JPH0632881A - 改質ポリエステルおよびフィルム - Google Patents

改質ポリエステルおよびフィルム

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JPH0632881A
JPH0632881A JP18698492A JP18698492A JPH0632881A JP H0632881 A JPH0632881 A JP H0632881A JP 18698492 A JP18698492 A JP 18698492A JP 18698492 A JP18698492 A JP 18698492A JP H0632881 A JPH0632881 A JP H0632881A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ベースポリエステルに対して、3官能以上のエ
ステル形成性化合物を0.1〜3.0重量%及びエ−テ
ル結合含有ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導
体を1〜20重量%含む改質ポリエステルおよびフィル
ム。 【効果】優れた接着性、透明性、巻ぐせカ−ル回復性を
有する改質ポリエステルおよびフィルムであり、該フィ
ルムは写真用支持体、包装用、一般工業用、磁気テ−プ
用等に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改質ポリエステルおよび
フィルムに関するものであり、詳しくは優れた接着性、
透明性、平面性を有する改質ポリエステルおよびフィル
ムに関するものである。さらに詳しくは写真用支持体、
包装用、一般工業用、磁気テ−プ用等に好適な優れた接
着性、透明性、平面性を有し、さらに耐熱性の良好な改
質ポリエステルおよびフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トあるいはポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト及び
これらを主体とするポリエステルは優れた物理的、化学
的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシ−トさ
らにはその成形品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気テ−プ用、電気用、写真用、包装用、製図用等
多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステルは接着
性および親水性インクによる印刷性に劣るという問題が
ある。従来ポリエステルフィルムの接着性を改良するた
めにフィルム表面にコロナ放電処理を施したり、接着性
物質をコ−ティングする方法などが知られている。しか
し、これらの方法は工程が煩雑となり、コストアップに
なるばかりでなく、フィルムの透明性等が低下したりす
る欠点がある。
【0005】そこで、これらの工程を必要とせず、ベ−
スフィルム自体から接着性を向上させることが試みられ
ている。例えば、特開昭52−151365号公報には
ポリアルキレングリコ−ルを使用してポリエ−テルセグ
メントを共重合し、フィルムの接着性や印刷性を改良し
ているものの、その特性は充分でない。
【0006】一方、写真用支持体は一般的にトリアセチ
ルセルロ−スとポリエチレンテレフタレ−トに代表され
るポリエステルなどからなるプラスチックフィルムが使
用されている。しかしながら、ポリエステルフィルムは
優れた機械的特性、透明性、寸法安定性を有するものの
ロ−ル形態では巻ぐせカ−ルが強く残留するため現像処
理後の取扱い性が悪く、X線用フィルム、製版用フィル
ムの如くシ−ト状形態での使用にその範囲が限定されて
きた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来技術の欠点を解消することにあり、特に、余分な高次
加工を必要とせず優れた接着性を有し、透明性、巻ぐせ
カ−ル回復性、機械的特性、かつ耐熱性をも満足させる
改質ポリエステルおよびフィルムを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルに対して、3官能以上のエステル形成
性化合物を0.1〜3.0重量%及び下記式(I) で示さ
れるエ−テル結合含有ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体を1〜20重量%含むことを特徴とする改
質ポリエステルによって達成できる。 R2 OOC(CH2 ) p O(C k H 2kO)m (R1 O)q (Cj H 2jO)n (CH 2 ) p COOR3 (I) (ただし、式中、R1 は炭素数4以上の二価の炭化水素
基、R2 、R3 は同一または異なる基で水素またはアル
キル基を表し、kおよびjはそれぞれ独立して2〜4の
整数、qは0または1、pは1〜3の整数、mおよびn
はそれぞれ独立して0以上の整数(ただし、m+n≧4
を満たす)である)。
【0009】本発明で用いるポリエステルとは芳香族ジ
カルボン酸または脂環族ジカルボン酸とジオ−ルを主た
る構成成分とするポリエステルであり、芳香族ジカルボ
ン酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、4,4
´−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4´−ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を
挙げることができ、また脂環族ジカルボン酸成分として
は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げること
ができる。これらの酸成分は2種以上併用してもよく、
さらにはアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシエトキ
シ安息香酸等のオキシ酸などを一部共重合してもよい。
またジオ−ル成分としては例えば、エチレングリコ−
ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,3−ブタンジオ−
ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレン
グリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリアルキレン
グリコ−ル、2,2´−ビス(4´−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン等の脂肪族、脂環族、芳香族
ジオ−ルを挙げることができる。これらのジオ−ル成分
は1種のみ用いてもよく、また2種以上併用してもよ
い。ベースポリエステルの代表的な例としては、ポリエ
チレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、
ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ−1,4−シクロヘキ
サンジメチレンテレフタレ−ト等が挙げられる。
【0010】本発明における3官能以上のエステル形成
性化合物とは、3価以上のエステル形成性官能基を有す
るものであれば、脂肪族、脂環族、芳香族いずれであっ
てもよい。エステル形成性官能基としては、例えば、カ
ルボキシル基、−COOR基(Rは1価の有機基)、−
COX基(Xはハロゲン原子)、水酸基、−OCOR´
基(R´は1価の有機基)等を挙げることができる。こ
こでR及びR´は、1価の有機基であれば、特に限定さ
れるものではないが、好ましくはメチル基、エチル基等
の低級脂肪族炭化水素基である。これらエステル形成性
官能基は、分子内に同種のものだけがあっても、異種の
ものがあってもいずれでもよい。かかる化合物として
は、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、
プレニット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の3価
以上のポリカルボン酸及びそれらのエステル、酸無水
物、酸ハロゲン化物等のエステル形成性誘導体、グリセ
ロール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、2,2,6,6−テトラメチロール
シクロヘキサノール、1,3,5−トリメチロールベン
ゼン等の3価以上のポリオール及びそれらのエステル形
成性誘導体、2,4−ジオキシ安息香酸、4−オキシイ
ソフタル酸、2,5−ジオキシテレフタル酸、グリセリ
ン酸及びそれらのエステル、酸無水物、酸ハロゲン化物
等のエステル形成性誘導体等を挙げることができる。上
述の化合物の中でも、特に3官能性化合物が好ましく、
また官能基としてはカルボキシル基が好ましい。なかで
もトリメリット酸、トリメリット酸トリメチルがより好
ましく用いられる。
【0011】3官能以上のエステル形成性化合物量は本
発明で用いるポリエステル(すなわちベースポリエステ
ル)に対して、0.1〜3.0重量%とする必要があ
り、好ましくは0.1〜1.5重量%である。
【0012】3官能以上のエステル形成性化合物量が
0.1重量%未満であると、十分な接着性能および巻ぐ
せカ−ル回復性が得られないため好ましくない。一方、
3.0重量%を越えるとゲル化を起こすために、フィル
ム成形が困難であったり、得られるフィルムの機械的強
度が低下して好ましくない。
【0013】本発明におけるエ−テル結合含有ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体は下記式(I) で示
されるものである。 R2 OOC(CH2 ) p O(C k H 2kO)m (R1 O)q (Cj H 2jO)n (CH 2 ) p COOR3 (I) なお、前記式において、R1 は炭素数4以上の二価の炭
化水素基であり、好ましくは炭素数4〜8の整数である
二価の炭化水素基である。また、R1 は、ハロゲン、酸
素、硫黄を含んでもよい。例えばテトラメチレン、ヘキ
シレン、2,2−ジメチルプロピレンなどの直鎖状ある
いは側鎖を有する脂肪族炭化水素基、シクロヘキシレン
などの脂肪族環を有する脂肪族炭化水素基、フェニレン
などの芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0014】また、前記式において、kおよびjはそれ
ぞれ独立して2〜4の整数、qは0または1、pは1〜
3の整数、mおよびnはそれぞれ独立して0以上の整数
(ただし、m+n≧4を満たす)である。m+nが4未
満であると耐熱性、機械的特性が低下したり、巻ぐせカ
−ル回復性が十分でない。m+nの好ましい値は30〜
500であり、m+nが500を越えると、透明性が低
下したりする問題を生じる場合がある。さらにm+nは
60〜300が特に好ましい。nは好ましくは30〜5
00である。式中、R2 およびR3 は同一または異なる
基で水素またはアルキル基を示し、好ましくは水素また
は炭素数1〜4の整数である低級アルキル基である。ま
た、エ−テル結合含有ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体の分子量は機械的特性及び透明性の点から
平均分子量で500〜25000の範囲にあるものが好
ましく、さらには1000〜20000、特には200
0〜10000の範囲にあるものが好ましい。
【0015】特に好ましいエ−テル結合含有ジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体は下記式(II)で示さ
れるものである。 R2 OOCCH 2 O(C 2 H 4 O)n CH2 COOR3 (II) (R2 およびR3 は前記定義に同じであり、nは4以上
の整数である。) 本発明におけるエ−テル結合含有ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体量は本発明で用いるポリエステ
ル(すなわちベースポリエステル)に対して、1〜20
重量%とする必要があり、好ましくは3〜17重量%、
さらに好ましくは5〜15重量%である。1重量%未満
では、接着性能、巻ぐせカ−ル回復性が十分でなく、一
方、20重量%を越えると機械的特性、耐熱性が低下し
好ましくない。
【0016】本発明の3官能以上のエステル形成性化合
物及びエ−テル結合含有ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体をベースポリエステルへ共重合あるいは
含有させる方法は特に限定されるものではない。ベース
ポリエステルへの配合もしくは添加方法および時期は任
意であり特に限定されない。粉体もしくは溶融状態でベ
ースポリエステルへ配合、添加してもよい。また、配
合、添加時期としては、ベースポリエステル合成反応
時、反応終了後の溶融状態、ペレット状態、成形前のい
ずれかの時期に配合、添加してもよい。特にベースポリ
エステル合成反応時の反応前から反応終了後の間に配
合、添加することが好ましい。
【0017】本発明の改質ポリエステルの具体的な製造
方法としては、例えばテレフタル酸成分とエチレングリ
コ−ル成分とからなるポリエチレンテレフタレ−ト系改
質ポリエステルについて説明すると、 A.テレフタル酸、3官能以上のエステル形成性化合物
(例えば、トリメリット酸)およびエ−テル結合含有ジ
カルボン酸とエチレングリコ−ルとを直接エステル化反
応させるか、テレフタル酸ジメチル、3官能以上のエス
テル形成性化合物(例えば、トリメリット酸トリメチ
ル)およびエ−テル結合含有ジカルボン酸のエステル形
成性誘導体とエチレングリコ−ルとをエステル交換反応
させる第1段階の反応と、この第1段階の反応生成物を
重縮合反応させる第2段階とによって製造する方法、 B.テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体及
び3官能以上のエステル形成性化合物とエチレングリコ
−ルとを直接エステル化反応、もしくはエステル交換反
応させる第1段階の反応終了後から、この反応生成物を
重縮合反応させる第2段階とによってポリエステルを製
造するまでの任意の間にエ−テル結合含有ジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体を添加し、製造する方
法等を挙げることができる。
【0018】この際、反応触媒として、従来公知のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られ、さらに着色防止剤としてリン化合物等を用いても
よい。
【0019】本発明の改質ポリエステルのガラス転移温
度は35℃以上が好ましく、さらには45℃以上が好ま
しく、特には50℃以上が好ましい。改質ポリエステル
のガラス転移温度が30℃未満では成形したフィルムの
耐熱性が低下し、熱変形したりするため好ましくない。
また、本発明の改質ポリエステルの極限粘度は成形した
フィルムの強度を高めるために、0.3以上が好まし
く、さらには0.4以上が好ましく、特には0.5以上
が好ましい。
【0020】本発明の改質ポリエステルおよびフィルム
には必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤
あるいはポリシロキサンなどの消泡剤を配合してもよ
く、さらには滑り性などを付与する目的でクレ−、マイ
カ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式およ
び乾式法シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらに
はアクリル、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等
を配合してもよい。
【0021】上記にて得られた改質ポリエステルは、乾
燥後、公知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイか
らシート状に押し出し、冷却固化せしめて未延伸シ−ト
とした後、この未延伸シ−トを2軸延伸することにより
目的とするフィルムにすることができる。延伸方法とし
ては、逐次延伸法又は同時二軸延伸法を用いることがで
きる。逐次二軸延伸法の場合、長手方向、幅方向の順に
延伸するのが一般的であるが、この順を逆にして延伸し
ても良い。延伸倍率はとくに限定されるものではないが
通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。
また、二軸延伸後、縦、横方向のいずれかに再延伸して
もかまわない。更に、その後、本発明フィルムを熱処理
してもよい。熱処理条件は、特に限定されるものではな
いが、通常180〜230℃、時間は0.5〜60秒間
が適当である。
【0022】また、上記溶融押出しの際、本発明改質ポ
リエステルと他のポリマーとからなる多層構造を有する
フィルムとすることもできる。該多層フィルムの層数は
特に限定されるものではないが、好ましくは2又は3層
である。本発明改質ポリエステルと他のポリマーとの厚
み比は特に限定されるものではないが、2層フィルムの
場合、好ましくは本発明改質ポリエステルよりなる一層
の厚みが該多層フィルム全体の厚みの10%以上であ
り、特に好ましくは20%以上である。また、3層以上
のフィルムの場合は、本発明改質ポリエステルよりなる
層の厚みの総和が該多層フィルム全体の厚みの10%以
上であり、特に好ましくは20%以上である。本発明改
質ポリエステルよりなる層は該多層フィルムの最外層に
あってもその内層にあってもよいが、接着性の点からは
該多層フィルムの少なくとも一方の最外層が本発明改質
ポリエステルであることが好ましい。積層フィルムに用
いられる他のポリマーは特に限定されるものではなく、
その代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート等のポリエステルが挙げられ、更にこれらに
その他公知の成分が一部共重合されていてもよい。
【0023】本発明フィルムは、その少なくとも一方の
面に下引層及びハロゲン化乳剤層等の表層材を設けるこ
とにより、本発明フィルムを支持体とした写真用感光材
料とすることができる。
【0024】また本発明の改質ポリエステルからは、上
述のフィルムの他にも常法に従って繊維およびその他の
成形加工製品を製造することができる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0026】A.改質ポリエステルの極限粘度;[η] o−クロロフェノ−ル溶媒を用い、25℃で測定した。
【0027】B.改質ポリエステルのガラス転移温度
(Tg)および融点(Tm) 差動走査熱量計により測定した。
【0028】C.透明性 改質ポリエステルから得られたフィルムをASTM−D
1003−59に準じてフィルムヘイズを測定した。
【0029】D.接着性 改質ポリエステルから得られたフィルムの表面にアルミ
ニウムを蒸着し、蒸着面にセロハンテ−プを圧着し、こ
れを剥離したときの状態で判定した。 ◎;セロハンテ−プ側に剥離されない。 ○;セロハンテ−プ側に剥離される部分が20%以下で
ある。 △;20%〜70%の部分がセロハンテ−プ側に剥離さ
れる。 ×;70%以上の部分がセロハンテ−プ側に剥離され
る。
【0030】E.破断強度 改質ポリエステルから得られたフィルムから10mm巾×
50mm長さの試料を作り、引張速度300mm/分で測定
した。
【0031】F.巻ぐせカ−ル回復性 改質ポリエステルから得られたフィルムから35mm巾×
133mm長さの試料を作り、直径10mmの巻芯に巻き、
70℃×30%RH×72hrの処理を行い、その後、
巻芯から解放し40℃の蒸留水に30分間浸漬後、サン
プルを垂直に吊し、30gの荷重をかけ50℃の空気恒
温槽で5分間乾燥する。処理したフィルムサンプルを平
面上に置き、元のサンプル長133mmに対して、サンプ
ル長さがどれだけ回復したかを評価した。
【0032】G.熱収縮率 改質ポリエステルから得られたフィルムから10mm巾×
250〜300mm長さの試料を作り、サンプルに3gの
クリップを用いて加重をかけ、80℃に設定した熱風オ
−ブン中で処理し、処理前後のサンプル長さを測定して
熱収縮率を求めた。
【0033】実施例1 ジメチルテレフタレ−ト100重量部、トリメリット酸
トリメチル0.5重量部、エチレングリコ−ル70重量
部、エステル交換反応触媒として酢酸マグネシウム0.
06重量部及び酢酸リチウム0.002重量部、重縮合
反応触媒として三酸化アンチモン0.03重量部を加
え、常法に従いエステル交換反応せしめたのち、リン酸
トリメチル0.023重量部を添加した。その後、エ−
テル結合含有ジカルボン酸として平均分子量4000の
ポリエチレンオキシジグリコ−ル酸 (PEOG) HOOCCH2 O( C2 H 4 O)n CH2 COOH 10重量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧し、最
終的に280℃、1mmHg以下で重縮合反応を行い改
質ポリエステルを得た。o−クロロフェノ−ル溶媒を用
い、25℃で測定した極限粘度は0.60、Tgは57
℃であった。得られた改質ポリエステルをフィルム成形
機で275℃にて製膜後、二軸延伸機により、縦延伸倍
率3.3倍、横延伸倍率3.5倍で延伸した後、200
℃で熱処理することにより厚さ60μのフィルムを得
た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
【0034】フィルムのヘイズは0.7%であり、接着
性も良好で、巻ぐせカ−ル回復性を評価したところほぼ
巻ぐせは解消した。また、80℃の熱収縮率は0.4%
であった。
【0035】比較実施例1 実施例1と同様の方法により、トリメリット酸トリメチ
ルのみを添加しないポリエステルおよびフィルムを得
た。該ポリエステルの極限粘度は0.62、接着性、透
明性ともに良好であったがカール回復性は、50%と不
良であった。表2に結果を示した。
【0036】実施例2〜6、比較実施例2〜4 表1に記載した如く、実施例1と同様の方法で各種の3
官能以上のエステル形成性化合物及びエ−テル結合含有
ジカルボン酸の種類、量を変更し、改質ポリエステルお
よびフィルムを得た。
【表1】 表中の略号は、次の化合物を示す。
【0037】 TMTM :トリメリット酸トリメチル PEOG :ポリエチレンオキシジグリコール酸 HOOCCH2 O(C 2 H 4 O)n CH2 COOH 実施例7 実施例1で用いた改質ポリエステルとポリエチレンテレ
フタレートを用い、溶融押出しの際、両外層が該改質ポ
リエステル、内層がポリエチレンテレフタレートである
3層積層体とした後、実施例1と同様の方法により、フ
ィルム全体の厚さが60μ、外層がともに15μ、内層
が30μの3層フィルムを得た。
【0038】実施例8 実施例1で用いた改質ポリエステルとポリエチレンテレ
フタレートを用い、溶融押出しの際、一方の層が該改質
ポリエステル、他層がポリエチレンテレフタレートであ
る2層積層体とした後、実施例1と同様の方法により、
フィルム全体の厚さが60μ、両層ともに30μの2層
フィルムを得た。
【0039】得られた改質ポリエステルおよびフィルム
の特性を表2に示した。(但し、実施例7、8について
は単一組成ではないため、[η]、Tgは記載していな
い)
【表2】 実施例2〜8は本発明の範囲内のものでありフィルムヘ
イズ、接着性、巻ぐせカ−ル回復性、熱収縮率ともに良
好であった。一方、比較実施例2はPEOGを使用しな
いものであり、フィルムのヘイズは良好であるものの、
接着性、巻ぐせカ−ル回復性ともに不良であった。比較
実施例3は、3官能以上のエステル形成性化合物量が本
発明の範囲外であり、重合中にゲル化を起こすため、安
定してポリマーを得ることができなかった。比較実施例
4は、エ−テル結合含有ジカルボン酸量が本発明の範囲
外であり、柔軟で自己支持性がなく、製膜ができなかっ
た。
【0040】
【発明の効果】本発明は上述したように、ベースポリエ
ステルに対して、特定量の3官能以上のエステル形成性
化合物及びエ−テル結合含有ジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体を含む改質ポリエステルおよびフィ
ルムであり、優れた接着性、透明性、巻ぐせカ−ル回復
性、耐熱性を有し、写真用支持体、包装用、一般工業
用、磁気テ−プ用等に好ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 4F C08L 67:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルに対して、3官能以上のエス
    テル形成性化合物を0.1〜3.0重量%及び下記式
    (I) で示されるエ−テル結合含有ジカルボン酸またはそ
    のエステル形成性誘導体を1〜20重量%含むことを特
    徴とする改質ポリエステル。 R2 OOC(CH2 ) p O(C k H 2kO)m (R1 O)q (Cj H 2jO)n (CH 2 ) p COOR3 (I) (ただし、式中、R1 は炭素数4以上の二価の炭化水素
    基、R2 、R3 は同一または異なる基で水素またはアル
    キル基を表し、kおよびjはそれぞれ独立して2〜4の
    整数、qは0または1、pは1〜3の整数、mおよびn
    はそれぞれ独立して0以上の整数(ただし、m+n≧4
    を満たす)である)
  2. 【請求項2】請求項1記載の改質ポリエステルからなる
    フィルム。
  3. 【請求項3】多層構造を有するフィルムであって、その
    少なくとも一層が請求項1記載の改質ポリエステルであ
    ることを特徴とするフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1989001102A1 (en) * 1987-07-29 1989-02-09 Nippon Carbon Co., Ltd. Gasket for internal combustion engine
JP2004256813A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Eastman Kodak Co 画像受理層に適したポリエステル組成物
JP2013139548A (ja) * 2011-12-09 2013-07-18 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル樹脂組成物及びそれからなるダイレクトブロー成形品
JP2020183527A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 エスケイシー・カンパニー・リミテッドSkc Co., Ltd. ポリエステルフィルムおよびこれを含むフレキシブルディスプレイ装置

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