JP4963644B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、トップシート、バックシート及び吸収体を備え、トップシートの上部にスキンコンタクトシートが配置された使い捨ておむつに関するものである。
近年、乳幼児用、或いは高齢者・障害者用のおむつとして、吸収体と、吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた使い捨ておむつが汎用されている。この使い捨ておむつは、トップシートの表面を着用者の肌に接するように宛がって使用することにより、着用者の排泄した尿はトップシートを透過して、吸収体によって吸収・保持されるとともに、防漏性に優れたバックシートによって、排泄物のおむつ外部への漏洩が防止されるというものである。
しかしながら、前記のような構成の使い捨ておむつでは、尿についてはトップシートを透過するものの、便についてはその殆どがトップシートを透過せず、トップシート上に残存することになる。トップシート上に残存した便は、着用者の股下部や臀部に付着するため、煩瑣な払拭作業が必要となり、育児負担や介護負担を増大させる原因となる他、着用者のスキントラブルの原因ともなっていた。このような問題は、着用者の排泄した便が軟便であった場合等には、一層顕在化することになる。
そこで、トップシートの上部に更にもう1枚のシート体(本明細書では、「スキンコンタクトシート」と称することにする)が配置された使い捨ておむつが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの使い捨ておむつでは、スキンコンタクトシートに便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されており、その便通過用開口部を通過して着用者の排泄した便がトップシート上に落下するように構成されている。
前記のような使い捨ておむつでは、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下部に配置されるトップシートは着用者の肌と直接接触し難くなる。即ち、着用者の肌とトップシートとが離隔されることになる。また、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることにもなる。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を期待することができる。
上記開口部が形成されたスキンコンタクトシート、特に、2つの開口部(便通過用開口部及び尿通過用開口部)が形成されたスキンコンタクトシートを備えた使い捨ておむつは、スキンコンタクトシートが着用者の身体に密着するほど、便や尿をその開口部を通過させやすくなり、上記便と着用者の肌との接触機会を減少させる効果を発揮しやすくなる。しかし、スキンコンタクトシートと着用者の身体との密着性がよいほど、汗等によりスキンコンタクトシートと着用者の肌との間が蒸れやすい状態となるため、スキントラブルを起こしやすくなる。この点において、特許文献3に記載の使い捨ておむつでは、開口部伸縮材を配置して、スキンコンタクトシートの前身頃側や後身頃側が着用者の肌に対して過度に密着せず通気性を確保することによって、スキンコンタクトシートの当接による発汗を抑制するといった工夫が見られる。しかし、特許文献3に記載の使い捨ておむつでは、着用者の汗がスキンコンタクトシート上に落下した後、スキンコンタクトシートが汗を吸収しないため、スキンコンタクトシートが汗でべたつき、さらには、その着用者の汗がそのままスキンコンタクトシート上に残存することが原因となって、湿疹、あせも、かぶれ等スキントラブルを生じるおそれもあり、スキントラブルを確実に防ぐという点については十分に満足できるものではなく、未だ解決すべき課題を残すものであった。
このように、現在のところ、排出された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が装着したときにスキンコンタクトシートが接触する部分(肌)がスキントラブルを起こすことを有効に抑制し得る使い捨ておむつは開示されておらず、そのような使い捨ておむつが切望されている。
実用新案登録第2559050号公報(段落0010、図2) 特開2002−11044号公報(段落0044〜0046、図10〜図12) 特許第3919023号公報(段落0025、図2〜図4)
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、排出された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が掻いた汗を確実に吸収でき、スキントラブルを有効に防止し得る使い捨ておむつを提供するものである。
本発明により、以下の使い捨ておむつが提供される。
] 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた使い捨ておむつであって、前記トップシートの上部に配置され、便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されたスキンコンタクトシートを更に備え、前記スキンコンタクトシートが、着用者の肌接触面側に形成されるアッパーシートと、着用者の非肌接触面側に形成されるライナーシートとを有し、前記アッパーシートが、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部と、疎水性繊維からなる液不透過性材料によって形成された層からなる下層部と、から構成されてなるとともに、前記上層部及び前記下層部のうちの少なくとも一方が2つ以上の層から構成され、前記アッパーシートは、前記上層部と前記下層部と積層一体化されて、前記上層部及び前記下層部を構成する3つ以上の層により単一のアッパーシートとして構成されたものである使い捨ておむつ。
] 前記アッパーシートの前記上層部は、前記親水性繊維を5〜30質量%含んでいる[]に記載の使い捨ておむつ。
] 前記アッパーシートの前記上層部は、保水量50〜250g/mを有する[]又は[]に記載の使い捨ておむつ。
本発明の使い捨ておむつは、排泄された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が装着したときにスキンコンタクトシートが接触する部分(肌)が、スキントラブルを起こすことを有効に抑制し得るという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の使い捨ておむつを実施するための最良の形態について、2ピースタイプのパンツ型おむつを例として具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える使い捨ておむつを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、作図の都合上、図4については、開口部伸縮材、腹周り伸縮材及びウエスト周り伸縮材を、図面から捨象した形で作図を行った。
なお、本明細書において「パンツ型おむつ」というときは、図1及び図2に示す使い捨ておむつ1のように、前身頃2と後身頃6の対応する側縁部同士(側縁部2a,6a、側縁部2b,6b)を接合することによって、接合部8、一つのウエスト周り開口部10及び一対の脚周り開口部12a,12bが形成され、予めパンツ型に構成されたおむつを意味するものとする。そして、「2ピースタイプ」とは、図2に示す使い捨ておむつ1のように、着用者の排泄物を吸収し、保持する機能(吸収・保持機能)を担う吸収性本体14が、着用者の身体を被包する機能(装着機能)を担う外装部材16から分離された別部材として構成されたタイプのおむつを意味するものとする。図3〜図5に示すように、吸収性本体14は吸収体22、トップシート18及びバックシート20を構成要素として備えた部材である。
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
(I:第1の態様)
[1]本発明の使い捨ておむつの構成:
本発明の使い捨ておむつは、図3〜図5に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えた使い捨ておむつであり、トップシート18の上部に配置され、便を通過させ得る開口部28(便通過用開口部28a)が形成されたスキンコンタクトシート24を更に備えたものである。そして、図3(b)に示すように、スキンコンタクトシート24は、着用者の肌接触面側に配置されるアッパーシート24aと、着用者の非肌接触面側に配置されるライナーシート24bとを有し、更に、アッパーシート24aが、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上部アッパーシート24cと、疎水性繊維の層からなる下部アッパーシート24dと、の少なくとも2つ以上のシートから構成されている。
[1−1]スキンコンタクトシート:
スキンコンタクトシートは、着用者の肌とトップシートとを離隔するための部材であり、トップシートの上部に配置され、便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されたシート状部材である。このスキンコンタクトシートを備えることによって、着用者の肌には、まずスキンコンタクトシートが接触するため、スキンコンタクトシートの下部に配置されるトップシートは着用者の肌と直接接触し難くなる。即ち、着用者の肌とトップシートとが離隔されることになる。また、トップシートと着用者の肌との間にスキンコンタクトシートという遮蔽層が介在していることにもなる。従って、たとえトップシート上に便が残存していたとしても、その便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させる効果を奏する。なお、スキンコンタクトシート24は、図3(a)に示すように、アッパーシート24aとライナーシート24bとを有し、このアッパーシート24aは、図3(b)に示すように、上部アッパーシート24cと下部アッパーシート24dと、の少なくとも2つ以上のシートから構成される。以下説明する。
[1−1−1]アッパーシート:
アッパーシートは、スキンコンタクトシート24の一部を構成し、着用者の肌と直接接触する上部アッパーシート24cと、着用者の肌と直接接触せず、上部アッパーシート24cとライナーシート24bとの間に配置される下部アッパーシート24dと、の少なくとも2つ以上のシートから構成されるシート状部材である。図3(b)に示すように、上部アッパーシート24cは親水性繊維と疎水性繊維を含む混合層から形成されるシート状部材であり、下部アッパーシート24dは、疎水性繊維から形成されるシート状部材である。親水性繊維は水に馴染みやすい性質を有する一方、他方、疎水性繊維は液体(水)を通しづらい性質を有するから、これらの親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上部アッパーシート24cは、親水性繊維が有する水に馴染みやすい性質と疎水性繊維が有する水を通しづらい性質との両性質を有し、更には、両性質が相俟って、着用者の肌と上部アッパーシート24cとの接触面を快適に保つことを可能とする。すなわち、着用者の肌(臀部)から生じた汗(水分)が、着用者の肌と上部アッパーシート24cとの接触等により、上部アッパーシート24c上面に付くと、上部アッパーシート24cの成分である親水性繊維は、上部アッパーシート24c上の汗(水分)を吸収するが、疎水性繊維は汗(水分)を吸収しない。つまり、親水性繊維の部分のみ着用者の汗を吸収し、汗程度の微量な量の水分であればそのまま保水可能であるから、一度吸収した汗(水分)が、再び、上部アッパーシート上に逆戻りすることもない。また、上部アッパーシートの疎水性繊維からなる部分は汗(水分)を吸収しないから、上部アッパーシート上面をべた付かせず、いわゆる「さらっとした触感(ドライ性)」を維持できる。さらに、下部アッパーシート24dは、既述のように疎水性繊維の層からなるため、上部アッパーシート24cから吸収された汗(水分)が、下部アッパーシート24dへ到達(透過)しても、ライナーシート24bに通すこともなければ、仮に、ライナーシート24bの吸収性本体14側の面側から、ライナーシート24bを透過して、ライナーシート24bと接する下部アッパーシート24dの接触面側からの水分を通す(透過する)こともない。いわゆる逆戻りがない。したがって、排出された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が掻いた汗を確実に吸収でき、スキントラブルを有効に防止できる。
上部アッパーシート24cを構成する親水性繊維としては、例えば、コットン、レーヨン等のセルロース系繊維、パルプ等、繊維表面が親水化処理されている吸汗ポリエステル繊維等を用いることができる。上部アッパーシート24cを構成する疎水性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、コットン、レーヨン等の親水性繊維と、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル、ポリエチレン−ポリエステル等の複合繊維、該複合繊維が捲縮したもの等を混合させた不織布、メッシュシート、フィルム等を用いることができる。中でも、肌触りが良好である点において、不織布を用いることが好ましい。さらに、上部アッパーシート24cは、通気性シートであることが好ましい。これにより、上部アッパーシート24cが接触する部分(肌)が蒸れるのをより抑制し、スキントラブルの発生を抑制することが可能となる。ここで、通気性シートの通気性は、体から蒸散する水分を外に逃がして、おむつの中を蒸らさないためにあり、その尺度は、JIS Z 0208 「防湿包装材料の透湿度試験方法」によって測定する透湿度によってあらわすことができる。通気性としては、透湿度が2000〜10000(g/m/24hr)の範囲にあることが好ましい。なお、親水性繊維と疎水性繊維とを「含む」とは、親水性繊維と疎水性繊維のみに限らず、親水性繊維と疎水性繊維と他の材料を含むものも含まれる趣旨である。たとえば、親水性繊維と疎水性繊維に、液不透過部材(例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂)を混合させて、上部アッパーシート24cを形成してもよい。
下部アッパーシート24dを構成する疎水性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂からなる不織布、フィルム等を用いることができる。これらの材料は、液不透過性であっても、撥水性であってもよいが、上部アッパーシート24cに吸収された汗(水分)を、ライナーシート24bまで透過させないよう、この下部アッパーシート24dで留めることが可能な液不透過性であることが好ましい。さらに、下部アッパーシート24dは、通気性シートであることが好ましい。これにより、上部アッパーシート24cの通気性が促進され、着用者と上部アッパーシート24cの接触する部分(肌)が蒸れるのをより抑制でき、スキントラブルの発生を防止することが可能となる。ここで、通気性シートの通気性は、体から蒸散する水分を外に逃がして、おむつの中を蒸らさないためにあり、その尺度は、JIS Z 0208 「防湿包装材料の透湿度試験方法」によって測定する透湿度によってあらわすことができる。通気性としては、透湿度が2000〜10000(g/m/24hr)の範囲にあることが好ましい。
上部アッパーシートの形成方法としては、親水性繊維と疎水性繊維を混合したものをカードと呼ばれる機械やエアレイと呼ばれる空気流で一定方向またはランダムに並べて形成する乾式法、水中に分散し網状のネット上に漉き上げて形成する湿式法、溶かした原料樹脂を直接ノズルの先から溶出・紡糸させ、連続した長い繊維でフリースを形成するスパンボンド法等がある。下部アッパーシートの形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法等がある。これらの方法により形成した上部アッパーシートと下部アッパーシートとを、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等により結合して、アッパーシートを形成する。なお、スキンコンタクトシートの製造方法については後述する。
また、アッパーシートは、少なくとも2つ以上のシートから構成されるから、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上部アッパーシートが1枚以上、かつ、疎水性繊維の層からなる下部アッパーシートが1枚以上、を組み合わせてアッパーシートを形成することが好ましい。換言すれば、上部アッパーシートのみ2枚、或いは、下部アッパーシートのみ2枚といった組み合わせからなるアッパーシートを除く趣旨である。上部アッパーシートは、汗等の微量な水分を確実に吸収できるとともに、べたつき感を抑えることができるように、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層から形成される。また、下部アッパーシートは、ライナーシートへの汗(水分)の透過を防ぎ、さらに、ライナーシートからの水分の逆戻りを防ぐために形成される。したがって、これらの目的を達することができれば、上部アッパーシートが1枚、下部アッパーシートが1枚の組み合わせからなるアッパーシートだけに限らず、例えば、上部アッパーシートが2枚以上と下部アッパーシートが1枚の組み合わせからなるアッパーシート、上部アッパーシートが1枚と、下部アッパーシートが2枚以上の組み合わせからなるアッパーシート、上部アッパーシートが2枚以上と下部アッパーシートが2枚以上の組み合わせからなるアッパーシート等であってもよい。このように、上部アッパーシートと下部アッパーシートをそれぞれ一枚以上組み合わせることにより、例えば、親水性繊維と疎水性繊維の混合率の異なる2枚のアッパーシートと下部アッパーシートからなるアッパーシートを形成することができる。
更に、上部アッパーシートは、5〜30質量%の親水性繊維と、70〜95質量%の疎水性繊維との混合から形成されることが好ましい。更に好ましいのは、親水性繊維を10〜25質量%含むことが好ましい。親水性繊維が含まれる量が少ないと、汗の量が微量であっても十分に上部アッパーシートに吸収できず、吸収されなかった汗が上部アッパーシートの上面に留まり、スキントラブルを抑止することができないからである。さらに、上部アッパーシートに含まれる親水性繊維の量が多すぎると、着用者の臀部から生じた汗だけに留まらず、例えば、スキンコンタクトシート上に落ちた尿等の水分をも吸収してしまうことになる。その結果、アッパーシートがいわゆるべたべたの触感となり、スキントラブルを招く恐れがある。したがって、親水性繊維が5〜30質量%の範囲内、更に好ましくは10〜25質量%の範囲内であれば、アッパーシートにより一度吸収された汗が再び、アッパーシートの上面、すなわち、臀部との接触面に逆戻りすることもない。したがって、長時間の着用にも使用でき、スキントラブルを抑止できる。なお、5〜30質量%の数値の範囲内の親水性繊維と、疎水性繊維に他の材料を混合して上部アッパーシートを成形してもよい。たとえば、親水性繊維と疎水性繊維に、液不透過部材(例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂)を混合させてアッパーシートを形成してもよい。
更に、本発明の使い捨ておむつは、アッパーシートが保水量50〜250g/mを有するように形成することも好ましい形態の一つである。着用者の臀部から生じる汗の量を確実に吸収して、着用者の汗を吸収したアッパーシートのべたべた感を抑え、スキントラブルを回避できるという利点があるからである。
[1−1−2]ライナーシート:
ライナーシート24bは、図3(b)に示すように、スキンコンタクトシート24の一部を構成するシート状部材である。ライナーシート24bは着用者の肌には接触せず、下部アッパーシート24dの下部に配される。また、トップシートの尿や便が、アッパーシートに逆戻りしないように、トップシートの上部に配される(図3(a)参照)。
ライナーシート24bを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂からなる不織布、フィルム等を用いることができる。これらの材料は、液不透過性であっても、撥水性であってもよいが、開口部28を通過させた尿や便が、ライナーシート24bの吸収性本体側の表面からの、いわゆる逆戻りを防止できる液不透過性であることが好ましい。このライナーシートは、乾式法、湿式法、スパンボンド法等により形成される。
[1−1−3]スキンコンタクトシートのその他の構成:
スキンコンタクトシートには、着用者の排泄した便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されている必要がある。このような構造とすることによって、着用者の排泄した便がスキンコンタクトシートを通過してトップシート上に落下することになり、便と着用者の肌とが直接接触する機会を大幅に減少させることが可能となる。
開口部は便を通過させ得る形状である限り、その形状について特に制限はない。即ち、便を通過させ得る「開口部」には、円形開口部、楕円形開口部、菱形開口部等のいわゆる開口部(孔)の他、直線状スリット、十字状スリット、3本以上のスリットを交差させた星型スリット等のスリットも含まれる。中でも、おむつの前後方向(長手方向)を長軸方向とする楕円形開口部、或いは星型スリットが好ましい。楕円形開口部には、便がスキンコンタクトシートの開口部を通過し易いという利点があり、星型スリットには、一旦、スキンコンタクトシートの開口部を通過してトップシート上に落下した便が、再びスキンコンタクトシートの開口部から露出し、着用者の臀部を汚してしまうことを有効に防止することができるという利点がある。
例えば、図2に示す使い捨ておむつ1は、スキンコンタクトシート24のおむつの股下部4に相当する部分に、便通過用開口部28aとして、おむつの前後方向に長く、その6つの角がラウンド形状である略六角形状の開口部を形成した例であり、図7に示す使い捨ておむつ100は、スキンコンタクトシート24のおむつの股下部4に相当する部分に、便通過用開口部28aとして、おむつの前後方向を長軸方向とする楕円形開口部を形成した例である。なお、孔やスリットのサイズについては、「便を通過させる」という機能を考慮した上で適宜決定すればよい。
なお、スキンコンタクトシートには、前記便通過用開口部より前身頃側に、尿通過用の開口部が形成されていてもよい。即ち、スキンコンタクトシートには、開口部として便通過用開口部及び尿通過用開口部が形成されていることが好ましい。
前記のように尿通過用開口部を形成することによって、その開口部を通過させて着用者の排泄した尿をスキンコンタクトシートとトップシートの間の空間に確実に流入させることが可能となり、スキンコンタクトシートを伝って尿が拡散し、おむつの脚周り開口部等からの横漏れを生ずる事態を有効に防止することができる。例えば、図2に示す使い捨ておむつ1は、スキンコンタクトシート24に開口部28として、略六角形状の便通過用開口部28aに加えて、おむつの前後方向に長く、その6つの角がラウンド形状であり、おむつ前方側の角が鈍角に形成された略六角形状の尿通過用開口部28bを更に形成した例であり、図7に示す使い捨ておむつ100は、スキンコンタクトシート24に開口部28として、楕円形状の便通過用開口部28aに加えて、楕円形状の尿通過用開口部28bを更に形成した例である。これらの例では、便通過用開口部28aはおむつの股下部4に相当する部分に形成され、尿通過用開口部28bは便通過用開口部28aよりも前身頃2側の部分に形成されている。
前記開口部にはその外縁に伸縮材(開口部伸縮材)を配置することが好ましい。開口部伸縮材を配置すると、スキンコンタクトシートに張力がかかるので、スキンコンタクトシートにコシを持たせることができる。従って、スキンコンタクトシートがへたってトップシート側に落ち込む事態を防止することができ、スキンコンタクトシートを着用者の肌に接触し易くさせるという利点がある。また、開口部伸縮材を配置すると、スキンコンタクトシートを収縮させ、トップシート、吸収体、バックシートは下側(外装部材側)に向かって撓ませる力を作用させることができる。従って、スキンコンタクトシートをトップシートから浮かせた状態を維持することができ、スキンコンタクトシートとトップシートとを確実に離隔させることが可能となる。
開口部伸縮材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた伸縮材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
開口部伸縮材の配置パターンは、前記効果を発揮し得るパターンである限り特に制限はないが、開口部に確実に伸縮力を作用させるため、開口部伸縮材が開口部の周縁を取り囲むようなパターンに配置されていることが好ましい。例えば、開口部の周縁を取り囲むように、円形、楕円形、菱形等のパターンで開口部伸縮材を配置すればよい。
また、開口部伸縮材として2本の開口部伸縮材を用い、その2本の開口部伸縮材が開口部の前後の少なくとも1点で交差し、開口部の周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置されていることも好ましい形態の一つである。このようなパターンで開口部伸縮材を配置すると、開口部伸縮材をおむつの前後方向に向かって連続的に配置することが可能となるため、使い捨ておむつの連続的な製造が容易になるという利点があり好ましい。
例えば、図2に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、開口部伸縮材30として2本の開口部伸縮材30a,30bを用い、その2本の開口部伸縮材30a,30bが便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bの間の点Pで交差し、便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bの周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置した例である。このようなパターンで開口部伸縮材30a,30bを配置すると、吸収性本体14が長手方向に向かって連続して配置されたような吸収性本体連続体を容易に製造することが可能となる。
また、図2に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、股下部4の中央で開口部伸縮材30a,30bが交差する配置となっている。このような配置とすることにより、おむつの前身頃2側や後身頃6側よりも股下部4(即ち、点P近傍)において幅方向(おむつ左右方向)への伸縮力を大きく作用させることができる。従って、スキンコンタクトシート24の中でも比較的弛み易い、便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bとの間の部分を着用者の肌に対してより密着させる効果がある。更に、図2に示す使い捨ておむつ1は、開口部伸縮材30a,30bが股下部4の中央の点P以外では交差しておらず、便通過用開口部28aの後身頃6側の周縁及び尿通過用開口部28bの前身頃2側の周縁が開放されたパターンに配置されている。このような配置とすることにより、スキンコンタクトシート24の前身頃2側や後身頃6側が着用者の肌に対して過度に密着しないため、通気性を確保することができる。従って、スキンコンタクトシートの当接による発汗が抑制され、汗に起因するムレやスキントラブルを効果的に防止することができる。
前記のような開口部伸縮材は、スキンコンタクトシートに対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
開口部伸縮材は、開口部に十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、開口部伸縮材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、100〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、開口部に十分な伸縮力を作用させ、かつ、開口部が必要以上に縮小されるのを防止することができる。
開口部伸縮材の配置方法は特に限定されないが、例えば、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1のように、上述したように、スキンコンタクトシート24を2枚のシート材(アッパーシート24a、ライナーシート24b)を貼り合わせることにより構成し、アッパーシート24aとライナーシート24bの間に開口部伸縮材28a、28bを挟み込みように配置することが好ましい。このような配置方法を採用すると、必要最小限の伸縮材によりスキンコンタクトシートに伸縮力を付与することができるため好ましい。
図2及び図3に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、スキンコンタクトシート24としてトップシート18の表面全体を覆うような形状のものを用いている。但し、本発明の実施形態1の使い捨ておむつにおけるスキンコンタクトシートは、このようなものに限定されるわけではなく、トップシートの表面よりも上部に配置されるシート体であれば足りる。
スキンコンタクトシートの固定方法としては、(1)図3に示す使い捨ておむつ1のように、立体ギャザー26a,26bを構成するシート材32a,32bとトップシート18(ないしは、バックシート20)との貼り合わせ部分に挟み込むようにスキンコンタクトシート24を固定する方法、(2)立体ギャザーの内側の面であって、立体ギャザーの上端縁と下端縁(起立線)との間の部分にスキンコンタクトシートを固定する方法等を挙げることができる。また、立体ギャザーと接触させることなく、対となる立体ギャザーによって包囲された内側の領域にスキンコンタクトシートを固定してもよい。例えば、(3)立体ギャザーによって包囲された領域のうち、吸収性本体のトップシートとバックシートの貼り合わせ部分(いわゆるフラップ部)にスキンコンタクトシートを固定する方法等を挙げることができる。これらの方法の中では、着用者の肌に対してスキンコンタクトシートを密着させる効果が高いという点で、(1)の方法が好ましい。
[1−2]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。
[1−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の上面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その下面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、少なくとも一部(その全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、後述するテープ型おむつにおいては、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート(センターシート)を配置し、おむつのサイドフラップ部分には撥水性材料からなるトップシート(サイドシート)を配置する形態がよく利用される。
[1−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の下面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、バックシートの手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
[1−5]吸収性本体:
2ピースタイプのパンツ型おむつにおいては、トップシート、バックシート及び吸収体を、吸収・保持機能を担う「吸収性本体」という一つの部材として構成し、これとは別個に製造された外装部材と接合することにより使い捨ておむつを構成する。この吸収性本体は、生理用ナプキン等と同様に、吸収体の上面側にトップシート、下面側にバックシートが配置されたものであり、トップシートとバックシートとの間に吸収体が介装された構造となっている。例えば、図3及び図4に示す使い捨ておむつ1は、トップシート18とバックシート20の間に吸収体22を挟みこみ、吸収体22の周縁部を封着することによって、トップシート18とバックシート20との間に吸収体22が介装された構造の吸収性本体14を構成した例である。
吸収性本体は、少なくともおむつの股下部をカバーするサイズに構成される。但し、漏れ防止の効果を確実なものとするため、股下部のみならず前身頃や後身頃の一部をもカバーする大きさに構成することが好ましい。吸収性本体は、例えばホットメルト接着剤等を用いて、外装部材に対して固定することができる。
[1−6]外装部材:
外装部材は、着用者の身体を被包するための装着機能を担う部材であり、具体的には、前身頃、股下部及び後身頃の各部を形成するシート状の部材である。
2ピースタイプのパンツ型おむつでは、着用者の排泄物を吸収し、保持する吸収・保持機能については、専ら吸収性本体が果たすことになるので、外装部材を構成する材料として液不透過性材料を用いる必要はない。外装部材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂からなる合成繊維によって構成された不織布等を挙げることができる。
そして、外装部材は、脚周り伸縮材等を挟み込んだ状態で固定するために、2枚以上の不織布を貼り合わせて構成されることが多い。例えば、図2に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、外装部材16を2枚の不織布から構成し、その2枚の不織布の間に脚周り伸縮材40、ウエスト周り伸縮材42及び腹周り伸縮材44を挟み込み固定した例である。
[1−7]各種伸縮材:
パンツ型の使い捨ておむつにおいては、脚周り伸縮材を配置し、ウエスト周り伸縮材を配置することが一般的であり、更に腹周り伸縮材を配置することが好ましい。
脚周り伸縮材は、脚周り開口部に沿って配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。
ウエスト周り伸縮材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される伸縮材である。ウエスト周り伸縮材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
腹周り伸縮材は、ウエスト周り開口部と脚周り開口部との間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)に配置される伸縮材である。腹周り伸縮材を配置することによって、着用者の腹周りに伸縮性に富むタミーギャザーを形成することができる。このタミーギャザーは、ウエストギャザーと相俟って、おむつのフィット性やずり下がり防止効果を一層優れたものとすることができる。
なお、図1及び図2に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、脚周り開口部12a,12bの周縁には複数本の脚周り伸縮材40を配置し、ウエスト周り開口部10の周縁にはウエスト周り開口部10を取り囲むように複数本のウエスト周り伸縮材42を配置し、更に、ウエスト周り開口部10と脚周り開口部12a,12bとの間の部分(即ち、着用者の腹周りに相当する部分)には、着用者の腹周りを取り囲むように複数本の腹周り伸縮材44を配置した例である。
これらの伸縮材については、既に述べた開口部伸縮材と同様の構成を採用することができる。そして、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
[1−8]立体ギャザー:
着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを有してもよい。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、スキンコンタクトシートの上に尿が排泄され、スキンコンタクトシートを伝って尿が拡散してしまった場合でも、立体ギャザーが防波堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、通気撥水性シートの一部に伸縮材(立体ギャザー伸縮材)を配置し、その立体ギャザー伸縮材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
なお、立体ギャザーの構成として、通気撥水性シートを用いる場合には、この通気撥水性シートの構成材料は、スパンボンドやカードエンボス等の不織布を用いてもよいが、耐水圧が高いという理由から、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)等の不織布を用いることが好ましい。
図2及び図3に示す使い捨ておむつ1、図7に示す使い捨ておむつ100は、トップシート18やバックシート20とは全く別個のシート材32a,32bを、吸収性本体14の両側縁部に貼り合わせ、起立線38から立体的に起立可能な構造とすることにより、1対の立体ギャザー26a,26bを形成した例である。この例では、シート材32a,32bの端部(立体ギャザー26a,26bの上端縁34に相当する側の端部)を折り返し、その折り返し部分に2本の立体ギャザー伸縮材36a,36bないしは立体ギャザー伸縮材36c,36dを挟み込むように配置している。
[2]製造方法:
以下、本発明の使い捨ておむつを製造する方法の一例を、図1〜図6に示す使い捨ておむつ1(2ピースタイプのパンツ型おむつ)を製造する場合の例により説明する。
[2−1]吸収性本体の製造:
バックシート20の上面に、親水性シートに包まれた吸収体22を配置し、更にその上面にトップシート18を配置する。次いで、吸収体22の周縁部をトップシート18とバックシート20とで挟み込むように封着することによって吸収性本体14を得る。
[2−2]スキンコンタクトシートの製造:
ライナーシート24bの上面に、2本の開口部伸縮材30a,30bを所定のパターンに配置しつつ、アッパーシート24aを貼り合わせる。この際、2本の開口部伸縮材30a,30bは、後に形成される便通過用開口部28a及び尿通過用開口部28bの間の点Pで交差し、便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bの周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置する。
次いで、貼り合わされたライナーシート24bとアッパーシート24aに、便通過用開口部28a及び尿通過用開口部28bを形成する。こうすることによって、2本の開口部伸縮材30a,30bが便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bの間の点Pで交差し、便通過用開口部28aと尿通過用開口部28bの周縁の一部を取り囲むようなパターンに配置された2層構造のスキンコンタクトシート24を得る。
[2−3]立体ギャザーの製造:
シート材32a(32b)の一方の端部を折り返し、その折り返し部分に、2本の立体ギャザー伸縮材36a、36b(36c,36d)を挟み込んだ状態で貼り合わせることによって、立体ギャザー26a(26b)を得る。
[2−4]吸収性本体へのスキンコンタクトシート等の付設:
吸収性本体14を構成するトップシート18の表面に、スキンコンタクトシート24(ライナーシート24b)の前端側、後端側、左右側縁側を各々接合し、固定する(接合部68a,68b,68c,68d)。図6に示す使い捨ておむつ1は、スキンコンタクトシート24の前端側、後端側、左右側縁側をホットメルト接着剤によってトップシート18の表面(上面)に貼り付け、接合・固定した例である。そして、トップシート18の表面に、スキンコンタクトシート24(ライナーシート24b)の前端側、後端側、左右側縁側及び通気撥水性シート52の他端56を貼り合わせた後、吸収性本体14とスキンコンタクトシート24(ライナーシート24b)の側縁を挟み込むように、立体ギャザー26a,26bを貼り合わせる。
[2−5]外装部材の製造:
まず、外装部材16となる不織布を2枚用意し、このうちの1枚の不織布の上面に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40を配置し接着固定する。そして、この上面に、更にもう1枚の不織布を積層し固定することにより、2枚の不織布の間に、ウエスト周り伸縮材42、腹周り伸縮材44及び脚周り伸縮材40が介装された外装部材16を得る。
[2−6]使い捨ておむつの製造:
外装部材16の股下部近傍に、吸収性本体14を配置し固定する。次いで、吸収性本体14を内側にして、前身頃2と後身頃6とを合わせるように二つ折りにし、前身頃2と後身頃6とをヒートシール等の手段により接合し、接合部8を形成することによって、図1〜図4に示す使い捨ておむつ1を製造することができる。
前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材や伸縮材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、使い捨ておむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
「3」本発明の適用対象:
本発明の使い捨ておむつの適用対象は、前記2ピースタイプのパンツ型おむつに限られるものではなく、例えば、1ピースタイプのパンツ型おむつやテープ型おむつにも適用することができる。即ち、これらの使い捨ておむつにおいても、トップシートの表面よりも上部にスキンコンタクトシートを配置することにより、本発明の使い捨ておむつの効果を享受することができる。
なお、「1ピースタイプ」とは、2ピースタイプと同様に、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシート及び/又はバックシートと一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
また、「テープ型おむつ」とは、トップシートと、バックシートと、両シートの間の少なくとも一部に介装された吸収体と、装着用のテープファスナーとを備え、テープファスナーによっておむつの前身頃と後身頃とを相互に固定し得る使い捨ておむつを意味するものとする。「テープ型おむつ」にも、パンツ型おむつと同様に「1ピースタイプ」と「2ピースタイプ」が存在するが、本発明の使い捨ておむつはいずれのタイプのテープ型おむつにも適用可能である。
(II:本発明の第2の態様)
次に、本発明の第2の態様について、第1の態様の説明と同様に図1〜図7を使用し、更に図8を使用して説明する。なお、ここでは、第1の態様と相違する部分についてのみ説明をし、特に説明しない点については、第1の態様に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図1〜図7において、同じ部材についてはそのまま同じ符号を付してある。
[1]使い捨ておむつ(第2の態様)の構成:
第2の態様の使い捨ておむつは、図1〜図3に示す使い捨ておむつ1のように、吸収体22と、吸収体22の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えた使い捨ておむつであり、トップシート18の上部に配置され、便を通過させ得る開口部28(便通過用開口部28a)が形成されたスキンコンタクトシート24を更に備えたものである。そして、図8に示すように、スキンコンタクトシート24は、着用者の肌接触面側に形成されるアッパーシート24eと、着用者の非肌接触面側に形成されるライナーシート24fとを有し、更に、アッパーシート24eが、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部24gと、疎水性繊維の層からなる下層部24hと、の少なくとも2つ以上の層から構成され、アッパーシート24eの上層部24gと下層部24hとは、積層一体化されて単一のアッパーシートとして構成されている。
[1−1]スキンコンタクトシート:
スキンコンタクトシート24は、図3に示すように、アッパーシート24eとライナーシート24fとを有し、このアッパーシート24eは、図8に示すように、上層部24gと、下層部24hと、の少なくとも2つ以上の層から構成されている。
[1−1−1]アッパーシート:
アッパーシートは、スキンコンタクトシート24の一部を構成し、着用者の肌と直接接触するアッパーシート24eの上層部24gと、着用者の肌と直接接触せずにライナーシート24fとの上部に配置される下層部24hとが、積層一体化された単一のシート状部材である。アッパーシート24eの上層部24gは、親水性繊維と疎水性繊維を含む混合層から形成される。アッパーシート24eの下層部24hは疎水性繊維から形成される。そして、この上層部24gと下層部24hとが積層一体化された単一のシート状部材として形成される。親水性繊維は水に馴染みやすい性質を有する一方、他方、疎水性繊維は液体(水)を通しづらい性質を有する。従って、これらの親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなるアッパーシートの上層部24gは、親水性繊維が有する水に馴染みやすい性質と疎水性繊維が有する水を通しづらい性質との両性質を有し、更には、両性質が相俟って、着用者の肌とアッパーシートの上層部24gとの接触面を快適に保つことを可能とする。具体的には、着用者の肌(臀部)から生じた汗(水分)が、着用者の肌とアッパーシートの上層部24gとの接触等により、アッパーシートの上層部24gの上面に付くと、アッパーシートの上層部24gの成分である親水性繊維は、アッパーシート上層部24g上の汗(水分)を吸収するが、疎水性繊維は汗(水分)を吸収しない。つまり、親水性繊維の部分のみ着用者の汗を吸収し、汗程度の微量な量の水分であればそのまま保水可能であるから、一度吸収した汗(水分)が、再び、アッパーシート上に逆戻りすることもない。また、アッパーシートの上層部24gの疎水性繊維からなる部分は汗(水分)を吸収しないから、アッパーシート上層部24gの上面をべた付かせず、いわゆる「さらっとした触感(ドライ性)」を維持できる。さらに、アッパーシートの下層部24hは、疎水性繊維の層からなるため、アッパーシート上層部24gから吸収された汗(水分)が、アッパーシートの下層部24hへ到達しても、ライナーシート24fに通す(透過する)こともなければ、仮に、ライナーシート24fの吸収性本体14側の面側から、ライナーシート24fを透過して、ライナーシート24fと接するアッパーシートの下層部24hの接触面側からの水分を通す(透過する)こともない。いわゆる逆戻りがない。したがって、排出された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が掻いた汗を確実に吸収でき、スキントラブルを有効に防止できる。
アッパーシート24eの上層部24g(混合層)を構成する親水性繊維としては、第1の態様における上部アッパーシート24cを構成する親水性繊維と同様に、例えば、コットン、レーヨン等のセルロース系繊維、パルプ等、繊維表面が親水化処理されている吸汗ポリエステル繊維等を用いることができる。アッパーシート24eの上層部24gを構成する疎水性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、コットン、レーヨン等の親水性繊維と、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル、ポリエチレン−ポリエステル等の複合繊維、該複合繊維が捲縮したもの等を混合させた不織布、メッシュシート、フィルム等を用いることができる。中でも、肌触りが良好である点において、不織布を用いることが好ましい。さらに、アッパーシートの上層部24gは、通気性シートであることが好ましい。これにより、アッパーシートの上層部24gが接触する部分(肌)が蒸れるのをより抑制し、スキントラブルの発生を抑制することが可能となる。ここで、通気性シートの通気性は、体から蒸散する水分を外に逃がして、おむつの中を蒸らさないためにあり、その尺度は、JIS Z 0208 「防湿包装材料の透湿度試験方法」によって測定する透湿度によってあらわすことができる。通気性としては、透湿度が2000〜10000(g/m/24hr)の範囲にあることが好ましい。なお、親水性繊維と疎水性繊維とを「含む」とは、親水性繊維と疎水性繊維のみに限らず、親水性繊維と疎水性繊維と他の材料を含むものも含まれる趣旨である。たとえば、親水性繊維と疎水性繊維に、液不透過部材(例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂)を混合させて、アッパーシート上層部24gを形成してもよい。
アッパーシート24eの下層部24hを構成する疎水性繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂からなる不織布、フィルム等を用いることができる。これらの材料は、液不透過性であっても、撥水性であってもよいが、アッパーシートの上層部24gに吸収された汗(水分)を、ライナーシート24fまで透過させないよう、このアッパーシートの下層部24hで留めることが可能な液不透過性であることが好ましい。さらに、この下層部24hは、通気性シートであることが好ましい。これにより、アッパーシート上層部24gの通気性が促進され、着用者とアッパーシート上層部24gの接触する部分(肌)が蒸れるのをより抑制でき、スキントラブルの発生を防止することが可能となる。ここで、通気性シートの通気性は、体から蒸散する水分を外に逃がして、おむつの中を蒸らさないためにあり、その尺度は、JIS Z 0208 「防湿包装材料の透湿度試験方法」によって測定する透湿度によってあらわすことができる。通気性としては、透湿度が2000〜10000(g/m/24hr)の範囲にあることが好ましい。
アッパーシートの形成方法としては、公知の各種接合手段によって積層一体化されている。たとえば、親水性繊維と疎水性繊維を混合したものをカードと呼ばれる機械やエアレイと呼ばれる空気流で一定方向またはランダムに並べて形成する乾式法、水中に分散し網状のネット上に漉き上げて形成する湿式法、溶かした原料樹脂を直接ノズルの先から溶出・紡糸させ、連続した長い繊維でフリースを形成するスパンボンド法等により、アッパーシートの上層部を形成し、乾式法、湿式法、スパンボンド法等により下層部を形成し、両者を積層一体化してもよい。この積層一体化する形成方法としては、この他に、例えば、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、水流絡合法等がある。このように、アッパーシートが上層部と下層部を含み、上層部と下層部の積層一体からなる構成を取ることにより、汗を確実に吸収でき、水分の逆戻りを防止できるアッパーシートを形成できるから、発明の効果を奏することができる。さらに、アッパーシートが積層一体であるため、製造を容易にするとともに、仕上げ段階等での部品数を減らすことができる。
また、アッパーシートは、少なくとも2つ以上の層から構成されるから、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部が1つ以上、かつ、疎水性繊維の層からなる下層部が1つ以上、を組み合わせて形成されることが好ましい。換言すれば、上層部を2層のみ(すなわち、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部が2層からなるアッパーシートであって、疎水性繊維の層からなる下層部を含まないもの)、或いは、下層部を2層のみ(すなわち、疎水性繊維の層からなる下層部が2層からなるアッパーシートであって、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部を含まないもの)といった組み合わせからなるアッパーシートを除く趣旨である。アッパーシート24eの上層部24gは、着用者の汗等の微量な水分を確実に吸収できる親水性繊維と、汗等の水分を吸収せず、べたつき感を抑えることができる疎水性繊維との混合層から形成されている。また、アッパーシート24eの下層部24hは、ライナーシートへの汗(水分)の透過を防ぎ、さらに、ライナーシートからの水分の逆戻りを防ぐために形成される。本発明においては、上層部が2層以上と下層部が1層の組み合わせからなるアッパーシート、上層部が1層と下層部が2層以上の組み合わせからなるアッパーシート、上層部が2枚以上と下層部が2層以上の組み合わせからなるアッパーシートとする。このように、上層部と下層部とをそれぞれ一層以上組み合わせることにより、例えば、親水性繊維と疎水性繊維の混合率の異なる2層からなる上層部と下層部とが積層一体化されてなるアッパーシートを形成することができる。
更に、アッパーシートの上層部は、親水性繊維を5〜30質量%、疎水性繊維を70〜95質量%含んでいることが好ましい。更に好ましいのは、親水性繊維を10〜25質量%含むことが好ましい。親水性繊維が含まれる量が少ないと、汗の量が微量であっても十分にアッパーシートに吸収できず、吸収されなかった汗が上部アッパーシートの上面に留まり、スキントラブルを抑止することができないからである。さらに、アッパーシートの上層部に含まれる親水性繊維の量が多すぎると、着用者の臀部から生じた汗だけに留まらず、例えば、スキンコンタクトシート上に落ちた尿等の水分をも吸収してしまうことになる。その結果、アッパーシートがいわゆるべたべたの触感となり、スキントラブルを招く恐れがある。したがって、親水性繊維が5〜30質量%の範囲内、更に好ましくは10〜25質量%の範囲内であれば、アッパーシートにより一度吸収された汗が再び、アッパーシートの上面、すなわち、臀部との接触面に逆戻りすることもない。したがって、長時間の着用にも使用でき、スキントラブルを抑止できる。なお、5〜30質量%の数値の範囲内の親水性繊維と、疎水性繊維に他の材料を混合してアッパーシートの上層部を形成してもよい。たとえば、親水性繊維と疎水性繊維に、液不透過部材(例えば、ポリエチレン、ポリプリピロピレン、ポリエステル等の樹脂)を混合させてアッパーシートの上層部を形成してもよい。
さらに、上述のアッパーシートの上層部24gは、保水量50〜250g/mを有するように形成ことも好ましい形態の一つである。着用者の臀部から生じる汗の量を確実に吸収して、着用者の汗を吸収したアッパーシートのべたべた感を抑え、スキントラブルを回避できるという利点があるからである。
[1−1−2]ライナーシート:
第2の態様の使い捨ておむつに係るライナーシート24fは、図3(b)に示すライナーシート24bと基本的構成は同様であるが、この構成に限定されるものではなく、例えば、開口部伸縮材を配さない場合には、ライナーシート24fを、シート状の層として構成することにより、更に、上述のアッパーシート24eと積層一体化してもよい。
第2の態様の使い捨ておむつにおいては、上述したスキンコンタクトシート以外のトップシート、バックシート等の構成については、上述した第1の態様の使い捨ておむつにおける各構成と同様であることが好ましい。それにより同様の効果を得ることができる。また、第2の態様の使い捨ておむつの製造方法も、上述した第1の態様の使い捨ておむつの製造方法と同様であることが好ましい。
本発明の使い捨ておむつは、乳幼児用、或いは介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして好適に利用することができる。そして、本発明の使い捨ておむつは、排出された便が着用者の肌と直接接触し難く、かつ、着用者が掻いた汗を確実に吸収できるため、肌が弱くスキントラブルが多い、乳幼児用の使い捨ておむつとして特に好適に用いることができる。
本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す概略斜視図であり、おむつの前方から見た状態を示す概略斜視図である。 本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す平面図であり、図1に示す使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す概略断面図であり、図2に示す使い捨ておむつをX−X’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の使い捨ておむつの一部を拡大した一部拡大断面図であり、図3(a)に示す使い捨ておむつのスキンコンタクトシート部分の断面を拡大して示す一部拡大断面図である。 本発明の使い捨ておむつの一の実施形態を示す概略断面図であり、図2に示す使い捨ておむつをY−Y’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の使い捨ておむつの一の使用状態を示す概略断面図であり、図2に示す使い捨ておむつをY−Y’線に沿って切断した断面を示す概略断面図である。 本発明の使い捨ておむつの一部を拡大した平面を示す一部拡大平面図であり、図2に示す使い捨ておむつのスキンコンタクトシートが接合されたトップシート部分の平面を拡大して示す一部拡大平面図である。 本発明の使い捨ておむつの別の実施形態を示す平面図であり、使い捨ておむつを展開し、おむつの吸収性本体側から見た状態を示す平面図である。 本発明の使い捨ておむつの別の実施形態を示す概略断面図であり、アッパーシートの上層部と下層部を拡大して示す一部拡大断面図である。
符号の説明
1,100:使い捨ておむつ、2:前身頃、2a,2b:側縁部、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁部、8:接合部、10:ウエスト周り開口部、12,12a,12b:脚周り開口部、14:吸収性本体、16:外装部材、18:トップシート、20:バックシート、22:吸収体、24:スキンコンタクトシート、24a:アッパーシート、24b:ライナーシート、24c:上部アッパーシート、24d:下部アッパーシート、24e:アッパーシート、24f:ライナーシート、24g:上層部、24h:下層部、26,26a,26b:立体ギャザー、28:開口部、30:開口部伸縮材、32,32a,32b:シート材、34:上端縁、36,36a,36b,36c,36d:立体ギャザー伸縮材、38:起立線、40:脚周り伸縮材、42:ウエスト周り伸縮材、44:腹周り伸縮材、46:空間、68a,68b,68c,68d:接合部、P:点。

Claims (3)

  1. 吸収体と、前記吸収体の上面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の下面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えた使い捨ておむつであって、
    前記トップシートの上部に配置され、便を通過させ得る開口部(便通過用開口部)が形成されたスキンコンタクトシートを更に備え、
    前記スキンコンタクトシートが、着用者の肌接触面側に形成されるアッパーシートと、着用者の非肌接触面側に形成されるライナーシートとを有し、
    前記アッパーシートが、親水性繊維と疎水性繊維とを含む混合層からなる上層部と、疎水性繊維からなる液不透過性材料によって形成された層からなる下層部と、から構成されてなるとともに、前記上層部及び前記下層部のうちの少なくとも一方が2つ以上の層から構成され、
    前記アッパーシートは、前記上層部と前記下層部と積層一体化されて、前記上層部及び前記下層部を構成する3つ以上の層により単一のアッパーシートとして構成されたものである使い捨ておむつ。
  2. 前記アッパーシートの前記上層部は、前記親水性繊維を5〜30質量%含んでいる請求項に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記アッパーシートの前記上層部は、保水量50〜250g/mを有する請求項又はに記載の使い捨ておむつ。
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