JPH06331129A - 燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 上部に炎口１を備え且つ下部に燃料ガス並び
に燃焼用空気の受入口５ａを備える複数の燃焼バーナＡ
が並設され、それら燃焼バーナＡの受入口５ａの夫々に
各別に燃料ガスを供給するノズル３ａが設けられ、複数
の燃焼バーナＡの受入口５ａの全てに向けて燃焼用空気
を送風する送風手段９が設けられた燃焼装置であって、
ノズル３ａの少なくとも噴出部を内部に収納する状態
で、複数の燃焼バーナＡの受入口５ａの全てを密閉又は
略密閉状態に覆う遮風体１６が設けられ、その遮風体１
６の送風手段９の送風方向と交差する壁部分における隣
合う噴出部の間に位置する箇所に、燃焼用空気の流入口
１６ａが形成されている燃焼装置。 【効果】 複数の燃焼バーナの吸引比を、送風手段の送
風状態のバラツキなどに関係なくほぼ均一にすることが
でき、燃焼バーナの燃焼性能の低下が防止され、且つ、
低インプット時などにおける保炎作用により、絞り性能
（ＴＤＲ）の低下などが防止された燃焼装置を提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上部に炎口を備え且つ
下部に燃料ガス並びに燃焼用空気の受入口を備える複数
の燃焼バーナが並設され、それら燃焼バーナの受入口の
夫々に各別に燃料ガスを供給するノズルが設けられ、前
記複数の燃焼バーナの受入口の全てに向けて燃焼用空気
を送風する送風手段が設けられた燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の燃焼装置において、送風
手段によって送風される燃焼用空気は、燃焼バーナの受
入口に向かって直接送風されるように構成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、送風手段による燃焼用空気の送風量や
送風強さ、送風方向などは、複数の燃焼バーナの夫々の
受入口に向かって、必ずしも均一には送風されないの
で、結果として、個々の受入口において吸引比にバラツ
キが生じ、燃焼バーナの燃焼性能が低下する不都合があ
った。

【０００４】ちなみに、吸引比を均一にする目的のため
に、燃焼バーナの受入口部分に固定式のダンパーなどを
設けることも考えられるが、通常、固定式のダンパー
は、一定の条件、すなわち、最大インプット時の下など
で吸引比が均一になるように設けられるので、条件から
外れた場合、すなわち、低インプット時などにおいては
効果が減少し、燃焼バーナの燃焼性能や、絞り性能（Ｔ
ＤＲ）などが低下する不都合があった。

【０００５】本発明の目的は、上記従来欠点を解消する
点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による燃焼装置の
第一の特徴構成は、前記ノズルの少なくとも噴出部を内
部に収納する状態で、前記複数の燃焼バーナの受入口の
全てを密閉又は略密閉状態に覆う遮風体が設けられ、そ
の遮風体の前記送風手段の送風方向と交差する壁部分に
おける隣合う前記噴出部の間に位置する箇所に、燃焼用
空気の流入口が形成されている点にある。

【０００７】本発明による燃焼装置の第二の特徴構成
は、第一の特徴構成を実施する際の好適な具体構成を特
定するもので、前記燃焼バーナが、一次空気の吸引比が
小さい濃混合気を生成して燃焼する濃燃焼用バーナとし
て、間隔を隔てて並置され、隣合う燃焼バーナの間に、
上部に炎口を備え且つ下部に燃料ガス並びに燃焼用空気
の受入口を備えて、一次空気の吸引比が大きい淡混合気
を生成して燃焼する淡燃焼用バーナが、その受入口を前
記送風手段からの燃焼用空気を受け入れるように前記遮
風体の外方に位置させる状態で設けられ、前記複数の淡
燃焼用バーナの受入口の夫々に各別に燃料ガスを供給す
るノズルが設けられた点にある。

【０００８】

【作用】本発明の第一の特徴構成によれば、複数の燃焼
バーナの受入口の全てを密閉又は略密閉状態に覆う遮風
体の、送風手段の送風方向と交差する壁部分における隣
合う噴出部の間に位置する箇所に、燃焼用空気の流入口
が形成されているから、送風手段によって送風される燃
焼用空気は、一旦、燃焼バーナの下部及び遮風体などに
当たって滞留させられた後、流入口を通って、送風手段
の送風方向と交差する方向に向かって遮風体の内側に流
入し、更に、流入口は隣合う噴出部の間に位置する箇所
に形成されているので夫々の噴出部の方向に向かって流
入方向が曲げられた後、夫々の受入口から吸引されるこ
とになるので、送風手段によって送風される燃焼用空気
が燃焼バーナの受入口に向かって直接送風されることが
なく、更に、遮風体によっていわゆるチャンバー状のも
のが構成され、チャンバー効果によって受入口から吸引
される燃焼用空気の均圧化が図れるので、複数の燃焼バ
ーナの吸引比を、送風手段の送風状態のバラツキなどに
関係なく、ほぼ均一にすることができる。

【０００９】第二の特徴構成によれば、一次空気の吸引
比が小さい濃混合気を生成して燃焼する濃燃焼用バーナ
が間隔を隔てて並置され、隣合う濃燃焼用バーナの間
に、一次空気の吸引比が大きい淡混合気を生成して燃焼
する淡燃焼用バーナが設けられた燃焼装置を構成するに
あたって、前記燃焼バーナを濃燃焼用バーナにて構成
し、且つ、淡燃焼用バーナが、その受入口を送風手段か
らの燃焼用空気を受け入れるように遮風体の外方に位置
させる状態で設けられ、複数の淡燃焼用バーナの受入口
の夫々に各別に燃料ガスを供給するノズルが設けられて
いるから、一次空気の吸引比が小さい濃燃焼用バーナに
おいては、第一の特徴構成において述べたごとくの作用
によって吸引比を均一にしつつも、一次空気の吸引比が
大きい淡燃焼用バーナにおいては、より燃焼用空気を吸
引しやすくして大きな吸引比を確保することができる。

【００１０】

【発明の効果】本発明の第一の特徴構成によれば、複数
の燃焼バーナの吸引比を、送風手段の送風状態のバラツ
キなどに関係なくほぼ均一にすることができるから、燃
焼バーナの燃焼性能の低下が防止され、且つ、低インプ
ット時などにおける保炎作用により、絞り性能（ＴＤ
Ｒ）の低下などが防止された燃焼装置を提供することが
できる。

【００１１】第二の特徴構成によれば、一次空気の吸引
比が小さい濃燃焼用バーナにおいては、第一の特徴構成
において述べたごとくの作用によって吸引比を均一にし
つつも、一次空気の吸引比が大きい淡燃焼用バーナにお
いては、より燃焼用空気を吸引しやすくして大きな吸引
比を確保することができるから、濃燃焼用バーナ及び淡
燃焼用バーナによる濃淡燃焼を行うことにより、排気ガ
ス中の低ＮＯx 化を図りつつも、濃燃焼用バーナ及び淡
燃焼用バーナのいずれの燃焼バーナにおいても燃焼性能
を向上され、且つ、低インプット時などにおいては、濃
燃焼用バーナの保炎作用の向上により絞り性能（ＴＤ
Ｒ）が向上され、もって、良好な濃淡燃焼を行うことが
できる燃焼装置を提供することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１には、上部に炎口１を備え且つ下部に燃料ガ
ス並びに燃焼用空気の受入口５ａを備える複数の燃焼バ
ーナとしての濃燃焼用バーナＡが並設され、それら濃燃
焼用バーナ１の受入口５ａの夫々に各別に燃料ガスを供
給するノズルとしての噴出ノズル３ａが設けられ、複数
の濃燃焼用バーナＡの受入口５ａの全てに向けて燃焼用
空気を送風する送風手段としての送風ファン９が設けら
れた燃焼装置の一例としての、濃淡燃焼装置が示されて
いる。

【００１３】濃淡燃焼装置は、一次空気の吸引比が小さ
い濃混合気を生成して燃焼する濃燃焼用バーナＡが、前
述のごとく間隔を隔てて並置され、一次空気の吸引比が
大きい淡混合気を生成して燃焼する淡燃焼用バーナＢ
が、隣合う濃燃焼用バーナＡの間に形成されている。濃
燃焼用バーナＡの上面には、濃混合気用の炎口１が形成
され、淡燃焼用バーナＢの上面には、淡混合気用の炎口
２が形成されている。この様に構成することにより、濃
混合気による濃火炎によって着火性や保炎効果を維持し
つつも、淡混合気による淡火炎によって燃焼温度を低く
した状態で所望の燃焼量の燃焼を行うことができ、もっ
て、排気ガス中におけるＮＯ_X （窒素酸化物）の発生が
極力低減された燃焼を行うことができる燃焼装置が構成
されている。

【００１４】本実施例における濃淡燃焼装置は、いわゆ
るブンゼン・バーナで構成されている。濃燃焼用バーナ
Ａ及び淡燃焼用バーナＢは、有底角筒状のケーシングＫ
の内部に交互に並設されて収納されている。濃火炎は、
濃燃焼用バーナＡに備えられている炎口１の上方に、淡
火炎は、淡燃焼用バーナＢに備えられている炎口２の上
方に、それぞれ形成される。

【００１５】ケーシングＫは、底板５とバーナ固定板６
と側板７とで構成されている。ケーシングＫの底板５に
は、濃燃焼用バーナＡ及び淡燃焼用バーナＢの夫々に対
応する濃混合用の受入口５ａと淡混合用の受入口５ｂと
が、淡混合用の受入口５ｂの開口面積を濃混合用の受入
口５ａの開口面積よりも大きくする状態で形成されてい
る。

【００１６】底板５の下方には、濃混合用の受入口５ａ
に向けて燃料ガスを噴出する噴出ノズル３ａを備えた濃
混合用の濃燃料ガス供給管３と、淡混合用の受入口５ｂ
に向けて燃料ガスを噴出する噴出ノズル４ａを備えた２
本の淡混合用の淡燃料ガス供給管４とが設けられてい
る。従って、濃燃焼用バーナＡ及び淡燃焼用バーナＢの
夫々に対して、受入口５ａ及び受入口５ｂを通して燃料
ガスが吹き込まれ、且つ、それに伴って燃焼用一次空気
が吸引されるように構成されている。

【００１７】濃燃焼用バーナＡ及び淡燃焼用バーナＢが
収納されたケーシングＫ、並びに、濃燃料ガス供給管３
及び淡燃料ガス供給管４は、濃淡燃焼装置の燃焼室を形
成する有底角筒状の筒胴Ｒの内部に備えられている。ケ
ーシングＫの外周囲箇所には、筒胴ＲとケーシングＫと
によって隙間８が形成されている。隙間８は、空気が上
方に向かって通風するように構成され、燃焼用二次空気
を炎口１及び炎口２に対して供給すると同時に、空気の
通流によってケーシングＫを冷却し、且つ、筒胴Ｒに対
してケーシングＫからの熱を遮断する効果を奏するよう
に構成されている。

【００１８】筒胴Ｒの底部には、底板５及び隙間８に向
けて燃焼用空気を送風する送風ファン９の、ファン吐出
口９ａが設けられている。ファン吐出口９ａには、吐出
空気の流速分布をより均一にするための整風板１０が設
けられている。整風板１０は、パンチング・メタルなど
で構成されている。

【００１９】図２には、２枚の濃燃焼用バーナＡと、そ
れら２枚の濃燃焼用バーナＡの間に形成される淡燃焼用
バーナＢとが示されている。濃燃焼用バーナＡは、偏平
な角筒状体ａで構成されている。

【００２０】角筒状体ａの下部には、燃料ガス及び燃焼
用一次空気が給気される縦長な角筒状のインレット部１
１が形成されている。インレット部１１は、角筒状体ａ
がケーシングＫに収納された状態において、ケーシング
Ｋの底板５に形成された受入口５ａの上方に位置するよ
うに設けられている。

【００２１】インレット部１１の上部には、偏平な角筒
状のミキシング部１２が形成されている。ミキシング部
１２において、燃料ガス及び燃焼用一次空気の混合が行
われるように構成されている。ミキシング部１２の中央
部には、ミキシング部１２内における混合気の分布をよ
り均一にするための絞り部１３が設けられている。

【００２２】角筒状体ａの上面には、濃混合気用の炎口
１が形成されている。本実施例において、炎口１は、長
円形の炎口１ａが３本一組で構成され、一個の角筒状体
ａについて１１個の炎口１が、適当なピッチで設けられ
ている。従って、受入口５ａを通りインレット部１１に
給気された燃料ガス及び燃焼用一次空気は、インレット
部１１内を上昇し、ミキシング部１２内で混合及び拡散
され、炎口１から吐出されて濃火炎を形成する。

【００２３】角筒状体ａの上部の両側面には、後述する
淡燃焼用バーナＢのための整流板１４が備えられてい
る。また、角筒状体ａの上面部の両端縁部には、隙間８
からの空気の、炎口１に対する直接的な吹き込みを遮蔽
する遮蔽板１５が設けられている。本実施例において、
整流板１４と遮蔽板１５とは一体に構成され、角筒状体
ａの側端部において角筒状体ａに固定されている。

【００２４】淡燃焼用バーナＢは、複数の角筒状体ａが
一定間隔を隔てた状態でケーシングＫに収納されること
により、２つの角筒状体ａの間に形成されている。ケー
シングＫの底板５に形成される受入口５ｂも、２つの角
筒状体ａの間に位置するように設けられている。従っ
て、受入口５ｂから給気された燃料ガス及び燃焼用一次
空気は、混合及び拡散されながら２つの角筒状体ａの間
を上昇し、整流板１４によって整流された後、炎口２か
ら吐出されて淡火炎を形成する。

【００２５】図３には、濃燃焼用バーナＡの部分を断面
とする断面図が示されている。ケーシングＫの底板５に
形成されている受入口５ａの左右両側に位置する箇所に
は、複数の濃燃焼用バーナＡの受入口５ａの全てを密閉
又は略密閉状態に覆う遮風体１６が、噴出ノズル３ａの
少なくとも噴出部を内部に収納する状態で、ケーシング
Ｋの底板５から垂下し、且つ、先端が濃燃料ガス供給管
３に当接する状態で設けられている。

【００２６】図４には、濃燃焼用バーナＡの並設方向を
断面とする断面図が示されている。遮風体１６には、送
風ファン９の送風方向と交差する壁部分、すなわち、垂
下部分における、隣合う噴出ノズル３ａの噴出部の間に
位置する箇所に、複数の燃焼用空気の流入口１６ａが形
成されている。流入口１６ａは、燃焼用空気を横方向に
通流させるように構成されている。

【００２７】燃焼用空気は、筒同Ｒの底部に形成されて
いるファン吐出口９ａから吐出され、整風板１０によっ
て筒同Ｒ内における送風分布がある程度均一にされた
後、底板５及び隙間８に向けて上方へ送風される。上方
へ送風された空気の一部は、隙間８を通ってケーシング
Ｋの上方へ抜け、燃焼用二次空気に供せられる。他の空
気は、一旦、ケーシングＫの底板５に当たって滞留させ
られた後、横方向に向かって流入口１６ａを通過し、更
に、夫々の噴出ノズル３ａの噴出部の方向に向かって流
入方向を曲げられた後、夫々の受入口５ａから吸引さ
れ、燃焼用一次空気に供せられる。

【００２８】なお、図３に示すように、淡燃料ガス供給
管４は、濃燃料ガス供給管３の左右両側に、遮風体１６
の外側に位置するように配置されており、図１に示すよ
うに、底板５の受入口５ｂは、夫々の噴出ノズル４ａの
上方に位置する状態に設けられている。従って、淡燃焼
用バーナＢは、その受入口５ｂを送風ファン９からの燃
焼用空気を受け入れるように遮風体１６の外方に位置さ
せる状態で設けられ、且つ、噴出ノズル４ａは、複数の
淡燃焼用バーナＢの受入口５ｂの夫々に、各別に燃料ガ
スを供給するように設けられている。

【００２９】〔別実施例〕送風手段は、空気を上方に向
かって送風する送風ファン９に限らず、いかなる方向に
向かって送風するものでも良い。

【００３０】従って、遮風体１６は、垂下壁に限らず、
送風手段の送風方向と交差する方向に燃焼用空気の流入
させるものであれば、形状及び構造を適宜変更できる。

【００３１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】燃焼装置の全体構造を示す一部破断斜視図

【図２】濃燃焼用バーナ及び淡燃焼用バーナの構造を示
す斜視図

【図３】燃焼装置の断面図

【図４】燃焼装置の断面図

【符号の説明】

Ａ 燃焼バーナ Ｂ 淡燃焼用バーナ １ 炎口 ２ 炎口 ３ａ ノズル ４ａ ノズル ５ａ 受入口 ５ｂ 受入口 ９ 送風手段 １６ 遮風体 １６ａ 流入口

フロントページの続き (72)発明者 木村 格 大阪府大阪市港区南市岡１丁目１番52号 株式会社ハーマン内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に炎口（１）を備え且つ下部に燃料
   ガス並びに燃焼用空気の受入口（５ａ）を備える複数の
   燃焼バーナ（Ａ）が並設され、それら燃焼バーナ（Ａ）
   の受入口（５ａ）の夫々に各別に燃料ガスを供給するノ
   ズル（３ａ）が設けられ、前記複数の燃焼バーナ（Ａ）
   の受入口（５ａ）の全てに向けて燃焼用空気を送風する
   送風手段（９）が設けられた燃焼装置であって、 前記ノズル（３ａ）の少なくとも噴出部を内部に収納す
   る状態で、前記複数の燃焼バーナ（Ａ）の受入口（５
   ａ）の全てを密閉又は略密閉状態に覆う遮風体（１６）
   が設けられ、その遮風体（１６）の前記送風手段（９）
   の送風方向と交差する壁部分における隣合う前記噴出部
   の間に位置する箇所に、燃焼用空気の流入口（１６ａ）
   が形成されている燃焼装置。
2. 【請求項２】 前記燃焼バーナ（Ａ）が、一次空気の吸
   引比が小さい濃混合気を生成して燃焼する濃燃焼用バー
   ナとして、間隔を隔てて並置され、 隣合う燃焼バーナ（Ａ）の間に、上部に炎口（２）を備
   え且つ下部に燃料ガス並びに燃焼用空気の受入口（５
   ｂ）を備えて、一次空気の吸引比が大きい淡混合気を生
   成して燃焼する淡燃焼用バーナ（Ｂ）が、その受入口
   （５ｂ）を前記送風手段（９）からの燃焼用空気を受け
   入れるように前記遮風体（１６）の外方に位置させる状
   態で設けられ、前記複数の淡燃焼用バーナ（Ｂ）の受入
   口（５ｂ）の夫々に各別に燃料ガスを供給するノズル
   （４ａ）が設けられた請求項１記載の燃焼装置。