JP6935929B2 - 身体ホルダー、及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート形状の身体ホルダー、及びその使用方法に関する。
総務省統計局によると、平成25年の65歳以上の高齢者の推計人口は25%となり、高齢者の総人口、割合ともに、現在も増加しつつある。高齢者の増加に伴い、要介護者、寝たきり者も増加しつつあることは広く知られている。健常者では自らが容易に行う、例えば、就寝時の寝返りなどに要介護者や寝たきり者の中には支障のある者があり、体位変換などがうまく行かず、身体の特定部位への応力集中を来たし褥瘡を発生させたり、血行動態や内臓の体液分布に支障をきたし、不快感、倦怠感を有したり、又、自らトイレに移動するのが困難な人々も増えつつある。これらの高齢者、要介護者、寝たきり者などの生活の質(QOL)を向上すべく、又、介護者や看護者の介助操作を容易にすべく、体の支持や固定、把捉や被覆、移動などの処置や看護、介護などの操作に使用される、看護、介護機器も開発されている。
体位変換、移動を自ら行うことが困難なベッド臥床者など向けに、臥床者を把捉し、移動を介助する器具や方法も種々提案が行われている。例えば、特許文献1には、被介護者の移乗補助に使用されるスリングシートの改良品の記載があるが、布製の材料・材質が記載されており、臀部の落ち込みを抑制する手段を有し、臀部や股関節部の圧迫・締め付けを抑制でき、被介護者の快適性が向上できるとある。
又、特許文献2では、被介護者は布製のシートで保持され、発明が解決しようとする課題として被介護者のお腹が圧迫されて窮屈な姿勢の軽減とあり、又、特許文献3には患者を包み込むための吊り上げシートが記載されており、図も記載されており、材料の記載はないが、患者の体を包み込むようにした吊り上げシートとの記載があり、図からも軟質材と認められる。
特許文献4には、袋と、袋に入れたビーズを用い、物を包装後、袋内を脱気することにより被包装物と包装材を密着させて輸送の保護に用いる包装ユニットが記載されており、特許文献5には、特許文献4と略同様の方法で、袋とビーズと吸引を用いた吸引式固定バッグを患者の下に敷き、下側固定具とし、又、患者の上には熱可塑性樹脂フィルムからなる固定シェル(商品名、エンジニアリングシステム株式会社製)を加熱して柔軟な状態にして被せて締め付け、この状態で、固定シェルの両端を左右のサイドプレートに固定し、固定シェルが患者の体型に沿った形状に型取りされた状態で固化させる体部用固定具が記載されている。
特許文献6にも、炭素繊維を主体とする支持基材と高分子樹脂からなる繊維強化プラスチック材及びこれを用いたキャスト材の記載があり、溶融状態の樹脂を含むキャスト材が患部にあてがわれ使用されるとあり、高分子樹脂として、ポリカプロラクトンが記載されており、ポリカプロラクトンは60℃程度の温度があれば成形でき、冷却・固化すれば固定が完了するとある。
又、特許文献7にも、熱可塑性樹脂を用いた包帯、メッシュ、フィルム、テープ、シートを人や動物の治療に用いる方法が記載されており、本特許文献7でも環状エステルの重合体であるポリラクトンなどを略60℃に加熱して使用することが記載されている。
特開2015−202121号公報 特開2010−11892号公報 特公平7−41054号公報 特開2011−79537号公報 特開2011−115419号公報 特開2001−269366号公報 英国特許出願公開第1366091号明細書 特開平10−139868号公報
高分子学会発行「高分子化学」第17巻、第180号(1960),P191−196
人や動物或いは人や動物などの体の一部分の操作対象に対して、支持や固定、把捉や被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置の操作を行う場合、例えば、寝たきり者の姿勢や体位の一時的支持や体位の変換など、操作対象への痛みや侵襲を回避しながら実施する必要がある。しかしながら、特許文献1、2のように軟らかい布や軟らかい材料からなるスリングシートなどを用いると、把捉や被覆時には操作対象への形状追随性は発現し易いが、その後、移動のためなどに外部から力をかけると、これら布製のシートなどが軟らかい故に、布やスリングシートを通して多かれ少なかれ操作対象に対して圧迫や引っ張り、捻じれなどの力が伝わってしまい、痛みや侵襲の原因となっている問題があった。
これら外部からかかる力が操作対象に伝わり、固定が浮動することなどを回避するために、特許文献4、5では、人や動物などを把捉や被覆する時には、袋とビーズを用い、その固有の体形に軟らかく合わせ、その後、吸引脱気することにより、患者の体形に合わせてバッグを硬くし、患者の体部などを固定する方法を提案している。しかしながら、空気を抜くための吸引口や吸引ポンプなどの装置が必要であり、在宅で使用する場合にも、吸引ポンプの設置、又、これら装置の日々の保守も必要であり、加えて、袋とビーズの再使用に関しては吸引した空気を再度袋内に注入する必要があるなど、在宅での介護など、専門家ではない介護者が、中には高齢で介護を行っている方々が存在することを考えた場合、毎日繰り返し行う操作には適し難く、日々簡単に繰り返し使用できる器具や補助具の出現が望まれていた。
又、特許文献6、7では、患者の上部固定用に、原料がポリカプロラクトンのフィルムからなる固定シェル(商品名、エンジニアリングシステム株式会社製)を加熱により軟化させ、患者の身体に合わせ賦形し冷却し使用している。一方、ポリカプロラクトンは特許文献6にも記載されているように、略60℃の加熱が必要であり、又、特許文献7では、包帯、メッシュ、フィルム、テープ、シートなどへの応用が記載されており、特許文献7でも、賦形する時の温度が60℃や80℃などと記載されている。これらの方法は、加熱により材料が軟らかい状態で把捉、被覆し、体形に合わせて賦形し、身体部分の動きを抑制する硬さを有し、再使用も可能なもので、軟質スリングシートや、袋とビーズと吸引ポンプの系とは別の観点から工夫されている。
また、特許文献8の2頁にも記載されているが、ポリラクトン樹脂は線状ポリエステルに共通な問題として、加水分解性に劣り経時的な重合度低下を引き起こし、生分解性用途、医療用ギブス、スプリント材、型取り材などの用途において、板状または棒状の材料の状態で貯蔵中に重合度低下を引き起こし使用に耐え難いほど劣化する場合があった、とあり、特許文献8では改良法が示されているが、実施例においても数平均分子量(Mn)の低下は明らかである。
一方、人や動物などの或いは人や動物などの体の一部分などへの医療又は看護又は介護を含む処置の操作に使用する折りには、加熱操作は、やけどへのリスクを回避する必要があり、特許文献6には、低融点の熱可塑性樹脂は、溶融状態の樹脂を含むキャスト材が患部にあてがわれた際に、火傷の危険性も低くなるとの記載もあり、考慮はされてはいる。しかしながら、60℃〜130℃の融点や60℃程度の温度があれば成形できるなどと記載されており、一般財団法人製品安全協会からも注意が喚起されている低温やけどへの対応が不十分である。
低温やけどに関しては、上記した一般財団法人製品安全協会が、人の皮膚の温度が50℃になるとおおよそ2〜3分で低温やけどが生じ、46℃ではおおよそ30分から1時間で、44℃ではおおよそ3時間〜4時間で生ずると注意を喚起している。
医療又は看護又は介護を含む処置の機器や器具を在宅で使用する場合、医療機関で専門家が行うケアーに比べ、専門家ではない介護者が、中には高齢で介護を行っている方々が存在することも考える必要があり、やけどやその他の安全性には十分な配慮や、フールプルーフやフェールセイフへの対応も考慮した材料、加熱、冷却系が好ましい。人や動物を対象にする場合、人や動物に接触する機器や器具を構成する材料の加熱は、極力抑えて目的の操作を実現することは、低温やけど回避の観点からは重要である。特に、臥床者の姿勢や体位の支持や体位の変換など、体の全体に関与する加熱系においては、対象の大きさに比例して加熱、冷却の熱量も増大するので、低温やけどの回避など、安全性の面から、極力、常温に近い温度で変形や固定が可能な機器や器具の出現が望まれていた。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は3つあり、これまで説明してきた身体ホルダーを使用する場合において、1つは、操作対象の医療又は看護又は介護を含む処置の操作に当たり、操作対象を把捉や被覆する時には、又、その後、必要に応じ体形に合わせ賦形などを行う時には、形状追随性を発現する軟らかさを有する身体ホルダーを提供すること、2つ目は、支持や固定、移動などを行う時には、外部からの力が内部に伝わることを遮断、低減できる硬さを有する身体ホルダーを提供すること、3つ目は、硬軟変化に必要な加熱を行う時は、余分な加熱を行うことなく、最小限の加熱でとどめ、低温やけどを回避できる温度範囲で実施できる身体ホルダー及びその使用方法を提供することにある。
上記目的を達成するための身体ホルダーは、
シート形状の身体ホルダーであって、その特徴構成は、
操作対象としての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料を有し、前記人又は前記動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるものであり、
前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形し、前記主材料を加熱して軟化させる場合に、前記主材料を低温加熱するとき、前記人を対象とする場合は46℃以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、且つ軟化させるときの前記主材料の温度は前記硬軟化変化閾値温度以上の温度であり、
外部から前記操作対象部位への応力を遮断又は低減するときで、前記主材料を冷却して硬化させる場合に、冷却温度が、前記硬軟化変化閾値温度未満の温度であり、
前記低温加熱による軟化及び前記冷却による硬化を繰り返し実行することが自在な点にある。
尚、本明細書において、動物とは、人以外の動物を指すものとする。
また、動物としての豚や羊は人に比べ体温が数度高く、動物などではその分、低温加熱するときの、身体ホルダーの操作対象と接する面の上限温度は高くても良い。
上記特徴構成を有する身体ホルダーにあっては、身体ホルダーを形成する材料の特性により、操作対象を把捉や被覆する環境温度下で、身体ホルダーが軟らかく形状追随性を有する場合は、加熱なしで、把捉や被覆時の痛みや侵襲を低減しつつ把捉、被覆し、又、把捉、被覆後、把捉や被覆などにより発生する操作対象と身体ホルダーの位置関係による浮動不安定性などを回避するために、又、その後の操作において、浮動不安定性などを原因とする痛みや侵襲を回避低減するために、必要に応じ、操作対象の体形などの個別性に応じて軟らかい状態で賦形する。
上記の硬軟変化を実現するためには、身体ホルダーを形成する主材料は、操作を行う環境温度下で、加熱などにより軟らかくなり形状追随性を発現することが必要であるが、低温やけど回避の観点からは、加熱は必要最小限にとどめ、特に在宅での使用を考えた場合など、中には高齢で介護を行っている方々が存在することも考える必要がある。また、加熱系の不具合による予期しない過熱などによる熱い主材料の漏洩などによるやけどを防ぐためなど、安全使用の観点からは、フールプルーフやフェールセイフへの対応も考慮することが好ましい。従って、身体ホルダーに使用する主材料としては、主材料自体が余分な加熱を必要としないもの、即ち、人や動物の体温の近傍温度で軟化する主材料を選定し使用することが好ましく、これら主材料の軟化温度や融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度が、操作対象が人である場合は48℃を上限に、又、操作対象が動物である場合は、(動物の体温+10℃)が上限であることが、医療又は看護又は介護を含む処置の折りに、低温やけどを回避、低減する観点から必要である。
尚、本明細書においては、硬軟化変化閾値温度は、軟化温度、融点、又はガラス転移温度を意味するものとする。
把捉や被覆、賦形などの後、支持、固定、移動などの操作の折りには、医療又は看護又は介護を含む処置の内容により、操作対象の重さを支えたり、持ち上げたり、外部から力をかける必要があるが、身体ホルダーが軟らかいままでは身体ホルダーを通して、操作対象の重さが身体ホルダーにかかり身体ホルダーが変形したり、外部からの力が操作対象に伝わってしまったり、全体的な圧迫や引っ張り、ねじれや束縛、又は、各部位に不均一な力がかかるために生ずる各部位の相対変位などにより生ずる各部位特有の圧迫や引っ張り、ねじれや束縛などにより、操作対象に痛みや侵襲を生じてしまう。
上記特徴構成によれば、これらの痛みや侵襲などを回避、低減するために、操作対象を把持又は被覆し操作対象の形状に応じて賦形した状態で、操作対象が存在する側とは反対側を公知の方法で冷却することにより、身体ホルダーを形成する材料を硬化させ、硬さをもって外部からの応力を遮断、低減し、支持や固定、移動などの操作の折りに操作対象に生ずる痛みや侵襲を回避、低減できる。更に、移動に先立ち賦形後に冷却することにより、操作対象と身体ホルダーの位置関係による不要な隙間などを低減し、浮動不安定性などによる身体ホルダーと操作対象との微衝突、微打撃などの相互作用を回避、低減することができる。
人や動物などの全体又は一部分である操作対象部位に対して、支持や固定、把捉や被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置の操作が行われる環境温度に関しては、人や動物などが対象であるため、普通、常温でこれら操作が行われることが多く、JISZ8703で規定している常温、即ち、5〜35℃の範囲で行われることが多い。
身体ホルダーを形成する主材料の冷却固化に関しても、侵襲低減の観点からは、操作対象の人や動物などの体温に近いものが好ましく、人や動物などの体温よりも低い温度では、やけどや、低温やけどのリスクはないが、冷感による不快感などを回避するためと、特に在宅での使用を考えた場合、フールプルーフやフェールセイフへの対応も考慮することが好ましい。操作対象と身体ホルダーを形成する主材料とが、予期せぬ形で直接接触する可能性も考慮し、常温を超えて冷却する必要性をなくするため、身体ホルダーを形成する主材料の軟化温度や融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度の下限は、JISZ8703で規定している常温の範囲の下限である5℃までの範囲であることが好ましい。即ち、身体ホルダーを形成する主材料の軟化温度や融点は、又は、主材料が難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度は、操作対象が人の場合は、5℃以上48℃以下で、操作対象が動物の場合は、5℃以上(動物の体温+10℃)以下であることが、医療又は看護又は介護を含む処置の操作の折りに操作対象に与える侵襲を軽減するために必要である。
操作対象である人や動物などの全体又は一部分などの把捉や被覆などを行い、把捉や被覆の後、必要に応じ、把捉や被覆などにより発生する操作対象への侵襲や浮動不安定性などを回避、低減すべく、操作対象の体形の違いなどの個別の特性に応じ、変形可能で形状追随性を有する状態で身体ホルダーを操作対象の個別性に適した形に賦形する時は、身体ホルダーは軟らかいほど、操作対象である人や動物などの全体又は一部分への形状追随性は高くなり、且つ、把捉や被覆、賦形時などにより生じる人や動物などへの侵襲や浮動不安定性などを回避、低減することが容易となる。例えば、操作対象が人の場合は5℃以上48℃以下、又、操作対象が動物の場合は5℃以上(動物の体温+10℃)以下の温度範囲に融点を有する低融点合金U−アロイ16(大阪アサヒメタル工場製)を主材料として用いる場合には、本材料を該環境温度下では熱変形が小さい軟質の袋様の容器に封入に封入して使用することにより、操作対象に極めて形状追随性の良い身体ホルダーを形成することができる。
また、支持や固定、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置の操作の後、操作対象を支持や固定、把捉や被覆している身体ホルダーの操作対象と接する面の温度を、再度、操作対象が人の場合は46℃を上限として、又、動物の場合は、(動物の体温+10℃)を上限として公知の方法で加熱することにより、低温やけどのリスクを回避、低減しつつ軟らかくし、又は、身体ホルダーを形成する材料の特性に応じて環境温度下に加熱なしで置くことにより軟らかくし、人や動物などの或いは人や動物などの体の一部分などの操作対象から身体ホルダーを取り外し、解放することにより、操作対象を処置や看護、介護などの操作を行う前の元の状態に戻すことができる。
又、操作対象の医療又は看護又は介護含む処置の操作に用いられ、操作の後に取り外し、解放されたこれら身体ホルダーも、必要に応じ、公知の方法による加熱、冷却により、硬軟変化させ、賦形することにより、操作を行う前の元の状態に戻し、繰り返し使用することができる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
内部に前記主材料を充填可能であると共に、少なくとも前記人に使用するときは5℃以上48℃以下の温度範囲において、少なくとも前記動物に使用するときは5℃以上(動物の体温+10℃)以下の温度範囲において軟質な袋様容器を備える点にある。
主材料には、常温で液体の材料や、低温加熱した時などに流動化する可能性がある材料があり、このような材料は、環境温度下において軟質の袋様容器に封入して使用することが好ましい。
主材料が、チューインガムベースや熱可塑性エラストマーやプラスチック、未架橋の天然ゴム、又は合成ゴムなどの熱可塑性高分子材料の場合は、公知の押出スロットキャスト法や、加熱圧縮成形法、加熱ロールによる圧延法、又は、これら材料を金型やこれら材料より耐熱性の高いプラスチックの袋などに封入し、外部から熱をかけて融解させ、金型やプラスチックの袋などの形に賦形し、冷却後に型から取り出す熱キャスト法などにより身体ホルダーの構成層に加工することができる。
軟質の袋様容器の材料としては、数μ〜数cm程度の厚みで、常温で折り畳みなどの変形が可能な、公知の有機、無機、金属材料、又は、これら材料の複合材料が使用できる。但し、これらの例によって、軟質の袋様容器の厚みや袋の材料の種類が限定されるものではない。
主材料を軟質の袋様容器に封入した身体ホルダーの構成層を作成する方法としては、公知の、食品包装や化学品包装などで使用される内容物入り密封包装袋作成の方法、例えば、一部分に開口部を作り、材料を液状や粒状、ペレット、フレーク状の形状で投入し、その後、外部から必要に応じ加熱溶融した後に、開口部を栓や接着、ヒートシールなどで封をする方法、又は、主材料を固体の状態で、プラスチックフィルムやラミネートフィルムなどで覆い、端部を接着やヒートシールで封をするなどの方法が使用できる。また、主材料が封入された袋を多数個、縦横方向に接着やヒートシールで連結して大きな身体ホルダーとして使用することもできるし、又、大きな袋を小区画に分けるべくエンボス加工などで仕切りを入れておき、主材料を仕切り内に充填後、仕切りごとに接着やヒートシールすることで、小袋が縦横に連結した形の身体ホルダーを作り、使用に供することもできる。
身体ホルダーとしては、
前記操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝材を、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態における前記操作対象部位に接する部位に備えることが好ましい。
緩衝材は、公知の接着などの方法でこれら身体ホルダーと一体化して使用することができる。又は、操作対象の特性に応じ、人や動物などの全体或いは人や動物などの体の一部分である操作対象の支持や固定、把捉や被覆、移動などの処置や看護、介護などの操作に使用される身体ホルダーと操作対象の間にタオル地などの緩衝材をはさんで使用するなど、物理的圧着で緩衝材を介在させることや、物理的圧着を粘着テープで補強して使用することも可能である。
又、操作対象が人である時は、特に、緩衝材は、繰り返し使用時、清潔の観点から洗濯ができることが好ましい。医療又は看護又は介護を含む処置の操作に使用される身体ホルダーと操作対象の間に緩衝材をはさんで物理的圧着で介在させる場合を除き、緩衝材と緩衝材に隣接する身体ホルダーの間に、必要に応じて、マジックテープ(登録商標)などを介在させ、緩衝材と緩衝材に隣接する身体ホルダーを着脱可能とすることができる。マジックテープと主材料との貼合せ、又は、マジックテープと軟質の袋様の容器との貼合せは、公知の接着、熱溶着などの方法で実施できる。又、マジックテープと緩衝材との貼合せも、公知の接着、熱溶着、縫製などの方法で実施できる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、前記低温加熱に伴う温熱及び前記冷却に伴う冷熱が、前記操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱材を備える点にある。
即ち、人や動物などの全体又は一部分である操作対象部位の温度の過昇温又は過冷却を抑制するために、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、低温加熱に伴う温熱及び冷却に伴う冷熱が、操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱材を備えることが好ましい。
当該断熱材は、操作対象部位と接する身体ホルダーの面に、又は、主材料を軟質の袋様容器に封入した複合材料からなる身体ホルダーにおいては、操作対象と接する軟質の袋様容器の面に、設けることができる。更に、操作対象部位側に緩衝材を有する身体ホルダーにおいては、操作対象部位に接する緩衝材の面と反対側の緩衝材の面に接触する状態で断熱材を設けることができる。
尚、上記の断熱材の形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などの場合には、上述した主材料と同様に、医療又は看護又は介護を含む処置の操作がなされる環境温度下において熱変形や強度の変化が小さい軟質の袋様容器に封入して使用することもできる。形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などの断熱材を袋様容器へ封入する方法も、上述した主材料を袋様容器へ封入する方法と同様に行える。
断熱材と、身体ホルダーを構成する主材料や軟質の袋様容器との張り合わせは、公知の接着や熱溶着などの方法で実施でき、又は、操作対象との間に断熱材を物理的圧着で介在させることや、物理的圧着を粘着テープで補強して実施できる。断熱材と緩衝材との貼合せも、断熱材を接着や熱溶着、縫製などの公知の方法で実施することができる。又、断熱材を緩衝材と主材料との間に物理的圧着で介在させること、又は、断熱材を軟質の袋様容器に主材料を封入した複合材料と緩衝材との間に物理的圧着で介在させることができ、物理的圧着を粘着テープで補強して使用することも可能である。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝機能と、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記低温加熱に伴う温熱及び前記冷却に伴う冷熱が前記操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱機能とを有する緩衝断熱材を有する点にある。
即ち、上述の緩衝材と断熱材としては、ともに、布やタオル地、プラスチックの発泡体が使えるため、材料により緩衝材と断熱材の性質を兼ね備えた緩衝断熱材として一体化して使用することもできる。但し、これらの例によって、緩衝断熱材に使用できる材料が限定されるものではない。
本発明の身体ホルダーとしては、
前記主材料を前記低温加熱又は前記冷却するための加熱冷却装置を、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記操作対象部位が存在する側とは反対側に備えることが好ましい。
尚、本願においては、加熱冷却装置は、主材料の加熱と、主材料の冷却との少なくとも何れか一方を実行するものであるとする。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記加熱冷却装置は、
ペルチェ効果を利用したペルチェ素子発熱吸熱体から成る第1加熱冷却部と、
袋様容器に封入され外部から吸熱又は外部へ放熱する熱媒体から成る第2加熱冷却部と、
電気抵抗への通電による発熱を利用したジュール熱発熱体から成る第1加熱部と、
加熱助剤と、当該加熱助剤と混合することで温熱を発生する発熱剤と、前記加熱助剤と前記発熱剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第1袋とから成る第2加熱部と、
冷却助剤と、当該冷却助剤と混合することで冷熱を発生する寒剤と、前記冷却助剤と前記寒剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第2袋とから成る第1冷却部と、の少なくとも1つ以上から構成されている点にある。
加熱冷却装置としては、公知の加熱冷却装置を用いることができる。例えば、ペルチェ素子発熱吸熱体(加熱及び冷却用)や、巻くこともできる面状発熱体(加熱用、例えば、サンライズ工業(株)製フィルムヒーター)、電気毛布やマットヒーター(加熱用、例えば、松下電工ミニミニマットなど)、赤外線を利用した輻射型発熱体、室温や恒温室温度、外気、又は、水や冷水、氷水、温水(熱媒体の一例)を用いることができる。
また、水(加熱助剤の一例)と発熱剤、或いは、冷水、氷水、水や水性ゲルや有機系溶剤(冷却助剤の一例)と寒剤とを、軟質の袋様容器に封入し使用することができる。又、医療又は看護又は介護含む処置の操作を行う前や行った後の身体ホルダーの硬軟調整などに、恒温室温度や外気を加熱冷却装置として使用し、操作に必要な軟らかさや硬さが発現している平衡状態から操作を開始してもよいし、再使用のための身体ホルダーの硬軟状態調整用にこれら恒温室の室内空気や外気を使用してもよい。
尚、上記の加熱冷却装置において、加熱や冷却用に使用する材料が、液体のものや、形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などのものを、軟質の袋様容器へ封入する方法も、主材料を軟質の袋様容器へ封入する方法と同様に行える。
又、発熱剤や寒剤を、破れ易い仕切部を介して、水や水性ゲルや有機系溶剤(加熱助剤又は冷却助剤の一例)と一緒に、袋状の軟質材に封入しておき、加熱や冷却が必要な時に仕切部を破り加熱冷却装置として使用する公知の方法も適用できる。水と組み合わせる発熱剤としては、酸化カルシウムや酸化カルシウムと酸化アルミニウムを組み合わせたものなどがある。水や氷と組み合わせる寒剤としては、食塩や塩化アンモニウム、塩化カルシウム、硝酸アンモニウム、尿素などが、又メタノール、エタノールやアセトンとドライアイスを組み合わせても低温を得ることができる。
上記の加熱冷却装置は、操作対象を把持又は被覆し操作対象の形状に応じて賦形した状態の身体ホルダーにおいて、操作対象とは反対側の面を加熱するが、例えば、ペルチェ素子や面状発熱体などの加熱冷却装置は、操作対象とは反対側の面(主材料又は袋様容器)に対して、貼合せ一体化して使用してもよい。尚、加熱冷却装置の身体ホルダーを構成する部材との貼合せは、公知の接着や熱溶着、物理的圧着、又、物理的圧着を粘着テープで補強して使用することも可能である。加熱冷却装置の特性により、ペルチェ素子のように加熱及び冷却が可能な装置や、面状発熱体や電気毛布やマットヒーターのように加熱のみが可能な装置、冷水のように冷却のみ可能な装置があるが、加熱、冷却それぞれに別の装置を身体ホルダーに圧着して使用し、必要に応じて入れ替えて使用する使い方も可能である。
尚、身体ホルダーの操作対象と接する面の温度を人の場合には5℃以上46℃以下、動物の場合は、5℃以上(動物の体温+10℃)以下にコントロールする方法としては、例えば、ペルチェ素子や面状発熱体、電気毛布、マットヒーターなど電気を用いて加熱冷却を行う場合は、身体ホルダーの操作対象と接する面の温度を計測し、公知のサーモスタットやサイリスタによる自動温度制御系用いることができる。又は、水などの液体や、これら液体と発熱剤や寒剤を使用する系では、物理化学的発熱量や吸熱量と各材料の比熱から、公知の方法で、身体ホルダーの操作対象と接する面の温度上昇や温度降下を計算し、適切な量の材料を使用することで、過熱や過冷を回避し、加熱、冷却を行うことができる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記第1加熱冷却部としてのペルチェ素子発熱吸熱体は、屈曲変形可能なフレキシブルペルチェ素子である点にある。
第1加熱冷却部としてのペルチェ素子発熱吸熱体は、操作対象とは反対側の面(主材料又は袋様容器)に対して、貼合せ一体化して使用されることが想定されるが、上記特徴構成の如く、第1加熱冷却部としてのペルチェ素子発熱吸熱体を、屈曲変形可能なフレキシブルペルチェ素子から構成することで、身体ホルダーを、操作対象を把持又は被覆したときに、操作対象の形状に応じた形状で適切に賦形させることができる。そして、当該賦形された状態で、フレキシブルペルチェ素子の冷却効果にて冷却することで、身体ホルダーを形成する材料を硬化させ、外部からの応力を遮断、低減し、支持や固定、移動などの操作の折りに操作対象に生じる痛みや侵襲を回避、低減することができる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記主材料は、ワックス、低融点金属、低融点又は低ガラス転移温度を有するプラスチック材料の少なくとも1つ以上から構成されている点にある。
更に、身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記主材料は、チューインガムベース材料を含む点にある。
操作対象である人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料としては、軟化温度や融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度が、人の場合は、5℃以上48℃以下、又、動物の場合は、5℃以上、(動物の体温+10℃)以下の範囲に入る材料で、加熱、冷却により、硬軟可逆変化をする熱可塑性を有する材料、例えば、ワックス(動物系、植物系、鉱物系の天然品や石油由来のワックスなど)、低融点合金(例えばU−アロイ(大阪アサヒメタル工場製)など)、低融点又は低ガラス転移温度を有するプラスチック材料、チューインガムベース材料(植物性樹脂、酢酸ビニル樹脂、エステルガム、チクル、ポリイソブチレン(“チューインガムの原料“、[online]、日本チューインガム協会、[2016年2月24日検索]、インターネット<URL:http://www.chewing−gum.org/genryo/main.html>))、熱可塑性エラストマーや未架橋の天然ゴム、又は合成ゴムなどから使用環境条件に応じて適当なものを選ぶことができる。但し、これらの例によって、主材料が限定されるものではない。
これら軟らかさや硬さなどが変化する材料に関しても、在宅での使用を考えた場合や、中には高齢で介護を行っている方々が存在することも考えた場合、フールプルーフやフェールセイフへの対応も考慮することが好ましく、操作対象と身体ホルダーを形成する材料が予期せぬ形で直接接触する可能性も考慮し、操作対象である人や動物と接触しても悪影響のないことが確立されている材料、例えば、チューインガムベース材料などを用いることが好ましい。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記主材料は、酢酸ビニル樹脂から構成されている点にある。
上記特徴構成の如く、材料の価格及び量など入手の容易性を勘案した場合、化学プラントで大規模に製造される酢酸ビニル樹脂がより好ましい。
把捉や被覆、又は賦形した後、把捉や被覆したままの、又は、賦形などしたままの状態で、冷却することにより、材料を硬化させ、支持や固定、移動などの操作を行う時は、硬化した材料が硬いほど、操作対象である人や動物などの全体の或いは人や動物などの体の一部などの重さの支持や、移動などの折の外部からの応力の遮断は効果的である。いずれの場合にも操作対象を支持することにより生ずる、又は、移動などで外部からかかる力に対する変形への抵抗性は、シート様の平板の場合は弾性率×厚みの3乗に比例することが知られており、身体ホルダーの場合も、その主材料の弾性率と厚みを調整することで、所望の変形への抵抗性を実現することができる。
弾性率は材料特性と医療又は看護又は介護を含む処置の操作を行う環境温度に依存するが、厚みは任意に変化させることができる。厚みが厚くなると、加熱や冷却時の熱伝導の所要時間が長くなり、材料費も嵩むが、操作対象の重さと、処置の内容に応じ材料と厚みを選ぶことで、医療又は看護又は介護を含む処置の操作を実施できる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
体位固定具、体位変換具、身体の一部分の上下保持具、移動補助具、バックレスト、フットボート、体圧分散クッション、床板硬軟変化ベッド、排泄補助・陰部洗浄を含む臀部直下への空間形成ベッド床板、の何れか一つに用いられる点にある。
本発明の身体ホルダーは、人の臥床時の体位変換や移動に使用することができる。敷布団の上にシーツのように、又は、敷布団の代わりに臥床者の下に身体ホルダーを敷いておき、身体ホルダーに一体化した又は、物理的に圧着させた加熱冷却装置が臥床者の反対側に位置しており、本加熱冷却装置により、臥床者に接触する身体ホルダーの表面部分の温度が46℃を上限に身体ホルダーを加熱し、身体ホルダーが軟らかい状態で、例えば仰臥位の臥床者の体の全体を把捉、被覆し、その後、臥床者の体型に合わせ、臥床者の安楽な状態に賦形する。その後、概略円筒状の状態で、加熱冷却装置がペルチェ素子の場合は電流を反転させ、面状発熱体や電気毛布、マットヒーターなどの場合は通電を停止し、放冷するか、又は、これらを、例えば水を該環境温度下では熱変形や強度の変化が小さい袋状の軟質材に封入したものと置き換え、そのまま冷却硬化させ、臥床者を身体ホルダーと一時的に一体化させる形に固定する。硬化後、看護者や介助者が円筒を右や左に回転移動することで、体位を任意の角度に支持、固定でき、所望の体位変換が可能である。
又、臥床者と身体ホルダーとを一時的に一体化させた状態で、該円筒を看護者や介護者にて持ち上げ、又は、移動用リフトなどで吊り上げて所望の場所まで移動することができる。これら、体位変換や移動の操作の後、加熱冷却装置がペルチェ素子の場合は再度電流を反転させて流し、又は、加熱冷却装置が、例えば水を該環境温度下では熱変形や強度の変化が小さい袋状の軟質材に封入したものである場合は、再度面状発熱体や電気毛布、マットヒーターなどに置き換え、臥床者に接触する身体ホルダーの表面部分の温度が46℃を上限に身体ホルダーを再度加熱し、身体ホルダーを軟らかくし、臥床者から身体ホルダーを取り外し、臥床者を解放し、臥床者を元の状態に戻すことができる。使用した身体ホルダーも臥床者から取り外した折に、平板に近い形に賦形しておくと、これら身体ホルダーを医療又は看護又は介護を含む処置の操作に再使用できる。
また、人の臥床者と同じやり方で、全身麻酔下で筋弛緩状態である医学、医療実験用の豚や羊などの動物の画像撮影時などの特定の体位の支持や固定、異なるモダリティーの画像撮影台への移動などに使用できる。
同様のやり方で、身体ホルダーの大きさを調整することで、各人の体型の凹凸の特性に合わせた体の一部分を支持や固定、把捉、被覆、賦形することで体位固定具、体位変換具、身体の一部分の上下保持具、移動補助具、バックレスト、フットボート、体圧分散クッション、床板硬軟変化ベッド、排泄補助・陰部洗浄を含む臀部直下への空間形成ベッド床板などに使用することができる。
また、少なくとも、冷却機能を有する加熱冷却装置と、人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する、常温では軟らかい材料からなる身体ホルダーを、ベッドの構成層の一として、又は、敷布団の下になど敷きこんでおき、通常は軟らかい状態で使用するが、緊急時など、医師がベッド上で処置を行う時や、又は、看護や介護で時々発生する看護者や介護者がベッド上で処置や介護、看護の操作をすることが必要な場合など、加熱冷却装置の冷却機能を用いて(ペルチェ素子への通電など)急冷し、足場を硬くし、処置や看護、介護などの操作を行い易くすることが可能な、床板が硬軟変化するベッドに使用することができる。
身体ホルダーの更なる特徴構成は、
前記低温加熱するときの前記主材料の上限温度は、前記人を対象とする場合は48℃とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)とする点にある。
上記目的を達成するための身体ホルダーの使用方法は、
シート形状の身体ホルダーの使用方法であって、その特徴構成は、
操作対象としての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料を有し、前記人又は前記動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるものであり、
前記硬軟化変化閾値温度以上で、前記主材料を低温加熱するとき、前記人を対象とする場合は46℃以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度として、前記低温加熱を行って前記主材料を軟化させ、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形し、
前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態で、前記主材料を前記硬軟化変化閾値温度未満の温度で冷却して硬化させ、外部から前記操作対象部位への応力を遮断又は低減した状態で、前記医療又は看護又は介護を含む処置を行い、
前記主材料を前記低温加熱して軟化させ、前記操作対象部位から取り外す一連の操作を繰り返し実行することが自在な点にある。
本発明の効果をまとめると、操作対象の支持や固定、把捉、被覆、体位変換、移動などの操作やケアーを、操作対象の痛みや侵襲を回避、低減しつつ行えること、且つ、操作に伴う、低温やけどのリスクや、冷感による侵襲を操作に用いる材料の選択により回避、低減できること、加えて、想定外の事故などで、操作関連材料に暴露した時も、チューイングガムベースなどを硬軟変化する材料に選択することでほぼ無害であること、又、操作に使用する身体ホルダーが再利用可能であることを実現したことにある。
は、操作対象を身体ホルダーにて被覆している状態を示す概略図である。 は、身体ホルダーの一部断面図である。 は、図1の一部断面図である。 は、実施例13の説明図である。 は、実施例14の説明図である。
以下、当該実施形態に係る身体ホルダー100を、図面を参照しながら説明する。
当該実施形態に係る身体ホルダー100は、図1、2、3に示すように、操作対象Kとしての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下(好ましくは、46℃以下:以下同様)の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料4を有し、人及び動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるシート形状の身体ホルダー100である。
当該身体ホルダー100において、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形するときで、主材料4を加熱して軟化させる場合に、主材料4を低温加熱するとき、人を対象とする場合は46℃以下を操作対象部位に接触する部分の温度とし、動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を操作対象部位に接触する部分の温度とし、且つ軟化させるときの主材料の温度は硬軟化変化閾値温度以上の温度である。
更に、外部から操作対象部位への応力を遮断又は低減するときで、主材料を冷却して硬化させる場合に、冷却温度が、硬軟化変化閾値温度未満の温度である。
更に、上述した低温加熱による軟化及び冷却による硬化を繰り返し実行することが自在に実施できるかたちに構成されている。
因みに、低温加熱する際の主材料4の操作対象部位に接触する部分の上限温度は、人を対象とする場合は46℃とし、動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)とすることが好ましい。
更に、上記身体ホルダー100の使用方法では、操作対象としての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下(好ましくは、46℃以下:以下同様)の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料を有し、人又は動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるものであり、硬軟化変化閾値温度以上で、主材料を低温加熱するとき、人を対象とする場合は46℃以下を操作対象部位に接触する部分の温度とし、動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を操作対象部位に接触する部分の温度として、低温加熱を行って主材料を軟化させ、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形し、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態で、主材料を硬軟化変化閾値温度未満の温度で冷却して硬化させ、外部から操作対象部位への応力を遮断又は低減した状態で、医療又は看護又は介護を含む処置を行い、主材料を低温加熱して軟化させ、操作対象部位から取り外す一連の操作を繰り返し実行することが自在な使用方法である。
具体的には、身体ホルダー100は、図2に示すように、人や動物としての操作対象Kの操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、操作対象部位に近い側から順に、緩衝材1と、断熱材2と、軟質の袋様容器3の内部に充填された主材料4と、加熱冷却装置5とから構成されている。
主材料4の具体例としては、融点が48℃以下(好ましくは、46℃以下:以下同様)のワックス、例えば日本精蝋(株)製パラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115)(融点48℃“A.パラフィンワックス”、[online]、日本精鑞株式会社、[2016年7月22日検索]、インターネット<URL:http://www.seiro.co.jp/seihin/guide/guide2a.htm>
)、融点が48℃以下の低融点合金、例えば大阪アサヒメタル工場製の低融点合金U−アロイ16(融点16℃)、融点が48℃以下又はガラス転移温度が48℃以下のプラスチック材料、ガラス転移温度が48℃以下のチューインガムベース材料、例えば酢酸ビニル樹脂(ガラス転移温度28℃、高分子学会編高分子辞典、初版第6刷、朝倉書店、昭和55年による)、例えば、電気化学工業製のサクノールSN09Tなどを使用することができる。
尚、酢酸ビニル樹脂は、ビニル基の付加重合で合成され、ポリラクトンなどの縮合重合で合成される樹脂とは異なり、加水分解反応による重合度の低下は生起せず、シートに成形した後に、非特許文献1にも記載されているが、高分子の加水分解反応による重合度の低下がない。重合度と力学強度が正の相関を持つことは良く知られており、人又は動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、及び移動を含む処置などに使用される外部から力のかかるホルダーにおいては、使用する材料の経時による力学強度の低下は、使用時に操作対象を落下させるなどの事故にもつながりかねず、重合度低下の可能性は材料選定の段階で排除しておいた方が良い。
加熱や冷却により人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4は、少なくとも人に使用するときは5℃以上48℃以下の温度範囲において、少なくとも動物に使用するときは5℃以上(動物の体温+10℃)以下の温度範囲において軟質な袋様容器3に封入してシート形状に賦形して使用することもできる。
軟質の袋様容器3の材料としては、数μ〜数cm程度の厚みで、常温で折り畳みなどの変形が可能な、公知の有機、無機、金属材料、又は、これら材料の複合材料、例えばプラスチックフィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなど)や有機、無機材料とのラミネートフィルム(ポリエチレンやポリプロピレンのプラスチック織布、又は不織布とポリエチレンやポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムとのラミネートフィルムや、炭素繊維織布やアルミフォイルなどの無機材料や金属材料とポリエチレンやポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムとのラミネートフィルムなど)など各種の袋様に加工ができる材料や複合材料が使用できる。但し、これらの例によって、軟質の袋様容器3の厚みや袋の材料の種類が限定されるものではない。
軟質の袋様容器3への、人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4の投入は、袋様容器3に開口部(図示せず)を設け、プラスチックの栓を付けた形のもの、例えば、大倉工業OKテナーS−10Lを使用し、パラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115)は常温で固体であるので、ナイフで削るなどでフレーク状にして投入し、低融点合金U−アロイ16は常温で液体であるので、開口部から注ぎ込み、チューインガムベース材料(電気化学工業製の酢酸ビニル樹脂SN09T)は粒状で流動するので、これも開口部から注ぎ込む形態で実行する。
軟質の袋様容器3に充填したパラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115)や、酢酸ビニル樹脂SN09Tは、前もって約80℃の熱湯浴に浸漬し、融解させ、その後、平らな床の上で放冷することで平板上に賦形することができ、平板状に賦形することで実験室的検討に使用することができる。又、平板状に賦形後、軟質の袋様容器3をナイフで切り開き、平板状に賦形された材料4を取り出すことで、平板状の材料を実験室的検討に使用できる。
操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝材1は、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、操作対象部位に接する部位に備えられる。
緩衝材1の材料としては、公知のタオル地の布(木綿、羊毛、レーヨン、これらと化繊を混紡したものなど)、プラスチックの発泡体(ポリウレタン発泡体、エチレン酢酸ビニル共重合体発泡体、ポリエチレン発泡体など)、気泡入りプラスチックフィルム緩衝材などが使用できる。人の全体や人の体の一部などを被覆する時は、吸湿性材料、例えば木綿や羊毛、レーヨンなどや、これらと化繊を混紡した布やタオル地などが使用できる。但し、これらの例によって、緩衝材が限定されるものではない。
緩衝材1は、公知の接着などの方法でこれら身体ホルダー100と一体化して使用することができる。又は、操作対象の特性に応じ、人や動物などの全体或いは人や動物などの体の一部分である操作対象の支持や固定、把捉や被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置の操作に使用される身体ホルダー100と操作対象の間にタオル地などの緩衝材をはさんで使用するなど、物理的圧着で緩衝材を介在させることや、物理的圧着を粘着テープで補強して使用することも可能である。また、必要に応じて、マジックテープを用いても構わない。
断熱材2は、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、低温加熱に伴う温熱及び冷却に伴う冷熱が、操作対象部位へ伝導することを抑制する形態で設けられる。具体的には、断熱材2は、上述した主材料4と操作対象部位との間に、熱の伝達を抑制する状態で設けられる。
断熱材2は、公知のプラスチックの発泡体(発泡ポリエチレンシート、発泡ポリスチレンビーズなど)、木綿の布やタオル地(木綿、羊毛、レーヨン、これらと化繊を混紡したものなど)、セルロースファイバーやグラスウールなどが使用できる。但し、これらの例によって断熱材2の材料が限定されるものではない。
尚、上記の断熱材2の形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などの場合には、上述した主材料4と同様に、軟質の袋様容器3に封入して使用することもできる。形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などの断熱材2を袋様容器3へ封入する方法も、上述した主材料4を袋様容器へ封入する方法と同様に行える。
断熱材2と、身体ホルダー100を構成する主材料4や軟質の袋様容器3との張り合わせは、公知の接着や熱溶着などの方法で実施でき、又は、操作対象との間に断熱材2を物理的圧着で介在させることや、物理的圧着を粘着テープで補強して実施できる。断熱材2と緩衝材1との貼合せも、断熱材2を接着や熱溶着、縫製などの公知の方法で実施することができる。又、断熱材2を緩衝材1と主材料4との間に物理的圧着で介在させること、又は、断熱材2を、主材料4を封入した軟質の袋様容器3と緩衝材1との間に物理的圧着で介在させることができ、物理的圧着を粘着テープで補強して使用することも可能である。更に、必要に応じてマジックテープを用いることもできる。
具体的には、医療又は看護又は介護を含む処置の操作に使用される身体ホルダー100と操作対象Kの間に緩衝材1をはさんで物理的圧着で介在させる場合を除き、緩衝材1と緩衝材1に隣接する身体ホルダー100の間に、必要に応じて、マジックテープを介在させ、緩衝材1と緩衝材1に隣接する身体ホルダー100を着脱可能とすることができる。マジックテープと主材料4との貼合せ、又は、マジックテープと軟質の袋様容器3との貼合せは、公知の接着、熱溶着などの方法で実施できる。又、マジックテープと緩衝材1との貼合せは、公知の接着、熱溶着、縫製などの方法で実施できる。
更に、緩衝材1と断熱材2と軟質の袋様容器3の組み合わせにおいて、緩衝材1と断熱材2がバスタオル、軟質の袋様容器3が低密度ポリエチレン製の袋などである時は、ポリエチレンに熱溶着可能なマジックテープ、例えば、クラレファスニング株式会社製(巾24mm、S−Eタイプ)は、フック側、ループ側の背面が熱可塑性樹脂でライニングされており、ポリエチエレン製袋と熱溶着が可能で、該マジックテープの片側を軟質の袋様容器3に貼合せ、もう片側をバスタオルに縫製し、マジックテープを介して着脱可能な構成にし、人や動物などの全体或いは人や動物などの体の一部分の操作対象に接する緩衝材1及び断熱材2であるバスタオルを必要に応じ着脱し、洗濯し、清潔な状態で使用することができる。
主材料4を低温加熱又は冷却するための加熱冷却装置5は、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、操作対象部位が存在する側とは反対側に備える。
更に、具体的には、加熱冷却装置5は、ペルチェ効果を利用したペルチェ素子発熱吸熱体から成る第1加熱冷却部と、軟質の袋様容器3に封入され外部から吸熱又は外部へ放熱する熱媒体から成る第2加熱冷却部と、電気抵抗への通電による発熱を利用したジュール熱発熱体から成る第1加熱部と、加熱助剤と当該加熱助剤と混合することで温熱を発生する発熱剤と加熱助剤と発熱剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第1袋とから成る第2加熱部と、冷却助剤と当該冷却助剤と混合することで冷熱を発生する寒剤と冷却助剤と寒剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第2袋とから成る第1冷却部と、の少なくとも1つ以上から構成されている。
尚、加熱冷却装置5は、主材料の加熱と、主材料の冷却との少なくとも何れか一方を実行するものであるとする。例えば、加熱冷却装置5として、上述した第1加熱部及び第2加熱部のみを備える場合には、外気に晒すことにより冷却する構成を採用でき、加熱冷却装置5として、上述した第1冷却部のみを備える場合には、外気に晒すことにより低温加熱する構成を採用できる。
加熱冷却装置5としては、公知の加熱冷却装置を用いることができる。例えば、ペルチェ素子発熱吸熱体(平板状で縦45mm×横45mm、表面をセラミックスの平板で覆ったもの:加熱及び冷却用)や、巻くこともできる面状発熱体(加熱用、例えば、サンライズ工業(株)製フィルムヒーター)、電気毛布やマットヒーター(加熱用、例えば、松下電工ミニミニマットなど)、赤外線を利用した輻射型発熱体、室温や恒温室温度、外気、又は、水や冷水、氷水、温水(熱媒体の一例)を用いることができる。
また、水(加熱助剤の一例)と発熱剤、或いは、冷水、氷水、水や水性ゲルや有機系溶剤(冷却助剤の一例)と寒剤とを、軟質の袋様容器に封入し使用することができる。又、医療又は看護又は介護を含む処置の操作を行う前や行った後の身体ホルダー100の硬軟調整などに、恒温室の室内空気や外気を加熱冷却装置として使用し、操作に必要な軟らかさや硬さが発現している平衡状態から操作を開始してもよいし、再使用のための身体ホルダー100の硬軟状態調整用にこれら恒温室の室内空気や外気を使用してもよい。
尚、上記の加熱冷却装置5において、加熱や冷却用に使用する材料が、液体のものや、形状が粒状やペレット、フレーク状、粉体などのものを、軟質の袋様容器へ封入する方法も、主材料4を軟質の袋様容器3へ封入する方法と同様に行える。
又、発熱剤や寒剤を、破れ易い仕切部を介して、水や水性ゲルや有機系溶剤(加熱助剤又は冷却助剤の一例)と一緒に、袋状の軟質材に封入しておき、加熱や冷却が必要な時に仕切部を破り加熱冷却装置5として使用する公知の方法も適用できる。水と組み合わせる発熱剤としては、酸化カルシウムや酸化カルシウムと酸化アルミニウムを組み合わせたものなどがある。水や氷と組み合わせる寒剤としては、食塩や塩化アンモニウム、塩化カルシウム、硝酸アンモニウム、尿素などが、又メタノール、エタノールやアセトンとドライアイスを組み合わせても低温を得ることができる。
尚、身体ホルダー100の操作対象と接する面の温度を人の場合には5℃以上46℃以下、動物の場合は、5℃以上(動物の体温+10℃)以下にコントロールする方法としては、例えば、ペルチェ素子や面状発熱体、電気毛布、マットヒーターなど電気を用いて加熱冷却を行う場合は、身体ホルダー100の操作対象と接する面の温度を計測し、公知のサーモスタットやサイリスタによる自動温度制御系を用いることができる。又は、水などの液体や、これら液体と発熱剤や寒剤を使用する系では、物理化学的発熱量や吸熱量と各材料の比熱から、公知の方法で、身体ホルダー100の操作対象と接する面の温度上昇や温度降下を計算し、適切な量の材料を使用することで、過熱や過冷を回避し、加熱、冷却を行うことができる。
〔別実施形態〕
(1)本発明に係る身体ホルダー100は、主材料4及び加熱冷却装置5のみを備える構成を採用しても構わない。
(2)本発明に係る身体ホルダー100は、当該主材料4及び加熱冷却装置5を備える構成に加え、緩衝材1と断熱材2と軟質の袋様容器3のうち、何れか1つを備える構成を採用しても構わない。
(3)本発明に係る身体ホルダー100は、当該主材料4及び加熱冷却装置5を備える構成に加え、緩衝材1と断熱材2と軟質の袋様容器3のうち、何れか2つを備える構成を採用しても構わない。
(4)上記実施形態においては、緩衝材1と断熱材2とを別部材にて構成する例を示したが、これらは、一部材から構成しても構わない。
即ち、緩衝材1と断熱材2に替えて、操作対象部位を把持又は被覆し操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝機能と、操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において低温加熱に伴う温熱及び冷却に伴う冷熱が操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱機能とを有する緩衝断熱材を有する構成を採用しても構わない。
即ち、緩衝材1と断熱材2としては、ともに、布やタオル地、プラスチックの発泡体が使えるため、材料により緩衝材1と断熱材2の性質を兼ね備えた緩衝断熱材として一体化して使用することもできる。但し、これらの例によって、緩衝断熱材に使用できる材料が限定されるものではない。
(5)本願の身体ホルダー100は、体位固定具、体位変換具、身体の一部分の上下保持具、移動補助具、バックレスト、フットボート、体圧分散クッション、床板硬軟変化ベッド、排泄補助・陰部洗浄を含む臀部直下への空間形成ベッド床板の何れか一つに用いられることが好ましい。
(6)本願の身体ホルダー100は、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護処置以外にも使用でき、例えば、健常者用のバックレストや体圧分散クッション等にも使用できる。
(7)上記実施形態では、加熱冷却装置5を構成する第1加熱冷却部は、ペルチェ素子発熱吸熱体から構成する例を示した。
当該ペルチェ素子発熱吸熱体は、身体ホルダー100の操作対象への形状追従性を向上する観点からは、屈曲変形可能なフレキシブルペルチェ素子から構成することが好ましい。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以下、実施例にて、人や動物などの全体或いは人や動物などの体の一部分に対する支持や固定、把捉や被覆や賦形、移動などの操作、及び、足場の支持、体位の固定、体位の変換、移動補助、体圧分散クッション、バックレスト、フットボートなどの使用方法を説明する。
(1)軟質の袋様の容器3として、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を使用した。本袋は、飲料水などの注入用のプラスチックの蓋つき栓が設けられており、液状や粉状など流動する材料の投入や取り出しが可能である。材料を投入後、蓋を閉めることで、これら材料を封入できる。(2)主材料4として、融点48℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、パラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115))を使用した。
(1)のポリエチレン製袋に、パラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115)をナイフでフレーク状に削り、3.2kgを封入した。
(3)約80℃の湯浴に(2)を浸漬し融解させ、その後、平らな床に置き1日放冷した。放冷した部屋の温度は23℃であった。
(4)封入されたパラフィンワックス(主材料4)が固化して硬くなった480mm×490mmの長方形状のシート状の身体ホルダー100の490mmの辺に平行に両端から中央部に向かって110mmの部分までを台に載せ、即ち、中央部の260mm×490mmのボードの部分はその下13.5cmを空洞に保ちつつ、下が空洞なる部分の中央部に体重52kgの人が踏み台に立つ要領で立ち乗った。
(5)23℃の環境温度下、ポリエチレン製の袋に封入したパラフィンワックスのシート状の身体ホルダー100はフラットな状態で変形、破壊することなく体重を支えた。
(6)サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター、横、縦が、460mm×500mmの大きさのもの)を加熱冷却装置5として用い、ワックス封入袋(袋様容器3)の外面に全体を覆うように圧着し、通電し、43分後にワックス封入袋(袋様容器3)の外面温度が41℃に上がり軟らかくなった。
(7)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入したパラフィンワックス(主材料4)のシート状の身体ホルダー100が、床板が硬軟変化するベッドに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返して使用できることが確認された。
(1)緩衝断熱材として、市販のバスタオルを折り重ね、圧縮なしで略2cmの厚みがあり、上から押さえ、圧縮すると略1cmの厚みになり、縦、横の寸法が50cm×32cmの大きさのものを作成し、使用した。尚、緩衝断熱材は、緩衝材1と断熱材2との機能の両方を兼ね備える材料である。
(2)実施例1と同じく、軟質の袋様容器3としては、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を使用した。
(3)洗濯などを考慮し、緩衝断熱材の着脱を可能とすべく、ポリエチレンにヒートシールが可能なマジックテープ(クラレファスニング株式会社製、巾24mm、長さ25m巻、S−Eタイプ)を使用した。
(4)(2)のポリエチレン製袋の480mmの辺に平行に、長さ略480mmのフック側のマジックテープを端部に1本、又、マジックテープの間の距離を126mm隔てて、480mmの辺に平行に、長さ略480mmのフック側のテープもう2本、合計3本ヒートシールした。ヒールシールは、フックのマジックテープの突起を有する面の反対側のプラスチックの平滑面に加熱したはんだごてを当て、プラスチックの表面が溶融した状態で、(2)の袋に圧着する方法で実施した。
(5)(1)の緩衝断熱材のバスタオルに(3)の長さ略480mmのマジックテープのループ側の部分を(2)にヒートシールしたフック側のマジックテープの間隔に合わせて縫製することにより、緩衝断熱材と(2)の袋を着脱可能とした。
(6)(4)で(2)の袋に(4)の方法でマジックテープを取り付けた袋を用い、主材料4としてのパラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115)をナイフでフレーク状に削り、1.4kgを封入した。その後、実施例1と同様の方法で、約80℃の湯浴に(4)のボードを浸漬しパラフィンワックスを均一に融解させ、その後、22℃の環境下に1日放置し、パラフィンワックスを固化させた。
(7)加熱冷却装置5として、実施例1の(6)と同じく、サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)を(6)のワックス封入袋(袋様容器3)の外面(マジックシートのついていない面)に全体を覆ように圧着し、通電し、22分後に、加熱冷却装置5と圧着している部分のポリエチレンフィルム(袋様容器3)の外面温度が46℃となり、PE袋(袋様容器3)に封入したパラフィンワックスのシート状の身体ホルダー100が軟らかく形状追随性を有する状態になった。
(8)(7)の時点で、加熱冷却装置5を外し、緩衝断熱材であるバスタオルをマジックテープで付着させ、市販の新生児モデル((株)高研社製の新生児モデルLM049、身長48cm、体重2.6kg)の背骨をシート状の身体ホルダー100の略中心部で縦方向に平行に置き、又、背骨を軸に、緩衝断熱材が存在する部分を用いて新生児モデルの頭部から膝部にわたる部分を軟らかくシート状の身体ホルダー100全体で海苔巻き状に被覆し、軽く押しながら新生児モデルに合わせて、頭部と体幹部の間に少しくぼみが生ずる形に賦形した。円周方向で、シート状の身体ホルダー100の寸法が短く、被覆し残った部分が約90mmあったが、粘着テープを渡して接続し、円筒状に固定した。
(9)その後、(2)と同様の、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)に氷水(水800g、氷600g)を封入した加熱冷却装置5を用い、新生児モデルを海苔巻き状に被覆した円筒の外側に圧着し、6分間冷却し、ワックスを硬化させた。
(10)(9)のワックス封入袋(袋様容器3)の外側が硬くなった状態で、ポリエチレン製袋に氷水を入れた加熱冷却装置5を外し、円筒を回転すると、新生児モデルは円筒に固定されており、円筒や緩衝断熱材とずれることなく剛体的に回転し、又、持ち上げると、海苔巻き状の円筒は変形せずに剛体的に持ち上がった。その後、そのまま実験室の壁際に移動し、円筒そのものを壁に斜めに立てかける(直角の壁と床の間に斜めの板をわたす様に)と、緩衝断熱材を介して把捉されている新生児モデルも滑り落ちることなく固定されていた。これらの事実より、外部からの応力が円柱の外側で遮断、軽減されていることが確認された。
(11)体位変換、移動操作などの後、新生児モデルの足を保持して、円筒の軸方向へゆっくり前後にずらすと約4cm移動が可能であった。新生児モデルが緩衝断熱材を挟んで軟らかく保持されていることが確認された。
(12)その後、緩衝断熱材の側とは反対の側のワックス封入袋(袋様容器3)の外面に、再度、加熱冷却装置5(サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター))を圧着し、通電し、19分後に少し軟らかくなった時点で、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(ワックス4)/(ポリエチレンフィルム3)/(加熱冷却装置5)からなるボード(身体ホルダー100の例)を新生児モデルから取り外し、その後、加熱を続けながら、これらシート状の身体ホルダー100を平らな面に少し圧力をかけ圧着しつつ平板状態にし、37分で通電をカットした。当操作を行った部屋の温度は21℃であった。
(13)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入したパラフィンワックス(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、臥床者や動物の固定、体位変換、移動、バックレストに、又、体の一部向けに使用することにより、フットボートや体圧分散クッションに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例1と同じく、軟質の袋様容器3として、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を使用した。
(2)主材料4として、大阪アサヒメタル工場製の低融点合金U−アロイ16(融点16℃)648gを(1)の軟質の袋様容器3に、22℃の常温下、液体の状態で封入した。低融点合金U−アロイ16を封入したポリエチレン製の袋は、軟らかく、形状追随性を有していた。
(3)その後、8℃の環境温度を加熱冷却装置5として用い、本環境下の建屋の床に一日放置し、U−アロイ16(主材料4)を冷却硬化させた。
(4)U−アロイ16の硬化後、軟質の袋様の容器3の490mmの辺に平行に中央部に向かって一方の端からは40mmの部分までを台に載せ、他方の端からは205mmの部分を台に載せ、即ち、中央部の235mm×490mmのシート状の身体ホルダー100の部分はその下13.5cmを空洞に保ちつつ、下が空洞なる部分の中央部に10kgの砂嚢を載せた。
(5)8℃の環境温度下、ポリエチレン製の袋に封入した低融点合金U−アロイ16(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、フラットな状態で変形、破壊することなく10kgの荷重を支えた。
(6)その後、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した低融点合金U−アロイ16(主材料4)のシート状の身体ホルダー100を22℃の環境温度を加熱冷却装置5として使用し、該環境温度の部屋に放置した。約30分後に低融点合金U−アロイ16(主材料4)は融解し、これらを封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)は形状追随性を有するようになった。
(7)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した低融点合金U−アロイ16(主材料4)のシート状の身体ホルダー100が、床板が硬軟変化するベッドに使用できることが、又、加熱冷却装置5を用いて硬軟変化させることにより繰り返して使用できることが確認された。
(1)実施例3と同じポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した低融点合金U−アロイ16(主材料4)のシート状の身体ホルダー100を用い、市販の新生児モデル(京都科学社、沐浴人形、新太郎、型番11278−000、身長53cm、重さ2.7kg)を用い、実施例2で使用したのと同様の市販のバスタオルの緩衝断熱材を、低融点合金U−アロイ16(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)と、人のモデルである新生児モデルの間に挟み、低融点合金U−アロイ16(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)に圧着するかたちで使用した。ボード(身体ホルダー100の例)の構成としては、断面で示すと新生児モデル側から、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(低融点合金U−アロイ16(4))/(ポリエチレンフィルム3)の構成となる。
(2)環境温度が22℃の下、低融点合金U−アロイ16(主材料4)は融解しており、シート状の身体ホルダー100は形状追随性を有していた。
(3)緩衝断熱材が被覆しているシート状の身体ホルダー100の部分に、新生児モデルの背骨をシート状の身体ホルダー100の略中心部で縦方向に平行に置き、背骨を軸に、緩衝断熱材が被覆している部分を用いて新生児モデルの頭部から膝部にわたる部分を軟らかくシート状の身体ホルダー100全体で海苔巻き状に被覆し、軽く押しながら新生児モデルに合わせて賦形した。円周方向で、シート状の身体ホルダー100の寸法が短く、被覆し残った部分が90mmぐらいあったが、粘着テープを渡して接続し、円筒状に固定した。その後、新生児モデルが仰臥位の体位になる形に、円筒を固定し、8℃の環境温度を加熱冷却装置5として用い、本環境下の建屋の床に1日放置し冷却硬化させた。
(4)冷却硬化後、低融点合金U−アロイ16(主材料4)封入ポリエチレン袋(袋様容器3)は硬くなった状態で円筒形をしており、円筒を回転すると、新生児モデルは円筒に固定されており、円筒や緩衝断熱材とずれることなく剛体的に回転し、又、持ち上げると、海苔巻き状の円筒は変形せずに剛体的に持ち上がった。その後、8℃の環境温度を有する建屋の壁際に移動し、円筒そのものを斜めに立てかける(直角の壁と床の間に斜めの板をわたす様に)と、緩衝断熱材を介して把捉されている新生児モデルも滑り落ちることなく固定されていた。
(5)実施例3と同様に、その後、円筒状に固定された新生児モデルを22℃の部屋に移動し、環境温度を加熱冷却装置5として使用した。約30分後には低融点合金U−アロイ16(主材料4)は融解し、該合金を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)は形状追随性を有するようになった。
(6)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した低融点合金U−アロイ16(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、臥床者や動物の固定、体位変換、移動、固定、バックレストに、又、体の一部向けに使用することにより、フットボートや体圧分散クッションに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化することにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例1と同じく、使用する環境温度下では熱変形及び強度変化が小さい軟質の袋様の容器3として、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を使用した。
(2)人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4として、ガラス転移温度が28℃(高分子辞典、高分子学会編、朝倉書店、昭和55年4月10日初版第6刷)である酢酸ビニル樹脂(電気化学工業株式会社製サクノールSN09T)を使用し、本樹脂の形状が粒状で流動性を有するため、ポリエチレン製の軟質の袋様容器3に880gをそのまま投入した。
(3)その後、87℃の湯浴に浸漬し、一度酢酸ビニル樹脂を軟らかく変化させた後、ポリエチレン袋の上から押し、角々までは広がらせずに、ポリエチレン袋の中央部分に略方形に賦形し、平らな床に置き1日放冷した。放冷した部屋の温度は24℃であった。封入された酢酸ビニル樹脂は、冷却硬化後、約350mm×340mmの方形のシート状の身体ホルダー100として完成した。
(4)軟質の袋様の容器3に封入した酢酸ビニル樹脂(主材料4)は、袋様の容器3のほぼ中央部にあり、袋様の容器3を、480mm×490mmの方形の490mmの辺に平行に、即ち、端から中央部に向かって165mmの部分までを台に載せ、中央部の150mm×490mmのボードの部分はその下13.5cmを空洞に保ちつつ、下が空洞なる部分の中央部に重さ5kgの液入りプラスチック容器(底面は10cm×8cmの略長方形)を置いた。ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のボードは、5kgの荷重に対し変形、破壊することなく荷重を支えた。実験室の室温は21℃であった。
(5)次に、加熱冷却装置5として、サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)を、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100の片面に、全体を覆うように圧着し、通電し、シート状の身体ホルダー100の反対側は、実施例2で使用したのと同様の緩衝断熱材を載せ昇温を促進し、36分後に軟らかく形状追随性を有することを確認した。ボード(身体ホルダー100の例)の構成としては、断面で示すと、室温の空気側から、(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)/(加熱冷却装置5)である。22分後に測定した、室温の空気側に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は37.6℃であった。その後、シート状の身体ホルダー100は21℃の室温で放冷硬化させ、再使用に供した。
(6)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100が、床板が硬軟変化するベッドに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例5で用いたポリエチレン製の袋(袋様容器3)に酢酸ビニル樹脂(主材料4)880gを封入したシート状の身体ホルダー100を再加熱して使用した。
(2)実施例1、2、5で加熱に用いたサンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)(加熱冷却装置5)を実施例5の(5)と同様な方法を用いて、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に賦形硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100の片面に、全体を覆うように圧着し、通電し、シート状の身体ホルダー100の反対側は、緩衝断熱材として使用するバスタオル(実施例2の(1)と同様のもの)を載せ昇温を促進し、53分後に軟らかく形状追随性を有することを確認した。52分後に測定した、緩衝断熱材に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は33.9℃、加熱冷却装置5に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は、34.1℃であった。
(3)人のモデルとして、実施例4と同様に、市販の新生児モデル(京都科学社、沐浴人形、新太郎、型番11278−000、身長53cm、重さ2.7kg)を使用した。
(4)又、緩衝断熱材として、実施例2の(1)と同様に、市販のバスタオルを折って重ねて使用した。
(5)(3)の緩衝断熱材及び2は、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)と、新生児モデルの間に挟むかたちで、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)に圧着して使用した。ボード(身体ホルダー100の例)の構成としては、断面で示すと、新生児モデル側から、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)/(加熱冷却装置5)であった。
(6)実施例2の(8)と同様に、加熱冷却装置5を外し、新生児モデルの背骨をシート状の身体ホルダー100の略中心部でポリエチレン製袋(袋様容器3)の縦方向に平行に置き、又、背骨を軸に、緩衝断熱材が被覆している部分を用いて新生児モデルの頭部から膝部にわたる部分を軟らかくシート状の身体ホルダー100全体で海苔巻き状に被覆し、軽く押しながら新生児モデルに合わせて、頭部と体幹部の間に少しくぼみが生ずる形に賦形した。円周方向で、シート状の身体ホルダー100の寸法が短く、被覆し残った部分が約85mmあったが、粘着テープを渡して接続し、円筒状に固定した。
(7)その後、実施例5の(1)で使用したのと同様の厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)に17℃の水を1550g封入した加熱冷却装置5を用い、新生児モデルを海苔巻き状に被覆した円筒の外側に圧着し、8分間冷却し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を硬化させた。
(8)(6)の酢酸ビニル樹脂封入袋(容器3及び材料4)の外側が硬くなった状態で、加熱冷却装置5を外し、円筒を回転すると、新生児モデルは円筒に固定されており、円筒や緩衝断熱材とずれることなく剛体的に回転し、又、持ち上げると、海苔巻き状の円筒は変形せずに剛体的に持ち上がった。その後、そのまま実験室の壁際に移動し、円筒そのものを斜めに立てかけると(直角の壁と床の間に斜めの板をわたす様に)、緩衝断熱材を介して把捉されている新生児モデルも滑り落ちることなく固定されていた。これらの事実より、外部からの応力が円柱の外側で遮断、軽減されていることが確認された。
(9)体位変換、移動操作などの後、新生児モデルの足を保持して、円筒の軸方向へゆっくり前後にずらすと約2cm移動が可能であった。新生児モデルが軟らかく保持されていることが確認された。
(10)実施例5と同様に、次に、加熱冷却装置5として、サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)を緩衝断熱材とは反対側のボードのポリエチレンフィルム(袋様容器3)の面に圧着し、通電し、約15分後に少し軟らかくなった時点で、緩衝断熱材から加熱冷却装置5までのシート状の身体ホルダー100を新生児モデルから取り外し、その後、加熱冷却装置5と反対側のシート状の身体ホルダー100の面には緩衝断熱材であるバスタオル(実施例2の(1)と同様のもの)を載せ、加熱を継続した。32分後にボードが軟らかく形状追随性を有するようになった時点で平板状に賦形した。32分後に測定した、緩衝断熱材に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は28.6℃、加熱冷却装置に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は、28.5℃であった。その後、シート状の身体ホルダー100は21℃の室温下で放冷し、再使用に供した。
(11)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した酢酸ビニル樹脂のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、臥床者や動物の固定、体位変換、移動、バックレストに、又、体の一部向けに使用することにより、フットボートや体圧分散クッションに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例6で用いたポリエチレン製の袋(袋様容器3)に酢酸ビニル樹脂(主材料4)880gを封入したシート状の身体ホルダー100を再度加熱して使用した。
(2)実施例1、2、5、6で加熱に用いたサンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)(加熱冷却装置5)を実施例6の(2)と同様な方法で、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に賦形硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100の片面に、全体を覆うように圧着し、通電し、シート状の身体ホルダー100の反対側は、緩衝断熱材として使用するバスタオル(実施例2の(1)と同様のもの)と接触させ昇温を促進し、33分後に軟らかく形状追随性を有することを確認した。ボード(身体ホルダー100の例)の構成としては、断面で示すと、空気と接する側、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)/(加熱冷却装置5)である。33分後に測定した、緩衝断熱材に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は30.4℃、加熱冷却装置5に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は、33.1℃であった。又、緩衝断熱材の空気と接する側の表面温度は29.4℃であった。
(3)又、緩衝断熱材として、実施例2の(1)と同様に、市販のバスタオルを折って重ねて使用した。
(4)(3)の緩衝断熱材は、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)に圧着し、略35cm×34cmの大きさを有するポリエチレン製の袋(袋様容器3)の中の酢酸ビニル樹脂(主材料4)を、35cmの長手方向を略真ん中で折る形に変形し、底面と背面の角度が約30℃になる形に座椅子形に賦形した。
(5)その後、実施例5、6と同様に、厚み、横、縦が0.140mm×480mm490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を用い、本袋に17℃の水を1550g封入した加熱冷却装置5を用い、座椅子形に賦形した酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)の座席とは反対側の面を冷却し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)は2分後に硬化した。
(6)重心の位置の関係で、底面は別途荷重を載せて押さえる必要はあったが、座椅子形のシート状の身体ホルダー100で、底面を人の手や錘で押さえたものに市販の新生児モデル(京都科学社、沐浴人形、新太郎、型番11278−000、身長53cm、重さ2.7kg)を座らせると、新生児モデルは座椅子の底板と背板、即ちバックレストに沿って、滑動や転倒することなく安定に支持された。
(7)座椅子形のボード(身体ホルダー100の例)の構成を断面で示すと、新生児モデル、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)であった。
(8)新生児モデルを座椅子形のシート状の身体ホルダー100から外し、座椅子形のボードの背面(座席と反対側)に加熱冷却装置5を圧着し、通電し、実施例5、6と同じく、シート状の身体ホルダー100が軟らかくなった時点で平板状に賦形し、その後、シート状の身体ホルダー100は室温で放冷し、再使用に供した。
(9)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、臥床者のバックレストに使用できること、又、シート状の身体ホルダー100は使用後に加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより、繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例7で用いたポリエチレン製の袋(袋様容器3)に酢酸ビニル樹脂(主材料4)880gを封入したシート状の身体ホルダー100を再度加熱して使用した。
(2)実施例1、2、5、6、7で加熱に用いたサンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)(加熱冷却装置5)を実施例7の(2)と同様な方法で、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に賦形硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のボードの片面に、全体を覆うように圧着し、通電し、シート状の身体ホルダー100の反対側は、緩衝断熱材として使用するバスタオル(実施例2の(1)と同様のもの)を載せ昇温を促進し、41分後に軟らかく形状追随性を有することを確認した。ボード(身体ホルダー100ーの例)の構成としては、断面で示すと、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)/(加熱冷却装置5)である。41分後に測定した、緩衝断熱材に面するポリエチレンフィルムの温度は36.3℃、加熱冷却装置5に面するポリエチレンフィルムの温度は、36.8℃であった。又、緩衝断熱材の空気と接する側の表面温度は36.0℃であった。
(3)又、緩衝断熱材として、実施例2の(1)と同様に、市販のバスタオルを折って重ねて使用した。
(4)(3)の緩衝断熱材は、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)に圧着し、大人の左の下肢の内果・外果から膝にかけて、脛骨を軸にシート状の身体ホルダー100を海苔巻き状に巻付けた。後下腿から前下腿に向かって巻いた形で、長さ略35cm、周長34cmのボードでは前下腿に空間が出来たが、空間部分は粘着テープつなぎ、下腿に沿って円筒状に巻き、その後、下腿に軟らかく押し付ける形で賦形した。
(5)賦形の後、実施例5、6、7と同様に、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)に17℃の水を1550g封入した加熱冷却装置5を用い、円筒の外面(下腿とは反対側)を冷却し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入したポリエチレン製の袋(袋様容器3)は、8分後硬化した。賦形、硬化により、内果・外果から膝のシート状の身体ホルダー100に囲まれた下腿の部分はボードと剛体的に回転し、シート状の身体ホルダー100を固定することで、下腿も固定されることを確認した。
(6)フットボート形のボード(身体ホルダー100の例)の構成を断面で示すと、下肢、(バスタオル)/(ポリエチレンフィルム3)/(酢酸ビニル樹脂4)/(ポリエチレンフィルム3)である。
(7)再度、加熱冷却装置5を圧着し、通電、加熱し、少し軟らかくなったところで、下肢からボードを外し、実施例5、6、7と同じく、シート状の身体ホルダー100が軟らかくなった時点で平板状に賦形し、その後、シート状の身体ホルダー100は室温で放冷し、再使用に供した。
(8)本実施例により、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、下肢や足部の変形予防に使用されるフットボートとして使用できること、又、シート状の身体ホルダー100は使用後に加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)実施例8で用いた、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に酢酸ビニル樹脂(主材料4)880gを封入したシート状の身体ホルダー100を再度加熱して使用した。
(2)実施例1、2、5、6、7、8で加熱に用いたサンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター)(加熱冷却装置5)を実施例7の(2)と同様な方法で、ポリエチレン製の袋(袋様容器3)に封入し平板上に賦形硬化した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100の片面に、全体を覆うように圧着し、通電し、シート状の身体ホルダー100の反対側は、緩衝断熱材として使用するバスタオル(実施例2の(1)と同様のもの)を載せ昇温を促進し、26分後にシート状の身体ホルダー100が軟らかくなり、その時の温度は、緩衝断熱材に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は30.4℃、加熱冷却装置5に面するポリエチレンフィルム(袋様容器3)の温度は、33.5℃であった。又、緩衝断熱材の空気と接する側の表面温度は26.2℃であった。
(3)上記(2)の状態で、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を封入しているポリエチレン製の軟質の袋様容器3の端の部分をナイフで切り開き、平板状の酢酸ビニル樹脂(主材料4)の上面を覆っていたポリエチレンフィルム(袋様容器3)を取り除き、又、該ポリエレンフィルム(袋様容器3)と接触していた緩衝断熱材のバスタオルも一時的に取り除いた。その時の酢酸ビニル樹脂(主材料4)の温度は、取り除かれた緩衝材1及び2とポリエチレンフィルム(袋様容器3)に面する側で30.4℃、加熱冷却装置5に面する側でポリエチレンフィルム(袋様容器3)と接している部分では、33.5℃であった。酢酸ビニル樹脂(主材料4)のボードの大きさは横、縦が約34cm×35cmであった。
(4)緩衝断熱材を、酢酸ビニル樹脂(主材料4)、市販の新生児モデル(京都科学社、沐浴人形、新太郎、型番11278−000、身長53cm、重さ2.7kg)の間に挟むかたちで使用し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)に圧着し、断面で示すと、ボード(身体ホルダー100の例)の構成は、新生児モデル側から、(バスタオル)/(酢酸ビニル樹脂4)の構成とした。
(5)実施例2の(8)と同様に新生児モデルの背骨を酢酸ビニル樹脂のシート状の身体ホルダー100の略中心部で酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100の縦方向に平行に置き、又、背骨を軸に、緩衝断熱材が存在する部分を用いて新生児モデルの頭部から膝部にわたる部分を軟らかくシート状の身体ホルダー100全体で海苔巻き状に被覆し、軽く押しながら新生児モデルに合わせて、頭部と体幹部の間に少しくぼみが生ずる形に賦形した。円周方向で、シート状の身体ホルダー100の寸法が短く、被覆し残った部分が約25cmあったが、粘着テープを渡して接続し、円筒状に固定した。
(6)その後、実施例5の(1)と同様の、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)に17℃の水を1550g封入した加熱冷却装置5を用い、新生児モデルを海苔巻き状に被覆した円筒の外側に密着させ、6分間冷却し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を硬化させた。
(7)(6)の酢酸ビニル樹脂が硬くなった状態で、円筒を回転すると、新生児モデルは円筒に固定されており、円筒や緩衝断熱材とずれることなく剛体的に回転し、又、持ち上げると、海苔巻き状の円筒は変形せずに剛体的に持ち上がった。その後、そのまま実験室の壁際に移動し、円筒そのものを斜めに立てかける(直角の壁と床の間に斜めの板をわたす様に)と、緩衝断熱材を介して把捉されている新生児モデルも滑り落ちることなく固定されていた。ポリエチレン製の軟質の袋様容器3に封入することなく酢酸ビニル樹脂(主材料4)そのものからなるシート状の身体ホルダー100は、賦形時に新生児モデルへの密着が良く、冷却硬化後もバスタオルを介した円筒との固定が良く、より剛体的に回転や並進移動が行えた。
(8)体位変換、移動操作などの後、新生児モデルの足を保持して、円筒の軸方向へゆっくり前後にずらすと約2cm移動が可能であった。新生児モデルが軟らかく保持されていることが確認された。
(9)再度、加熱冷却装置5を圧着し、通電、加熱し、少し軟らかくなったところで、新生児モデルからシート状の身体ホルダー100を外し、実施例5、6、7、8と同じく、シート状の身体ホルダー100が軟らかくなった時点で平板状に賦形し、その後、シート状の身体ホルダー100は室温21℃下に放冷し、再使用に供した。
(10)シート状の身体ホルダー100を平板状に賦形、冷却後、シート状の身体ホルダー100の厚みを縦方向、横方向略均等に10点計測した10点の平均厚みは4.8mmであった。
(11)本実施例により、酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100は、緩衝断熱材や加熱冷却装置5とともに、臥床者や動物の固定、体位変換、移動、バックレストに、又、体の一部向けに使用することにより、フットボートや体圧分散クッションに使用できること、又、加熱冷却装置5により硬軟変化させることにより繰り返し使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)使用する環境温度下では熱変形及び強度変化が小さい軟質の袋様の容器3として、厚み、横、縦が0.08mm×60mm×85mmのポリエチレン製袋(生産日本社ユニパックB−8)を使用した。本袋はプラスチック製のチャックが設けられており、人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4の投入や取り出しが可能である。材料4を投入後、チャックを閉めることで、これら材料を封入できる。
(2)人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4として実施例1で使用した融点48℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、パラフィンワックス115F(Paraffin Wax−115))を使用し、該パラフィンワックスを削ってフレーク状にし、18gを(1)の生産日本社ユニパックB−8(袋様容器3)に投入し、チャックを閉め、78℃の熱湯に浸漬し、ワックスを融解させ、その後、平らな床に置き1日放冷した。放冷した部屋の温度は21℃であった。
(3)加熱冷却装置5として、市販のペルチェ素子(平板状で縦45mm×横45mm、面をセラミックスの平板で覆ったもの)を水平に置いた大きさ60mm×85mmのパラフィンワックス(主材料4)入りポリエチレンフィルム(袋様容器3)の上に載せ、ペルチェ素子のパラフィンワックス(主材料4)入りポリエチレンフィルム(袋様容器3)との接触面とは、反対の面の除熱のために、ぺルチェ素子の平面全体をカバーする、金属缶に適量の室温の水を入れたものを載せた。尚、昇温時と降温時では電流の向きを反転するが、当水入り金属缶は取り外すことなく、そのままペルチェ素子に載せ続けた。
(4)パラフィンワックス(主材料4)入りポリエチレンフィルム(袋様容器3)とペルチェ素子との接触面が加熱面になるように+極、−極を適宜選び、直流で3.5V、1.8Aの条件でペルチェ素子に通電した。
(5)パラフィンワックス(主材料4)入りポリエチレンフィルム(袋様容器3)のペルチェ素子の加熱面と接触している面とは反対側の面の中央部で温度を計測した。温度計は最初、室温と同じ21℃を示していたが、ほぼ時間に比例して、10分後に36℃、通電時間が15分を経過し、温度が43℃の時点では、パラフィンワックス(主材料4)は軟らかく形状追随性を有した。18分後に47℃まで昇温した時点でポリエチレン袋(袋様容器3)内のワックス(主材料4)の表面は融解しつつあり、その時点で電流の流れを反転させた。電流反転後の通電は、直流で2.9V、1.8Aであった。電流反転後、3分で、43℃まで温度は下がり、ポリエチレン袋(袋様容器3)内のワックス(主材料4)の表面は固化が始まった。電流反転後8分で、温度は30℃まで降下し、パラフィンワックス(主材料4)は少し軟らかさを有する固体であった。
(6)本実施例により、ペルチェ素子が加熱冷却装置5として使用できることが確認された。
(1)実施例9で使用し、平板状に賦形し、21℃の室温に放冷した酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシート状の身体ホルダー100をマットヒーター(松下電工製、ミニミニマット、DR122、横、縦が、45cm×45cm)の上に載せ、マットヒーターと反対側には、バスタオルの緩衝断熱材を載せ、マットヒーターのスィッチをオンにした。酢酸ビニル樹脂(主材料4)とマットヒーターが接触する面のほぼ中央部、面の対角線の交点の近辺の酢酸ビニル樹脂(主材料4)の温度は、スィッチをオンにして15分後に38.4℃まで上昇し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)は軟らかくなり、変形が可能であった。
(2)本実施例により、マットヒーターが加熱冷却装置5として使用できることが確認された。
尚、緩衝材1及び断熱材2の機能を兼ね備えた緩衝断熱材と同様の効果を、緩衝材1と断熱材2とを個別に備えた場合でも発揮できる。
(1)主材料4として酢酸ビニル樹脂(電気化学工業株式会社製サクノールSN09T)を用い、プラスチック用の圧縮成型機を使用して矩形のシートを作成した。尚、圧縮成形条件は、20cm×20cm×4mmの金属製型枠の下にポリエステルフィルムを敷いたものに、樹脂を250g充填し、充填後上側にもポリエステルフィルムを敷き、これらを金属の板で挟み、これら全体を圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製)のプレス板の間に挟み、成形温度を80℃とし、予熱10分(圧力0〜20kg/cm)、加圧3分(150kg/cm)、冷却2分(150kg/cm)で成形し、20cm×20cm×4mmの酢酸ビニル樹脂(主材料4)の圧縮成形シートを得た。
(2)市販の入浴用のタオルを折り曲げ、縫製し、厚み約5mm(圧縮すると7〜8mm)の雑巾様の緩衝断熱材を作成した。本緩衝断熱材の大きさは約20cm×約20cm×約5mmであった。
(3)緩衝断熱材の着脱を可能とすべく、ポリエチレンにヒートシールが可能なマジックテープ(クラレファスニング株式会社製、巾24mm、長さ25m巻、S−Eタイプ)を使用し、ループのついたものから巾24mm×長さ20cmのものを3本切り出し酢酸ビニル樹脂(主材料4)のシートの両端部、中心部に合計3本ヒートシールして融着した。ヒートシールは、ループのマジックテープの突起を有する面の反対側のプラスチックの平滑面に加熱したはんだごてを当て、プラスチックの表面が溶融した状態で、(1)の酢酸ビニル樹脂(主材料4)の板に圧着する方法で実施した。
(4)(2)の緩衝断熱材の対応する面に、フック型のマジックテープの巾24mm×長さ20cmのものを切り出し、縫製した。(3)のマジックテープのついた酢酸ビニルの板と(4)のマジックテープのついた緩衝材1は、マジックテープを介して脱着可能であった。
(5)加熱冷却装置5としてパナソニック((株)AIS社の試作品「パナソニック製熱電変換デバイス(屈曲タイプ)」を使用した。本試作品は、ペルチェ素子が厚み5mm、巾50mm、長さ200mmのアルミの板4枚で覆われており、ペルチェ素子を覆っているアルミの板の片側は平板状で、反対側には、素子冷却用のエアーフィン(高さ40mm)がついている。各板は長手方向どうしをつなぐ形に耐熱性の布状のプラスチックフィルムを介して連結されている。即ち、蝶番様に折り曲げ可能な仕様になっており、平板状の面が内面になる形の円筒形に変形できるフレキシブルなものである。
換言すると、加熱冷却装置5において、複数のペルチェ素子は、それらを適切に並べることで、一方側に放熱面を有すると共に、他方側に吸熱面を有する状態で、布状のプラスチックフィルムを介して接続されており、ペルチェ素子の間のプラスチックフィルムが屈曲可能、エアーフィンのない側を内側にして円筒形に変形できるように構成されている。(6)エアーフィン側を下にして金属のテーブルに置き、その上に酢酸ビニル樹脂(主材料4)、マジックテープを介してタオルで作った緩衝材1、その上に身長23cm体重83gの人形(株式会社タカラトミー製、リカちゃん人形)を臥床者のモデルとして使用した。
ペルチェ素子に電流を流し(10V、約2.5A)、温度計を差し入れ、人形とは反対側の緩衝断熱材に接する酢酸ビニル樹脂シート(主材料4)の中心部(略矩形の対角線の交点近辺)の温度をモニターしながら実験を行った。尚、実験室の室温は約13℃であった。
(7)60分経過した時点でモニターしている温度が40.7℃を記録し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)も軟らかくなったので、電流を切り、ペルチェ素子、酢酸ビニル樹脂(主材料4)、緩衝断熱材を重ねたまま丸めて、人形を海苔巻き状に巻き、ペルチェ素子の端部の人形の左右外側にあるエアーフィンを粘着テープで結束し、円筒状の形を保持し、その後(通電加熱開始から70分後)、ペルチェ素子への通電方向を逆転させ、ペルチェ素子と接触する酢酸ビニル樹脂(主材料4)の冷却を開始した。通電開始後77分にモニター部の温度が29.6℃を示し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)が硬くなったので、通電を停止した。
(8)その後、人形や主材料4を外側から円筒状に覆っているフレキシブルなペルチェ素子を外し、人形には、緩衝断熱材、酢酸ビニル樹脂(主材料4)が円筒状に巻かれた状態で、金属のテーブルにおき、テーブル面と円筒の外側の面との接触部に発泡プラスチックの板などを挟むことにより、人形を仰臥位に保持でき、任意の角度回転して、同様に発泡プラスチックの板を挟むことにより、30°側臥位や90°側臥位など、所望の角度に保持できることを確かめた。
(9)その後、加熱時と同様にフレキシブルなペルチェ素子が円筒形に酢酸ビニル樹脂(主材料4)の外側を囲むように配置し、粘着テープで結束し、(6)の加熱時と同方向に通電し、モニター部の温度が35.2℃に上がった時点で、再加熱のための通電後84分の時点で通電を停止し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を平板化し、再使用可能な形に戻し、実験を終了した。
本実施例により、フレキシブルなペルチェ素子を加熱冷却装置5に使用することにより、酢酸ビニル樹脂(主材料4)を円筒形に巻くことができ、冷却固化も可能で、又、再度加熱方向へ電流を流すことにより、円筒形から平板に戻すことができることが確認された。
(1)実施例12と同じく、主材料4として、酢酸ビニル樹脂(電気化学工業株式会社製サクノールSN09T)を圧縮成形したシート(20cm×20cm×4mm)にマジックテープをヒートシールしたものと、タオルから縫製した緩衝断熱材にマジックテープを縫製したものを用い、又、実施例1で用いたサンライズ工業株式会社製のフィルムヒーター(RH70一括ラミヒーター、横、縦が、460mm×500mmの大きさのもの)を加熱冷却装置5として用い、人のモデルとして、実施例4で用いたのと同じ市販の新生児モデル(京都科学社、沐浴人形、新太郎、型番11278−000、身長53cm、重さ2.7kg)を用いて以下の実験を行った。
(2)図4に示すように、床面が上昇下降可能な2台のストレッチャーを用い(村中医療器 NST−1:縦;194cm、横;54cm、高さ;58〜99cm、及び、PARAMOUNT BED KK−700−095D:縦;190cm、横;54cm、高さ55〜87cm)、2つのストレッチャーの高さを同一にして長手方向に直列にストレッチャーを並べ、村中医療器 NST−1ストレッチャーを頭側とし、PARAMOUNT
BED KK−700−095Dストレッチャーを脚側とし、幅方向の端面で接する2つのストレッチャーの境界部分を使用して実験を行った。
(3)頭側のストレッチャーに表面のシーツが糸で部分的に縫いつけられている市販の布団(100cm×200cm)をストレッチャーの長手方向と布団の長手方向が重なる形で敷き、布団の端部は、脚側のストレッチャーとの境界から3.5cmの位置までとし、その後、酢酸ビニルシートからなる主材料4を脚側のストレッチャーとの境界から3.5cmに端部が位置している布団に接するように、又、ストレッチャーと主材料4の中心線が略一致するように置き、次に、主材料4の上にタオルから縫製した緩衝断熱材を重ね、マジックテープを介して接合し頭側のストレッチャーの上に載っている20cm×3.5cmの部分のほぼ中心、即ち布団の端から脚側のストレッチャーの方向に17mmの部分を、ストレッチャーに存在する穴を利用して紐で結束し、頭側のストレッチャーからはみ出た酢酸ビニル樹脂シート(主材料4)20cm×16.5cmの部分の下に、脚側のストレッチャーの高さを調整して接するように置き、酢酸ビニル樹脂シート(主材料4)の下にフィルムヒーターからなる加熱冷却装置5を敷き込み、緩衝断熱材/酢酸ビニルシート/フィルムヒータ/頭側と脚側の2台のストレッチャーを並べた連結部からなる臥床面15aを形成した。
(4)上記の臥床面15aに新生児人形Kを仰臥位に乗せ、新生児人形Kの頭頂から32cmの腰部を2つのストレッチャーの境界部に置き、水平方向1の高低は、脚側のストレッチャーの高低を微調整することで同一水平面とした。又、新生児人形Kの頭の下にはシーツを折った枕と、主材料4から人形の足がはみ出た部分にも、シーツを折った布を置き、自然な形の略水平な臥床状態を形成した。
(5)加熱により主材料4を軟らかくし、主材料4の腰部から脚部が乗っている部分を、下方へ折り込み、便器が容易に挿入できるなど排泄補助などに使用する空間形成のために主材料4が軟化した時に低下すると考えられる臀部、脚部の支えとして、金属の棒(直径25mm、長さ157cm)を発泡プラスチック(厚み6mm、幅11.5cm、長さ45.5cm)で被覆した支持棒11を、把手のある3台目のストレッチャー(木村寝台工業株式会社製KP PARAMOUNT BED縦;1m75cm、横;52cm、53〜82cm)の把手20で支持できるように、実験装置(設備)を自製した。
当該実験装置(設備)は、該支持棒11を把手20で片持ちの形態で保持し、ストレッチャーの移動機能を利用し、水平方向への移動と、上下方向の高さ変更が出来、該丸棒を任意に人形の右脚側から膝部に挿入できるものである。
(6)加熱開始時の酢酸ビニル樹脂(主材料4)の緩衝断熱材と接触している面の略中心部(20cm×20cmの対角線の交点近傍)の表面温度は14.1℃で、略室温であった。本実験は、この部分の温度をモニターしつつ実施した。図4(a)、(b)に示すように、フィルムヒータに通電し加熱を開始し、21分〜25分の時点で、モニター部の温度は39℃〜40℃を示し、一時的に昇温が止まり、相変化が生起していると考えられ、この時点で主材料4は軟らかくなった。発泡プラスチックで被覆した金属の丸棒11を膝の下に挿入し、脚側のストレッチャーを最も低いレベルまで下げ、その後フィルムヒーターは通電したまま、フィルムヒーターともども主材料4をほぼ直角に折り曲げ、臀部の下に23cmの深さの空間Sを形成した。
(7)下着などの脱衣・排泄及び排泄介助に必要と思われる所要時間約10分が経過した実験開始後34分のモニター部の温度は、折り曲げ操作により主材料4とフィルムヒーターの圧着が外れたためと考えられるが25.6℃であり、主材料4は硬く変形は難しい状態であった。主材料4にフィルムヒーターを圧着し、その3分後(実験スタートから37分)には主材料4は軟らかくなり、脚側のストレッチャーを下降前の高さまで上昇させ、フィルムヒーターの圧着を継続しつつ9分後(実験開始から43分)のモニター部の温度は38.3℃であった(この時、人形が接している緩衝断熱材の反対側の温度は22.5℃であった)。フィルムヒーターを主材料4に再度圧着してから13分後(実験開始から47分後)、主材料4はフラットになり、フィルムヒーターへの通電を停止し、放冷し、実験を終了した。
本実施例により、身体ホルダー100をベッド床板に使用することにより、硬軟変化の変形により排泄補助・陰部洗浄の空間形成に使用できること、即ち、排泄補助・陰部洗浄を含む臀部直下への空間形成ベッド床板として使用できることが確認された。
(1)実施例1と同じく、使用する環境温度下では熱変形及び強度変化が小さい軟質の袋様の容器3として、厚み、横、縦が0.140mm×480mm×490mmのポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)を使用した。
(2)人や動物などの体温の近傍温度で軟らかさや硬さなどが変化する材料4として、実施例5と同じく、ガラス転移温度が28℃である酢酸ビニル樹脂(電気化学工業株式会社製サクノールSN09T)を使用し、ポリエチレン製の軟質の袋様容器3に1.5kgを投入した。
(3)その後、粒状の酢酸ビニル樹脂(主材料4)がポリエチレン製の袋の中で袋の隅々まで厚みが均一になるように、平らな床の上で凹凸を上から押す形で均一にならし、均一厚みを保持した状態で、ポリプロピレン製の桶(縦852mm×横553mm×高さ198mm)に入れ、沸騰水を注ぎ、酢酸ビニル樹脂(主材料4)入りポリエチレン製袋を熱湯に浸漬した。熱湯の温度を温度計で計測し、温度が低下すると桶を傾けて排水し、その後、沸騰水を追加し、酢酸ビニル樹脂(主材料4)入りポリエチレン製袋を熱湯に浸漬する状態を保ちつつ81分間処理した。熱湯温度は処理とともに変動したが、その平均値は69℃であった。その後、平らな床に置き1日放冷した。放冷した部屋の温度は12℃であった。封入された酢酸ビニル樹脂(主材料4)は、冷却固化後、約490mm×480mmの方形のシート状の身体ホルダー100として完成した。
(4)医療又は看護又は介護を含む処置の中に、体の一部を所定時間上下して保持する処置がある。例えば、人工授精後に女性の骨盤を10cm程度挙上しその体位(骨盤高位の姿勢)を30分程度保持する処置などがある。体型は患者により各種各様であり、上記(3)で作成した身体ホルダー100を以下の骨盤高位保持具の実験に使用した。
(5)身長154cm、54kgの対象者を患者モデルとして以下の実験を行った。
(6)2台のストレッチャー、1台は木村寝台工業株式会社製(kp PARAMAUNT BED、縦175cm、横52cm、高さ53〜82cm)を頭側に、もう1台は村中医療器株式会社製(NST−1、縦194cm、横54cm、高さ58〜99cm)を脚側に用意し、2台のストレッチャーの高さを同一にして、長手方向に直列に並べた。尚、当該実施例14では、ストレッチャーの昇降機能は使用しないが、実験の都合上、2台のストレッチャーの臥床面上で対象者を仰臥位として、実験を行った。
(7)対象者は木村寝台工業株式会社製のストレッチャーの上で仰臥位になり、次に骨盤高位の体位を取り、骨盤高位の姿勢のまま、ストレッチャーのマットレスから骨盤高位で最も高くなる臀部までの高さを測定するとともに、側面から写真撮影を行った。
(8)(7)で計測した骨盤高位の姿勢を取った際の、略三角柱で近似できる本空間を、木製のブロックで充填すべく、積み木細工の要領で、ストレッチャーのマットレスから臀部までの高さと同じ高さになるまで木材を組み合わせた。具体的には、図5の側面図に示すように、厚み1.4cm、幅90cm、長さ98cmの板を積み重ね紐で結束し、ブロック14を形成した。
即ち、ブロック14は、図5に示すように、上述の板を鉛直方向で2枚重ねにして紐で結束した第1ブロック14aと、上述の板を鉛直方向で4枚重ねにして紐で結束した第2ブロック14bと、上述の板を鉛直方向で6枚重ねにして紐で結束した第3ブロック14cと、上述の板を鉛直方向で8枚重ねにして紐で結束した第4ブロック14dとを、臥床面15a上で、長辺同士が接触する状態で並べて形成した。
当該ブロック14の第1ブロック14aの長辺端部は、図5に示すように、金属棒13(直径25mm×157cm)に対して水平方向で当接し、更に、当該金属棒13は、ストレッチャーに設けられる取手21にて水平方向で支持固定されている。
当該ブロック14により、臀部から踵側へ向かうにつれて段々と低くなるように三角柱を形成して、骨盤高位の体位形成の支持台とした。
(9)実施例6と同じく、実施例2の(1)で使用したバスタオル製の緩衝断熱材の上に、サンライズ工業株式会社製のフィルムヒーターを置き、その上に本実施例の(3)で作成した酢酸ビニル樹脂(主材料4)を1.5kg投入した身体ホルダー100を置き、身体ホルダー100の上にシーツを折畳んで置き、熱の拡散を防ぐかたちで、フィルムヒーターに通電した。60分経過した時点で、身体ホルダー100は全体的に変形可能な軟らかさとなった。その時の身体ホルダー100のフィルムヒーターと接する面の中心温度(四角形の対角線の交点付近の温度)は44.5℃であった。
(10)(8)で形成したブロック14において、身体ホルダー100の480cmの辺は、ブロック14の上に長手方向に平行に、又、490mmの辺は、ブロック14の端面に沿う方向で且つブロック14の斜面に略平行に重ねて置いた。換言すると、身体ホルダー100は、平面視で、ブロック14の斜面に被せられる形で配置され(身体ホルダーの構成部品であるポリエチレン製袋の注入口は木製ブロックの低い側、且つ木製ブロックと面する側に向け、即ち臥床者が平らな面に臥床できるように配置され)、その上に対象者Kが仰臥し骨盤高位の姿勢を形成した後、腰部から臀部、大転子部に身体ホルダー100を巻き付けるように、身体ホルダー100を下に凸型に変形させた。
(11)その後、冷却硬化させるために、実施例1で用いたポリエチレン製袋(大倉工業OKテナーS−10L)2個に20℃の水道水6000ccを充填し、対象者Kの体に身体ホルダー100を巻き付けた状態で、水道水を入れたポリエチレン製袋をあてて冷却した。
(12)冷却開始の10分後、対象者Kに腰を上げてもらい、身体ホルダー100を取り出し、その後、身体ホルダー100をさらに10分間水封入ポリエチレン製の上に載せ冷却し、合計20分の間冷却固化した。
冷却効果後、身体ホルダー100は、概略、対象者Kの腰部、臀部、及び大腿部の下方側を覆う形で、全体として馬の鞍状の形状で固化した。具体的には、対象者Kの背骨に略直角の位置関係にあった480mmの辺を端部とする該辺に平行な面は、背骨を軸とする円筒状に湾曲し、背骨に平行な490mmの辺を端部とする該辺に平行な面は、木製ブロックの上に臥床した体型にあわせ、上に凸に屈曲している形状となった。
(13)(12)の馬の鞍状の身体ホルダー100を再度(10)で型取りをしたときと同様にブロック14に載せ、その上に患者モデルの対象者Kが臥床した。
患者モデルの対象者Kは、骨盤高位の体位保持に必要な30分間臥床し、その後、対象者Kにて、再度骨盤高位の姿勢を作り、身体とブロック14の隙間を利用して身体ホルダー100を取り外した。
(14)目視では、対象者Kの臥床時に、対象者Kの身体ホルダー100からのずれ移動や前後左右の揺れ移動は観察されなかった。身体ホルダー100の形状も、型取り後の写真と体位保持後の写真は良く重なり、目立った変化は見られなかった。
以上より、身体ホルダー100を用いると、安定して対象者の骨盤高位の体位を保持できることが確認された。また、患者役の対象者Kの意見では、身体ホルダー上の臥床は安定であり、腰痛など不快な症状は見られなかったとのことであった。尚、本実験を行った部屋の温度は26℃であった。
本実施例により、身体ホルダー100を用いることにより、骨盤高位など医療又は看護又は介護を含む処置のひとつである、体の一部を所定時間上下して保持する処置の保持具として使用できることが確認された。
以下の表1に、上記実施例1〜14の概要を示す。
Figure 0006935929
本発明の身体ホルダー及びその使用方法は、これまで説明してきた身体ホルダーを使用する場合において、1つは、操作対象の医療又は看護又は介護を含む処置の操作に当たり、操作対象を把捉や被覆する時には、又、その後、必要に応じ体形に合わせ賦形などを行う時には、形状追随性を発現する軟らかさを有する身体ホルダーを提供すること、2つ目は、支持や固定、移動などを行う時には、外部からの力が内部に伝わることを遮断、低減できる硬さを有する身体ホルダーを提供すること、3つ目は、硬軟変化に必要な加熱を行う時は、余分な加熱を行うことなく、最小限の加熱でとどめ、低温やけどを回避できる温度範囲で実施できる身体ホルダー、及びその使用方法として、有効に利用可能である。
1:緩衝材
2:断熱材
3:軟質の袋様容器
4:主材料
5:加熱冷却装置
K:操作対象
100:身体ホルダー

Claims (14)

  1. シート形状の身体ホルダーであって、
    操作対象としての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料を有し、前記人又は前記動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるものであり、
    前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形し、前記主材料を加熱して軟化させる場合に、前記主材料を低温加熱するとき、前記人を対象とする場合は46℃以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、且つ軟化させるときの前記主材料の温度は前記硬軟化変化閾値温度以上の温度であり、
    外部から前記操作対象部位への応力を遮断又は低減するときで、前記主材料を冷却して硬化させる場合に、冷却温度が、前記硬軟化変化閾値温度未満の温度であり、
    前記低温加熱による軟化及び前記冷却による硬化を繰り返し実行することが自在な身体ホルダー。
  2. 内部に前記主材料を充填可能であると共に、少なくとも前記人に使用するときは5℃以上48℃以下の温度範囲において、少なくとも前記動物に使用するときは5℃以上(動物の体温+10℃)以下の温度範囲において軟質な袋様容器を備える請求項1に記載の身体ホルダー。
  3. 前記操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝材を、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記操作対象部位に接する部位に備える請求項1又は2に記載の身体ホルダー。
  4. 前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において、前記低温加熱に伴う温熱及び前記冷却に伴う冷熱が、前記操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱材を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  5. 前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記操作対象部位への侵襲や浮動不安定性を低減する緩衝機能と、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記低温加熱に伴う温熱及び前記冷却に伴う冷熱が前記操作対象部位へ伝導することを抑制する断熱機能とを有する緩衝断熱材を有する請求項1又は2に記載の身体ホルダー。
  6. 前記主材料を前記低温加熱又は前記冷却するための加熱冷却装置を、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態において前記操作対象部位が存在する側とは反対側に備える請求項1〜5の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  7. 前記加熱冷却装置は、
    ペルチェ効果を利用したペルチェ素子発熱吸熱体から成る第1加熱冷却部と、
    袋様容器に封入され外部から吸熱又は外部へ放熱する熱媒体から成る第2加熱冷却部と、
    電気抵抗への通電による発熱を利用したジュール熱発熱体から成る第1加熱部と、
    加熱助剤と、当該加熱助剤と混合することで温熱を発生する発熱剤と、前記加熱助剤と前記発熱剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第1袋とから成る第2加熱部と、
    冷却助剤と、当該冷却助剤と混合することで冷熱を発生する寒剤と、前記冷却助剤と前記寒剤とを破れ易い仕切部で仕切った状態で封入する第2袋とから成る第1冷却部と、の少なくとも1つ以上から構成されている請求項6に記載の身体ホルダー。
  8. 前記第1加熱冷却部としてのペルチェ素子発熱吸熱体は、屈曲変形可能なフレキシブルペルチェ素子である請求項7に記載の身体ホルダー。
  9. 前記主材料は、ワックス、低融点金属、及び低融点又は低ガラス転移温度を有するプラスチック材料の少なくとも1つ以上から構成されている請求項1〜8の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  10. 前記主材料は、チューインガムベース材料を含む請求項1〜9の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  11. 前記主材料は、酢酸ビニル樹脂を含む請求項1〜10の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  12. 体位固定具、体位変換具、身体の一部分の上下保持具、移動補助具、バックレスト、フットボート、体圧分散クッション、床板硬軟変化ベッド、排泄補助・陰部洗浄を含む臀部直下への空間形成ベッド床板、の何れか一つに用いられる請求項1〜11の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  13. 前記低温加熱するときの前記主材料の上限温度は、前記人を対象とする場合は48℃とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)とする請求項1〜12の何れか一項に記載の身体ホルダー。
  14. シート形状の身体ホルダーの使用方法であって、
    操作対象としての人及び動物の体温の近傍温度で、人では、5℃以上48℃以下の範囲に、動物では、5℃以上(動物の体温+10℃)以下の範囲に、硬軟化変化閾値温度としての軟化温度又は融点、又は、難結晶性の高分子材料にあってはガラス転移温度を持ち、硬さが変化する主材料を有し、前記人又は前記動物の全体又は一部分である操作対象部位に対し、支持、固定、把持、被覆、或いは移動を伴う医療又は看護又は介護を含む処置を行う際に使用できるものであり、
    前記硬軟化変化閾値温度以上で、前記主材料を低温加熱するとき、前記人を対象とする場合は46℃以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度とし、前記動物を対象とする場合は(動物の体温+10℃)以下を前記操作対象部位に接触する部分の温度として、前記低温加熱を行って前記主材料を軟化させ、前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形し、
    前記操作対象部位を把持又は被覆し前記操作対象部位の形状に応じて賦形した状態で、前記主材料を前記硬軟化変化閾値温度未満の温度で冷却して硬化させ、外部から前記操作対象部位への応力を遮断又は低減した状態で、前記医療又は看護又は介護を含む処置を行い、
    前記主材料を前記低温加熱して軟化させ、前記操作対象部位から取り外す一連の操作を繰り返し実行することが自在な身体ホルダーの使用方法。
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