することが防止される。
ところで、吸収性物品の着用時には、尿や汗、体液等から発生する湿気が吸収性物品と着用者の肌との間に滞留し易い。この湿気は、かぶれ等のスキントラブルの原因となり、蒸れ、べたつき等の不快感を生じさせるため好ましくない。
そこで、吸収性物品と着用者の肌との間の空間に滞留する湿気を外部に排出し、吸収性物品内部の湿度を低下させるために、種々の提案がなされている。例えば、多数の微細孔が形成されたフィルムを用いたバックシート材や防漏シート等が提案されている(特許文献1及び2参照)。また、トップシートと吸収体の間に、吸湿剤が密封された吸湿剤封入体を配した吸収性物品も提案されている(特許文献3参照)。
特開平11−348163号公報 特開2007−020664号公報 特開2003−116912号公報
特許文献1に記載のバックシート材や特許文献2に記載の防漏シートは、フィルムに形成された多数の微細孔によって、漏れを防止しつつ透湿性を向上させることが可能であり、吸収性物品と着用者の肌との間の湿気をある程度排出することができる。しかしながら、これらの発明はバックシート材等の本来的な性能である防漏性を確保した上で、透湿性を改善するものに留まる。従って、透湿性の向上には自ずと限界があり、吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を効率よく排出可能なものではないというのが現状であった。
また、特許文献3に記載の吸収性物品は、吸湿剤を用いて湿気を吸収させることによって、吸収性物品と着用者の肌との間の湿度を低下させることを期待できる。しかしながら、吸湿剤により湿気を吸収する方法では、速やかに湿気を除去することができないという点で解決すべき課題を残すものであった。
本発明は、吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を効率よく速やかに排出することができ、快適に着用することができる吸収性物品を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、シート材からなり、その内向面、外向面の双方に湿気が通過可能な孔が形成された管状の隔壁(チューブ状隔壁)を吸収体の左右両側に付設することとした。そして、着用者の動作に伴うチューブ状隔壁の変形を利用し、ポンプ類似の排気機構で吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を吸収性物品の外部に積極的に排出することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の吸収性物品が提供される。
[1] 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、シート材からなり、外部から仕切られた内部空間が形成された管状を呈し、前記吸収体の両側に配置された左右一対のチューブ状隔壁と、を備え、前記チューブ状隔壁の頂部側には、前記チューブ状隔壁の前後方向に向かって伸張状態の起立用伸縮材が固定され、前記チューブ状隔壁は、前記シート材の一方の側縁を当該シート材の一部に貼り合わせることによって前記内部空間が形成された、中空管状構造を有するものであり、前記チューブ状隔壁の内向面に、前記左右一対のチューブ状隔壁によって挟まれた空間に向かって開口する第1の孔が形成されるとともに、前記チューブ状隔壁の外向面に、前記左右一対のチューブ状隔壁より外側の空間に向かって開口する第2の孔が形成されている吸収性物品。
[2] 撥水性シートからなり、前記吸収体の両側に配置された、左右一対の立体ギャザーを更に備え、前記左右一対の立体ギャザーは、前記左右一対のチューブ状隔壁よりも内側の領域に配置されている前記[1]に記載の吸収性物品。
[3] 前記チューブ状隔壁は、前記シート材の一の端部側の領域によって、外部から仕切られた内部空間を形成する管状部が形成されるとともに、前記シート材の他の端部側の領域によって、前記内部空間に延出されるベロ部が形成されており、前記ベロ部に前記起立用伸縮材が固定されている前記[1]又は[2]に記載の吸収性物品。
本発明の吸収性物品は、吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を効率よく速やかに排出することができ、快適に着用することができる。
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について、テープ型使い捨ておむつの例により具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品(例えば、パンツ型使い捨ておむつ、尿パッド等)を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、作図の都合上、図1Aにおいては、脚周り伸縮材を捨象した形で作図を行った。
[1]定義等:
「テープ型使い捨ておむつ」とは、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、トップシート18と、バックシート20とを備え、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
「前身頃」とは、図1Aに示す吸収性物品1Aのように、着用者に吸収性物品を装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分(図中、符号2)、「股下部」とは、着用者に吸収性物品を装着した際に、着用者の股下を覆う部分(図中、符号4)、「後身頃」とは、着用者に吸収性物品を装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする(図中、符号6)。
[2]本発明の吸収性物品の構成:
本発明の吸収性物品は、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aのように、シート材70,76からなり、外部から仕切られた内部空間60が形成された管状を呈し、吸収体22の両側に配置された左右一対のチューブ状隔壁62Aを備え、チューブ状隔壁62Aの頂部側には、チューブ状隔壁62Aの前後方向に向かって伸張状態の起立用伸縮材64が固定され、チューブ状隔壁62Aの内向面に、左右一対のチューブ状隔壁62Aによって挟まれた空間に向かって開口する第1の孔66が形成されるとともに、チューブ状隔壁62Aの外向面に、左右一対のチューブ状隔壁62Aより外側の空間に向かって開口する第2の孔68が形成されているものである。
このような構成では、尿や体液から発生し、吸収性物品(主としてトップシート18)と着用者の肌との間に滞留する湿気が、第1の孔66からチューブ状隔壁62の内部空間60に入り込む。一方、第2の孔68からは、外気がチューブ状隔壁62の内部空間60に入り込む。湿気と外気はチューブ状隔壁62の内部空間60において混ざり合った後、第1の孔66と第2の孔68から排出される。また、シート材70,76によって形成されたチューブ状隔壁62Aは着用者の動作によって容易に変形するので、第1の孔66からチューブ状隔壁62の内部空間60に入り込んだ湿気が、着用者の動作によってチューブ状隔壁62Aが潰れる際に、第1の孔66と第2の孔68から排出される。そして、チューブ状隔壁62が潰れた状態から管状構造に回復する際に、再び、第1の孔66はおむつ内部の湿気を、第2の孔68は外気を吸い込む。即ち、ポンプ類似の排気機構で前記湿気を積極的に吸収性物品1Aの外部に排気することもできる。
このような排気機構を用いれば、微多孔性のバックシートを用いた場合よりも湿気の排出量を大きくすることができ、吸湿剤により湿気を吸収する方法と比較して短時間に効果が発現される。即ち、吸収性物品と着用者の肌との間に滞留する湿気を効率よく速やかに排出することが可能となるため、かぶれ等のスキントラブルや、蒸れ、べたつき等の不快感を生ずることが少なく、快適に着用することができる。
[2−1]チューブ状隔壁:
図1A及び図1Bに示すように、チューブ状隔壁62Aは、シート材70,76からなり、外部から仕切られた内部空間60が形成された管状を呈し、吸収体22の両側に配置された左右一対の部材である。
[2−1A]材質:
「シート材」は、前記排気機構を機能させるため、変形容易なシート材であることが好ましい。また、撥水性材料や液不透過性材料からなるシート材で構成すれば、立体ギャザーと同様の効果を付与することも可能である。このようなシート材としては、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布や、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シート、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができる。また、部分的に、孔空き不織布を使用することもできる。
但し、後述するように、チューブ状隔壁の内側の領域に、一対の立体ギャザーを付設する場合等には、チューブ状隔壁は必ずしも撥水性材料や液不透過性材料によって構成する必要はない。例えば、弱い親水性をもった材質によりチューブ状隔壁を構成してもよい。このような材質でチューブ状隔壁を構成すると、着用者の汗等が吸収されるため、チューブ状隔壁の表面に滞留した汗等によるスキントラブルを防止することができ、好ましい。
チューブ状隔壁は、他の部材から独立したシート材によって構成されていてもよいし、吸収性物品の他の部材を構成するシート材と一体的に構成されていてもよい。
例えば、図1Bに示す吸収性物品1A、図4Aに示す吸収性物品1Dは、立体ギャザー26とサイドシート19を構成する撥水性シート32の表面に、これとは独立したシート材70,76によって構成されたチューブ状隔壁62A,62Dを固定した例である。一方、図2に示す吸収性物品1B、図5に示す吸収性物品1Eは、立体ギャザー26を構成する撥水性シート32とチューブ状隔壁62B,62Eを構成するシート材70とを一体的に構成した例、図3に示す吸収性物品1Cは、サイドシート19を構成するシート材とチューブ状隔壁62Cを構成するシート材70とを一体的に構成した例である。
[2−1B]全体構造:
チューブ状隔壁は、外部から仕切られた内部空間が形成された管状を呈する部材である。「外部から仕切られた」とは、シート材を境界にして、チューブ状隔壁の内部空間と外部とが認識できる構造となっていればよく、気密的又は液密的に空間が区画されている必要はない。例えば、図1Bに示す吸収性物品1Aは、チューブ状隔壁62Aを構成するシート材70,76に、第1の孔66及び第2の孔68が形成され、内部空間60と外部空間は連通した状態にあるが、シート材70,76を境界にしてチューブ状隔壁62Aの内部空間60と外部空間とが明確に認識しうる構造となっている。
図1Aに示すように、チューブ状隔壁62Aは、吸収体22の吸収体22の両側に左右一対配置される。前記排気機構を機能させるためには、着用者の動作によってチューブ状隔壁(ひいては、その内部空間)を変形させることが好ましい。従って、着用者の動作が大きい脚周りに近い部分、具体的には、吸収体の両側に配置することで、前記排気機構を良好に機能させることができる。また、チューブ状隔壁は起立用伸縮材によって立体的に起立するので、チューブ状隔壁を吸収体の両側に左右一対配置することにより、立体ギャザー的な機能を発揮させることも可能となる。
図1Aに示すように、チューブ状隔壁62Aは、吸収性物品1Aの前後方向に向かって直線的に配置し、一対のチューブ状隔壁62Aを並行に配置することが一般的である。この際、チューブ状隔壁の前後の端部は、ホットメルト接着剤等によって封着することによって、端部止めを行うことが一般的である。
本発明の吸収性物品においては、図1Bに示すように、チューブ状隔壁62Aが、複数枚のシート材70,76からなり、その複数枚のシート材70,76が、少なくともチューブ状隔壁62Aの頂部において相互に積層されて積層部が形成され、その積層部の層間に、起立用伸縮材64が伸張状態で固定されていることが好ましい。このような構造とすることで、チューブ状隔壁を着用者の肌に十分フィットさせることができ、着用者の脚部の動作をロスなくチューブ状隔壁(ひいては内部空間)の変形に利用することができる。従って、内部空間の圧縮・復元を活発に行わせることができ、湿気の排気性を向上させることができる。
図1A及び図1Bに示すチューブ状隔壁62Aは、例えば、図1Cに示すような方法で作製することができる。まず、(a)図に示すように、シート材70とシート材76を一部が重なり合うように貼り合わせる。この際、シート材70,76の層間には伸張状態の起立用伸縮材64を挟み込んで固定する。また、剥離防止のため、シート材70,76の積層部にヒートシールによって接合部82を形成する。その後、シート材70のみからなる部分に第1の孔66を、シート材70とシート材76との積層部に第2の孔68を形成し、起立用伸縮材64の配置部分より接合部82側の部分で折り畳む。
次いで、(b)図に示すように、シート材70の縁部に接着剤84を塗工し、起立用伸縮材64の配置部分より第1の孔66側の部分で折り畳む。更に、(c)図に示すように、接着剤84により、シート材70同士を貼り合わせ、チューブ状隔壁62A及び内部空間60を形成する。この部材を接着剤等により吸収性物品本体に貼り合わせることで、図1Bに示す吸収性物品1Aのような吸収性物品が得られる。
この際、接着剤84及びトップシート18とシート材70とを接着する接着剤はチューブ状隔壁62Aが剥離しない限度において幅狭く塗工されていることが好ましい。シート材70とトップシート18との接着部及び接着剤84によって形成されるシート材70同士の接着部を幅狭く形成することで、チューブ状隔壁62Aが接着部に拘束されることなく、起立用伸縮材64によって十分に立ち上がり、チューブ状隔壁62Aの有する排気効果が向上する。
図1Bに示す吸収性物品1Aは、シート材76をチューブ状隔壁62Aの頂部のみならずチューブ状隔壁62Aの外向面にまで配置した例である。一方、図6に示す吸収性物品1F、図7Aに示す吸収性物品1Gは、起立用伸縮材64を配置するチューブ状隔壁62Gの頂部のみにシート材76を配置し、チューブ状隔壁62Gの内向面や外向面にはシート材76を配置していない例である。即ち、チューブ状隔壁62Gの内向面及び外向面をシート材70のみによって形成している。
上記のような形態は、チューブ状隔壁62Gの内向面及び外向面が一枚のシート材70によって構成され柔軟性に優れる。従って、内向面又は外向面を複数枚のシート材で構成した場合と比較してチューブ状隔壁62Gをより容易に起立させることができ、着用者の肌への追従性を高めることができる。また、起立用伸縮材64を固定する部分のみにシート材76を配置しているため、シート材76の使用量を減らすことができる。
また、図6に示す吸収性物品1Fは、シート材70とシート材76との間に起立用伸縮材64を直接挟み込み固定した例である。一方、図7Aに示す吸収性物品1Gは、シート材76を二つ折りに折り畳み、その折り畳み部分の層間に起立用伸縮材64を挟み込んで固定した例である。
図7Aのような構造は、起立用伸縮材64が着用者の肌に直接接触し難く、起立用伸縮材64によって着用者の肌が強く刺激されることが少ない。従って、伸縮材の接触によるカブレ等のスキントラブルを抑制することができる。また、図7Aのような構造は、シート材70とシート材76を異なる素材からなるシートによって構成することができる点において好ましい。例えば、着用者の肌と接触するシート材70として親水性の不織布シートを用い、シート材76として撥水性(疎水性)の不織布シートを用いることができる。また、シート材70として孔開きの不織布シート、シート材76として通常の(孔の開いていない)不織布シートを用いることもできる。シート材70として孔開きの不織布シートを用いることで、別途第1の孔66、第2の孔68を形成する必要がなくなるため好ましい。
更に、図7Aに示す吸収性物品1Gは、シート材70と、起立用伸縮材64を挟み込んだシート材76とをスパイラル状に塗工した接着剤(ホットメルト接着剤等)によって固定している。このような固定方法は、シート材70,76を全面的に接着固定した場合とは異なり、シート材70,76の間に空隙が形成され易く、前記のスキントラブル抑制効果が向上する。
図7Aに示すチューブ状隔壁62Gは、例えば図7Bに示す方法で得ることができる。まず、シート材76の半面に接着剤102を塗工する。図示の例では接着剤102を面状に塗工している((a)図)。次いで、接着剤102の塗工部に伸張状態の起立用伸縮材64を配置する((b)図)。更に、シート材76の半面を折り返し、シート材76の折り畳み部分の層間に起立用伸縮材64を挟み込んで固定する((c)図)。
一方、シート材70の表面には、スパイラル状に接着剤100を塗工しておく((d)図)。次いで、接着剤100の塗工部分に対して、起立用伸縮材64を配置固定したシート材76を貼り合わせ((e)図)、シート材70に第1の孔66、第2の孔68を穿設する((f)図)。更に、シート材70の一部(図面左側の領域)をシート材76に重ねるように折り畳む((g)図)。シート材70の側縁(図面右側の側縁)に沿って接着剤104を塗工し、シート材70を更に折り畳むとともに、接着剤104の塗工部分に対してシート材70のもう一方の側縁を貼り合わせることにより((h)図)、チューブ状隔壁62Gを得る((i)図)。
また、本発明の吸収性物品においては、図4Aに示す吸収性物品1D、図5に示す吸収性物品1Eのように、チューブ状隔壁62D,62Eが一枚のシート材70からなり、その一枚のシート材70の縁部が折り返されて折り返し部が形成され、その折り返し部の層間に起立用伸縮材64が伸張状態で固定されているものも好ましい。
即ち、図1Bに示す吸収性物品1Aでは、2枚のシート材70,76によってチューブ状隔壁62Aを形成しているが、二枚のシート材を用いずに一枚のシート材によってチューブ状隔壁を形成することもできる。例えば、一枚のシート材をチューブ状隔壁の管状の部分を形成した後、その底部に当たる部分で折り返して折り返し部を形成し、その折り返し部に起立用伸縮材を伸張状態で固定すればよい。こうすることにより、一枚のシート材のみによって、図1Bに示す吸収性物品1Aのチューブ状隔壁62Aと同様の効果を奏するチューブ状隔壁を形成することができる。
中でも、図4Bに示すように、チューブ状隔壁62が、シート材70の一の端部E1側の領域70aによって、外部から仕切られた内部空間60を形成する管状部90が形成されるとともに、シート材70の他の端部E2側の領域によって、内部空間60に延出されるベロ部92が形成されており、ベロ部92に起立用伸縮材64が固定されているものが好ましい。図4Aに示す吸収性物品1D、図5に示す吸収性物品1Eは、そのようなベロ部が形成されたチューブ状隔壁62D,62Eを備えた吸収性物品の例である。
「ベロ部」とは、チューブ状隔壁の内部空間に突出するシート状の部分を意味する。「ベロ部」はチューブ状隔壁の管状部(即ち外殻部分)を構成するのではなく、専ら起立用伸縮材を配置するために設けられたチューブ状隔壁の内部構造を構成する部材である。
図4Bは、図4Aのチューブ状隔壁62Dの部分を拡大して示す一部拡大断面図である。この図では説明の便宜上、シート材70のうち一の端部E1側の領域70aを斜線による塗りつぶしで、他の端部E2側の領域70bをドットパターンによる塗りつぶしで示してある。
シート材70は、端部E1側の領域70a(一の端部E1から第1の折り返し点P1に至るまでの部分)と、端部E2側の領域70b(第1の折り返し点P1から端部E2に至るまでの部分)とからなる。そして、領域70aが外部から仕切られた内部空間60を形成する管状部90を形成し、領域70bが内部空間60に延出されるベロ部92を形成している。ベロ部92は第2の折り返し点P2で折り返されて、その折り返し部分の層間に起立用伸縮材64が挟み込まれ固定されている。ベロ部92の折り返し点P2は管状部90の内面に接着剤94により接合されている。
図4Bのような構造によれば、起立用伸縮材64が挟み込まれて固定されたベロ部92と着用者の肌に直接接触する管状部90との間に空気層96が形成される。従って、図1Bに示す構造と比較して、起立用伸縮材64が着用者の肌を強く刺激することがなく、伸縮材の接触によるカブレ等のスキントラブルを有効に防止することができる。
[2−1C]起立用伸縮材:
図1A及び図1Bに示すように、チューブ状隔壁62Aの頂部側には、チューブ状隔壁62Aの前後方向に向かって伸張状態の起立用伸縮材64が固定されている。この起立用伸縮材64の収縮力によって、チューブ状隔壁62Aが立体的に起立し、中空管状構造が維持される。また、変形容易なシート材70,76と起立用伸縮材64によって形成される内部空間60は力を加えれば自在に変形し、力が加わらない状態では元の形状に戻る。従って、ポンプ類似の排気機構を良好に機能させることができる。起立用伸縮材の種類、配置方法等は、後述する脚周り伸縮材等に準ずる構成とすればよい。
[2−1D]孔:
図1Bに示すように、チューブ状隔壁62Aは、その内向面に、一対のチューブ状隔壁62Aによって挟まれた空間に向かって開口する第1の孔66が形成されている。また、チューブ状隔壁62Aの外向面には、左右一対のチューブ状隔壁62Aより外側の空間に向かって開口する第2の孔68が形成されている。従って、第1の孔66から湿気が取り込まれ、内部空間60で外気と混合された後、第2の孔68から吸収性物品1Aの外部に湿気が排出される。
「内向面」とは、チューブ状隔壁を形成する面のうち、対となる他のチューブ状隔壁と対向する面を意味し、「左右一対のチューブ状隔壁によって挟まれた空間に向かって開口する」とは、吸収性物品の幅方向中央側に向かって開口していることを意味する。また、「外向面」とは、チューブ状隔壁を形成する面のうち、対となる他のチューブ状隔壁と背向する面を意味し、「左右一対のチューブ状隔壁より外側の空間に向かって開口する」とは、吸収性物品の幅方向外側に向かって開口していることを意味する。なお、「開口する」とは、第1の孔又は第2の孔が常時開口している場合のみならず、後述するようなスリットによって形成され、吸気・排気の際のみ開口するようなものも含む。
図1A及び図1Bに示すように、チューブ状隔壁62Aは、その前後方向中央部に第1の孔66及び第2の孔68が複数形成されたものであることが好ましい。通常、吸収性物品は、その前後方向中央部が着用者の股下に当接するようにして用いられる。そして、その股下部には尿や体液が排泄されるとともに、前後端部より高さ位置が低いため、湿気が滞留し易い。従って、チューブ状隔壁の前後方向中央部に第1の孔及び第2の孔を複数形成することによって、その湿気を吸収性物品外部に排出し易くなる。
「前後方向中央部」とは、隔壁の全長に対して、前端側、後端側各々30%長さ部分を除いた中央側40%長さの部分を意味する。「複数」の具体的な数は制限されない。孔の開口面積によっても異なるが、孔1個当たり開口面積が0.5〜10mmであれば、第1の孔、第2の孔各々5〜200個形成することが好ましく、10〜100個形成することが更に好ましい。5個以上とすることで、排気機能を確保することができる。一方、200個以下とすることで尿や体液が排気経路に流入することを有効に防止することができる。
チューブ状隔壁は、軌跡が凸形状のスリット又は交差する複数本のスリットによって第1の孔又は第2の孔が形成されていることが好ましい。第1の孔又は第2の孔を単なる開口部とするのではなく、前記スリットによって形成することで、極めて容易に第1の孔に弁的に機能する舌片を付設することができる。前記舌片により、排気経路に尿や体液が侵入することを抑制しつつ、湿気を通過させることができる。
スリットの形態は特に限定されないが、「軌跡が凸形状のスリット」としては、図8Aに示すような、a)湾曲部を有するスリット74A、b)屈曲部を有するスリット74B等を挙げることができる。また、「交差する複数本のスリット」としては、同じく図8Aに示すような、c)二本のスリットが交差する十字状のスリット74C、d)3本のスリットが交差する星型のスリット74D等を挙げることができる。
図8A及び図8Bに示すように、スリット74Aにより、略楕円状の舌片72A及び略楕円状の第1の孔66Aを形成することができ、スリット74Bにより、三角形状の舌片72B及び三角形状の第1の孔66Bを形成することができる。また、スリット74Cにより、三角形状の舌片72C及び矩形状の第1の孔66Cを形成することができ、スリット74Dにより、三角形状の舌片72D及び六角形状の第1の孔66Dを形成することができる。
[2−1E]立体ギャザーとの関係:
本発明の吸収性物品は、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aのように、撥水性シート32からなり、吸収体22の両側に配置された、左右一対の立体ギャザー26(26a,26b)を更に備え、左右一対の立体ギャザー26(26a,26b)は、左右一対のチューブ状隔壁62Aよりも内側の領域に配置されていることが好ましい。
既に述べたように、本発明の吸収性物品においては、チューブ状隔壁62Aを立体ギャザー的に機能させることも可能だが、立体ギャザー26を更に付設することで、漏れ防止対策としてはより万全なものとなる。また、チューブ状隔壁62Aが立体ギャザー26よりも外側の領域に配置されることになり、チューブ状隔壁62Aを脚周り伸縮材として利用することができるという効果が得られる。
[2−1F]脚周り伸縮材との関係:
本発明の吸収性物品においては、チューブ状隔壁を脚周り伸縮材として機能させることも可能である。チューブ状隔壁が着用者の脚周りにフィットするため、脚周り伸縮材を別途配置しなくても脚周り開口部からの漏れを防止し得るからである。例えば、図2に示す吸収性物品1Bや図5に示す吸収性物品1Eは、チューブ状隔壁62A,62Eによって脚周り伸縮材と同様の機能を担保させ、脚周り伸縮材を配置しない形態の例である。
[3]吸収性物品の構成部材:
本発明の吸収性物品は、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aのように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、吸収体22の表面を被覆するように配置されたトップシート18と、液不透過性材料からなり、吸収体22の裏面を被覆するように配置されたバックシート20とを備えるものである。
[3−1]吸収体:
「吸収体」は、着用者の尿等を吸収し、保持するための部材であり、吸収性材料によって構成される。
「吸収性材料」としては、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シート等を挙げることができる。「フラッフパルプ」としては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、「SAP」としては、ポリアクリル酸ナトリウムを、「親水性シート」としては、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、1種又は2種以上の吸収性材料を単層又は複層のマット状に成形したものを用いることが好ましい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプのマット中に混在させるか、フラッフパルプのマットの層間に層状に配置して用いればよい。
吸収体は、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等、所望の形状に成形して用いることができる。吸収体は、SAPの脱落を防止し、形状安定性を付与するという目的から、親水性シートによって被包されていることが好ましい。通常、吸収体はトップシートとバックシートの間に挟みこまれ、両シートと一体化された状態で用いられる。
[3−2]トップシート:
トップシートは、着用者の尿等を透過させる必要から、その少なくとも一部(全部又は一部)が液透過性材料により構成される。
「液透過性材料」としては、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、脂肪族ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
「不織布」としては、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス等の製法によって製造された不織布を好適に用いることができる。「親水化処理」は、界面活性剤を塗布、スプレー、含浸等させることにより行うことができる。
トップシートは、「少なくとも一部」、具体的には、トップシートを平面的に見た場合に、少なくとも吸収体の表面近傍は液透過性材料により構成されていることが好ましい。
なお、吸収性物品の着用者の肌側に位置するシートが全てトップシートによって構成されている必要はない。即ち、着用者の肌と接するシートが、トップシートを含む複数のシートによって構成され、トップシートと他のシートがシートの表面方向に向かって継ぎ合わされたような構造となっていてもよい。
例えば、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aは、テープ型使い捨ておむつであり、おむつの幅方向中央部には液透過性材料からなるトップシート18を配置し、おむつのサイドフラップ部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるサイドシート19を配置した例である。通気撥水性シートとしては、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[3−3]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の肌から遠い側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートの配置位置については特に制限はない。吸収体で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体の存在する部分にバックシートが配置されていることが好ましい。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、図1Bに示すように、バックシート20の外表面側にカバーシート24を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[3−4]立体ギャザー:
既に述べたように、本発明の吸収性物品は、撥水性シートからなり、吸収体の両側に配置された左右一対の一対の立体ギャザーを備えていることが好ましい。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性シートの層間に伸縮材を挟み込んで固定し、その伸縮材の収縮力によってギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
なお、立体ギャザーは、前記のように立体ギャザー用の撥水性シートを別途付設してもよいし、おむつを構成するシート材(例えば、撥水性のサイドシート等)の一部によって形成してもよい。撥水性シートは、カードエンボス、スパンボンド等の製法により製造された不織布であってもよいが、防水性の高いSMS、SMMS等の不織布シートが更に好ましい。
[3−5]止着テープ:
本発明の吸収性物品は、図1Aに示すように、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置された、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ11を備えていてもよい。即ち、本発明の吸収性物品には、いわゆるテープ型使い捨ておむつが含まれる。
止着テープのファスニング部材としては、粘着剤により固定を行う粘着ファスナーであってもよいが、機械的な結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナー)
を用いることが好ましい。メカニカルファスナーは、止着力が高いことに加え、複数回の脱着を行っても止着力が低下することがないという利点がある。
例えば、図1Aに示す吸収性物品1Aは、ファスニング部材として、メカニカルファスナー46を用いた例である。止着テープ11の先端近傍には、フック材46aが付設される一方、前身頃2には、ループ材46bからなるフロントパッチ13が付設されており、フロントパッチ13に対して、止着テープ11を止め付けることが可能なように構成されている。
止着テープの数は特に限定されず、着用者の体型(具体的には、ウエスト周り、脚周り等)の寸法に合わせて、適当な数の止着テープを付設すればよい。一般的には、乳幼児用の使い捨ておむつであれば一対(左右1個ずつ)、成人用の使い捨ておむつであれば二対(左右2個ずつ)が付設される。
[3−6]各種伸縮材:
本発明の吸収性物品が使い捨ておむつである場合は、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
この脚周り伸縮材は、糸ゴムや平ゴム等によって構成される。そして、脚周り伸縮材は、立体ギャザーの起立線より外側の部分に配置されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
図1Aに示す吸収性物品1Aは、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り伸縮材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り伸縮材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り伸縮材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り伸縮材を配置してもよい。
これらの伸縮材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性糸からなる糸ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
伸縮材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、伸縮材が天然ゴムからなる平ゴムや合成ゴムの弾性糸からなる糸ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、着用者に対して過度の締め付け力を作用させることなく、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
前記のような伸縮材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
[3−7]適用対象:
なお、本発明の吸収性物品は、既に説明したようなテープ型使い捨ておむつの他、パンツ型使い捨ておむつや尿パッド等の吸収性物品にも適用することができる。
「パンツ型使い捨ておむつ」とは、図9A、図9Cに示す吸収性物品1Hのように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁6a,6b同士を接合することによって、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12(12a,12b)が形成され、予めパンツ型に構成された使い捨ておむつである。中でも、吸収体22が内包された吸収性本体14が、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12が形成されたパンツ型を呈する外装シート16の内部に固定された形態がよく用いられる(「2ピースタイプ」と称される。)。
例えば、図9A〜図9Dに示す吸収性物品1Hは、2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつに本発明を適用した例である。この例では、吸収性本体14の側縁部、立体ギャザー26の外側にチューブ状隔壁62Hを付設している。但し、チューブ状隔壁62Hを吸収性本体14ではなく、外装シート16に対して固定しても、同様の効果を得ることができる。
「尿パッド」とは、インナーパッド、補助パッドとも称され、専ら尿吸収を目的とする吸収パッドである。この尿パッドは、下着の内面や使い捨ておむつのトップシートの表面に載置した状態で用いられる。尿パッドは、使い捨ておむつと同様に、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートとを備えるが、着用者の腰周りを被包する部分を持たない小型のパッド状に構成されることが一般的である。
本発明の吸収性物品について、図面を参照しながら更に具体的に説明する。但し、本発明の吸収性物品は、その発明特定事項を備えた吸収性物品を全て包含するものであり、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
実施例1の吸収性物品として、テープ型使い捨ておむつを作製した。具体的な構造は、図1A及び図1Bに示す吸収性物品1Aの構造とした。この吸収性物品1Aは、乳児用Lサイズのものであり、前後方向長さを485mm、後身頃6の幅(側縁6a,6b間の長さ)を325mmとした。
吸収性物品1Aは、SMS不織布製のサイドシート19の一部をなすシート材70と、これとは別体のSMS不織布製のシート材76によって構成した。チューブ状隔壁62Aの形成は、図1Cに示す方法で行った。シート材70,76は、チューブ状隔壁62Aの頂部及び外向面に相当する部分において相互に積層し積層部を形成した。
吸収性物品1Aでは、前記積層部の層間には、チューブ状隔壁62Aの起立用伸縮材64として6本の伸縮材を伸張状態で配置した。立体ギャザー伸縮材36の固定長さは380mm、伸張率(伸張時長さ/非伸長時長さ×100)は、300%とした。
チューブ状隔壁62Aの内向面及び外向面には、前後方向の前端側、後端側各々30%長さの部分を除いた中央側40%長さの部分に、10個×2列のパターンで各20個の第1の孔66、第2の孔68を形成した。第1の孔66及び第2の孔68の形状は長軸3mm、短軸2mmの楕円形状とし、開口面積は4.7cmとした。
チューブ状隔壁62Aは、吸収体22の前後端部に向かって吸収体22の両側に左右一対配置した。これにより、シート材70,76によって外部から区画された内部空間60を形成した。この内部空間60の最大断面積は1.5cmであった。
本発明の吸収性物品は、乳幼児用又は介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用の使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品に利用することができる。
本発明の吸収性物品の一の実施形態を示す図であり、吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す概略平面図である。 図1Aに示す吸収性物品のA−A’断面を示す概略断面図である。 図1Aに示す吸収性物品のチューブ状隔壁を形成する方法を示す工程図である。 本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の更に別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の更にまた別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 図4Aに示す吸収性物品のチューブ状隔壁の部分を拡大して示す一部拡大断面図である。 図4Aに示す吸収性物品のチューブ状隔壁を形成する方法を示す工程図である。 本発明の吸収性物品の別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の更に別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 本発明の吸収性物品の更にまた別の実施形態を示す図であり、図1Bに対応する断面を示す概略断面図である。 図7Aに示す吸収性物品のチューブ状隔壁を形成する方法を示す工程図である。 本発明の吸収性物品の隔壁に形成される第1の孔の実施形態を示す概略平面図である。 図8Aに示す第1の孔が開孔した状態を示す概略平面図である。 本発明の吸収性物品を展開し、トップシート側から見た状態を示す概略平面図である。 図9Aに示す吸収性物品のX−X’断面を示す概略断面図である。 図9Aに示す吸収性物品を組み立てて正面側から見た状態を示す概略斜視図である。 図9Aに示す吸収性物品から吸収性本体を除去し、外装シートの部分のみを示す概略平面図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H:吸収性物品、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、11:止着テープ、13:フロントパッチ、18:トップシート、19:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、24:カバーシート、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:腹周り伸縮材、46:メカニカルファスナー、46a:フック材、46b:ループ材、60:排気経路、62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G,62H:チューブ状隔壁、64:起立用伸縮材、66,66A,66B,66C,66D:第1の孔、68:第2の孔、70:シート材、70a,70b:領域、72A,72B,72C,72D:舌片、74A,74B,74C,74D:スリット、76:シート材、82:接合部、84:接着剤、90:管状部、92:ベロ部、94,98,100,102,104:接着剤、96:空気層、E1:一の端部、E2:他の端部、P1:第1の折り返し点、P2:第2の折り返し点。

Claims (3)

  1. 吸収体と、少なくとも一部が液透過性材料からなり、前記吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、液不透過性材料からなり、前記吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートと、シート材からなり、外部から仕切られた内部空間が形成された管状を呈し、前記吸収体の両側に配置された左右一対のチューブ状隔壁と、を備え、
    前記チューブ状隔壁の頂部側には、前記チューブ状隔壁の前後方向に向かって伸張状態の起立用伸縮材が固定され、
    前記チューブ状隔壁は、前記シート材の一方の側縁を当該シート材の一部に貼り合わせることによって前記内部空間が形成された、中空管状構造を有するものであり、
    前記チューブ状隔壁の内向面に、前記左右一対のチューブ状隔壁によって挟まれた空間に向かって開口する第1の孔が形成されるとともに、前記チューブ状隔壁の外向面に、前記左右一対のチューブ状隔壁より外側の空間に向かって開口する第2の孔が形成されている吸収性物品。
  2. 撥水性シートからなり、前記吸収体の両側に配置された、左右一対の立体ギャザーを更に備え、
    前記左右一対の立体ギャザーは、前記左右一対のチューブ状隔壁よりも内側の領域に配置されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記チューブ状隔壁は、前記シート材の一の端部側の領域によって、外部から仕切られた内部空間を形成する管状部が形成されるとともに、前記シート材の他の端部側の領域によって、前記内部空間に延出されるベロ部が形成されており、
    前記ベロ部に前記起立用伸縮材が固定されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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