JPH0633123B2 - 枚葉紙用の排紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、搬送機構によつて枚葉紙加工機械から搬送方
向に送出され選択的にスタツク上にか又は捕捉装置の捕
捉アーム上に、しかも基本位置から一時的に前記スタツ
クより上位の捕捉位置へ変位可能な複数の捕捉アーム上
に、卸される枚葉紙のための排紙装置であつて、枚葉紙
の各前縁をストツプさせるために前記スタツクに配設さ
れていて該スタツクから搬送方向に離反旋回可能な複数
の前縁用ストツパと、前記捕捉アームを基本位置から捕
捉位置へ、またその逆に変位させかつ前記前縁用ストツ
パをストツパばねの作用に抗して搬送方向では解放位置
へまた逆方向ではスタツクに当接するストツプ位置へ旋
回させる、共通の操作子によつて作動される伝動装置と
を備え、該伝動装置が、解放位置への前記前縁用ストツ
パの旋回を捕捉位置への捕捉アームの変位に引続いて行
わせるように構成されている形式のものに関する。

〔従来の技術〕

前記形式の排紙装置は西独国特許第2301840号明細書に
基づいて公知である。この場合少なくとも前縁用ストツ
パはその解放位置にストツパばねの作用に抗して手動操
作力によつて確保されねばならないが、同特許の第４図
及び第５図に示されている実施例では枚葉紙捕捉装置は
基本位置と捕捉位置に自動的に保たれる。このためにレ
バー機構に加えて、空圧シリンダの形の空圧式調整・切
換手段及びデイスクカムの形の適当な制御手段が設けら
れているのは勿論である。

これらの付加的な手段を有しない１実施例では前縁用ス
トツパはストツパばねの作用に抗してその解放位置に、
また枚葉紙捕捉装置はもう１つのばねの作用に抗してそ
の捕捉位置に、いずれも手の力によつて確保されねばな
らない。要するに操作員はスタツクから１枚の試料枚葉
紙を取出すためには片手しか自由に使えず、前記ばねの
必要な戻し力に応じて他方の手で、場合によつては可成
りの操作力を、１枚の試料枚葉紙を取出すのに同時に消
費せねばならない。

〔発明が解決しようとする課題〕

それゆえに本発明の課題は、構造を単純化しかつ手操作
を簡便にするように冒頭で述べた形式の排紙装置を構成
することである。

〔課題を解決するための手段〕

冒頭で述べた形式の排紙装置における前記課題を解決す
る本発明の構成手段は、伝動装置の第１終端位置では少
なくとも１つの緊張ばねの作用に抗して捕捉アームを基
本位置に保つかつ伝動装置の第２終端位置ではストツパ
ばねの作用に抗して前縁用ストツパを解放位置に保つ死
点ばね（思案点ばね）が伝動装置に、旋回軸に関して旋
回可能に枢着されている点にある。

〔作用〕

本発明のように構成された排紙装置では伝動装置は両終
端位置に自動的に保たれる。スタツクからの１枚の試料
枚葉紙取出しは、これによつて著しく簡便になる。一方
の終端位置からその都度他方の終端位置へ伝動装置を移
動調整するためには、前記配設されたばねの１つの全有
効ばね力が、操作子に相当の手の力をかけることによつ
て克服される必要は決してない。それというのは、この
場合に死点ばねが緊張ばね又はストツパばねに対抗して
作用するからである。従つて本発明によつて得られる手
操作の容易性は、各終端位置へ伝動装置を移動させるた
めにごく小さな力しか操作子にかける必要がない点で顕
著になる。この結果更に又、１枚の試料枚葉紙をきわめ
て短時間のうちに楽に取出すことが可能になる。

排紙装置の本発明の構成では伝動装置は単純なレバー伝
動機構として構成することができ、該レバー伝動機構は
一方では捕捉アームを変位させるため、また他方では前
縁用ストッパを旋回させるために適している。要するに
伝動装置を、手で調整可能の操作子によつて作動する場
合、少なくとも個々の伝動装置部分を終端位置に自動的
に止めるため特に空圧式の調整・切換手段の必要はなく
なる訳である。しかしながら、より高度の自動化が場合
によつて所望される場合には、調整駆動装置によつて操
作子を移動調整することも可能である。本発明の排紙装
置では操作子をマニユアルで調整する場合、排紙装置を
制御導管やエネルギ供給導管と接続する必要がなくなる
ので、全体的に見て著しく単純な構造の装置が得られ、
また故障発生率も著しく僅かになる。

〔有利な構成と作用〕

本発明の有利な構成では死点ばねは、操作子によつて旋
回可能なクランク揺動腕に枢着されており、捕捉アーム
を捕捉位置と基本位置とに変位させる傾動レバーと前記
クランク揺動腕との間に、第１の制限された空行程を有
する第１枢着継手が設けられており、かつ、前縁用スト
ツパを解放位置とストツプ位置とに旋回させるストツパ
レバーと前記クランク揺動腕との間に、第２の制限され
た空行程を有する第２枢着継手が設けられている。

この構成手段によつて操作子と捕捉装置との間の作用結
合並びに操作子と前縁用ストツパの作用結合が著しく単
純な形式で得られ、かつ操作はハンドグリツプの簡便な
転換によつて行われる。

夫々制限された空行程を有する枢着継手の有利な構成で
は、第１枢着継手は、傾動レバーに一端で枢着された第
１リンクと、該第１リンクの他端部に設けられていて該
第１リンクの長手方向に延びる第１の長穴スロットと、
該第１長穴スロツト内に係合するクランク揺動腕のクラ
ンクピンとから成り、かつ第２の枢着継手は、前記クラ
ンク揺動腕のクランクピンに一端で枢着された第２リン
クと、該第２リンクの他端部に設けられていて該第２リ
ンクの長手方向に延びる第２の長穴スロットと、該第２
長穴スロツト内に係合していてストツパレバーと結合さ
れた運動ピンとから成つている。

本発明の有利な構成では、傾動レバーは傾動軸に固定的
に結合され、該傾動軸自体は捕捉レバーと固定的に結合
されており、各捕捉アームは夫々１つの捕捉レバーに枢
着されかつスタツク寄り端部では摺動可能にストツパ軸
上に支持されており、緊張ばねは双脚ばねとして構成さ
れていて前記捕捉レバーと、該捕捉レバーに枢着された
捕捉アームとの間に夫々配置されており、かつ、前記捕
捉アームを捕捉位置へ変位させる方向に前記傾動軸を回
動させるように作用している。この構成によつて特に捕
捉装置の構造が特にコンパクトになる。

伝動装置の各終端位置における緊張ばね並びにストツパ
ばねのプレロードを保証するために本発明の有利な構成
では、緊張ばね捕捉アームの捕捉位置で傾動レバーを第
１ストツパに圧着し、かつストツパばねは前縁用ストツ
パのストツプ位置でストツプレバーを第２ストツパな圧
着するようになつている。

本発明では、捕捉レバーを摺動可能に支持するための付
加的な手段は、捕捉アームを、ストツパレバー及び前縁
用ストツパと夫々相対回動不能に固定結合されたストツ
パ軸上に摺動可能に支持することによつて、必要でなく
なる。

第２長穴スロツトは、伝動装置の第１終端位置で前縁用
ストツパを解放位置の方に向つて旋回させる方向でスト
ツパーレバーを少なくとも小さな角度だけ旋回させうる
ように配設されている。この第２長穴スロツトの配設に
よつて本発明の排紙装置は、前縁用ストツパに対応した
スタツク側を直ぐに合わせるための旋回運動を前縁用ス
トツパに伝達する機構と併用することができる。

〔実施例〕

次に図面に基づいて本発明の実施令を詳説する。

但し図面では、枚葉紙加工機械から枚葉紙を搬送方向に
送出させる搬送手段の図示は省かれている。このような
搬送手段は例えば、すでに挙げた西独国特許第２３ ０
１ ８４０号明細書及び図面に基づいて公知である。

本発明による排紙装置の伝動装置の１実施例は第１の終
端位置で示されており、該第１の終端位置において枚葉
紙が鎖線で略示したスタツク１上におろされる。スタツ
ク１の幅にわたつて搬送方向に対して直角な横方向で配
列された複数の捕捉アーム２は１つだけ略示されている
にすぎない。各捕捉アーム２は伝動装置の図示の第１の
終端位置において基本位置を占め、かつ該位置から伝動
装置によつて一時的にスタツク１の上方の捕捉位置へ変
位可能である。捕捉アーム２は該捕捉位置を伝動装置の
第２の終端位置で占める。

枚葉紙の各前縁を当接するためにスタツク１の幅にわた
つて搬送方向に対して直角な横方向で配列された複数の
前縁用ストツパ３は、図面ではやはり１つだけ示されて
いるにすぎない。

各前縁用ストツパ３は、伝動装置の図示の第１終端位置
においてスタツク１に当接するストツプ位置を占めかつ
該位置から伝動装置によつて搬送方向にストツパばね４
の作用に抗して解方位置へ旋回可能である。各前端用ス
トツパ３は該解放位置をやはり伝動装置の第２終端位置
で占める。各捕捉アーム２の変位と各前縁用ストツパ３
の旋回は共通の操作子５によつて行われる。

後述したように伝動装置は、解放位置への各前縁用スト
ツパ３の旋回を、捕捉位置への各捕捉アーム２の変位に
引続いて行わせるように構成されている。

図面では、スタツク１の第１側面に対面する排紙装置の
第１側壁８に配設された前記のような伝動装置の配置関
係が示されている。同様の配設手段をスタツク１の第２
側面に対面する第２側壁（図示せず）についても講じる
ことが可能である。

伝動装置には死点ばね６が枢着されており、該死点ばね
旋回軸７に関して旋回可能である。図示の実施例では該
旋回軸７は排紙装置の側壁８内に支承されている。旋回
軸７は、側壁８から突出した端部に第１の支持部材９を
保持し、該支持部材には、コイルばねとして構成された
死点ばね６のガイドシヤフト１０の一端部が、旋回軸７
の縦軸線に対して直角方向に貫通している。ガイドシヤ
フト１０の他端部は第２の支持部材１１に固定されてお
り、該第２支持部自体は、旋回軸７に平行なヒンジピン
１２によつて伝動装置と枢着結合されている。死点ばね
６はこの場合、第１支持部材９と第２支持部材１１との
間に組込まれている。死点ばね６の組込み長さはナツト
１３によつて調整可能であり、該ナツトは、第１支持部
材９を貫通するガイドシヤフト１０の端部ねじ山に螺合
しているので、死点ばね６は、設定可能なプレロードを
かけて組込むことができる。

死点ばね６の枢着結合部は伝動装置のクランク揺動腕１
４に設けられている。該クランク揺動腕１４は操作子５
と固定的に結合されており、かつ、搬送方向に対して直
角な横方向に配置された水平なクランク軸１５に関して
旋回可能である。このために該クランク軸１５は少なく
とも１つの側壁８に支承されている。図面では装置全体
を判り易くするという理由から第１側壁８の一部分しか
示されていず、特にクランク軸１５の貫通する部分は破
断されている。

クランク軸１５に平行に各側壁には夫々１本の傾動軸１
６が回動可能に支承されている。該傾動軸１６は、搬送
方向で見てスタツク１の後方に配置されており、かつ、
夫々１つの捕捉アーム２に配設された各捕捉レバー１７
と相対回動不能に、つまり固定的に結合されており、該
捕捉レバーには捕捉アーム２が夫々枢着されている。こ
の場合捕捉アーム２は、伝動装置の図示の第１終端位置
では、搬送方向で見てやはりスタツク１の後方に位置
し、かつ図示の実施例では、スタツク１寄りの端部で、
後述のストツパ軸２７上に摺動可能に支持されている。

夫々捕捉レバー１７と捕捉アーム２との間には、双脚ば
ねとして構成された緊張ばね１８が配置されており、該
緊張ばねの第１のばね脚片１９は捕捉レバー１７に、ま
た第２のばね脚片２０は捕捉アーム２に支持され、各緊
張ばね１８によつて加えられる力は、捕捉アーム２を捕
捉位置へ変位させる方向に傾動軸１６を回動させるよう
に作用している。前記捕捉位置とは、搬送方向とは逆方
向に捕捉アーム２がスタツク１の上方へシフトされた位
置を云う。

ところで伝動装置の図示の第１終端部位置では捕捉アー
ム２は死点ばね６によつて緊張ばね１８の作用に抗して
基本位置に保たれる。このために傾動軸１６は傾動レバ
ー２１と相対回動不能に結合されており、かつクランク
揺動腕１４と傾動レバー２１との第１の枢着継手が設け
られており、従つて傾動レバー２１はクラン揺動腕１４
によつて第１の方向と、これとは逆向きの第２と方向と
に旋回可能であり、これによつて、傾動軸１６及び該傾
動軸と固定的に結合された捕捉レバー１７を介して捕捉
アーム２は捕捉位置もしくは基本位置へその都度変位せ
しめられる。

ところで死点ばね６は、伝動装置の図示の第１終端位置
では、クランク揺動腕１４及び、該クランク揺動腕と傾
動レバー２１との前記第１の枢着継手を介して傾動軸１
６に対して、図面で見て時計回り方向の回動モーメント
を及ぼすが、他方、緊張ばね１８が、捕捉アーム２を捕
捉位置へ変位させる方向に傾動軸１６を回動させようと
することによつて、該傾動軸１６には逆時計回り方向の
モーメントが加えられる。時計回りとは逆向きのこのモ
ーメントが惹起されるのは、捕捉アーム２がストツパ軸
２７に支持されること、緊張ばね１８が各緊張ばねの第
１のばね脚片１９と第２のばね脚片２０との成す角度を
拡大しようとすること、かつその結果各捕捉レバー１７
が傾動軸１６の縦軸線に関して逆時計回り方向に旋回し
ようとすることによる。

死点ばね６と緊張ばね１８とをそれ相応に調和させた場
合には、前記の傾動軸１６の互に逆向きに作用するモー
メントは相殺されるので、伝動装置の第１終端位置では
捕捉アーム２は死点ばね６によつて緊張ばね１８の作用
に抗して基本位置に保たれる。

クランク揺動腕１４と傾動レバー２１との前記第１な枢
着継手はこの場合、別のヒンジピン２３によつて傾動レ
バー２１に一端で枢着された第１リンク２２と、該第１
リンクの他端部に設けられていて該第１リンクの長手方
向に延びる第１の長穴スロツト２４と、該長穴スロツト
内に係合するクランク揺動腕１４のクランクピン２５と
からなつている。傾動軸１６に作用する時計回り方向の
回動モーメントは、従つて死点ばね６が図面で見て第１
長穴スロツト２４の上端にクランクピン２５を当接さ
せ、ひいては第１リング２２がクランク推動連接望とし
てヒンジピン２３に作用することによつて惹起される。

クランク揺動腕１４と傾動レバー２１との第１枢着継手
以外に、該クランク揺動腕１４は、ストツパレバー２６
との第２枢着継手を有している。該ストツパレバー２６
は、クランク軸１５に対してやはり平行なストツパ軸２
７と相対回動不能に固定的に結合されており、該ストツ
パ軸は排紙装置の側壁８内で回動不能に支承されてい
る。複数の前縁用ストツパ３はストツパ軸２７と固定的
に結合されており、かつ伝動装置の図示の第１終端位置
ではストツプ位置に在る。図示の実施例では解放位置へ
の前縁用ストツパ３の旋回は、ストツパ軸２７に固定結
合されたストツパレバー２６によつてストツパ軸２７を
時計回り方向に回動することによつて行われる。ストツ
パレバー２６は、クランク揺動腕１４とストツパレバー
２６との第２枢着継手によつて同じく時計回り方向に回
動される。この第２枢着継手は、クランク揺動腕１４の
クランクピン２５に一端で枢着された第２リンク２８
と、該第２リンクの他端部に設けられていて該第２リン
クの長手方向に延びる第２長穴スロツト２９と、該第２
スロツト内に係合していてストツパレバー２６と結合さ
れた運動ピン３０とから成つている。

第２終端位置へ伝動装置を調整するためには操作子５に
よつてクランク揺動腕１４の旋回運動がクランク軸１５
の縦軸線に関して時計回り方向に行われる。この旋回運
動によつて緊張ばね１８は傾動軸１６を逆時計回り方向
に回動させ、ひいては捕捉アーム２を捕捉位置へ変位さ
せることができる。

すでに述べたように伝動装置は、捕捉位置への捕捉アー
ム２の変位に引続いて解放位置への前縁用ストツパ３の
旋回を行わせるように構成されている。これは、伝動装
置の第１終端位置から第２終端位置への途中でクランク
揺動腕１４の前記旋回運動を追従させることから明らか
である。

この旋回運動の初期区分を通過したのち傾動レバー２１
のストツパ部３１は、本実施例では側壁８内に固定され
たピンとして構成された第１ストツパ３２に当接する。
クランク揺動腕１４と傾動レバー２１との間にある第１
枢着継手内の第１長穴スロツト２４によつて形成され
る、制限された第１の空行程は、クランク揺動腕１４の
旋回運動の初期区分に引続いて、クランク揺動腕を捕捉
アーム２に反作用を及ぼすことなく伝動装置の第２終端
位置に至るまで更に旋回させることを可能にする。それ
というのは、この継続旋回中にクランクピン２５が、図
面で見て第１長穴スロツト２４の下端に向つて移動でき
るからである。但しその場合第１リンク２２にはヒンジ
ピン２３に関して旋回するにすぎない。

他面においてクランク揺動腕１４とストツパレバー２６
との間にある第２枢着継手内の第２長穴スロツト２９に
よつて形成される、制限された第２の空行程の結果、第
２リンク２８は、伝動装置の第２終端位置へ向つてのク
ランク揺動腕１４の旋回運動の前記初期区分のあいだ、
ストツパレバー２６に対していかなる作用も及ぼすこと
はない。むしろ第２長穴スロツト２９は連動ピン３０に
対して移動するにすぎず、かつ該第２長穴スロツト２９
の（図面で見て）右端は、クランク揺動腕１４が旋回運
動の前記初期区分を超えて更に旋回する際に始めて運動
ピン３０に到達する。

捕捉アーム２は、第２長穴スロツト２９の前記右端が連
動ピン３０に到達する時点にはすでに捕捉位置に在り、
かつ前記時点以降はクランク揺動腕１４の継続旋回に伴
なつてストツパレバー２６はストツパばね４の作用に抗
して前縁用ストツパ３を解放位置へ旋回させる方向に旋
回させられる。該ストツパばね４は図示の実施例では引
張ばねとして構成されておりかつ側壁８に固定されたピ
ン３３に一端を、またストツパレバー２６内に固定され
たピン３４に他端を掛け込まれている。この場合ピン３
４は、ストツパばね４がストツパレバー２６に図面では
逆時計回り方向の回動モーメントを及ぼすようにストツ
パ軸２７の縦軸線に対して距離をおいて配置されてお
り、前記逆時計回り方向の回動モーメントに対抗する時
計回り方向の回動モーメントは、クランク揺動腕１４が
その旋回運動の前記初期区分を超えて更に継続旋回する
あいだに第２長穴スロツト２９の右端が連動ピン３０に
当接した場合にスロツトレバー２６に作用する。

伝動装置の第１終端位置から第２週端位置へのクランク
揺動腕１４の旋回運動中に死点ばね６は、ヒンジピン１
２がクランク軸１５の軸心と旋回軸７の軸心とを結ぶ連
結線上に位置する場合に死点位置つまり思案点を通過す
る。ヒンジピン１２が図面で見てこの死点位置より上位
に位置する場合、要するに特に伝動装置の第１終端位置
に在る場合、死点ばね６は、第１スロツパ３２にストツ
パ部３１が当接するまで緊張ばね１８に対抗して作用す
る。伝動装置の第１終端位置において一方では緊張ばね
１８によつて、また他方では死点ばね６によつて及ぼさ
れる力は特に、伝動装置を死点ばね６によつて第１終端
位置で保つように互に調和されている。

ストツパ部３１が第１ストツパ３２に当接すると、クラ
ンク揺動腕１４の前記継続旋回時に緊張ばね１８はクラ
ンク揺動腕１４に対してもはやいかなる作用も及ぼさな
い。ストツパ部３１の当接に続いて、かつヒンジピン１
２が図面で見て死点ばね６の死点位置より下位に位置す
ると今度は死点ばね６は、クランクピン２５が第１長穴
スロツト２４の下端に当接するまで、要するに特に伝動
装置の第２終端位置においてストツパばね４の作用に抗
して作用する。伝動装置の第２終端位置では一方では死
点ばね６によつて、また他方ではストツパばね４によつ
て及ぼされる力はやはり特に、伝動装置を死点ばね６に
よつて第２終端位置に保つように互に調和されている。

緊張ばね１８並びにストツパばね４が夫々死点ばね６に
対抗する力を及ぼすという構成条件に基づいて、伝動装
置を操作子５によつて各終端位置へもたらし、次いで当
該終端位置に、以下に述べるように自動的に止まらせる
ために必要とされる手動操作力は全体として僅かにな
る。

前縁用ストツパ３のストツプ位置を確定するために、側
壁８内に固定されたピンの形の第２ストツパ３５が設け
られており、該第２ストツパにストツパレバー２６は伝
動装置の第１終端位置で当接している。

図示の実施例では伝動装置は第２長穴スロツト２９の特
殊な構成とストツパレバー２６の制御面３６の構成とに
よつて、排紙装置を、前縁用ストツパ３によつて確定さ
れるスタツク１の側を真直ぐに合わせる装置と併用でき
るようにするために構成されている。このために制御面
３６は例えば制御カム（図示せず）と協動し、該制御カ
ムはストツパばね４の作用に抗して小さな旋回角の周期
的な振れをストツパレバー２６に生ぜしめる。しかしな
がらこの振れは、例えば捕捉アーム２の位置に不都合な
作用を及ぼすことはない。それというのは、この振れ
は、伝動装置の第１終端位置では連動ピン３０の両側で
延びている第２長穴スロツト２９の内部で連動ピン３０
を移動させるにすぎず、また前縁用ストツパ３を小さな
旋回角だけ解放位置へ向つて旋回させる場合クランクピ
ン２５を中心として第２リンク２８を旋回させるにすぎ
ないからである。

【図面の簡単な説明】

図面は枚葉紙用の排紙装置の１実施例を示す斜視図であ
る。 １……スタツク、２……捕捉アーム、３……前縁用スト
ツパ、４……ストツパばね、５……操作子、６……死点
ばね、７……旋回軸、８……側壁、９……第１支持部
材、１０……ガイドシヤフト、１１……第２支持部材、
１２……ヒンジピン、１３……ナツト、１４……クラン
ク揺動腕、１５……クランク軸、１６……傾動軸、１７
……捕捉レバー、１８……緊張ばね、１９……第１のは
ね脚片、２０……第２のばね脚片、２１……傾動レバ
ー、２２……第１リンク、２３……ヒンジピン、２４…
…第１長穴スロツト、２５……クランクピン、２６……
ストツパレバー、２７……ストツパ軸、２８……第２リ
ンク、２９……第２長穴スロツト、３０……連動ピン、
３１……ストツパ部、３２……第１ストツパ、３３，３
４……ピン、３５……第２ストツパ、３６……制御面

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送機構によつて枚葉紙加工機械から搬送
   方向に送出され選択的にスタツク上にか又は捕捉装置の
   捕捉アーム上に、しかも基本位置から一時的に前記スタ
   ツクより上位の捕捉位置へ変位可能な複数の捕捉アーム
   上に、卸される枚葉紙のための排紙装置であつて、枚葉
   紙の各前縁をストツプさせるために前記スタツクに配設
   されていて該スタツクから搬送方向に離反旋回可能な複
   数の前縁用ストツパと、前記捕捉アームを基本位置から
   捕捉位置へ、またその逆に変位させかつ前記前縁用スト
   ツパをストツパばねの作用に抗して搬送方向では解放位
   置へ、また逆方向ではスタツクに当接するストツプ位置
   へ旋回させる、共通の操作子によつて作動される伝動装
   置とを備え、該伝動装置が、解放位置への前記前縁用ス
   トツパの旋回を捕捉位置への捕捉アームの変位に引続い
   て行わせるように構成されている形式のものにおいて、
   伝動装置の第１終端位置では少なくとも１つの緊張ばね
   （１８）の作用に抗して捕捉アーム（２）を基本位置に
   保ちかつ伝動装置の第２終端位置ではストツパばね
   （４）の作用に抗して前縁用ストツパ（３）を解放位置
   に保つ死点ばね（６）が伝動装置に、旋回軸（７）に関
   して旋回可能に枢着されていることを特徴とする、枚葉
   紙用の排紙装置。
2. 【請求項２】死点ばね（６）が、操作子（５）によつて
   旋回可能なクランク揺動腕（１４）に枢着されており、
   捕捉アーム（２）を捕捉位置と基本位置とに変位させる
   傾動レバー（２１）と前記クランク揺動腕（１４）との
   間に、第１の制限された空行程を有する第１枢着継手が
   設けられており、かつ、前縁用ストツパ(３)を解放位置
   とストツプ位置とに旋回させるストツパレバー（２６）
   と前記クランク揺動腕（１４）との間に、第２の制限さ
   れた空行程を有する第２枢着継手が設けられている、請
   求項１記載の排紙装置。
3. 【請求項３】第１枢着継手が、傾動レバー（２）に一端
   で枢着された第１リンク（２２）と、該第１リンクの他
   端に設けられていて該第１リンクの長手方向に延びる第
   １の長穴スロツト（２４）と、該第１長穴スロツト内に
   係合するクランク揺動腕（１４）のクランクピン（２
   ５）とから成り、かつ第２枢着継手が、前記クランク揺
   動腕（１４）のクランクピン（２５）に一端で枢着され
   た第２リンク(28)と、該第２リンクの他端部に設けられ
   ていて該第２リンクの長手方向に延びる第２の長穴スロ
   ツト（２９）と、該第２長穴スロツト内に係合していて
   ストツパレバー（２６）と結合された連動ピン（３０）
   とから成つている、請求項２記載の排紙装置。
4. 【請求項４】傾動レバー（２１）が傾動軸（１６）と固
   定的に結合され、該傾動軸自体は捕捉レバー（１７）と
   固定的に結合されており、各捕捉アーム（２）が夫々１
   つの捕捉レバー（１７）に枢着されかつスタツク寄り端
   部では摺動可能にストツパ軸（２７）上に支持されてお
   り、緊張ばね（１８）が双脚ばねとして構成されていて
   前記捕捉レバー（１７）と、該捕捉レバーに枢着された
   捕捉アーム（２）との間に夫夫配置されており、かつ、
   前記捕捉アーム(２)を捕捉位置へ変位させる方向に前記
   傾動軸（１６）を回動させるように作用している、請求
   項２記載の排紙装置。
5. 【請求項５】緊張ばね（１８）が捕捉アーム（２）の捕
   捉位置で傾動レバー（２１）を第１ストツパ（３２）に
   圧着し、かつストツパばね（４）が前縁用ストツパ
   （３）のストツプ位置でストツパレバー（２６）を第２
   ストツパ(３５)に圧着する、請求項２記載の排紙装置。
6. 【請求項６】捕捉アーム（２）が、ストツパレバー(26)
   及び前縁用ストツパ（３）と夫々相対回動不能に固定結
   合されたストツパ軸（２７）上に摺動可能に支持されて
   いる、請求項４記載の排紙装置。
7. 【請求項７】第２長穴スロツト（２９）が、伝動装置の
   第１終端位置で前縁用ストツパ（３）を解放位置の方に
   向つて旋回させる方向でストツパレバー（２６）を少な
   くとも小さな角度だけ旋回させうるように配設されてい
   る、請求項３記載の排紙装置。