JP4346633B2 - パンツ型使い捨ておむつ及びその製造方法 - Google Patents
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本発明のパンツ型使い捨ておむつは、図1〜図3に示すパンツ型使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、吸収体22の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20と、トップシート18の表面側に配置され、排泄物通過用開口部28が形成されたスキンコンタクトシート24とを備え、スキンコンタクトシート24には、排泄物通過用開口部28の外縁に沿って配置された、少なくとも一対の開口部伸縮材30a,30bが付設され、少なくとも一対の開口部伸縮材30a,30bのうち、一方の開口部伸縮材(前方伸縮材30a)が排泄物通過用開口部28の前身頃2側の外縁に沿って配置され、他方の開口部伸縮材(後方伸縮材30b)が排泄物通過用開口部28の後身頃6側の外縁に沿って配置されるとともに、前方伸縮材30a及び後方伸縮材30bは、相互に交差しない状態で、その軌跡の延長線が脚周り開口部12a,12bの外縁を横切るようにスキンコンタクトシート24に付設されているものである。
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとを離隔するための部材であり、トップシートの表面側に配置され、排泄物を通過させ得る開口部(排泄物通過用開口部)が形成されたシート状部材である。このスキンコンタクトシートを備えることによって、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下部に配置されるトップシートは着用者の肌と直接接触し難くなる。即ち、着用者の肌とトップシートとが離隔されることになる。また、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることにもなる。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を奏する。
立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。本発明のパンツ型使い捨ておむつは、少なくとも一対の立体ギャザーが形成されていることが好ましい。この立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つのパッド状の部材として構成し、これとは別個に製造された、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成する外装部材の内側(着用者の肌側)に固定することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。例えば、図3に示すパンツ型使い捨ておむつ1は、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟みこみ、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体14を構成した例である。
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
本発明のパンツ型使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつにも適用することができる。即ち、1ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつにおいても、スキンコンタクトシートの排泄物通過用開口部の外縁の前身頃側と後身頃側とに一対の開口部伸縮材を配置し、これらの伸縮材を脚周り開口部の外縁を横切るように配置することによって、本発明のパンツ型使い捨ておむつの効果を享受することができる。
以下、本発明のパンツ型使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1〜図3に示すパンツ型使い捨ておむつ1及び図4に示すパンツ型使い捨ておむつ100(2ピースタイプのパンツ型使い捨ておむつ)を製造する場合の例により説明する。図7は、図1〜図3に示すパンツ型使い捨ておむつ1の製造方法の一の実施形態を示す工程図であり、図8は、図4に示すパンツ型使い捨ておむつ100の製造方法の一の実施形態を示す工程図である。
まず、図3に示すような、吸収体22がトップシート18とバックシート20との間に介装された、パッド状の吸収性本体14を製造する。例えば、バックシートの上面に、親水性シートに包まれた吸収体を配置し、更にその上面にトップシートを配置する。次いで、吸収体の周縁部をトップシートとバックシートとで挟み込むように封着することによって吸収性本体を得る。
次いで、図2及び図3に示すような、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザー26a,26bを製造し、これを吸収性本体14に付設する。具体的には、立体ギャザー形成シート32a(32b)の一方の端部を折り返し、その折り返し部分に、3本の立体ギャザー伸縮材36を挟み込んだ状態で貼り合わせることによって、立体ギャザー26a(26b)を得る。この立体ギャザーは、先に製造した吸収性本体14の側縁を挟み込むようにして、吸収性本体14に貼り付け、吸収性本体14に付設する。
更に、長尺シート材に断続的に位置する排泄物通過用開口部形成部位の外縁のうち長尺シート材の一方の側縁側の外縁に沿うように、一の長尺伸縮材Er1を連続的に配置するとともに、排泄物通過用開口部形成部位の外縁のうち長尺シート材の他方の側縁側の外縁に沿うように、かつ、長尺伸縮材Er 1 と交差させることなく、他の長尺伸縮材Er2を連続的に配置した後、長尺シート材の排泄物通過用開口部形成部位を、長尺シート材を貫通するように切除して、スキンコンタクトシート連続体を形成する。
更にまた、長尺シート材からなり、その長手方向に向かって、脚周り開口部形成部位と吸収性本体配置部位とが交互に位置する、外装部材連続体を形成する。図7に示す例では、外装部材連続体58が2枚の長尺シート材60を貼り合わせて構成されており、上層側の長尺シート材が後にインナーシートとなる長尺インナーシート60aであり、下層側の長尺シート材が後にアウターシートとなる長尺アウターシート60bである。
次いで、外装部材連続体の長手方向に向かって、外装部材連続体の吸収性本体配置部位に、吸収性本体を断続的に配置・固定した後、外装部材連続体の上面に、排泄物通過用開口部が吸収性本体の上部に位置するように、スキンコンタクトシート連続体を載置・固定して、外装部材・スキンコンタクトシート積層体を形成する。
更に、外装部材・スキンコンタクトシート積層体における脚周り開口部形成部位に相当する部分を切除して、脚周り開口部を形成するとともに、スキンコンタクトシート連続体に配置された長尺伸縮材Er1,Er2を脚周り開口部の外縁に相当する部分で切断する。
おむつ連続体を接合部の部分で切り離すことにより、複数のパンツ型使い捨ておむつを得ることができる。
Claims (8)
- 前身頃、股下部及び後身頃の各部から構成され、前記前身頃と前記後身頃の対応する側縁部同士が接合されて、一つのウエスト周り開口部及び一対の脚周り開口部が形成されたパンツ型使い捨ておむつであって、
吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートと、前記トップシートの表面側に配置され、排泄物通過用開口部が形成されたスキンコンタクトシートとを備え、
前記スキンコンタクトシートには、前記排泄物通過用開口部の外縁に沿って配置された、少なくとも一対の開口部伸縮材が付設され、
前記少なくとも一対の開口部伸縮材のうち、一方の開口部伸縮材(前方伸縮材)が前記排泄物通過用開口部の前記前身頃側の外縁に沿って配置され、他方の開口部伸縮材(後方伸縮材)が前記排泄物通過用開口部の前記後身頃側の外縁に沿って配置されるとともに、
前記前方伸縮材及び前記後方伸縮材は、相互に交差しない状態で、その軌跡の延長線が前記脚周り開口部の外縁を横切るように前記スキンコンタクトシートに付設されているパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記前身頃、前記股下部及び前記後身頃の各部を形成する、シート状の外装部材と、前記外装部材の内側に固定され、前記吸収体が前記トップシートと前記バックシートとの間に介装された、パッド状の吸収性本体とを備えた請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記吸収性本体には、その側縁に沿って、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザーが少なくとも一対付設され、
前記スキンコンタクトシートは、前記吸収性本体及び前記立体ギャザーより上部に配置され、
前記立体ギャザーには、その上端縁側に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)が配置されており、
前記立体ギャザーは、その上端縁の少なくとも一部が、前記スキンコンタクトシートの前記排泄物通過用開口部から露出するように配置されている請求項2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記スキンコンタクトシートには、前記排泄物通過用開口部として、おむつの後身頃側に便通過用開口部が、おむつの前身頃側には尿通過用開口部が形成され、
前記前方伸縮材が前記尿通過用開口部の前記前身頃側の外縁に沿って配置され、前記後方伸縮材が前記前方伸縮材と交差することなく、前記便通過用開口部の前記後身頃側の外縁に沿って配置されるとともに、
前記便通過用開口部と前記尿通過用開口部との間隙部に、シートの幅方向に向かって第3の開口部伸縮材(中央伸縮材)が付設されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記中央伸縮材が、おむつの幅方向中央部で分断された状態で、前記スキンコンタクトシートに付設されている請求項4に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記スキンコンタクトシートには、前記排泄物通過用開口部に加えて、前記前方伸縮材よりも前記前身頃側の領域及び/又は前記後方伸縮材よりも前記後身頃側の領域に、尿捕捉用開口部が更に形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記スキンコンタクトシートには、前記排泄物通過用開口部の両側に、立体的に起立可能な防漏壁である立体ギャザーが少なくとも一対付設されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 請求項2に記載のパンツ型使い捨ておむつの製造方法であって、
長尺シート材に断続的に位置する排泄物通過用開口部形成部位の外縁のうち前記長尺シート材の一方の側縁側の外縁に沿うように、一の長尺伸縮材Er1を連続的に配置するとともに、前記排泄物通過用開口部形成部位の外縁のうち前記長尺シート材の他方の側縁側の外縁に沿うように、かつ、前記長尺伸縮材Er1と交差させることなく、他の長尺伸縮材Er2を連続的に配置した後、前記長尺シート材の前記排泄物通過用開口部形成部位を、前記長尺シート材を貫通するように切除して、スキンコンタクトシート連続体を形成し、
長尺シート材からなり、その長手方向に向かって、脚周り開口部形成部位と吸収性本体配置部位とが交互に位置する、外装部材連続体を形成し、
前記外装部材連続体の長手方向に向かって、前記外装部材連続体の前記吸収性本体配置部位に、前記吸収性本体を断続的に配置・固定した後、前記外装部材連続体の上面に、前記排泄物通過用開口部が前記吸収性本体の上部に位置するように、前記スキンコンタクトシート連続体を載置・固定して、外装部材・スキンコンタクトシート積層体を形成し、
前記外装部材・スキンコンタクトシート積層体における前記脚周り開口部形成部位に相当する部分を切除して、前記脚周り開口部を形成するとともに、前記スキンコンタクトシート連続体に配置された前記長尺伸縮材Er1,Er2を前記脚周り開口部の外縁に相当する部分で切断し、更に、前記外装部材・スキンコンタクトシート積層体の側縁同士が互いに重なるように折り畳んだ後、断続的に配置・固定された前記吸収性本体の間隙部を接合することにより、おむつ側縁の接合部を形成しておむつ連続体を形成し、
前記おむつ連続体を前記接合部の部分で切り離すことにより、複数のパンツ型使い捨ておむつを得るパンツ型使い捨ておむつの製造方法。
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