JP4990070B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
本発明の使い捨ておむつは、図3に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、トップシート18と、バックシート20とを備えた使い捨ておむつであり、トップシート18の上部に前身頃から後身頃にかけて配置され、前身頃側から後身頃側にかけて複数の排泄液流入孔が形成されるとともに後身頃側に便を通過させ得る開口部(便通過用開口部28)が形成されたスキンコンタクトシート24を更に備えたものである。又、図4に示す使い捨ておむつ1のように、スキンコンタクトシート24とトップシート18との間の空間46に配置され、その空間46を前身頃2側と後身頃6側とに仕切る尿便分離壁48とを更に備えてもよい。
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとを離隔、遮蔽するための部材であり、トップシートの上部に前身頃から後身頃にかけて配置され、前身頃から後身頃にかけて複数の排泄液流入孔が形成されるとともに後身頃側に便を通過させ得る開口部として便通過用開口部が形成されたシート状部材である。このスキンコンタクトシートを備えることによって、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下部に配置されるトップシートは、着用者の肌と直接接触し難くなる。つまり、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることになり、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を有する。
尿便分離壁は、着用者の排泄した尿と便とを隔離するための部材であり、通気撥水性シートによって構成され、スキンコンタクトシートとトップシートとの間の空間に配置される。この尿便分離壁を備えることによって、スキンコンタクトシートとトップシートとの間の空間が尿便分離壁を境にして前身頃側と後身頃側とに仕切られ、前身頃側の空間に尿が、後身頃側の空間に便が誘導される。また、この尿便分離壁は、通気撥水性シートで構成されているので、シートを透過して前身頃側に誘導された尿が後身頃側に染み出すこともない。従って、尿と便とが混ざり合うことを有効に防止することができ、尿と便が混ざり合ってしまうことに起因するおむつかぶれの発生が効果的に抑制される。
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、少なくとも一部(その全部乃至一部)が液透過性材料により構成される。
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。例えば、図3及び図4に示されているのは、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟みこみ、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体14を構成した例である。
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
着用者の排泄した尿、軟便及び水様便の横漏れを防止するため、立体ギャザーを有している。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿、軟便及び水様便の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、スキンコンタクトシートの上に尿、軟便及び水様便が排泄され、スキンコンタクトシートを伝って尿、軟便及び水様便が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
以下、本発明の使い捨ておむつを製造する方法の一例を、使い捨ておむつ1(2ピースタイプのパンツ型おむつ)を製造する場合の例により説明する。
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
ライナーシート24bの上面に、2本の開口部伸縮材30a,30bを所定のパターンに配置しつつ、アッパーシート24aを貼り合わせる。この際、2本の開口部伸縮材30a,30bは、後に形成される便通過用開口部28前方側部分の点Pで交差し、便通過用開口部28の周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置する。
シート材32a(32b)の一方の端部を折り返し、その折り返し部分に、2本の立体ギャザー伸縮材36a、36b(36c,36d)を挟み込んだ状態で貼り合わせることによって、立体ギャザー26a(26b)を得る。
吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、スキンコンタクトシート24(ライナーシート24b)の前端側、後端側、左右側縁側を各々接合し、固定する。この際、通気撥水性シート52の他端56をトップシート18の表面に貼り付けて接合・固定する(接合部66)。これらの固定は、通気撥水性シートをスキンコンタクトシートに接合するのと同様の接合法により行うことができる。この際、通気撥水性シートを、その両端の接合部の間で1回乃至複数回折り畳んだ構造とすると、尿便分離壁の起立高を高くすることができるので好ましい。図4に示されているのは、通気撥水性シート52がZ折りし、2回折り畳んだ構造とした例である。なお、接合部66の前端部は、おむつの着用時に尿便分離壁48の起立線を形成することになる。
まず、外装部材16となる不織布を2枚用意し、このうちの1枚の不織布の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布を積層し固定することにより、2枚の不織布の間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された外装部材16を得る。
外装部材16の中心部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1乃至図4に示す使い捨ておむつ1を製造することができる。
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型おむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型おむつやテープ型おむつにも適用することができる。即ち、これらの使い捨ておむつにおいても、トップシートの表面よりも上部にスキンコンタクトシートを配置し、通気撥水性シートによって構成された尿便分離壁を配置することにより、本発明の使い捨ておむつの効果を享受することができる。
Claims (2)
- 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた使い捨ておむつであって、
前記トップシート及び前記バックシートの両側縁部に貼り合わされた、立体的に起立可能な防漏壁である1対の立体ギャザーと、
前記トップシートの上部に前身頃から後身頃にかけて、前記1対の立体ギャザーによって包囲された内側の領域に配置され、前記後身頃側に固形便を通過させ得る便通過用開口部が形成されたスキンコンタクトシートとを更に備え、
前記スキンコンタクトシートは、撥水性不織布によって形成されたアッパーシートと、液透過性不織布によって形成されたライナーシートとを貼り合わせたものであり、
前記スキンコンタクトシートの前記前身頃側から前記後身頃側にかけて複数の排泄液流入孔が形成されており、
前記後身頃側の前記排泄液流入孔は前記アッパーシートのみに貫通孔が形成され、前記ライナーシートが底部を形成する有底孔であり、
前記前身頃側の前記排泄液流入孔は貫通孔であり、
前記後身頃側の前記排泄液流入孔の平均孔径が前記前身頃側の前記排泄液流入孔の平均孔径よりも大きく設定されているとともに、前記前身頃側の前記排泄液流入孔の占有面積率が前記後身頃側の前記排泄液流入孔の占有面積率よりも大きく設定されている使い捨ておむつ。 - 前記スキンコンタクトシートと前記トップシートとの間の空間に配置され、前記空間を前記前身頃側と前記後身頃側とに仕切る尿便分離壁を更に備え、
前記尿便分離壁が、通気撥水性シートによって構成されたものである請求項1に記載の使い捨ておむつ。
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